JPH0931571A - 耐摩耗性銅系焼結合金 - Google Patents

耐摩耗性銅系焼結合金

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JPH0931571A
JPH0931571A JP7180344A JP18034495A JPH0931571A JP H0931571 A JPH0931571 A JP H0931571A JP 7180344 A JP7180344 A JP 7180344A JP 18034495 A JP18034495 A JP 18034495A JP H0931571 A JPH0931571 A JP H0931571A
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JP
Japan
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wear
alloy
based sintered
thermal conductivity
matrix
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JP7180344A
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English (en)
Inventor
Hideaki Kawada
田 英 昭 河
Norimasa Aoki
木 徳 眞 青
Kunio Maki
木 邦 雄 眞
Akira Fujiki
木 章 藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の耐摩耗性鉄系焼結合金と同等の耐摩耗
性があり、従来の耐摩耗性鉄系焼結合金に比べて熱伝導
率にかなり優れていて放熱特性が良好である耐摩耗性銅
系焼結合金を提供する。 【構成】 重量比で、全体組成が、Ni:1.7〜5.
9%、Co:1.7〜9.5%、Si:0.5〜1.7
%、Sn:0.17〜1.00%、Cr:0.2〜1.
5%、Mo:0.8〜4.5%、残部実質的にCuから
なり、気孔を除く合金の組織が、Ni:2〜6%、S
i:0.5〜1.5%、Sn:0.2〜1.0%、残部
実質的にCuからなる組成の基地中に、Si:2.2〜
2.7%、Cr:7.5〜9.5%、Mo:27〜30
%、残部実質的にCoからなる組成の硬質相が3〜15
%分散しており、基地中に粒径が1〜10nmの微細な
NiSi金属間化合物が析出分散している耐摩耗性銅
系焼結合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐摩耗性および熱伝
導性に優れる銅系焼結合金に関するもので、例えば、内
燃機関の弁座などに利用することができる耐摩耗性銅系
焼結合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのポート部分に設けら
れる弁座は、弁との衝撃や摺動に対する耐摩耗性、燃焼
ガスに対する耐蝕性に優れていることが要求され、これ
らの特性を低温から高温までの広い温度範囲で発揮する
ことが必要とされている。そのため、従来において弁座
用合金としては、合金鋼組成の基地合金中に金属間化合
物が分散した鉄系焼結合金が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車用エンジンは、
燃費および出力向上のため、燃焼効率を高める改良が常
に行われている。そのため、燃焼室内が高温化し、ノッ
キングの発生や燃焼室周りの部品の劣化などの問題が発
生することもありうる。
【0004】そこで、燃焼室内の温度を低くするには、
燃焼時に発生する熱を効率良く燃焼室外へ放熱すること
が必要であるが、従来の鉄系焼結合金は、熱伝導性があ
まり良くないため、燃焼時に発生する熱を効率良く燃焼
室外へ放熱することはできがたいものである。
【0005】一般的に、熱伝導性の良い材料として知ら
れているのは銅合金であり、その内で耐摩耗性にも優れ
る合金としては、Cu−Ni−Si合金(例えば、Cu
−3〜4重量%Ni−0.8〜1.0重量%SiのCo
rson合金)や2重量%前後のBeを含有するベリリ
ウム銅合金等のように、析出硬化型の合金を挙げること
ができる。
【0006】しかし、発明者が試験を行った結果によれ
ば、これらの銅系合金は、弁座に用いた場合、凝着によ
る摩耗が発生し、特に、高温環境では摩耗が著しいとい
う難点があり、このような難点を解決することが課題で
あった。
【0007】
【発明の目的】この発明は、このような事情を背景とし
