JPH093171A - 導電性物質及びその合成法 - Google Patents

導電性物質及びその合成法

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JPH093171A
JPH093171A JP7172812A JP17281295A JPH093171A JP H093171 A JPH093171 A JP H093171A JP 7172812 A JP7172812 A JP 7172812A JP 17281295 A JP17281295 A JP 17281295A JP H093171 A JPH093171 A JP H093171A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐熱性を有し、水又は有機溶媒に可溶
で、偏光解消度、電気化学的酸化還元電位のコントロー
ルが可能な、化学的・電気化学的酸化還元により明瞭な
色の変化を示し、それ自身で導電性を示すN−オキシド
化(含窒素縮合複素環)重合体を提供し、その重合体を
繊維、フィルム等の成形体、エレクトロクロミック素
子、電池の活物質又は電極、半導体、n型半導体等とし
て利用する。 【構成】 式(1): 【化1】 (a,b,c,d,e,f,g及びhの内、任意の二つ
は繰返し単位間の結合に関与する炭素原子を、少なくと
も一つはN→O基を、残りはCH基、窒素原子又はN→
O基を表し、重合度nは少なくとも5)で表される、N
−オキシド化ポリ(キノリンジイル)、ポリ(キノキサ
リンジイル)又はポリ(ナフチリジンジイル)重合体等
のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐熱性を有し、
水または有機溶媒に可溶性で、偏光解消度、電気化学的
酸化還元電位のコントロールが可能な、また化学的・電
気化学的酸化還元により明瞭な色の変化を示し、それ自
身で導電性を示すN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素
環)重合体及びその製造方法並びに利用に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香環が連続して結合した構造を有する
ポリ(アリーレン)、特に主鎖に沿って連続したπ共役
系を有するポリ(アリーレン)〔例えば、ポリ(p−フ
ェニレン)、ポリ(2,5−チエニレン)、ポリ(1,
4−ナフタレンジイル)〕は一般に優れた耐熱性を有す
る。また、それらのポリ(アリーレン)と電子受容体
(AsF5 等)や電子供与体(リチウム、ナトリウム
等)との付加体は導電性を有し、かつ電気化学的な酸化
還元により可逆的に変色する(エレクトロクロミック)
表示材料としての利用可能な性質を備えることが知られ
ている〔例えば、雑誌「高分子」、38巻、1080頁
(1989)〕。また、主鎖に沿った連続するπ共役系
を有し、且つ複素六員環単位よりなる基、例えば、2,
5−ピリジンジイル基を反復構成単位とする重合体を還
元して生成された導電性物質が特開平1−210420
号に、縮合複素環単位よりなるポリ(キノリンジイル)
およびポリ(イソキノリンジイル)重合体が特開平5−
70565号に、また四級化ポリ(キノリンジイル)お
よびポリ(イソキノリンジイル)重合体が特開平6−5
6972号に報告されている。しかし、従来提案された
殆どのポリ(アリーレン)は水または有機溶媒に対して
溶解性が小さく、かつ不融である場合が多いため、利用
法も限られ、それらの特徴ある機能を引き出すうえにお
ける問題点となっている。また前記のポリ(アリーレ
ン)については、分子構造を工夫することにより、従来
のポリ(アリーレン)にはない特性を備えた物質の開発
がのぞまれている。例えば、従来のポリ(アリーレン)
とは異なる酸化・還元電位を持つ又は異なる色の変化
(エレクトロクロミック現象)を示すポリ(アリーレ
ン)を得ることができれば、それを電極材として従来の
エレクトロクロミック表示材料〔例えば「応用物理」、
56巻、1433項(1987)〕とは異なる特徴を備
えたエレクトロクロミックディスプレイが、また、それ
を活物質あるいは電極材として従来のポリマーバッテリ
ー〔例えば「電気化学及び工業物理化学」54巻、30
6頁(1986)〕とは異なる特徴を備えたポリマーバ
ッテリーが得られる。また、ポリ(アリーレン)類の導
電性発現には、通常中性状態のポリ(アリーレン)類の
酸化(pドーピング))または還元(nドーピング)を
行う必要がある(前出の「応用物理」および「電気化学
及び工業物理化学」掲載文参照)。この酸化・還元には
ヨウ素等の腐蝕性酸化剤を用いたり、そのプロセスが煩
雑であったり、I- 、ClO4 - 或いはNR4 + 等のド
ーパントが導電化されたポリ(アリーレン)の化学的、
物理的不安定性をもたらす原因となる場合があるなど欠
