JPH09324012A - 水酸基含有多孔質樹脂の製造方法 - Google Patents

水酸基含有多孔質樹脂の製造方法

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JPH09324012A
JPH09324012A JP9087637A JP8763797A JPH09324012A JP H09324012 A JPH09324012 A JP H09324012A JP 9087637 A JP9087637 A JP 9087637A JP 8763797 A JP8763797 A JP 8763797A JP H09324012 A JPH09324012 A JP H09324012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能基部位を効率良く1次粒子の表面または
その近傍に配列・配向させた多孔質樹脂を提供するこ
と。 【解決手段】 ジビニルベンゼンおよび特定のビニルベ
ンジルオキシアルキルエステル誘導体を含有するモノマ
ー混合物、重合開始剤、ならびに重合反応に関与せず水
に難溶でかつ該モノマー混合物は溶解するがそれから得
られる共重合体は溶解しない有機溶媒とを混合して得ら
れたモノマー溶液を、水系媒体中に分散または懸濁させ
た状態で重合した後、得られた樹脂のエステル部位を加
水分解して水酸基含有多孔質樹脂を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸基含有多孔質
樹脂の製造方法に関する。本発明により得られる水酸基
含有多孔質樹脂は、カラムの充填剤や種々の吸着剤、担
体等として有用な素材であり、また化学的に2次修飾し
機能性多孔質樹脂としてさらに有用な素材となり得る。
【0002】
【従来の技術】従来より、多孔質素材はその構造的特性
及び化学的特性を生かして、分析用や分取用カラムの充
填剤、或いは酵素や触媒、有用物質等の担体や種々の吸
着担体等様々な用途・分野で古くから研究開発され、利
用されている。代表的なものには、多孔性シリカゲルや
アルミナ等の無機系素材、ジビニルベンゼン−スチレン
系多孔質樹脂やジビニルベンゼン−メタクリル酸エステ
ル系多孔質樹脂等の合成高分子系素材が挙げられる。
【0003】多孔性シリカゲルは、機械的強度に優れて
おり、それ自体でまたはその表面シラノール基を利用し
て様々な官能基や有用物質を化学修飾した形で、カラム
充填剤、固相抽出用基材、固定化触媒など広く利用され
ているが、塩基性媒体中での安定性や残存シラノール基
の影響といった、シリカゲル本来の化学的安定性に起因
する問題を有している[例えば、ジャーナル・オブ・ク
ロマトグラフィック・サイエンス(J.Chromat
ogr.Sci.)第22巻386頁(1984年)、
ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J.Chro
matogr.)第149巻199頁(1978年)を
参照]。
【0004】一方、ジビニルベンゼン−スチレン系多孔
質樹脂は、その基本的な製造方法は一般によく知られて
おり、例えば、ジビニルベンゼンおよびスチレンを含有
するモノマー混合物、重合開始剤、ならびに重合反応に
関与せず水に難溶でかつ該モノマー混合物は溶解するが
それから得られる共重合体は溶解しない有機溶媒と混合
したモノマー溶液を水系媒体中で懸濁重合することによ
り得られる[例えばジャーナル・オブ・アプライド・ポ
リマー・サイエンス(J.Appl.Polym.Sc
i.)第23巻927頁(1979年)、アンゲバンテ
・マクロモレキュラ・ケミ(Angew.Makrom
ol.Chem.)第80巻31頁(1979年)参
照]。一般に、この種の通常の懸濁重合では、見掛け粒
子(以下、2次粒子と称する)の直径が50μm〜2m
m程度の多孔質樹脂が得られる。
【0005】また、重合前に、モノマー溶液を水系媒体
中に分散または懸濁させる工程として、ホモジナイザー
またはホモミキサーを用いて高速撹拌下で行なう工程
(以下、ミクロサスペンジョン工程と称する)を採用し
た懸濁重合の場合には、2次粒子の直径が通常0.5〜
50μm程度の多孔質樹脂が得られる。また、重合前
に、モノマー溶液を水系媒体中に分散または懸濁させる
工程として、均一細孔径を有する多孔質ガラス膜を介し
て、アニオン性又は非イオン性の界面活性剤を含む水系
媒体中に圧入することにより行なう工程(以下、膜乳化
工程と称する)を採用した懸濁重合には、2次粒子の直
径が通常0.3〜100μm程度でしかも粒子径が非常
に揃った多孔質樹脂が得られる。
【0006】これら何れの方法においても、電子顕微鏡
などを用いて、得られた2次粒子の表面または内部を観
察すると、大きさが10〜100nm程度の細かい微粒
子(以下、1次粒子と称する)が強固に凝集している様
子がわかる。つまり、凝集した1次粒子と1次粒子の隙
間は、重合中、有機溶媒が存在していた空間であり、こ
の1次粒子自体は、高次に架橋された樹脂である場合に
は、殆どの有機溶媒に不溶であり、かつ基本的に殆ど膨
潤しない。
【0007】このようなジビニルベンゼン−スチレン系
多孔質樹脂は、その樹脂母体の優れた機械的強度及び化
学的安定性を生かし、1次粒子の表面またはその近傍に
官能基を導入したり、有用物質を化学修飾して新たな機
能性を付与した、所謂、機能性多孔質樹脂として、様々
な用途・分野で注目を集めている。官能基を導入する方
法としては、従来より基本的に次の2つの方法が知られ
