JPH09324079A - 抗菌性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH09324079A
JPH09324079A JP16381296A JP16381296A JPH09324079A JP H09324079 A JPH09324079 A JP H09324079A JP 16381296 A JP16381296 A JP 16381296A JP 16381296 A JP16381296 A JP 16381296A JP H09324079 A JPH09324079 A JP H09324079A
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antibacterial
polyolefin resin
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antibacterial agent
resin composition
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JP16381296A
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Shinji Takemura
信司 竹村
Takashi Usami
隆士 宇佐美
Manabu Tanase
学 棚瀬
Hideki Kato
秀樹 加藤
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Toagosei Co Ltd
Japan Polyolefins Co Ltd
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Toagosei Co Ltd
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオレフィン樹脂に無機系抗菌剤を含有させ
た組成物及びその成形物において、無機系抗菌剤が有す
る本来の優れた抗菌性を発揮させることができ、且つ加
工時の熱安定性及び耐侯性に優れた抗菌性ポリオレフィ
ン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン樹脂、下式で示されるリン
酸塩系抗菌剤、及びアルキル基を有するカルボン酸又は
その無水物の金属塩からなる核剤を含有する抗菌性ポリ
オレフィン樹脂組成物。 Aga b 2 (PO4 3 ・nH2 O (Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン又は水素イオンから選ばれる少なく
とも1種のイオンであり、Mは4価金属イオンであり、
nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいずれも
a+mb=1を満たす正数である。但し、mはAの価数
である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性を有する特定
のリン酸塩系化合物、核剤及びポリオレフィン樹脂から
なる樹脂組成物に関する。本発明の組成物は、加工時、
保存時及び使用時に経時的に劣化や、変色が極めて少な
く、優れた抗菌効果を発揮する抗菌性ポリオレフィン樹
脂成形体を容易に得ることができ、この成形体は防か
び、防藻及び抗菌性を必要とされる各種プラスチック製
品として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来から無機系抗菌剤として、銀や銅等
の抗菌性金属を活性炭、アパタイト、ゼオライト等に担
持させたものが知られている。これらは有機系抗菌剤と
比較して安全性が高いうえ、揮発及び分解しないため抗
菌効果の持続性が長く、しかも耐熱性にすぐれる特徴を
有している。そのため、これらの抗菌剤と各種高分子化
合物とを混合することにより抗菌性樹脂組成物とし、こ
れを用いて繊維状、フィルム状又はペレット状等に加工
し、各種用途に用いられている。
【0003】無機系抗菌剤の中で活性炭を担体とした抗
菌剤は、抗菌剤自体が黒色であるため、各種高分子と混
合して得られる抗菌性樹脂組成物は着色してしまうとい
う外観上の問題があり、また液体と接触させると抗菌性
成分が容易に溶出してしまい、抗菌効果を長時間持続さ
せることができないという問題がある。また、アパタイ
ト及びゼオライトを担体とした抗菌剤は、活性炭を担体
とした抗菌剤に比較して、中性液体と接触させた場合に
おける抗菌性成分の溶出が比較的少なく、抗菌効果を長
時間持続させ得る点においては優れているが、これらの
