JPH09316686A - 亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH09316686A JPH09316686A JP13935196A JP13935196A JPH09316686A JP H09316686 A JPH09316686 A JP H09316686A JP 13935196 A JP13935196 A JP 13935196A JP 13935196 A JP13935196 A JP 13935196A JP H09316686 A JPH09316686 A JP H09316686A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性、塗装後耐食性に優れた亜鉛−クロム
合金電気めっき鋼板の工業的な安定製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 被めっき鋼板表面の水素イオン量を、
([H+ ]×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(電解
セル長さ)≧(0.5×電流密度)/96500式で調
整し、クロム水酸化物膜の変動を抑制しつつ、亜鉛−ク
ロム合金層を形成する。めっき液の流速を0.5m/s
ec〜2.5m/secとしてめっきを行う。
合金電気めっき鋼板の工業的な安定製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 被めっき鋼板表面の水素イオン量を、
([H+ ]×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(電解
セル長さ)≧(0.5×電流密度)/96500式で調
整し、クロム水酸化物膜の変動を抑制しつつ、亜鉛−ク
ロム合金層を形成する。めっき液の流速を0.5m/s
ec〜2.5m/secとしてめっきを行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、家電、建材
等に使用される耐食性および塗装後耐食性に優れた防錆
用の亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の工業的な製造方
法に関する。
等に使用される耐食性および塗装後耐食性に優れた防錆
用の亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の工業的な製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板を連続的に移動させてめっきを行う
製造方法あるいは設備としては、横型のめっきセルにお
いては、めっき液の流れが鋼板の移動方向に対して同一
方向(以下「並行流」と呼ぶ)または反対方向(以下
「対向流」と呼ぶ)である電解めっきセルや、また特公
昭62−15638号公報で開示されているように、め
っき液の重力落下を利用するような縦型のめっきセル等
が公知である。めっき液の流れが並行流あるいは対向流
のどちらか一方向に噴流するめっきセル、あるいはめっ
き液の重力落下を利用する縦型のめっきセルにおいて
は、鋼板と陽極間の距離が安定せず、電流密度の変動を
招き、結果として、品質の変動や劣化を起こし、安定し
た製造は困難であった。
製造方法あるいは設備としては、横型のめっきセルにお
いては、めっき液の流れが鋼板の移動方向に対して同一
方向(以下「並行流」と呼ぶ)または反対方向(以下
「対向流」と呼ぶ)である電解めっきセルや、また特公
昭62−15638号公報で開示されているように、め
っき液の重力落下を利用するような縦型のめっきセル等
が公知である。めっき液の流れが並行流あるいは対向流
のどちらか一方向に噴流するめっきセル、あるいはめっ
き液の重力落下を利用する縦型のめっきセルにおいて
は、鋼板と陽極間の距離が安定せず、電流密度の変動を
招き、結果として、品質の変動や劣化を起こし、安定し
た製造は困難であった。
【0003】この問題に対し、例えば特開昭61−19
0094号公報、特公昭61−22040号公報等で開
示されているように、めっき液を電極の中央部から噴流
させて、電極と鋼板との間に静圧を形成し、鋼板と陽極
との距離を短縮できる流体クッション式のセルを使用す
ることで、鋼板と陽極間の距離が安定し、かつ、その距
離を短縮できることが見出されている。しかし、同一セ
ル内に並行流と対向流の両方のめっき液流れが混在し、
相対流速が変動する。
0094号公報、特公昭61−22040号公報等で開
示されているように、めっき液を電極の中央部から噴流