ている:(i)合成したジビニルベンゼン−スチレン系
多孔質樹脂の芳香環部位や残存しているビニル基との化
学反応を利用して様々な官能基を導入する方法、(ii)
ジビニルベンゼン、スチレンモノマーに加え、目的の官
能基を有するモノマー(以後、官能基含有モノマーと称
する)を予め混合しておき、これを重合する方法。しか
し、(i)の方法においては、化学反応が本質的に固−
液間で行われるため、しばしば過激な反応条件を強いら
れたり、反応転化率が極端に悪かったり、反応中に2次
粒子が破壊されたりする、様々な欠点を有している。ま
た、(ii)の方法においても、用いた官能基含有モノマ
ーの官能基部位を効率良く1次粒子の表面またはその近
傍に配列・配向させることは困難であり、殆どの場合、
官能基含有モノマーの大半がモノマー混合物の領域の内
部に存在し、結果的に官能基部位は架橋された樹脂マト
リックスの内部に埋めこまれてしまい、その機能を十分
に発揮できないという欠点を持っている。すなわち、ジ
ビニルベンゼンによる架橋度が高ければ高いほど1次粒
子の溶媒に対する膨潤性は極端に減少するため、この欠
点は機能性多孔質樹脂を設計・合成して行く上で深刻な
問題となってくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、官
能基部位を効率良く1次粒子の表面またはその近傍に配
列・配向させた多孔質樹脂を提供することを目的とし
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機能性多
孔質樹脂あるいは官能基含有多孔質樹脂の技術開発にお
ける重要性を鑑み、上述したような従来の製造方法にお
ける欠点を克服すべく、特に上記(ii)の官能基含有モ
ノマーの樹脂の1次粒子表面への配列・配向の問題に着
眼し、鋭意検討を重ねた。その結果、従来より行われて
いる懸濁重合において、官能基含有モノマーとして、有
機溶媒と親和性が強いまたは強い部分を有する下記一般
式(1)で表されるビニルベンジルオキシアルキルエス
テル誘導体を用いた場合には、重合中、該誘導体が「ポ
リマー+モノマー」と「有機溶媒」の両領域の界面付近
に優占的に存在し、結果として得られる樹脂の1次粒子
の表面またはその近傍に、該誘導体に由来するエステル
基が配列・配向することを見い出し本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、ジビニルベンゼンお
よび一般式(1):
【0011】
【化2】
【0012】(式中、nは2〜16の整数を示し、Rは
炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表わされるビニ
ルベンジルオキシアルキルエステル誘導体を含有するモ
ノマー混合物、重合開始剤、ならびに重合反応に関与せ
ず水に難溶でかつ該モノマー混合物は溶解するがそれか
ら得られる共重合体は溶解しない有機溶媒とを混合して
得られたモノマー溶液を、水系媒体中に分散または懸濁
させた状態で重合した後、得られた樹脂のエステル部位
を加水分解することを特徴とする水酸基含有多孔質樹脂
の製造方法に関する。
【0013】上記本発明は、樹脂の1次粒子の表面また
はその近傍に、前記一般式(1)で表わされるビニルベ
ンジルオキシアルキルエステル誘導体に由来する水酸基
が効率よく配列・配向したジビニルベンゼン−スチレン
系の水酸基含有多孔質樹脂の簡便な製造方法を提供する
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水酸基含有多孔質
樹脂の製造方法に関して、原料、重合工程及び加水分解
工程について詳細に説明する。
【0015】本発明の重合に用いるモノマー混合物は、
ジビニルベンゼンおよび前記一般式(1)で表わされる
ビニルベンジルオキシアルキルエステル誘導体を含有し
てなる。
【0016】ジビニルベンゼンは、一般的に入手可能で
ある純度約50〜60%の市販ジビニルベンゼンをその
まま使用してもよく、或は蒸留精製して使用してもよい
が、その場合、主な不純物として約50〜40%のエチ
ルビニルベンゼンを含有する。勿論、入手可能であれば
高純度のものを使用しても何ら差し支えない。なお、ジ
ビニルベンゼンは、主にメタ及びパラ異性体が存在する
が、本発明においては、これらの異性体の混合物であっ
てもよく、或はそれぞれの異性体単独であってもよい。
【0017】一般式(1)で表わされるビニルベンジル
オキシアルキルエステル誘導体は、メタ及びパラ異性体
の混合物であってもよく、或はそれぞれの異性体単独で
あってもよい。また、式中のnは、2〜16の整数であ
る。nが2より小さい場合には樹脂表面へのエステル基
の配列・配向が低下し、nが16より大きい場合には重
合速度が低下したり、得られる樹脂の比表面積が低下し
たりするため好ましくない。これらの点から、特にnは
4以上の整数であるのがよく、また12以下の整数であ
るのが好ましい。なお、一般式(1)で表わされるビニ
ルベンジルオキシアルキルエステル誘導体のアルキレン
鎖の部分は一般にスぺーサーと呼ばれ、炭化水素系溶媒
やエステル系溶媒等の有機溶媒との親和性に重要な役割
を担っている。
【0018】一般式(1)で表されるビニルベンジルオ
キシアルキルエステル誘導体は、公知の方法により製造
することができる[例えば、ジャーナル・オブ・アメリ
カン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.