抗菌剤はいずれも、耐酸性が低く、PH4程度の希酸性
水溶液中で容易に骨格構造が破壊され、抗菌性金属を溶
出してしまうことから、抗菌効果を長時間持続させるこ
とが困難であり、また、各種高分子と混合すると、加工
時或いは、その後の保存時、使用時に変色を引き起こす
という問題がある。
【0004】更に、ゼオライトを担体とした抗菌剤にお
いては、変色を防止する目的で、抗菌性成分である銀と
共に変色防止成分であるアンモニア又はアミンをイオン
交換により担持させた抗菌剤が開発されているが(特開
昭64−24860)、完全には変色が防止されておら
ず、またこの抗菌剤と樹脂からなる樹脂組成物を加熱加
工しようとすると、含有水分等が放出されるために樹脂
が発泡し、樹脂組成物の加工性が低下するという問題が
あり、根本的な問題の解決には至っていない。
【0005】これらの問題を解決する無機系抗菌剤とし
て、特定のリン酸塩系化合物が提案されており(特開平
3−83905号公報)、この抗菌剤は各種高分子と混
合するだけで、抗菌効果を長時間持続させることが容易
にでき、しかも、調製時、保存時又は使用時においても
樹脂組成物の変色、劣化を起こさないという特長を有し
ている。しかし、ポリオレフィン樹脂においては、上記
リン酸塩系化合物からなる抗菌剤を単に混合して成形し
た場合、その樹脂成形物は本来抗菌剤が有する優れた抗
菌性を発揮させることができないという問題点を有して
おり、その改善が望まれている。
【0006】一方、湯垢付着防止性を付与したポリオレ
フィン樹脂組成物が知られており、この組成物は、ポリ
オレフィン樹脂、抗菌剤、帯電防止剤及び表面改質剤を
含有するものである(特開平5−255547号公
報)。但し、この樹脂組成物における具体的な抗菌剤
は、銀等の殺菌作用を有する金属を含有するゼオライト
のみである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン樹脂に特定のリン酸塩系化合物からなる抗菌剤を含
有させた組成物は勿論のこと、これを成形した成形物に
おいても、抗菌剤が有する本来の優れた抗菌性を発揮さ
せることができ、且つ加工時の熱安定性及び耐侯性に優
れた抗菌性ポリオレフィン樹脂組成物を提供することを
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン
樹脂に特定のリン酸塩系抗菌剤に加えて特定の核剤を含
有させることが極めて有効であることを見出し、本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、ポリオレフィン
樹脂、下式〔1〕で示されるリン酸塩系抗菌剤、及びア
ルキル基を有するカルボン酸又はその無水物の金属塩か
らなる核剤を含有することを特徴とする抗菌性ポリオレ
フィン樹脂組成物である。 Aga b 2 (PO4 3 ・nH2 O 〔1〕 (Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン又は水素イオンから選ばれる少なく
とも1種のイオンであり、Mは4価金属イオンであり、
nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいずれも
a+mb=1を満たす正数である。但し、mはAの価数
である。)
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。 ○ポリオレフィン樹脂 本発明におけるポリオレフィン樹脂は、特に種類の制限
はなく、各種オレフィンの単独重合体或いは共重合体で
ある。好ましい具体例として以下がある。即ち、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα
−オレフィンの結晶性単独重合体;これら2種以上のα
−オレフィンの共重合体であり、結晶性、低結晶性、も
しくは非晶性のランダム共重合体またはブロック共重合
体;エチレン−プロピレン−非共役ジエン3元系非晶性
共重合体;上述のα−オレフィンと酢酸ビニルもしくは
アクリル酸エステルとの共重合体、該共重合体のケン化
物;これらα−オレフィンと不飽和カルボン酸もしくは
その無水物との共重合体;α−オレフィンの単独重合体
又は共重合体からなるポリオレフィン樹脂を不飽和カル
ボン酸もしくはその誘導体で変性した変性ポリオレフィ
ン樹脂。上記ポリオレフィン樹脂の単独使用は勿論のこ
と、2種以上のポリオレフィンを混合して用いることも
できる。また上述のポリオレフィンと各種ゴム又は熱可
塑性樹脂を混合して用いることもできる。好ましいゴム
として、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ
クロロプレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−プロピレン−ブチレン−スチレン共重合体等があり、
好ましい熱可塑性樹脂として、例えばポリスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル、フッ素樹脂等がある。
【0010】○無機系抗菌剤 本発明における無機系抗菌剤は、下式〔1〕で示される
化合物(以下抗菌剤〔1〕と略称する)である。 Aga b 2 (PO4 3 ・nH2 O 〔1〕 (Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン又は水素イオンから選ばれる少なく
とも1種のイオンであり、Mは4価金属イオンであり、
nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいずれも
a+mb=1を満たす正数である。但し、mはAの価数
である。)
【0011】上記抗菌剤〔1〕は、空間群R3cに属する
結晶性化合物であり、各構成イオンが3次元網目状構造
を形成している。上式〔1〕におけるAは、アルカリ金
属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオ
ン又は水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオン
であり、好ましい具体例には、リチウム、ナトリウム及
びカリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム又は
カルシウム等のアルカリ土類金属イオン又は水素イオン
があり、これらの中では、化合物の安定性及び安価に入
手できる点から、リチウム、ナトリウム、アンモニウム
イオン及び水素イオンが好ましいイオンである。
【0012】上式〔1〕におけるMは、4価金属イオン
であり、好ましい具体例には、ジルコニウムイオン、チ
タンイオン又は錫イオンがあり、化合物の安全性を考慮
すると、ジルコニウムイオン及びチタンイオンはより好
ましく、特に好ましい4価金属イオンはジルコニウムイ
オンである。
【0013】抗菌剤〔1〕の好ましい具体例として、以
下のものがある。 Ag0.005 Li0.995 Zr2 (PO4 3 Ag0.01(NH4 0.99Zr2 (PO4 3 Ag0.05Na0.95Zr2 (PO4 3 Ag0.2 0.8 Ti2 (PO4 3 Ag0.1 0.9 Zr2 (PO4 3 Ag0.5 Na0.250.25Zr2 (PO4 3 Ag0.9 Na0.1 Zr2 (PO4 3 Ag0.7 Na0.3 Sn2 (PO4 3
【0014】本発明に用いる抗菌剤〔1〕を合成する方
法には、焼成法、湿式法及び水熱法等があり、これらの
公知の方法により容易に得ることができる。
【0015】本発明の組成物及びこれを成形して得られ
る抗菌性樹脂成形体において、防かび、抗菌性及び防藻
性を発揮させるには、上式〔1〕におけるaの値は大き
い方がよいが、aの値が0. 001以上であれば、充分
に防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させることができ
る。しかし、aの値が0. 01未満であると、防かび、
抗菌性及び防藻性を長時間発揮させることが困難となる
恐れがあるので、aの値を0. 01以上の値とすること
が好ましい。又、経済性を考慮すると、aの値は0. 7
以下が適当である。
【0016】本発明で用いる抗菌剤〔1〕の化学的及び
物理的安定性を向上させ、熱及び光の暴露後の変色を高
度に防止した抗菌剤を得るためには、本発明における抗
菌剤を好ましくは500〜1300℃、より好ましくは
600〜1000℃、特に好ましくは700〜900℃
で焼成することが望ましい。
【0017】また、抗菌性及び耐候性が極めて優れた抗
菌剤〔1〕を得るには、本発明におけるリン酸塩系抗菌
剤において水素イオンを担持させることが好ましい。リ
ン酸塩系抗菌剤がアンモニウムイオンを有する場合、好
ましくは600℃〜1100℃、約0.5〜2時間の条
件で焼成工程を実施することにより、アンモニウムイオ
ンが熱分解して後に残った水素イオンを担持させること
ができる。このときのである。
【0018】本発明における抗菌剤がアンモニウムを有
しない又は極めて少量しか有しない場合、この抗菌剤又
はこれに銀イオンを担持させていない化合物(以下、リ
ン酸塩系化合物と略す)を酸性溶液に浸漬させる方法に
より、抗菌剤に銀イオンを担持させルことができる。リ
ン酸塩系化合物に水素イオンを担持させるために浸漬す
る酸性溶液の好ましい具体例として、塩酸、硫酸及び硝
酸等の水溶液がある、好ましい酸性溶液の酸濃度は0.
