JPH09302595A - 製紙用薬剤およびその用途 - Google Patents

製紙用薬剤およびその用途

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JPH09302595A
JPH09302595A JP8137761A JP13776196A JPH09302595A JP H09302595 A JPH09302595 A JP H09302595A JP 8137761 A JP8137761 A JP 8137761A JP 13776196 A JP13776196 A JP 13776196A JP H09302595 A JPH09302595 A JP H09302595A
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理 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製紙用薬剤として効果的な新規ポリマーを提供
する事を本発明の目的とする。 【構成】ポリビニルアルコールの存在下、水性媒体中で
N−ビニルホルムアミド単独重合あるいはアクリロニト
リルとの共重合を行う事によりポリビニルアルコールを
主鎖に持つグラフト共重合体を得る事ができる。 この
共重合体を塩酸等で加水分解することにより、ポリビニ
ルアルコールを主鎖に持ち側鎖にアミノ基あるいはアミ
ジン基を有するグラフト共重合体を得る事ができる。
該グラフト共重合体は内添用あるいは表面塗工用の製紙
用薬剤として効果が大きく、紙力増強剤、サイズ等の歩
留り向上剤、濾水性向上剤、表面塗工剤、インクジェッ
ト記録紙用剤等の用途に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用薬剤として有用な
新規なカチオン性高分子および その製法を開示するも
のであり、主鎖がポリビニルアルコールであり側鎖にビ
ニルアミン構造単位あるいはビニルアミジン構造単位を
有する新規なカチオン性高分子から成る、紙力増強剤、
サイズや填料等の歩留り向上剤、濾水性向上剤、塗工原
紙に用いる塗工剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアミンは従来ポリアクリルア
ミドのホフマン分解により製造する方法が知られてい
る。 またN−ビニルカルボン酸アミドを重合して得ら
れるポリN−ビニルカルボン酸アミドを加水分解して製
造する事ができる(特開昭58−23809号公報)。
またN−ビニルカルボン酸アミドと酢酸ビニルの共重
合体の加水分解によりビニルアミノ基を含有する水溶性
高分子を製造する事ができる(特開昭62−74902
号公報)。 N−ビニルカルボン酸アミドとアクリロニ
トリルを共重合し、この共重合体を加水分解したもの、
さらに高温変性してアミジン化した水溶性高分子も提案
されている(特開昭63−165412号公報、特開平
6−123096号公報)。 このN−ビニルカルボン
酸アミドとアクリロニトリル共重合体は水不溶性である
ため、水性媒体中で重合する事により共重合体は沈澱物
として得られるが、重合時に共重合体粒子同士の合着、
あるいは重合容器器壁への付着や塊状化などのトラブル
が起きやすいために水溶性高分子等を粒径調整剤として
添加する事を先に提案した(特願平7−93258
号)。
【0003】
【発明の課題】本発明はこれまで知られていなかった新
規なカチオン性水溶性高分子から成る製紙用薬剤を提供
する事を発明の課題とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明は水性媒体中におい
てポリビニルアルコールの存在下でN−ビニルカルボン
酸アミド10〜100モル%およびアクリロニトリル0
〜90モル%を含有するモノマーを共重合する事によ
り、生成する共重合体粒子の塊状化が防止されるばかり
ではなく、グラフト共重合体が生成する事を見いだし、
該共重合体を加水分解する事により得られるカチオン性
水溶性高分子が製紙用薬剤として有用である事を発見し
