JPH0935209A - 磁気ヘッド及びその製造方法ならびにそれらを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法ならびにそれらを用いた磁気記録再生装置

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JPH0935209A
JPH0935209A JP8116708A JP11670896A JPH0935209A JP H0935209 A JPH0935209 A JP H0935209A JP 8116708 A JP8116708 A JP 8116708A JP 11670896 A JP11670896 A JP 11670896A JP H0935209 A JPH0935209 A JP H0935209A
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magnetic
pair
cores
magnetic head
film
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JP8116708A
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Yoshiyasu Honma
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度磁気記録の実現のための狭トラック化
に適したトラックずれのない磁気へッドを、歩留まり良
く且つ低コストで提供する。 【解決手段】 磁気ギャップ材を介して向き合うように
対向配置され、一対のガラスブロックによって結合され
ている一対の磁性体コアを有する磁気ヘッドにおいて、
一対の磁性体コアの磁気テープスライド面の両側から、
トラック幅を規定する一対の切欠部を放電加工によって
形成する。このとき、一対の切欠部は、その界面が磁気
テープ走行時に磁気テープ上の記録パターンの端部より
外側に位置しないような形状を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に対
して情報信号の記録や再生を行う磁気へッド及びその製
造方法とそれらを用いた磁気記録再生装置とに関するも
のであり、特に、ディジタルVTR等に用いられる高密
度磁気記録用の狭トラック磁気へッド及びその製造方法
とそれらを用いた磁気記録再生装置とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディジタルVTRのように大容量の情報
信号を記録再生するには、狭トラック化や短波長化など
の高密度磁気記録再生技術が必要となる。高密度磁気記
録再生の実現のためには、記録媒体の保磁力を大きくす
る、或いは磁気へッドの飽和磁束密度(以下、Bsと略
称する)を大きくすると良いことが、一般に知られてい
る。
【0003】しかし、従来の磁気へッドの構成材料とし
て主流になっているフェライト材料は、Bsが0.5T
程度であって十分に大きくない。そのため、フェライト
材料から構成された従来の磁気ヘッドを80kA/m以
上の高保磁力を示すメタルテープに対して使用すると、
磁気飽和が起こって情報の記録及び再生が確実に行われ
ないことがある。
【0004】そこで現在では、フェライト材料よりもB
sの大きい材料であるセンダスト合金膜(Bs=約1.
0T)やCo系アモルファス膜(Bs=約0.8T〜約
1.1T)、さらにはBsが約1.3T以上であるCo
系超構造窒化合金膜、Fe系超構造窒化膜、或いはFe
系窒化膜など、新材料を用いた磁気へッドが提案されて
いる。それらの中でも、特に、主コアがフェライトから
なり、主コアの表面のうちで少なくとも前部ギャップ近
傍に磁性体の薄膜が形成されている複合型磁気へッド、
いわゆるMIGへッドの研究が盛んに行われている。
【0005】図13は、従来のMIGへッドの構造の一
例を示す斜視図である。
【0006】図13の従来のMIGヘッド500では、
一対の凸状磁性体コア502及び503が、磁気ギャッ
プ501を介して対向配置されている。磁性体コア50
2及び503のそれぞれは、フェライトからなる凸状の
コア本体504または505と、コア本体504または
505の表面に形成された高飽和磁束密度を有する磁性
体膜506または507と、を含んでいる。磁性体膜5
06及び507は、コア本体504及び505におい
て、磁気ギャップ501に面した突出端面とこれに続く
両サイド面とを覆うように形成されている。磁気ギャッ
プ501には非磁性体膜(以下、「ギャップ材」と称す
る。但し、図13には不図示)が設けられており、磁性
体コア502及び503は、ギャップ材を含む磁気ギャ
ップ501を介してお互いに突き合わされている。さら
に、このように突き合わされて配置された磁性体コア5
02及び503は、その両サイドに設けられた一対のガ
ラスブロック508及び509によって、相互に結合さ
れている。また、MIGヘッド500の中央付近には、
コイル挿通用の巻線窓510が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したMIGへッド
500は、狭トラック化の観点から考えると、両磁性体
コア502及び503の突き合わせ精度など製造上の誤
差や磁性体膜506及び507のトラックエッジ部での
丸みなどの影響で、卜ラック幅の形成精度が十分ではな
いことがある。また、トラック端を一義的に決定するこ
とができないために、組立時のトラック高さの調整工程
においても十分な精度が得られないことがある。これら
の原因によって、MIGヘッド500の製造にあたって
は、歩留まりの低下が生じることがある。
【0008】このような問題点を解決するために、本願
の出願人は、特開平7−220218号公報に開示され
ているMIGヘッドを提案している。図14には、その
MIGヘッド600の上面、すなわち磁気テープのスラ
イド面の構成を模式的に示している。
【0009】MIGヘッド600の基本的な構成は、先
に説明したMIGヘッド500の構成と同様であり、一
対の凸状磁性体コア602及び603が、磁気ギャップ
601を介して対向配置されている。磁性体コア602
及び603のそれぞれは、フェライトからなる凸状のコ
ア本体604または605と、コア本体604または6
05の表面に形成された高飽和磁束密度を有する磁性体
膜606または607と、を含んでいる。磁性体膜60
6及び607は、コア本体604及び605において、
磁気ギャップ601に面した突出端面とこれに続く両サ
イド面とを覆うように形成されている。磁気ギャップ6
01にはギャップ材としての非磁性体膜が設けられてお
り、磁性体コア602及び603は、ギャップ材を含む
磁気ギャップ601を介してお互いに突き合わされてい
る。さらに、このように突き合わされて配置された磁性
体コア602及び603は、その両サイドに設けられた
一対のガラスブロック608及び609によって、相互
に結合されている。
【0010】MIGヘッド600の磁気テープスライド
