JPH09326672A - 多段くし形フィルタ - Google Patents

多段くし形フィルタ

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JPH09326672A
JPH09326672A JP8347063A JP34706396A JPH09326672A JP H09326672 A JPH09326672 A JP H09326672A JP 8347063 A JP8347063 A JP 8347063A JP 34706396 A JP34706396 A JP 34706396A JP H09326672 A JPH09326672 A JP H09326672A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろ波しようとする信号のエイリアスまたはイ
メージ・バンドの実質的減衰を実現すること。 【解決手段】 デジタル・フィルタはくし形フィルタ技
術を用い、くし形フィルタ100は用途によってデシメ
ーションまたは補間を実行できる。くし形フィルタは多
段素子で、1つ以上の段を有し、ワード長WL 全体が最
適に減少される。累積段の組内部での項の総数も最適に
減少される。したがってくし形デシメーションまたは補
間フィルタ・アーキテクチャは、ハードウェアで使用し
た場合に最小限の大きさとなり、ソフトウェアで使用し
た場合に最小限の演算を用いる。くし形デシメーション
または補間フィルタ内のフィルタ素子はz変換CK
(z)項99を含む。フィルタ素子は注目する段がデシ
メート・バイ・ツーまたはインタポレート・バイ・ツー
・レート変換スイッチを含む場合に単純なz変換(1+
-1)項に減少できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル・フィルタ
に関し、さらに詳しくは組み合せ多段くし形フィルタと
して実施されるマルチ・レート・デジタル・フィルタに
関する。多段くし形フィルタは、入力信号のエイリアス
またはイメージ周波数帯域の実質的な減衰を行なうため
に必要な最小限の演算項数およびワード長を有するよう
に設計される。
【0002】なお、本明細書の記述は本件出願の優先権
の基礎たる米国特許出願第08/580,272号(1
995年12月27日出願)の明細書の記載に基づくも
のであって、当該米国特許出願の番号を参照することに
よって当該米国特許出願の明細書の記載内容が本明細書
の一部分を構成するものとする。
【0003】
【従来の技術】マルチ・レート・デジタル・フィルタは
一般に周知である。例えば、マルチ・レート・デジタル
・フィルタは、オーバー・サンプリング形のアナログ−
デジタル変換器で量子化雑音を除去したり、サンプリン
グ・レート減少中にスプリアス信号のエイリアシングを
減少させるために広汎に使用されている。マルチ・レー
ト・デジタル・フィルタは、オーバー・サンプリング形
のデジタル−アナログ変換器で入力信号の補間を実行す
るためにも使用される。つまりマルチ・レート・デジタ
ル・フィルタは、サンプル・レート低減用にはアンチ・
エイリアス・フィルタ(anti-alias filter )として、
また、サンプル・レート倍増用にはアンチ・イメージン
グ・フィルタ(anti-imaging filter )として使用する
ことができる。
【0004】マルチ・レート・フィルタはフィルタ素子
(filtering component )以外にも、フィルタ内部でサ
ンプリング・レートを変換するためのメカニズムも使用
する。このレート変換メカニズムはレート変換スイッチ
と呼ばれることが多く、フィルタ素子の前または後のど
ちらかで使用される。マルチ・レート・フィルタは、フ
ィルタとレート変換メカニズムの双方を有しており、
(i)信号のエイリアシングまたはイメージング・バン
ド内での雑音の抑圧または減衰、(ii)マルチ・レート
・フィルタの入出力端子間でのデータ・レートの減少
(または増大)、を行なう。サンプリング・レートを減
少する場合、フィルタは「デシメーション(decimatio
n)」フィルタと呼ばれる。サンプリング・レートを増
大する場合、フィルタは「補間(interpolation )」フ
ィルタと呼ばれる。
【0005】デシメーション・フィルタの動作は、入力
信号のサンプリング・レートを大きな値KFs から小さ
な値Fs へ減少することからなり、ここでKは1.0よ
り大きな値のサンプリング・レート変換比である。逆
に、補間フィルタは信号のサンプリング・レートを小さ
い値Fs から大きい値KFs へ増大させる。つまり、K
の大きさは一般にデシメーションまたは補間の比を表現
するものである。有限インパルス応答(FIR)または
無限インパルス応答(IIR)技術を用いるデシメーシ
ョンおよび補間フィルタについては、フランカらの「電
