JPH0940743A - エポキシ基含有ポリエステル変性重合体及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ基含有ポリエステル変性重合体及びその製造方法

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JPH0940743A
JPH0940743A JP14342496A JP14342496A JPH0940743A JP H0940743 A JPH0940743 A JP H0940743A JP 14342496 A JP14342496 A JP 14342496A JP 14342496 A JP14342496 A JP 14342496A JP H0940743 A JPH0940743 A JP H0940743A
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epoxy group
acid
resin
vinyl
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JP14342496A
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English (en)
Inventor
Hiroki Mizutani
広樹 水谷
Yoshinori Nakane
喜則 中根
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な耐候性、加工性、付着性、硬度、耐溶剤
性を有すると共に、特に優れた耐汚染性、耐薬品性を備
えているエポキシ基含有ポリエステル変性重合体及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】(a)数平均分子量1,500〜50,0
00であり、且つ樹脂酸価2〜30mgKOH/gのカ
ルボキシル基含有ポリエステル樹脂から成る構成部分と
(b)エポキシ基を有するビニル系単量体の重合体から
成る構成部分を有し、該カルボキシル基と該エポキシ基
の一部とが、(b)成分の重合体のエポキシ基に対する
(a)成分のカルボキシル基の当量比が0.1以下の割
合で反応して結合させ、エポキシ当量を200〜2,0
00g/molにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なエポキシ基含
有ポリエステル変性重合体及びその製造方法に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は、ポリエステ
ル樹脂により変性されたビニル系単量体の重合体であ
り、しかも、重合体中にエポキシ基を多数含有している
ことを特徴としている。本発明のエポキシ基含有ポリエ
ステル変性重合体は、例えば塗料、インク、接着剤、成
形品等に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】ビニル系単量体の重合体は、メタクリル
酸エステル系重合体、スチレン系重合体に代表されるよ
うに、一般に硬度、耐薬品性、耐汚染性に優れ、且つ透
明性、光沢に優れた樹脂として広く塗料、インク、接着
剤、成型品に用いられている。しかし、このものは高硬
度である反面、脆く加工性が乏しいという欠点を有して
いる。一方、ポリエステル樹脂は一般に柔軟性があり、
加工性に優れ、且つ透明性が優れた樹脂として広く塗
料、インク、接着剤、成型品に用いられている。しか
し、このものは加工性に優れる反面、硬度、あるいは耐
アルカリ性、耐酸性等の耐薬品性や、各種汚染物質に対
する耐汚染性に劣るという欠点を有している。両者の欠
点を克服し、双方の特徴を生かす手段として、ビニル系
単量体の重合体とポリエステル樹脂とをブレンドする方
法が考えられる。しかし、高分子量のビニル系単量体の
重合体とポリエステル樹脂とは互いに相溶性が乏しいた
め、相分離を起こし、目的とする硬度、耐薬品性及び加
工性が得られず、同時に透明性も損なわれるという欠点
を有する。一方、ジカルボン酸とジオールとから合成さ
れる、高分子量の線状ポリエステル樹脂は、加工性等の
樹脂そのものの機械的特性が優れているが、分子中の官
能基量が極端に乏しい(通常、分子両末端に水酸基また
はカルボキシル基があるのみ)ため、塗料、インク、接
着剤、成型品等の熱硬化性組成物として用いる場合、硬
化反応に関与させることが困難である欠点を有してい
る。加えて、この様な高分子量の線状ポリエステル樹脂
に対してエポキシ基、その他の官能基を導入すること
は、元の樹脂そのものに反応点となる部位が少ないこと
もあって困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビニ
ル系単量体の重合体とポリエステル樹脂の2種類の異な
った高分子部分からなる複合重合体を得ることにより、
上記の相溶性不良から起こる諸問題を解決することにあ
る。すなわち、本発明の目的は、ビニル系単量体の重合
体の優れた硬度、耐薬品性、耐汚染性における性質と、
ポリエステル樹脂の良好な加工性とを併せ持ち、かつ透
明性も維持されたエポキシ基含有ポリエステル変性重合
体を提供することにある。本発明によれば、官能基の少
ない高分子量の線状ポリエステルに対しても多量のエポ
キシ基を導入することができる。そのため本発明のエポ
キシ基含有ポリエステル変性重合体は塗料、インク、接
着剤、成型品などに広く応用可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のビ
ニル系単量体の重合体及びポリエステル樹脂の好ましい
性質を併せ持つ重合体を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、特定の数平均分子量と樹脂酸価を有するカルボキシ
ル基含有ポリエステル樹脂のカルボキシル基と、エポキ
シ基を有するビニル系単量体又はこれと他のビニル系単
量体との重合体のエポキシ基の一部が、エポキシ基が前
記カルボキシル基に対して大過剰量となる特定の割合で
反応して結合されているエポキシ基含有ポリエステル変
性重合体が上記目的を達することを見い出し、本発明を
完成するに至った。また、該エポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体を製造する方法としては、一定の数平均分
子量と樹脂酸価を有するカルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂及び有機溶媒の存在下で、そのカルボキシル基に
対して大過剰となるエポキシ基を有するビニル系単量体
又はこれと他のビニル系単量体とをラジカル重合開始剤
により重合する方法が適していることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(a)数平均分子量
が1,500〜50,000であり、且つ樹脂酸価が2
〜30mgKOH/gのカルボキシル基含有ポリエステ
ル樹脂から成る構成部分と(b)エポキシ基を有するビ
ニル系単量体の重合体から成る構成部分を有し、該カル
