JPH09313178A - 酵素の安定化方法及び酵素組成物 - Google Patents

酵素の安定化方法及び酵素組成物

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JPH09313178A JP8158893A JP15889396A JPH09313178A JP H09313178 A JPH09313178 A JP H09313178A JP 8158893 A JP8158893 A JP 8158893A JP 15889396 A JP15889396 A JP 15889396A JP H09313178 A JPH09313178 A JP H09313178A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血中コレステロールなどの測定に使用される
コレステロール脱水素酵素の安定化方法及び当該酵素組
成物を提供する。 【解決手段】 本発明のコレステロール脱水素酵素の安
定化方法はコレステロール脱水素酵素に配糖体を添加す
ることからなり、また本発明の酵素組成物はコレステロ
ール脱水素酵素と配糖体を含有することからなる。本発
明によれば、配糖体の作用によりコレステロール脱水素
酵素の安定性を著しく高めることができ、特に液状にお
いても顕著な安定化効果を奏するという特長を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコレステロール脱水
素酵素の安定化方法及びコレステロール脱水素酵素組成
物に関する。さらに詳しくは、主として臨床検査の分野
での使用を目的とし、コレステロール脱水素酵素を安定
化する方法及び安定なコレステロール脱水素酵素組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酵素を用いた測定方法は、反応の
特異性、再現性に優れ、操作が簡便であることなどから
多数開発されてきた。特に臨床検査の分野では血液試料
中の成分の測定に多くの方法が知られている。しかし、
一般に、酵素は試薬にしたとき安定性が悪いため種々の
工夫が必要となっていた。例えば、酵素α−グルコシダ
ーゼの安定化のために蛋白を修飾したり、有機溶媒とし
てグリセリンをLDHに添加し、またアセトンをベンジ
ルアルコール脱水素酵素に添加して安定化することなど
が報告されている。また、ジチオスレイトールのような
SH保護剤でウレアーゼの安定化をはかったり、リパー
ゼはCaなどの金属イオンを添加して安定化することも
知られている。しかし、これらの方法では、酵素が異な
ると効果がないことが多く、酵素によって個々に安定化
方法が検討されていた。特に近年、臨床検査の日常業務
の効率化を図るため、使用する試薬を従来の凍結乾燥状
から液状に変えることが多くなり、ますます試薬中の酵
素を安定化することが重要になってきた。ところで臨床
検査の分野では最近、脂質の検査が増え、特にコレステ
ロールは成人病のリスクファクターとして注目されてお
り、コレステロールの検査がその分画成分の検査も含め
て多くなっている。このコレステロールの測定は現在、
酵素を用いる方法が一般的であり、それにはコレステロ
ールオキシダーゼを用いる可視部での比色測定法ととも
に、コレステロール脱水素酵素を用いる紫外部での吸光
度測定法が知られている。前者の方法においては、酵素
反応により生成した過酸化水素を、ペルオキシダーゼの
存在下、発色基質と反応させてキノン系色素に導く工程
が必要であり、操作が煩雑である。また、測定条件によ
っては試料中のビリルビン、アスコルビン酸などによっ
て誤差を生じるという欠点がある。それに対して、後者
の方法は、NAD(P)の存在下、コレステロールとコ
レステロール脱水素酵素との酵素反応により生成するN
AD(P)Hの量を測定するもので、紫外部の吸光度の
変化を測定するだけで行えるので簡便であり、且つ試料
中の夾雑物の影響も少ないという利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、コレス
テロールの測定法としてはコレステロール脱水素酵素を
用いる方法が好適であるが、この方法に使用されるコレ
ステロール脱水素酵素は従来より溶液状態では不安定な
酵素として知られている。コレステロール脱水素酵素含
有溶液を安定化するには、アルブミンやコール酸又はそ
の誘導体を添加することが行われているが、いずれも低
温保存でわずかに効果があるものの、試薬としては十分
な安定性は得られていない。また、クリスタリンを生理
活性蛋白質の溶液に含有せしめることにより安定化させ
る報告もあるが(特開平7−236483号公報)、コ
レステロール脱水素酵素に適用すると白濁防止の効果は
認められるものの、酵素の活性を維持するには問題があ
った。本発明は上記の問題を解消するもので、本発明は
コレステロール脱水素酵素を安定化し、試薬として臨床
検査の分野に有用に貢献することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、配糖体がコレステロール脱水素酵素の安定
化に寄与することを見い出し、さらに研究を重ねた結
果、コレステロール脱水素酵素に配糖体を添加すること
により本発明の目的が達成されることが分かり、本発明
を完成した。すなわち、本発明の要旨は、 コレステロール脱水素酵素に配糖体を添加することを
特徴とするコレステロール脱水素酵素の安定化方法; コール酸及び/又はその誘導体を添加する上記記載
のコレステロール脱水素酵素の安定化方法; コレステロール脱水素酵素と配糖体を含有することを
特徴とするコレステロール脱水素酵素組成物; 組成物が液状である上記記載のコレステロール脱水
素酵素組成物;である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で安定化させるコレステロ
ール脱水素酵素は、補酵素としてニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(NAD)依存性のものと、ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)依存
性のものがいずれも対象にできる。
【0006】本発明でコレステロール脱水素酵素に添加
する配糖体には、本発明の目的に適合するものが全て使
用できる。とりわけ糖部が、グルコース、フルクトー
ス、マンノース、ガラクトース、シュークロース、マル
トースなどから選ばれるものがよい。また非糖部は疎水