気通信および信号処理用アナログ−デジタルVLSI回
路の設計」(Franca et al., Design of Analog-Digita
l VLSI Circuits for Telecommunications and Signal
Processing, (2nd Ed., Prentice Hall), pp.251 - 2
89)を参照すると(本明細書で参照に含めてある)さら
に説明される。
【0006】くし形フィルタに対向する従来のFIRお
よびIIRフィルタのデメリットは、FIRまたはII
R構造に付随する複数のタップのそれぞれに係数乗算器
を必要とすることである。したがって、IIRまたはF
IR構造内の各タップは複雑な乗算器機能を必要とし、
各乗算器はそれ自身に固有の重み付け係数(weighting
factor)を有する。特定のタップに別個の乗算比を実現
するには、複雑な乗算の組み合せを必要とする。そのた
め、乗算器の演算を用いる代わりに、加算器と遅延素子
だけで乗算が実行されるようなより簡単なアルゴリズム
を使用するフィルタ技術が望ましい。後者の複雑さの少
ないアプローチは、くし形のデシメーションまたは補間
フィルタで一般的に使用されている。簡単な加算および
遅延演算を使用する従来のくし形フィルタの説明は、ホ
ゲンナウアーの「デシメーションおよび補間用の経済的
デジタル・フィルタ・クラス」(Hogenauer, "An Econo
mical Class of Digital Filters for Decimation and
Interpolation", IEEE Trans. on Acoustics, Speech a
nd Signal Processing, Vol. ASSP-29, No. 2, April,
1981)(本明細書で参照に含めてある)、および、チュ
ウらの「くし形フィルタを用いたマルチ・レート・フィ
ルタの設計」(Chu, et al., "Multirate Filter Desig
ns Using Comb Filters", IEEE Trans. on Circuits an
d Systems, vol. CAS-31, pp. 913-924, November 198
4)(本明細書で参照に含めてある)を参照すると提供
される。
【0007】くし形フィルタは、一般に、「演算項」と
呼ばれる基本ブロックから構成することができる。演算
項は、ハードウェア要素またはソフトウェア命令(soft
wareinstruction)として実現される演算を表す。ハー
ドウェアで実現するのに適当な演算は、互いにフィード
・フォワードまたはフィード・バック構成で接続された
一つの加算要素と遅延要素からなる。負の加算によるフ
ィード・フォワードで加算端子に接続した場合、演算項
は微分器を表わす。正の加算によるフィード・バックで
加算端子に接続された場合、演算項は積分器を表わす。
積分器と微分器は、サンプリング・レート変換スイッチ
によってそれぞれ分離される。
【0008】図1は複素z平面でプロットされたくし形
フィルタ関数の零点を図示している。図1は幾つかの零
点を示しており、その第1のものは点10a、第2のも
のが10b、等となっている。典型的には、くし形フィ
ルタの長さをサンプリング・レート変換比Kと等しくな
るように設定する。この場合、各零点はエイリアス・バ
ンドまたはイメージ・バンドの各々の中央に位置する。
図1に示した例では、Kは8に等しく、また7個(すな
わちK−1)の零点があり、その周囲にエイリアス・バ
ンドまたはイメージ・バンドが形成されている。本明細
書中の以下で定義するようなくし形フィルタの次数N
は、各零点における零の数を意味する。
【0009】図2を参照すると、典型的なくし形フィル
タの周波数応答の一部が図示してある。さらに詳しく
は、図2では図1を参照して説明した最初の3つの零点
10a、10b、10cが図示してある。零点10a〜
10cは(K−1)個の零点のうちの3つを表してお
り、ここでKはすでに定義したようにサンプリング・レ
ート変換比である。パスバンド(passband;通過域)は
0からFP まで広がる周波数帯域として示され、エイリ
アス・バンドまたはイメージ・バンドは、零点10a〜
10cを中心とする幅FA の周波数帯域として表され
る。一般的に言うと、くし形フィルタがデシメーション
または補間を多く実行する程、相対的なパスバンドの幅
P が増大する。パスバンドが増大すると、エイリアス
・バンドまたはイメージ・バンドFA もFP の2倍に比
例して増大する。
【0010】くし形フィルタは、複雑さが少ない特性に
加えて、優れたロールオフ特性を実現している。本質的
に、高い周波数ほど大きな減衰を受ける。このロールオ
フ特性の利点は、くし形フィルタをローパス・フィルタ
として用いてオーバー・サンプリング型アナログ・デジ