本発明を完成した。
【0005】ビニルアルコール構造単位とビニルアミン
構造単位のランダム共重合体は知られていたが、主鎖が
ポリビニルアルコールであり、側鎖にビニルアミン構造
単位を含有するポリマーチェーンから成るグラフト共重
合体の存在は知られていなかった。 また主鎖がポリビ
ニルアルコールであり、側鎖にビニルアミン構造単位と
ビニルアミジン構造単位を含有するポリマーチェーンか
ら成るグラフト共重合体の存在は知られていなかった。
【0006】請求項1の発明は水性媒体中においてポリ
ビニルアルコールの存在下でN−ビニルカルボン酸アミ
ド10〜100モル% およびアクリロニトリル0〜9
0モル%を含有するモノマーを共重合し、ついで加水分
解して成る製紙用薬剤である。 N−ビニルカルボン酸
アミド35〜100モル%、アクリロニトリル0〜65
モル%の側鎖組成が製紙用薬剤として特に好ましい。
本発明のグラフト共重合は通常のラジカル発生剤により
上記条件で重合する事により行なう事ができる。 例え
ば2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸
塩、4,4’−アゾビス−4シアノ吉草酸ナトリウム
塩、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブ
チルアミジン・2塩酸塩などのアゾ系開始剤を好ましく
用いる事ができる。 また これらのアゾ系開始剤と共
に酸化系あるいはレドックス系の開始剤を併用したり単
独で用いる事もできる。 重合開始剤の使用量は通常、
モノマーに対して100〜10,000ppm程度であ
る。 分子量の調節はメタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール類あるいは2−メルカプト
エタノール等の含硫黄化合物を用いて行なう。 その使
用量はモノマーに対してアルコール類では0.1〜20
0重量%、2−メルカプトエタノールでは0.01〜1
0重量%である。 またビニルカルボン酸アミド中に含
まれるアルデヒドに由来する高分子架橋を抑制する為に
ヒドロキシルアミン塩をN−ビニルカルボン酸アミドに
対して0.1〜1重量%添加すると良い。 重合反応は
一般に脱酸素の後30〜100度Cの温度条件下で行な
われる。 グラフト共重合体は核磁気共鳴分光法や赤外
分光法等で分析される他、アクリロニトリルとN−ビニ
ルカルボン酸アミド共重合物は水不溶性であるため、該
組成の側鎖を持つポリビニルアルコール共重合体の場合
は水による溶出量よりグラフト量を算出することができ
る。 本発明による生成ポリマーのポリビニルアルコー
ルへの付加率すなわちグラフト化率は10〜60%であ
る。 該グラフト共重合体は単離する事無く、単独重合
体との混合物の状態であっても製紙用薬剤として良好な
効果を発揮し、複雑な単離工程が不要である事は本発明
の実用上の価値を高めるものである。
【0007】請求項3の発明は水性媒体中においてポリ
ビニルアルコールの存在下でN−ビニルカルボン酸アミ
ド10〜100モル% およびアクリロニトリル0〜9
0モル%を含有するモノマーを共重合し、ついで加水分
解してポリマーを製造するにあたりポリビニルアルコー
ルとモノマーの式量比が2:1〜1:20である事を特
徴とする製紙用薬剤である。 製紙用薬剤として有効な
グラフト共重合体を得るにはポリビニルアルコールとモ
ノマーの式量比が2:1〜1:20である事が望まし
い。 N−ビニルカルボン酸アミドとしてはN−ビニル
ホルムアミドおよびN−ビニルアセトアミドが挙げられ
るがN−ビニルホルムアミドが特に好ましい。 グラフ
ト共重合は水性媒体中でポリビニルアルコールの存在下
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルをモノマー
溶液状態として行なわれ、水性媒体としては水単独が望
ましいが、水と均一に混合する有機溶媒たとえばジメチ
ルスルホキシド、エタノール、N−メチルピロリドンな
どを水に混合しても良い。重合方式としてはポリビニル