させて、電極と鋼板との間に静圧を形成し、鋼板と陽極
との距離を短縮できる流体クッション式のセルを使用す
ることで、鋼板と陽極間の距離が安定し、かつ、その距
離を短縮できることが見出されている。しかし、同一セ
ル内に並行流と対向流の両方のめっき液流れが混在し、
相対流速が変動する。
【0004】一般に、亜鉛系合金電気めっきは相対流速
の変動に伴い、めっき層中の合金組成も変動するため、
並行流と対向流の両方向のめっき液流れが混在するめっ
きセルでは、外観品位や密着性といった品質の劣化が免
れなかった。これらの現象は亜鉛−クロム合金において
も例外ではない。例えば特開平1−191798号公報
や特開平3−120393号公報、特開平6−4178
1号公報で亜鉛−クロムの製造方法が開示されている
が、並行流と対向流が混在する電解セルを用いて作製す
ると品質の劣化が見られ、これらの現象が、亜鉛−クロ
ム合金電気めっき鋼板の工業化を阻害している。
の変動に伴い、めっき層中の合金組成も変動するため、
並行流と対向流の両方向のめっき液流れが混在するめっ
きセルでは、外観品位や密着性といった品質の劣化が免
れなかった。これらの現象は亜鉛−クロム合金において
も例外ではない。例えば特開平1−191798号公報
や特開平3−120393号公報、特開平6−4178
1号公報で亜鉛−クロムの製造方法が開示されている
が、並行流と対向流が混在する電解セルを用いて作製す
ると品質の劣化が見られ、これらの現象が、亜鉛−クロ
ム合金電気めっき鋼板の工業化を阻害している。
【0005】以上の相対流速の変動にともなう、合金組
成のばらつき、外観悪化等の品質劣化の問題に対し、特
公平6−60433号公報では、電極長をある範囲に限
定することで改善を図っている。これは亜鉛イオンと鉄
イオンの物質移動の知見から見出された発明であるが、
クロムイオンは鉄イオンまたはその他の金属イオンとは
異なり、水溶液中で多核の錯体を形成するために、その
物質移動速度は非常に小さく、当該公報の物質移動に基
づいた電極長規制によって問題の改善を図ることはでき
ない。亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造に関し、
上記の問題点について何ら解決が図られていない。
成のばらつき、外観悪化等の品質劣化の問題に対し、特
公平6−60433号公報では、電極長をある範囲に限
定することで改善を図っている。これは亜鉛イオンと鉄
イオンの物質移動の知見から見出された発明であるが、
クロムイオンは鉄イオンまたはその他の金属イオンとは
異なり、水溶液中で多核の錯体を形成するために、その
物質移動速度は非常に小さく、当該公報の物質移動に基
づいた電極長規制によって問題の改善を図ることはでき
ない。亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造に関し、
上記の問題点について何ら解決が図られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板を並行流と
対向流が混在し、相対流速が変動する流体クッション式
の横型めっきセル(横型電解セル)において、品質を劣
化させることなく、工業的に安定製造する方法を提供す
ることを目的としている。
点に鑑み、亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板を並行流と
対向流が混在し、相対流速が変動する流体クッション式
の横型めっきセル(横型電解セル)において、品質を劣
化させることなく、工業的に安定製造する方法を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、被めっ
き鋼板表面の水素イオン量を、該表面付近で、水素イオ
ン供給速度≧水素イオン消費速度として、クロム水酸化
物膜の変動を抑制しつつ電気めっきにより、亜鉛−クロ
ム合金層を形成することを特徴とする亜鉛−クロム合金
電気めっき鋼板の製造方法である。また、被めっき鋼板
表面の水素イオン量を、([H+ ]×鋼板と陽極間の距
離×相対流速)/(電解セル長さ)≧(0.5×電流密
度)/96500式で調整し、クロム水酸化物膜の変動
を抑制しつつ、電気めっきにより亜鉛−クロム合金層を
形成することを特徴とする亜鉛−クロム合金電気めっき
鋼板の製造方法である。またZn2+イオン、Cr3+イオ
ン、有機添加剤を含有する酸性めっき液を用い、鋼板の
移動方向に対して同一方向と反対方向の両方のめっき液
流れが混在する多段電解セルに鋼板を通板させて、連続
的に亜鉛−クロム合金電気めっきを製造する方法におい
て、めっき液の流速が0.5dm/sec〜2.5m/
secが好ましい。