タル変換器の高周波領域の量子化雑音を除去する場合に
特に好ましい。低い周波数域ではくし形フィルタの減衰
が小さいので、エイリアスまたはイメージ・エラーが第
1の(すなわち、最も低い)エイリアス・バンドまたは
イメージ・バンドの低い周波数エッジFB で最も発生し
易くなる。
【0011】デシメーションまたは補間くし形フィルタ
の主要機能は、サンプリング・レートを各々減少または
増大させ、パスバンドのエイリアスまたはイメージ・エ
ラーを所定範囲内に抑えることである。例えば、設計ス
ペックで任意のレート変換比KについてX1 dBの阻止
域減衰量を指定した場合、設計スペックに適合するため
にくし形フィルタには次数N1 が必要である。しかし、
減衰量は点FB においてX1 dBからX2 dBまで増大
すれば、くし形フィルタは図2でN2 と表記してある追
加の次数を用いる必要がある。
【0012】減衰量がさらに増大すると、くし形フィル
タの次数を増やす必要があることは明らかである。本明
細書中で定義しているように、「次数(order )」はフ
ィルタの必要とする演算項の総数を表す。レート変換ス
イッチによって分離されたN次の微分器とN次の積分器
は合計2N項を必要とする。即ち、積分器についてN
項、また微分器についてN項を必要とする。N次微分器
とレート変換スイッチとN次積分器の組合わせは、以下
本明細書中で単一段くし形フィルタと称する。後に議論
するように、くし形フィルタは一段よりも多くの段を有
するように設計できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図2はいっそう厳密な
エイリアス・バンドまたはイメージ・バンド減衰を実現
するため追加次数を導入する必要性を表している。残念
ながら、次数の増加によって、くし形フィルタ設計はハ
ードウェアとソフトウェアの両面で複雑化する。次数の
増加は一般に、デシメーション・フィルタの第1の積分
器または補間フィルタの最後の積分器のワード長WL
増大させ、そのうえに演算項の数を2だけ増加する必要
がある。
【0014】次数Nは、特にレート変換比Kならびに阻
止域減衰量の関数として決定される。Nの総数を増加さ
せて必要とされる減衰またはデータ・レート変換比を満
たす場合、くし形フィルタ全体の複雑さも増加する。く
し形フィルタの複雑さ(すなわち演算項の総数とWL
をが増すと、集積回路では大量のシリコン面積をハード
ウェア実現に浪費する。ソフトウェアとして考えた場
合、複雑なくし形フィルタは大量のソフトウェア命令を
必要とする。したがって、高次のくし形フィルタの設計
では、必要とされる演算項とWL 両方の数を最小限にで
きるような設計手法を用いることが肝要になる。好適な
設計手法は数段の単一段くし形フィルタを用いた場合で
も、各段は最小の演算項数を有する必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記で概説した問題は、
大部分がくし形構造の複雑さを減少するための新手法を
用いた多段くし形フィルタによって解決される。このく
し形フィルタの各段は、演算項の総数が最小になるよう
に一対のフィルタ要素を含む。このくし形フィルタは、
デシメーション・フィルタまたは補間フィルタとして構
成でき、これらのフィルタの少なくとも低周波段は最小
の演算項数となるように実施されるフィルタ要素を含
む。一実施の形態によれば、多次のくし形フィルタはレ
ート変更スイッチによって分離された積分項および微分
項として、または直接高いサンプリング・レートで動作
するくし形フィルタとして実現される。高いサンプリン
グ・レートで動作するくし形フィルタとして実現された
場合は、次式によって記述することができる。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、Kはその段のレート変換比であ
る。レート変換スイッチによって分離した積分項および
微分項として実現した場合は、隣接段からの微分項を積
分項(integer terms )でキャンセルすることができ
る。この結果、全体で最小限の演算項数を有する最適な
構造が得られる。
【0018】大まかに言えば、本発明は多段のくし形フ
ィルタに関する。このくし形フィルタは多数のくし形フ
ィルタ段を含み、その一つが第1のフィルタ素子を含
み、これがレート変換スイッチによって第1のフィルタ
素子より低いサンプリグ・レートで動作する第2のフィ
ルタ素子に接続される。多段くし形フィルタは、第1の
フィルタ素子にCK (z)項を含む伝達関数を分割して
挿入することで最小限の項数を実現できる。本明細書中
で記載しているように、高周波フィルタ素子(higher f
requency filter element )は、より低いサンプリング
・レートで動作する低周波フィルタ素子(lower freque