アルコールの存在下でモノマー全量を重合容器に仕込み
重合を開始する方式か、モノマーの一部を重合容器に仕
込み重合開始後に重合の進行にあわせて残りのモノマー
を仕込む方式などが採用される。 加水分解は酸性条件
下で加水分解され、塩酸、臭化水素酸、弗化水素酸、硫
酸、スルファミン酸等を使用可能な酸として挙げる事が
できるが、塩酸の使用が特に好ましい。 アルカリ性雰
囲気で加水分解するとニトリル基がカルボン酸イオンと
なりアニオン性基を生ずる為に好ましい方法とは言えな
い。 酸の使用量は側鎖のホルミル基に対して10〜2
00モル%の範囲で目的の変成率に応じて適宜使用され
る。 酸加水分解の際に架橋防止の為にヒドロキシルア
ミン塩を仕込のホルミル基に対して2〜10モル%加え
ると良い。 加水分解反応は通常40〜120度Cの温
度条件で0.5〜20時間で完結する。 アミジン基の
生成は、80〜120度Cの温度条件で0.5〜20時
間加熱する事により、ホルムアミド基の加水分解反応に
より生成したアミノ基と、隣接するニトリル基が反応し
閉環する事により生じる。 アクリロニトリル共重合率
0%の場合はアミジン基を生成せず側鎖はポリビニルア
ミン(ビニルホルムアミド構造単位含有)と成る。
【0008】ポリビニルアルコールの鹸化率は87モル
%程度の部分鹸化物から99モル%程度の完全鹸化物ま
で、重合溶媒(水性媒体)に溶解する範囲の鹸化物は任
意に使用する事ができる。 ポリビニルアルコールの重
合度は低重合度(重合度300〜700)から高重合度
(重合度1700〜2400)まで目的に応じ任意に使
用する事ができる。 ポリビニルアルコールは濃度2〜
25重量%の条件で溶液(場合により分散)状態で重合
の場に置かれ、モノマー濃度5〜60重量%で水性媒体
中に存在させ、溶液重合、逆相乳化重合、逆相懸濁重合
等によりN−ビニルカルボン酸アミド等をグラフト重合
させる。 製紙用薬剤としては油性物が忌避される為、
溶液重合(場合により沈殿重合)が好ましく用いられ
る。
【0009】請求項4の発明は水性媒体中においてポリ
ビニルアルコールの存在下でN−ビニルカルボン酸アミ
ド10〜100モル% およびアクリロニトリル0〜9
0モル%を含有するモノマーを共重合し、ついで加水分
解して成るポリマーの1規定食塩水中における固有粘度
が0.1〜10dl/gである製紙用薬剤である。好ま
しくは0.2〜7dl/gの範囲が各種製紙用薬剤とし
て目的に応じ用いられる。 製紙用薬剤としての使用方
法は従来公知の方法がそのまま適用され、塗工用薬剤に
は低分子量のものが、凝集力を必要とする分野には高分
子量のものが、内添用の紙力増強剤には中分子量のもの
が適用される。
【0010】請求項5の発明は上記製紙用薬剤の具体的
用途としての紙力増強剤に関するものである。 紙力増
強剤は紙の圧縮強度、引っ張り強度、破裂強度、表面強
度、層間剥離強度の改良等に使用されるもので抄紙に際
しパルプスラリー中に添加する方法の他、湿紙または乾
燥紙にロールコーター、サイズプレス、スプレーあるい
は浸漬機により塗布する方法も採用される。 また必要
に応じてカチオン澱粉、アニオン系紙力増強剤の一般的
紙力増強剤や硫酸バンド等を併用する。 パルプの種類
は特に限定されるものではなく、GP,SP,KP,D
IP等いずれにも使用される。
【0011】請求項6の発明は上記製紙用薬剤の具体的
用途としての歩留り向上剤に関するものである。 本発
明品は填料歩留りのみならずサイズの定着歩留り向上に
有効であり、成紙の撥水性を向上させる効果がある。
【0012】請求項7の発明は上記製紙用薬剤の具体的
用途としての濾水性向上剤に関するものである。 濾水
性向上剤は抄紙速度の向上を意図するものであり、主に
板紙において使用され、ワイヤー上の水切れ及び搾水性
の向上による乾燥性の増大を図るものである。
【0013】請求項8の発明は上記製紙用薬剤の具体的
用途としての成紙の表面塗工剤に関するものである。
本発明に係るグラフト共重合体は他の塗工用薬剤たとえ
