JPH0940934A - 電子装置用材料 - Google Patents

電子装置用材料

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JPH0940934A
JPH0940934A JP6938696A JP6938696A JPH0940934A JP H0940934 A JPH0940934 A JP H0940934A JP 6938696 A JP6938696 A JP 6938696A JP 6938696 A JP6938696 A JP 6938696A JP H0940934 A JPH0940934 A JP H0940934A
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silicon
biopolymer
electronic device
type silicon
biological tissue
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JP6938696A
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Akira Miki
明 三城
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体高分子等の生体構成成分の吸着および凝
集が起こりにくいマイクロマシンおよびナノマシン用の
材料を提供する。 【解決手段】 生体高分子および生体組織を含む環境下
において、該生体高分子および該生体組織の有する実効
静電荷に応じて価電子制御された表面を有し、それによ
り、該表面に対する生体高分子および生体組織の吸着お
よび凝集が抑制された材料。このような材料はたとえば
シリコン結晶から構成することができ、生体高分子の実
効静電荷が負の場合、表面部分32aが内部31aより
も抵抗値が低くなるように不純物元素がドーピングされ
たN型シリコン結晶から構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシンお
よびナノマシン等の微少電子装置を構成するための材料
に関し、特に、生体内等の生体高分子および/または生
体組織が存在する環境下で用いる微少電子装置を構成す
るための材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシンあるいはナノマシ
ン(以下M&Nマシンと略記)と呼ばれる微小機械によ
り、非常に高感度でかつ微小なセンサや、生体組織内で
細胞等の除去や治療作業を行なうロボットを実現させよ
うという研究が盛んに行なわれている。M&Nマシンは
最近の半導体、特にシリコン集積回路のプロセス技術、
特に微細加工技術の飛躍的な進歩によりその実現性が期
待されているものである。そして、半導体のうちでも、
特にシリコンは微細加工のためのプロセス技術が発達し
ていること、機械的特性に優れていること、集積回路を
内蔵することによってワンチップ化・微細化が可能にな
ること、等の理由によって、シリコンを用いた機械の小
型化・高性能化が特に期待されている。
【0003】M&Nマシンのセンサへの用途としては、
圧力センサ、加速度センサ、温度センサ、流量計、化学
分析用イオンセンサ等が考案されている。このうち、圧
力センサへの適用例を図11に示す[文献;江刺:“半
導体マイクロメカニカルマシーニングとセンサ”センサ
技術、5巻、P.114(昭和60年)]。図11に示
す例では、シリコン基板50の裏面側を異方性エッチン
グにより薄く加工し、ダイヤフラム51を形成してい
る。さらにシリコンダイヤフラム51の表面にはポリシ
リコンで作製した歪検出用ゲージ52が設置されてい
る。このもののダイヤフラム51に圧力を印加すると、
圧力の大きさに比例してダイヤフラム51が撓み、ダイ
ヤフラム51上のポリシリコン歪ゲージ52の抵抗値が
変化する。この変化を電極53を介してブリッジ回路で
検出して圧力値を知る仕組みになっている。図11の例
に示したように、M&Nセンサの作製においてはシリコ
ン基板の微細加工プロセス技術が重要となることがわか
る。
【0004】次に、M&Nマシンによる生体内での作業
ロボットについて説明する。これについては未だ実現さ
れた例はないが、1つの試みとして、自走ロボットの移
動用の足として適用することを狙ったアレイ型カンチレ
バーアクチュエータについて説明する。図12にその概
略を示す[文献;N. Takeshima and H. Fujita:“Poly