面には、トラック幅を規制する凸状加工部639とは別
に、両磁性体コア602及び603にわたって切欠部6
13a及び614aが設けられている。このような切欠
部613a及び614aを設けることによって、磁気ヘ
ッド600では、両磁性体コア602及び603の突き
合わせ精度に関連するトラックずれがなくなるととも
に、トラックエッジの丸みによる精度の悪化、いわゆる
フリンジも大幅に低減される。
【0011】しかし、このMIGへッド600の製造工
程においても、切欠部613a及び614aの加工工程
以後に数々のプロセスが実施されるので、ミクロオーダ
でみれば磁性体コア602及び603の間にトラックず
れが生じることがあり、十分な精度で所期のトラック幅
を確保することができないことがある。
【0012】さらに、磁性体コア602及び603の凸
状加工部639のサイド面では、ガラスブロック608
及び609と磁性体膜606及び607との間の界面
に、例えばSiO2、ZrO2、Ta25、ガラス、或い
はCrなどの材料、さらにはこれらの材料の複合体から
なる反応防止膜640が設けられていて、磁性体コア6
02及び603(より具体的には磁性体膜606及び6
07)とガラスブロック608及び609との間の化学
反応の発生を抑制している。しかし、切欠部613a及
び614aにおける磁性体膜606及び607とガラス
ブロック608及び609との界面には、そのような反
応防止膜640が設けられていない。そのため、両者の
間に化学反応が発生して、その結果としてトラックエッ
ジのぼけ等の問題が発生することがある。
【0013】以上のような問題によって、図14に示す
MIGヘッド600においても、トラック幅の精度に関
する解決すべき課題が依然として残されている。
【0014】一方、トラック幅の精度の改善は、これま
でにいくつかの先行技術で試みられている。
【0015】例えば、米国特許第4,110,902号
には、摺動面の上面からワイヤによってトラック幅を規
制する方法が開示されている。これは、摺動面の全体に
わたり一定のトラック幅に加工するものであるが、磁気
媒体の走行による耐摩耗性の問題が発生して、著しく磁
気特性が劣化する可能性がある。また、米国特許第3,
668,775号には、コア全体の寸法がトラック幅に
一致するように構成されている磁気ヘッドが開示されて
いる。しかし、この構成においても、磁気特性が著しく
劣化する可能性がある。さらに、磁気ヘッドチップの強
度が劣化することがある。
【0016】さらに、米国特許第5,298,113号
では、トラック近傍をバイトで加工する磁気ヘッドの製
造方法が開示されている。しかし、この方法では、磁気
へッドのうちで磁気記録再生を行うための要部である磁
気ギャップ部のエッジが損傷する可能性がある。そのよ
うな損傷の発生は磁気特性の劣化につながるものであ
り、磁気ヘッドの動作特性の観点から好ましくない。ま
た、加工精度の観点からも、約1μm以下の精度での加
工は困難であり、特に磁気ギャップの深さ方向に安定し
た加工精度を確保することに問題がある。
【0017】さらに、開示されているようなバイトを用
いた加工方法では、実際の加工に際しては、磁性体コア
にバイトを押し当てて所定の形状に加工しなければなら
ない。そのため、バー状態にある材料を加工することが
できずに量産化の達成に課題があることに加えて、加工
表面に加工変質層が生じることによって磁気特性の劣化
が生じ、所定の実効トラック幅を精度よく確保できない
という問題も生じる。
【0018】近年の磁気記録における記録密度の向上の
結果として、磁気ヘッドに対しては、約10μm以下の
トラック幅を±約0.5μm以下の精度で得ることが要
求されるようになっている。しかし、上述してきたよう
に、従来技術では、磁気特性を劣化させずに上記のよう
な要求を実現することはほとんど不可能である。
【0019】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、(1)磁気記録の高密度
化に対応できる狭トラックで高性能な磁気へッドを提供
すること、(2)上記のような狭トラックの磁気へッド
を歩留まり良く且つ低コストで製造する方法を提供する
こと、ならびに、(3)上記のような磁気ヘッド及びそ
の製造方法を利用することにより、狭トラックピッチに
適した磁気記録再生装置を提供すること、である。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドは、
凸状に加工された部分を有し、該凸状加工部が磁気ギャ
ップ材を介して向き合うように対向配置された一対の磁
性体コアと、該一対の磁性体コアの両サイドにそれぞれ
配置されて該一対の磁性体コアを結合している一対のガ
ラスブロックと、を備えていて、該一対の磁性体コアの
それぞれにおいて、少なくとも該凸状加工部の突出端面
に磁性体膜が形成され、該一対の磁性体コアの磁気テー
プスライド面において、トラック幅を規定する一対の切
欠部が該一対の磁性体コアの該凸状加工部の突き合わせ
部を両側から挟み込むように放電加工によって設けられ
ていて、該一対の切欠部は、その界面が磁気テープ走行
時に該磁気テープ上の記録パターンの端部より外側に位
置しないような形状を有しており、そのことによって上
記目的が達成される。
【0021】好ましくは、前記一対の切欠部が円弧状で
ある。さらに好ましくは、前記切欠部の円弧と磁気ギャ
ップとの交点における該円弧の接線が前記磁気テープの
走行方向と略平行になる。また、好ましくは、前記切欠
部の円弧の半径が、前記突出端面に設けられた前記磁性
体膜の最小厚さよりも小さい。
【0022】ある実施形態では、前記突出端面におい
て、前記磁性体膜と前記磁性体コアとの界面が前記磁気
ギャップの面に略平行である。
【0023】好ましくは、少なくとも前記一対の切欠部
と前記一対のガラスブロックとの界面に反応防止膜が設
けられている。
【0024】また、好ましくは、前記一対のガラスブロ
ックのそれぞれが、さらに磁気ヘッドの前記磁気テープ
スライド面に近く位置するフロントガラスブロック部と
該磁気ヘッドスライド面から遠く位置するバックガラス
ブロック部とを含み、該フロントガラスブロック部の軟
化点が該バックガラスブロック部の軟化点よりも低くな
るように設定されている。
【0025】本発明の他の局面によれば、磁気ヘッド
が、凸状に加工された部分を有し、該凸状加工部が磁気
ギャップ材を介して向き合うように対向配置された一対
の磁性体コアと、該一対の磁性体コアの両サイドにそれ
ぞれ配置されて該一対の磁性体コアを結合している一対
のガラスブロックと、を備えていて、該一対の磁性体コ
アの少なくとも一方において、少なくとも該凸状加工部
の突出端面に磁性体膜が形成され、該一対の磁性体コア
の磁気テープスライド面において、トラック幅を規定す
る一対の切欠部が該一対の磁性体コアの該凸状加工部の
突き合わせ部を両側から挟み込むように設けられてい
て、少なくとも該一対の切欠部と該一対のガラスブロッ