ボキシル基と該エポキシ基の一部とが、(b)成分の重
合体のエポキシ基に対する(a)成分のカルボキシル基
の当量比が0.1以下の割合で反応して結合されてお
り、エポキシ当量が200〜2,000g/molであ
ることを特徴とするエポキシ基含有ポリエステル変性重
合体を提供するものである。また、本発明は、(a)数
平均分子量が1,500〜50,000であり、且つ樹
脂酸価が2〜30mgKOH/gのカルボキシル基含有
ポリエステル樹脂及び有機溶媒の存在下で、(b)エポ
キシ基を有するビニル系単量体を、(b)成分のエポキ
シ基に対する(a)成分のカルボキシル基の当量比が
0.1以下の割合にし、ラジカル重合開始剤により重合
することを特徴とするエポキシ当量が200〜2,00
0g/molのエポキシ基含有ポリエステル変性重合体
の製造方法を提供するものである。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明のエポキシ基含有ポリエス
テル変性重合体は、本質的に(a)数平均分子量が1,
500〜50,000であり、且つ樹脂酸価が2〜30
mgKOH/gのカルボキシル基含有ポリエステル樹脂
から成る構成部分と、(b)エポキシ基を有するビニル
系単量体の重合体から成る構成部分を有する。(a)成
分のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂は、分子主鎖
骨格中にカルボン酸エステル結合を含むことを特徴とし
ており、本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性重合
体に柔軟性を付与する成分である。(a)成分のカルボ
キシル基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、1,
500〜50,000であり、好ましくは1,500〜
25,000であり、さらに好ましくは1,500〜2
0,000である。該数平均分子量が1,500未満の
場合には、得られる重合体の機械物性が劣る。また、数
平均分子量が50,000を超える場合には、有機溶剤
に対する溶解性が乏しくなる。
【0007】また、(a)成分のカルボキシル基含有ポ
リエステル樹脂の樹脂酸価は、2〜30mgKOH/g
であり、好ましくは3〜20mgKOH/g、さらに好
ましくは4〜15mgKOH/gである。樹脂酸価が2
mgKOH/g未満の場合では、(a)成分のカルボキ
ル基と(b)成分のビニル系単量体の重合体との化学結
合の量が乏しくなり相分離が起こりやすく、安定なエポ
キシ基含有ポリエステル変性重合体を得ることが困難と
なる。また、樹脂酸価が30mgKOH/g以上の場合
には、(a)成分と(b)成分のビニル系単量体の重合
体との化学結合の量が極度に多くなるため、反応系全体
がゲル化を起こす等して好ましくない。(a)成分の製
造方法としては、これまで公知の技術に基づく製法が応
用可能である。例えば、カルボキシル基を有する化合
物、あるいはそのアルコ−ルとのエステル体、ヒドロキ
シル基を有する化合物、酸無水物、さらにエポキシ基を
有する化合物、一分子内に上記官能基の複数種類を有す
る化合物等の群から選択される適当な組み合わせを原料
とした重縮合反応、付加重合反応により得ることが出来
る。これらの化合物の種類の組み合わせは、重縮合反
応、付加重合反応の結果、上記(a)成分の条件を満た
すカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を得る組み合わ
せであれば自由に選択することができる。
【0008】上記カルボキシル基を有する化合物、ある
いはそのアルコールとのエステル体としては、一分子内
のカルボキシル基あるいはカルボン酸エステル基の数
が、1〜4個であることが好ましく、2個であるジカル
ボン酸がさらに好ましい。上記カルボキシル基を有する
化合物としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン
酸、エレオステアリン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸等の
炭素数2〜22の脂肪族カルボン酸及びこれらのアルコ
ールとのエステル体;フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カ
ルボン酸及びこれらのアルコールとのエステル体;及び
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル
ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式カルボン酸及びこれら
のアルコールとのエステル体等が挙げられる。ここで、
使用されるアルコールとしては、炭素数1〜12の1価
のアルコールが好ましく、その具体例としては例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノール、イソオクタノール、ノナノール、デカノ
ール、2−エチルへキサノール、シクロヘキサノール、
メチルシクロヘキサノール、シクロオクタノール等が挙
げられる。該カルボキシル基を有する化合物、あるいは
そのアルコールとのエステル体は1種単独で用いても良
いし、2種以上を組み合わせても良い。
【0009】上記ヒドロキシル基を有する化合物の一分
子内のヒドロキシル基の数は、1〜4個であることが好
ましく、2個であるジオールがさらに好ましい。上記ヒ
ドロキシル基を有する化合物の例としては、例えば、n
−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−オ
クチルアルコール、n−デシルアルコール、ラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、
n−オクタデシルアルコール、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ジエチレングリコール、ペンタンジオール、ジ
メチルブタンジオール、水添ビスフェノールA、グリセ
リン、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、1,8
−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,
2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、キニトール、マニトール、
トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジペンタエ
リスリトール等の多価アルコール類;これらの多価アル
コール類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラクトン等
のラクトン化合物との開環付加体;該多価アルコール類
とトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物とのア
ルコール過剰下での付加体等が挙げられる。該ヒドロキ
シル基を有する化合物は1種単独で用いても良いし、2
