JPH0944816A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0944816A
JPH0944816A JP18686395A JP18686395A JPH0944816A JP H0944816 A JPH0944816 A JP H0944816A JP 18686395 A JP18686395 A JP 18686395A JP 18686395 A JP18686395 A JP 18686395A JP H0944816 A JPH0944816 A JP H0944816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イン・ギャップ型の磁気ヘッドにおいて、記
録時と再生時のギャップ長を異なる大きさにする。 【解決手段】 記録用コア12と13の間に磁気抵抗効
果を発揮する再生素子3が設けられている。コア13は
第1の磁性層13aと第2の磁性層13bとを有してい
る。磁性層13bの飽和磁化を磁性層13aよりも小さ
くすると、記録時のギャップ長がL1になり、再生時の
ギャップ長がL2になる。よって空間的な広がりの記録
磁界を発生でき、且つ再生時の分解能を高くできる。磁
性層13bを磁気媒体からの磁界の大きさよりも保磁力
の大きいものとすると、再生時のギャップ長をL1にで
き、記録時のギャップ長をL2にできる。これにより高
密度記録が可能で且つ再生出力の安定したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスク状などの磁
気媒体に磁気記録を行い且つ磁気媒体から磁気再生出力
を得ることができる磁気ヘッドに係り、特に一対の記録
用コア間に、磁気抵抗効果により再生出力を得る再生素
子が設けられた磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクなどの磁気媒体に磁気記
録を行い、また磁気媒体に記録された磁気信号を再生す
る薄膜構造の磁気ヘッドが知られている。従来の一般的
な薄膜構造の磁気ヘッドでは、シールド層間に磁気抵抗
効果を発揮する再生素子が設けられ、またシールド層の
外側に、記録用コアと薄膜コイルを有するインダクティ
ブ型の記録用ヘッドが設けられたものとなっている。
【0003】しかし上記の薄膜構造の磁気ヘッドでは、
再生素子による磁気信号の再生を行なう再生用ギャップ
と、記録用コアにより磁気信号の記録を行なう記録用ギ
ャップとが離れた位置にあるため、記録媒体の限られた
領域において磁気信号の記録および再生を行なう場合
に、記録トラックに対する再生トラックの位置決めが必
要となり、また再生用ヘッドに記録用ヘッドが重ねられ
たものとなるため、全体の層構造が複雑になり、製造工
程が複雑化する問題点がある。
【0004】そこで、図4に示すいわゆるイン・ギャッ
プ型の薄膜磁気ヘッドが提案されている。この薄膜磁気
ヘッドは、インダクティブ型の記録用コア1と2を有し
ている。記録用コア2の図示右端部は記録用コア1に接
合されており、この接合部を中心として薄膜コイルが形
成されている。磁気媒体との対向部Aでは、両記録用コ
ア1と2が対向するギャップ内に、再生素子3が設けら
れている。この再生素子3は、磁気抵抗効果により磁気
媒体からの磁界を検出できるものであり、通常は軟磁性
層(SAL層)3a、非磁性層(SHUNT層)3bお
よび強磁性層(MR層)3cの三層構造となっている。
また、再生素子3には前記強磁性層3cにz方向への縦
バイアス磁界を与えるバイアス手段が設けられている。
【0005】ハードディスク装置では、この薄膜磁気ヘ
ッドが浮上型スライダのトレーリング側端面に形成さ
れ、対向部Aは、磁気媒体(ディスク)の表面に対し浮
上して対向する。磁気媒体の磁気ヘッドに対する移動方
向はx方向であり、磁気媒体から発生する磁界の検知方
向はy方向である。
【0006】記録時には、前記薄膜コイルから発生する
磁界が記録用コア1と2に与えられ、対向部Aでのコア
1と2間の磁気ギャップにより、記録媒体に磁気信号が
記録される。このときの記録ギャップ長はLである。再
生時には、記録媒体からy方向へ発生する磁界(洩れ磁
界)により再生素子3の電気抵抗が変化し、再生素子3
に与えられる定常電流の電圧降下により磁気信号が検出
される。再生時には、記録媒体からの磁界に対し記録用
コア1と2がシールド層として機能する。よって再生素
子3により検出できる磁界の範囲すなわち再生ギャップ
