JPH09331603A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

車両用駆動装置の制御装置

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JPH09331603A
JPH09331603A JP17075696A JP17075696A JPH09331603A JP H09331603 A JPH09331603 A JP H09331603A JP 17075696 A JP17075696 A JP 17075696A JP 17075696 A JP17075696 A JP 17075696A JP H09331603 A JPH09331603 A JP H09331603A
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torque
motor generator
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンとモータジェネレータと変速機を組
み合わせた車両用駆動装置において、イナーシャトルク
による変速ショックを低減する。 【解決手段】 車両用駆動装置は、エンジン1と、摩擦
係合要素の係合又は解放により複数の変速段を達成する
有段の変速機3と、モータジェネレータ4とを備える。
制御装置5は、変速機3の変速開始から変速終了まで、
摩擦係合要素の係合又は解放に伴う入力回転数の変化に
より発生して変速機3から車輪9に伝達されるイナーシ
ャトルクをモータジェネレータ4に吸収させるトルク制
御を行う変速制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼機関(本明細
書において、エンジンという)と電動・発電機(同じ
く、モータジェネレータという)を備える車両用駆動装
置に関し、特に、該駆動装置をイナーシャトルクによる
変速ショックを低減するように制御する制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の変速段を達成する通常の有
段自動変速機においては、変速時に、エンジン回転数に
依存する入力回転数と車両の車速に依存する出力回転数
との間に急激な回転数差が生じるため、イナーシャトル
クによる変速ショックの発生は不可避である。そこで、
こうした変速ショックを低減するため、従来の有段自動
変速機では、その変速機構中において変速のために係合
する摩擦係合要素の係合を緩徐に行わせて、急激なイナ
ーシャトルクの発生を抑え、変速ショックを低減させて
いる。こうした摩擦係合要素の緩徐な係合を行わせるの
に、従来は、摩擦係合要素の油圧サーボへの供給油圧を
調圧する方法が採られ、そのために、油圧制御装置にア
キュームレータを配するか、あるいは、係合圧を直接制
御するリニアソレノイド弁を配している。
【0003】一方、車両用駆動装置の一形態として、エ
ンジンとモータジェネレータと変速機を組み合わせた駆
動装置がある。この駆動装置は、モータジェネレータを
発電機として用いることで、車輪からの制動エネルギー
を回収して、電力として蓄えておき、この電力をモータ
ジェネレータの駆動に用いて、エンジンの始動や車両の
駆動を行う構成とされている。こうした車両用駆動装置
において、上記変速ショックを低減する方法として、変
速時にエンジン回転数を出力回転数に同期させる方法を
採る技術が、特開平2−157437号公報において提
案されている。この技術では、変速時に変速機への入力
クラッチを解放して、モータジェネレータによりエンジ
ンの回転数を出力回転数に合わせ、入力回転数と出力回
転数が同期したところで入力クラッチを再係合する方法
が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
一般的方法では、変速ショックを十分に低く抑えようと
すると、変速時間が長くなってしまう。また、この方法
では、イナーシャトルクを摩擦係合要素の摩擦材の滑り
により熱エネルギに変えて吸収させることになるので、
変速時間が長くなると、摩擦材の負担が大きくなる。一
方、上記提案の方法では、変速時に、エンジンと変速機
とを連結する入力クラッチを解放して、完全に動力伝達
を絶ってから変速(ギヤの切換)を行い、その後エンジ
ン回転数が出力回転数と同期したところで入力クラッチ
を再度つないでいるため、モータジェネレ−タは、入力
クラッチの解放中は、エンジンの出力トルクを全て吸収
しなければならない。したがって、こうした方法では、
エンジンの出力トルクに匹敵するトルク容量の極めて大