クとの界面に反応防止膜が設けられており、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0026】本発明のさらに他の局面によれば、磁気ヘ
ッドが、凸状に加工された部分を有し、該凸状加工部が
磁気ギャップ材を介して向き合うように対向配置された
一対の磁性体コアと、該一対の磁性体コアの両サイドに
それぞれ配置されて該一対の磁性体コアを結合している
一対のガラスブロックと、を備えていて、該一対の磁性
体コアの少なくとも一方において、少なくとも該凸状加
工部の突出端面に磁性体膜が形成され、該一対の磁性体
コアの磁気テープスライド面において、トラック幅を規
定する一対の切欠部が該一対の磁性体コアの該凸状加工
部の突き合わせ部を両側から挟み込むように設けられて
いて、該一対のガラスブロックのそれぞれが、さらに磁
気ヘッドの該磁気テープスライド面に近く位置するフロ
ントガラスブロック部と該磁気ヘッドスライド面から遠
く位置するバックガラスブロック部とを含み、該フロン
トガラスブロック部の軟化点が該バックガラスブロック
部の軟化点よりも低くなるように設定されており、その
ことによって上記目的が達成される。
【0027】上記構成を有する磁気ヘッドにおいて、好
ましくは、前記切欠部が放電加工により形成されてい
る。
【0028】また、好ましくは、前記一対の磁性体コア
のそれぞれがフェライトコアを含み、前記磁性体膜はそ
れぞれの該フェライトコアの表面に設けられていて、前
記一対の切欠部は該磁性体膜のみに形成されている。
【0029】ある実施形態では、巻線を施すための巻線
窓をさらに備え、前記一対の切欠部が該巻線窓に達して
いる。
【0030】さらに、本発明によれば、上述のような構
成上の特徴を有する磁気ヘッドを備える磁気記録再生装
置が提供される。
【0031】本発明のさらに他の局面によれば、凸状に
加工された部分と少なくとも該凸状加工部の突出端面に
設けられた磁性体膜とを含む一対の磁性体コアと、該磁
性体コアの前面に近く位置するフロントガラスブロック
部及び該磁性体コアの該前面から遠く位置するバックガ
ラスブロック部を含み一対の磁性体コアを結合するガラ
スブロックと、を備える磁気ヘッドの製造方法が、該突
出端面を磁気ギャップ材を介して突き合わせて対向配置
する第1の工程と、該一対の磁性体コアの磁気テープス
ライド面において、トラック幅を規定する一対の切欠部
を、該一対の磁性体コアの該凸状加工部の突き合わせ部
を両側から挟み込むように放電加工により設ける第2の
工程と、少なくとも該一対の切欠部の表面に、該磁性体
膜と該ガラスブロックとの間の化学反応を防止する反応
防止膜を形成する第3の工程と、該一対の磁性体コアの
所定の位置にあらかじめ設けられている溝にガラス材料
を熱処理により充填して該フロントガラスブロックを形
成する第4の工程と、を包含しており、そのことによっ
て上記の目的が達成される。
【0032】好ましくは、上記の磁気ヘッドの製造方法
は、前記切欠部の形成に先立って、前記一対の磁性体コ
アを前記バックガラスブロックでお互いに溶着する工程
をさらに包含する。
【0033】本発明のさらに他の局面によれば、凸状に
加工された部分と少なくとも該凸状加工部の突出端面に
設けられた磁性体膜とを含む一対の磁性体コアと、該磁
性体コアの前面に近く位置するフロントガラスブロック
部及び該磁性体コアの該前面から遠く位置するバックガ
ラスブロック部を含み一対の磁性体コアを結合するガラ
スブロックと、を備える磁気ヘッドの製造方法が、該突
出端面を磁気ギャップ材を介して突き合わせて対向配置
する第1の工程と、該一対の磁性体コアを前記バックガ
ラスブロックでお互いに溶着する第2の工程と、該一対
の磁性体コアの磁気テープスライド面において、トラッ
ク幅を規定する一対の切欠部を、該一対の磁性体コアの
該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込むように
放電加工により設ける第3の工程と、該一対の磁性体コ
アの所定の位置にあらかじめ設けられている溝にガラス
材料を熱処理により充填して該フロントガラスブロック
を形成する第4の工程と、を包含しており、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0034】好ましくは、前記フロントガラスブロック
の軟化点が前記バックガラスブロックの軟化点よりも低
く設定されていて、該フロントガラスブロックを熱充填
によって形成する工程の熱処理温度が該バックガラスブ
ロックの軟化点よりも低く設定されている。
【0035】また、好ましくは、前記切欠部を放電加工
で形成する工程において、円筒形状の放電加工電極を回
転させながら前記磁性体コアの端部を加工する。
【0036】ある実施形態では、前記切欠部を放電加工
で形成する工程において、放電加工電極の先端を少なく
とも巻線窓にまで到達させて前記磁性体コアの端部を加
工する。
【0037】さらに、本発明によれば、上述のような特
徴を有する製造方法によって形成された磁気ヘッドを備
える磁気記録再生装置が提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。
【0039】図1は、本発明のある実施形態における磁
気ヘッド100の構成を模式的に示す斜視図であり、図
2は、磁気ヘッド100の上面、すなわち磁気テープの
スライド面の構成を模式的に示す図である。
【0040】磁気へッド100では、磁気ギャップ1を
介して対向配置されている一対の凸状磁性体コア11及
び12が、一対のガラスブロックによってお互いに溶着
されて接合されている。磁気ギャップ1には、ギャップ
材40(図1には不図示、図2参照)が配されている。
一対のガラスブロックのそれぞれは、磁性体コア11及
び12の磁気テープスライド面に近く位置するフロント
ガラスブロック15a及び16aと、磁気テープスライ
ド面から離れて位置するバックガラスブロック15b及
び16bと、を含んでいる。
【0041】凸状磁性体コア11及び12のそれぞれ
は、その大部分を占めるフェライトコア17及び18
と、フェライトコア17及び18の凸状加工部39の突
出端面及びこれに続く両サイド面を覆うように形成され
ている高飽和磁束密度を有する磁性体膜19及び20
と、を含んでいる。両磁性体コア11及び12はさら
に、磁気ギャップ1を両側から挟み込むように設けられ
て、磁性体膜19及び20のみをトラックエッジ近傍に
おいて円弧上に切りそろえる切欠部13a及び14aを
含んでいる。切欠部13a及び14aは、凸状加工部3
9の突き合わせ部を両側から挟み込むように両磁性体コ
ア11及び12に渡って設けられている。これらの切欠
部13a及び14aは、磁気ヘッド100の上面、すな
わち磁気テープスライド面でのトラック幅Twを維持し
たままで、磁気ヘッド100の中央に設けられた巻線窓
21まで達している。なお、切欠部13a及び14a
は、フェライトコア17及び18にまで達するように設
けられてもよい。
【0042】磁気ヘッド100では、後にその製造工程
に関連してさらに詳しく説明するように、この切欠部1