てなされたものであって、銅系合金の良好なる熱伝導性
および粉末冶金法の特徴を活かし、前記した析出硬化型
銅系合金よりもさらに優れた耐摩耗性を有し、従来の耐
摩耗性鉄系焼結合金と同等の優れた耐摩耗性のある銅系
焼結合金を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明によ
る銅系焼結合金は、請求項1に記載しているように、重
量比で、全体組成が、Ni:1.7〜5.9%、Co:
1.7〜9.5%、Si:0.5〜1.7%、Sn:
0.17〜1.00%、Cr:0.2〜1.5%、M
o:0.8〜4.5%、残部実質的にCuからなり、気
孔を除く合金組織が、Ni:2〜6%、Si:0.5〜
1.5%、Sn:0.2〜1.0%、残部実質的にCu
からなる組成の基地中に、Si:2.2〜2.7%、C
r:7.5〜9.5%、Mo:27〜30%、残部実質
的にCoからなる組成の硬質相が3〜15%分散してい
るものとしたことを特徴としている。
【0009】この銅系焼結合金において、基地中の組成
は各元素ごとの金属粉または二元系合金の形で添加され
た混合粉を圧粉、焼結して調製したものとすることがで
き、硬質相は合金粉の形で添加されたものとすることが
できる。
【0010】また、焼結されたままの合金であっても使
用することができるが、基地合金は析出硬化性のある組
成であり、請求項2に記載しているように、より多くの
NiSi金属間化合物が析出したものとなるように、
溶体化および時効処理を行った合金であるものとするこ
とが好ましい。そして、請求項3に記載しているよう
に、基地合金中に析出したNiSi金属間化合物の粒
径は1〜10nm程度の範囲内であるものとすることが
望ましい。また、この場合の溶体化処理は、温度:95
0℃前後の焼結温度から急速冷却するか、焼結体を再加
熱して同様に冷却することによって行われるものとする
ことが望ましい。さらに、時効処理は、温度:450〜
550℃で時間:1〜1.5h程度で保持することによ
って行われるものとすることが望ましい。
【0011】また、焼結合金の気孔が少ないと耐摩耗性
が向上するので、請求項4に記載しているように、焼結
体を鍛造等により圧縮して気孔を減少させた合金である
ものとすることも場合によっては好ましい。
【0012】
【発明の作用】この発明による銅系焼結合金は、請求項
1に記載しているように、重量比で、全体組成が、N
i:1.7〜5.9%、Co:1.7〜9.5%、S
i:0.5〜1.7%、Sn:0.17〜1.00%、
Cr:0.2〜1.5%、Mo:0.8〜4.5%、残
部実質的にCuからなり、気孔を除く合金の組織が、N
i:2〜6%、Si:0.5〜1.5%、Sn:0.2
〜1.0%、残部実質的にCuからなる組成の基地中
に、Si:2.2〜2.7%、Cr:7.5〜9.5
%、Mo:27〜30%、残部実質的にCoからなる組
成の硬質相が3〜15%分散しているものであり、高熱
伝導性が期待できる銅合金材料を基地としたものであ
る。そして、基地は、高熱伝導性を維持して強度および
摺動耐摩耗性を付与するためNiおよびSiを添加し、
とくに望ましくは請求項2に記載しているように、Ni
Si金属間化合物を析出させ、Snを添加して基地強
化を図っている。
【0013】さらに、基地の間にビッカース硬さが60
0〜1100程度のCo基合金の硬質粒子を重量比で3
〜15%分散させることにより、特に高温における凝着
摩耗を防止して、合金全体として高熱伝導性と高耐摩耗
性とを兼ね備えるように合金設計されている。
【0014】各組成の限定理由は下記の通りである。含
有量は重量%である。
【0015】(1)基地中のNiおよびSi NiとSiは、NiSi金属間化合物となって析出す
ることで、硬さ、材料強度、摺動に対する耐摩耗性の向
上に寄与する。そして、このNiSi金属間化合物は
熱伝導性をあまり低下させない利点がある。しかし、N
i、Siが銅のα相中に固溶されたままの場合は、熱伝
導性が低下するので好ましくない。
【0016】Niは、2%以上で強度および耐摩耗性が
向上するが、6%を超えて添加しても強度および耐摩耗
性は向上することがなく、熱伝導性は低下する傾向を示
すので、2〜6%とする。
【0017】Siは、0.5%以上で耐摩耗性が向上す
るが、1.5%を超えても耐摩耗性がそれ以上向上しな
いと共にSiの多量添加は焼結時の液相発生量が多くな
って寸法精度上の問題が出てくるので、0.5〜1.5
%とする。
【0018】(2)基地中のSn SnはCuに固溶して基地を強化し、凝着摩耗を減少す
る効果がある。そして、0.2%以上でその効果が認め