種以上を組み合わせても良い。
【0010】上記エポキシ化合物の一分子内のエポキシ
基の数としては1〜4個が好ましく、より好ましくは1
〜2個であり、さらに好ましくは1個である。該エポキ
シ化合物の具体例としては、例えばエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルケンか
ら誘導される脂肪族モノエポキシド化合物;セロキサイ
ド2,000、セロキサイド3000(いずれも商品
名、ダイセル化学工業(株)製)、リカレジンE−8
(商品名、新日本理化(株)製)等のシクロアルケンか
ら誘導される脂環式モノエポキシド化合物;スチレンオ
キシド、スチルベンオキシド等の芳香族環を有する芳香
族モノエポキシド化合物;メチルグリシジルエーテル、
エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテ
ル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテル、(メタ)アリル
グリシジルエーテル、ポリアルキレンオキシドモノグリ
シジルエーテル等のグリシジルエーテル類;グリシジル
イソブチレート、カージュラE−10(商品名、シェル
化学社製)等のグリシジルエステル類等が挙げられる。
該エポキシ化合物は1種単独で用いても良いし、2種以
上を組み合わせても良い。
【0011】上記酸無水物としては、例えばコハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル
酸等の多価カルボン酸の酸無水物体等を挙げることがで
きる。該酸無水物は1種単独で用いても良いし、2種以
上を組み合わせても良い。上記ラクトン類としては、β
−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0012】また、(a)成分を製造する単量体は、ヒ
ドロキシル基とカルボキシル基という様に複数種類の官
能基を一分子内に有する化合物であってもよい。該複数
種類の官能基を有する化合物の代表例としては、例え
ば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、ヒドロキシピバリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカル
ボン酸等を挙げることができる。
【0013】さらに、(a)成分を得る方法としては、
本発明の範囲外の高分子量のポリエステル樹脂、或いは
酸価が本発明の下限に満たないポリエステル樹脂を出発
物質として、アシドリシス、アルコーリシス、酸無水物
の付加等の変性を行って本発明の(a)成分の範囲内の
ポリエステル樹脂とすることも可能である。以上のポリ
エステルの中で特に本発明のエポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体に好適に用いられるポリエステルは、ジカ
ルボン酸とジオールを構成単位原料とする線状ポリエス
テル樹脂である。該ジカルボン酸として好ましいもの
は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、デカメチレンジカルボン酸等の炭素数2〜22の脂
肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸等の芳香族ジカルボン酸;テトラヒドロフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等
の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。また、該ジオー
ルのうち好ましいものとしては、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ジエチレングリコール、ペンタンジオール等の
炭素数2〜22の脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0014】該線状ポリエステルは、結晶性を落とす目
的や、本発明に必要なカルボキシル基を導入する等の目
的で、線状ポリエステルとしての性質を損なわない範囲
内であれば、若干量3官能以上のカルボキシル基を有す
る化合物、ヒドロキシル基を有する化合物等から誘導さ
れる構成成分を含んでいても差し支えない。この様な事
例としては、例えば末端水酸基の線状ポリエステルにト
リメリット酸を付加反応させてカルボキシル基を含有さ
せた線状ポリエステルや、結晶性を落とすために分子骨
格中にトリメリット酸やトリメチロールプロパン等の3
官能の構造を有する化合物を若干導入したものが挙げら
れる。
【0015】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体におけるもう一つの構成部分であるエポキシ基を
有するビニル系重合体は、(b)エポキシ基を有するビ
ニル系単量体の重合体である。上記(b)成分のエポキ
シ基を有するビニル系単量体の一分子内のエポキシ基の
数としては1〜4個が好ましく、より好ましくは1〜2
個であり、さらに好ましくは1個である。該(b)成分
の具体例としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレ
ート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アリル
エーテル等のエポキシ基を有するビニル系単量体が挙げ
られる。このうちラジカル重合及びエポキシ基/カルボ
キシル基間の反応性がより高い、(メタ)アクリル酸エ
ステル体であるグリシジル(メタ)アクリレート、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレー
トがより好ましい(b)成分として挙げられる。
【0016】上記エポキシ基を有するビニル系重合体
は、(b)エポキシ基を有するビニル系単量体と(c)
他のビニル系単量体との共重合体とすることが好まし
い。上記(b)成分と共重合させる(c)成分の他のビ
ニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステル類、好ましくは、一般式
【0017】
【化1】
【0018】(式中R1は水素原子叉はメチル基を示
し、R2は1〜20の飽和炭化水素基、又は水酸基等の
反応性官能基を含む有機基を示す)で表される化合物で
ある。この(メタ)アクリル酸エステル類の具体例とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル等が挙げられる。その他のビニル系
単量体のうち好ましいものとしては、例えば、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸等のエステル類、スチレン、
ビニルトルエン、ジメチルスチレン、エチルスチレン等
の核置換スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩
化ビニル等を挙げられる。これらは単一種類で用いても
複数種類用いても良い。一方、共重合するビニル系単量