ncy filter element)よりも高いサンプリング・レート
で動作するz伝達関数を有する素子である。低周波およ
び高周波フィルタ素子は、多段くし形フィルタの単一段
内に構成される。低周波フィルタ素子はしたがってデシ
メーション・フィルタではサンプリング・レート変換ス
イッチに後続するように構成され、このスイッチの反対
側は高周波フィルタ素子となる。逆に、補間フィルタで
は低周波フィルタ素子はサンプリング・レート変換スイ
ッチ先行するように構成され、このスイッチの反対側は
高周波フィルタ素子となる。
【0019】一実施の形態によれば、レート変換スイッ
チは、第1のフィルタ素子を通って伝達される信号を、
その信号のサンプリング・レートよりも低いレートでサ
ンプルする。例えば1/2の周波数でサンプルされる。
【0020】別の実施の形態によれば、レート変換スイ
ッチは、第1のフィルタ素子を通って伝達される信号
を、その信号のサンプリグ・レートより高いレートでサ
ンプルする。例えば2倍でサンプルされる。
【0021】さらに別の実施の形態によれば、第1のフ
ィルタ素子の伝達関数に付随する項CK (z)はハード
ウェアで実施した場合には加算回路と遅延回路を含み、
または命令を実行するCPUで行なうソフトウェアで実
施した演算を含む。
【0022】本発明は種々の変更ならびに別の形態を許
容できるが、これの特定の実施の形態が図面に例として
図示してあり、これを本明細書中で詳細に説明する。し
かし、図面ならびにこれについての詳細な説明は、本発
明を開示した特定の態様に本発明を制限する意図のもの
ではなく、むしろその逆に、その意図は、添付の特許請
求の範囲で規定されたような本発明の精神および範囲内
にある全ての変更例、等価のものおよび代替例を含むこ
とにあることを理解すべきである。
【0023】
【発明の実施の形態】ここで図面に戻ると、図3はくし
形デシメーションフィルタ(decimation comb filter)
12(以下、デシメータ12とも記す)およびくし形補
間フィルタ(interpolation comb filter )14(以
下、インタポレータ14とも記す)内で実施したくし形
フィルタの伝達関数H(z)を示す。デシメータ12
は、KFSのサンプリング・レートを入力してからより
低いサンプリング・レートFS を発生する。逆に、イン
タポレータ(interpolator)14はサンプリング・レー
トFS を入力してより高いサンプリング・レートKFS
を発生する。サンプリング・レートの変換は、レート変
換スイッチ16および18の係数Kに対応する。
【0024】デシメータ12とインタポレータ14内の
伝達関数H(z)は、次式で表現できる。
【0025】
【数2】 H(z)=[CK (z)]N (2) ここで、式(1)において定義されたCK (z)はくし
形フィルタを表す。これはさらに次式で表現できる。
【0026】
【数3】
【0027】したがって、CK (z)は次のように記述
できる。
【0028】
【数4】 CK (z)=F(z)G(zK ) (4) ここで、F(z)は1/(1−z-1)、また、G(z
K )は1−z-Kである。
【0029】CK (z)のz伝達関数1/(1−z-1
成分はディスクリート時間積分器で実現され、図4では
20で表してある。CK (z)のz伝達関数(1−
-K)成分は、レート変換スイッチを通って移動すると
(1−z-1)となりディスクリート時間微分器で実現さ
れ、これを図4において22で図示してある。積分器
(integrator)20は、遅延素子(delay element )2
4を経由してフィード・バックされたデータと入力デー
タとを加算器26で加算したものと構造的に等価であ
る。微分器(differetiator )22は、入力データと遅
延素子28を経由した入力データのフィード・フォワー
ドとを加算器30で加算したものと等価である。
【0030】図5においては、レート変換スイッチの反
対側に移動し、等価で複雑さの少ない構造を得る。例え
ば、z-K遅延素子27は、加算器30に沿ってデシメー
ション・スイッチ(decimation switch )38の反対側
へ移動することによりz-1遅延素子28に変更される。
多数の遅延素子27をこれにより単一の遅延素子28に
変換でき、デシメーション・スイッチ38に後続する微
分器22で表現できる。さらに図5では、z-K遅延素子
29と加算器30を補間スイッチ(interpolation swit
ch)46の反対側へ移動して、単一の遅延素子31を有
する微分器を作成することも図示してある。デシメーシ
ョン・スイッチまたは補間スイッチの反対側へ素子を移
動させることは、設計の複雑さを減少させる上で有用で
ある。この原理については、本明細書中で以下さらに説
明する。
【0031】図6を参照すると、2N項を有する単一段
くし形デシメーション・フィルタ52(以下、くし形デ