られる。一方、Sn含有量の増加により、熱伝導率はほ
ぼ一次関数的に低下する。そして、熱伝導率がSnを含
有しない場合の50%以上となるSn含有量は1%以下
である。このことから、Sn含有量を0.2〜1%とす
る。
【0019】(3)Co基硬質粒子 前記の基地合金中に硬さの高い合金粒子を所定量分散さ
せると、凝着摩耗が減少する。この場合、3%以上の分
散で効果が認められるが、15%を超えて分散させても
それ以上の効果はなく、かえって熱伝導率が低下するの
で、硬質粒子の分散量は3〜15%とする。
【0020】その硬質粒子としては、基地合金中に拡散
しないもので、マイクロビッカース硬さが600〜11
00程度であり、かつ粒子径が44μm以下(350メ
ッシュ篩下)のものが好ましく、Co基耐熱合金が最適
である。Co基耐熱合金の粉末組成は、Cr:7.5〜
9.5%、Mo:27〜30%、Si:2.2〜2.7
%および残部実質的にCoからなり、この組成の粉末を
用いることにより、いずれも同等の作用効果がある。
【0021】(4)全体組成 前記した基地中のNi、Si、Snの含有量とCo基硬
質粒子の組成および含有量の特定により、全体組成は、
Ni:1.7〜5.9%、Co:1.7〜9.5%、S
i:0.5〜1.7%、Sn:0.17〜1.00%、
Cr:0.2〜1.5%、Mo:0.8〜4.5%、残
部実質的にCuからなるものとなる。
【0022】(5)溶体化および時効処理 温度:950℃前後で焼結した後、通常の冷却速度の毎
分約10℃程度で冷却された焼結体であっても、基地合
金中にNiSi金属間化合物が析出する。
【0023】また、焼結中の温度ないし冷却過程の90
0℃程度から急冷するか、または焼結体を950℃程度
に再加熱して急冷することによる溶体化処理を施した
後、温度:450〜550℃で時間:1〜1.5hr加
熱する時効処理を施すと、析出が微細になる。
【0024】基地合金中に分散するNiSi金属間化
合物の大きさは小さい方がよく、1〜10nmが好まし
い。そのためには、急冷による溶体化処理を施すことが
好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、配合割合および組成は重量%である。
【0026】実施例1 この実施例1では、下記の粉末を用意した。
【0027】 (1)電解銅粉 粒度:−200メッシュ (2)Ni粉 粒度:10μm以下 (3)Si粉 粒度:10μm以下 (4)Sn粉 粒度:−250メッシュ (5)硬質粒子 粒度:−100メッシュ 組成:28%Mo−8%Cr−2.5%Si−残Co (6)ステアリン酸亜鉛粉 これらの粉末を表1の試料番号No.1〜13に示す割
合となるように混合したのち、各混合粉末を圧力:58
8MPaで圧縮してリング形状の圧粉体を作成し、次い
で、各圧粉体を分解アンモニアガス中で温度:950℃
で焼結し、炉中冷却した。
【0028】次に、各焼結体を再度分解アンモニアガス
中で温度:950℃に加熱して時間:1h保持したのち
水中に投入して溶体化処理し、さらに分解アンモニアガ
ス中において、温度:500℃で時間:1h加熱して時
効処理した。
【0029】また、他の比較試料(No.14)とし
て、特公平5−55593号公報に記載の鉄系焼結合金
で同じ形状の焼結体試料を作成した。このときの基地組
成は、6.5%Co−1.5%Ni−1.5%Mo−
0.8%C−残部Feであり、この基地中に28%Mo
−8%Cr−2.5%Si−残部Coの硬質粒子が15
%分散した組織を有するものであり、密度は6.9g/
cmのものである。
【0030】
【表1】
【0031】これらの試料No.1〜14の焼結体につ
いてそれぞれの熱伝導率を測定すると共に、各焼結体を
弁座寸法形状に切削加工し、模擬エンジン台上試験機に
組み込み、運転した後の弁座シート面の摩耗量を測定比
較した。
【0032】台上試験は、エンジンヘッドに弁座を組み
込み、弁座近傍をプロパンガス燃焼炎で加熱しながらカ
ムシャフトをモータで回転する方法を採用した。
【0033】これらの結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2より明らかなように、本発
明材であるNo.1〜11は、従来の鉄系合金試料であ
るNo.14と同等程度の優れた耐摩耗性を示してい
る。一方、熱伝導率は発明材である試料No.1〜11
の方が従来の鉄系合金試料であるNo.14に比べてか
なり高い値を示すことが明らかであり、従来の鉄系合金
を使用した弁座に比べて、燃焼時に発生する燃焼熱を効
率良く燃焼室外へ放熱できるものであった。
【0036】また、基地中にSnを含まない試料No.
