JPH0933554A - 非接触流速検出器 - Google Patents

非接触流速検出器

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JPH0933554A
JPH0933554A JP18246095A JP18246095A JPH0933554A JP H0933554 A JPH0933554 A JP H0933554A JP 18246095 A JP18246095 A JP 18246095A JP 18246095 A JP18246095 A JP 18246095A JP H0933554 A JPH0933554 A JP H0933554A
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magnetic flux
flow velocity
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conductive fluid
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Kazuo Ideue
和夫 井出上
Noriyuki Kawada
則幸 川田
Tatsufumi Aoi
辰史 青井
Yoshio Nakajima
義夫 中島
Toshiaki Okimura
利昭 沖村
Koji Akiyama
浩二 秋山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱信号を容易・確実に除いて溶鋼流速を正
確に検出する。 【解決手段】 発振器12の交流電圧を励磁コイル5に
印加することにより、磁束が生じ、この磁束はコア4を
介して流動する溶鋼2に入射される。これにより、検出
コイル6には、流速を示す流速電圧ev と、外乱である
静止成分電圧es及びアンバランス電圧eo が生じる。
コア4及びコイル5,6は、モータ10の駆動により正
・逆方向位置に交互に位置する。位相整流回路14によ
り位相整流することにより静止成分電圧es を分離で
き、演算回路15により、正方向位置のときの電圧eo
+ev と逆方向位置のときの電圧eo −ev を、減算・
除算して流速電圧ev を取り出せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非接触流速検出器に
関し、連続鋳造設備のモールド内の溶鋼流速を検出する
ことなどに適用して有効なものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備におけるモールド内の溶鋼
の流速を測定するために、非接触流速検出器(渦電流式
流速計)が用いられている。ここで従来の非接触流速検
出器の代表的な例を、図11を基に説明する。
【0003】図11に示すように、励磁コイル01は交
流電源02により励磁されて磁束Φ o を発生する。一対
の検出コイル03,04は、その軸方向Aが磁束Φo
直方する状態で、励磁コイル01に配置されている。検
出コイル03,04は差動接続されており、検出コイル
03,04に生じた差電圧が増幅器05で増幅されて出
力される。この流速検出器は、磁束Φo が溶鋼06の表
面に直交して入射する状態で取り付けられる。なお溶鋼
06は矢印B方向に流れている。
【0004】上記構成となっている従来の非接触流速検
出器の作用を、構成図である図11,溶鋼06を表面側
から見た図12及び波形図である図13を参照して説明
する。
【0005】励磁コイル01で生じた磁束Φo が、溶鋼
06と鎖交することにより、溶鋼06に渦電流is が流
れる。また磁束Φo が入射している溶鋼06が移動する
ため、磁束Φo と溶鋼06が相対移動して、溶鋼06に
電流−iv ,iv が流れる。この電流−iv ,iv によ
り磁束Φiv,−Φivが生じ、この磁束Φiv,−Φivが差
動型の検出コイル03,04に鎖交して検出コイル0
3,04に電圧(詳細後述)が生じる。この電圧が増幅
器05で増幅され速度信号として出力される。
【0006】なおレンツの法則に従い、渦電流is によ
り磁束Φo を妨げる磁束Φs が生じる。図13(a)は
磁束Φs に対する渦電流is の分布を側面から見た状態
を示し、図13(b)は磁束Φiv,−Φivに対する電流
−iv ,iv の分布を側面から見た状態を示す。
【0007】ここで図14を参照して、従来の非接触流
速検出器に生じる、電圧,電流,磁束の関係をまとめて
示す。 (a)励磁コイル01には、交流の電圧Vが印加される
(図14(a))。 (b)励磁コイル01には、電圧Vに対して90°遅れ