シメータ52とも記す)を図示してある。この単一段く
し形デシメーション・フィルタは、第1のフィルタ素子
(すなわち積分器54)と、デシメーション・スイッチ
56の反対側に配置してある第2のフィルタ素子(すな
わち微分器58)とを含む。くし形フィルタ関数のn個
の(1−z-K)項は、通常はデシメーション・スイッチ
56に先行するが、図6に図示した簡略化では、n個の
(1−z-K)項をデシメーション・スイッチ56の後ろ
に移動し微分器58として示すことができる。微分器5
8はn個の項を含み、その各々が単一の遅延要素を有す
る。つまり、くし形デシメータ52は複雑さを減少で
き、図示したように実施できる。図6ではさらに、2
(N−1)個の微分項および積分項を有する単一段くし
形補間フィルタ60(以下、インタポレータ60とも記
す)を図示してある。この単一段くし形補間フィルタ
は、第1のフィルタ素子(すなわち積分器64)と補間
スイッチ66の反対側に配置してある第2の遅延素子
(すなわち微分器62)を含む。くし形インタポレータ
60の複雑さはn個の(1−z-K)項を補間スイッチ6
6に後続する通常の位置からスイッチ66に先行する位
置へ移動し、これによって微分器62を簡略化すること
により減少される。したがって、くし形デシメータ52
と同様に、くし形インタポレータ60は最も効率的かつ
最も複雑さの少ない形態で図示してある。くし形インタ
ポレータ60の積分器64と微分器62の一つの項がサ
ンプル・ホールド回路(sample and hold circuit )6
8としてシンボル化してあり、これにより積分器64の
演算項の総数を(N−1)に、そして微分器62の演算
項の総数を(N−1)に減少していることが理解され
る。
【0032】図7は、くし形デシメータ52とくし形イ
ンタポレータ70の構造を図示している。くし形デシメ
ータ52は、総数2Nの加算器72(および73)と総
数2Nの遅延素子74を含む。第1のn個の加算器72
と遅延素子74はフィルタ素子、すなわち積分器54を
表し、第2のn個の加算器73と遅延素子74はフィル
タ素子、すなわち微分器58を表す。両方の素子は、デ
シメーション・スイッチ56によって分離される。加算
器72と遅延素子74は直列接続してあり、1ビット・
スライス(上部)、またはワード長WL を有する並列構
造の複数のビット・スライス(下部)として図示してあ
る。図7ではさらに、くし形インタポレータ70の構造
も図示してある。インタポレータ70は、2(N−1)
個の加算器75と2(N−1)個の遅延素子80とを含
む。くし形インタポレータ70は、(N−1)個の微分
項を第1のフィルタ素子中に、そして(N−1)個の積
分項を第2のフィルタ素子中に含む。
【0033】ワード長WL は、各フィルタ素子における
演算項Nの総数、ならびにデシメーションまたは補間レ
ート変換比Kに依存する。くし形デシメーション・フィ
ルタ52のワード長WL は、次のように定義される。
【0034】
【数5】 WL (ビット)=N×log2 (K)+BIN (5) 図8に図示したように、BINはくし形デシメータ52へ
のデータ・ビット入力数を表す。くし形デシメータ52
はモジュロ演算(modulo arithmetic )に依存し、デー
タを表現するために例えば2の補数等を必要とする。付
加ビットBMAX=WL −BINは、くし形デシメーション
・フィルタの正確な動作を確実にするために必要であ
る。各積分器および微分器の後でビットの数を切り捨
て、後続の素子のワード長を減少させることが可能であ
る。この他に、デシメータ内部での切り捨てを、第1の
素子の最後の積分器と第2の素子の最初の微分器の間だ
けで実行することができる。しかし、切り捨てにも関わ
らず、最大のWL は式(4)から計算されるビットの数
に依存する。したがって、実装の複雑さを減少させるた
めにはWL を減少させることが必須である。
【0035】くし形インタポレータのワード長WL は、
次のように定義される。
【0036】
【数6】 WL (ビット)=log2 [(K)N-1 ]+BIN (6) くし形インタポレータ70の演算はモジュロ演算に依存
できないので、オーバー・フローは許されない。くし形
インタポレータ70内の各レジスタは拡張され、オーバ
フローしないようにする必要があり、最後の積分器はB
MAX =WL −BINの付加ビットを有する。くし形インタ
ポレータ内で切り捨てることは不可能であるが、先行す
る積分器および微分器は、後続の要素に比べてワード長
の拡張は少なくてすむ。この他に、図8に図示したよう
に、全ての微分器が共通のワード長を有し、全ての積分
器が最大長を有することもある。WL を減少して実装の
複雑性を減少することが必須である。
【0037】図9は8項の単一段くし形デシメーション
・フィルタ90(以下、くし形フィルタ90または構造