き鋼板表面の水素イオン量を、該表面付近で、水素イオ
ン供給速度≧水素イオン消費速度として、クロム水酸化
物膜の変動を抑制しつつ電気めっきにより、亜鉛−クロ
ム合金層を形成することを特徴とする亜鉛−クロム合金
電気めっき鋼板の製造方法である。また、被めっき鋼板
表面の水素イオン量を、([H+ ]×鋼板と陽極間の距
離×相対流速)/(電解セル長さ)≧(0.5×電流密
度)/96500式で調整し、クロム水酸化物膜の変動
を抑制しつつ、電気めっきにより亜鉛−クロム合金層を
形成することを特徴とする亜鉛−クロム合金電気めっき
鋼板の製造方法である。またZn2+イオン、Cr3+イオ
ン、有機添加剤を含有する酸性めっき液を用い、鋼板の
移動方向に対して同一方向と反対方向の両方のめっき液
流れが混在する多段電解セルに鋼板を通板させて、連続
的に亜鉛−クロム合金電気めっきを製造する方法におい
て、めっき液の流速が0.5dm/sec〜2.5m/
secが好ましい。
【0008】本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、
電析時に形成されるカソード皮膜と呼ばれるクロムの水
酸化物膜が変動することによって合金組成や密着性など
の品質がばらつくこと、また、カソード皮膜は界面pH
の影響を受けることを新たに見出したものである。この
知見に基づき、めっき液の鋼板との相対流速や、電流密
度を制御してカソード皮膜の変動を消失させることで、
亜鉛−クロム合金めっき鋼板の安定製造を可能としたも
のである。
電析時に形成されるカソード皮膜と呼ばれるクロムの水
酸化物膜が変動することによって合金組成や密着性など
の品質がばらつくこと、また、カソード皮膜は界面pH
の影響を受けることを新たに見出したものである。この
知見に基づき、めっき液の鋼板との相対流速や、電流密
度を制御してカソード皮膜の変動を消失させることで、
亜鉛−クロム合金めっき鋼板の安定製造を可能としたも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】クロムイオンは電析に先立って、
陰極である鋼板表面にカソード皮膜と呼ばれる水酸化物
を形成することが知られているが、本発明者らは、前記
のごとく、めっき層中のクロム含有量やめっき密着性、
外観等の品質を決めているのはこのカソード皮膜である
ことを見出し、その皮膜変動を制御することにより品質
の安定した製造方法を成し遂げたものである。
陰極である鋼板表面にカソード皮膜と呼ばれる水酸化物
を形成することが知られているが、本発明者らは、前記
のごとく、めっき層中のクロム含有量やめっき密着性、
外観等の品質を決めているのはこのカソード皮膜である
ことを見出し、その皮膜変動を制御することにより品質
の安定した製造方法を成し遂げたものである。
【0010】一定の品質を得るためにはこのカソード皮
膜自体を一定に保つ必要がある。カソード皮膜は、鋼板
の表面でのpHの影響を大きく受ける。電解中には、め
っきの電析とともに、水素の発生反応も進行し、鋼板の
表面でのpHは上昇する。pHの上昇は、水酸化物の過
剰な形成を促進し、クロム含有量の増加やクロムの水酸
化物のめっき膜中への巻き込みに伴う密着性の悪化な
ど、品質が変動し、あるいは劣化する。品質を常に安定
させて生産するためには、カソード皮膜は適度かつ一定
に形成されることが必須であり、鋼板の表面でのpHを
一定にすることが重要である。pHの変動は、供給され
るH+ イオン量より、電解中の水素発生により消費され
るH+ イオン量が多い場合に生じる。したがって、pH
の変動を抑制するには、消費されるH+ イオン量以上の
H+ イオンを供給することが必要であり、これによっ
て、品質の安定しためっき鋼板の製造が可能になる。
膜自体を一定に保つ必要がある。カソード皮膜は、鋼板
の表面でのpHの影響を大きく受ける。電解中には、め
っきの電析とともに、水素の発生反応も進行し、鋼板の
表面でのpHは上昇する。pHの上昇は、水酸化物の過
剰な形成を促進し、クロム含有量の増加やクロムの水酸
化物のめっき膜中への巻き込みに伴う密着性の悪化な
ど、品質が変動し、あるいは劣化する。品質を常に安定
させて生産するためには、カソード皮膜は適度かつ一定
に形成されることが必須であり、鋼板の表面でのpHを
一定にすることが重要である。pHの変動は、供給され
るH+ イオン量より、電解中の水素発生により消費され
るH+ イオン量が多い場合に生じる。したがって、pH
の変動を抑制するには、消費されるH+ イオン量以上の
H+ イオンを供給することが必要であり、これによっ
て、品質の安定しためっき鋼板の製造が可能になる。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。鋼