Soc.)第112巻6723頁(1990)を参
照]。すなわち、一般式(2):
【0018】
【化3】
【0019】(式中、nは2〜16の整数を示す。)で
表わされるアルキルジオールを水素化ナトリウム等で処
理してアルコキシドとし、続いてこれにビニルベンジル
クロリドを反応させることにより、一般式(3):
【0020】
【化4】
【0021】で表されるビニルベンジルオキシアルカノ
ールとし、次いで得られた一般式(3)で表されるビニ
ルベンジルアルカノールを脂肪族カルボン酸やその無水
物と反応させることにより、容易に一般式(1)ビニル
ベンジルオキシアルキルエステル誘導体を得ることがで
きる。なお、ビニルベンジルクロリドは、通常、メタ及
びパラ異性体の混合物で入手できるが、本発明に於いて
は、そのまま混合物で使用しても何ら差し支えない。勿
論、メタ或はパラ異性体のそれぞれ単独で使用してもよ
い。また、一般式(3)で表されるビニルベンジルアル
カノールは、アルキルジオール、水素化ナトリウム、ビ
ニルベンジルクロリドの仕込みモル量論比を適当に選択
することにより、目的物への反応選択率を向上すること
ができる。
【0022】一般式(1)で表されるビニルベンジルオ
キシアルキルエステル誘導体は、エステル基により該誘
導体の疎水性が増し、使用する有機溶媒との親和性が強
くなり、重合中、該誘導体の「ポリマー+モノマー」と
「有機溶媒」の界面付近への配列・配向に一層の効果を
もたらすことが期待される。なお、一般式(3)で表さ
れるビニルベンジルオキシアルカノールを、そのまま
(エステル化せずに)官能基含有モノマーとして本発明
と同様の懸濁重合を行なった場合には、時折、反応系が
不安定となり2次粒子同士の凝集が生じたり、得られる
樹脂の比表面積がかなり低下する傾向が観察された。一
般式(1)で表されるビニルベンジルオキシエステル誘
導体を官能基含有モノマーとして用いることによりこの
種の問題が解決されたことからも本発明におけるこのエ
ステル化は重要な意味を持っている。
【0023】モノマー混合物中に含まれるジビニルベン
ゼンおよび前記一般式(1)で表わされるビニルベンジ
ルオキシアルキルエステル誘導体の含有量は、モノマー
総重量100重量%に基づいて決められる。通常、モノ
マー混合物中の、一般式(1)で表わされるビニルベン
ジルオキシアルキルエステル誘導体の含有量は3〜30
重量%程度であり、残部としてジビニルベンゼン等を含
む。一般式(1)で表わされるビニルベンジルオキシア
ルキルエステル誘導体は、樹脂表面またはその近傍に官
能基であるエステル基、すなわち加水分解して得られる
水酸基を導入するため、その含有量は、通常、モノマー
総重量の3重量%以上とされる。特に5重量%以上が好
ましい。また、重合速度の低下や、得られる樹脂の表面
積が低下を抑えられることから、該誘導体の含有量は、
モノマー総重量の30重量%以下とするのが好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、用いた一般式(1)
で表されるビニルベンジルオキシアルキルエステル誘導
体の75%以上を樹脂の1次粒子の表面またはその近傍
に配列・配向させることができ(一般式(1)でnが4
以上のビニルベンジルオキシアルキルエステル誘導体の
場合)、言い換えれば、1次粒子表面またはその近傍に
配列・配向できる量はスペース的に限られているので、
目的とする水酸基含有多孔質樹脂を得るには、モノマー
総重量の30重量%まで使用すれば十分であるとも言え
る。
【0025】また、モノマー混合物には、芳香族モノビ
ニルモノマーを含有することもできる。芳香族モノビニ
ルモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、エチ
ルビニルベンゼン等を使用でき、これらの一種または2
種以上を使用する。これらは、市販のものをそのまま使
用してもよく、或は蒸留精製したものを使用してもよ
い。メチルスチレンは、メタ−、パラ−、α−及びβ−
等の異性体が存在するが、本発明においては、これらの
異性体の混合物であってもよく、或はそれぞれの異性体
単独であってもよい。また、エチルビニルベンゼンは、
メタ及びパラ異性体が存在するが、本発明においては、
これらの異性体の混合物であってもよく、或はそれぞれ
の異性体単独であってもよい。さらに、エチルビニルベ
ンゼンの場合は、市販ジビニルベンゼン中に所定量含ま
れているので、通常これをそのまま使用することになる
が、勿論、入手可能であれば、これを新たに加えて使用
してもよい。
【0026】モノマー混合物中に、芳香族モノビニルモ
ノマーを含む場合にも、前記一般式(1)で表わされる
ビニルベンジルオキシアルキルエステル誘導体の含有量
は3〜30重量%程度であり、その残部としてジビニル
ベンゼン15〜97重量%程度および芳香族モノビニル
モノマー0〜82重量%程度を含む。ジビニルベンゼン
が15重量%より少ない場合は、得られる樹脂の比表面
積が低下して好ましくない。こうした点からジビニルベ
ンゼンの含有量は20重量%以上であるのが好ましい。
また、芳香族モノビニルモノマーは、得られる樹脂の機
械的強度の点から82重量%以下とされる。なお、通
常、モノマー混合物中には、芳香族モノビニルモノマー
を5重量%以上含有する場合が多いが、この場合にはジ
ビニルベンゼンの含有量の上限は92重量%となる。