90とも記す)の例を示す。例示してあるくし形フィル
タ90を用いて、WL と演算項の数を減少する設計の実
施を示す。この例では、スペック上、16のデシメーシ
ョン比、60dBの阻止域減衰量、およびFP =0.1
1375*FS (出力サンプリング・レート)のパスバ
ンドが要求される。くし形フィルタ90は、比K=16
の例示してある単一のデシメーション・スイッチを有す
るように図示してある。WL は式(5)より求められ
る。くし形デシメーション・フィルタ90のWL のビッ
ト数は(16+BIN)である。WL のビット数を減少さ
せる効果的な方法は、単一段構造のくし形フィルタを、
92で示す多段構造に変更することである。
【0038】図9の多段くし形デシメーションフィルタ
92の例は、16FS のレートの入力データとFS のレ
ートの出力データとの間に直列接続された3段構造を含
む。くし形フィルタ92は要求されるスペックを満たす
ために、独立したくし形デシメータを使用して異なるエ
イリアス・バンドを減衰させる。最低周波数帯域は最終
のくし形デシメータで減衰し、したがってこれが最も高
い次数を必要とする。
【0039】くし形フィルタ92は、3個の単一段くし
形フィルタを構造94のようにまとめる(merge) ことで
簡略化できる。以下の説明では、これを「統合多段くし
形フィルタ(merged multi-stage comb filter)」と称
する。図9は互いに隣接して(レート変換スイッチの同
じ側に)配置した積分器および微分器フィルタ素子を示
す。このように配置したフィルタ素子を互いに組み合せ
てさらに簡単な形態を得ることができ、微分器はスイッ
チの同じ側に配置してある積分器と組み合されこれをキ
ャンセルする。図示した例では、2または3項の微分器
が各々3ないし4項の積分器の2または3項をキャンセ
ルしており、両方の場合に単一の積分項を残すのみであ
る。
【0040】統合多段構造94は、単一段くし形デシメ
ーション・フィルタ90より少ないWL ビットでフィル
タ動作を実行する。式(5)を用いると、構造94のW
L ビットは、2×log2 (4)+3×log2 (2)
+4×log2 (2)+BINに等しい。ここから、多段
構造94は、(16+BIN)ビットWL に代わって(1
1+BIN)ビットWL で等価のフィルタ動作を実行す
る。したがって多段構造94は、単一段構造90に比
べ、集積回路上で少ないハードウェア・コンポーネント
を用いて小さい面積で構成できる。さらに、多段構造9
4は単一段構造90より少ないソフトウェア演算しか必
要としない。
【0041】構造94は、構造90と同様に4次の積分
項と4次の微分項がまだ必要である。つまり、単一段構
造の代わりに多段構造を用いてWL が減少しているが、
演算項の数は同じままである。
【0042】図10の上段を参照すると、多段くし形デ
シメーション・フィルタ100における単一段くし形フ
ィルタと他の単一段の一部分が図示してある。この単一
段くし形フィルタは、第1のフィルタ素子96aとデシ
メーション・スイッチ102の反対側に接続してある第
2のフィルタ素子98aを含む。レート変換比K1は、
96aのサンプリング・レートが98aのサンプリング
・レートのK1倍速いことを意味している。
【0043】図10の中段ではさらに、上段の多段くし
形デシメーション・フィルタ100と等価のフィルタを
別の表現(構成)で図示している。この図では、単一段
くし形フィルタの微分項と積分項は各々次数がN1にな
っている。残りの次数は、(N2−N1)次のくし形フ
ィルタ関数CK1 (N2-N1) で置き換えられている。CK1
(N2-N1) のz伝達関数CK1 (N2-N1)(z)は式(3)より
次式で与えられる。
【0044】
【数7】 CK1 (N2-N1)(z) ={CK1(z)}(N2-N1) ={(1/(1-z-1)(1-z-K1)}(N2-N1) (7) この構成をとると、図10下段のようにN1次の微分項
97とN1次の積分項96bは統合されることによりキ
ャンセルされる。この結果、N1次の微分項98bと
(N2−N1)次のくし形フィルタ関数の項CK1
(N2-N1) のみが残るので、上段の図の場合に比べて演算
項数の削減が得られる。
【0045】このように、単一段くし形フィルタにおい
て、レート変換スイッチの両側にある微分項と積分項
で、微分項が積分項に比べて次数が多くまたはサンプリ
ング・レートが低い場合に、微分項の次数を積分項の次
数と等しくし、積分項側に微分項と積分項の次数の差と
同じ次数のくし形フィルタ関数を挿入すれば等価の伝達
関数を得ることができる。
【0046】単一段くし形フィルタが複数接続される多
段くし形フィルタにおいて、1つ以上の単一段で上記の
ような構成の変更を行えば、単一段間で次数の等しい微
分項と積分項が統合され、低次のくし形フィルタ関数の