長は前記と同様にLである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示す従
来のイン・ギャップ型の磁気ヘッドでは、記録時のギャ
ップ長と、再生時のギャップ長(磁気検出範囲)が共に
同じ寸法のLである。そのために、以下に示す問題が生
じる。 (1)磁性層の厚みの大きい磁気媒体を使用した磁気記
録再生装置、または磁気ヘッドの対向部Aの磁気媒体の
面からの浮上距離が比較的高くなる固定ディスク装置で
は、記録時にコア1と2とのギャップからある程度の大
きさの磁界を空間的な広がりを持たせて発生させること
が好ましく、この場合には記録時のギャップ長Lが大き
いほうがよい。しかしギャップ長Lを大きくすると、再
生時のギャップ長も大きくなってしまい、磁気信号の再
生時の分解能が低下する。逆に、再生時の分解能を高く
するためにギャップ長Lを小さくすると、記録時にギャ
ップから与えられる磁界の空間的な広がりが狭められ、
記録特性が低下することになる。
【0008】(2)また今後の磁気媒体への磁気記録は
さらに高密度化が要求されるが、この場合、磁気媒体の
磁性層の材料として今よりも高保磁力のものが使用され
るようになる。高保磁力の磁性材料を用いた磁気媒体へ
磁気信号の高密度記録を行なうためには、磁気ヘッドの
対向部Aと磁気媒体の面との浮上距離を現状のものより
もさらに低くすることが必要であり、さらに記録用コア
1と2を飽和磁化の大きい磁性材料で形成すること、ま
たは記録ギャップ長Lを狭くすることが必要になる。と
ころが、ギャップ長Lを極端に短くしてしまうと、再生
素子3と、シールド層として機能する記録用コア1、2
との間隔が短くなる。この間隔が極端に短くなると、再
生素子3の磁気的安定性が損なわれ、バルクハウゼンノ
イズが高くなるという問題を生じる。また再生素子3に
よる磁気再生出力を充分得ることができなくなる。した
がって、図4に示す従来の磁気ヘッドでは、ギャップ長
Lを短くすることに限界を生じ、高保磁力の磁気媒体を
使用した高密度記録への対応が難しくなる。
【0009】(3)このように、イン・ギャップ型の磁
気ヘッドにおいて、記録ギャップ長と再生ギャップ長と
が同じ寸法Lであると、現状の固定ディスク装置などの
ように磁気ヘッドの対向部Aと磁気媒体の面との浮上距
離が比較的高いものなどでは、記録特性と再生時の分解
能のいずれかを犠牲にしなくてはならなくなり、また今
後の高密度記録化に対応するための高保磁力の磁気媒体
を使用した装置では、再生素子3から安定した再生出力
を得ようとすると、記録ギャップ長を狭くすることに限
界を生じるものとなる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、イン・ギャップ型のものにおいて、記録時のギャ
ップ長を大、再生時のギャップ長(磁気検出範囲)を小
にして、有効な記録特性を得て且つ再生時の分解能を高
くできる磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【0011】また本発明は、イン・ギャップ型のものに
おいて、記録時のギャップ長を小、再生時のギャップ長
(磁気検出範囲)を大にして、狭ギャップによる記録を
可能にして高保磁力の磁気媒体への高密度記録に対応で
きるようにし、しかも再生時には極端にギャップ長を小
さくすることなく、再生素子の磁気的安定性を損なわな
いようにした磁気ヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の本発明の磁気ヘッ
ドは、磁気媒体との対向部において間隔を開けて対向す
る一対の記録用コアと、この記録用コアに記録用の磁界
を与える磁界発生手段と、前記対向部にて前記記録用コ
ア間に位置し磁気抵抗効果により再生出力を得る再生素
子とが設けられており、前記一対の記録用コアの少なく
とも一方は、第1の磁性層と前記再生素子に対向する第
2の磁性層との積層構造を有し、前記第2の磁性層は、
第1の磁性層よりも飽和磁化が小さい材料により形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0013】第2の本発明の磁気ヘッドは、磁気媒体と
の対向部において間隔を開けて対向する一対の記録用コ
アと、この記録用コアに記録用の磁界を与える磁界発生
手段と、前記対向部にて前記記録用コア間に位置し磁気
抵抗効果により再生出力を得る再生素子とが設けられて