3a及び14aが設けられていること、及びこれらの切
欠部13a及び14aの形成時に凸状磁性体コア11及
び12をガラスバックブロック15b及び16bで固定
することにより、トラックエッジにおける突き合わせず
れはミクロオーダでも生じない。
【0043】さらに、フロントガラスブロック15a及
び16aの軟化点がバックガラスブロック15b及び1
6bの軟化点よりも低くなるように両者の構成材料を選
択することによって、磁性体コア11及び12の突き合
わせずれをさらに一層低減することができる。これは、
このような材料選択によって、フロントガラスブロック
15a及び16aのモールド処理時の熱処理温度をバッ
クガラスブロック15b及び16bの軟化点よりも低く
設定することが可能になり、フロントガラスブロック1
5a及び16aのモールド処理時にバックガラスブロッ
ク15b及び16bが軟化しないからである。
【0044】さらに、磁気ヘッド100では、切欠部1
3a及び14aにおける磁性体膜19及び20とガラス
ブロックとの界面に、反応防止膜50(図1には不図
示、図2参照)が設けられている。これによって、切欠
部13a及び14aにおいて、磁性体膜19及び20と
ガラスブロックとが直接的に接することがなくなるの
で、両者の間の化学反応が生じない。このため、トラッ
クエッジの広がりが発生せず、トラックエッジが磁気的
にもシャープなものになる。
【0045】以上の結果、本発明による磁気ヘッド10
0では、トラック幅Twを高い精度で所期の値に規制す
ることが可能になる。
【0046】図3は、磁気ヘッド100の上面、即ち磁
気テープスライド面における磁気ギャップ1の近傍を模
式的に拡大して示す図であって、磁気テープ34の走行
方向を矢印によって示している。図示されているよう
に、一般にはアジマス記録を行うために、磁気テープ3
4は磁気へッド100の磁気ギャップ1に対して法線方
向に走行するのではなく、ある角度だけ傾いて走行す
る。なお、簡略化のために、図3には磁性体膜、反応防
止膜及びギャップ材は図示していない。
【0047】磁気ヘッド100では、切欠部13a及び
14aの円弧形状を、磁気ギャップ1と切欠部13a及
び14aとの交点Pにおける円弧の接線が、磁気テープ
34の走行方向と略平行になるように形成している。こ
れにより、磁気テープ34の上に形成される記録パター
ンの外側に切欠部13a及び14aとフロントガラスブ
ロック15a及び16aとの界面が接触走行することが
ない。この結果、この界面でのフリンジが発生せず、磁
気ヘッド100は狭トラックピッチでの磁気記録に適し
たものとなる。なお、本発明による磁気ヘッド100
は、アジマスの角度が何度である場合に対しても適用は
可能である。さらには、アジマス無しの磁気ヘッドに対
しても、本発明を適用することが可能である。
【0048】本発明の磁気ヘッド100の製造にあたっ
て、切欠部13a及び14aを放電加工で形成すること
により、加工表面における加工変質層の発生を低減する
とともに、加工表面の表面粗さを低減することができ
る。それにより、磁気ギャップ部のエッジの損傷、磁気
的特性の劣化、実効トラック幅精度の悪化などの問題が
発生せずに、高密度磁気記録に適した狭トラック磁気ヘ
ッドが供給される。また、上記のような放電加工によれ
ば、加工時に、磁性体コア11及び12など磁気ヘッド
100の構成材料に物理的な負荷が与えられない。その
ため、クラック等の発生が抑えられる。これに対して、
従来技術において行われているバイ卜等を用いた切削加
工では、磁性体コアなどの加工対象物に与える物理的負
荷が非常に高く、このような微細加工には向いていな
い。
【0049】さらに、放電加工時には、放電電極を回転
させながら、トラックエッジの側面から加工対象物に放
電電極を押し当てて加工することが好ましい。このよう
にすることにより、磁気ギャップ1の深さ方向でのトラ
ック幅の加工精度が安定する。さらに、放電電極として
直径の極めて小さい非常に細長い形状の電極を使用すれ
ば、加工対象物がバー状態であっても加工が可能になる
ので、磁気ヘッド100の量産化が実現できる。
【0050】上記のように、本発明によれば、高密度磁
気記録の実現のための狭トラック化に適したトラックず
れのない磁気へッド100が、歩留まり良く且つ低コス
トで提供される。また、磁気ヘッド100では、記録再
生フリンジも低減される。さらに、このような磁気ヘッ
ド100を用いることにより、デジタルVTRに適した
高密度記録再生装置が提供される。
【0051】磁気ヘッド100における磁性体膜19及
び20の材質としては、センダスト合金膜、Co系アモ
ルファス膜、Co系超構造窒化膜、Fe系超構造窒化
膜、或いはFe系窒化膜等が使用可能である。これらの
材料からなる膜を、蒸着、イオンプレーティング、或い
はスパッタリング等の真空薄膜形成技術によってフェラ
イトコア17及び18の表面に形成することによって、
磁性体膜19及び20が設けられる。
【0052】従来技術による磁気ヘッドの構成において
も、磁性体コアとフロントガラスブロックとの間の反応
防止効果を得るために、磁気ギャップの長さの半分ずつ
に相当する厚さを有する反応防止膜を、切欠部以外の部
分における磁性体コアのそれぞれの表面に設けることが
ある。しかし、このような従来技術の反応防止膜は、ギ
ャップ材としての機能を兼ね備えたものであり、切欠部
の形成に先立って、磁気ギャップの形成時に設けられる
ものである。磁気ギャップ長が狭くなっている最近の狭
ギャップ磁気ヘッドにおいては、上記のような反応防止
膜の厚さを磁気ギャップ長の半分よりも厚くすることが
困難であるために、反応防止効果が不十分である。これ
は、トラックエッジの広がりの問題には直接にはつなが
らないが、その一方で、フロントガラスブロックと磁性
体膜との間の相互拡散反応によるガラス強度の低下につ
ながり、磁気ヘッドの歩留まりの低下を引き起こす可能
性がある。
【0053】これに対して本発明によれば、反応防止膜
50を磁気ギャップ1の形成後に、ギャップ材40とは
別の構成要素として形成する。そのため、材質や膜厚と
もに任意に設定できて、形成上の自由度が高い。例え
ば、従来技術では、反応防止膜はギャップ材としての機
能もあわせ持たなければならないために、磁性体コアと
反応防止膜との間の熱膨張係数の差に起因する応力ひず
みによってクラックが発生することがある。本発明によ
れば、反応防止膜50の材質や膜厚を適切に選択するこ
とによってそのような問題の発生を抑制することができ
る。
【0054】ギャップ材40の構成材料としては、Si
2、ZrO2、Ta25、ガラス、Cr、或いはCr酸
化物、さらにはこれらの複合体などを用いることができ
る。
【0055】反応防止膜50は、切欠部13a及び14
aにおける磁性体膜19及び20の表面のみに設けても
よい。しかし、図2を参照して説明したように、切欠部
13a及び14a以外の部分40における磁性体膜19
及び20の表面にも反応防止膜50を設けることによっ
て、上述したような原因によるガラス強度の低下を同時