体として好ましくないものの例としては、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の様に共
重合する条件下で、(b)成分のエポキシ基と反応する
可能性がある官能基を有する単量体が挙げられる。該エ
ポキシ基を有するビニル系重合体は、上記(b)成分の
ビニル系単量体、又は(b)成分のビニル系単量体と
(c)成分の他のビニル系単量体の重合により得ること
ができる。なお、上記ビニル系重合体は、本発明の効果
を損なわない範囲内で他の構成成分を含んでもよい。
【0019】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体においては、(a)成分のカルボキシル基とエポ
キシ基を有するビニル系重合体のエポキシ基の一部とが
反応して結合されている。これにより、二種の異なった
重合体の相溶性を著しく改善することができる。(a)
成分のカルボキシル基と(b)成分のエポキシ基を有す
るビニル系単量体の重合体のエポキシ基の結合している
割合は、(b)成分のエポキシ基を有するビニル系単量
体の重合体のエポキシ基に対する(a)成分のカルボキ
シル基の当量比が0.1以下の割合であり、好ましくは
0.08以下であり、さらに好ましくは0.06以下で
ある。
【0020】さらに、本発明のエポキシ基含有ポリエス
テル変性重合体の樹脂のエポキシ当量は、200〜2,
000g/molであり、好ましくは250〜1,50
0g/molであり、さらに好ましくは275〜1,0
00g/molである。エポキシ当量が2,000g/
molを超える場合には、本発明のエポキシ基含有ポリ
エステル変性重合体を塗料、インク、接着剤、成形品等
の熱硬化性組成物として使用しようとした場合の硬化性
が不足し、逆にエポキシ当量が200g/mol未満と
なる場合には、架橋密度が高くなりすぎて柔軟性等が損
なわれる。
【0021】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体においては、(a)成分から成る構成部分の
(b)成分の重合体又は(b)成分と(c)成分との重
合体から成る構成部分に対する重量比は、1/99〜8
0/20の範囲が好ましく、より好ましくは1/99〜
70/30の範囲であり、さらに好ましくは1/99〜
50/50の範囲である。1/99よりも(b)成分か
ら成る重合体又は(b)成分及び(c)成分との重合体
から成る構成部分の量が多くなる場合には、本発明のエ
ポキシ基含有ポリエステル変性重合体の柔軟性が不十分
となることがある。一方、80/20よりも(b)成分
から成る重合体又は(b)成分及び(c)成分との重合
体から成る構成部分の比率が少なくなる場合には、本発
明のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体の硬度、耐
薬品性、耐汚染性が低下することがある。また、(b)
成分と(c)成分を共重合させている重合体の場合、
(b)成分と(c)成分との重量比は、(b)成分のエ
ポキシ当量にもよるが、7/93〜80/20の範囲が
好ましく、より好ましくは10/90〜70/30の範
囲であり、さらに好ましくは15/85〜60/40の
範囲である。(b)成分と(c)成分の重量比が7/9
3よりも(b)成分が少なくなる場合には、本発明のエ
ポキシ基含有ポリエステル変性重合体を熱硬化性組成物
に用いようとする場合の硬化性が不足することがある。
一方、80/20よりも(b)成分が多くなる場合に
は、本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体の
柔軟性が損なわれることがある。本発明のエポキシ基含
有ポリエステル変性重合体は、上記構成成分の他に、本
発明の効果を損なわない範囲で他の構成成分を含んでも
よい。本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体
は、50±1%の不揮発分となる有機溶媒溶液の20℃
における粘度が、通常1〜2,000ポイズが適当であ
る。
【0022】次に 本発明のエポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体の製造方法について説明する。本発明のエ
ポキシ基含有ポリエステル変性重合体は、(a)数平均
分子量が1,500〜50,000であり、且つ樹脂酸
価が2〜30mgKOH/gのカルボキシル基含有ポリ
エステル樹脂及び有機溶媒の存在下で、(b)エポキシ
基を有するビニル系単量体をラジカル重合開始剤により
重合させる方法により製造することができる。この製造
方法においては、(b)エポキシ基を有するビニル系単
量体と共に(c)他のビニル系単量体を重合させること
が好ましい。(a)成分のカルボキシル基含有ポリエス
テル樹脂は、前記と同様のものが使用できる。また、
(b)成分のエポキシ基を有するビニル系単量体と
(c)成分の他のビニル系単量体も、前記と同様のもの
が使用できる。(b)成分のエポキシ基を有するビニル
系単量体は、他の(b)成分のエポキシ基を有するビニ
ル系単量体と重合するか、又は(c)成分の他のビニル
系単量体と共重合するとともに、(a)成分中のカルボ
キシル基と化学結合を形成することにより、(b)成分
のエポキシ基を有するビニル系単量体の重合体と(a)
成分のポリエステルとの間の化学結合を形成する作用が
あり、その結果、二種の異なった重合体の相溶性を著し
く改善することができる。さらに(b)成分のエポキシ
基のうち、(a)成分中のカルボキシル基と反応せずに
残ったエポキシ基により、本発明のエポキシ基含有ポリ
エステル変性重合体に、多量のエポキシ基を導入するこ
とができる。
【0023】(b)成分の使用量は、(b)成分のエポ
キシ基に対する(a)成分のカルボキシル基の当量比が
0.1以下の割合になるように選定され、好ましくは
0.08以下であり、さらに好ましくは0.06以下で
ある。この様な(a)成分のカルボキシル基に対して大
過剰の(b)成分を用いることにより、重合反応進行と
同時に効率よくビニル系単量体の重合体と(a)成分と
の間に化学結合を生成することができる。逆に(b)成
分のエポキシ基に対する(a)成分のカルボキシル基の
当量比が0.1を超える場合には、(b)成分のビニル
系単量体と(a)成分との化学結合が十分に得られずに
相分離する傾向があり好ましくない。
【0024】(a)成分の(b)成分に対する重量比率
又は(b)成分及び(c)成分のビニル系単量体の合計
重量に対する重量比率は、1/99〜80/20の範囲
が好ましく、より好ましくは1/99〜70/30の範
囲であり、さらに好ましくは1/99〜50/50の範
囲である。1/99よりも(b)成分のビニル系単量体
の重量又は(b)成分及び(c)成分のビニル系単量体
の合計重量が多くなる場合には、本発明のエポキシ基含
有ポリエステル変性重合体の柔軟性が不十分となること
がある。一方、80/20よりも(b)成分のビニル系
単量体の重量又は(b)成分及び(c)成分のビニル系
単量体の合計重量の比率が少なくなる場合には、本発明
のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体の硬度、耐薬
品性、耐汚染性が低下することがある。なお、(b)成
分と(c)成分との重量比は、前記したものと同様であ
る。
【0025】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体の製造方法に用いられるラジカル重合開始剤とし
ては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、1−アゾ
ビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、メ
チルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペル
オキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノンペルオキ
シド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルペルオキシ)オクタン、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキ
シド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオ
キシド、イソブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキ
シド、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオ
キシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシネオデカネー
ト、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペ
ルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物が
挙げられる。以上は単一種類用いても複数種類用いても
差し支えない。なお、本発明では(b)成分を含むビニ
ル系単量体混合物の重合反応と、(a)成分のカルボキ
シル基と(b)成分のエポキシ基間の反応とを同時に進
行する必要性から、上記のラジカル重合開始剤の中よ
り、10時間半減期温度が50℃以上のアゾ化合物、あ
るいは有機過酸化物から選択することが好ましい。その
様なアゾ化合物あるいは有機過酸化物の例としては、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、、メチルエチ
ルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、3,5,5−トリメチルヘキサノンペルオキシド、
1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
ペルオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブ
チルペルオキシ)オクタン、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ
クミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、
ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t
−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルペルオキシネオデカネート、t−ブチルペルオキ
シベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネート等が挙げられる。これらのラジカル重合開始
剤の系においては必要に応じてジメチルアニリン、硫酸
第1鉄、塩化第1鉄、酢酸第1鉄等の第1鉄塩、酸性亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット等
の還元剤を組み合わせても差し支えないが、重合温度が
低くなりすぎないように留意して選択する必要がある。
【0026】本発明で用いられる有機溶媒は(a)成分
のカルボキシル基または(b)成分のエポキシ基と反応
する官能基を有さないものが好ましい。本発明で用いら
れる有機溶媒として適当な物の例としては、例えばシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水
素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族ナフ
サ等の芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
イソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸3−メトキシブチル、アジ
ピン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のエステル系溶
剤、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、1,3,5−トリオキサン等のエーテル系
溶剤、アセトニトリル、バレロニトリル、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等の
含窒素系溶剤が挙げられる。以上は単独であっても、あ
るいは複数種類の混合溶剤であっても差し支えない。こ
の際、エポキシ基含有ポリエステル変性重合体の不揮発
成分濃度は重合体の分散安定性を損なわない範囲におい
て任意に選ぶことができるが、通常不揮発成分濃度で1
0〜70%である。なお、必要に応じて、(a)成分の
カルボキシル基と(b)成分のエポキシ基間の反応を促
進する目的で、ルイス酸、三級アミン、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩等の公知の反応触媒も用いることが
できる。
【0027】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体の製造に際して(a)成分及び(b)成分を含む
ビニル系単量体の混合方法、有機溶媒及びラジカル重合
開始剤の添加方法は任意であるが、重合熱、反応熱をコ
ントロールする目的で、(a)成分あるいはその有機溶
媒溶液を反応槽に仕込み撹拌しながら、滴下槽より
(b)成分を含むビニル系単量体あるいはその有機溶媒
溶液を滴下する方法、又は(a)成分あるいはその有機
溶媒溶液、(b)成分を含むビニル系単量体あるいはそ
の有機溶媒溶液の双方を滴下槽より滴下する方法が好ま
しい。なお、上記(b)成分を含むビニル系単量体は、
(b)成分のエポキシ基を有するビニル系単量体のみで
もよいし、(b)成分のエポキシ基を有するビニル系単
量体と(c)成分の他のビニル系単量体との混合物でも
よい。
【0028】上記重合時の重合温度はラジカル重合開始
剤の種類、併用する還元剤の有無、カルボキシル基とエ
ポキシ基の反応触媒の有無によって異なるが、50〜2