おり、前記一対の記録用コアの少なくとも一方は、第1
の磁性層と前記再生素子に対向する第2の磁性層との積
層構造を有し、前記第2の磁性層は、磁気媒体から発生
する磁界の大きさよりも大きい保磁力を有する材料によ
り形成されていることを特徴とするものである。すなわ
ち、第2の磁性材料は、高保磁力で且つ透磁率の低い材
料により形成され、この材料の、磁気媒体からの磁界の
検出方向(ギャップ深さ方向;y方向)への比透磁率
(真空中における透磁率との比)が1に近いものである
ことが好ましい。
【0014】また、第2の磁性層を構成する材料の保磁
力は、磁気媒体から発生する磁界の大きさの2倍以上で
あることが好ましい。
【0015】さらに、第2の磁性層の飽和磁化を、第1
の磁性層の飽和磁化よりも大きいものとすることが可能
である。
【0016】
【作用】本発明の磁気ヘッドでは、薄膜コイルなどの磁
界発生手段から記録用磁界が与えられるインダクティブ
型ヘッドを構成する一対の記録用コアのうち少なくとも
一方、すなわち両方または一方が積層構造とされ、第1
の磁性層と、再生素子に対向する側の第2の磁性層とか
ら構成されている。そして、両記録用コアの間に磁気抵
抗効果により再生出力を得る再生素子が設けられてい
る。
【0017】第1の本発明では、第2の磁性層が第1の
磁性層よりも飽和磁化の小さい材料により形成されてい
る。記録時に、前記磁界発生手段から記録磁界が記録用
コアに与えられるが、このとき第2の磁性層は飽和磁化
が小さいために記録磁界が飽和し、第2の磁性層の部分
は記録用のコアとして機能しなくなる。したがって、記
録時のギャップ長は第1の磁性層と相手側の記録用コア
との間隔で決定される。よって記録時のギャップ長が大
きくなる。また、第2の磁性層をある程度の透磁率を有
する材料、好ましくは第1の磁性層と同等程度あるいは
それ以上の透磁率を有する材料により形成しておくこと
により、再生時には第2の磁性層が再生素子に対向する
シールド層として機能する。そのため、再生時には第2
の磁性層と相手側の記録用コアとが共にシールド層とし
て機能し、両層間の間隔により、再生時のギャップ長
(磁気検出範囲)が決められる。
【0018】よって第1の本発明の磁気ヘッドでは、広
記録ギャップ長で且つ狭再生ギャップ長の磁気ヘッドが
構成される。この磁気ヘッドでは、記録時に記録コア間
のギャップから大きな磁界を空間の広がりをもって発生
させることができ、磁気ヘッドと磁気媒体との浮上距離
の比較的高い固定ディスク装置や、磁性層の厚みの大き
い磁気媒体を使用する装置において良好な記録特性を得
ることができる。また再生時には狭ギャップ長となるた
め、再生素子での磁気信号の再生の分解能を高くでき
る。
【0019】第2の本発明では、前記第2の磁性層が、
磁気媒体から発生する磁界の大きさよりも保磁力の大き
い材料、好ましくは磁気媒体から第2の磁性層に与えら
れる磁界の大きさの2倍以上の保磁力を有する材料によ
り形成される。また、好ましくは、この第2の磁性層
は、記録媒体からの磁界の検出方向(y方向)への比透
磁率が1に近い材料により形成される。再生時には、磁
気媒体から発せられる磁界により第2の磁性層の磁化が
変化せず、第2の磁性層は再生素子に対するシールド層
として機能しない。したがって、第1の磁性層と相手側
の記録用コアとがシールド層として機能し、両層の間隔
が再生時のギャップ長となる。
【0020】また記録時には、磁界発生手段により第1
の磁性層と第2の磁性層に記録磁界が与えられる。した
がって、第2の磁性層は、磁界発生部材から発せられる
記録用磁界の大きさよりも保磁力が充分に小さいことが
必要である。記録時には第2の磁性層が記録コアとして
の機能を発揮できるものであるため、記録時のギャップ
長は、第2の磁性層と相手側の記録用コアとの間隔によ
り決定される。
【0021】この第2の本発明の磁気ヘッドは、狭記録
ギャップ長で、広再生ギャップ長となる。したがって、
磁気媒体への高密度化が進み、磁気媒体の磁性層が高保
磁力のものである場合に、狭記録ギャップ長により高保
磁力の磁気媒体への信号の高密度記録が容易になる。ま
た、再生時は広再生ギャップ長となるため、前記記録時
のギャップ長をきわめて狭いものにしても、再生ギャッ
プ長を大きくできるため、磁気抵抗効果を利用した再生
素子の磁気的安定性を確保でき、充分な大きさの再生出
力を得ることができる。なお、再生時のギャップ長を広
くすると高密度記録信号を再生する場合に、分解能が低