に抑制できる。反応防止膜50の構成材料としては、ギ
ャップ材40と同様に、SiO2、ZrO2、Ta25
ガラス、Cr、或いはCr酸化物、さらにはこれらの複
合体などを用いることができる。
【0056】次に、磁気へッド100の製造方法を、図
4〜図10を参照して説明する。
【0057】まず、その表面をラップ処理等により平行
度良く且つ平滑度良く加工した、例えばMn−Znフェ
ライトからなる一対の基板17及び18を用意する。基
板17及び18のそれぞれには、図4に示すように、複
数のトラック溝17a及び18aを回転砥石などにより
お互いに並行に形成する。これによって、完成状態の磁
気ヘッド100では一対のフェライトコア17及び18
を構成することになる構成要素が複数個含まれた形状
が、一対の基板17及び18に形成される。以下では、
このようなフェライトコア17及び18に相当する形状
が設けられた基板を「フェライトコア本体」と称し、説
明の明瞭化のために、フェライトコアと同じ参照番号1
7及び18を付する。
【0058】フェライトコア本体17及び18の少なく
とも一方には、コイル挿通用の巻線溝22を設ける。な
お、トラック溝17a及び18aは、完成状態の磁気へ
ッド100における凸状加工部39の形状を規定するも
のであり、巻線溝22は、完成状態の磁気へッド100
における巻線窓21に対応する。
【0059】次に、図5に示すように、フェライトコア
本体17及び18の一側面に、高飽和磁束密度の磁性体
膜19及び20を真空薄膜形成技術によって被着して形
成する。これによって、一対の磁性体コア本体11及び
12が完成する。ここで、「磁性体コア本体」とは、完
成状態の磁気ヘッド100で磁性体コア11及び12に
相当する構成要素が複数形成されている形状を示すもの
であり、説明の明瞭化のために、磁性体コアと同じ参照
番号11及び12を付する。
【0060】磁性体膜19及び20の構成材料として
は、センダスト合金膜、Co系アモルファス膜、Co系
超構造窒化膜、Fe系超構造窒化膜、或いはFe系窒化
膜などが使用できる。これらは、蒸着、イオンプレーテ
ィング、或いはスパッタリング等の真空薄膜形成技術に
よって形成される。
【0061】次に、一対の磁性体コア本体11及び12
のいずれか一方或いは双方に、磁気ギャップを形成する
ための膜状のギャップ材(不図示)を付設する。そし
て、このギャップ材を介して、両磁性体コア本体11及
び12を図6に示すように対向配置する。ギャップ材の
構成材料としては、SiO2、ZrO2、Ta25、ガラ
ス、Cr、或いはCr酸化物、さらにはこれらの複合体
などを用いることができる。
【0062】本発明によれば、磁気ギャップ部1の形成
後に反応防止膜50を付設するので、ギャップ材の構成
材料に、磁性体膜19及び20とフロントガラスブロッ
ク15a及び16aとの間の拡散反応の抑制機能を持た
せる必要がない。そのため、ギャップ材として最適な構
成材料の膜、例えばSiO2単体からなる膜やAuなど
の金属膜を用いることができる。これによって、磁気ギ
ャップ部の形成工程の数が減り、製造コストも削減でき
る。また、磁気ギャップを良好な状態で形成できて、そ
の結果として安定した電磁変換特性を得ることができ
る。
【0063】次に、図7のように、バックガラス棒23
を巻線溝22に挿入配置して、熱処理によって両磁性体
コア本体11及び12を溶着する。この熱処理によって
溶融したバックガラス棒23は、完成状態の磁気ヘッド
100におけるバックガラスブロック15b及び16b
を構成することになる。
【0064】次に、上述のバックガラス棒23を用いた
熱処理工程によってバック突き合わせ部がバックガラス
ブロック15b及び16bで溶着された状態にある一対
の磁性体コア本体11及び12に対して、図8のよう
に、放電電極25を各々のトラックサイドから近接させ
て放電を発生させる。この放電によって、切欠部13a
及び14aを形成する。このようにすると、上面でのト
ラック幅Twを維持したままで巻線溝22まで達する切
欠部13a及び14aが形成される。なお、切欠部13
a及び14aは、凸状加工部39の突き合わせ部を両側
から挟み込むように両磁性体コア本体11及び12に渡
って設けられる。
【0065】この際に、図8に示すように、放電電極2
5を円筒形状にして、さらに回転させながら放電加工す
ることにより、加工にともなう放電電極25の摩耗が均
一化される。また、加工時に放電電極25がたわまな
い。その結果、形成される切欠部13a及び14aの形
状が安定する。さらに、放電電極25の回転によって、
形成される切欠部13a及び14aの表面粗さをRMAX
で約0.1μm〜約0.2μm程度に低減することがで
きる。それに加えて、切欠部13a及び14aをほぼ完
全な円弧形状にすることができる。
【0066】さらに、切欠部13a及び14aの円弧形
状の半径Rは、磁性体膜19及び20のギャップ部1で
の厚さt(図2参照)よりも小さくすることが好まし
い。これにより、切欠部13a及び14aが、フェライ
トコア17及び18に達しなくなる。切欠部13a及び
14aがフェライトコア17及び18に達すると、狭ト
ラック化がさらに進んでフェライトコア17及び18の
凸状加工部39の先端の幅をさらに狭くする必要が生じ
た場合に、磁気特性の劣化が生じる可能性がある。これ
に対して、上記のように磁性体膜19及び20のみを加
工して切欠部13a及び14aを形成し、切欠部13a
及び14aがフェライトコア17及び18に達しないよ
うにすれば、上記のような問題点を回避することが可能
になる。
【0067】放電電極25は、直径が約10μm〜約3
0μmであるものを使用することが好ましい。直径が約
10μm未満になると放電電極25として十分な強度が
確保できず、加工中に折損を生じやすい。一方、直径が
約30μmを越える放電電極25を用いるためには、加
工対象である磁性体膜19及び20の厚さがかなり厚く
なければならない。しかし、そのように厚い磁性体膜1
9及び20では、磁性体膜19及び20の内部での渦電
流損失の発生や形状による絞り込み効果の低減により、
電磁変換特性が劣化する。従って、放電電極25の直径
は、上記範囲内であることが望ましい。
【0068】さらに望ましくは、放電電極25の直径は
約16μm〜約18μmであることが適当である。これ
により、磁気ギャップ部1での磁性体膜19及び20の
厚さも決定される。好ましい磁性体膜19及び20の厚
さは、約8μm〜約10μmである。
【0069】磁気ヘッド100の量産化のためには、通
常は図8に示すようにバー状態の材料を加工して、切欠
部13a及び14aの形成を行う。具体的には、1つの
バーに数10個のトラックがある。このような場合、各
々のトラックエッジに切欠部13a及び14aを形成す
るためには、図8に示すそれぞれの細穴26に放電電極
25を挿入して、その内周面を加工しなければならな
い。この細穴26は、通常は直径が約100μmであ
り、その加工を切削工具で行うことは実際には不可能で
ある。しかし、上記範囲の直径を有する放電電極25で