性の構造のものがよく、それには、高価を含むアルコー
ル、脂肪酸、ステロイド、テルペノイドなどがある。こ
のような配糖体として具体的には、例えば、n−ドデシ
ル−β−D−マルトシド、n−ヘプチル−β−D−チオ
グルコシド、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−
オクチル−β−D−チオグルコシド、ジギトニン、シュ
ークロースモノカプレート、シュークロースモノラウレ
ート、2−エチル−ヘキシルグルコシド、n−オクタノ
イル−N−メチルグルカミド、n−メチルグルカミド、
n−ノナノイル−N−メチルグルカミドおよびn−デカ
ノイル−N−メチルグルカミドなどを挙げることがで
き、2種以上を併用してもよい。
【0007】本発明においては、コール酸及び/又はそ
の誘導体を添加することにより、さらにコレステロール
脱水素酵素の安定性を向上させることができる。このよ
うなコール酸誘導体としては本発明の目的を達成できる
ものなら全て用いることができる。とりわけ、コール酸
の塩類(例えば、ナトリウム塩など)、デオキコール酸
又はその塩類(例えば、ナトリウム塩など)、3-[(3-コ
ールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパン
スルフォネート(CHAPS)、3-[(3-コールアミドプロピル)
ジメチルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルフ
ォネート(CHAPSO)、N,N-ビス(3-D-グルコンアミドプロ
ピル)コールアミド(デオキシ-BIGCHAP)が好ましい。コ
ール酸とその誘導体は併用することができる。
【0008】本発明における配糖体のコレステロール脱
水素酵素の安定化作用は、コレステロール脱水素酵素の
液状試薬において顕著な効果を奏するが、凍結乾燥試薬
においても効果を発現し得る。液状試薬の場合、適当な
緩衝液(ヘペス緩衝液など)に溶解したコレステロール
脱水素酵素溶液に配糖体を添加することにより調製でき
る。また、凍結乾燥試薬の場合、コレステロール脱水素
酵素溶液に配糖体を添加したのち常法に準じて凍結乾燥
することにより調製できるが、凍結乾燥物に配糖体を添
加してもよく、さらに凍結乾燥前の溶液及び凍結乾燥物
の両方に配糖体を添加してもよい。
【0009】本発明でコレステロール脱水素酵素に添加
する配糖体の添加量は、配糖体の種類、試薬中のコレス
テロール脱水素酵素含量、試薬の保存条件などに応じて
適宜設定できる。液状試薬において、例えば、n−ドデ
シル−β−D−マルトシドを使用する場合は0.01〜
50mMが好ましく、より好ましいのは0.1〜20m
Mである。また、シュークロースモノラウレートを使用
する場合は0.05〜100mMが好ましく、より好ま
しいのは0.5mM〜50mMである。凍結乾燥試薬に
おける配糖体の添加量は、上記の量に準じて設定するこ
とができる。コール酸及び/又はその誘導体の添加量と
しては、0.01〜10%が好ましく、より好ましくは
0.05〜5%である。
【0010】本発明の方法及び組成物は、血中コレステ
ロールの測定などに使用されるコレステロール脱水素酵
素含有試薬の調製に有用であり、従来、コレステロール
脱水素酵素は、緩衝液に溶解した場合は冷蔵条件で保存
しても1ヵ月もすると残存活性が消失したが、本発明の
方法で配糖体を添加することにより、残存活性を著しく
高めることができる。その残存活性値は、添加する配糖
体の種類により異なるが、あらかじめ残存活性値から予
測した酵素量を試薬の分量にすることにより、試薬化が
できる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、コレステロール脱水素
酵素を安定化することができ、試薬化が可能となり、と
りわけ液状での試薬供給が可能となる。従って、従来、
安定化ができなかったため凍結乾燥状で製品にしていた
のに比べ、液状試薬を供給できるので、使用性が著しく
向上し、臨床検査の分野に貢献できる。
【0012】
【実施例】次に実施例を挙げるが、本発明はこれらに限
定されるものではない。 実施例 コレステロール脱水素酵素1単位/mlを、50mM、
pH7.0のN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液に溶
解する。それに配糖体として、n−ドデシル−β−D−
マルトシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、
n−オクチル−β−D−グルコシド、n−オクチル−β
−D−チオグルコシド、ジギトニン、シュークロースモ
ノカプレート、シュークロースモノラウレート、2−エ
チル−ヘキシルグルコシドをそれぞれ10mM加えて溶
解し、サンプルとする。それぞれ冷蔵、25℃に所定期
間放置後、以下に示す方法によりコレステロール脱水素
酵素の残存活性を求めた。その結果を表1に示す。表1
に示されるように、配糖体を添加すると残存活性が高い
ことが分かる。
【0013】コレステロール脱水素酵素活性の測定方法 1.試薬 以下の組成の試薬を使用した。 基質液 コレステロール 0.1% トリトンX−100 0.2% 補酵素液 トリスヒドロキシメチルアミノメタン 300 mmol/l NAD 2 mmol/l 2.測定法 補酵素液1.0mlと基質液2.0mlを混和し25℃
に恒温する。恒温した混液にサンプル50μlを加えて
よく混和し、精製水を対照に340nmにおける1分間
当りの吸光度変化量を求める。サンプルに代えて生理的
食塩水を使用して試薬ブランクを求める。サンプル調製
直後の酵素活性量を100%として保存後の残存酵素活
性量を相対値で表した。
【0014】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステロール脱水素酵素に配糖体を
    添加することを特徴とするコレステロール脱水素酵素の
    安定化方法。
  2. 【請求項2】 コール酸及び/又はその誘導体を添加
    する請求項1記載のコレステロール脱水素酵素の安定化
    方法。
  3. 【請求項3】 コレステロール脱水素酵素と配糖体を
    含有することを特徴とするコレステロール脱水素酵素組
    成物。
  4. 【請求項4】 組成物が液状である請求項3記載のコ
    レステロール脱水素酵素組成物。
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