板の単位面積当たりのH+ イオン消費濃度は、電流密度
と、水素発生の効率から計算される。消費されるH+ イ
オンは電流密度に水素発生効率を乗じ、さらにファラデ
ー定数(96500C/電子mol)の商をとることで
計算される。水素発生効率はめっき液のpHや電流密
度、その他の要因によって支配され、また変動するが、
検討の結果、50%以下であったため、0.5を使用し
た。ここで得られた、(0.5×Dk)/96500は
単位面積かつ単位時間あたりに消費されるH+ イオン量
(mol/dm2 ・sec)を示す。
板の単位面積当たりのH+ イオン消費濃度は、電流密度
と、水素発生の効率から計算される。消費されるH+ イ
オンは電流密度に水素発生効率を乗じ、さらにファラデ
ー定数(96500C/電子mol)の商をとることで
計算される。水素発生効率はめっき液のpHや電流密
度、その他の要因によって支配され、また変動するが、
検討の結果、50%以下であったため、0.5を使用し
た。ここで得られた、(0.5×Dk)/96500は
単位面積かつ単位時間あたりに消費されるH+ イオン量
(mol/dm2 ・sec)を示す。
【0012】供給速度は、以下のように計算できる。溶
液中のH+ イオン濃度[H+ ](mol/dm3 )と、
鋼板と陽極の間の距離(dm)、めっき液流速(d
m)、板幅(dm)をそれぞれ乗じて得られる単位時間
当たりのH+ イオン供給量に、電極面積である板幅(d
m)×セルの長さ(dm)の商をとったものが、単位面
積かつ単位時間当たりに供給されるH+ イオン濃度(m
ol/dm2 ・sec)である。つまり {[H+ ](mol/dm3 )×めっき液流速(dm/
sec)×鋼板と陽極との距離(dm)×板幅(d
m)}/{セルの長さ(dm)×板幅(dm)}=
{([H+ ]×めっき液流速×鋼板と陽極との距離)}
/セルの長さ(dm) となる。ここで、めっき液流速は鋼板が移動する場合は
相対流速で置き換えられるから、結果として、供給速度
は ([H+ ×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(セル
の長さ) で表される。
液中のH+ イオン濃度[H+ ](mol/dm3 )と、
鋼板と陽極の間の距離(dm)、めっき液流速(d
m)、板幅(dm)をそれぞれ乗じて得られる単位時間
当たりのH+ イオン供給量に、電極面積である板幅(d
m)×セルの長さ(dm)の商をとったものが、単位面
積かつ単位時間当たりに供給されるH+ イオン濃度(m
ol/dm2 ・sec)である。つまり {[H+ ](mol/dm3 )×めっき液流速(dm/
sec)×鋼板と陽極との距離(dm)×板幅(d
m)}/{セルの長さ(dm)×板幅(dm)}=
{([H+ ]×めっき液流速×鋼板と陽極との距離)}
/セルの長さ(dm) となる。ここで、めっき液流速は鋼板が移動する場合は
相対流速で置き換えられるから、結果として、供給速度
は ([H+ ×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(セル
の長さ) で表される。
【0013】以上で得られた供給速度と消費速度を、本
発明の骨子である水素イオン(H+)供給速度≧水素イ
オン(H+ )消費速度に代入して、 ( H+ ]×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(電解
セル長さ)≧(0.5×電流密度)/96500 の関係式が得られる。相対流速の上限は特に定めない
が、相対流速が7m/secを超えると、めっき液によ
る物理的な摩擦の影響が大きくなり、電着しためっきの
付着量が減少するため、それ以下が好ましい。また下限
は、上式を満たす範囲であれば特に支障はない。鋼板と
陽極間の距離の上限は特に定めないが、20mmを超え
ると、電圧負荷が過大となるため、それ以下が好まし
い。また下限は、上式を満たす範囲であれば特に支障は
ない。
発明の骨子である水素イオン(H+)供給速度≧水素イ
オン(H+ )消費速度に代入して、 ( H+ ]×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(電解
セル長さ)≧(0.5×電流密度)/96500 の関係式が得られる。相対流速の上限は特に定めない
が、相対流速が7m/secを超えると、めっき液によ
る物理的な摩擦の影響が大きくなり、電着しためっきの
付着量が減少するため、それ以下が好ましい。また下限
は、上式を満たす範囲であれば特に支障はない。鋼板と
陽極間の距離の上限は特に定めないが、20mmを超え