1N以上であり、好ましい処理温度40℃以上、より好
ましくは60℃以上且つ100℃以下の温度であり、好
ましい浸漬時間は10分以上、より好ましくは60分以
上である。
【0019】本発明における無機系抗菌剤と共に特定の
金属酸化物を併用することにより、本発明の樹脂組成物
の抗菌性を更に高めることができる。 ○金属酸化物 本発明において用いることができる好ましい金属酸化物
は、酸化亜鉛及び二酸化チタンから選ばれる少なくとも
一種の化合物である。酸化亜鉛は、ZnOの化学式で表
され、亜鉛華とも呼ばれるものであり、天然物でも合成
物でもよい。二酸化チタンは、天然物又は合成物の何れ
でもよく、又非晶質又は結晶質の何れであってもよい。
二酸化チタンは、結晶系により、アナタース、ルチル及
びブルッカイトに分類されるが、本発明において、何れ
の結晶系のものを使用してもよく、工業的に容易に入手
できることから、アナタース及びルチルは好ましいもの
である。金属酸化物の粒子径、粒子の形状において特に
制限はないが、樹脂への分散性を考慮すると、平均粒子
径は10μm以下が好ましく、粒子の形状は針状より球
状の方が好ましい。一般に白色顔料として使用されてい
るものは使用可能である。本発明における無機系抗菌剤
と上記金属酸化物を併用する場合、金属酸化物の好まし
い配合割合は、各成分の合計100重量部(以下単に部
という)を基準として、金属酸化物が5〜90部であ
る。金属酸化物の配合割合が5部より少ないと、金属酸
化物と抗菌剤〔1〕の併用による抗菌力の向上及び樹脂
の変色防止効果を発揮させることが困難となる恐れがあ
り、金属酸化物が90部より多いと、抗菌剤〔1〕によ
る抗菌効果を発揮させることが困難となる恐れがある。
また、十分な抗菌効果を発揮させるためには、本発明に
おける無機抗菌剤と金属酸化物の合計量に対する銀イオ
ン濃度を0.5重量%以上とすることが好ましく、2重
量%以上とすることがより好ましい。
【0020】抗菌剤〔1〕又はこれと金属酸化物の混合
物の好ましい配合割合は、ポリオレフィン樹脂100部
当たり0.01〜10部である。0.01部より少ない
とポリオレフィン樹脂組成物の抗菌性を充分得ることが
できない恐れがあり、一方10部より多く配合しても抗
菌力の向上は殆どなく、寧ろポリオレフィン樹脂の物性
を低下させる恐れがある。
【0021】○核剤 本発明における変色防止剤として用いる核剤は、アルキ
ル基を有するカルボン酸又はその無水物の金属塩であ
る。金属としては周期表I〜III族の金属が好まし
く、とりわけアルミニウムが好ましい。また、カルボン
酸は脂肪族系、脂環族系及び芳香族系のいずれでも良
く、中でも芳香族系カルボン酸が好ましい。好ましいア
ルキル基は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数3〜
10の分枝状のものであり、特に好ましいアルキル基は
ターシャリーブチル基である。更にまた、本発明におけ
る核剤は、変色防止効果を高める上で、ヒドロキシル基
を有するものが好ましい。本発明における核剤として好
ましい化合物は、アルキル基を有する芳香族カルボン酸
金属塩及びアルキル基を有するカルボン酸のヒドロキシ
金属塩であり、特に好ましい化合物として、アルキル基
を有する芳香族カルボン酸のヒドロキシ金属塩であるア
ルミニウムビス(ターシャリーブチルベンゾエート)ヒ
ドロキシ塩等がある。また、変色防止剤として無機イオ
ン交換体を併用することができ、更に滑剤、分散剤、顔
料、表面改質剤と本発明における核剤を組み合わせて用
いる事もできる。無機イオン交換体には特に制限はな
く、陽、陰、両性いずれのイオン交換体も使用可能であ
るが、好ましくは陽イオン型又は陰イオン型の無機イオ
ン交換体が良い。具体例としては、リン酸ジルコニウム
[H2Zr(PO4)2]、リン酸ジルコニウム[HZr2(PO4)3]、三酸