た電流iが流れる(図14(b))。 (c)励磁コイル01から、電流iと同相の磁束Φo
生じる(図14(c))。 (d)検出コイル03,04には、磁束Φo が鎖交する
ことにより、磁束Φo に対して90°遅れた電圧e0
生じる(図14(d))。 (e)溶鋼06には、磁束Φo が入射することにより、
渦電流is が流れる(図14(e))。 (f)溶鋼06には、溶鋼06が磁束Φo に対して相対
移動することにより、電流iv (−iv ,iv )が流れ
る(図14(f))。なおlは導体の長さ、即ち、コイ
ルの大きさである。 (g)渦電流is により、磁束Φo を妨げる磁束Φs
生じる(図14(g))。 (h)電流iv (−iv ,iv )により磁束Φ
iv(Φiv,−Φiv)が生じる(図14(h))。 (i)検出コイル03,04には、磁束Φs が鎖交する
ことにより電圧es が生じる(図14(i))。 (j)検出コイル03,04には、磁束Φivが鎖交する
ことにより電圧ev が生じる(図14(j))。
【0008】結局、上記(d)(i)(j)からわかる
ように、差動接続された検出コイル03,04間には、
次式(1)で示す検出電圧eが生じる。
【0009】
【数1】
【0010】上記式(1)において電圧eo ,es は、
溶鋼06の流速を示すものではなく、外乱信号である。
そこで外乱信号である電圧eo ,es を除くため、次の
ような手段を施こしている。
【0011】即ち、アンバランス電圧eo (=−ndΦ
o /dt)は、検出コイル03,04のアンバランスに
より生じるものであるため、このアンバランスをなくし
磁束Φo により検出コイル03,04に生じる電圧をほ
ぼ等しくして、アンバランス電圧eo が最小となるよう
に検出コイル03,04を設置し、更に残電圧は電気的
にキャンセルしている。
【0012】静止成分電圧es は溶鋼が流れていなくて
も生じる電圧であり、流速電圧evに対して位相が90
°違っている。このように位相が90°違っていること
を利用して、位相整流回路により、電圧es 成分を分離
(除去)し、溶鋼06の流速を示す流速電圧ev 成分の
みを取り出すようにしていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来技術
では次のような問題があった。 (1)熱的な変形により励磁コイル01と検出コイル0
3,04との位置関係がズレると、大きなアンバランス
電圧eo が生じる。このアンバランス電圧eo は流速電
圧ev と逆相(180°の位相ズレ)になっているた
め、位相整流回路を用いても、アンバランス電圧eo
流速電圧ev から除くことはできない。よってこのアン
バランス電圧eo によりドリフトが生じることがあっ
た。 (2)非接触溶鋼流速検出器と溶鋼06との間隔である
ギャップGが変化すると、溶鋼06の流速が一定であっ
ても、流速電圧ev の値が変化してしまい、流速の検出
精度がわるかった。 (3)温度ドリフト等によりアンバランス電圧eo が大
きくなると、この電圧e o の値が信号処理系のレンジを
オーバーし、測定不可となるおそれがあった。
【0014】本発明は、上記従来技術に鑑み、アンバラ
ンス電圧を確実に分離除去し、ギャップ変化があっても
精度よく流速検出でき、更に温度ドリフト等が生じても
測定のできる非接触溶鋼流速検出器を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、発振器による交流電圧が印加されることに
より励磁されて磁束を発生する励磁コイルと、励磁コイ
ルで発生した磁束を導いて、被検査物である流動する導
電性流体に入射させるコアと、導電性流体に入射する磁
束を妨げる方向に生じた磁束が鎖交することにより発生
する静止成分電圧と、コアから入射された磁束に対して
導電性流体が相対移動することにより生じた磁束が鎖交
することにより発生する流速電圧と、励磁コイルで生じ
た磁束が鎖交することにより発生するアンバランス電圧
を検出する検出コイルと、励磁コイル,コア及び検出コ
イルを、それらの一端が導電性流体の上流側に向き他端
が導電性流体の下流側に向く正方向位置と、他端が導電
性流体の上流側に向き一端が導電性流体の下流側に向く
逆方向位置とに、交互に位置するよう回転させる回転機
構と、検出コイルで検出した検出電圧に対して位相整流
をすることにより静止成分電圧を分離・除去してアンバ
ランス電圧と流速電圧を出力する位相整流回路と、位相
整流回路からアンバランス電圧と流速電圧が送られてお
り、正方向位置のときに得られたアンバランス電圧と流
速電圧から、逆方向位置のときに得られたアンバランス
電圧と流速電圧を減算し、この減算値を2で割ることに
より流速電圧を取り出す演算回路と、でなることを特徴