あれば、そのような細穴26の内周面の加工は十分に可
能であり、磁気ヘッド100の量産に適している。
【0070】また、放電電極25による加工では、加工
位置をサブミクロンレベルで制御することができる。す
なわち、放電加工では、放電電極25を加工対象物に近
づけた際に、放電電極25それ自身をセンサのように使
用して放電開始位置を認識することが可能である。これ
によって、顕微鏡などによる位置合わせを行うことなく
放電電極25の現在位置を絶えず把握できるので、放電
加工は量産工程に適している。また、放電加工によれ
ば、加工位置をサブミクロンレベルで認識することがで
きるので、切欠部13a及び14aの円弧形状を、図3
を参照して詳細に示したように磁気ギャップ1との交点
Pでの円弧形状の接線が磁気テープの走行方向と略平行
になるように加工することも、十分可能である。さら
に、所定の値のトラック幅を、高い精度で形成できる。
【0071】放電加工は、一般には加工対象物を絶縁オ
イルの中に浸して加工する。或いは、純水の中で加工を
行うこともできる。純水中の加工では、後工程で絶縁オ
イルの洗浄を行う必要がなく、工程を簡略化できる。
【0072】本発明によれば、切欠部13a及び14a
の形成時に、磁性体コア本体11及び12をバックガラ
スブロック15b及び16bで固定している。これによ
って、ミクロオーダでみても、トラックエッジにずれが
生じない。
【0073】次に、このようにして形成された図9に示
すような切欠部13a及び14aの表面に、反応防止膜
(図9には不図示)を形成する。反応防止膜の形成材料
としては、SiO2、ZrO2、Ta25、ガラス、C
r、或いはCr酸化物、さらにはこれらの複合体などを
用いることができる。また、成膜方法としては、一般に
スパッタリングが用いられる。この場合に、スパッタリ
ングは、図9に「A方向」として示すフロント部の上面
方向からのみしか実施できないが、溶着された一対の磁
性体コア本体11及び12をスパッタリングターゲット
に対して適切な角度で傾けることにより、切欠部13a
及び14aの表面に適正な膜質及び膜厚で成膜すること
ができる。或いは、スパッタリングに代えて、乾式の製
造方法としては例えばプラズマCVD、湿式の製造方法
としては例えばディッピングやめっきなどの製造方法を
用いることにより、良好な状態で成膜できる。
【0074】図9の状態において、磁性体コア本体11
及び12の間に形成されている細穴26の下方には、バ
ックガラスブロック15b及び16bが形成されてい
る。次に、このバックガラスブロック15b及び16b
の上方に残存する空間の少なくとも一部に、フロントガ
ラスブロック15a及び16aを熱処理により充填す
る。このとき、切欠部13a及び14aと充填されたフ
ロントガラスブロック15a及び16aとの界面には、
図2を参照して詳細に説明したように反応防止膜50が
ある。従って、磁性体膜19及び20とフロントガラス
ブロック15a及び16aとが反応することがなく、ト
ラックエッジの広がりも発生しない。この結果、磁気的
にもシャープなトラックエッジを有する磁気へッドを提
供することができる。
【0075】さらに、望ましくは、フロントガラスブロ
ック15a及び16aの軟化点を、バックガラスブロッ
ク15b及び16bの軟化点よりも低く設定する。この
場合には、フロントガラスブロック15a及び16aを
充填して溶融固着させる熱処理工程の加工温度を、フロ
ントガラスブロック15a及び16aの軟化点とバック
ガラスブロック15b及び16bの軟化点との中間の温
度に設定することにより、バックガラスブロック15b
及び16bを軟化させることなくフロントガラスブロッ
ク15a及び16aを溶融固着させることができる。こ
れにより、放電加工の終了後にミクロオーダのトラック
ずれを生じさせることもなく、さらに良好な加工精度で
磁気ヘッド100を形成することができる。
【0076】さらに、図6の工程で、適切な溶着材、例
えば低融点ガラスや結晶化ガラスなどを用いて、一対の
磁性体コア本体11及び12を磁気ギャップ部1でお互
いに溶着しておけば、さらに安定したトラック幅を実現
できる。また、この場合にはギャップ部1の損傷も防止
できて、電磁変換特性も安定する。
【0077】さらに、切欠部13a及び14aを放電加
工により形成することにより、その加工表面の表面粗さ
が低減される。これにより、フロントガラスブロック1
5a及び16aを熱処理により充填する際の流れ性が良
くなり、フロントガラスブロック15a及び16aの中
に発生して欠陥の原因となる気泡の量が低減される。
【0078】その後に、図10のように、磁性体コア本
体11及び12を図中の一点鎖線に沿ってスライスし
て、個々のチップに分離する。さらに、分離された個々
のチップに巻線を施ことによって、本発明の磁気ヘッド
100が完成する。
【0079】上述したように、本発明は、特に狭ギャッ
プ且つ狭トラックのMIGへッドへの適用が有効である
が、それ以外にも、片側のコアのみに磁性体膜の付いた
MIGへッドや、比較的広いトラック幅を有する磁気へ
ッドに対しても適用できる。いずれの場合にも、トラッ
ク幅の精度の改善による歩留まり向上を実現する。
【0080】図11は、本発明による磁気記録再生装置
のある実施形態における、磁気ヘッド近傍の構成を模式
的に示す図である。
【0081】磁気ヘッド32は、固定シリンダ36に装
着されてヘリカル走査する回転シリンダ33に取り付け
られている。傾斜ポスト35及び37によって導かれて
いる磁気テープ34が磁気へッド32と接触しながら走
行し、その際に、磁気テープ34の上に信号が記録さ
れ、或いは磁気テープ34に記録されている信号が再生
される。再生された信号は、信号処理回路38により信
号処理されて、ステレオ音声信号及びビデオ映像信号と
なる。
【0082】図12は、磁気テープ34の上での信号の
記録パターン60を模式的に示す図である。信号は、磁
気テープ34の長手方向に対してある角度をなす記録パ
ターン60にしたがって、磁気テープ34の上に斜めに
記録される。図12に「TP」として示しているのは、
磁気テープ34の上のトラック幅に相当する。
【0083】本発明に従って提供される狭トラックで突
き合わせずれのない磁気へッドを用いれば、記録サイド
のフリンジ等の原因に起因するトラックエッジでの磁束
のにじみが発生しない。そのため、トラック間でのデー
タ抜け部分(信号が記録されていない部分であって、図
12には「d」として示している)が、ほとんど発生し
ない。その結果、トラック幅TPが細くなることがな
く、非常に多量の情報が磁気テープ34の上に記録され
る。また、回転シリンダ33に磁気へッド32を取り付
ける際に、磁気へッド32のトラック端を一義的に決定
することができるので、トラック高さの調整を精度良く
行うことができる。
【0084】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明における
磁気ヘッドの製造方法によれば、あらかじめ凸状に加工
された一対の磁性体コアを突き合わせ、且つそのバック