点を有していた。従って、このようなドーパントを有し
ない、ポリ(アリーレン)またはその誘導体そのものが
導電性を示す素材の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの状
況のもと、新しい分子構造を有するポリ(アリーレン)
を探索すべく鋭意研究の結果完成したものである。本発
明の目的は、優れた耐熱性を有し、かつ水または有機溶
媒に可溶で、偏光解消度、電気化学的酸化還元電位のコ
ントロールが可能な、また化学的・電気化学的酸化還元
により明瞭な色の変化を示し、それ自身で導電性を示す
ポリ(アリーレン)、特にN−オキシド化(含窒素縮合
複素環)重合体を提供するにある。本発明の別の目的は
このような新規なN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素
環)重合体を、繊維、フィルム等の成形体、エレクトロ
クロミック素子、電池の活物質または電極、半導体、n
型半導体、等として利用するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次式
(1):
【化11】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任
意の二つは繰返し単位間の結合に関与する炭素原子を、
少なくとも一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立
に、CH基または窒素原子を表し、a,b,c,dに含
まれるN→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の
最大総数は3を表し、また、e,f,g,hに含まれる
N→O基の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
3を表し、重合度nは少なくとも5を表す。)で表され
る重合体鎖を含むN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素
環)重合体、及び次式(2):
【化12】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任
意の二つは繰返し単位間の結合に関与する炭素原子を、
少なくとも一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立
に、CH基または窒素原子を表し、a,b,c,dに含
まれるN→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の
最大総数は3を表し、また、e,f,g,hに含まれる
N→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総
数は3を表し、また、o,p,q,r,s,t,uおよ
びvの内、任意の二つは繰返し単位間の結合に関与する
炭素原子を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基または
窒素原子を表し、o,p,q,rに含まれる窒素原子の
数の最大総数は3を表し、また、s,t,u,vに含ま
れる窒素原子の最大総数は3を表し、重合度l+mは少
なくとも5を表す。)で表される重合体鎖を含むN−オ
キシド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体によつて達成
される。上記式(1)の重合体は、含窒素縮合複素環の
窒素原子がオキシド化されている繰返し単位を主として
含む重合体であり、また式(2)の重合体は、含窒素縮
合複素環の窒素原子がオキシド化されている繰返し単位
と含窒素縮合複素環の窒素原子がオキシド化されていな
い繰返し単位とからなる共重合体であるが、それら重合
体には、更に第3の繰返し単位、例えば(チオフェン
2,5−ジイル)単位のようなπ共役高分子を形成する
繰返し単位として従来から知られている繰返し単位を導
入することもできる。なお該式(2)の共重合体におい
て、含窒素縮合複素環の窒素原子がオキシド化されてい
る繰返し単位と含窒素縮合複素環の窒素原子がオキシド
化されていない繰返し単位とはランダムに共重合してい
るものである。
【0005】上記式(1)で表されるN−オキシド化ポ
リ(含窒素縮合複素環)重合体のサブグループとして
は、式(1)が、次式(1a)、(1b−1)、(1b
−2)、(1c−1)または(1c−2):
【化13】 (式中、重合度n1 ,n2 ,n3 ,n4 およびn5 は少
なくとも5を表す。)であるN−オキシド化ポリ(キノ
リンジイル)、ポリ(キノキサリンジイル)またはポリ
(ナフチリジンジイル)重合体がある。また、上記式
(2)で表されるN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素
環)重合体のサブグループとしては、式(2)が、次式