型のモータジェネレータが必要となる。
【0005】そこで、本発明は、装置の大型化を極力抑
えながら、変速時に車輪に伝達されるイナーシャトルク
をモータジェネレータに吸収させて減少させることで、
変速ショックを低減させる車両用駆動装置の制御装置を
提供することを第1の目的とする。
【0006】次に、本発明は、正確なイナーシャトルク
の算出により、制御性を高くすることを第2の目的とす
る。
【0007】ところで、エンジンの出力トルクは、一般
にその回転数により変化し、図12に示す様なトルク曲
線を描く。そして、スロットル開度が低い場合、そのト
ルク変動は図に見られるように無視できない程度に大き
くなり、変速ショックを増大させる要因の一つとなる。
そこで、本発明は、入力回転数の変化によって、エンジ
ン出力トルクも変動することを考慮して、そのトルク変
動分も併せて吸収することで、より一層変速ショックを
低減することを第3の目的とする。
【0008】また、本発明は、正確にイナーシャトルク
及びエンジントルク変動分を算出することで、制御性を
高めることを第4の目的とする。
【0009】更に、本発明は、モータジェネレータの制
御負担を軽減しながら変速ショックを低減することを第
5の目的とする。
【0010】また、本発明は、変速開始の判断を摩擦係
合要素のイナーシャ相開始と合わせることで、制御の開
始時期を適正化することを第6の目的とする。
【0011】また、本発明は、制御の応答遅れを防止す
ることを第7の目的とする。
【0012】また、本発明は、変速終了の判断を摩擦係
合要素のイナーシャ相終了と同時にすることで、制御の
終了時期を適正化することを第8の目的とする。
【0013】更に、本発明は、自動変速機の制御終了を
スムーズにすることを第9の目的とする。
【0014】更に、本発明は、入出力回転数差が所定値
以下となったときに変速終了と判断する場合に、その後
入出力回転数が同期するまでイナーシャトルクを吸収す
ることを第10の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するため、本発明は、エンジンと、該エンジンの動力を
車輪に伝達する変速機と、モータとして前記エンジンを
駆動するとともに変速機を介して車輪を駆動し、ジェネ
レータとして前記エンジン又は車輪からのエネルギを回
収するモータジェネレータとを備える車両用駆動装置で
あって、前記エンジンと、モータジェネレータと、変速
機とを制御装置により制御する車両用駆動装置の制御装
置において、前記変速機は、摩擦係合要素の係合又は解
放により複数の変速段を達成する有段変速機とされ、前
記制御装置は、前記変速機の変速開始から変速終了ま
で、前記摩擦係合要素の係合又は解放に伴う入力回転数
の変化により発生して変速機から車輪に伝達されるイナ
ーシャトルクが減少するように、前記モータジェネレー
タを制御する変速制御手段を有することを特徴とする。
【0016】また、上記第2の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、イナーシャトルクを演算し、演算し
たトルクをモータジェネレータに出力させる、構成とさ
れる。
【0017】更に、上記第3の目的を達成するため、エ
ンジンと、該エンジンの動力を車輪に伝達する変速機
と、モータとして前記エンジンを駆動するとともに変速
機を介して車輪を駆動し、ジェネレータとして前記エン
ジン又は車輪からのエネルギを回収するモータジェネレ
ータとを備える車両用駆動装置であって、前記エンジン
と、モータジェネレータと、変速機とを制御装置により
制御する車両用駆動装置の制御装置において、前記変速
機は、摩擦係合要素の係合又は解放により複数の変速段
を達成する有段変速機とされ、前記制御装置は、前記変
速機の変速開始から変速終了まで、前記摩擦係合要素の
係合又は解放に伴う入力回転数の変化により発生して変
速機から車輪に伝達されるイナーシャトルク及びエンジ
ントルクのトルク変動分が減少するように、モータジェ
ネレータを制御する変速制御手段を有することを特徴と
する。
【0018】そして、上記第4の目的を達成するため、
前記変速制御手段は、前記イナーシャトルク及びトルク
変動分を演算し、演算したトルクをモータジェネレータ
に出力させる、構成とされる。
【0019】更に、上記第5の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、前記モータジェネレータに一定トル
クを出力させるとともに、入力回転数の変化率が一定と
なるように、前記摩擦係合要素の係合圧又は解放圧を制
御する、構成とされる。