部をバックガラスブロックによって溶着する。その状態
で、磁気ギャップ近傍部に位置する磁性体膜部分を同時
に一度に加工して、トラック幅を規定する一対の切欠部
を形成する。これにより、ミクロオーダのトラックずれ
も存在しない磁気へッドが供給される。
【0085】さらに、加工に際して切欠部を放電加工に
より形成することにより、加工表面で加工変質層の発生
を低減するとともに表面粗さを低減することができる。
それにより、磁気ギャップ部のエッジの損傷、磁気的特
性の劣化、実効トラック幅の精度の劣化などの問題が発
生せず、良好な動作特性を有する狭トラック磁気ヘッド
を供給することができる。また、放電加工では、加工時
に加工対象物に大きな物理的負荷が加えられないので、
クラック等の発生が抑えられる。さらに、放電電極を回
転させながらトラックエッジの側面から加工対象物に押
し当てて加工することにより、磁気ギャップの深さ方向
でのトラック幅の加工精度が安定する。また、非常に細
い放電電極を使用すればバー状態の対象物を加工するこ
とができて、量産化が容易である。
【0086】上記のように、本発明によれば、高密度磁
気記録の実現のための狭トラック化に適したトラックず
れのない磁気へッドが、歩留まり良く且つ低コストで提
供される。提供される磁気ヘッドでは、記録再生フリン
ジも低減される。さらに、このような磁気ヘッドを用い
ることにより、デジタルVTRに適した高密度記録再生
装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの構成
を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの磁気
テープスライド面の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態における磁気ヘッドのギャ
ップ部分の構成を模式的に示す拡大図であって、磁気テ
ープの走行方向をあわせて示している。
【図4】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するための他の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するためのさらに他の斜視図であ
る。
【図7】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するためのさらに他の斜視図であ
る。
【図8】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するためのさらに他の斜視図であ
る。
【図9】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製造
方法の一工程を説明するためのさらに他の斜視図であ
る。
【図10】本発明の一実施形態における磁気ヘッドの製
造方法の一工程を説明するためのさらに他の斜視図であ
る。
【図11】本発明の一実施形態における磁気記録再生装
置の磁気へッドの周辺部の構成を示す斜視図である。
【図12】図11に示す本発明の磁気記録再生装置を用
いて記録した記録媒体の記録パターンを模式的に示す図
である。
【図13】従来技術における磁気ヘッドの構成を模式的
に示す斜視図である。
【図14】従来技術による他の磁気ヘッドの磁気テープ
スライド面の構成を模式的に示す上面図である。
【符号の説明】
1 磁気ギャップ 11、12 磁性体コア 13a、14a 切欠部 15a、16a フロントガラスブロック 15b、16b バックガラスブロック 17、18 フェライトコア 19、20 磁性体膜 21 巻線窓 25 放電電極 32 磁気ヘッド 34 磁気テープ 35、37 傾斜ポスト 36 固定シリンダ 38 信号処理回路 39 凸状加工部 50 反応防止膜 60 記録パターン

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸状に加工された部分を有し、該凸状加
    工部が磁気ギャップ材を介して向き合うように対向配置
    された一対の磁性体コアと、 該一対の磁性体コアの両サイドにそれぞれ配置されて該
    一対の磁性体コアを結合している一対のガラスブロック
    と、を備える磁気ヘッドであって、 該一対の磁性体コアのそれぞれにおいて、少なくとも該
    凸状加工部の突出端面に磁性体膜が形成され、 該一対の磁性体コアの磁気テープスライド面において、
    トラック幅を規定する一対の切欠部が該一対の磁性体コ
    アの該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込むよ
    うに放電加工によって設けられていて、該一対の切欠部
    は、その界面が磁気テープ走行時に該磁気テープ上の記
    録パターンの端部より外側に位置しないような形状を有
    している、磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一対の切欠部が円弧状である、請求
    項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記切欠部の円弧と磁気ギャップとの交
    点における該円弧の接線が前記磁気テープの走行方向と
    略平行になる、請求項2に記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記切欠部の円弧の半径が、前記突出端
    面に設けられた前記磁性体膜の最小厚さよりも小さい、
    請求項2または3に記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記突出端面において、前記磁性体膜と
    前記磁性体コアとの界面が前記磁気ギャップの面に略平
    行である、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記一対の切欠部と前記一対
    のガラスブロックとの界面に反応防止膜が設けられてい
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記一対のガラスブロックのそれぞれ
    が、さらに磁気ヘッドの前記磁気テープスライド面に近
    く位置するフロントガラスブロック部と該磁気ヘッドス
    ライド面から遠く位置するバックガラスブロック部とを
    含み、該フロントガラスブロック部の軟化点が該バック
    ガラスブロック部の軟化点よりも低くなるように設定さ
    れている、請求項1〜6のいずれかに記載の磁気ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 凸状に加工された部分を有し、該凸状加
    工部が磁気ギャップ材を介して向き合うように対向配置
    された一対の磁性体コアと、 該一対の磁性体コアの両サイドにそれぞれ配置されて該
    一対の磁性体コアを結合している一対のガラスブロック