(2a)、(2b−1)、(2b−2)、(2c−1)
または(2c−2):
【化14】 (式中、重合度l1 +m1 ,l2 +m2 ,l3 +m3
4 +m4 およびl5 +m5 は少なくとも5を表す。)
であるN−オキシド化ポリ(キノリンジイル)、ポリ
(キノキサリンジイル)またはポリ(ナフチリジンジイ
ル)共重合体がある。
【0006】上記式(1)及び(2)のグループの重合
体の重合度は、5〜1000,好ましくは5〜500,
特に好ましくは10〜250である。重合度が5未満で
はポリマーとして十分な機能を発揮することができな
い。
【0007】上記本発明の重合体は、次式(3):
【化15】 (式中、o,p,q,r,s,t,uおよびvは前記と
同様の意味を表し、重合度xは少なくとも5を表す。)
で表される2価の基を構成単位として含有するポリ(含
窒素縮合複素環)重合体、特に、次式(3a)、式(3
b)または式(3c):
【化16】 (式中、重合度x1 ,x2 およびx3 は少なくとも5を
表す。)で表される2価の基を構成単位として含有する
ポリ(キノリンジイル)、ポリ(キノキサリンジイル)
またはポリ(ナフチリジンジイル)重合体を適当な過酸
化物、例えば過酢酸(過酸化水素水と氷酢酸)、過硫
酸、m−クロル過安息香酸と反応させ、環内窒素原子を
N−オキシド化することによって製造される。本反応に
おいて、使用する過酸化物は上記記載例に限定されるも
のではなく、また使用する過酸化物の種類、当量または
反応条件を工夫することにより本発明化合物の式(1)
と式(2)、または式(1a)と式(2a)、式(1b
−1)と式(2b−1)、式(1b−2)と式(2b−
2)、式(1c−1)と式(2c−1)、式(1c−
2)と式(2c−2)とをそれぞれ製造しわけることが
できる。
【0008】本発明の重合体の別の製造法として、次式
(4):
【化17】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表し、
a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任意の二つ
は前記ハロゲン原子に結合する炭素原子を、少なくとも
一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基
または窒素原子を表し、a,b,c,dに含まれるN→
O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
3を表し、また、e,f,g,hに含まれるN→O基の
最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は3を表
す。)で表されるジハライド誘導体、特にキノリンオキ
シド、キノキサリンオキシド、キノキサリンジオキシ
ド、1,5−ナフチリジンオキシドまたは1,5−ナフ
チリジンジオキシドの任意の2箇所の水素原子をハロゲ
ン原子に置換した式(4a)、式(4b−1)、式(4
b−2)、式(4c−1)または式(4c−2):
【化18】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表す。)
で表されるジハライド誘導体をゼロ価ニッケル化合物と
反応させる方法を掲げることができる。すなわち、上記
ジハライド誘導体に有機溶媒中において等モル以上のゼ
ロ価ニッケル化合物を加えて反応させ、脱ハロゲン化す
ることによって取得される。好適な反応温度は室温〜約
80℃の間にあり、約24時間程度で反応は完結する。
上記有機溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラ
ン等が適用可能である。ゼロ価ニッケル化合物はハロゲ
ン化芳香族化合物よりハロゲンをとり、芳香族基間のカ
ップリング反応を起こさせる〔例えば、「シンセシス」
(Synthesis)、736頁(1984)参
照〕。この反応は反応式(A)で表すことができる。
【化19】 (ここで、ArおよびAr′は芳香族基を、Xはハロゲ
ン原子を、Lは中性配位子を表し、従って、NiLmは
ゼロ価ニッケル化合物を表す。) 従って、分子内に2個のハロゲン原子を有する芳香族化
合物、すなわち、上記ジハライド誘導体に当モル以上の
ゼロ価ニッケル化合物を反応させると、反応式(B)お
よび反応式(C)に示す脱ハロゲン化反応によって重合
体が得られる。
【化20】 (ここで、Y−Ar″−Xは上記ジハライド誘導体を表
す。) 上述の反応において、ゼロ価ニッケル化合物は、重合反
応を行う直前に反応系で(いわゆるin situで)
合成したものをそのまま用いることも、又は予め合成単
離したものを用いることもできる。かかるゼロ価ニッケ
ル化合物は例えば、中性配位子存在下での還元反応また
は配位子交換反応によって生成するニッケル錯体であ
り、その中性配位子としては、1,5−シクロオクタジ