下する。ただし、磁気抵抗効果を利用した再生素子で
は、再生出力をある程度大きくできるため、再生時のギ
ャップ長を極端に短くしなくてもある程度の分解能を確
保できる。また今後高密度記録の信号処理方式としてP
RML方式を採用した場合には、分解能は従来ほど問題
になることはない。すなわち高保磁力の磁気媒体を使用
した高密度記録方式では、記録時のギャップ長を小さく
したときに、再生時のギャップ長をこれよりもやや広め
にし、再生素子の磁気的安定性を確保することが装置の
特性を発揮する点で有効である。
【0022】また、高保磁力の磁気媒体に高密度記録を
するためには、磁気ヘッドと磁気媒体との浮上距離を短
くしまた前記のように記録時のギャップ長を小さくする
ことが必要であるが、さらに高密度記録を可能とするた
めに、第2の磁性層の飽和磁化を第1の磁性層の飽和磁
化よりも大きくし、記録用コアから磁気媒体に与えられ
る記録用磁界をさらに大きくすることが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の第1実施例の磁気ヘッドの磁気媒
体との対向部を示す拡大断面図、図2はこの磁気ヘッド
の全体構造を示す断面図、図3は本発明の第2実施例の
磁気ヘッドの磁気媒体との対向部を示す拡大断面図であ
る。図2に示すように、この実施例の磁気ヘッドHはイ
ン・ギャップ型のものである。この磁気ヘッドHは例え
ばハードディスク装置などに使用される。符号11はス
ライダであり、スライダ11のABS面11aが磁気媒
体であるディスクに対向する。このスライダ11のトレ
ーリング側端面11bに本発明の磁気ヘッドHが設けら
れている。
【0024】トレーリング側端面11bには、第1の記
録用コア12が薄膜形成され、この第1の記録用コア1
2の上に第2の記録用コア13が設けられている。第2
の記録用コア13の接続部13dは第1の記録用コア1
2に接続されている。この接続部13dを中心として、
平面的なスパイラル状に形成された磁界発生手段として
の薄膜コイル14が設けられている。磁気ヘッドHの磁
気媒体との対向部Haでは、第1の記録用コア12と第
2の記録用コア13の間に、磁気抵抗効果により再生出
力を得る再生素子3が設けられている。また、第1の記
録用コア12、第2の記録用コア13、薄膜コイル1
4、および再生素子3の各層間は、Al23などの磁気
絶縁層15により絶縁されている。
【0025】再生素子3は、磁気抵抗効果により磁気媒
体からの磁界を検出できるものであり、軟磁性層(SA
L層)3a、非磁性層(SHUNT層)3bおよび強磁
性層(MR層)3cの三層構造となっている。また、再
生素子3には前記強磁性層3cにz方向への縦バイアス
磁界を与えるバイアス手段、および再生素子3にz方向
への定常電流を与えるリード配線層が設けられている。
スライダ11のABS面11aおよび磁気ヘッドHの対
向部Haは、磁気媒体(ディスク)の表面に対し浮上し
て対向する。磁気媒体の磁気ヘッドHに対する移動方向
はx方向であり、磁気媒体から発生する磁界の検知方向
はy方向である。
【0026】図1に示すように、第2の記録用コア13
は、第1の磁性層13aと第2の磁性層13bとの積層
構造となっている。第2の磁性層13bは第2の記録用
コア13の内側となり、再生素子3および第1の記録用
コア12に対面している。第1の本発明に相当する実施
例では、第2の磁性層13bの飽和磁化(Bs)が、第
1の磁性層13aの飽和磁化よりも小さくなっている。
各磁性層を形成する具体的な材料としては、第1の磁性
層13aがNi−Fe(ニッケル−鉄)合金で、第2の
磁性層13bがNi−Fe−X合金の組み合せ、または
第1の磁性層13aがCo−Ni−Fe(コバルト−ニ
ッケル−鉄)合金で、第2の磁性層13bがCo−X合
金の組み合せを例示できる。前記においてXは、Al
(アルミニウム)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、
Ti(チタン)、Rh(ロジウム)、Zr(ジルコニウ
ム)などの金属のいずれかである。なお、第1の記録用
コア12は前記第1の磁性層13aと同じ磁性材料によ
り形成され、例えばNi−Fe合金またはCo−Ni−
Fe合金などである。
【0027】第1の発明の実施例では、第2の磁性層1
3bの飽和磁化(Bs)が小さいため、記録時に薄膜コ
イル14に記録電流が与えられ、記録用コア12と13
に記録磁界が与えられるときに、第2の磁性層13bの