ると、電圧負荷が過大となるため、それ以下が好まし
い。また下限は、上式を満たす範囲であれば特に支障は
ない。
【0014】次に、めっき液流速に関してその詳細を述
べる。めっき液流速は0.5m/sec未満では、電解
中に発生した水素ガスの脱泡が困難となり、電圧負荷の
上昇をもたらし、さらにめっきやけ性を悪化させる。め
っき液流速の上限は特に定めないが、めっき液流速が
2.5m/secを超えると、めっきセル内での液の流
れが激しく乱れ、めっきむらを生じる可能性があること
や、実用的な能力レベルを考慮して、0.5m/sec
〜2.5m/secが好ましい。電解セルの長さの上限
と下限は特に定めない。上式を満たす範囲であれば特に
支障はない。電解セルの材質はPt系、Pb系、Ir
系、その他のいかなる材質の電極を用いても本発明の効
果は変わらない。
べる。めっき液流速は0.5m/sec未満では、電解
中に発生した水素ガスの脱泡が困難となり、電圧負荷の
上昇をもたらし、さらにめっきやけ性を悪化させる。め
っき液流速の上限は特に定めないが、めっき液流速が
2.5m/secを超えると、めっきセル内での液の流
れが激しく乱れ、めっきむらを生じる可能性があること
や、実用的な能力レベルを考慮して、0.5m/sec
〜2.5m/secが好ましい。電解セルの長さの上限
と下限は特に定めない。上式を満たす範囲であれば特に
支障はない。電解セルの材質はPt系、Pb系、Ir
系、その他のいかなる材質の電極を用いても本発明の効
果は変わらない。
【0015】電流密度は50A/dm2 〜250A/d
m2 が好ましい。電流密度が50A/dm2 未満ではク
ロムがほとんど電析せず、250A/dm2 を超える
と、めっきやけが発生しやすくなり、また電圧負荷が過
大となるため、実用的でない。めっき液の亜鉛イオン、
3価クロムイオンは各々10g/dm3 〜150g/d
m3 が好ましい。亜鉛イオン、クロムイオンが10g/
dm3 未満であると、めっきやけが生じやすく、150
g/dm3 を超えるとイオン濃度がほぼ飽和に達してお
り、めっき液中に沈殿を生じる。酸性めっき液のpHは
0.5〜3が好ましい。pHが0.5未満では水素発生
の割合が大きく、めっきの効率が著しく低下する。また
pHが3を超えるとイオンの沈殿を生じる。めっき液の
陰イオンに関しては、硫酸浴、塩化浴ともに適用が可能
である。
m2 が好ましい。電流密度が50A/dm2 未満ではク
ロムがほとんど電析せず、250A/dm2 を超える
と、めっきやけが発生しやすくなり、また電圧負荷が過
大となるため、実用的でない。めっき液の亜鉛イオン、
3価クロムイオンは各々10g/dm3 〜150g/d
m3 が好ましい。亜鉛イオン、クロムイオンが10g/
dm3 未満であると、めっきやけが生じやすく、150
g/dm3 を超えるとイオン濃度がほぼ飽和に達してお
り、めっき液中に沈殿を生じる。酸性めっき液のpHは
0.5〜3が好ましい。pHが0.5未満では水素発生
の割合が大きく、めっきの効率が著しく低下する。また
pHが3を超えるとイオンの沈殿を生じる。めっき液の
陰イオンに関しては、硫酸浴、塩化浴ともに適用が可能
である。
【0016】有機添加剤としては、マレイン酸、アスコ
ルビン酸、酒石酸等が可能であるが、特に、クロムの電
析安定性を考慮すると、ポリオキシアルキレン誘導体が
好ましい。さらに、NH4 + イオンおよび、または、L
i+ 、Na+ 、K+ 、Mg2 + 、Al3 + イオン等を含
む支持塩を1種または2種以上を伝導助剤として添加す
ることは、めっき液の電気伝導度を高めるとともに、め
っきやけ、めっきむらを抑制し、クロムの電析作用を高
める効果を有するため好ましい。これらの支持塩はカチ
オン濃度として5g/dm3 〜40g/dm3 が好まし
い。5g/dm3 未満では、電気伝導度の向上やめっき
やけ、めっきむら抑制の効果が小さく、40g/dm3
を超えると、その効果が飽和し、多量のカチオンがめっ
き効率の低下を招く恐れがあるため、得策でない。
ルビン酸、酒石酸等が可能であるが、特に、クロムの電
析安定性を考慮すると、ポリオキシアルキレン誘導体が
好ましい。さらに、NH4 + イオンおよび、または、L
i+ 、Na+ 、K+ 、Mg2 + 、Al3 + イオン等を含
む支持塩を1種または2種以上を伝導助剤として添加す
ることは、めっき液の電気伝導度を高めるとともに、め
っきやけ、めっきむらを抑制し、クロムの電析作用を高
める効果を有するため好ましい。これらの支持塩はカチ
オン濃度として5g/dm3 〜40g/dm3 が好まし
い。5g/dm3 未満では、電気伝導度の向上やめっき