みが残る。また、最も低いサンプリング・レートで動作
する微分項の次数も減らすことができる。この結果、多
段くし形フィルタ全体の演算項数を削減することができ
る。
【0047】本発明の考え方は、くし形デシメーション
フィルタだけでなく、後述するようにくし形補間フィル
タにも適用可能である。
【0048】図11を参照すると、多段くし形補間フィ
ルタ108の単一段部分と他の段の部分の一部が図示し
てある。この単一段部分は、第1のフィルタ素子105
aとサンプル・ホールド回路110の反対側に接続した
第2のフィルタ素子106aを含む。サンプル・ホール
ド回路110により、フィルタ素子106aのサンプリ
ング・レートがフィルタ素子105aのサンプリング・
レートより低くなる。図11は、サンプル・ホールド回
路111の一方の側に接続したフィルタ素子107aも
図示している。
【0049】この他にも、図11では多段くし形補間フ
ィルタ108の単一段部分と別の段部分の一部について
の等価な表現を図示してある。この図において、単一段
部分の次数N1 は、サンプル・ホールド回路110によ
って分離されたN1 次積分項105bおよびN1 次微分
項106bとして実施される。単一段部分の残りの次数
(N2 −N1 )は、CK1(z)項103として実施され
る。N1 次微分器107bとN1 次積分器105bを統
合することによりキャンセルされ、(N2 −N1 )次の
K1(z)項103とN1 次微分項106bだけを残す
ことで項数の減少が得られる。ここでも、図11はフィ
ルタ素子106bおよび103で結果的に同じ伝達関数
を生じるような考え得る多くの方法の一つを図示してい
ることに注意すべきである。
【0050】図10および図11は、第2のフィルタ素
子98および106で、低周波数におけるN2 次からN
1 次への演算項の減少(ここで、N2 はN1 よりも大き
いとする)を表している。第1のフィルタ素子内の項の
総数は一般に同じままか、または、増加が発生する場合
には、この増加は第2のフィルタ素子の演算項の総数の
減少よりも小さい。したがって、演算項の総数は全体と
して、くし形デシメーションまたは補間フィルタ100
および108それぞれの場合に減少する。図10および
図11中のK1が2に等しい場合には、CK1(z)項の
単純な実施が得られる。この場合、CK1(z)は(1+
-1)に簡略化される。図12は(1+z-1)項の回路
を示す。(1+z-1)項は、遅延要素116の加算器1
18とのフィード・フォワード構成を用いて得られる。
加算器118は、フィード・フォワード遅延信号と入力
データとの正の加算を提供する。つまり、z伝達関数
(1+z-1)は、微分器に近い形態で表すことができ
る。微分器に見られるような負の加算を実行するのでは
なく、正の加算で(1+z-1)を実行する。この新技術
の利点について、例を用いてさらに図示する。
【0051】図13を参照すると、図9の構造92と数
学的に等価で、同一のデシメーション・フィルタ機能を
実行する8項の多段構造くし形デシメーションフィルタ
119の例が図示してある。構造119は新技術を用い
て実施される。くし形フィルタの段の幾つかの次数がデ
シメーション・スイッチによって分離された積分項およ
び微分項として、または微分項126に比べて高いサン
プリング・レートで動作する(1+z-1)項として最適
に実現される。隣接する積分項と微分項は矢印120a
および122aで示したように統合され、124で示し
たような最適な形態を得る。最大ワード長WL はここで
も(11+BIN)ビットだが、演算項の総数は、図9お
よび図13では8項から7項へ減少している。つまり、
図9の構造に比較して最大のWL と演算項の総数を減少
することができる。
【0052】本発明はデジタルくし形フィルタのあらゆ
るタイプに応用することができることが、本開示の利点
を享受できる当業者には理解されよう。さらに、図示ま
た記述された本発明は、現時点での好適実施の形態を成
すものとみなすべきことも理解されるべきである。例え
ば、図示した本発明の形態は特定の段数、または特定の
デシメーション比または補間比に限定されるべきではな
い。本発明のくし形フィルタは、2段以上のくし形フィ
ルタで好ましくは最低周波数の段内の最低周波数のフィ
ルタ素子に隣接する少なくとも一つのフィルタ内部で、
独特(unique)の伝達関数CK (z)を有するものであ
る。本開示の利点を享受できる当業者には明らかなよう
に、演算項の総数を最適化するように設計構造に種々の
修正および変更を行なうことができる。したがって、本
明細書ならびに図面は限定的意味合いではなく、一つの
例示としてみなすべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】8のレート変換比Kを有するくし形フィルタに