imide Bimorph Actuators for a Ciliary Motion Syste
m ”1991 ASME WinterMeeting, DSC-Vol32 (Micromech
anical Sensors, Actuators, and Systems ), pp.203-
209. ]。図12に示す例は、シリコン基板上に熱膨張
係数の異なる2種類の薄膜を積層し、このものの垂直方
向における変位によって基板を走行させようとするもの
である。図12において、シリコン基板60上には2種
類の熱膨張係数の異なるポリイミド薄膜61および62
が、ニクロム配線63(ヒータとして働く)を挟むよう
にして積層されており、これがシリコン基板60と中空
部64を介して隔離されることにより、カンチレバーと
して機能する。このカンチレバーは、初期状態では残留
応力のため片方に反っているが、中央のニクロム配線6
3に電流を流すことにより発熱し、その結果、バイメタ
ルのように反対方向に変位する。この運動を連続的に行
なうことによって、生体中を自由に動き回る人工微小ロ
ボットを実現させようとするものである。
【0005】以上に示したものはM&Nマシンのほんの
一例であるが、ここで示したもの以外のものについて
も、基本となる技術は、シリコン基板を主として用いた
微細加工プロセスによって微小な人工システムを実現さ
せようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリコンを主たる半導
体基板として用いるM&Nマシンでは、上述したように
生体内および生体内に類似の環境下で、種々のセンシン
グ、生体物質の除去、外科的治療を行なうことを目的と
しているが、シリコン基板よりなるこれらM&Nマシン
を長時間生体内および生体内と類似の環境下に浸漬して
おくと、生体構成物質である蛋白質等の分子がシリコン
表面に吸着し、凝集することが明らかとなった。このよ
うな、生体高分子の吸着・凝集がシリコン表面で発生す
ると、M&Nマシンの運動機能およびセンシング機能を
著しく低下させてしまい、十分に生体内で機能させるこ
とが不可能となってしまう。
【0007】そこで本発明の一つの目的は、生体高分子
等の生体構成成分の吸着および凝集が起こりにくい電子
装置用材料を提供することである。
【0008】本発明のさらなる目的は、シリコンを主た
る半導体基板として用いるM&Nマシン等の電子装置の
ため、生体高分子等の生体構成成分の吸着および凝集が
起こりにくいシリコン材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従う電子装置用
材料は、生体高分子および/または生体組織を含む環境
下で用いる電子装置を構成するための材料であって、該
環境下における生体高分子および/または生体組織の有
する実効静電荷に応じて価電子制御された表面を有し、
それにより、該表面に対する生体高分子および/または
生体組織の吸着および凝集が抑制されることを特徴とす
る。
【0010】本発明に従う電子装置用材料は、たとえ
ば、所定の材料に価電子制御のための不純物元素を添加
したものであり、かつ所定の材料における不純物元素の
濃度が、所定の材料の内部よりも、生体高分子および/
または生体組織と接触すべき表面部分において高くされ
ているものとすることができる。
【0011】本発明に従う電子装置用材料は、特に、マ
イクロマシンまたはナノマシンに適用することができ
る。マイクロマシンは、半導体の微細加工技術(μmレ
ベル)を用いて、主としてシリコン基板を用いて作製さ
れた微小機械であり、各種センサ、ロボット等に適用さ
れるものである。ナノマシンは、マイクロマシンの微細
加工レベルをさらに引上げ、nmレベルの領域まで至ら
しめたものである。このレベルのマシンでは、分子レベ
ルでの作業も可能となる。
【0012】本発明に従う電子装置用材料は、不純物元
素がドーピングされた半導体結晶から構成することがで
きる。半導体には、シリコン、ゲルマニウム等の単体の
もの、GaAs、CdS等の化合物のもの等が含まれ
る。また本発明の材料は、たとえば不純物元素のドーピ
ングによる価電子制御が可能なものであれば、その他の
材料から構成することもでき、たとえば、チタン酸バリ
ウム、チタン酸ストロンチウム等の強誘電体材料で構成
することもできる。さらに、価電子制御のため、本発明
の材料はPN接合部を有することができる。PN接合を
有する半導体材料は、本発明に適用することができる。
【0013】本発明を構成する材料として特に好ましい