【0020】更に、上記第6の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、変速開始を入力回転数の変化開始と
する、構成とされる。
【0021】また、上記第7の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、変速開始を変速判断から所定時間経
過後とする、構成とされる。
【0022】更に、上記第8の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、変速終了を入出力回転数同期後とす
る、構成とされる。
【0023】更に、上記第9の目的を達成するため、前
記変速制御手段は、変速終了を入出力回転数差が所定値
以下となったときとする、構成とされる。
【0024】更に、上記第10の目的を達成するため、
前記変速制御手段は、変速終了後、前記モータジェネレ
ータの出力トルクをスイープダウンさせる、構成とされ
る。
【0025】
【発明の作用及び効果】本発明では、車輪に伝達される
イナーシャトルクが減少するように、モータジェネレー
タを制御するので、変速ショックを低減できる。その制
御の際、モータジェネレータは、摩擦係合要素の摩擦材
で負担できないイナーシャトルク分だけを吸収すればよ
いので、必要最小限の容量のもので足りるため、装置の
大型化を防ぐことができる。また、摩擦係合要素の摩擦
材の負担を小さくすることもできる。
【0026】そして、請求項2に記載の構成では、正確
にイナーシャトルクを算出でき、モータジェネレータで
吸収するトルクをイナーシャトルクに合わせる制御が可
能となり、制御性が高くなる。
【0027】次に、請求項3に記載の構成では、入力回
転数の変化によって、エンジンの出力トルクも変動する
のに合わせて、そのトルク変動分も吸収することで、よ
り一層変速ショックを低減できる。
【0028】また、請求項4に記載の構成では、正確に
イナーシャトルク及びエンジンのトルク変動分を算出で
き、モータジェネレータで吸収するトルクをそれらに合
わせて、より一層変速トルクの低減に有効な制御を行う
ことができる。
【0029】また、請求項5に記載の構成では、モータ
ジェネレータに予め設定された一定トルクを出力させる
ことで、その制御を単純化しながらモータジェネレータ
の制御負担を軽減することができる。この場合、モータ
ジェネレータによる吸収能力を超える分のイナーシャト
ルクは、変速機の摩擦係合要素の摩擦材で負担すること
になるが、入力回転数の変化率が一定となるように、摩
擦係合要素の係合圧又は解放圧を制御しているので、摩
擦材に過剰な負担がかかることもない。したがって、こ
の場合、容量の比較的小さなモータジェネレータで変速
ショックを低減することができる。
【0030】そして、請求項6に記載の構成では、変速
制御手段の変速判断をイナーシャ相開始と同時にするこ
とできるので、単純な制御開始時期の判断形態で、変速
ショックを低減することができる。
【0031】更に、請求項7に記載の構成では、変速シ
ョック低減制御の開始の際の応答遅れを防止することが
できる。
【0032】また、請求項8に記載の構成では、制御の
終了をイナーシャ相終了と同時にすることで、単純な制
御形態で変速ショック低減制御を行うことができる。
【0033】更に、請求項9に記載の構成では、制御終
了の遅れのないスムーズな変速ショック低減制御を行う
ことができる。
【0034】次に、請求項10に記載の構成では、入出
力回転数差が所定値以下となったときに変速終了と判断
する場合には、その後同期するまでのイナーシャトルク
をモータジェネレータのスイープダウンで吸収して、変
速ショックを低減しながら、スムーズに制御を終了させ
ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。図1は第1実施形態に係る車両用駆動
装置の全体構成を概念的にブロックで示す。この駆動装
置は、エンジン1(E/G)と、エンジン1の動力を車
輪9に伝達する変速機(A/T)3と、モータとしてエ
ンジン1を駆動するとともに変速機3を介して車輪9を
駆動し、ジェネレータとしてエンジン1及び車輪9から
の逆駆動エネルギを回収する永久磁石式同期モータ形式
のモータジェネレータ(M/G)4とを備えている。そ
して、この駆動装置は、そのエンジン1と、モータジェ
ネレータ4と、変速機3とを制御装置(M/G&A/T
−ECU)5により制御される。
【0036】図2は駆動装置のパワートレインをスケル
トンで示す。図に示すように、変速機3は、摩擦係合要
素、すなわちクラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B3