エン、2,2′−ビピリジン、トリフェニルホスフィン
等を例示することができる。
【0009】また、本発明の重合体は、環内窒素原子が
N−オキシド化された含窒素縮合複素環式化合物の任意
の2箇所の水素原子をハロゲン原子に置換した式
(4):
【化21】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表し、
a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任意の二つ
は前記ハロゲン原子に結合する炭素原子を、少なくとも
一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基
または窒素原子を表し、a,b,c,dに含まれるN→
O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
3を表し、また、e,f,g,hに含まれるN→O基の
最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は3を表
す。)で表されるジハライド誘導体、特にキノリンオキ
シド、キノキサリンオキシド、キノキサリンジオキシ
ド、1,5−ナフチリジンオキシドまたは1,5−ナフ
チリジンジオキシドの任意の2箇所の水素原子をハロゲ
ン原子に置換した式(4a)、式(4b−1)、式(4
b−2)、式(4c−1)または式(4c−2):
【化22】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表す。)
で表されるジハライド誘導体をニッケル化合物の存在下
で電解還元することによっても製造することができる。
すなわち、ジハライド誘導体を2価のニッケル化合物の
共存下で電解還元反応させると、脱ハロゲン化反応によ
ってN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体を
得ることができる。本反応は反応式(D)、反応式
(E)、反応式(F)および反応式(G)で表すことが
できる。
【化23】 (ここで、Y−Ar″−Xは上記ジハライド誘導体を表
す。) 2価ニッケル化合物を電解槽で電解還元すればゼロ化ニ
ッケル化合物を生成する。従って、分子内に2個のハロ
ゲン原子を有する芳香族化合物、すなわち、上記ジハラ
イド誘導体を2価ニッケル化合物の存在下で電解還元す
るとゼロ価ニッケル化合物の生成並びに引き続き反応系
内に生じるNi0 Lmが関与する反応により重合体が得
られる。電解は通常次の条件で行うことが出来る。すな
わち、例えばN,N−ジメチルホルムアミド若しくはア
セトニトリルを溶媒として使用し、支持電解質として過
塩素酸テトラエチルアンモニウム若しくはテトラエチル
アンモニウムテトラフルオロボレートを溶解して電解液
とし、電極には白金電極、ITO透明電極、若しくは黒
鉛電極を使用する。電解液に上記ジハライド誘導体およ
び2価ニッケル錯体を溶解し、2価ニッケル化合物の還
元電位〔例えばトリス(2,2−ビピリジン)ニッケル
塩では−1.7V(Ag/Ag+ に対して)〕で電解還
元を行う。上記ニッケル化合物は、重合反応を行う前に
予め合成単離したものを用いても、または電解槽中で直
接、ニッケルあるいはニッケル化合物から合成したもの
をそのまま用いても良い。かかるニッケル化合物として
は、例えばトリス(2,2′−ビピリジン)ニッケルブ
ロマイド〔Ni(bpy)3 Br2 〕、ジブロモビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル〔NiBr2 (P
Ph3 2 〕等が挙げられる。
【0010】本発明の式(1)または式(2):
【化24】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhは前記と
同様の意味を表し、重合度nは少なくとも5を表す。)
【化25】 (式中、a,b,c,d,e,f,g,h,o,p,
q,r,s,t,uおよびvは前記と同様の意味を表
し、重合度l+mは少なくとも5を表す。)で表される
N−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体につい
て、式(5)および式(6):
【化26】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhは前記と
同様の意味を表す。)
【化27】 (式中、o,p,q,r,s,t,uおよびvは前記と
同様の意味を表す。)を用いて以下に例示するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。式(5):
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】 式(6):