    と、を備える磁気ヘッドであって、 該一対の磁性体コアの少なくとも一方において、少なく
    とも該凸状加工部の突出端面に磁性体膜が形成され、 該一対の磁性体コアの磁気テープスライド面において、
    トラック幅を規定する一対の切欠部が該一対の磁性体コ
    アの該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込むよ
    うに設けられていて、 少なくとも該一対の切欠部と該一対のガラスブロックと
    の界面に反応防止膜が設けられている、磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 凸状に加工された部分を有し、該凸状加
    工部が磁気ギャップ材を介して向き合うように対向配置
    された一対の磁性体コアと、 該一対の磁性体コアの両サイドにそれぞれ配置されて該
    一対の磁性体コアを結合している一対のガラスブロック
    と、を備える磁気ヘッドであって、 該一対の磁性体コアの少なくとも一方において、少なく
    とも該凸状加工部の突出端面に磁性体膜が形成され、 該一対の磁性体コアの磁気テープスライド面において、
    トラック幅を規定する一対の切欠部が該一対の磁性体コ
    アの該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込むよ
    うに設けられていて、 該一対のガラスブロックのそれぞれが、さらに磁気ヘッ
    ドの該磁気テープスライド面に近く位置するフロントガ
    ラスブロック部と該磁気ヘッドスライド面から遠く位置
    するバックガラスブロック部とを含み、該フロントガラ
    スブロック部の軟化点が該バックガラスブロック部の軟
    化点よりも低くなるように設定されている、磁気ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記切欠部が放電加工により形成され
    ている。請求項8または9に記載の磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記一対の磁性体コアのそれぞれがフ
    ェライトコアを含み、前記磁性体膜はそれぞれの該フェ
    ライトコアの表面に設けられていて、前記一対の切欠部
    は該磁性体膜のみに形成されている、請求項8〜10の
    いずれかに記載の磁気へッド。
  12. 【請求項12】 巻線を施すための巻線窓をさらに備
    え、前記一対の切欠部が該巻線窓に達している、請求項
    1〜11のいずれかに記載の磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の磁
    気ヘッドを備えている、磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】 凸状に加工された部分と少なくとも該
    凸状加工部の突出端面に設けられた磁性体膜とを含む一
    対の磁性体コアと、該磁性体コアの前面に近く位置する
    フロントガラスブロック部及び該磁性体コアの該前面か
    ら遠く位置するバックガラスブロック部を含み一対の磁
    性体コアを結合するガラスブロックと、を備える磁気ヘ
    ッドの製造方法であって、該方法は、 該突出端面を磁気ギャップ材を介して突き合わせて対向
    配置する第1の工程と、 該一対の磁性体コアの磁気テープスライド面において、
    トラック幅を規定する一対の切欠部を、該一対の磁性体
    コアの該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込む
    ように放電加工により設ける第2の工程と、 少なくとも該一対の切欠部の表面に、該磁性体膜と該ガ
    ラスブロックとの間の化学反応を防止する反応防止膜を
    形成する第3の工程と、 該一対の磁性体コアの所定の位置にあらかじめ設けられ
    ている溝にガラス材料を熱処理により充填して該フロン
    トガラスブロックを形成する第4の工程と、を包含する
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記切欠部の形成に先立って、前記一
    対の磁性体コアを前記バックガラスブロックでお互いに
    溶着する工程をさらに包含する、請求項14に記載の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 凸状に加工された部分と少なくとも該
    凸状加工部の突出端面に設けられた磁性体膜とを含む一
    対の磁性体コアと、該磁性体コアの前面に近く位置する
    フロントガラスブロック部及び該磁性体コアの該前面か
    ら遠く位置するバックガラスブロック部を含み一対の磁
    性体コアを結合するガラスブロックと、を備える磁気ヘ
    ッドの製造方法であって、該方法は、 該突出端面を磁気ギャップ材を介して突き合わせて対向
    配置する第1の工程と、 該一対の磁性体コアを前記バックガラスブロックでお互
    いに溶着する第2の工程と、 該一対の磁性体コアの磁気テープスライド面において、
    トラック幅を規定する一対の切欠部を、該一対の磁性体
    コアの該凸状加工部の突き合わせ部を両側から挟み込む
    ように放電加工により設ける第3の工程と、 該一対の磁性体コアの所定の位置にあらかじめ設けられ
    ている溝にガラス材料を熱処理により充填して該フロン
    トガラスブロックを形成する第4の工程と、を包含する
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記フロントガラスブロックの軟化点
    が前記バックガラスブロックの軟化点よりも低く設定さ
    れていて、該フロントガラスブロックを熱充填によって
    形成する工程の熱処理温度が該バックガラスブロックの
    軟化点よりも低く設定されている、請求項14〜16の
    いずれかに記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記切欠部を放電加工で形成する工程
    において、円筒形状の放電加工電極を回転させながら前
    記磁性体コアの端部を加工する、請求項14〜17のい
    ずれかに記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記切欠部を放電加工で形成する工程
    において、放電加工電極の先端を少なくとも巻線窓にま
    で到達させて前記磁性体コアの端部を加工する、請求項
    14〜17のいずれかに記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項14〜19のいずれかに記載の
    製造方法によって形成された磁気ヘッドを備えている、
    磁気記録再生装置。
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