ものはシリコン結晶である。シリコン結晶への不純物元
素のドーピングには通常、N型にする場合には周期律表
第V族の元素が、P型にする場合には周期律表第III
族の元素が用いられる。使用環境下での生体高分子およ
び/または生体組織の実効静電荷が負の場合は、第V族
元素がドーピングされた表面を有するシリコン結晶から
本発明の材料を構成することが好ましい。一方、該実効
静電荷が正の場合は、第III族元素がドーピングされ
た表面を有するシリコン結晶から本発明の材料を構成す
ることが好ましい。
【0014】また、使用環境下での生体高分子および/
または生体組織の実効静電荷が負の場合は、生体高分子
および/または生体組織と接触すべき表面部分が内部よ
りも電気抵抗値が低くなるよう不純物元素がドーピング
されたN型シリコン結晶から本発明の材料を構成するこ
とができる。一方、該実効静電荷が正の場合は、その表
面部分が内部よりも電気抵抗値が低くなるよう不純物元
素がドーピングされたP型シリコン結晶から本発明の材
料を構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】蛋白質を始めとする生体高分子で
は、生体内および生体内と類似の環境下において、分子
間同士の認識は、ほとんど、幾何学的に特異的な構造お
よび静電的な相互作用(静電斥力・引力、ファンデルワ
ールス力)によって行なわれている。静電的なエネルギ
に基づく分子間の相互作用においては、個々の分子最表
面での僅かな空間的な電荷分布の相違が、分子間の認識
の度合、分子集合体の作りやすさに決定的な影響を及ぼ
すと考えられている。本発明者は、生体内での種々の生
体構成分子のセンシング、生体物質の除去、外科的治療
等を行なうことを目的として、シリコンに代表される半
導体基板を用いたM&Nマシンを研究開発していく段階
で、シリコン基板表面が生体高分子(具体的には蛋白
質)と特異的に吸着反応を起こすことを見出した。
【0016】本発明者は、図1に示す装置において、蛋
白質を含む緩衝溶液をM&Nマシンの基板となるシリコ
ンに接触させると、シリコン表面に蛋白質の結晶が析出
してくるが、その際の結晶化の度合がシリコン基板の種
類によって大きく異なることを見出した。図1(a)に
示す装置では、容器11内に緩衝溶液12が収容され、
その中に透析膜チューブ13が設けられている。透析膜
チューブ13内には、生体高分子を含む母液14ととも
に、所定の不純物がドーピングされたSi結晶15が収
容されている。透析膜チューブ13は、パッキン16で
密封され、緩衝溶液12に浸漬される。容器11の開口
は、フィルム17によって覆われている。この装置にお
いて、透析が進められるとともに、Si結晶15上に母
液14から生体高分子の結晶が析出される。図1(b)
に示す装置では、容器21の下部に、緩衝溶液22が収
容される。一方、容器21の上部には、Si結晶25が
載置され、その上に生体高分子を含む母液の液滴24が
載せられる。緩衝溶液22および液滴24を載せたSi
結晶25を収容する容器21の開口は、キャップ27に
よって密閉される。そして、緩衝溶液22と液滴24の
間では、両者における揮発成分の蒸発によって、緩やか
な平衡が成立しており、Si結晶25上で生体高分子の
結晶析出がなされる。
【0017】このような装置において、たとえば、水溶
性蛋白質分子はあるpH条件下では実効表面電荷が負と
なるが、この場合、P型シリコン表面には非常に多くの
蛋白質結晶が析出するが、N型シリコン表面では蛋白質
の結晶化および凝集が抑制される場合がある。この現象
は以下のように解釈される。溶液中の蛋白質分子表面の
実効電荷が負の場合、P型シリコン表面と蛋白質分子と
はオーミック性接触の状態にあり、シリコン側から正孔
が供給されることによって蛋白質分子は静電的にシリコ
ン表面に吸着あるいは凝集されていく。P型シリコン基
板の表面にN型層が形成されている場合も同様であり、
負の実効表面電荷を有する分子に対して、シリコン基板
表面はオーミック性接触表面を形成するため、シリコン
表面には該分子が吸着あるいは凝集されていく。一方、
溶液中の蛋白質分子表面の実効電荷が負の場合、N型シ
リコン表面と蛋白質分子とはショットキー接触を形成
し、シリコン表面近傍に空間電荷層が誘起される。この
空間電荷層容量は、蛋白質溶液側の電気二重層斥力とフ
ァンデルワールス力との和で与えられる静電的容量と均
衡を保つように形成される。したがって、この場合には
シリコン側からのキャリアの供給がないため、蛋白質分
子のシリコン表面への吸着はほとんど起こらないものと