【0027】重合開始剤としては、上記モノマー混合物
に可溶なものであれば特に限定はない。たとえば、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等の有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が
挙げられる。重合開始剤の使用量は、得られる多孔質樹
脂の要求物性等に応じて任意の範囲で用いられるが、通
常は、モノマー総重量の0.5〜5重量%程度とするの
がよい。
【0028】上記モノマー混合物と混合する有機溶媒と
しては、重合反応に関与せず、水に難溶で、かつ該モノ
マー混合物は溶解するがそれから得られる共重合体は溶
解しないものである。かかる有機溶媒であればいわゆる
多孔化溶媒としての機能を充分に発揮することができ
る。
【0029】このような有機溶媒としては、得られる多
孔質樹脂の1次粒子の表面またはその近傍への水酸基の
配列・配向をより効果的にさせるためには、前記一般式
(1)で表されるビニルベンジルオキシアルキルエステ
ル誘導体と親和性が良い有機溶媒が好ましい。例えば、
炭素数6〜12の炭化水素系溶媒や炭素数4〜10のエ
ステル系溶媒があげられる。具体的には、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等の脂肪
族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、プ
ロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン
酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル等の脂肪族エステル系
溶媒等が挙げられる。勿論、前記例示の有機溶媒の脂肪
族炭化水素部分は、直鎖型でも分岐型でもかまわない。
また、これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、また
2種類以上を混合して用いてもよい。有機溶媒とモノマ
ー混合物との混合比は、得られる多孔質樹脂の要求物性
等に応じて任意の範囲で混合できるが、通常は、有機溶
媒/モノマー混合物の容量比で、70/30から25/
75の範囲内で混合するのがよい。
【0030】本発明の懸濁重合における工程そのもの
は、従来の懸濁重合と何ら変わりはなく、公知の方法で
行うことができる。例えば、前記モノマー混合物、重合
開始剤及び有機溶媒を均一に混合したモノマー溶液を、
水系媒体中に撹拌しながら分散または懸濁させ、加温し
て重合するごく一般的な懸濁重合の方法で行うことがで
きる。水系媒体中には適当な分散安定剤を含むことがで
きる。分散安定剤としては、モノマー溶液を液滴として
水系媒体中に安定に分散でき得るものであれば特に限定
はされないが、一般的によく知られたポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ゼラチン
などの水溶性高分子が挙げられる。その使用量は、目的
の粒子径のモノマー液滴が安定に得られる量であれば特
に限定はされない。尚、次の重合工程を考慮して、すな
わち、モノマー液滴が、合一・凝集することなく重合が
進行するための分散安定剤量を調整しておくこともでき
る。
【0031】また、該モノマー溶液と水系媒体の量比も
分散工程及び重合工程が問題無く行なえる範囲であれば
特に限定はされないが、通常、工業的見地から、容量比
でモノマー溶液/水系媒体=1/10〜1/2の範囲で
行なうのがよい。重合工程における重合温度や重合時間
についても特に制限はないが、重合開始剤の分解温度や
半減期、有機溶媒の沸点等を考慮しながら適当な条件を
選択すればよい。また、重合反応容器の形式や撹拌方法
も、モノマー液滴が合一・凝集することなく安定に重合
が進行でき得るものであれば何ら限定されるものではな
い。また、一般の懸濁重合と同様に、重合中のモノマー
液滴の合一・凝集を抑制するために上述の水溶性高分子
やコロイダルシリカ等の無機系分散剤を添加してもよ
く、その種類や使用量も特に限定はされない。目的とす
る多孔質樹脂の2次粒子径が、50μm〜2mm程度を
必要とする場合はこの一般的な懸濁重合法が有効であ
る。
【0032】目的とする多孔質樹脂の2次粒子径が、
0.5〜50μm程度を必要とする場合には、重合前に
マイクロサスペンジョン工程を含む懸濁重合法が有効で
ある。マイクロサスペンジョン工程は、例えば、前記モ
ノマー混合物、重合開始剤及び有機溶媒を均一に混合し
たモノマー溶液を、適当な分散剤安定剤を含む水系媒体
中で、ホモミキサーやホモジナイザーなどを用いて高速
撹拌しながら一旦細かく分散させる方法により行うこと
ができる。
【0033】該マイクロサスペンジョン工程の際の撹拌
速度は、モノマー溶液からなる有機相と、分散安定剤を
含む水相の量比、分散安定剤の種類や濃度などの種々の
条件にもよるが、通常、ホモジナイザーを用いて1〜1
5Lスケールで調整する場合、1000〜30000r
pmの範囲で行なうとホモジナイザーの特性を十分に発
揮することができる。なお、重合前にマイクロサスペン
ジョン工程を含む場合も、重合条件等は従来より知られ
ている懸濁重合法と同様の条件をそのまま適用できる。
【0034】得られる多孔質樹脂の2次粒子径が、0.