化アンチモン、五酸化アンチモン、含水酸化チタン、含
水酸化ジルコニウム、オキシ硝酸水酸化ビスマス、ハイ
ドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト類化合物、ケ
イ酸アルミニウム等があり、特に好ましい具体例として
は、ハイドロタルサイト類化合物、ケイ酸アルミニウム
がある。
【0022】本発明における核剤の好ましい配合割合
は、ポリオレフィン樹脂組成物の全重量100部(以
下、単に部と略す)当たり0. 005〜10部、より好
ましくは0. 01〜5部である。0. 005部より少な
いとポリオレフィン樹脂組成物の変色防止を充分に行え
ない恐れがあり、一方10部より多く配合しても変色防
止性の向上が殆どなく、むしろポリオレフィン樹脂の物
性を低下させる恐れがある。
【0023】既に、樹脂に抗菌剤を含有させて抗菌性樹
脂組成物を得ること及びその樹脂組成物を成形して抗菌
性樹脂成形体を得ることは知られているが、抗菌性樹脂
組成物及びこれを成形して得られる樹脂成形体の抗菌
性、成形時変色性及び耐候性は、樹脂及び抗菌剤の種類
によって、非常に変化することが当業者にとって常識と
なっている。本発明は、特定のリン酸ジルコニウム塩に
銀を担持させた抗菌剤〔1〕と共に、特定の核剤をポリ
オレフィン樹脂に配合した樹脂組成物を成形すると、樹
脂組成物及びこれを成形して得られる樹脂成形体は、優
れた抗菌性、防かび性を発現し、長期に渡って持続する
とともに加工時、保存時、使用時の変色が極めて少ない
ことを見いだしたものであり、この事実は極めて驚くべ
きことである。
【0024】○成形 本発明の組成物を用いて容易に抗菌性ポリオレフィン樹
脂成形体を得ることができ、用いるポリオレフィン樹脂
の特性に合わせて適当な温度又は圧力で加熱及び加圧又
は減圧しながら混合、混入又は混練り等の方法によって
混合することができる。このようにして均一に混合した
後、あらゆる公知の加工技術と機械を用いて種々の形態
に成形することができる。具体的な成形方法の例として
は、押し出し成形、射出成形、カレンダー加工、真空成
形及び発泡成形がある。
【0025】また、抗菌剤又はこれと金属酸化物及び核
剤をポリオレフィン樹脂に高濃度で含有させた本発明の
組成物から粒状物(マスターバッチ)を予め調製した
後、ポリオレフィン樹脂に配合して成形することも可能
である。なお、抗菌剤、核剤の2成分、又はこれらと金
属酸化物の3成分及びポリオレフィン樹脂からなるマス
ターバッチを作製する際、これらの成分を混合する順序
に制限はなく、又抗菌剤とポリオレフィン樹脂からなる
マスターバッチ及び核剤とポリオレフィン樹脂からなる
マスターバッチ等、成分の異なる複数種のマスターバッ
チを作製して、それらを混合して成形しても良い。
【0026】マスターバッチにおける抗菌剤又はこれと
金属酸化物の好ましい配合割合は、ポリオレフィン樹脂
100部当たり70部迄であり、より好ましくは、50
部迄である。70部より多くしても、樹脂成形体の抗菌
性をそれ以上殆ど向上させず、抗菌剤又はこれと金属酸
化物、核剤及びポリオレフィン樹脂からなる混合物を成
形してマスターバッチを得ることが困難になる恐れがあ
る。又、マスターバッチにおける核剤の好ましい配合割
合は、マスターバッチ100部当たり50部迄、より好
ましくは30部迄であり、無機イオン交換体の好ましい
配合割合は、マスターバッチ100部当たり50部迄、
より好ましくは30部迄である。
【0027】マスターバッチの形状及び大きさには特に
制限はなく、具体的な形状として、球状、角柱状、円柱
状及び円盤状等がある。後の成形工程を容易にするため
に、マスターバッチとポリオレフィン樹脂とは、形状及
び大きさが類似したものであることが好ましい。一般的