やけ、めっきむら抑制の効果が小さく、40g/dm3
を超えると、その効果が飽和し、多量のカチオンがめっ
き効率の低下を招く恐れがあるため、得策でない。
【0017】また、目的に応じてCr6 + やNi、C
o、Fe、Cu、Mn、P、Pb、Sn、Sb、Cd等
のイオンを1種または2種以上を3価クロムのイオン濃
度を超えない範囲で添加することができる。または不可
避的に存在する場合に、めっき層にクロムの含有量を超
えない範囲で少量共析させても、本発明の効果は本質的
には変わらない。めっき層中のクロム含有量は5〜40
mass%が好ましい。5mass%未満では耐食性の
向上が認められない。また40mass%を超えると加
工時にめっきが粉状になり、いわゆるパウダリング性が
悪化するので、それ以下が好ましい。
o、Fe、Cu、Mn、P、Pb、Sn、Sb、Cd等
のイオンを1種または2種以上を3価クロムのイオン濃
度を超えない範囲で添加することができる。または不可
避的に存在する場合に、めっき層にクロムの含有量を超
えない範囲で少量共析させても、本発明の効果は本質的
には変わらない。めっき層中のクロム含有量は5〜40
mass%が好ましい。5mass%未満では耐食性の
向上が認められない。また40mass%を超えると加
工時にめっきが粉状になり、いわゆるパウダリング性が
悪化するので、それ以下が好ましい。
【0018】さらに、本発明の製造方法にてめっきを行
った後、目的に応じて、クロメート処理、りん酸塩処
理、有機薄膜塗料塗布等の後処理を行うことができる。
また、被めっき鋼板の組成は、素材の要求特性に応じ
て、低炭素アルミキルド鋼、極低炭素鋼、低合金鋼、高
合金鋼等選択することができ、該鋼板は、冷延鋼板に限
定されるものではなく、熱延鋼板であってもかまわな
い。
った後、目的に応じて、クロメート処理、りん酸塩処
理、有機薄膜塗料塗布等の後処理を行うことができる。
また、被めっき鋼板の組成は、素材の要求特性に応じ
て、低炭素アルミキルド鋼、極低炭素鋼、低合金鋼、高
合金鋼等選択することができ、該鋼板は、冷延鋼板に限
定されるものではなく、熱延鋼板であってもかまわな
い。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともにあげ
る。表1に示すめっき液成分、めっき条件で、アルカリ
電解脱脂、酸洗を行った0.7mm厚の冷延鋼板に、付
着量20g/m2 のめっきを施し、めっき層のクロム含
有量、めっき密着性、めっき外観を評価し、表2に示し
た。めっき層のクロム含有量は、めっき板を溶解し、原
子吸光法にて測定した。めっき密着性は、密着曲げをし
た後の密着曲げ部分のめっき剥離状況から評価し、○
(めっき剥離なしまたは実用上差し支えない程度のわず
かな剥離)、×(剥離ありまたは実用上使用ができない
程度の大きな剥離)とした。めっき外観は、目視にて、
やけがなく均一外観であるものを○、やけが発生または
外観にむらが生じ、実用不可のものを×で評価した。塗
装後耐食性は、りん酸亜鉛処理、カチオン電着塗装20
μmを施した後、クロスカット傷を入れ、塩水噴霧試験
(JIS Z 2371に準拠)600時間後の塗膜ふ
くれ幅を測定した。評価はふくれ幅1mm以内を○、1
mmを超え3mm以内を△、3mm超えを×とした。
る。表1に示すめっき液成分、めっき条件で、アルカリ
電解脱脂、酸洗を行った0.7mm厚の冷延鋼板に、付
着量20g/m2 のめっきを施し、めっき層のクロム含
有量、めっき密着性、めっき外観を評価し、表2に示し
た。めっき層のクロム含有量は、めっき板を溶解し、原
子吸光法にて測定した。めっき密着性は、密着曲げをし
た後の密着曲げ部分のめっき剥離状況から評価し、○
(めっき剥離なしまたは実用上差し支えない程度のわず
かな剥離)、×(剥離ありまたは実用上使用ができない
程度の大きな剥離)とした。めっき外観は、目視にて、
やけがなく均一外観であるものを○、やけが発生または
外観にむらが生じ、実用不可のものを×で評価した。塗
装後耐食性は、りん酸亜鉛処理、カチオン電着塗装20
μmを施した後、クロスカット傷を入れ、塩水噴霧試験
(JIS Z 2371に準拠)600時間後の塗膜ふ
くれ幅を測定した。評価はふくれ幅1mm以内を○、1
mmを超え3mm以内を△、3mm超えを×とした。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表3に示すように、実施例1〜10は本発
明例であるが、いずれも密着性、外観、耐食性が良好で
ある。一方、比較例において、比較例1、2および5
は、並行流側でのH+ 供給速度がH+消費速度よりも小
さいため、密着性に劣り、外観もややめっきやけが生じ