12では、熱伝導率は著しく高い値を示すものの、凝着
摩耗を生じやすいため、摩耗量はかなり大きな値を示
し、さらに、硬質粒子を含まない試料No.13におい
ても熱伝導率はかなり高い値を示すものの摩耗量は著し
く多いものとなっていた。
【0037】実施例2 実施例1と同じ粉末を用意し、Sn量を0.5%、硬質
粒子量を10%と一定にすると共に、Ni量およびSi
量を図1に示すごとく変化させて各粉末を混合したの
ち、各混合粉末を圧力:588MPaで圧縮してリング
形状の圧粉体を作成し、次いで、各圧粉体を分解アンモ
ニアガス中で温度:950℃で焼結し、炉中冷却した。
【0038】次に、各焼結体を再度分解アンモニアガス
中で温度:950℃に加熱して時間:1h保持したのち
水中に投入して溶体化処理し、さらに分解アンモニアガ
ス中において、温度:500℃で時間:1h加熱して時
効処理した。
【0039】次いで、これらの各焼結体について熱伝導
率を測定すると共に、実施例1と同様にして弁座シート
面の摩耗量を測定したところ、図1に示す結果であっ
た。
【0040】図1は、基地中のNiおよびSi含有量が
熱伝導率および摩耗量に及ぼす影響を示す試験データで
あって、基地中のSn含有量を0.5%、硬質粒子含有
量を10%で一定とした例で示してある。
【0041】図1より明らかなように、熱伝導率は、鉄
系の28W/(m・K)に比べれば、どの試料もかなり
高い値であるが、基地中のSi含有量が0.25%のも
のは、基地中のNi含有量が増加するにつれて熱伝導率
が大きく低下する傾向を示しており、基地中のSi含有
量が0.5%および1.0%のものはNi含有量の増加
による熱伝導率の低下傾向が小さくなり、基地中のSi
含有量が1.5%および2.0%のものは、基地中のN
i含有量が増加するにつれて熱伝導率が上昇し、Ni含
有量が4〜7%で最大値を示している。
【0042】一方、摩耗量は、基地中のNi含有量が2
%以上で低下し、3〜7%の範囲でほぼ同じ摩耗量を示
す。また、基地中のSi含有量が0.5%以上で耐摩耗
性向上の効果が顕著になっている。
【0043】このことから、基地中のNi含有量は、2
%以上で耐摩耗性および熱伝導性が向上し、6%を超え
ても耐摩耗性の向上がないと共に熱伝導率が低下するこ
とから、2〜6%の範囲が好適である。
【0044】また、基地中のSi含有量は、0.5%以
上で耐摩耗性が向上するが、1.5%を超えて添加する
と、焼結時の液相発生量が多くなり、寸法精度上の問題
が出てくるので、0.5〜1.5%が好適であるという
ことができる。
【0045】実施例3 実施例1と同じ粉末を用意し、Ni量を4%、Si量を
1%、硬質粒子量を10%と一定にすると共に、Sn量
を図2に示すごとく変化させて各粉末を混合したのち、
各混合粉末を圧力:588MPaで圧縮してリング形状
の圧粉体を作成し、次いで、各圧粉体を分解アンモニア
ガス中で温度:950℃で焼結し、炉中冷却した。
【0046】次に、各焼結体を再度分解アンモニアガス
中で温度:950℃に加熱して時間:1h保持したのち
水中に投入して溶体化処理し、さらに分解アンモニアガ
ス中において、温度:500℃で時間:1h加熱して時
効処理した。
【0047】次いで、これらの各焼結体について熱伝導
率を測定すると共に、実施例1と同様にして弁座シート
面の摩耗量を測定したところ、図2に示す結果であっ
た。
【0048】図2は、基地中のSn含有量が熱伝導率お
よび摩耗量に及ぼす影響を示す試験データであって、基
地中のNi含有量を4%、基地中のSi含有量を1%、
およびCo基硬質粒子含有量を10%で一定とした例で
示されている。
【0049】図2より明らかなように、Snは0.2%
以上で耐摩耗性が向上しているが、熱伝導率はSn含有
量が増加すると直線的に低下しており、0.2〜1.0
%が好適ということができる。
【0050】実施例4 実施例1と同じ粉末を用意し、Ni量を4%、Si量を
1%、Sn量を0.5%と一定にすると共に、硬質粒子
量を図3に示すごとく変化させて各粉末を混合したの
ち、各混合粉末を圧力:588MPaで圧縮してリング
形状の圧粉体を作成し、次いで、各圧粉体を分解アンモ
ニアガス中で温度:950℃で焼結し、炉中冷却した。
【0051】次に、各焼結体を再度分解アンモニアガス
中で温度:950℃に加熱して時間:1h保持したのち
水中に投入して溶体化処理し、さらに分解アンモニアガ
ス中において、温度:500℃で時間:1h加熱して時
効処理した。
【0052】次いで、これらの各焼結体について熱伝導
率を測定すると共に、実施例1と同様にして弁座シート
面の摩耗量を測定したところ、図3に示す結果であっ
た。