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【0011】本発明化合物であるN−オキシド化ポリ
(含窒素縮合複素環)重合体は、一例としての式(7)
および式(8)が示すように共鳴構造を有し、隣接の単
位を含め考えるとキノイド型の結合を有する構造が生成
し、このような共鳴構造がπ共役系にそって重合体全体
に広がっていると考えられる。キノイド構造が生成する
主鎖構造の変化は、ドーピング反応時の構造変化と類似
している。
【化54】
【0012】本発明の重合体は、その優れた特性を利用
して繊維またはフィルム、エレクトロクロミック素子、
半導体、電池の活物質または電極に適用され、またそれ
自体が導電性を示し、さらに本発明化合物を還元剤また
は電気化学的ドーピングにより還元してn型半導体とし
て利用することができる。また、本発明の重合体には繊
維、フィルムその他成形品に成形するに際して、熱安定
剤、光安定剤、充填剤或いは強化剤等の配合剤を適宜配
合することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明について、さらに具体的かつ詳
細に実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定
されるものてはない。 実施例1ポリ(キノリン−2,6−ジイル)重合体の合成 窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル0.67g(2.43mmol)にN,N−ジメ
チルホルムアミド30mlを加え、さらに1,5−シク
ロオクタジエン0.35ml、2,2’−ビピリジン
0.30g(1.92mmol)及び2,6−ジクロロ
キノリン0.32g(1.59mmol)を加え、60
℃で48時間加熱攪拌した。生成したポリマーをアンモ
ニア水で2回、エチレンジアミン四酢酸水溶液で3回、
アンモニア水で2回、水で1回及びメタノールで1回洗
浄し、減圧乾燥した。次式(3a−A):
【化55】 (式中 x1aは重合度を表す。)で表される分子量(M
w)が15000,重合度が118である黄色のポリ
(キノリン−2,6−ジイル)重合体が99%の収率で
得られた。ポリ(キノリン−1−オキシド−2,6−ジイル)重合
体の合成 ポリ(キノリン−2,6−ジイル)重合体100mgを
氷酢酸20mlに懸濁して、8mlの30%の過酸化水
素水を室温で滴下し、60℃で3日間攪拌した。放冷
後、生成したオレンジ色の固体を減圧下ろ過し、次に得
られた固体を水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、次
に水にて順次洗浄し、減圧下乾燥することにより黄土色
粉末状の下記式(1a−A)で表されるポリ(キノリン
−1−オキシド−2,6−ジイル)重合体を収率21%
で得た。収率が低くなっているのは、後述する可溶性の
向上のため、重合体を精製する際に、洗浄の過程などで
一部が失われたためであると考えられる。
【化56】 (式中n1aは重合度を表す。) 式(1a−A)で表される重合物の元素分析値は炭素7
1.0%、水素3.7%、窒素9.2%を表し、モノマ
ーユニット一個あたり水を0.49分子含んだ次式:
【化57】 を構成単位とする重合体(計算値:炭素71.1%、水
素4.0%、窒素9.2%、酸素15.7%)であり、
N−オキシド化がほぼ100%進行していることを示し
た。該重合体の重合度は118である。式(1a−A)
の赤外吸収スペクトル(IRスペクトル、KBrペレッ
ト法)および紫外可視吸収スペクトル(UVスペクト
ル、ギ酸溶液中)における特性を式(3a−A)との比
較で表すと、IRスペクトルにおいて、1400−16
00cm-1のキノリン骨格による吸収が若干ブロードに
なり、吸収強度も変化した。また、1240cm-1付近
にN−オキシドに由来する吸収が、1650cm-1付近
にポリマーに付加した水によるブロードな吸収がそれぞ
れ観測された。一方、UVスペクトルにおいて、式(1
a−A)の示す最大吸収波長は407nmに観測され、
この値を式(3a−A)の示す最大吸収波長と比較する
と、N−オキシド化により最大吸収波長は30nmほど
短波長側にシフトした。式(1a−A)で表される重合
体の各種溶媒に対する溶解性を、重合体1mg、溶媒1
mlを用い室温で検討したところ、当該重合体は水、水
酸化ナトリウム水溶液、ギ酸、硫酸、N,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NM
P)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等に可溶であ
り、式(3a−A)で表される重合体(ギ酸、硫酸には
可溶であるが、DMF、NMP、DMSO等の通常の有
機溶媒に対して不溶)に比較し溶解性が向上した。
【0014】実施例2ポリ(ナフチリジン−2,6−ジイル)重合体の合成 窒素雰囲気下でビス(1,5−シクロオクタジエン)ニ