ていた。比較例3および4は、H+ 供給速度はH+ 消費
速度より大きいものの、比較例3では、めっき液流速が
小さすぎるて、水素ガスの脱泡が十分行われなかったた
め、外観に激しいむらとやけが生じ、耐食性も劣った。
また比較例4ではめっき液流速が大きすぎるため、めっ
き液の流れが乱れめっきむらが生じた。
明例であるが、いずれも密着性、外観、耐食性が良好で
ある。一方、比較例において、比較例1、2および5
は、並行流側でのH+ 供給速度がH+消費速度よりも小
さいため、密着性に劣り、外観もややめっきやけが生じ
ていた。比較例3および4は、H+ 供給速度はH+ 消費
速度より大きいものの、比較例3では、めっき液流速が
小さすぎるて、水素ガスの脱泡が十分行われなかったた
め、外観に激しいむらとやけが生じ、耐食性も劣った。
また比較例4ではめっき液流速が大きすぎるため、めっ
き液の流れが乱れめっきむらが生じた。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、亜鉛−ク
ロム合金電気めっき鋼板を工業的に安定製造することを
可能としたものである。とくに、並行流と対向流が混在
し相対流速が変動する電解セルにおいても、品質を劣化
させずに製造を可能とすることを提供する。したがっ
て、本発明の産業に貢献することは極めて大きい。
ロム合金電気めっき鋼板を工業的に安定製造することを
可能としたものである。とくに、並行流と対向流が混在
し相対流速が変動する電解セルにおいても、品質を劣化
させずに製造を可能とすることを提供する。したがっ
て、本発明の産業に貢献することは極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 辰也 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内
Claims (3)
- 【請求項1】 被めっき鋼板表面の水素イオン量を、該
表面付近で、水素イオン供給速度≧水素イオン消費速度
として、クロム水酸化物膜の変動を抑制しつつ電気めっ
きにより、亜鉛−クロム合金層を形成することを特徴と
する亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 被めっき鋼板表面の水素イオン量を、 ([H+ ×鋼板と陽極間の距離×相対流速)/(電解
セル長さ)≧(0.5×電流密度)/96500 式で調整し、クロム水酸化物膜の変動を抑制しつつ、電
気めっきにより亜鉛−クロム合金層を形成することを特
徴とする請求項1に記載の亜鉛−クロム合金電気めっき
鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 Zn2+イオン、Cr3+イオン、有機添加
剤を含有する酸性めっき液を用い、鋼板の移動方向に対
して同一方向と反対方向の両方のめっき液流れが混在す
る多段電解セルに鋼板を通板させて、連続的に亜鉛−ク
ロム合金電気めっきを製造する方法において、めっき液
の流速が0.5m/sec〜2.5m/secであるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛−クロム
合金電気めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13935196A JPH09316686A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13935196A JPH09316686A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09316686A true JPH09316686A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15243311
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13935196A Withdrawn JPH09316686A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 亜鉛−クロム合金電気めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09316686A (ja) |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP13935196A patent/JPH09316686A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030805 |