とする。
【0016】また本発明の構成は、低周波発振器による
低周波交流電圧及び高周波発振器による高周波電圧が印
加されることにより励磁されて低周波磁束及び高周波磁
束を発生する励磁コイルと、励磁コイルで発生した低周
波磁束及び高周波磁束を導いて、被検査物である流動す
る導電性流体に入射させるコアと、導電性流体に入射す
る低周波磁束を妨げる方向に生じた磁束が鎖交すること
により発生する静止成分電圧と、コアから入射された低
周波磁束に対して導電性流体が相対移動することにより
生じた磁束が鎖交することにより発生する流速電圧と、
励磁コイルで生じた低周波磁束が鎖交することにより発
生するアンバランス電圧と、高周波磁束を原因として生
起した磁束が鎖交することにより発生するギャップ信号
電圧とを検出する検出コイルと、励磁コイル,コア及び
検出コイルを、それらの一端が導電性流体の上流側に向
き他端が導電性流体の下流側に向く正方向位置と、他端
が導電性流体の上流側に向き一端が導電性流体の下流側
に向く逆方向位置とに、交互に位置するよう回転させる
回転機構と、検出コイルで検出され低周波フィルタを通
して得られた静止成分電圧,流速電圧及びアンバランス
電圧に対して位相整流をすることにより静止成分電圧を
分離・除去してアンバランス電圧と流速電圧を出力する
位相整流回路と、位相整流回路からアンバランス電圧と
流速電圧が送られており、正方向位置のときに得られた
アンバランス電圧と流速電圧から、逆方向位置のときに
得られたアンバランス電圧と流速電圧を減算し、この減
算値を2で割ることにより流速電圧を取り出す演算回路
と、検出コイルで検出され高周波フィルタを通して得ら
れたギャップ信号電圧の値を基にコアと導電性流体の間
のギャップ変化を検出し、ギャップ変化に併う流速電圧
の変化を補正するように演算回路で取り出した流速電圧
を補正して流速信号を求めるギャップ変化補正回路と、
でなることを特徴とする。
【0017】更に本発明の構成は、低周波発振器による
低周波交流電圧及び高周波発振器による高周波電圧が印
加されることにより励磁されて低周波磁束及び高周波磁
束を発生する励磁コイルと、励磁コイルで発生した低周
波磁束及び高周波磁束を導いて、被検査物である流動す
る導電性流体に入射させるコアと、導電性流体に入射す
る低周波磁束を妨げる方向に生じた磁束が鎖交すること
により発生する静止成分電圧と、コアから入射された低
周波磁束に対して導電性流体が相対移動することにより
生じた磁束が鎖交することにより発生する流速電圧と、
励磁コイルで生じた低周波磁束が鎖交することにより発
生するアンバランス電圧と、高周波磁束を原因として生
起した磁束が鎖交することにより発生するギャップ信号
電圧とを検出する検出コイルと、励磁コイル,コア及び
検出コイルを、それらの一端が導電性流体の上流側に向
き他端が導電性流体の下流側に向く正方向位置と、他端
が導電性流体の上流側に向き一端が導電性流体の下流側
に向く逆方向位置とに、交互に位置するよう回転させる
回転機構と、検出コイルで検出され低周波フィルタを通
して得られた電圧の値を抑制して出力する検出電圧抑制
回路と、検出電圧抑制回路から出力される電圧に対して
位相整流をすることにより静止成分電圧を分離・除去し
た電圧を出力する位相整流回路と、位相整流回路から電
圧が送られており、正方向位置のときに得られた電圧か
ら、逆方向位置のときに得られた電圧を減算し、この減
算値を2で割ることにより流速電圧を取り出す演算回路
と、検出コイルで検出され高周波フィルタを通して得ら
れたギャップ信号電圧の値を基にコアと導電性流体の間
のギャップ変化を検出し、ギャップ変化に併う流速電圧
の変化を補正するように演算回路で取り出した流速電圧
を補正して流速信号を求めるギャップ変化補正回路と、
でなることを特徴とする。
【0018】第1の発明では、コア及びコイルを、正方
向位置と逆方向位置に交互に位置させているため、検出
電圧を位相整流した後に、正方向位置のときの値と逆方
向位置のときの値を演算することにより、流速電圧が取
り出せる。
【0019】第2の発明では、更に、ギャップ変化によ
り流速電圧が変化しても、正確な流速検出ができる。
【0020】第3の発明では、更に、アンバランス電圧
の値を制御することにより、大きな温度ドリフトが生じ
ても流速検出ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づき詳細に説明する。
【0022】<第1実施例>図1は本発明の第1実施例
に係る非接触流速検出器を示し、この例では溶鋼流速の
検出のために用いる。同図に示すように、収納ケース1
の下面、つまり溶鋼2に対向する面は、非導電性の断熱