推測される。N型シリコン基板の表面にP型層が形成さ
れている場合も同様であり、負の実効表面電荷を有する
分子に対して、シリコン基板は逆バイアスされた状態に
あるため、PN接合界面に、蛋白質溶液側の電気二重層
斥力とファンデルワールス力との和で与えられる静電的
容量と均衡を保つように、空間電荷層が誘起され、安定
化する。
【0018】また、水溶性蛋白質分子は、あるpH条件
下では実効表面電荷が負となるが、この場合、高抵抗の
N型シリコン表面には多くの蛋白質結晶が析出する一
方、低抵抗のN型シリコン表面にはほとんど蛋白質の結
晶化が起こらないことも見出された。この現象は以下の
ように解釈される。まず、負の実効表面電荷を有する蛋
白質分子がシリコン表面と接している場合を考える。高
抵抗N型シリコンと低抵抗N型シリコンとではドーパン
ト(たとえばリン原子)の濃度が低抵抗N型シリコンに
おいて高いため、シリコンの表面近傍で誘起される空間
電荷層の空乏層幅は、低抵抗N型シリコンにおけるほう
が狭くなる。よって、空乏層容量は低抵抗N型シリコン
のほうが高抵抗N型シリコンより大となることから、表
面電位は低抵抗N型シリコンのほうが高抵抗N型シリコ
ンよりも小さくなる。一方、N型シリコン表面の表面電
位は正の極性を有することから、負の表面電位を有する
生体高分子とシリコン表面との間には静電的な引力が働
くと考えられる。しかしながら、上述したように低抵抗
N型シリコンの表面電位は低くされているため、生体高
分子に働く静電引力は低く抑えられ、高抵抗N型シリコ
ン表面よりも低抵抗N型シリコンのほうが生体高分子の
結晶化および凝集が起こりにくくなったものと考えられ
る。
【0019】以上のことより、負の実効表面電荷を有す
る生体高分子および/または生体組織とN型シリコン基
板が接する場合には、シリコン基板表面が低抵抗のN型
となるよう不純物をドーピングするのが有効である。ま
た、正の実効表面電荷を有する生体高分子および/また
は生体組織とP型シリコン基板が接する場合には、シリ
コン基板表面が低抵抗のP型となるように不純物をドー
ピングすることが有効である。
【0020】一般に電解質溶液内における帯電物質間ま
たは帯電分子間の凝集性は、両者間の電気二重層斥力と
ファンデルワールス力との和に依存する。したがって、
物質または分子同士を凝集させる場合、ならびに凝集を
制限する場合、電解質溶液中に添加する表面電位を調整
するための塩濃度を人為的にコントロールすることが非
常に重要となる。しかし、実際の生体内ではそのような
操作はほとんど不可能である。一方、本発明によれば、
材料表面の静電特性は予め価電子制御により調整される
ため、塩濃度の調整は基本的に不要である。また、塩濃
度の調整を行なうとしても、簡単なものですむ。生体内
で適用するM&Nマシン等の電子装置を、本発明の材料
で構成すれば、価電子制御により、装置表面への生体高
分子等の物質の吸着および凝集を制限することができ、
生体高分子および/または生体組織を含む環境下におい
て装置の機能を長時間低下させることなく維持すること
が可能となる。
【0021】本発明の材料は、上述したような静電特性
を有し、電荷量および極性の制御が可能な物質で、さら
に溶液中において化学的に安定な物質であればどのよう
な物質でもよいが、最も好ましい物質の一つとし半導体
結晶であるシリコンを挙げることができる。
【0022】本発明で用いられる周期律表の第III族
および第V族の元素を添加したP型およびN型のシリコ
ン結晶は、通常のLSIプロセスにて用いられるシリコ
ンウェハと同等の特性を有するものでよい。シリコン結
晶の比抵抗は、0.0001〜1000Ωcm程度の範
囲内であることが望ましく、より望ましくは0.000
1〜100Ωcmであり、さらに望ましくは0.000
1〜10Ωcmである。
【0023】本発明にてドーピングに用いられる周期律
表第III族および第V族元素の不純物濃度は、1012
〜1021/cm3 の範囲が望ましく、より望ましくは1
13〜1021/cm3 であり、さらに望ましくは1014
〜1021/cm3 である。
【0024】結晶表面は、ミラーポリッシュされたもの
が、余分な結晶核の生成を抑制する上で好ましい。本発
明で用いられるP型およびN型に価電子制御されたシリ
コンの作製方法として、種々のものが考えられ、どのよ
うな方式のものでもよいが、最も簡便で不純物濃度の制
御が正確に行なえる方法として、イオン注入法を挙げる
ことができる。この方法の場合、P型およびN型の価電
子制御は、それぞれ、周期律表第III族および第V族
に属する元素のイオンをシリコン中に注入・アニールす