3〜100μm程度でしかも粒度分布が非常にシャープ
なことを要求される場合には、重合前に膜乳化工程を含
む懸濁重合法が極めて有効である。すなわち、重合前
に、モノマー溶液を、均一細孔径を有する多孔質ガラス
膜を介して、アニオン性又は非イオン性の界面活性剤を
含む水系媒体中に圧入することにより分散または懸濁さ
せる工程を含む懸濁重合である。重合前の膜乳化工程そ
のものは従来より知られている方法をそのまま適用でき
る。
【0035】膜乳化工程で用いる多孔質ガラス膜として
は、平均細孔径が0.1〜10μm程度の範囲で均一な
細孔を有するガラス膜であればよい。特に、シラス多孔
質ガラスより調製されるガラス膜は、細孔の均一性とい
う点で優れており本発明に於いては好ましいものであ
る。多孔質ガラス膜の平均細孔径が0.1未満のものを
用いた場合は、膜乳化に長時間を要し工業的生産の見地
から好ましいとは言えない。また、平均細孔径が10μ
mを超えるガラス膜を用いた場合は、均一粒径の乳化液
滴を得ることが非常に困難となり、均一粒径の2次粒子
を欲する場合はやはり好ましくない。すなわち、該ガラ
ス膜の平均細孔径が0.1〜10μm程度のものを使用
すれば、膜乳化により得られる乳化液滴は通常ガラス膜
の細孔径の3〜10倍程度の粒子径を有し、しかもその
粒径分布は非常にシャープである。
【0036】膜乳化工程において、モノマー溶液からな
る有機相を前記ガラス膜を介して水相中に圧入する時の
圧力については、目的とする乳化液滴が得られ、変形し
たり破壊したりしない範囲であればよく特に制限はない
が、通常、臨界圧(ここでは、有機相がガラス膜の細孔
を透過し得る最低の圧力を意味する)の1.05〜1.
5倍程度の圧力とすると、非常にシャープな粒度分布を
有する乳化液滴が安定にかつ操作性よく得られる。ま
た、膜乳化時の温度についても、膜乳化が安定に行なえ
重合が開始しない温度であれば有機相、水相とも特に制
限はないが、通常0〜60℃で行なうとよい。
【0037】膜乳化の際の水相に用いる界面活性剤とし
ては、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等
の非イオン性界面活性剤などを挙げることができ、その
使用量は膜乳化工程中、有機相が乳化液滴として安定に
存在し得る量であればよいが、通常、水相中の濃度で
0.05〜2重量%程度とするのが好ましい。
【0038】膜乳化工程の後、重合工程に移るが、重合
中に乳化液滴が合一・凝集するのを防ぐために、通常の
懸濁重合の際よく用いられる水溶性高分子等の分散安定
剤を併用してもかまわない。勿論、重合中、乳化液滴が
合一・凝集することなく安定に反応が進行する場合は水
溶性高分子等の分散安定剤を併用する必要はない。ま
た、分散安定剤を用いる場合、膜乳化工程の時から水相
中に含ませていても、重合工程の時に加えてもかまわな
い。水溶性高分子としては、一般的によく知られたポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸、ゼラチンなどが挙げられ、その使用量は、重合中、
乳化液滴が、要求する粒子径で安定に分散でき得る量で
あれば特に限定はされない。また、本発明で水相として
使用する水の量は何ら制限はなく、膜乳化及び重合の工
程がスムーズに実施できる量であればよく、通常の懸濁
重合と同様でよい。重合前に膜乳化工程工程を含む場合
も、重合条件等は従来より知られている懸濁重合法と同
様の条件をそのまま適用できる。
【0039】上述してきた、一般の懸濁重合、重合前に
ミクロサスペンジョン工程を含む懸濁重合、重合前に膜
乳化工程を含む懸濁重合の何れの場合においても、重合
で得られた樹脂の単離、洗浄や乾燥の方法には何ら制限
はなく、例えば以下のようにして行なうことができる。
重合で得られた樹脂を適当な方法でろ別し、樹脂に付着
した界面活性剤や分散安定剤を除去するために熱水でよ
く洗浄した後、さらに未反応モノマーや多孔化溶媒であ
る有機溶媒を除去するためアセトンやメタノールなどで
十分に洗浄し、続いて減圧下で加熱乾燥して、エステル
基含有多孔質樹脂を得ることができる。
【0040】エステル基含有多孔質樹脂のエステル部位
の加水分解は、ごく一般的な酸触媒存在下またはアルカ
リ触媒存在下の両条件で容易に行うことができる。酸触
媒としては、塩酸、硫酸等を例示でき、アルカリ触媒と
しては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を例示でき
る。加水分解は、溶媒として水だけでも十分に可能であ
るが、エステル基含有多孔質樹脂の分散性が良好なメタ
ノールやエタノール等のアルコール系溶媒やテトラヒド
ロフラン等の水溶性エーテル系溶媒などを併用すると効
率よく進行する。水/アルコール系溶媒や水/エーテル
系溶媒等の混合比や溶媒量は、エステル基含有多孔質樹
脂が良好に分散し加水分解が進行する条件であれば何ら