板3で塞がれている。収納ケース1と断熱板3で囲まれ
た空間にはC型コア4が設置され、このC型コア4には
励磁コイル5が備えられている。またC型コア4を囲む
状態で検出コイル6が備えられている。なお溶鋼2はB
方向に流れている。またGはギャップである。
【0023】収納ケース1の上端部には、回転シール7
を介して管体8が回転自在に接続されており、冷却媒体
(空気など)が管体8を介して収納ケース1内に送られ
て冷却をするようになっている。
【0024】更に収納ケース1の上部にはギア9が固定
されており、モータ10による回転力がギア11を介し
てギア9に伝わる。したがってモータ10を正逆回転す
ることにより、収納ケース1ひいてはコア4及びコイル
5,6が正逆回転する。この結果、図1のII−II断面で
ある図2(a)(b)に示すように、モータ10を正逆
回転させることにより、溶鋼2の流れ方向Bに対して、
C型コイル4の上流サイドUを溶鋼上流側に位置させ且
つ下流サイドDを溶鋼下流側に位置させる正方向位置
(図2(a))とすることも、C型コイル4の下流サイ
ドDを溶鋼上流側に位置させ且つ上流サイドUを溶鋼下
流側に位置させる逆方向位置(図2(b))とすること
もできる。
【0025】一方、励磁コイル5には、発振器12で発
振し増幅器13で増幅された交流の電圧Vが印加され
る。また検出コイル6で検出した電圧は、位相整流回路
14に送られる。この位相整流回路14は、発振器12
及び演算器15に接続されている。
【0026】本実施例では、モータ10を正逆回転して
この検出器のコア4及びコイル5,6の位置を、正方向
位置(図2(a))及び逆方向位置(図2(b))に交
換に切り換えつつ流速検出をする。このとき検出器に生
じる電圧,電流,磁束は図3に示すようになる。図3に
おいて、(正)の欄の波形は正方向位置にしたときの波
形を示し、(逆)の欄の波形は逆方向位置にしたときの
波形を示す。
【0027】図3の波形について更に説明すると、励磁
コイル5に交流の電圧Vを印加すると(a)、励磁コイ
ル5には電圧Vに対して90°遅れた電圧iが流れ
(b)、電流iと同相な磁束Φo がC型コア4から発生
する(c)。検出コイル6には、磁束Φo が鎖交するこ
とにより、磁束Φo に対し90°遅れたアンバランス電
圧eo が発生する(d)。
【0028】溶鋼2には、磁束Φo が入射することによ
り渦電流is が生じる(e)と共に、溶鋼2が移動して
磁束Φo と相対移動することにより電流iv が流れる
(f)。渦電流is により磁束Φo を妨げる磁束Φs
生じ(g)、電流iv により磁束Φivが生じる(h)。
【0029】更に検出コイル6には、磁束Φs が鎖交す
ることにより静止成分電圧es が発生し(i)、磁束Φ
ivが鎖交することにより流速電圧ev が発生する。
【0030】図3の(d)(i)(j)からわかるよう
に検出コイル6には次式(2)で示す検出電圧eが生じ
る。
【0031】 e=eo +es ±ev … (2) 但し eo :C型コア4と検出コイル6のズレ(変形を
含むズレ)で生じるアンバランス電圧 es :溶鋼2との電磁的誘導で生じる静止成分電圧(溶
鋼が流れていなくても生じる電圧) ev :溶鋼2の流速に応じて生じる流速電圧(正方向位
置のときは+ev 、逆方向位置のときは−ev となる)
【0032】位相整流回路14は、検出電圧eが入力さ
れると、発振器12から発振電圧を受けて位相整流をす
ることにより、検出電圧eから静止成分電圧es を分離
・除去する。つまり静止成分電圧es は、流速電圧ev
に対して90°の位相差があるので(図3(i)
(j))、位相整流をすることにより、静止成分電圧e
s を流速電圧ev から分離・除去できるのである。
【0033】位相整流回路14から出力される電圧波形
は図4に示すようになる。即ち、 (1)検出器が正方向位置(図2(a)の位置状態)に
なっているときの位相整流電圧v1 は、 v1 =eo +ev … (3) となる。 (2)検出器が逆方向位置(図2(b)の位置状態)に
なっているときの位相整流電圧v2 は、 v2 =eo −ev … (4) となる。
【0034】つまり検出器を正逆方向に変化させること
により、流速信号ev は+方向,−方向に変化するが
(図3(j)参照)、アンバランス電圧eo は変化しな
いので、上式(3)(4)の関係が生じるのである。な
おアンバランス電圧eo は、熱変形により漸増・漸減す
るが、ほぼ同一時点で検出器を正逆方向に変化させても
同一であることを、ここでは「eo は変化しない」と表
現している。
【0035】演算器15は次式(5)の演算をすること
により流速電圧ev を求める。 ev =(v1 −v2 )÷2 ={(eo +ev )−(eo −ev )}÷2 =2ev ÷2 … (5)