磁化が完全に飽和し、第2の磁性層13bは記録用コア
として機能しない。よって、記録時のギャップ長は第1
の磁性層13aと記録用コア12の間隔L1で決められ
る。再生時には、第2の磁性層13bが再生素子3に対
するシールド層として機能する。よって再生時のギャッ
プ長(磁気検出範囲)は、第2の磁性層13bと記録用
コア12との間隔L2で決められる。
【0028】以上から、第1の本発明の実施例では、広
記録ギャップ長L1で、狭再生ギャップ長L2の磁気ヘ
ッドが構成される。この磁気ヘッドでは、記録時の前記
ギャップ長L1により、ある程度大きな記録磁界を空間
的な広がりを有して発生させることができ、この磁界に
より磁気媒体への磁気信号の記録が行われる。よって磁
気媒体からの対向部Haの浮上距離の高い固定ディスク
装置や、磁性層の厚みの大きい磁気媒体を使用する磁気
記録再生装置において、有効な磁気記録を行なうことが
できる。また、再生時のギャップ長L2が小さいため、
再生時の分解能を高くできる。
【0029】第2の本発明では、第2の磁性層13bの
保磁力(Hc)が、磁気媒体から発生する磁界の大きさ
よりも大きくなっており、好ましくは、磁気媒体から発
生する磁界(磁気媒体から第2の磁性層13bに与えら
れる磁界)の大きさに対して第2の磁性層13bの保磁
力が2倍以上となっている。例えば磁気媒体から第2の
磁性層13bに与えられる磁界が40〜50(Oe:エ
ルステッド)であるとき、第2の磁性層13bの保磁力
(Hc)は100(Oe)以上である。なお、第1の磁
性層13aの保磁力は、第2の磁性層13bの保磁力よ
りも小さいこと、すなわち磁気媒体からの磁界の大きさ
よりも保磁力が小さいことが必要である。また第2の磁
性層13bは、ギャップ深さ方向(y方向)への透磁率
(μ)が小さい方が好ましく、比透磁率(真空での透磁
率との比)が1に近いことが望ましい。
【0030】第2の本発明の磁気ヘッドでは、再生素子
3による再生時には、磁気媒体から発生する磁界に対し
て第2の磁性層13bの磁化が変化せず、第2の磁性層
13bは再生素子3に対するシールド層として機能しな
い。第1の磁性層13aおよび記録用コア12は、第2
の磁性層13bよりも保磁力が小さく、また磁気媒体か
らの磁界の大きさよりも保磁力が小さいため、第1の磁
性層13aと記録用コア12とがシールド層として機能
する。よって再生時のギャップ長はL1である。また、
記録時には、薄膜コイル14から発生する磁界により、
第2の磁性層13bの磁化が、第1の磁性層13aおよ
び記録用コア12と同様に変化させられる。よって、記
録用のギャップ長はL2である。
【0031】以上から、第2の本発明では、広再生ギャ
ップ長L1で、狭記録ギャップ長L2の磁気ヘッドが構
成される。また、記録時に狭ギャップ長L2にて、高い
記録磁界を発生させるためには、第2の磁性層13bの
飽和磁化(Bs)が、第1の磁性材料13aの飽和磁化
と同等あるいはそれ以上であることが好ましい。
【0032】第2の磁性層13bの保磁力を大きくし且
つ透磁率を小さくし、さらの第1の磁性層13aよりも
飽和磁化を大きくするための各層の材料の組み合せを例
示する。第1の磁性層13aがNi−Fe合金のとき第
2の磁性層13bがCo−Ni−Fe合金となる組み合
せ、または第1の磁性層13aがCo70−X合金のと
き、第2の磁性層13bをCo85−X合金とする組み合
せを挙げることができる。前記においてXは、Al(ア
ルミニウム)、Nb(ニオブ)、Cr(クロム)、Ti
(チタン)、Rh(ロジウム)、V(バナジウム)、Z
r(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)、Hf(ハフ
ニウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)など
の金属のいずれかである。なお、記録用コア12は第1
の磁性層13aと同じ材料により形成される。
【0033】この第2の本発明の磁気ヘッドは、狭記録
ギャップ長L2であり、また第2の磁性層13bの飽和
磁化を大きくしているため、磁気媒体に対し狭ギャップ
で大きな記録磁界を与えることができ、高保磁力の磁気
媒体に対して高密度記録が可能となる。また再生時は記
録時よりも広いギャップ長L1により再生ができるの
で、再生ギャップ長が極端に狭くならず、再生素子の磁
気抵抗効果を安定させまた高い再生出力を得ることがで
きる。すなわち、記録時のギャップ長L2を充分に小さ