ッケル0.18g(0.65mmol)にN,N−ジメ
チルホルムアミド12mlを加え、さらに1,5−シク
ロオクタジエン0.14ml、2,2’−ビピリジン
0.11g(0.72mmol)及び2,6−ジクロロ
−1,5−ナフチリジン0.11g(0.53mmo
l)を加え、60℃で48時間加熱攪拌した。生成した
ポリマーの洗浄は実施例1と同様に行った。次式(3c
−A):
【化58】 (式中 x3aは重合度を表す。)で表される黄色のポリ
(ナフチリジン−2,6−ジイル)重合体が97%の収
率で得られた。ハロゲン分析(0.3%)による該重合
体の分子量は23700、重合度は185である。ポリ(ナフチリジン−1,5−ジオキシド−2,6−ジ
イル)重合体の合成 ポリ(ナフチリジン−2,6−ジイル)重合体70mg
を氷酢酸20mlに懸濁して、8mlの30%過酸化水
素水を室温で滴下し、60℃で3日間攪拌した。放冷
後、生成したオレンジ色の固体を減圧下ろ過し、次に得
られた固体を水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液、次
に水にて順次洗浄し、減圧下乾燥することにより赤茶色
の粉末状の式(1c−2−A)で表されるポリ(ナフチ
リジン−1,5−ジオキシド−2,6−ジイル)重合体
を収率33%で得た。
【化59】 (式中 n5aは重合度を表す。) 式(1c−2−A)で表される重合物の元素分析値は炭
素56.3%、水素2.9%、窒素16.4%を表し、
モノマーユニット一個あたり水を0.41分子含んだ次
式:
【化60】 を構成単位とする重合体(計算値:炭素57.4%、水
素2.9%、窒素16.7%、酸素23.0%)であ
り、N−オキシド化がほぼ100%進行していることを
示した。該重合体の重合度は185である。式(1c−
2−A)の赤外吸収スペクトル(IRスペクトル、KB
rペレット法)および紫外可視吸収スペクトル(UVス
ペクトル、ギ酸溶液中)における特性を式(3c−A)
との比較で表すと、IRスペクトルにおいて、1400
−1600cm-1の1,5−ナフチリジン骨格による吸
収が若干ブロードになり、吸収強度も変化した。また、
1237cm-1付近にN−オキシドに由来する吸収が、
1600−1700cm-1付近にポリマーに付加した水
によるブロードな吸収がそれぞれ観測された。一方、U
Vスペクトルにおいて、式(1c−2−A)の示す最大
吸収波長は404nmに観測され、この値を式(3c−
A)の示す最大吸収波長と比較すると、N−オキシド化
により最大吸収波長は35nmほど短波長側にシフトし
た。
【0015】実施例3 実施例1で得た式(1a−A)で表されるポリ(キノリ
ン−1−オキシド−2,6−ジイル)重合体の電気伝導
度を、当該重合体を加圧成形機でペレット状に良好に加
圧成形した後、長方形に切断し、図1に示すようにカー
ボンペーストで二本の白金電極間に固定し測定した(二
端子法)。図1中のa,b,c(cm)の長さを測定
し、抵抗値R(Ω)を測定し、電気伝導度は次式によっ
て計算した。 σ〔Scm-1〕=c/(abR) その結果、当該重合体は2.3×10-6σ/Scm-1
電気伝導度を示し、式(3a−A)で表される重合体の
電気伝導度(4.0×10-10 σ/Scm-1)に比較
し、4桁ほど電気伝導度が上昇した。また、白金電極上
にギ酸キャストした式(1a−A)のサイクリックボル
タグラム(CV)を測定した(図2)。カチオンドーピ
ング−脱ドーピングによるピーク電位はそれぞれEPc
−2.31V,EPa=−2.00V(いずれもAg/A
+ に対して)を示した。ドーピングによってポリマー
の色は黄色から紫色へと変化した。
【0016】実施例4 実施例2で得た式(1c−2−A)で表されるポリ(ナ
フチリジン−1,5−ジオキシド−2,6−ジイル)重
合体の電気伝導度を、実施例3と同様の方法で測定し
た。その結果、当該重合体は3.2×10-6σ/Scm
-1の電気伝導度を示し、式(3c−A)で表される重合
体の電気伝導度(1.1×10-9σ/Scm-1)に比較
し、3桁ほど電気伝導度が上昇した。
【0017】
【発明の効果】本発明の新規なN−オキシド化ポリ(含
窒素縮合複素環)重合体、特にN−オキシド化ポリ(キ
ノリンジイル)、ポリ(キノキサリンジイル)またはポ
リ(ナフチリジンジイル)重合体は、耐熱性を有し、水
または有機溶媒に可溶であることから、その利用分野・
用途が拡大し、これらの適宜な溶媒に溶かして得られる
溶液を利用して繊維、膜等への乾式成形が可能である。
また、その構造によって偏光解消度、電気化学的酸化還
元電位をコントロールすることができるなど、従来のポ
リアリーレンにない優れた特性を有する。また、本発明
の方法によれば、N−オキシド化によって生じた電荷が
π共役系にそって非局在化した高分子を合成することが
できる。そして、本発明の高分子はそれ自身で導電性を