の係合又は解放により複数の変速段を達成する有段の自
動変速機とされている。自動変速機3は、2つのプラネ
タリギヤユニットU1,U2を変速要素とする前進3
段、後進1段の変速機構に、オーバドライブ機構を構成
するプラネタリギヤユニットU0を組み合わせた4速構
成の自動変速機とされ、入力軸31に連結したプラネタ
リギヤユニットU0のキャリアC0 とサンギヤS0 は、
並列するクラッチC0とワンウェイクラッチF0を介し
て連結され、サンギヤS0 はブレーキB0で係止可能と
されている。プラネタリギヤユニットU0の出力要素を
構成するリングギヤR0 は、並列するクラッチC1,C
2を介してプラネタリギヤユニットU1のリングギヤR
1 とサンギヤS1 に連結されている。プラネタリギヤユ
ニットU2のサンギヤS2 とリングギヤR2 は、それぞ
れプラネタリギヤユニットU1のサンギヤS1 とキャリ
アC1 に連結され、リングギヤR2 が自動変速機3の出
力要素として出力軸32に連結されている。そして上記
両サンギヤS1 ,S2は、ブレーキB1と、直列するワ
ンウェイクラッチF1及びブレーキB2により係止可能
とされ、プラネタリギヤユニットU2のキャリアC2
並列するワンウェイクラッチF2とブレーキB3により
係止可能とされている。
【0037】上記構成からなる自動変速機3と、エンジ
ン1と、モータジェネレータ4は、パワースプリット装
置2を介して相互に連結されている。パワースプリット
装置2は、エンジン1にフォワードクラッチCFを介し
て連結されるとともに、モータジェネレータ4と変速機
3とに連結されたプラネタリギヤユニット20を備え
る。プラネタリギヤユニット20は、リングギヤ21、
サンギヤ22及び両ギヤ21,22に噛み合うピニオン
ギヤ23のキャリア24を回転要素とする最も単純なギ
ヤ構成とされ、リングギヤ21がフォワードクラッチC
Fを介してエンジン1の出力軸11に、サンギヤ22が
モータジェネレータ4のロータ41に、そして、キャリ
ア24が自動変速機3の入力軸31にそれぞれ連結され
ている。更に、リングギヤ21とサンギヤ22を相互に
連結及び切離しさせる直結クラッチCDが設けられ、プ
ラネタリギヤユニット20を直結又は遊星回転可能とし
ている。
【0038】図1に戻って、こうした構成からなる駆動
装置を制御する制御装置は、モータジェネレータ4をイ
ンバータ40を介して、更に、自動変速機3の各摩擦係
合要素を油圧制御装置(V/B)30を介して制御する
電子制御装置(M/G&A/T−ECU)5を主体と
し、モータジェネレータ4により回収されるエネルギを
電力として蓄えるとともに、モータジェネレータ4を駆
動するための電力を供給するバッテリ6と、モータジェ
ネレータ4の制御手段を構成する上記インバータ40
と、自動変速機3の制御手段を構成する上記油圧制御装
置(V/B)30と、エンジン1の制御手段を構成し、
電子制御装置5と情報を交換するエンジン制御コンピュ
ータ(E/G−ECU)7から構成されている。なお、
図には示されていないが、制御のための情報検出手段と
して、エンジン回転数(NE )を検出するエンジン回転
センサ、スロットル開度(θ)を検出するスロットルセ
ンサ、自動変速機3の入力軸31の入力回転数(NI
を検出する入力回転センサ、自動変速機3の出力軸32
の回転から車速(V)を検出する車速センサ、自動変速
機のシフトポジションセンサを検出するニュートラルス
タートスイッチ等を備えている。
【0039】上記の構成からなる車両用駆動装置のエン
ジン1、モータジェネレータ4及びパワースプリット装
置2は、基本的には図3の作動図表に示すように5つの
異なるモードで作動する。すなわち、モータモードによ
る走行時は、フォワードクラッチCFは解放(×)、直
結クラッチCDは係合(○)とされ、エンジン(E/
G)1はアイドリング(idle)回転、モータジェネ
レータ(M/G)4は電動(M)制御される。このと
き、モータジェネレータ4の出力トルクが直結状態のプ
ラネタリギヤユニット20を経て変速機3に伝達され
る。
【0040】スプリットモードでの走行時は、フォワー
ドクラッチCFは係合(○)、直結クラッチCDは解放
(×)とされ、エンジン1は所定回転に維持され、モー
タジェネレータ(M/G)4は車速の上昇に合わせて発
電(G)から電動(M)制御に移行させられる。このと
き、エンジン出力トルクは、フォワードクラッチCFを
経てプラネタリギヤユニット20のリングギヤ21に入
力され、モータジェネレータ4によるサンギヤ22の反
力トルク支持に応じた出力トルクがキャリア24から変
速機3に出力される。
【0041】また、パラレルハイブリッド(PH)モー