ばカチオン澱粉、酸化澱粉、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子やラテックスあるいはコロイダルシリカ、
タルク、カオリンクレー、炭酸カルシュウム等の塗工用
顔料類を併用する事ができる。 これらの塗工剤への添
加量は通常0.05〜10g/m2 好ましくは0.2〜
5g/m2 である。 塗工原紙は特に制限は無く、酸性
抄紙、中性抄紙のコート原紙、新聞用紙、PPC用紙等
の各原紙に塗工する事ができる。 塗工用原紙に本発明
にかかるグラフト共重合体を単独または他の塗工用薬剤
を混合した塗工液をサイズプレス、ゲートロールコータ
ー、ブレードコーターあるいはキャレンダー等で表面塗
布し、印刷用紙、記録用紙とすることができる。
【0014】請求項9の発明は上記製紙用薬剤の具体的
用途としての成紙の表面塗工剤に関するものであり、本
発明品を塗工原紙表面に塗工する事を特徴とするインク
ジェット記録紙の製造方法である。 本発明は上述の如
く塗工原紙に対して印刷適性を向上させるのみならず、
インクジェットの記録紙としてアニオン性の水溶性イン
クと結合して水不溶性とし、紙への浸透を抑制し、イン
クジェット印刷におけるカラーの発現に鮮やかな色調を
保持する。
【0015】
【作用】ポリビニルアルコールを幹ポリマー(主鎖)と
し、これにビニルアミンポリマー単位あるいはビニルア
ミジンポリマー単位を枝ポリマー(側鎖)としてグラフ
ト付加しているのが本発明品である。 その為に製紙用
薬剤として使用する場合幹ポリマーの水酸基がパルプと
水素結合により強固に接着し、枝ポリマーのアミノ基,
アミジン基が製紙用添加剤たとえば填料やサイズ剤など
とイオン結合を行う。 また塗工した場合に紙表面にお
いてアニオン性の水溶性インクと結合して、これを水不
溶性とし、紙への浸透を抑制し印刷インクの鮮やかな色
調を保持する。 これはポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアミン、N−ビニルホルムアミドと酢酸ビニル共重
合体の鹸化物には無い特色である。
【0016】
【実施例】次に実施例によって、本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。
【0017】(合成例ー1)攪拌機、窒素導入管、冷却
器および温度計を備えた300mlの四つ口フラスコ
に、(株)クラレ製ポリビニルアルコール117(鹸化
率98〜99モル%、重合度1700)8.0gと蒸留
水127.0gを仕込み、90度Cに加温し、ポリビニ
ルアルコールを溶解した。 次いで室温に冷却後N−ビ
ニルホルムアミド22.9g(0.32モル)とアクリ
ロニトリル17.1g(0.32モル)を加え、次いで
2−メルカプトエタノール1%水溶液8.0gおよびヒ
ドロキシルアミン塩酸塩1%水溶液6.7gを加えた。
アクリロニトリルの蒸発を防ぐ為、氷冷下で窒素ガス
を通じた後、50度Cに昇温し2,2’−アゾビス−2
−アミジノプロパン・2塩酸塩2%水溶液10.0gを
加え300rpmの攪拌下50度Cにて6時間保持し
た。 重合物の一部をとりアセトン中に添加してポリマ
ーを析出させ、これを真空乾燥して固体状のポリマーを
得た。 NMRによりポリビニルアルコールへのグラフ
ト化率を求めた。 また液体クロマトグラフ分析により
残留するモノマー量を測定し重合率を求めた。 次いで
上記重合物(液)100gを攪拌機、冷却器および温度
計を備えた200mlの三つ口フラスコにとり、ヒドロ
キシルアミン塩酸塩10%水溶液5.6gおよび35%
塩酸18.5g(共重合体中のホルミル基に対して11
0モル%)を添加して攪拌しながら70度Cで3時間反
応させ、次いで90度Cに昇温し3時間加水分解した。
得られた反応物(加水分解物)溶液をアセトン中に滴下
して析出せしめ、これを真空乾燥して固体状加水分解物
を得た。 常法によりコロイド当量値と固有粘度を測定
した。 結果を表ー1に示す。
【0018】(合成例ー2〜4)合成例ー1と同様の装
置により、ポリビニルアルコールの種類および量を代え
て同様の操作をおこない、加水分解したグラフト共重合