には、直径及び長さが1〜5mmである円柱状ペレット
が好ましい。
【0028】抗菌剤及びポリオレフィン樹脂からなるマ
スターバッチを得るための加工方法として公知の方法は
いずれも採用でき、例えば、抗菌剤又はこれと金属酸化
物、核剤、無機イオン交換体及びポリオレフィン樹脂パ
ウダーをヘンシェルミキサーで混合した後、押し出し成
形機にてペレット状に成形する方法、抗菌剤又はこれと
金属酸化物、核剤及び無機イオン交換体をポリオレフィ
ン樹脂ペレットに直接混合し、押し出し成形機にてペレ
ット状に成形する方法等がある。
【0029】上記のようにして得られる抗菌性ポリオレ
フィン樹脂成形体は、抗菌剤が化学的及び物理的に優れ
た安定性を有しているため、酸性溶液中でも抗菌性金属
を殆ど溶出せず、吸湿性も有していないため極めて加工
性に優れる。その上、無機系抗菌剤と樹脂との混合時、
及びその後の抗菌性樹脂組成物の保存時又は使用時に劣
化することがなく、厳しい環境下においても長期間防か
び、抗菌性及び防藻性を有する。
【0030】○用途 本発明の組成物を用いて成形した抗菌性ポリオレフィン
樹脂成形体は、防かび、防藻及び抗菌性を必要とし、且
つポリオレフィン系樹脂成形体が利用される種々の分野
で有用である。具体的な用途としては、例えば、弱電関
係では冷蔵庫、洗濯機、掃除機、扇風機、乾燥機、空調
機、電気ポット、炊飯器、食器洗浄機、食器乾燥機、電
子レンジ、ミキサー、VTR、テレビ、時計、カメラ、
ステレオ、テープレコーダー、OA機器、電話機、FA
X機器等、車両関係の内外装、雑貨関係では住宅部品、
浴用部材、トイレ等のサニタリー用品、医療器具、各種
容器、スポーツ用品、日用品、建材、光学機器、食器等
があり、また、文具関係では万年筆、シャープペンシ
ル、ボールペン、消しゴム、クリップ、ホッチキス、ハ
サミ、紙等があり、台所用品には三角コーナー、まな
板、ボール及びざる等がある。
【0031】○作用 本発明の組成物を用いて成形した樹脂成形体が優れた抗
菌性及び変色防止性を発揮することができる理由は明ら
かではないが、本発明者らは以下のように推定してい
る。即ち、ポリオレフィン樹脂製造時に添加される、変
色を惹起する成分を、本発明における変色防止剤として
用いる核剤であるアルミニウムビス(ターシャリーブチ
ルベンゾエート)ヒドロキシ塩が捕捉し、且つ300℃
程度の成形温度でも放出しないことによるもの考えてい
る。
【0032】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。
【実施例】
<参考例1>(抗菌剤の調製) 硫酸ジルコニウムの水溶液及びリン酸二水素アンモニウ
ムの水溶液をジルコニウムとリンの比が2:3になるよ
うに混合することにより沈澱物を生じさせ、水酸化ナト
リウムの水溶液を用いてpHを2に調整したのち、水熱
状態下で150℃、24時間加熱することにより結晶性
リン酸ジルコニウムを得た。上記で得たリン酸塩系化合
物を硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間撹拌した
後、充分水洗し、乾燥、粉砕することにより、下記の組
成式で表され、Agの含有量が11重量%の抗菌剤
〔イ〕を得た。得られた抗菌剤は平均粒径が0. 47ミ
クロンである白色粉末である。 Ag0.5 Na0.1 0.3 Zr2 (PO4 3 …〔イ〕 この抗菌剤〔イ〕30重量%と酸化亜鉛70重量%を小
型粉砕機に入れて混合し、抗菌剤〔ロ〕を得た。
【0033】<参考例2>(抗菌剤の調製) 参考例1における酸化亜鉛に代えて、二酸化チタン70
重量%を用いた以外は参考例1と同様にして、抗菌剤
〔ハ〕を得た。
【0034】実施例1(抗菌性ポリオレフィン樹脂成形
体の調製) ポリプロピレン樹脂(日本ポリオレフィン株式会社製M
K412A/メルトインデックスMI=10、以下PP