【0036】つまり演算器15は、位相整流回路14か
ら出力される電圧の最大値(つまりv1 )から最小値
(つまりv2 )を減算した値を、2で割ることにより、
アンバランス電圧eo を除去して流速電圧ev のみを取
り出すことができるのである。しかもアンバランス電圧
o が熱変形等により漸増・漸減しても、正方向から逆
方向に変化する1サイクル期間では電圧eo の値はほぼ
同じであるため、上式(5)の演算をすることにより、
アンバランス電圧eo をほぼ完全に除去できる。
【0037】このように第1実施例によれば、熱変形等
により検出コイル6の位置関係がアンバランスになって
も、アンバランス電圧eo を確実に除去して流速電圧e
v が求められる。そしてこの流速電圧ev が、溶鋼2の
流速を示す流速信号として出力される。
【0038】図5は第1実施例の変形例を示したもので
ある。この変形例では検出コイル6aをC型コア4の内
部中央に配置している。他の部分の構成・作用は第1実
施例と同じである。
【0039】<第2実施例>次に本発明の第2実施例に
係る非接触流速検出器を、図6を参照して説明する。な
お第1実施例(図1,図2)と同一機能を果たす部分に
は同一符号を付し、同一機能部の説明は省略し、第2実
施例に特有なものを中心に説明する。この第2実施例は
ギャップ変化に対する補正機能を付加したものである。
【0040】第2実施例では、低周波発振器20Lで発
生した低周波(100〜1000Hz)の交流電圧と、高
周波発振器20Hで発生した高周波(10〜100kHz
)の交流電圧を、加算増幅器21により加算・増幅し
てから励磁コイル5に印加している。このため励磁コイ
ル5には低周波電流及び高周波電流が流れて励磁コイル
5が励磁され、C型コア4から低周波磁束及び高周波磁
束が発生する。
【0041】C型コア4から発生した低周波磁束及び高
周波磁束は、溶鋼2に作用して溶鋼2に渦電流が生じ
る。更に溶鋼2に生じた渦電流による磁束と、C型コア
4による磁束が、検出コイル6に作用し、この検出コイ
ル6には低周波磁束による検出電圧e(=eo +es ±
v )と高周波磁束によるギャップ信号電圧eg が生じ
る。なお、第2実施例の検出器でも、コア4及びコイル
5,6が、第1実施例と同様に、正方向位置と逆方向位
置が交互に切り換えられつつ、流速検出をする。
【0042】バンドパスフィルタ22Lは、低周波域
(100〜1000Hz)の電圧信号を通過させる。した
がって検出電圧e(=eo +es ±ev )はバンドパス
フィルタ22を通過する。
【0043】位相整流回路14と演算回路15は、第1
実施例と同じ機能をはたす。即ち、位相整流回路14は
位相整流をすることにより静止成分電圧es を分離・除
去し、演算回路15は、位相整流電圧v1 (=eo +e
v )と位相整流電圧v2 (=eo −ev )との差の値
を、2で割ることにより、アンバランス電圧eo を除去
した流速信号ev を求める。
【0044】バンドパスフィルタ22Hは、高周波域
(10〜100kHz )の電圧信号を通過させる。したが
ってギャップ信号電圧eg はバンドパスフィルタ22H
を通り、更に整流回路23により直流のギャップ信号電
圧Eg となる。
【0045】図7に示すように、ギャップ信号電圧Eg
(eg )はギャップGが大きくなるにつれて、その値が
大きくなる。一方、流速電圧ev は、溶鋼2の流速が同
一であっても、ギャップGが大きくなるにつれてその値
が小さくなる。ここで流速電圧ev 及びギャップ信号電
圧Eg (eg )と、ギャップGとの関係について説明す
る。流速電圧ev は、溶鋼2に鎖交する磁束と流速に対
応するため、ギャップGが大きくなると溶鋼2に鎖交す
る磁束が減少し、その値(ev)は小さくなる。一方、
ギャップ信号電圧eg は、C型コア4を通る高周波磁束
に対応する。この高周波磁束の磁路の経路は、C型コア
→空気と溶鋼2との並列磁路→C型コア、となってい
る。このときギャップGが大きくなると溶鋼中を通る磁
束が減少し上記並列磁路(空気と溶鋼)の磁気抵抗が減
少し、結局、C型コア4の中を通る高周波磁束が増加
し、ギャップ信号電圧eg の値が大きくなる。
【0046】電圧Eg (eg ),ev とギャップGが上
述した関係にあるので、ギャップ変化補正回路24は、
ギャップ信号電圧Eg の値からギャップGの長さを求
め、ギャップGの長さ変化に応じて流速信号ev を補正
して、流速信号Vを求める。つまり、流速が同一であっ
ても、例えばギャップGが大きくなると流速信号ev
値が減少するので、ギャップ増大に応じて減少した分だ
け流速信号ev を増加させる補正をして、流速信号Vを