制限はない。加水分解の反応温度、反応時間についても
特に制限はなく、用いる溶媒の沸点や反応速度等を考慮
しながら適当な条件を選択すればよい。
【0041】加水分解後の樹脂の洗浄、乾燥方法は、反
応で用いた触媒や溶媒が充分に除去でき得る方法であれ
ばよく特に限定はされない。例えば、得られた樹脂をろ
別し、熱水、メタノールでよく洗浄した後、減圧下で加
熱乾燥して、目的の水酸基含有多孔質樹脂を得ることが
できる。
【0042】このようにして得られた水酸基含有多孔質
樹脂は、比表面積、1次及び2次粒子径等の一般的な物
性評価に加え、水酸基価、官能基配向率(%)等の化学
的物性評価を行うことで特徴づけることができる。すな
わち、水酸基価からは、樹脂中の反応可能な水酸基量を
知ることができる。また、官能基配向率(%)とは、
“重合に用いた一般式(1)で表されるビニルベンジル
オキシアルキルエステル誘導体に基づく全エステル基
量”に対する“1次粒子の表面或はその近傍に存在し、
加水分解に関与したエステル基量”の割合を示す。ここ
で言う“1次粒子の表面またはその近傍に存在し、加水
分解に関与したエステル基量”とは、該エステル基含有
多孔質樹脂を加水分解処理して最終的に得られる水酸基
含有多孔質樹脂の水酸基価を求めそれより換算すること
ができる。
【0043】本発明の製造方法により得られる水酸基含
有多孔質樹脂は、通常50m2 /g以上の高い表面積を
有し、75%以上の官能基配向率で、5〜60mgKO
H/gの水酸基価を有している。また、本発明の水酸基
含有多孔質樹脂は、2次粒子の外観が球状で不透明であ
り、その粒子径は、通常の懸濁重合による場合は50μ
m〜2mm、マイクロサスペンジョン工程を含んだ懸濁
重合の場合は0.5〜50μm、膜乳化工程を含んだ懸
濁重合の場合は0.3〜100μm程度である。また1
次粒子の大きさは、何れの方法の場合も、通常10〜1
00nm程度である。
【0044】また、本発明の製造方法により得られる水
酸基含有多孔質樹脂は、樹脂母体がジビニルベンゼン−
スチレン系樹脂であるため機械的強度及び化学的安定に
優れており、勿論、それ自体でカラムの充填剤や種々の
吸着剤、担体として有用な素材であるが、さらに、樹脂
表面またはその近傍の水酸基を利用して様々な官能基や
機能物質で化学的に2次修飾することが可能であり、機
能性多孔質樹脂として非常に有用なものである。さらに
言えば、水酸基はポリマー主鎖からアルキルスぺーサー
を介して存在しているため、水酸基本来の反応性を充分
に発揮できると考えられ、この2次修飾を容易に行うこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、効率よく水
酸基を1次粒子表面またはその近傍に配列・配向させた
水酸基含有多孔質樹脂が得られる。また、効率よく水酸
基を1次粒子表面またはその近傍に配列・配向させるこ
とができることから一般式(1)で表されるビニルベン
ジルオキシアルキルエステル誘導体の量を必要最少量に
抑えることができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。
【0047】実施例1 撹拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた300
mlのセパラブルフラスコにイオン交換水150mlを
仕込み、これにポリビニルアルコール3.0g(ポバー
ル−210:(株)クラレ製)を加え溶解した。続い
て、ジビニルベンゼン(含有量(純度)55%、残り4
5%はエチルビニルベンゼン)16.47g、スチレン
8.24g、ビニルベンジルオキシヘキシルアセテート
(一般式(1)でnが6、Rがメチル基の化合物)2.
75g、n−ヘプタン13.68g及びアゾビスイソブ
チロニトリル0.549g(モノマー総量の2.0重量
%)とからなるモノマー混合溶液を加え、窒素気流下に
て約400〜500rpmの撹拌速度で10分間撹拌
し、これを75〜80℃に昇温し、さらに、この温度を
保ちながら6時間かけて重合を行なった。重合後、室温
まで冷却し、得られた樹脂をろ別した後、これを最初に
熱水、続いてアセトンでよく洗浄し、減圧下(約1mm
/Hg)で加熱(70〜80℃)乾燥し、25.5gの
樹脂を得た。次に、マグネティックスターラー、温度
計、冷却管を備えた500mlの丸底フラスコに、水1
50ml、エタノール150ml、水酸化ナトリウム
6.0g及び上記で得られた樹脂25.5gを仕込み、
85〜90℃で20時間加熱撹拌した。反応後、樹脂を
ろ別し、最初に熱水、続いてアセトンでよく洗浄し、最
後に減圧下(約1mm/Hg)で加熱(70〜80℃)
乾燥し、25.0gの多孔質樹脂を得た。この樹脂の2
次粒子径は、体積平均粒子径dvで210μm、数平均
粒子径dnで185μm、1次粒子径は、平均44n
m、比表面積は、203m2 /g、水酸基価は、17.