樹脂〔A〕と略称する)98.5部当たり抗菌剤〔ロ〕
を1.0部、変色防止剤として核剤アルミニウムビス
(ターシャリーブチルベンゾエート)ヒドロキシ塩(シ
ェルジャパン株式会社製AL−PTBBA、以下核剤
〔ニ〕と略称する。)を0.5部配合し、これらを均一
に混合し、名機製作所製M−50A−DMを用いて22
0℃で射出成形し、10cm×10cm×2mmの抗菌
性プレートを作製した。なお、以下の実施例及び比較例
で作製したプレートの大きさは何れも10cm×10c
m×2mmである。
【0035】実施例2(抗菌性ポリオレフィン樹脂成形
体の調製) PP樹脂〔A〕に核剤〔ニ〕を1000ppm予め含有
させたポリプロピレン樹脂(日本ポリオレフィン株式会
社製MK413A/メルトインデックスMI=10、以
下PP樹脂〔B〕と略称する)99部当たり抗菌剤
〔ロ〕を1.0部配合した以外は実施例1と同様にして
抗菌性プレートを作製した。
【0036】実施例3(抗菌性ポリオレフィン樹脂成形
体の調製) PP樹脂〔A〕98.5部当たり抗菌剤〔ハ〕を1.0
部、変色防止剤として核剤〔ニ〕を0.5部配合した以
外は実施例1と同様にして抗菌性プレートを作製した。
【0037】実施例4(抗菌性ポリオレフィン樹脂成形
体の調製) PP樹脂〔B〕99.0部当たり抗菌剤〔ハ〕を1.0
部配合した以外は実施例1と同様の操作により抗菌性プ
レートを作製した。
【0038】比較例1 PP樹脂〔A〕のみを用いて実施例1と同様にしてプレ
ートを作製した。
【0039】比較例2 PP樹脂〔B〕のみを用いて実施例1と同様にしてプレ
ートを作製した。
【0040】比較例3 PP樹脂〔A〕99.0部当たり抗菌剤〔ロ〕を1.0
部配合した以外は実施例1と同様にしてプレートを作製
した。
【0041】比較例4 PP樹脂〔A〕99.0部当たり抗菌剤〔ハ〕を1.0
部配合した以外は実施例1と同様の操作によりプレート
を作製した。
【0042】表1に実施例及び比較例の配合割合を示
す。
【0043】
【表1】
【0044】注)PP樹脂〔B〕は核剤〔ニ〕を1000pp
m 含有する。
【0045】試験例1(抗菌性試験) 実施例1〜4及び比較例1〜4で作製した各プレートの
抗菌力を以下の方法により評価した。被検菌には大腸菌
を用い、抗菌性プレートを3cm×3cmに切り、プレ
−ト1枚当りの菌数が105 〜106 個となるように菌
液を表面に一様に接種し、27℃で保存した。保存開始
から3時間保存した後に、菌数測定用培地(SCDLP
液体培地)で供試品片上の生残菌を洗い出し、この洗液
を試験液とした。この試験液について、菌数測定用培地
を用いる混釈平板培養法(37℃、2日間)により生菌
数を測定してプレートの3cm×3cm当たりの生菌数
に換算した。また、供試品片を用いずに同様の操作を行
い、対照とした。上記のようにして得られた抗菌性試験
の結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】試験例2(熱安定性試験) 上記表1の実施例1〜4及び比較例1〜4に示した配合
割合でプレートを射出成形する際に成形機のシリンダー
中に樹脂を5分間滞溜させてから射出成形する方法(滞
溜成形)と、滞溜させずに射出成形する方法(ストレー
ト成形)により成形を行った。得られた各プレートの色
彩(L,a,b)を色差計(日本電色工業株式会社製色
彩色差計SZ−Σ80)を用いて測定し、滞溜成形の色
彩とストレート成形の色彩を比較することにより色差Δ
Eを求め、その結果を表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】試験例3(耐候性試験) 実施例1〜4及び比較例1〜4で作製した各プレートに
ついて、耐候性試験機(東洋精機製作所株式会社製UC