求める。
【0047】このように第2実施例では、ギャップGの
長さが変化しても、溶鋼2の流速を正確に検出すること
ができる。
【0048】<第3実施例>次に本発明の第3実施例に
係る非接触流速検出器を、図8を参照して説明する。な
お第2実施例(図6)と同一機能を果たす部分には同一
符号を付し、同一機能部の説明は省略し、第3実施例に
特有なものを中心に説明する。この第3実施例は、温度
ドリフト等により検出電圧eがシフトして信号処理系の
レンジを越えることによる誤動作を防止するため、検出
電圧eが常に最小になるように制御(抑制)することに
よって信号処理系のレンジを越えることなく常に正確な
流速測定ができるようにしたものである。
【0049】図8において、30は乗算器30a及び減
算器30bでなる0°成分キャンセル回路、31は乗算
器31a及び減算器31bでなる90°成分キャンセル
回路、32は加算回路、33は0°成分用の位相整流回
路、34は90°成分用の位相整流回路、35は0°成
分用の制御回路、36は0°成分用の制御回路である。
このうち回路30,31,32,35,36により検出
電圧抑制回路が構成されている。他の部分の構成は第2
実施例と同じである。
【0050】次に第3実施例の動作を説明する。第3実
施例では、検出コイル6に生じた低周波成分である検出
電圧e(=eo +es +ev )がバンドパスフィルタ2
2Lを通して出力される。この検出電圧eは、ベクトル
表示すると、図9に示すように0°成分電圧e(0)と
90°成分電圧e(90)となる。本実施例では、検出
電圧eを最小に抑えるために、−eに相当する電圧を加
えるように、次のような動作をする。
【0051】0°成分キャンセル回路30は、検出電圧
eのうち0°成分電圧eo (0)の値を抑制し、90°
成分キャンセル回路31は、検出電圧eのうち90°成
分電圧e(90)の値を抑制する。加算回路32は、キ
ャンセル回路30,31から出力された電圧を加える。
【0052】位相整流回路33は、加算回路32から出
力される電圧信号を位相整流することにより0°成分電
圧e(0)を分解し演算回路15に送る。図3の(a)
(j)からわかるように、流速電圧ev は励磁電圧Vに
対して同相または逆相となるので、0°成分電圧e
(0)中の流速電圧が流速を示すことになる。また位相
整流回路34は、加算回路32から出力される電圧信号
を位相整流することにより90°成分電圧e(90)を
分離する。
【0053】制御回路35は、位相整流回路33の出力
値を検出し、この出力値が設定値(零)となるように、
0°成分キャンセル回路30における抑制量を制御す
る。制御回路36は、位相整流回路34の出力値を検出
し、この出力値が設定値(零)となるように、90°成
分キャンセル回路31における抑制量を制御する。つま
り、位相整流回路33から出力される0°成分電圧e
(0)に制御回路35にて所定倍(K1 倍)した値を求
め、K1 倍した0°成分電圧K1 e(0)に乗算器30
aにて0°の基準信号を乗算することにより−e(0)
が求まり、これを加算器30bにて検出電圧eに加える
ことにより0°成分電圧の抑制ができる。同様に、位相
整流回路34から出力される90°成分電圧e(90)
に制御回路36にて所定倍(K2 倍)した値を求め、K
2 倍した90°成分電圧K2 e(90)に乗算器31a
にて90°の基準信号を乗算することにより−e(9
0)が求まり、これを加算器31bにて検出電圧eに加
えることにより90°成分電圧の抑制ができる。
【0054】演算回路15は、抑制された位相整流電圧
(0°成分電圧e(0))v1 (=eo +ev )と位相
整流電圧v2 (=eo −ev )との差の値を、2で割る
ことにより、アンバランス電圧eo を除去した流速信号
v を求める。
【0055】ギャップ補正回路24は、ギャップ信号電
圧Eg の値に応じて流速電圧ev を補正して、ギャップ
Gの変動による値ズレを補正した流速信号Vを出力す
る。
【0056】本実施例では、抑制された位相整流電圧v
1 ,v2 (つまり0°成分電圧e(0))が演算回路1
5に入るため、位相整流電圧v1 ,v2 の値が、演算回
路15のレンジを越えることはない。つまり検出電圧の
抑制をしないと、図10に点線で示すように位相整流電
圧eo ±ev がドリフトして飽和してしまうが、本実施
例のように検出電圧の抑制をすると、図10に実線で示
すように位相整流電圧eo ±ev が飽和することなく、
常に正確な流速測定ができる。なお、検出電圧eの抑制
は、検出コイル6の回転にともなう信号変化よりも十分
長い時定数を持たせることにより、測定精度を低下させ
ないようにしている。つまり図10に示すように、抑制