ることによって容易に行なえる。III族元素としてホ
ウ素(B)、V族元素としてリン(P)がより好まし
い。
【0025】本発明において、シリコンにP/N型およ
びN/P型の接合を形成する場合、その厚みは次のよう
なものとすることができる。始めにN/P型接合の場
合、N型シリコン表面にP型のシリコン層を好ましくは
1〜200μm、より好ましくは3〜50μmの範囲で
形成するのがよい。P/N型接合の場合も同様であり、
P型シリコンの表面に同様の厚みのN型層を形成するの
が好ましい。
【0026】また本発明において、シリコン表面にN型
またはP型の不純物層を形成して低抵抗層とする場合、
その厚みを1〜200μmとすることができ、3〜50
μmの範囲がより望ましい。不純物層を形成する場合、
これ以外の範囲では作製が容易でなかったり、効果がな
くなるおそれがある。
【0027】価電子制御が可能な半導体結晶であるシリ
コンを用いた例について上述したが、本発明の目的を達
成するためには、シリコンでなくともよく、同様の機能
を有する物質で、かつ溶液中で安定であれば種々の物質
を用いることができる。たとえば、電荷分布の制御され
た無機化合物、有機化合物、有機高分子等をさらに候補
として挙げることができる。また、半導体、金属、有機
化合物、無機化合物等が組合わされた複合材料でもよ
い。
【0028】図2に、本発明による電子装置用材料の具
体例についてその断面構造の概略を示す。図2(a)に
示す材料では、高抵抗材料31a上に低抵抗材料32a
が設けられている。低抵抗材料32aは、生体高分子ま
たは生体組織が接触する表面を形成する。このような構
成は、所定の材料において内部を高抵抗層とし表面部分
を低抵抗層とすることにより得ることができる。低抵抗
層を得るため、たとえば所定の材料において不純物元素
を表面部分に内部より多く添加すればよい。より具体的
な例を図2(b)〜(e)に示す。図2(b)に示す材
料では、内部が高抵抗N型シリコン31bとされ、表面
部分が低抵抗N型シリコン32bとされている。このよ
うな材料は、たとえば、N型シリコン結晶の表面に不純
物元素(たとえばリン)を内部より多く導入することに
よって得られる。図2(c)に示す材料では、内部が高
抵抗P型シリコン31cとされ、表面部分が低抵抗P型
シリコン32cとされている。このような材料は、たと
えば、P型シリコン結晶の表面に不純物元素(たとえば
ホウ素)を内部よりも多く導入することにより得られ
る。図2(d)に示す材料では、P型シリコン33上に
高抵抗N型シリコン31dが形成され、その上に低抵抗
N型シリコン32dが形成されている。低抵抗N型シリ
コン32dは生体高分子または生体組織と接触する表面
を形成する。このような構成も、シリコンに導入される
不純物濃度の調整によって得ることができる。図2
(e)に示す材料では、N型シリコン34上に高抵抗P
型シリコン31eが形成され、その上に低抵抗P型シリ
コン32eが形成されている。低抵抗P型シリコン32
eは、生体高分子または生体組織が接触する表面を形成
する。このような構成も、不純物導入の制御により得る
ことができる。
【0029】本発明の材料には、種々の微細加工を施す
ことができ、たとえば図3に示すように、化学的異方性
エッチングにより溝を形成することができる。溝を形成
するプロセスでは、まずSi基板41を準備し(図3
(a))、次いで基板41上にSiO2 膜42を形成す
る(図3(b))。SiO2 膜42をエッチングして所
定のパターンとした(図3(c))のち、たとえば通常
の異方性エッチングによりSi基板をエッチングする
(図3(d))。SiO2 膜を除去することにより、溝
43を有するSi基板41′が得られる。
【0030】本発明が適用されるM&Nマシン等の電子
装置が使用される環境下の生体高分子および生体組織は
たとえば次のようなものである。電子装置の使用される
環境下に含まれる生体高分子は、主として生体内におい
て生体組織の一部を構成するか、あるいは生化学反応や
遺伝情報の伝達に必須となる一連の分子であり、たとえ
ば蛋白質、核酸等を挙げることができる。生体高分子の
より具体的な例として、DNA、RNAおよびそれらの
ポリメラーゼ複合体、水溶性蛋白質、主に細胞内に埋め
込まれた疎水性の膜蛋白質、抗原抗体反応に重要な受容
体蛋白質および酵素類、膜を構成する疎水性蛋白質、細
胞内にあって電子伝達を行なう酵素類、繊維状蛋白質、
神経伝達および神経情報処理を担う神経細胞中の神経伝
達物質、受容体蛋白質および酵素類、ならびにウィルス