−1)を用いて耐候性を評価した。耐候性試験機の試験
条件は1サイクルが8時間であり、60℃で350nm
以下の紫外線を照射する4時間の工程と40℃で湿度9
5%以上の雰囲気に放置する4時間の工程からなる。連
続3サイクル作動後、色差計(日本電色工業株式会社製
色彩色差計SZ−Σ80)を用いて、耐候性試験の3サ
イクル後の色彩(L,a,b)を測定し、この色彩と成
形直後の色彩とを比較することにより色差△Eを求め、
その結果を表4に示した。
【0050】
【表4】
【0051】上記表3の結果から、核剤〔ニ〕を配合し
ないで射出成形した場合(比較例3,4)と比較して、
核剤〔ニ〕を含有させて射出成形した場合(実施例1〜
4)、成形時の着色が格段に少ないことがわかる。ま
た、上記表4の結果から、核剤〔ニ〕を配合しないで射
出成形した場合(比較例3,4)と比較して、核剤
〔ニ〕を含有させて射出成形した場合(実施例1〜
4)、樹脂成形体の耐候性も格段に優れていることがわ
かる。
【0052】
【発明の効果】本発明の組成物は勿論のこと、これを成
形した成形物においても、抗菌剤が有する本来の優れた
抗菌性を発揮させることができ、且つ変色防止性及び耐
侯性に優れている。本発明の組成物を成形して得られる
成形体は、防かび、防藻又は抗菌性を必要とし、且つポ
リオレフィン系樹脂成形体が利用される種々の分野で有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚瀬 学 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 加藤 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂、下式〔1〕で示され
    るリン酸塩系抗菌剤、及び変色防止剤としてアルキル基
    を有するカルボン酸又はその無水物の金属塩からなる核
    剤を含有することを特徴とする抗菌性ポリオレフィン樹
    脂組成物。 Aga b 2 (PO4 3 ・nH2 O 〔1〕 (Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
    アンモニウムイオン又は水素イオンから選ばれる少なく
    とも1種のイオンであり、Mは4価金属イオンであり、
    nは0≦n≦6を満たす数であり、a及びbはいずれも
    a+mb=1を満たす正数である。但し、mはAの価数
    である。)
  2. 【請求項2】酸化亜鉛及び二酸化チタンから選ばれる少
    なくとも1種の金属酸化物を含有することを特徴とする
    請求項1記載の抗菌性ポリオレフィン樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349735A (ja) * 1998-06-02 1999-12-21 Riken Vinyl Industry Co Ltd 熱可塑性エラストマー字消し組成物
CN114920964A (zh) * 2022-04-24 2022-08-19 宜宾天亿新材料科技有限公司 抗菌台布及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349735A (ja) * 1998-06-02 1999-12-21 Riken Vinyl Industry Co Ltd 熱可塑性エラストマー字消し組成物
CN114920964A (zh) * 2022-04-24 2022-08-19 宜宾天亿新材料科技有限公司 抗菌台布及其制备方法
CN114920964B (zh) * 2022-04-24 2023-04-11 宜宾天亿新材料科技有限公司 抗菌台布及其制备方法

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