をすると、信号は常に零となる方向へ抑えられるが、時
定数を長くすることにより精度低下を防いでいる。
【0057】
【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、検出コイルに生じた電圧のうち外乱
である静止成分電圧は、位相整流をすることにより分離
できる。またコア及びコイルを、正方向位置と逆方向位
置に交互に位置させているため、減算と除算演算をする
ことにより外乱であるアンバランス電圧をキャンセルし
て流速電圧のみを取り出すことができる。しかも減算・
除算演算をしているため、アンバランス電圧の値が漸増
・漸減しても、アンバランス電圧を確実にキャンセルす
ることができ、熱的変形が生じても正確な流速検出がで
きる。
【0058】また高周波磁束を利用してギャップ変動を
求め、ギャップ変動に応じて流速電圧を補正して流速信
号としているので、ギャップ変動が生じても正確な流速
検出ができる。
【0059】更に、検出電圧を抑制することにより、大
きな温度ドリフトが生じても、正確な流速検出ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図。
【図2】図1のII−II矢印方向から見た構成図。
【図3】第1実施例における電圧,電流,磁束の状態を
示す波形図。
【図4】第1実施例の位相整流回路の出力を示す波形
図。
【図5】第1実施例の変形例を示す構成図。
【図6】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図7】第2実施例におけるギャップと信号との関係を
示す特性図。
【図8】本発明の第3実施例を示す構成図。
【図9】アンバランス電圧を示すベクトル図。
【図10】ドリフト抑制した場合とドリフト抑制をしな
い場合の位相整流電圧を示す波形図。
【図11】従来技術を示す構成図。
【図12】従来技術における磁束と電流の関係を示す説
明図。
【図13】従来技術における磁束と電流との関係を示す
特性図。
【図14】従来技術における電圧,電流,磁束の関係を
示す波形図。
【符号の説明】 1 収納ケース 2 溶鋼 3 断熱板 4 C型コア 5 励磁コイル 6,6a 検出コイル 7 回転シール 8 管体 9,11 ギア 10 モータ 12 発振器 13 増幅器 14 位相整流回路 15 演算回路 20L 低周波発振器 20H 高周波発振器 21 加算増幅器 22L,22H バンドパスフィルタ 23 整流回路 24 ギャップ変化補正回路 30 0°成分キャンセル回路 31 90°成分キャンセル回路 32 加算回路 33,34 位相整流回路 35,36 制御回路 e 検出電圧 ev 流速電圧 eo アンバランス電圧 es 静止成分電圧 v1 ,v2 位相整流電圧 U 上流サイド D 下流サイド eg ,Eg ギャップ信号電圧 V 流速信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青井 辰史 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 中島 義夫 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 沖村 利昭 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 秋山 浩二 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振器による交流電圧が印加されること
    により励磁されて磁束を発生する励磁コイルと、 励磁コイルで発生した磁束を導いて、被検査物である流
    動する導電性流体に入射させるコアと、 導電性流体に入射する磁束を妨げる方向に生じた磁束が
    鎖交することにより発生する静止成分電圧と、コアから
    入射された磁束に対して導電性流体が相対移動すること
    により生じた磁束が鎖交することにより発生する流速電
    圧と、励磁コイルで生じた磁束が鎖交することにより発
    生するアンバランス電圧を検出する検出コイルと、 励磁コイル,コア及び検出コイルを、それらの一端が導
    電性流体の上流側に向き他端が導電性流体の下流側に向
    く正方向位置と、他端が導電性流体の上流側に向き一端
    が導電性流体の下流側に向く逆方向位置とに、交互に位
    置するよう回転させる回転機構と、 検出コイルで検出した検出電圧に対して位相整流をする
    ことにより静止成分電圧を分離・除去してアンバランス
    電圧と流速電圧を出力する位相整流回路と、 位相整流回路からアンバランス電圧と流速電圧が送られ