示すことが見出された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3及び4で用いた二端子法の抵抗測定装
置の説明図である。
【図2】実施例3でのサイクリックボルタグラムであ
る。
【符号の説明】
a 試験片の縦幅(cm) b 試験片の高さ(cm) c 試験片の横幅(cm) d 白金電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 51/00 H01M 4/60 H01M 4/60 H01L 29/28

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(1): 【化1】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任
    意の二つは繰返し単位間の結合に関与する炭素原子を、
    少なくとも一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立
    に、CH基または窒素原子を表し、a,b,c,dに含
    まれるN→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の
    最大総数は3を表し、また、e,f,g,hに含まれる
    N→O基の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
    3を表し、重合度nは少なくとも5を表す。)で表され
    る重合体鎖を含むN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素
    環)重合体。
  2. 【請求項2】 次式(2): 【化2】 (式中、a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任
    意の二つは繰返し単位間の結合に関与する炭素原子を、
    少なくとも一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立
    に、CH基または窒素原子を表し、a,b,c,dに含
    まれるN→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の
    最大総数は3を表し、また、e,f,g,hに含まれる
    N→O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総
    数は3を表し、また、o,p,q,r,s,t,uおよ
    びvの内、任意の二つは繰返し単位間の結合に関与する
    炭素原子を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基または
    窒素原子を表し、o,p,q,rに含まれる窒素原子の
    数の最大総数は3を表し、また、s,t,u,vに含ま
    れる窒素原子の最大総数は3を表し、重合度l+mは少
    なくとも5を表す。)で表される重合体鎖を含むN−オ
    キシド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体。
  3. 【請求項3】 式(1)が、次式(1a)、(1b−
    1)、(1b−2)、(1c−1)または(1c−
    2): 【化3】 (式中、重合度n1 ,n2 ,n3 ,n4 およびn5 は少
    なくとも5を表す。)である請求項1記載のN−オキシ
    ド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体。
  4. 【請求項4】 式(2)が、次式(2a)、(2b−
    1)、(2b−2)、(2c−1)または(2c−
    2): 【化4】 (式中、重合度l1 +m1 ,l2 +m2 ,l3 +m3
    4 +m4 およびl5 +m5 は少なくとも5を表す。)
    である請求項2記載のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合
    複素環)重合体。
  5. 【請求項5】 次式(3): 【化5】 (式中、o,p,q,r,s,t,uおよびvは前記と
    同様の意味を表し、重合度xは少なくとも5を表す。)
    で表される重合体鎖を含むポリ(含窒素縮合複素環)重
    合体を過酸化物と反応させ、環内窒素原子をN−オキシ
    ド化することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合複素環)
    重合体の製造法。
  6. 【請求項6】 次式(4): 【化6】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表し、