類等を挙げることができる。一方、生体組織は、生体中
に存在する各種器官を構成する細胞、筋繊維等である。
生体組織の例として、たとえば神経細胞、肝細胞、血液
を構成する細胞、筋肉繊維細胞、その他生体組織を構成
する細胞等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
[シリコン結晶表面における蛋白質の析出]形成される
蛋白質結晶のシリコン表面欠陥密度依存性を調べるため
に、以下の実験を行なった。ニワトリ卵白製リゾチーム
(Lysozyme, from Chicken Egg White)をpH=9.1
8の標準緩衝溶液に溶解し、50mg/mlの濃度と
し、図1(a)に示すような装置において、その3ml
を十分煮沸洗浄された透析チューブ内にSi結晶ととも
に封入した。シリコン結晶は以下に示す4種類のものを
用いた。P型シリコンの比抵抗はすべて10〜20Ωc
mである。
【0032】(1) エピタキシャルウェハ:P on
P+,表面酸化膜約50nm付 (2) エピタキシャルウェハ:P on P+,表面
酸化膜除去したもの (3) CZウェハ:P型,表面酸化膜約50nm付 (4) CZウェハ:P型,表面酸化膜除去したもの CZシリコンウェハ(チョクラルスキー法により引き上
げたシリコン単結晶のウェハ)の表面結晶欠陥は、単位
平方センチメートル当り10個程度であるのに対し、エ
ピタキシャルシリコンウェハの表面欠陥はほとんどない
ため、この両者の結晶を用いることによって、蛋白質結
晶の表面欠陥密度依存性を調べることができる。上記
(1)〜(4)のシリコン結晶を約2mm×5mm角の
サイズに切出し、図1(a)に示すような装置におい
て、リゾチームを含む透析チューブ内に浸漬した。さら
に、これらの透析チューブをpH=8.9の標準緩衝溶
液(200ml)中に浸し、10℃の冷暗所内に保管し
た。
【0033】冷暗所に72時間保管後、試料を取出し、
顕微鏡によってリゾチームの結晶を観察した。図4〜図
7は、この結果を示すものである。図4は(1)、図5
は(2)、図6は(3)、図7は(4)のシリコン結晶
を用いたものにそれぞれ対応する。図から明らかなよう
に、結晶表面の欠陥の有無は、リゾチームの結晶核の形
成および結晶成長に全く影響を及ぼさないことがわか
る。
【0034】[溶液中で負に帯電する生体高分子のシリ
コン結晶表面における析出]上述と同様の濃度のリゾチ
ーム水溶液を用いて、以下の実験を行なった。シリコン
結晶として次に示すものを作製した。
【0035】(1) P型シリコンのサンプル 10〜20Ωcmの比抵抗のP型シリコンウェハで、イ
オン注入法によりホウ素をドーピングしたもの。
【0036】(2) 高抵抗N型シリコンのサンプル 約100Ωcmの比抵抗のN型シリコンウェハ。
【0037】(3) 表面が低抵抗のN型シリコンのサ
ンプル 約20Ωcmの比抵抗のN型シリコンウェハ上にイオン
注入法によってリン原子をドーピングしたサンプル。イ
オン注入後の表面の低抵抗N型シリコンの比抵抗は約
0.1Ωcmであり、リン濃度は約1017/cm3 であ
る。また、低抵抗N型シリコン層の厚みは約5μmであ
る。
【0038】以上の(1)、(2)および(3)のシリ
コンを約2mm×5mm角のサイズに加工し、洗浄した
後、図1(a)に示す装置において、リゾチームの水溶
液3mlとともに透析チューブ内に封入した。外液の標
準緩衝溶液のpHは8.90とした。図8、図9および
図10に、10℃の冷暗所内に72時間保管した後のシ
リコン上におけるリゾチーム結晶成長の結果を示す。図
8は(1)、図9は(2)、図10は(3)のシリコン
結晶を用いたものにそれぞれ対応する。
【0039】(1) P型シリコンのサンプル pH=8.90の緩衝溶液により透析を行なった場合、
ウェハ表面には、無秩序にリゾチームの結晶が大量に析
出することがわかる。
【0040】(2) 高抵抗N型シリコンのサンプル pH=8.90の緩衝溶液により透析を行なった場合、
ウェハ表面上には、無秩序にリゾチームの結晶が大量に
析出することがわかる。
【0041】(3) 表面を低抵抗N型にしたシリコン
のサンプル pH=8.90の緩衝溶液により透析を行なった場合に
は、リゾチームの結晶が散在して析出するのみで、高抵
抗N型シリコンのサンプルの場合と比較して析出量はは
るかに少ないことがわかる。
【0042】以上の実施例に示したように、表面を低抵
抗にしたN型シリコンのサンプルでは、P型シリコンの
サンプルや高抵抗N型シリコンのサンプルと比較して、
結晶成長抑制効果が顕著であり、溶液中で負に帯電する