体を得た。 結果をまとめて表ー1に示す。
【0019】(比較例ー1)合成例ー1と同様な操作を
ポリビニルアルコールを使用する事無くおこなった後、
合成例ー1と同様の量のポリビニルアルコールを混合し
た試料を調整した。結果を表ー1に示す。
【0020】
【表ー1】
【0021】(合成例ー5)合成例ー1と同様な装置に
より(株)クラレ製ポリビニルアルコール117(鹸化
率98〜99モル%、重合度1700)4.0gと蒸留
水146.0gを仕込み、合成例ー1と同様に加温溶解
後、室温に冷却しN−ビニルホルムアミド40.0gを
加え、窒素ガスを通じた後50度Cに昇温し2,2’−
アゾビス−2ーアミジノプロパン・2塩酸塩2%水溶液
10gを加え300rpmの攪拌下50度Cにて6時間
保持し重合物を得た。 重合物の一部を合成例ー1と同
様の分析操作に供した。 この重合物(液)100gを
合成例ー1と同様な装置によりヒドロキシルアミン塩酸
塩10%水溶液9.8gおよび35%塩酸32.2g
(共重合体中のホルミル基に対して110モル%)を添
加して攪拌しながら70度Cで3時間反応させ、次いで
90度Cに昇温し3時間加水分解した。 結果を表ー2
に示す。
【0022】(合成例ー6〜7)合成例ー5と同様の装
置によりポリビニルアルコール量を代える以外は合成例
ー5と同様の操作により加水分解物を得た。 結果を表
ー2に示す。
【0023】(比較例ー2)合成例ー5と同様の装置に
よりポリビニルアルコールを添加しない以外は合成ー5
と同様の操作により加水分解物を得、合成例ー5と同様
量のポリビニルアルコールを添加混合して試料を得た。
結果を表ー2に示す。
【0024】(比較例ー3)攪拌機、窒素導入管、モノ
マー滴下ロートおよび温度計を備えた500mlの五つ
口フラスコに蒸留水150.0gおよびエマルゲン14
7(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王(株)
製)1.5gを入れ、65度Cに加温した。一方、予め
酢酸ビニル(純度99%)67.5g、Nービニルホル
ムアミド45.0gおよび2,2’−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)0.25gの混合物をモ
ノマー滴下ロートにとり、フラスコ内に窒素ガスを通じ
ながらモノマー混合物17gを滴下した。 重合が開始
した後、残りのモノマー混合物を1時間かけて滴下し、
更に65度Cで2時間重合を行った。 次いで蒸留水7
5gで希釈し2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
0.05gをアセトン3mlに溶解した液を加えて75
度Cで2時間重合を行った後、更に2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル0.05gをアセトン3mlに溶解
した液を加えて95度Cで1時間重合を行い、酢酸ビニ
ル55モル%およびNービニルホルムアミド45モル%
の共重合体の共重合体溶液を得た。 この共重合体溶液
に共重合体中のホルミル基に対して230モル%の塩酸
を加えて60度Cで6時間加水分解を行った。 得られ
た加水分解物の溶液をアセトン中に注加して析出せし
め、これを真空乾燥して固体状の共重合体加水分解物を
得た。 結果を表ー2に示す。
【0025】
【表ー2】
【0026】(合成例ー8)攪拌機、窒素導入管、冷却
器および温度計を備えた300mlの四つ口フラスコ
に、(株)クラレ製ポリビニルアルコール117(鹸化
率98〜99モル%、重合度1700)8.0gと蒸留
水148.0gを仕込み、90度Cに加温し、ポリビニ
ルアルコールを溶解した。 次いで室温に冷却後N−ビ
ニルホルムアミド22.9g(0.32モル)とアクリ
ロニトリル17.1g(0.32モル)を加え、ヒドロ
キシルアミン塩酸塩1%水溶液6.7gを加えた。 ア
クリロニトリルの蒸発を防ぐ為、氷冷下で窒素ガスを通
じた後、50度Cに昇温し、2,2’−アゾビス−2−
アミジノプロパン・2塩酸塩2%水溶液4.0gを加え