ついて複素z平面の単位円に沿った零点を示す図であ
る。
【図2】N1 次およびN2 次の一段くし形フィルタの振
幅−周波数応答を示す図である。
【図3】デシメーション・レート変換スイッチに先行し
補間レート変換スイッチに後続するくし形フィルタの伝
達関数H(z)のシンボル表現を示す図である。
【図4】等価なシンボルおよび構造形状で図示した積分
項および微分項を示す図である。
【図5】レート変換スイッチを移動して機能的に等価か
つ複雑さの少ない構造を導く演算を説明する説明図であ
る。
【図6】2N項を有する単一段くし形デシメーション・
フィルタと2(N−1)項を有するくし形補間フィルタ
のシンボル表現を示す図である。
【図7】図6のデシメータとインタポレータの構造要素
を示す図である。
【図8】図6のデシメータとインタポレータのワード長
要件を説明する説明図である。
【図9】実質的に同等の性能特性を有する典型的な単一
段デシメータと典型的な多段デシメータのシンボル表現
を示す図である。
【図10】多段フィルタ素子を有し、一つの段が2つの
フィルタ素子を含み、また高周波フィルタ素子の伝達関
数内の少なくとも一つの項がCK (z)項を含むくし形
デシメーション・フィルタを示す図である。
【図11】多段フィルタ素子を有し、一つの段が2つの
フィルタ素子を含み、また高周波フィルタ素子の伝達関
数内の少なくとも一つの項がCK (z)項を含むくし形
補間フィルタを示す図である。
【図12】K1が2に等しいときに高周波フィルタ素子
または図10および図11の要素のz伝達関数に見られ
るような正のフィード・フォワード構成で組み合せた加
算ならびに遅延素子を示す図である。
【図13】図9の典型的な多段くし形デシメータのシン
ボル表現で、演算項の総数を減少した等価な表現として
示す図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c,10d,10e,10f,1
0g 零点 12,52 くし形デシメーション・フィルタ(くし形
デシメータ) 14,60 くし形補間フィルタ(インタポレータ) 16,18 レート変換スイッチ 20,54,64 積分器 22,40,58,62,107b 微分器 24,27,28,29,31,74,80,116
遅延素子 26,30,72,73,75,78,118 加算器 38,56 デシメーション・スイッチ 46 補間スイッチ 68,110,111 サンプル・ホールド回路 70 くし形インタポレータ 90 くし形デシメーション・フィルタ(くし形フィル
タまたは構造) 92,119 くし形デシメーション・フィルタ(構
造) 94 構造 96a,98a,105a,107a フィルタ素子 96b 積分項 97,98b,126 微分項 99,103 フィルタ素子(CK1(z)項) 100 くし形デシメーション・フィルタ 102 デシメーション・レート変更スイッチ 105b 積分器(積分項) 106b フィルタ素子(微分項) 108 くし形補間フィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のフィルタ素子よりも低いサンプリ
    ング・レートで動作する第2のフィルタ素子にレート変
    換スイッチによって接続された第1のフィルタ素子を備
    え、 前記第1のフィルタ素子の伝達関数がくし形フィルタ関
    数の項CK (z)項を含むことを特徴とする多段くし形
    フィルタ。
  2. 【請求項2】 第1のフィルタ素子よりも低いサンプリ
    ング・レートで動作する第2のフィルタ素子にレート変
    換スイッチによって接続された第1のフィルタ素子を備
    え、 前記第1のフィルタ素子の伝達関数が(1+z-1)項を
    含むことを特徴とする多段くし形フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第2のフィルタ素子が前記第1のフ
    ィルタ素子の1/2のサンプリング・レートで動作する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多段くし形
    フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記第2のフィルタ素子の伝達関数が微
    分項を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の
    多段くし形フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記項(1+z-1)が、加算器と遅延素
    子で構成されることを特徴とする請求項1または2に記
    載の多段くし形フィルタ。
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