高分子を含む環境下に適用すべきM&Nマシンを構成す
る材料として表面を低抵抗にしたN型シリコンがより適
切であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、マ
イクロマシンまたはナノマシン等の微少電子装置を構成
すれば、生体内および生体内と類似の環境下において、
生体構成物質である蛋白質等の分子が装置表面に吸着、
凝集することを抑制することができる。本発明に従う材
料を用いてM&Nマシン等の電子装置を作製することに
より、生体高分子等の生体構成成分の吸着および凝集が
抑制され、生体内において長時間機能させることができ
る装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生体高分子の析出実験を行なうための装置の具
体例を示す模式図である。
【図2】本発明による電子装置用材料の具体例を示す概
略断面図である。
【図3】本発明の材料を加工するためのプロセスの一例
を示す断面図である。
【図4】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図5】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図6】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図7】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図8】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図9】実施例の実験において析出した結晶構造の顕微
鏡写真である。
【図10】実施例の実験において析出した結晶構造の顕
微鏡写真である。
【図11】M&Nマシンセンサの一例を示す斜視図であ
る。
【図12】M&Nマシンアクチュエータの一例を示す
(a)概略断面図および(b)概略平面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体高分子および/または生体組織を含
    む環境下で用いる電子装置を構成するための材料であっ
    て、 前記環境下における前記生体高分子および/または前記
    生体組織の有する実効静電荷に応じて価電子制御された
    表面を有し、それにより、前記表面に対する前記生体高
    分子および/または前記生体組織の吸着および凝集が抑
    制されることを特徴とする、電子装置用材料。
  2. 【請求項2】 前記電子装置用材料は、所定の材料に前
    記価電子制御のための不純物元素を添加したものであ
    り、かつ前記所定の材料における前記不純物元素の濃度
    が、前記所定の材料の内部よりも、前記生体高分子およ
    び/または前記生体組織と接触すべき表面部分において
    高くされていることを特徴とする、請求項1に記載の電
    子装置用材料。
  3. 【請求項3】 前記電子装置が、マイクロマシンまたは
    ナノマシンであることを特徴とする、請求項1または2
    に記載の電子装置用材料。
  4. 【請求項4】 不純物元素がドーピングされた半導体結
    晶からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の電子装置用材料。
  5. 【請求項5】 前記実効静電荷が負の場合は第V族元素
    がドーピングされた表面を有するシリコン結晶からな
    り、 前記実効静電荷が正の場合は第III族元素がドーピン
    グされた表面を有するシリコン結晶からなることを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子装置
    用材料。
  6. 【請求項6】 前記実効静電荷が負の場合、前記生体高
    分子および/または前記生体組織と接触すべき表面部分
    が内部よりも電気抵抗値が低くなるよう不純物元素がド
    ーピングされたN型シリコン結晶からなり、 前記実効静電荷が正の場合は、前記生体高分子および/
    または前記生体組織と接触すべき表面部分が内部よりも
    電気抵抗値が低くなるよう不純物元素がドーピングされ
    たP型シリコン結晶からなることを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の電子装置用材料。
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