くしても再生時にはこれよりも広いギャップ長を有する
ものとなり狭ギャップ長による再生能力の低下を防止で
きる。したがって、記録時のギャップ長を可能な限り小
さくでき、高密度記録の対応可能な磁気ヘッドとなる。
【0034】また、図3に示すように、記録用コア13
を、第1の磁性層13aと第2の磁性層13bとの積層
構造とし、さらに第1の磁性層13aの外側に第3の磁
性層13cを積層した構造とすることが可能である。例
えば第1の本発明の実施例では、第1の磁性層13aを
第3の磁性層13cよりも飽和磁化の大きな材料により
形成し、第2の磁性層13bを飽和磁化の小さい材料で
形成する。これにより記録時は広ギャップ長で強い記録
磁界を発生でき、再生時には狭いギャップ長となる。第
2の本発明では、第1の磁性層13aと第2の磁性層1
3bを第3の磁性層13cよりも飽和磁化の大きい材料
で形成して、記録時に狭ギャップ長にて大きな磁界を発
生できるようにし、第2の磁性層13bを、磁気媒体か
ら発生する磁界の大きさよりも保磁力が大きいものとし
て、再生時にギャップ長を大きくすることが可能であ
る。
【0035】また、第1の記録用コア12を、図1また
は図3に示す記録用コア13と同じような積層構造とし
てもよいし、コア12と13の双方を積層構造としても
よい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明では、イン
・ギャップ型の磁気ヘッドにおいて、記録時のギャップ
長を大きくし、再生時のギャップ長を小さくできる。よ
って記録時に空間的な広がりを有する記録磁界により磁
気媒体に効果的な記録ができ、また再生時には狭ギャッ
プにより分解能を高めることができる。
【0037】第2の本発明では、記録時のギャップ長を
小さくし、再生時のギャップ長を大きくできる。よっ
て、高保磁力の磁気媒体への高密度記録が可能になり、
また再生時には狭ギャップによる弊害すなわち再生素子
の磁気的な不安定化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの磁気媒体との対向部を示
す拡大断面図、
【図2】本発明の磁気ヘッドの全体構造を示す断面図、
【図3】本発明の他の実施例の磁気ヘッドの磁気媒体と
の対向部を示す拡大断面図、
【図4】従来の磁気ヘッドの磁気媒体との対向部を示す
拡大断面図、
【符号の説明】
3 再生素子 12、13 記録用コア 13a 第1の磁性層 13b 第2の磁性層 14 薄膜コイル(磁界発生手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気媒体との対向部において間隔を開け
    て対向する一対の記録用コアと、この記録用コアに記録
    用の磁界を与える磁界発生手段と、前記対向部にて前記
    記録用コア間に位置し磁気抵抗効果により再生出力を得
    る再生素子とが設けられており、前記一対の記録用コア
    の少なくとも一方は、第1の磁性層と前記再生素子に対
    向する第2の磁性層との積層構造を有し、前記第2の磁
    性層は、第1の磁性層よりも飽和磁化が小さい材料によ
    り形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気媒体との対向部において間隔を開け
    て対向する一対の記録用コアと、この記録用コアに記録
    用の磁界を与える磁界発生手段と、前記対向部にて前記
    記録用コア間に位置し磁気抵抗効果により再生出力を得
    る再生素子とが設けられており、前記一対の記録用コア
    の少なくとも一方は、第1の磁性層と前記再生素子に対
    向する第2の磁性層との積層構造を有し、前記第2の磁
    性層は、磁気媒体から発生する磁界の大きさよりも大き
    い保磁力を有する材料により形成されていることを特徴
    とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 第2の磁性層を構成する材料の保磁力
    は、磁気媒体から発生する磁界の大きさの2倍以上であ
    る請求項2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 第2の磁性層の飽和磁化が、第1の磁性
    層の飽和磁化よりも大きい請求項2または3記載の磁気
    ヘッド。
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