ドでの走行時は、フォワードクラッチCF、直結クラッ
チCDとも係合(○)とされ、モータジェネレータ(M
/G)4は、発電(G)又は電動(M)制御される。こ
のとき、エンジン出力トルクは、フォワードクラッチC
F及び直結とされたプラネタリギヤユニット20を経て
変速機3に、また、モータジェネレータ4の出力トルク
は、直結状態のプラネタリギヤユニット20を経て変速
機3に出力される。
【0042】また、エンジン(E/G)モードでの走行
時は、フォワードクラッチCF、直結クラッチCDとも
係合(○)とされる。このとき、エンジン1の出力トル
クは、フォワードクラッチCF及びプラネタリギヤユニ
ット20を経て変速機3に出力される。
【0043】そして、回生モードでの走行時は、フォワ
ードクラッチCFは解放(×)、直結クラッチCDは係
合(○)とされ、モータジェネレータ(M/G)4は発
電(G)制御される。このとき、車輪側から変速機3を
経て直結状態のプラネタリギヤユニット20に伝達され
る逆駆動トルクは、発電(G)制御状態のモータジェネ
レータ4のトルク制御に応じて車両の制動力に利用され
る。
【0044】また、車両用駆動装置の自動変速機は、図
4の係合図表に示すように、選択された各レンジ位置、
すなわち“P”、“N”、“R”、“D”に応じた各係
合要素、すなわちクラッチ(C0〜C2)、ブレーキ
(B0〜B3)、ワンウェイクラッチ(F0〜F2)の
係合又は解放により作動する。図において○印は、各ク
ラッチ及びブレーキについては係合、ワンウェイクラッ
チについてはロックを示し、×印は、各クラッチ及びブ
レーキについては解放、ワンウェイクラッチについては
空転を示す。なお、図には“2”レンジについて別けて
表示していないが、このレンジでは、2速及び1速が達
成され、括弧付の○印で示す係合が追加され、エンジン
ブレーキ作動が得られる状態となる。
【0045】本発明の特徴に従い、制御装置は、自動変
速機3の変速開始から変速終了まで、摩擦係合要素の係
合又は解放に伴う入力回転数(NI )の変化により発生
して自動変速機3から車輪9に伝達されるイナーシャト
ルクが減少するように、モータジェネレータ4を制御す
る変速制御手段を有する。この制御手段は、電子制御装
置5に組み込まれた制御プログラムとして構成されてい
る。以下、変速制御手段としてのこの制御プログラムに
ついてフローチャートとタイミングチャートを参照して
説明する。
【0046】図5は、イナーシャトルクの全量をモータ
ジェネレータで吸収する場合の制御形態を示すもので、
まず、最初のステップS1で、自動変速機に常設のニュ
ートラルスタートスイッチの信号から、変速信号が出力
されたか否かで変速判断を行う。次にステップS2で、
入力回転センサで検出される入力回転数(NI )と、車
速センサで検出される車速(V)とそのときの変速段の
ギヤ比から算出される出力回転数から変速機の入出力回
転数を検出する。ステップS3では、スロットルセンサ
で検出されるスロットル開度(θ)とエンジン回転セン
サで検出されるエンジン回転数(NE )とに基づき、予
め設定されているエンジントルクマップ上でエンジント
ルクを読み取る。次に、ステップS4では、変速開始判
断として、変速機の入出力回転数(NI )及び変速機の
ギヤ段から、入力回転数が変化したか否かを判断する。
この判断は、変速が開始されるまで繰り返す。
【0047】このようにして変速開始判断が成立した
ら、先ずステップS5で、変速機の入力回転数の変化
(dN)を検出する。次に、ステップS6で、回転変化
(dN)によって生じるイナーシャトルク(Ti n a
を求める。ここに、Ti n a =I×(dN/dt)、た
だし、Iは慣性モーメント、dN/dtは単位時間当た
りの回転数変化すなわち回転変化率を表す。更に、次の
ステップS7で、回転変化(dN)によって生じるエン
ジンのトルク変動分(dTE / G )を求める。そして、
ステップS8で、前のステップS6とステップS7で求
めたイナーシャトルク(Ti n a )とトルク変動分(d
E / G )との合計トルク(TM / G )を出力させる指
令をモータジェネレータに発する。具体的には、インバ
ータによりモータジェネレータの制御電流値を変更す
る。そして、最後のステップS9で、この形態では、変
速機の入力回転変化が終了したか否かにより変速終了判
断を行う。
【0048】かくして、この制御形態では、図6のタイ
ミングチャートに示すように、変速開始と変速終了の判
断を共に、実際の入力回転数の変化により行い、図に斜
線を付して示すイナーシャトルクとエンジン(E/G)
トルクの変動分を全てモータジェネレータ(M/G)で