300rpmの攪拌下45度Cにて15時間保持し、重
合を行った。 重合物の一部をとりアセトン中に添加し
てポリマーを析出させ、これを真空乾燥して固体状のポ
リマーを得た。 NMRによりポリビニルアルコールへ
のグラフト化率を求めた。 また液体クロマトグラフ分
析により残留するモノマー量を測定し重合率を求めた。
重合率は99.8%でありグラフト化率は42%であ
った。 次いで上記重合物(液)100gを攪拌機、冷
却器および温度計を備えた200mlの三つ口フラスコ
にとり、ヒドロキシルアミン塩酸塩10%水溶液5.6
gおよび35%塩酸18.5g(共重合体中のホルミル
基に対して110モル%)を添加して攪拌しながら70
度Cで12時間加水分解した。 得られた反応物(加水
分解物)溶液をアセトン中に滴下して析出せしめ、これ
を真空乾燥して固体状加水分解物を得た。 常法により
コロイド当量値と固有粘度を測定した。 カチオン当量
値は6.0meq/gであり固有粘度は5.3dl/g
であった。
【0027】(比較例ー4)実施例−8と同様の装置を
用い、ポリビニルアルコールを使用しない以外は実施例
−8と同様の重合操作を行った後、実施例−8と同量の
ポリビニルアルコールを混合したのち実施例−8と同様
の加水分解と析出乾燥操作を行い、固体状加水分解物を
得た。 カチオン当量値は6.1meq/gであり固有
粘度は5.0dl/gであった。
【0028】(合成例ー9)合成例ー1と同様な装置に
より(株)クラレ製ポリビニルアルコール117(鹸化
率98〜99モル%、重合度1700)8.0gと蒸留
水150.0gを仕込み、合成例ー1と同様に加温溶解
後、室温に冷却しN−ビニルホルムアミド40.0gを
加え、窒素ガスを通じた後50度Cに昇温し2,2’−
アゾビス−2ーアミジノプロパン・2塩酸塩2%水溶液
2.0gを加え300rpmの攪拌下50度Cにて15
時間保持し重合物を得た。 重合物の一部をとりアセト
ン中に添加してポリマーを析出させ、これを真空乾燥し
て固体状のポリマーを得た。NMRによりポリビニルア
ルコールへのグラフト化率を求めた。 また液体クロマ
トグラフ分析により残留するモノマー量を測定し重合率
を求めた。 重合率は99.6%でありグラフト化率は
30%であった。 次いで上記重合物(液)100gを
攪拌機、冷却器および温度計を備えた200mlの三つ
口フラスコにとり、ヒドロキシルアミン塩酸塩10%水
溶液5.8gおよび35%塩酸11.7g(重合体中の
ホルミル基に対して40モル%)を加え70度Cで12
時間加水分解した。 得られた反応物(加水分解物)溶
液をアセトン中に滴下して析出せしめ、これを真空乾燥
して固体状加水分解物を得た。 常法によりコロイド当
量値と固有粘度を測定した。 カチオン当量値は3.7
meq/gであり固有粘度は3.4dl/gであった。
【0029】(比較例ー5)実施例−9と同様の装置を
用い、ポリビニルアルコールを使用しない以外は実施例
−9と同様の重合操作を行った後、実施例−9と同量の
ポリビニルアルコールを混合したのち実施例−9と同様
の加水分解と析出乾燥操作を行い、固体状加水分解物を
得た。 カチオン当量値は3.8meq/gであり固有
粘度は3.2dl/gであった。
【0030】〔効果試験ー1〕LBKP〔CSF(カナ
ディアンスタンダードフリーネス)=400ml〕のパ
ルプスラリー(パルプ濃度0.4%)の300mlを5
00mlガラスビーカーにとり、600rpmで攪拌し
ながらエマルジョン型ロジンサイズ剤0.3%対パル
プ、本実施例のポリマー0.2%対パルプ、液体バンド
3%対パルプをそれぞれ20秒間隔で添加混合した後、
タッピースタンダード手抄き抄紙機にて、目標坪量60
g/m2 の紙を抄き、105度Cで5分間ロール乾燥
後、温度20度C湿度60%の恒温恒湿室にて調湿し、
破裂強度およびステキヒトサイズ度を測定した。 なお
破裂強度はJIS P−8112、ステキヒトサイズ度
はJISP−8122に準拠した。 結果を表ー3に示
す。
【0031】
【表ー3】
【0032】〔効果試験ー2〕本実施例のポリマー1.