00℃の条件で行うことが好ましく、80℃〜160℃
の条件で行うことがさらに好ましい。重合温度が50℃
以下の場合には、(a)成分のカルボキシル基と(b)
成分のエポキシ基の反応が十分に進行せず、ビニル系単
量体とポリエステル樹脂とが相分離し易くなることがあ
る。一方200℃を越える場合には予期せぬ解重合等の
副反応が起こる可能性がある。本発明の条件下で製造さ
れるこれらのエポキシ基含有ポリエステル変性重合体
は、重合時の(a)成分の樹脂酸価や分子量、(b)成
分を含むビニル系単量体の重合体の分子量や(b)成分
を含むビニル系単量体の含量、さらには溶剤の種類によ
り透明な溶液となったり、乳白色な分散液となったりす
る。このうち、乳白色な分散液となるのは、生成するエ
ポキシ基含有ポリエステル変性重合体のポリエステル部
分とビニル系単量体の重合体部分がミクロ相分離してい
るためと考えられるが、本発明の範囲内のエポキシ基含
有ポリエステル変性重合体においてはその分散液の安定
性が優れており、貯蔵時の安定性、製膜時の透明性に何
ら問題が生じない。
【0029】この様にして得られる本発明のエポキシ基
含有ポリエステル変性重合体は、熱可塑性樹脂組成物と
しても使用できるが、アミン、酸無水物、カルボン酸化
合物等の硬化剤と組み合わせた熱硬化性組成物としても
使用できる。また、本発明のエポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体は、塗料、インク、接着剤、プラスチック
成形品等の分野に好適に用いられる。該分野において
は、必要に応じ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、シ
リコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹
脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、塩化ビニル樹脂、フ
ェノキシ樹脂等を相溶性を考慮しながら任意に選択して
混合することができ、さらに着色顔料、フィラー、溶
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤等を配合す
ることができる。
【0030】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明は、これらの例により何ら限定
されるものではない。 製造例1 ポリエステル樹脂(溶液)の合成 温度計、ディーンスターク(ポリエステル合成時の縮合
反応における水等を除去するための分留器)、還流冷却
器、窒素導入管、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、ジ
メチルフタル酸367重量部、1,6−ヘキサンジオー
ル179重量部、エチレングリコール141重量部、イ
ソフタル酸314重量部、ジブチル錫ジラウレート5重
量部、キシレン50重量部を仕込み、170℃から24
0℃に昇温しながら撹拌し、縮合重合反応を行った。そ
の後、キシレン757重量部を加えた結果、不揮発分5
0%、樹脂酸価5.3、数平均分子量6600のポリエ
ステル樹脂の溶液を得た。なお、不揮発分測定条件は、
50℃、0.1mmHgで3時間である。
【0031】製造例2 ポリエステル樹脂(溶液)の合
成 温度計、ディーンスターク、還流冷却器、窒素導入管、
撹拌機を備えた4つ口フラスコに、イソフタル酸463
重量部、1,5−ペンタンジオール590重量部仕込
み、170℃から240℃に加熱・昇温しながら撹拌
し、酸価が5以下となるように縮合重合反応を行った。
次に無水フタル酸447重量部を仕込み、140℃から
240℃まで減圧しながら昇温・撹拌し、付加反応と縮
合重合反応を行った。その後、キシレン350重量部を
加えた結果、不揮発分80%、樹脂酸価12.6、数平
均分子量5600のポリエステル樹脂の溶液を得た。な
お、不揮発分測定条件は、50℃、0.1mmHgで3
時間である。
【0032】製造例3 ポリエステル樹脂(溶液)の合
成 温度計、ディーンスターク、還流冷却器、窒素導入管、
撹拌機を備えた4つ口フラスコに、イソフタル酸24重
量部、アジピン酸14重量部、ネオペンチルグリコール
33重量部、キシレン7重量部を仕込み、170℃から
240℃に昇温しながら撹拌し、縮合重合反応を行っ
た。混合物の酸価を測定し、酸価が8以下となったとこ
ろでキシレン37重量部を加えた結果、不揮発分62
%、樹脂酸価12.9、数平均分子量2100のポリエ
ステル樹脂の溶液を得た。なお、不揮発分測定条件は、
50℃、0.1mmHgで3時間である。
【0033】製造例4 ポリエステル樹脂(溶液)の合
成 温度計、ディーンスターク、還流冷却器、窒素導入管、
撹拌機を備えた4つ口フラスコに、イソフタル酸24重
量部、アジピン酸14重量部、ネオペンチルグリコール
23重量部、トリメチロールプロパン7重量部、キシレ
ン5重量部を仕込み、170℃から240℃に昇温しな
がら撹拌し、縮合重合反応を行った。混合物の酸価を測
定し、酸価が8以下となったところでキシレン37重量
部を加えた結果、不揮発分61%、樹脂酸価12.5、
数平均分子量2300のポリエステル樹脂の溶液を得
た。なお、不揮発分測定条件は、50℃、0.1mmH
gで3時間である。
【0034】製造比較例1 低分子量ポリエステル樹脂
(溶液)の合成 温度計、ディーンスターク、還流冷却器、窒素導入管、
撹拌機を備えた4つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジ
オール189重量部、エチレングリコール149重量
部、イソフタル酸663重量部を仕込み、加熱しながら
樹脂酸価が45になるまで撹拌し、縮合重合反応を行っ
た。その後、シクロヘキサノン870重量部を加えた結
果、不揮発分50%、樹脂酸価45、数平均分子量12
50のポリエステル樹脂の溶液を得た。なお、不揮発分
測定条件は、50℃、0.1mmHgで3時間である。
【0035】製造比較例2 低酸価ポリエステル樹脂
(溶液)の合成 製造例1のポリエステル樹脂(溶液)100重量部に対
しカ−ジュラE−10(バーサチック酸グリシジルエス
テルの商品名、シェル化学社製)1.77重量部、トリ
エチルベンジルアンモニウムクロリド0.1重量部を添
加し、80℃で酸価が0.3になるまで撹拌し、低酸価
ポリエステル樹脂の溶液を合成した。
【0036】製造比較例3、4 エポキシ基含有アク
リル樹脂(溶液)の合成 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(シクロヘキサ
ノン)94重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃
を保った。次に100℃の温度で、表1記載の組成の単
量体及び重合開始剤の混合物(滴下成分)を2時間かけ
て滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、100℃
の温度を1時間保ち、表1記載の組成の重合開始剤溶液
(追加触媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間