吸収するようにしているので、摩擦係合要素のトルク負
担をなくすことができる。なお、図において下方の屈曲
線は、摩擦係合要素の係合圧を制御すべく、電子制御装
置から油圧制御装置のリニアソレノイドに出力する係合
指令値、すなわち電流値の変化を示す。
【0049】次に、図7はモータジェネレータで吸収す
るトルク一定として、摩擦係合要素の係合圧をフィード
バック制御する場合の第2実施形態の制御フローを示
す。この形態では、ステップS10で変速判断が出力さ
れたか否かを検出する。次にステップS11で変速機の
入出力回転数を検出する。更に、ステップS12でスロ
ットル開度(θ)とエンジン回転数(NE )で予め設定
されているエンジントルクマップからエンジントルクを
読み取る。そして、ステップS13で、変速機の入出力
回転数及び変速機のギヤ段から、入力回転数が変化した
か否かを検出して変速開始判断とする。この処理は変速
が開始されるまで繰り返す。ここまでの制御は、上記第
1実施形態の場合と同様である。
【0050】次に、ステップS14で本制御が1回目か
否かを判断する。この判断が1回目の場合には、ステッ
プS15に進み、モータジェネレータに一定トルクを出
力するように指令する。このとき、一気に一定トルクを
出力させるのではなく、徐々にトルク出力を増加させる
スイープアップ後に一定トルクに保つ。一定トルク値
は、変速の種類、入力回転数(NI )、スロットル開度
(θ)等によって予め設定されている。そして、次のス
テップS16で、摩擦係合要素の係合圧を制御するリニ
アソレノイドの電流値(In)を初期値(I0 )に設定
する。ステップS17では、変速機の入力回転数の変化
(dN)を検出する(dN0 は回転変化初期値を表
す)。更に、ステップS18では、ステップS14での
判断が2回目以降の場合に、変速機の入力回転数の変化
(dN)を検出する。そして、ステップS19で前回の
回転変化dNn と今回の回転変化(dNn + 1 )との差
(A)を求める。更に、ステップS20でステップS1
9で求めた差(A)が、制御正常範囲内か否かを判断す
る。つまり、回転変化が大きいことで、変速が速くなり
変速ショックが大きくなり過ぎたり、また、回転変化が
小さいことで、変速が遅くなっていないかを判断する。
次のステップS21では、ステップS20でイエスの場
合には、変速がスムーズに進んでいることとなるので、
係合圧を制御するリニアソレノイドの電流値をそのまま
保つ。そして、ステップS22で、ステップS20でノ
ーの場合には、回転変化が制御範囲になるようにリニア
ソレノイドの電流値をdIだけ変更する。つまり、回転
変化の差(A)が上限値を超える場合には、変速を遅ら
せる方向に、また、下限値を下回る場合には、変速を速
める方向に電流値を変える。また、電流値の変更分(d
I)は、差(A)の値によって決定される。最後に、ス
テップS23で、変速機の入力回転変化が終了したか否
かで変速終了判断を行う。
【0051】このようにして、第2実施形態の制御で
は、一部のトルク吸収を摩擦係合要素に負担させること
トルク容量の小さなモータジェネレータを用いた制御を
可能としている。そして、トルク負担に伴い、摩擦係合
要素に過剰な負担がかからないように、変速開始から変
速終了までの時間を摩擦係合要素の係合圧の制御で調整
している。
【0052】次に、図8は変速開始をタイマによって判
断する本発明の第3実施形態を示す。この場合は、ステ
ップS30で変速判断されたか否かを検出する。ステッ
プS31では、変速判断された場合に、図6に示す係合
指令値は、まず初めに係合する摩擦係合要素のピストン
ストローク分をつめる初期値(昇圧)が出力され、次に
低圧値、そして実際に係合させるために高めていく上昇
値が出力される。その係合指令値がどこまで出力されて
いるかを検出する。なお、各指令値及び時間は、係合す
る各摩擦係合要素ごとに決められている。ちなみに、図
4の係合図表を参照して明らかなように、1→2変速の
場合に係合する摩擦係合要素はブレーキB2、2→3変
速のときのそれはクラッチC2、3→4変速のときのそ
れはブレーキB0となり、4→3変速の場合に係合する
摩擦係合要素はクラッチC0となる。そして、ステップ
S32で低圧値から上昇値に移ったところで、ピストン
ストロークが終わって係合準備完了と判断し、タイマを
スタートさせる。更に、ステップS33〜35でタイマ
が所定時間(変速の種類によって設定されている)経過
するまで、変速機の入出力回転数(NI )と、エンジン
トルクを検出する。そして、タイマが所定時間経過した
ところで変速開始と判断する。なお、その後のステップ
S5〜S9は前記フローと同様となる。また、このタイ