【0053】図3は、硬質粒子の含有量が熱伝導率およ
び摩耗量に及ぼす影響を示す試験データであって、基地
中のNi含有量を4%、Si含有量を1%、およびSn
含有量を0.5%で一定とした例で示されている。
【0054】図3より明らかなように、硬質粒子は、3
%以上で耐摩耗性が向上し、20%程度までほぼ同じ耐
摩耗性を示している。一方、熱伝導率は、硬質粒子の増
加と共にほぼ直線的に低下する。そして、硬質粒子が1
5%を超えると粉末の圧縮性が低下し、成形クラックが
発生し易くなることを考慮すると、3〜15%が適して
いるということができる。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明による
銅系焼結合金は、請求項1に記載しているように、重量
比で、全体組成が、Ni:1.7〜5.9%、Co:
1.7〜9.5%、Si:0.5〜1.7%、Sn:
0.17〜1.00%、Cr:0.2〜1.5%、M
o:0.8〜4.5%、残部実質的にCuからなり、気
孔を除く合金の組織が、Ni:2〜6%、Si:0.5
〜1.5%、Sn:0.2〜1.0%、残部実質的にC
uからなる組成の基地中に、Si:2.2〜2.7%、
Cr:7.5〜9.5%、Mo:27〜30%、残部実
質的にCoからなる組成の硬質相が3〜15%分散して
いるものであるから、熱伝導率を悪化させない範囲で、
Ni、SiおよびSnを基地合金中に含有させ、基地強
化とNiSiの析出強化を図り、さらにCo基硬質粒
子を分散した組織を有するものとしたことにより、従来
の耐摩耗性鉄系焼結合金と同等の耐摩耗性があり、そし
てまた従来の耐摩耗性鉄系焼結合金に比べて熱伝導性に
かなり優れているものであるから、内燃機関の弁座に使
用した場合、放熱性と耐摩耗性が良好であり、内燃機関
の性能向上に寄与することができるという顕著な効果が
もたらされる。
【0056】そして、請求項2に記載しているように、
基地中にNiSi金属間化合物が析出しているものと
することによって、硬さ、材料強度、摺動に対する耐摩
耗性の向上に有効なものとなり、請求項3に記載してい
るように、NiSi金属間化合物は粒径が1〜10n
mの範囲内であるものとすることによって、基地中にお
けるNiSi金属間化合物の分散効果をより一層顕著
なものとすることが可能であり、請求項4に記載してい
るように、圧縮により気孔が減少しているものとするこ
とによって、焼結合金の気孔が少なくなることによって
耐摩耗性をさらに向上させることが可能であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による銅系焼結合金における基地中の
NiおよびSi含有量と耐摩耗性および熱伝導率との関
係を示すグラフである。
【図2】この発明による銅系焼結合金における基地中の
Sn含有量と耐摩耗性および熱伝導率との関係を示すグ
ラフである。
【図3】この発明による銅系焼結合金における硬質粒子
含有量と耐摩耗性および熱伝導率との関係を示すグラフ
である。
フロントページの続き (72)発明者 眞 木 邦 雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤 木 章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、全体組成が、Ni:1.7〜
    5.9%、Co:1.7〜9.5%、Si:0.5〜
    1.7%、Sn:0.17〜1.00%、Cr:0.2
    〜1.5%、Mo:0.8〜4.5%、残部実質的にC
    uからなり、気孔を除く合金組織が、Ni:2〜6%、
    Si:0.5〜1.5%、Sn:0.2〜1.0%、残
    部実質的にCuからなる組成の基地中に、Si:2.2
    〜2.7%、Cr:7.5〜9.5%、Mo:27〜3
    0%、残部実質的にCoからなる組成の硬質相が3〜1
    5%分散していることを特徴とする耐摩耗性銅系焼結合
    金。
  2. 【請求項2】 基地中に、NiSi金属間化合物が析
    出している請求項1に記載の耐摩耗性銅系焼結合金。
  3. 【請求項3】 NiSi金属間化合物は、粒径が1〜
    10nmの範囲内のものである請求項2に記載の耐摩耗
    性銅系焼結合金。
  4. 【請求項4】 圧縮により気孔が減少している請求項1
    ないし3のいずれかに記載の耐摩耗性銅系焼結合金。
JP7180344A 1995-07-17 1995-07-17 耐摩耗性銅系焼結合金 Pending JPH0931571A (ja)

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