2%水溶液を調整し、これを市販中質紙(坪量55g/
2 、大昭和製紙(株)製)にコーティングロッドによ
り塗布し、105度Cで5分間ロール乾燥して塗工紙を
得た。 塗工量は0.1g/m2 および0.2g/m2
である。 破裂強度試験結果を表ー4に示す。
【0033】
【表ー4】
【0034】〔効果試験ー3〕効果試験ー1のLBKP
の0.3%スラリー1000mlをとり300rpmで
攪拌しながら液体バンド2%対パルプ添加し、20秒後
本実施例のポリマーを表記記載量添加し、20秒攪拌後
カナディアンスタンダードフリーネステスターに投入し
て濾水量を測定した。 結果を表ー5に示す。
【0035】
【表ー5】
【0036】〔効果試験ー4〕坪量70g/m2 、ステ
キヒトサイズ度25秒の上質紙を支持体とし、塗工液
(微粉末シリカ6.8g,PVA117(クラレ製)
2.7g,本実施例のポリマー0.5gおよび水40g
を混合した液)をコーティングロッドにより固形分で
5.0g/m2 を片面に塗工して塗工紙を得た。 この
塗工紙をカラー印刷後、印字の耐水性および対光性を下
記の如く測定した。 なおカラー印刷はキャノン(株)
製BJC600型カラーバブルジェットプリンターによ
って、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー
(Y),ブラック(BL)の各色についてベタ印字し
た。 結果を表ー6に示す。 (耐水性)ベタ印字した画像を3リットル/分の流水中
に10分間浸漬し、試験前後の画像濃度を5段階に評価
した。 <判定> A:変わらず B:微かに色が滲み出る。 C:色落ちを認める。 D:色落ち大。 E:ほとんど脱色。 (耐光性)ベタ印字した画像をフェードメーターで24
時間照射し、照射前後の画像濃度を4段階に評価した。 <判定> A:変わらず B:微かに褪色。 C:褪色。 D:極めて褪色。
【0037】
【表ー6】
【0038】
【発明の効果】本発明の製紙用薬剤はビニルアミン等の
重合体としてビニルアルコールとのランダム共重合体、
あるいはポリビニルアルコールとの混合体とは異なり、
製紙用薬剤として優れた性質を発揮する。 この様な優
れた性能を有する製紙用薬剤が、かくも容易な方法で得
られることは誰しも思いもよらなかった事であり、それ
故に本発明の価値は高い。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でN−ビニルカルボン酸アミド10〜100
    モル% およびアクリロニトリル0〜90モル%を含有
    するモノマーを共重合し、ついで加水分解して成る製紙
    用薬剤。
  2. 【請求項2】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でN−ビニルカルボン酸アミド35〜100
    モル% およびアクリロニトリル0〜65モル%を含有
    するモノマーを共重合し、ついで加水分解して成る事を
    特徴とする請求項1に記載の製紙用薬剤。
  3. 【請求項3】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    ポリマーを製造するにあたりポリビニルアルコールとモ
    ノマーの式量比が2:1〜1:20である事を特徴とす
    る請求項1ないし請求項2に記載の製紙用薬剤。
  4. 【請求項4】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーの 1規定食塩水中における固有粘度が
    0.1〜10dl/gである事を特徴とする請求項1な
    いし請求項3に記載の製紙用薬剤。
  5. 【請求項5】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーを使用する事を特徴とする請求項1ないし
    請求項4に記載の紙力増強剤。
  6. 【請求項6】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーを使用する事を特徴とする請求項1ないし
    請求項4に記載の歩留り向上剤。
  7. 【請求項7】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーを使用する事を特徴とする請求項1ないし
    請求項4に記載の濾水性向上剤。
  8. 【請求項8】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーを使用する事を特徴とする請求項1ないし
    請求項4に記載の成紙の表面塗工剤。
  9. 【請求項9】 水性媒体中においてポリビニルアルコー
    ルの存在下でモノマーを共重合し、ついで加水分解して
    成るポリマーを使用する事を特徴とする請求項1ないし
    請求項4に記載の成紙の表面塗工剤を塗工原紙表面に塗
    工する事を特徴とするインクジェット記録紙の製造方
    法。
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