1mgKOH/gであった。
【0048】実施例2〜5 実施例1において、各モノマーの仕込み量または有機溶
媒の種類もしくは仕込み量を表1に示したように変えた
以外は、実施例1と全く同様にして重合及び加水分解を
行い水酸基含有多孔質樹脂を得た。
【0049】実施例6 300mlのセパラブルフラスコにイオン交換水160
mlを仕込み、これにポリビニルアルコール0.40g
(ポバール−210:(株)クラレ製)を加え溶解し
た。続いて、ジビニルベンゼン(含有量(純度)55
%、残り45%はエチルビニルベンゼン)13.18
g、スチレン6.59g、ビニルベンジルオキシヘキシ
ルアセテート(一般式(1)でnが6、Rがメチル基の
化合物)2.20g、n−ヘプタン10.94g及びア
ゾビスイソブチロニトリル0.439g(モノマー総量
の2.0重量%)とからなるモノマー混合溶液を加え、
ホモジナイザー(IKA社製)を用いて約10000r
pmの撹拌速度で5分間分散した。次に通常の撹拌機に
取り替え、温度計、窒素導入管及び冷却管をセットし、
この分散液を窒素気流下にて約400〜500rpmで
撹拌しながら、75〜80℃に昇温し、この温度を保ち
ながら6時間かけて重合を行なった。重合後、室温まで
冷却し、得られた樹脂をろ別した後、これを最初に熱
水、続いてメタノール、アセトンでよく洗浄し、減圧下
(約1mm/Hg)で加熱(70〜80℃)乾燥し、2
0.2gの樹脂を得た。次に、マグネティックスターラ
ー、温度計、冷却管を備えた500mlの丸底フラスコ
に、水150ml、エタノール150ml、水酸化ナト
リウム6.0g及び上で得られた樹脂20.2gを仕込
み、85〜90℃で20時間加熱撹拌した。反応後、樹
脂をろ別し、最初に熱水、続いてアセトンでよく洗浄
し、最後に減圧下(約1mm/Hg)で加熱(70〜8
0℃)乾燥し、19.7gの多孔質樹脂を得た。この樹
脂の2次粒子径は、体積平均粒子径dvで6.79μ
m、数平均粒子径dnで6.16μm、1次粒子径は、
平均42nm、比表面積は、221m2 /g、水酸基価
は、16.9mgKOH/gであった。
【0050】実施例7 実施例6において、各モノマーまたは有機溶媒の種類も
しくは仕込量を表1に示したように変えた以外は、実施
例6と全く同様にして重合及び加水分解を行い水酸基含
有多孔質樹脂を得た。
【0051】実施例8 ジビニルベンゼン(含有量(純度)55%、残り45%
はエチルビニルベンゼン)51.39g、スチレン2
5.69g、ビニルベンジルオキシヘキシルアセテート
(一般式(1)でnが6、Rがメチル基の化合物)8.
56g、n−ヘプタン42.68g及びアゾビスイソブ
チロニトリル1.713g(モノマー総量の2.0重量
%)を均一に混合したモノマー溶液からなる有機相1を
調製した。また、イオン交換水630mlにポリビニル
アルコール(ポバール−224:クラレ製)12.6
g、ドデシル硫酸ナトリウム1.26gを加えて溶解し
た水系媒体からなる水相2を調製した。図1に示した膜
乳化装置(伊勢化学工業(株)製)の有機相タンク3及
び水相タンク4に、調製した有機相1及び水相2をそれ
ぞれ投入した。循環ポンプ11を用いて水相ライン6に
水相2を循環させ、続いて有機相1を、窒素ガスを用い
て0.63kgf/cm2 の圧力で、循環する水相ライ
ン6中に設けられた二重環モジュール7内の平均細孔径
0.70μmの多孔質ガラス膜8を介して水相2へ圧入
し膜乳化を行ない、エマルジョンを得た。膜乳化は12
0ml(100g)の有機相1を2時間半かけて圧入し
て行い、そこで終了させた。また、膜乳化は、有機相1
及び水相2の温度を25〜30℃に保ちながら行なっ
た。次に上記で得られたエマルジョン730gを1Lの
セパラブルフラスコに仕込み、撹拌機、温度計、窒素導
入管及び冷却管をセットし、窒素気流下にて約400〜
500rpmで撹拌しながら、75〜80℃に昇温し、
この温度を保ちながら6時間かけて重合を行なった。重
合後、室温まで冷却し、得られた樹脂をろ別した後、こ
れを最初に熱水、続いてメタノール、アセトンでよく洗
浄し、減圧下(約1mm/Hg)で加熱(70〜80
℃)乾燥し、53.3gの樹脂を得た。次に、マグネテ
ィックスターラー、温度計、冷却管を備えた500ml
の丸底フラスコに、水150ml、エタノール150m
l、水酸化ナトリウム6.0g及び上で得られた樹脂2
5gを仕込み、85〜90℃で20時間加熱撹拌した。
反応後、樹脂をろ別し、最初に熱水、続いてアセトンで
よく洗浄し、最後に減圧下(約1mm/Hg)で加熱
(70〜80℃)乾燥し、24.3gの多孔質樹脂を得
た。この樹脂の2次粒子径は、体積平均粒子径dvで
5.08μm、数平均粒子径dnで5.01μm、粒度
分布dv/dnは1.014で単分散性の高いものであ
った。また、1次粒子径は、平均42nm、比表面積
は、215m2 /g、水酸基価は、17.2mgKOH
/gであった。
【0052】実施例9〜11 実施例8において、各モノマーの仕込み量または有機溶
媒の仕込み量を表1に示すように変え、膜乳化条件を表
2に示したように変えた以外は、実施例8と全く同様に
して重合及び加水分解を行い水酸基含有多孔質樹脂を得