マによる変速開始判断は、前記ステップS14〜S23
に従う制御フローと組み合わせて、この制御の変速開始
判断としてもよい。
【0053】以上、本発明を制御形態を変更した3つの
実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に
限らず、以下の形態で実施することもできる。 1.上記第3実施形態のタイマのスタートのタイミング
を、図6に符号Iで示すように変速判断と同時とするこ
とができる。 2.上記各実施形態について、変速終了の判断を、図6
に符号IIで示すように、入出力回転数差が所定値以下
になったときとすることができる。この場合、モータジ
ェネレータの出力を徐々に減少させるスイープダウンを
行う必要がある。こうした制御を必要とするのは、この
制御では、完全に変速が終了していないので、すぐモー
タジェネレータの出力を停止させると、イナーシャトル
クが残ってしまうからである。 3.上記第1実施形態において、モータジェネレータに
よるトルク吸収精度を更に向上させるために、イナーシ
ャトルクの計算に、摩擦材のμ特性を考慮してもよい。
すなわち、一般に摩擦係合要素の摩擦材のμ特性は、図
13に示すように係合度合いに応じて変化するため、変
速機が伝達する出力トルクも係合過程を通じて一定とは
ならない。そこで、この出力トルクが一定となるように
モータジェネレータによるトルク吸収量を時間とともに
変化させる制御を行うことで、摩擦係合要素の摩擦材の
μ特性によるトルク変化分を打ち消すわけである。
【0054】最後に、本発明の制御装置による制御が可
能な、パワートレインについて説明する。図9は、上記
第1実施形態の配置を更に簡略化してパワースプリット
装置をなくした変形形態を示し、この場合、モータジェ
ネレータ(M/G)4と自動変速機(T/M)3との間
に、クラッチC1が介装され、モータジェネレータ(M
/G)4とエンジン(E/G)1の間にクラッチCFが
介装されている。
【0055】次の、図10に示す変形形態では、エンジ
ン(E/G)1とモータジェネレータ(M/G)4は直
結され、モータジェネレータ4と自動変速機(T/M)
3との間に、ロックアップクラッチCLを備えるトルク
コンバータ(T/C)8と、クラッチC1が直列に配設
されている。こうした配置を採っても、前記第1の実施
形態と同様の制御を行うことができる。
【0056】これに対して、図11に示す変形形態は、
図10に示すモータジェネレータ(M/G)4とロック
アップクラッチCLを備えるトルクコンバータ(T/
C)8の位置を入れ替えたものである。この場合、クラ
ッチCFをエンジン(E/G)1とモータジェネレータ
(M/G)4の間か、トルクコンバータ(T/C)8と
モータジェネレータ(M/G)4との間のいずれかに直
列に配設する必要がある。
【0057】以上、本発明を3つの実施形態について部
分的変更形態も含めて説明したが、本発明は、特許請求
の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で種々に細
部の具体的な構成を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用駆動装置の第1実施形
態の構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】上記実施形態のパワートレインを示すスケルト
ン図である。
【図3】上記実施形態の車両用駆動装置の作動及び係合
図表である。
【図4】上記実施形態のパワートレイン中の自動変速機
の係合図表である。
【図5】上記実施形態の変速制御手段の制御プロセスを
示すフローチャートである。
【図6】上記制御のタイミングチャートである。
【図7】第2実施形態の変速制御手段の制御プロセスを
示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態の変速制御手段の制御プロセスを
示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態の車両用駆動装置のパワートレイ
ンを概略化して示すブロック図である。
【図10】パワートレインの変形形態を示すブロック図
である。
【図11】パワートレインの更に他の変形形態を示すブ
ロック図である。
【図12】一般的なエンジンのトルク特性図である。
【図13】一般的な摩擦係合要素の摩擦材のμ特性図で
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 3 変速機(自動変速機) 4 モータジェネレータ 5 電子制御装置 9 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F16H 59:14 59:42 59:46