保ったところで反応を終了し、それぞれ表1記載のエポ
キシ基含有アクリル樹脂溶液を得た。
【0037】
【表1】
【0038】注 1)表中の略号は以下の通りである。 GMA:グリシジルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 2)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 3)エポキシ当量:過剰の0.2N塩酸ジオキサン溶液
でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を
0.1N KOHエタノ−ル溶液で逆滴定し、樹脂あた
りのエポキシ当量を算出した。 4)粘度:20℃において、JIS K−5400(1
990)4.5.3回転粘度計法により測定した。
【0039】実施例1〜9 エポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体の合成 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ表2及び表3に示す初期仕込み
溶剤、ポリエステル樹脂(またはその溶液)を仕込み、
撹拌下で加熱し溶液にし、120℃を保った。次に12
0℃の温度で、表2及び表3記載の組成の単量体、重合
開始剤の混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロート
より等速滴下した。滴下終了後120℃の温度を1時間
保ち、その後、温度を100℃に下げ、表2及び表3記
載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さら
に100℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し
たところ、それぞれ表2及び表3記載の特性を有するエ
ポキシ基含有ポリエステル変性重合体を得た。表2及び
表3に示すとおり、本発明のエポキシ基含有ポリエステ
ル変性重合体は透明な溶液、もしくは安定な分散液とな
り、50℃で1カ月放置しても安定に存在していること
が判明した。またこれらのエポキシ基含有ポリエステル
変性重合体を透明なガラス板に流し塗りしたキャスト膜
は良好な透明性を有していた。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】注 1)表中の略号は以下の通りである。 GMA:グリシジルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート BPL:t−ブチルペルオキシラウレート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル GK−150:東洋紡(株)製ポリエステル樹脂:樹脂
酸価6.0 数平均分子量12,000、室温中固体 2)性状:目視によるエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体の外観を示す。 3)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 4)エポキシ当量:過剰の0.2N塩酸ジオキサン溶液
でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を
0.1N KOHエタノ−ル溶液で逆滴定し、樹脂あた
りのエポキシ当量を算出した。 5)粘度:20℃において、JIS K−5400(1
990)4.5.3回転粘度計法により測定した。な
お、貯蔵後の粘度は、貯蔵安定性試験を行った試料の粘
度を測定した。 6)キャスト膜の透明性;エポキシ基含有ポリエステル
変性重合体を透明なガラス板に流し塗りして140℃3
0分の条件で溶剤を蒸発させた後の外観を目視にて確認
した。 7)貯蔵安定性;50℃の恒温槽に1カ月、エポキシ基
含有ポリエステル変性重合体の溶液または分散液を入れ
て樹脂の分離・ゲル化などの異常の有無を検討した。
【0043】比較例1〜3 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに、それぞれ表4に示す初期仕込み溶剤、ポ
リエステル樹脂(またはその溶液)を仕込み、撹拌下で
加熱し均一にし、120℃を保った。次に120℃の温
度で、表4記載の組成の単量体、重合開始剤の混合物
(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下し
た。滴下終了後、120℃の温度を1時間保ち、その
後、温度を100℃に下げて表4記載の組成の重合開始
剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに100℃の温度を
2時間保ったところで反応の終結としたところ、本発明
の範囲外の分子量、樹脂酸価を有するポリエステルを用
いた比較例1では、重合途中で系のゲル化を起こした。
また、本発明の範囲よりも樹脂酸価が小さいポリエステ
ルを用いた比較例2、あるいは本発明の範囲よりも
(b)成分の割合が少なくなる比較例3では、油滴状の
樹脂分散液となり、50℃で短時間の内に二相に分離し
た。またこれらの樹脂分散液を透明なガラス板に流し塗
りしたキャスト膜は完全に不透明であった。
【0044】
【表4】
【0045】注 1)表中の略号は以下の通りである。 GMA:グリシジルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルヘキシルアクリレート BPL:t−ブチルペルオキシラウレート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル GK−150:東洋紡(株)製ポリエステル樹脂:樹脂
酸価6.0 数平均分子量12,000、室温中固体 2)性状:目視によるエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体の外観を示す。 3)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 4)エポキシ当量:過剰の0.2N塩酸ジオキサン溶液
でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を
0.1N KOHエタノ−ル溶液で逆滴定し、樹脂あた
りのエポキシ当量を算出した。 5)粘度:20℃において、JIS K−5400(1
990)4.5.3回転粘度計法により測定した。 6)キャスト膜の透明性;エポキシ基含有ポリエステル
変性重合体を透明なガラス板に流し塗りして140℃3
0分の条件で溶剤を蒸発させた後の外観を目視にて確認
した。 7)貯蔵安定性;50℃の恒温槽に1カ月、エポキシ基
含有ポリエステル変性重合体の溶液または分散液を入れ
て樹脂の分離・ゲル化などの異常の有無を検討した。
【0046】比較例4〜9 温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた3つ口フラスコ
に、それぞれ表5に示す様にバイロンGK150(東洋