    a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任意の二つ
    は前記ハロゲン原子に結合する炭素原子を、少なくとも
    一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基
    または窒素原子を表し、a,b,c,dに含まれるN→
    O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
    3を表し、また、e,f,g,hに含まれるN→O基の
    最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は3を表
    す。)で表されるジハライド誘導体をゼロ化ニッケル化
    合物と反応させることを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合
    複素環)重合体の製造法。
  7. 【請求項7】 次式(4): 【化7】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表し、
    a,b,c,d,e,f,gおよびhの内、任意の二つ
    は前記ハロゲン原子に結合する炭素原子を、少なくとも
    一つはN→O基を表し、残りはそれぞれ独立に、CH基
    または窒素原子を表し、a,b,c,dに含まれるN→
    O基の数の最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は
    3を表し、また、e,f,g,hに含まれるN→O基の
    最大総数は2を、窒素原子の数の最大総数は3を表
    す。)で表されるジハライド誘導体をニッケル化合物の
    存在下で電解還元することを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載のN−オキシド化ポリ(含窒素
    縮合複素環)重合体の製造法。
  8. 【請求項8】 式(3)が、次式(3a)、(3b)ま
    たは(3c): 【化8】 (式中、重合度x1 ,x2 およびx3 は少なくとも5を
    表す。)である請求項5記載のN−オキシド化ポリ(含
    窒素縮合複素環)重合体の製造法。
  9. 【請求項9】 式(4)が、次式(4a)、(4b−
    1)、(4b−2)、式(4c−1)または(4c−
    2): 【化9】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表す。)
    である請求項6記載のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合
    複素環)重合体の製造法。
  10. 【請求項10】 式(4)が、次式(4a)、式(4b
    −1)、式(4b−2)、式(4c−1)または(4c
    −2): 【化10】 (式中、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を表す。)
    である請求項7記載のN−オキシド化ポリ(含窒素縮合
    複素環)重合体の製造法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項4記載のN−オキ
    シド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体よりなる繊維ま
    たはフィルム。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項4記載のN−オキ
    シド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体よりなるエレク
    トロクロミック素子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項4記載のN−オキ
    シド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体よりなる電池の
    活物質または電極。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項4記載のN−オキ
    シド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体よりなる半導
    体。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項4記載のN−オキ
    シド化ポリ(含窒素縮合複素環)重合体を還元剤または
    電気化学的ドーピングにより還元してなるn型半導体。
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