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと、 該エンジンの動力を車輪に伝達する変速機と、 モータとして前記エンジンを駆動するとともに変速機を
    介して車輪を駆動し、 ジェネレータとして前記エンジン又は車輪からのエネル
    ギを回収するモータジェネレータとを備える車両用駆動
    装置であって、 前記エンジンと、モータジェネレータと、変速機とを制
    御装置により制御する車両用駆動装置の制御装置におい
    て、 前記変速機は、摩擦係合要素の係合又は解放により複数
    の変速段を達成する有段変速機とされ、 前記制御装置は、前記変速機の変速開始から変速終了ま
    で、前記摩擦係合要素の係合又は解放に伴う入力回転数
    の変化により発生して変速機から車輪に伝達されるイナ
    ーシャトルクが減少するように、前記モータジェネレー
    タを制御する変速制御手段を有することを特徴とする、
    車両用駆動装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速制御手段は、イナーシャトルク
    を演算し、演算したトルクをモータジェネレータに出力
    させる、請求項1記載の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンと、 該エンジンの動力を車輪に伝達する変速機と、 モータとして前記エンジンを駆動するとともに変速機を
    介して車輪を駆動し、ジェネレータとして前記エンジン
    又は車輪からのエネルギを回収するモータジェネレータ
    とを備える車両用駆動装置であって、 前記エンジンと、モータジェネレータと、変速機とを制
    御装置により制御する車両用駆動装置の制御装置におい
    て、 前記変速機は、摩擦係合要素の係合又は解放により複数
    の変速段を達成する有段変速機とされ、 前記制御装置は、前記変速機の変速開始から変速終了ま
    で、前記摩擦係合要素の係合又は解放に伴う入力回転数
    の変化により発生して変速機から車輪に伝達されるイナ
    ーシャトルク及びエンジントルクのトルク変動分が減少
    するように、モータジェネレータを制御する変速制御手
    段を有することを特徴とする、車両用駆動装置の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記変速制御手段は、前記イナーシャト
    ルク及びトルク変動分を演算し、演算したトルクをモー
    タジェネレータに出力させる、請求項3記載の車両用駆
    動装置の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変速制御手段は、前記モータジェネ
    レータに一定トルクを出力させるとともに、入力回転数
    の変化率が一定となるように、前記摩擦係合要素の係合
    圧又は解放圧を制御する、請求項1又は3記載の車両用
    駆動装置の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記変速制御手段は、変速開始を入力回
    転数の変化開始とする、請求項1〜5のいずれか1項記
    載の車両用駆動装置の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変速制御手段は、変速開始を変速判
    断から所定時間経過後とする、請求項1〜5のいずれか
    1項記載の車両用駆動装置の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記変速制御手段は、変速終了を入出力
    回転数同期後とする、請求項1〜7のいずれか1項記載
    の車両用駆動装置の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記変速制御手段は、変速終了を入出力
    回転数差が所定値以下となったときとする、請求項1〜
    7のいずれか1項記載の車両用駆動装置の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記変速制御手段は、変速終了後、前
    記モータジェネレータの出力トルクをスイープダウンさ
    せる、請求項9記載の車両用駆動装置の制御装置。
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