紡(株)製ポリエステル樹脂:樹脂酸価6.0、数平均
分子量12,000、室温中固体)25重量部、初期仕
込み溶剤25重量部を仕込み、撹拌下で加熱し溶解し
た。次に常温まで温度を下げた後、製造比較例3、4で
合成したアクリル樹脂の溶液を添加し、表5記載の混合
温度で撹拌した。その結果、混合温度が常温の比較例
4、5、8では油滴状の樹脂分散液となり、室温で短時
間の内に二相に分離した。またこれらの樹脂分散液を透
明なガラス板に流し塗りしたキャスト膜は完全に不透明
であった。一方、比較例6、7、9の様に混合温度を1
20℃としたところ、混合物が徐々に増粘し、最後には
ゲル化した。
【0047】
【表5】
【0048】注 1)GK−150:東洋紡(株)製ポリエステル樹脂:
樹脂酸価6.0 数平均分子量12,000、室温中固体 2)性状:目視によるエポキシ基含有ポリエステル変性
重合体の外観を示す。 3)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 4)エポキシ当量:過剰の0.2N塩酸ジオキサン溶液
でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を
0.1N KOHエタノ−ル溶液で逆滴定し、樹脂あた
りのエポキシ当量を算出した。 5)粘度:20℃において、JIS K−5400(1
990)4.5.3回転粘度計法により測定した。 6)キャスト膜の透明性;エポキシ基含有ポリエステル
変性重合体を透明なガラス板に流し塗りして140℃3
0分の条件で溶剤を蒸発させた後の外観を目視にて確認
した。 7)貯蔵安定性;50℃の恒温槽に1カ月、エポキシ基
含有ポリエステル変性重合体の溶液または分散液を入れ
て樹脂の分離・ゲル化などの異常の有無を検討した。
【0049】比較例10〜15 温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた3つ口フラスコ
に、それぞれ表6に示すポリエステル溶液、初期仕込み
溶剤を仕込み、、撹拌下で加熱し溶解した。次に常温ま
で温度を下げた後、製造比較例3のアクリル樹脂の溶液
を添加し、表6記載の混合温度で撹拌した。その結果、
混合温度が常温の比較例10〜12では油滴状の樹脂分
散液となり、室温で短時間の内に二相に分離した。ま
た、これらの樹脂分散液を透明なガラス板に流し塗りし
たキャスト膜は完全に不透明であった。一方、比較例1
3〜15の混合温度を120℃としたところ、混合物が
徐々に増粘し、最後にはゲル化した。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】本発明のエポキシ基含有ポリエステル変
性重合体は、ポリエステル部分と、ビニル系単量体の重
合体部分の相溶性が極めて良好である。さらにその溶液
または分散液の貯蔵安定性も優れている。また、多量の
エポキシ基を反応性官能基として有しており、さらに必
要に応じて水酸基などの反応性官能基をエポキシ基含有
ポリエステル変性重合体中に導入することも可能である
ことから、メラミン樹脂、イソシアネ−ト、カルボン酸
化合物、酸無水物その他の架橋剤との組み合わせにより
熱硬化性組成物を得ることが可能である。よって本発明
のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体は、ビニル系
単量体の重合体が有する優れた硬度、耐薬品性、耐汚染
性と、ポリエステルの良好な加工性とを併せ持つことが
でき、塗料、インク、接着剤、成型品等の分野に広く応
用可能である。また、本発明のエポキシ基含有ポリエス
テル変性重合体の製造方法によると、上記優れた性能を
有するポリエステルとビニル系単量体の重合体との複合
体を効率的に製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)数平均分子量が1,500〜50,
    000であり、且つ樹脂酸価が2〜30mgKOH/g
    のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂から成る構成部
    分と(b)エポキシ基を有するビニル系単量体の重合体
    から成る構成部分を有し、該カルボキシル基と該エポキ
    シ基の一部とが、(b)成分の重合体のエポキシ基に対
    する(a)成分のカルボキシル基の当量比が0.1以下
    の割合で反応して結合されており、エポキシ当量が20
    0〜2,000g/molであることを特徴とするエポ
    キシ基含有ポリエステル変性重合体。
  2. 【請求項2】(a)成分が、ジカルボン酸とジオールを
    構成単位原料とする線状ポリエステル樹脂である請求項
    1記載のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体。
  3. 【請求項3】請求項1のエポキシ基を有するビニル系単
    量体の重合体が、(b)エポキシ基を有するビニル系単
    量体と(c)他のビニル系単量体との共重合体である請
    求項1記載のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体。
  4. 【請求項4】(a)成分から成る構成部分の(b)成分
    の重合体又は(b)成分と(c)成分の共重合体から成
    る構成部分に対する重量比が1/99〜80/20であ
    る請求項1又は3記載のエポキシ基含有ポリエステル変
    性重合体。
  5. 【請求項5】(a)数平均分子量が1,500〜50,
    000であり、且つ樹脂酸価が2〜30mgKOH/g
    のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂及び有機溶媒の
    存在下で、(b)エポキシ基を有するビニル系単量体
    を、(b)成分のエポキシ基に対する(a)成分のカル
    ボキシル基の当量比が0.1以下の割合にし、ラジカル
    重合開始剤により重合することを特徴とするエポキシ当
    量が200〜2,000g/molのエポキシ基含有ポ
    リエステル変性重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】(a)成分が、ジカルボン酸とジオールを
    構成単位原料とする線状ポリエステル樹脂である請求項
    5記載のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】(b)エポキシ基を有するビニル系単量体
    と共に(c)他のビニル系単量体を重合する請求項5記
    載のエポキシ基含有ポリエステル変性重合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】(a)成分の(b)成分又は(b)成分と
    (c)成分の合計重量に対する重量比が1/99〜80
    /20である請求項5又は7記載のエポキシ基含有ポリ
    エステル変性重合体の製造方法。
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