た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】各実施例で得られた樹脂の諸物性値を表3
及び表4に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】尚、各実施例で得られた樹脂の諸物性は下
記の方法に従って測定した。
【0059】1次粒子径(nm):走査型電子顕微鏡
(日立製、「S−2000」)写真より、任意の100
個以上の1次粒子の大きさを測定し数平均粒子径を算出
した。
【0060】2次粒子径(μm):走査型電子顕微鏡
(日立製、「S−2000」)写真より、任意の500
個以上の2次粒子の大きさを測定し、体積平均粒子径d
v、数平均粒子径dn、粒度分布の目安としてdv/d
nを算出した。
【0061】比表面積(m2 /g):BET表面積測定
装置(カウンタクロム社製、「NOVA1200」)を
用いて測定した。
【0062】水酸基価(mgKOH/g):中和滴定法
(JIS K 0070)を以下の如くモディファイし
て行なった。平底フラスコに、樹脂を1gを秤り取り、
これにアセチル化試薬(無水酢酸25gを100mlメ
スフラスコに取り、ピリジンを加えて100mlにし、
十分に振り混ぜたもの)2.5ml及びピリジン2.5
mlを加え、オイル浴60℃で2時間加熱した。次に、
これを室温まで冷却し、水1mlを加え、超音波浴80
℃で1時間加熱し無水酢酸を分解した。放冷後エタノー
ル5mlでフラスコ内壁を洗浄し、フェノールフタレイ
ン溶液数滴を指示薬として加え、0.5mol/l水酸
化カリウムエタノール溶液で滴定して水酸基価(mgK
OH/g)を算出した。
【0063】尚、本発明における多孔質樹脂の如きジビ
ニルベンゼン−スチレン系樹脂では、その1次粒子は高
次に架橋しているため、本条件下でアセチル化は、1次
粒子の表面またはその近傍で進行し、粒子の内部に浸透
して反応することは殆どない。従って、上記で測定され
た水酸基価は、樹脂(1次粒子)表面またはその近傍に
存在する水酸基に基づくものと仮定できる。
【0064】官能基配向率(%):以下の式により算出
した。
【0065】
【数1】
【0066】ここで、樹脂(1次粒子)表面・近傍の加
水分解に関与したエステル基量、即ちこれは、加水分解
後の水酸基の量に他ならず、前記水酸基価より次式によ
り算出した。
【0067】
【数2】
【0068】また、用いた一般式(1)で表されるビニ
ルベンジルオキシアルキルエステル誘導体に基づく理論
エステル基量は、次式により算出した。
【0069】
【数3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8〜11において用いた膜乳化装置の概
略図である。
【符号の説明】
1……有機相 2……水相 3……有機相タンク 4……水相タンク 5……有機相ライン 6……水相ライン 7……2重環モジュール 8……多孔質ガラス膜 9……窒素ガスライン 10…圧力ゲージ 11…循環ポンプ 12…窒素ガスボンベ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジビニルベンゼンおよび一般式(1): 【化1】 (式中、nは2〜16の整数を示し、Rは炭素数1〜4
    のアルキル基を示す。)で表わされるビニルベンジルオ
    キシアルキルエステル誘導体を含有するモノマー混合
    物、重合開始剤、ならびに重合反応に関与せず水に難溶
    でかつ該モノマー混合物は溶解するがそれから得られる
    共重合体は溶解しない有機溶媒とを混合して得られたモ
    ノマー溶液を、水系媒体中に分散または懸濁させた状態
    で重合した後、得られた樹脂のエステル部位を加水分解
    することを特徴とする水酸基含有多孔質樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 モノマー混合物が、さらに芳香族モノビ
    ニルモノマーを含有してなることを特徴とする請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が、炭素数6〜12の炭化水素
    系溶媒及び炭素数4〜10のエステル系溶媒のいずれか
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノマー溶液を水系媒体中に分散または
    懸濁させる工程を、モノマー溶液を、ホモジナイザーま
    たはホモミキサーを用いて高速撹拌することにより行な
    うことを特徴とする請求項1、2または3記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 モノマー溶液を水系媒体中に分散または
    懸濁させる工程を、モノマー溶液を、均一細孔径を有す
    る多孔質ガラス膜を介して、アニオン性または非イオン
    性の界面活性剤を含む水系媒体中に圧入することにより
    行なうことを特徴とする請求項1、2または3記載の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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