    ており、正方向位置のときに得られたアンバランス電圧
    と流速電圧から、逆方向位置のときに得られたアンバラ
    ンス電圧と流速電圧を減算し、この減算値を2で割るこ
    とにより流速電圧を取り出す演算回路と、 でなることを特徴とする非接触流速検出器。
  2. 【請求項2】 低周波発振器による低周波交流電圧及び
    高周波発振器による高周波電圧が印加されることにより
    励磁されて低周波磁束及び高周波磁束を発生する励磁コ
    イルと、 励磁コイルで発生した低周波磁束及び高周波磁束を導い
    て、被検査物である流動する導電性流体に入射させるコ
    アと、 導電性流体に入射する低周波磁束を妨げる方向に生じた
    磁束が鎖交することにより発生する静止成分電圧と、コ
    アから入射された低周波磁束に対して導電性流体が相対
    移動することにより生じた磁束が鎖交することにより発
    生する流速電圧と、励磁コイルで生じた低周波磁束が鎖
    交することにより発生するアンバランス電圧と、高周波
    磁束を原因として生起した磁束が鎖交することにより発
    生するギャップ信号電圧とを検出する検出コイルと、 励磁コイル,コア及び検出コイルを、それらの一端が導
    電性流体の上流側に向き他端が導電性流体の下流側に向
    く正方向位置と、他端が導電性流体の上流側に向き一端
    が導電性流体の下流側に向く逆方向位置とに、交互に位
    置するよう回転させる回転機構と、 検出コイルで検出され低周波フィルタを通して得られた
    静止成分電圧,流速電圧及びアンバランス電圧に対して
    位相整流をすることにより静止成分電圧を分離・除去し
    てアンバランス電圧と流速電圧を出力する位相整流回路
    と、 位相整流回路からアンバランス電圧と流速電圧が送られ
    ており、正方向位置のときに得られたアンバランス電圧
    と流速電圧から、逆方向位置のときに得られたアンバラ
    ンス電圧と流速電圧を減算し、この減算値を2で割るこ
    とにより流速電圧を取り出す演算回路と、 検出コイルで検出され高周波フィルタを通して得られた
    ギャップ信号電圧の値を基にコアと導電性流体の間のギ
    ャップ変化を検出し、ギャップ変化に併う流速電圧の変
    化を補正するように演算回路で取り出した流速電圧を補
    正して流速信号を求めるギャップ変化補正回路と、 でなることを特徴とする非接触流速検出器。
  3. 【請求項3】 低周波発振器による低周波交流電圧及び
    高周波発振器による高周波電圧が印加されることにより
    励磁されて低周波磁束及び高周波磁束を発生する励磁コ
    イルと、 励磁コイルで発生した低周波磁束及び高周波磁束を導い
    て、被検査物である流動する導電性流体に入射させるコ
    アと、 導電性流体に入射する低周波磁束を妨げる方向に生じた
    磁束が鎖交することにより発生する静止成分電圧と、コ
    アから入射された低周波磁束に対して導電性流体が相対
    移動することにより生じた磁束が鎖交することにより発
    生する流速電圧と、励磁コイルで生じた低周波磁束が鎖
    交することにより発生するアンバランス電圧と、高周波
    磁束を原因として生起した磁束が鎖交することにより発
    生するギャップ信号電圧とを検出する検出コイルと、 励磁コイル,コア及び検出コイルを、それらの一端が導
    電性流体の上流側に向き他端が導電性流体の下流側に向
    く正方向位置と、他端が導電性流体の上流側に向き一端
    が導電性流体の下流側に向く逆方向位置とに、交互に位
    置するよう回転させる回転機構と、 検出コイルで検出され低周波フィルタを通して得られた
    電圧の値を抑制して出力する検出電圧抑制回路と、 検出電圧抑制回路から出力される電圧に対して位相整流
    をすることにより静止成分電圧を分離・除去した電圧を
    出力する位相整流回路と、 位相整流回路から電圧が送られており、正方向位置のと
    きに得られた電圧から、逆方向位置のときに得られた電
    圧を減算し、この減算値を2で割ることにより流速電圧
    を取り出す演算回路と、 検出コイルで検出され高周波フィルタを通して得られた
    ギャップ信号電圧の値を基にコアと導電性流体の間のギ
    ャップ変化を検出し、ギャップ変化に併う流速電圧の変
    化を補正するように演算回路で取り出した流速電圧を補
    正して流速信号を求めるギャップ変化補正回路と、 でなることを特徴とする非接触流速検出器。
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