JPH0947048A - 超音波アクチュエータ用振動子 - Google Patents

超音波アクチュエータ用振動子

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JPH0947048A
JPH0947048A JP7196774A JP19677495A JPH0947048A JP H0947048 A JPH0947048 A JP H0947048A JP 7196774 A JP7196774 A JP 7196774A JP 19677495 A JP19677495 A JP 19677495A JP H0947048 A JPH0947048 A JP H0947048A
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vibrator
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piezoelectric element
phase
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Application number
JP7196774A
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English (en)
Inventor
Yasuaki Kawai
泰明 河合
Ookazu Asai
鉅和 浅井
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動体の形状が限定されることがなく、大き
な推力が得られ、しかも移動体の移動方向の転換が容易
な超音波アクチュエータ用振動子を提供する。 【解決手段】 一対の円形リング状の弾性体1の間に第
1の圧電体3及び第2の圧電体4が配置され、六角穴付
ボルト24及びナット25によりワッシャ26を介して
締付け固定されている。両圧電体3,4はそれぞれ相反
する方向に分極された半割リング状の圧電素子3a,3
b,4a,4bと、その間に配置された電極板6a,6
bとから構成され、振動子2の軸方向と平行な中心面を
境にして両側に対称に配置されている。第1の圧電体3
の電極板6aがアンプ27及びフェイズシフタ28を介
して2相発振器29と接続され、第2の圧電体4の電極
板6bが2相発振器29と接続されている。また、弾性
体1が接地されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電素子を用いた超
音波アクチュエータ用振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波アクチュエータは、電磁式アクチ
ュエータ等の他のアクチュエータに比較して、小型、軽
量、低コストの割りに高推力が得られるという特長があ
る。この種の超音波アクチュエータ用の圧電振動子とし
て、特開昭63−316674号公報には、振動子先端
に電気信号により任意の方向に曲線閉路の軌跡を描くこ
とができる圧電振動子が提案されている。図33に示す
ように、この圧電振動子51は分極方向が互いに逆にな
った2領域を有する第1の圧電素子51aと、全領域が
同じ分極方向を有する第2の圧電素子51bとが基準電
極52cを挟んで積層されている。第1の圧電素子51
aには基準電極52cと対向するとともに圧電素子51
aを2領域に分割するように電極52a,52bが形成
されている。第2の圧電素子51bには基準電極52c
と対向するように電極52dが形成されている。圧電振
動子51の電極52a,52b側に振動体53が接着さ
れる。そして、電極52a,52bをリード線54aで
短絡した状態で第1の圧電素子51aにリード線54
a,54bを介して交流電源55aから周期電圧を印加
し、第2の圧電素子51bにリード線54b,54cを
介して交流電源55bから周期電圧を印加する。
【0003】第1の圧電素子51aのみに周期電圧が印
加されると、圧電素子51aは振動体53の先端部53
aに円弧状軌跡の往復運動を発生させる。第2の圧電素
子51bのみに周期電圧が印加されると、圧電素子51
bは振動体53の先端部53aに振動体53の中心軸方
向に直線状軌跡の往復運動を発生させる。従って、両圧
電素子51a,51bに印加する電圧の周期を異ならせ
たり、同周期で位相を異ならせて、第1,第2の圧電素
子51a,51bにより発生する振動を合成することに
より、振動体53の先端部53aに曲線閉路の軌跡を形
成する振動を生じさせることができる。
【0004】また、特開平5−64465号公報には、
駆動源としては縦方向振動を励振させるだけで十分であ
りながら、例えば可動体等の外部に向けて付与する出力
の動作方向を簡単に切り替えることができる超音波トラ
ンスデューサが提案されている。このトランスデューサ
は図34(a)に示すように、縦方向振動を出力する縦
方向励振手段61と、その縦方向振動を受けてその振動
方向と交差する方向に撓み振動を出力させる振動方向制
御手段62とによって形成されている。縦方向励振手段
61はランジュバン型縦振動子で形成され、軸方向に振
動する縦方向圧電素子63を備え、2つの電極64a,
64bを介して電源65により駆動電圧が印加される。
振動方向制御手段62は縦方向励振手段61の端面に一
方の端面が密着された圧電素子66と、その他端面に密
着された振動子67とによって形成されている。そし
て、縦方向励振手段61から縦方向振動が出力される
と、これを受けた振動方向制御手段62が、その縦方向
振動と交差する方向に振動する撓み振動を出力し、この
撓み振動と前記縦方向振動とが合成されて振動方向制御
手段62がリサージュを描いて振動する。
【0005】また、特開平6−197572号公報に
は、図34(b)に示すように、円柱状金属ブロック7
1、リング状圧電振動子72、分割電極73a,73
b、リング状圧電振動子74、リング状電極75及び金
属ブロック76を順次当接状態で積層し、ねじ77で締
付け固定した振動式駆動手段(振動子)78が提案され
ている。この振動式駆動手段78は分割電極73a,7
3bのいずれか一方とリング状電極75との間に高周波
の交流電圧を印加することにより、軸方向に縦振動及び
屈曲振動が発生し、駆動面71a上の任意の一点は楕円
軌跡を描いて運動する。そして、交流電圧を印加する分
割電極73a,73bを切り換えることにより、楕円軌
跡の運動方向が変更可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−3166
74号公報に記載の圧電振動子では、第1の圧電素子5
1aに、左右の分極方向が異なるものを用いているた
め、圧電素子中心近傍の境界では未分極領域が存在し、
左右に均一な分極処理を施すことが難しいため、左右の
振動特性を合わせ難い。また、この第1の圧電素子51
aは、左右両端の最大変位によって振動体53の先端部
53aに円弧状往復振動を生じさせる。そのため、円弧
状往復振動の変位を大きくさせるためには、第1の圧電
素子51aの左右両端の距離を大きく取る構造となって
いる。
【0007】また、上、下面の第1の圧電素子51a及
び第2の圧電素子51bの分極方向が右と左側で異なっ
ている。その結果、図35(a)に示すように、左側は
上が伸びた時に下が縮み、下が伸びた時に上が縮む振動
となる。また、図35(b)に示すように、右側は上下
同じに伸縮する。従って、上、下面の第1の圧電素子5
1aは、第2の圧電素子51bがある場合、右と左の振
動が異なり、かつ圧電素子が一体構造になっているの
で、互いに両振動変位の影響を受けることになり、振動
子全体の振動変位が小さく抑えられてしまい効率の悪い
振動子になる可能性がある。
【0008】さらに、振動変位を拡大させるため、上下
面の第1の圧電素子51a及び第2の圧電素子51bを
それぞれ複数ずつ積層化することも提案されているが、
上述の不均一な振動変位特性を生じる第1の圧電素子5
1a及び第2の圧電素子51bの組合せを選定している
ため、その効果はあまり期待できないと考えられる。従
って、この圧電振動子は構造から判断すると比較的低推
力用のアクチュエータ用振動子としては有効であるが、
小型で大きな推力を必要とするアクチュエータ用振動子
には適さないと思われる。
【0009】特開平5−64465号公報及び特開平6
−197572号公報に記載の装置では、棒状振動子の
縦振動及び屈曲振動の長さ共振を利用しているため、軸
方向に長くなる。また、振動子の最適な支持固定方法が
無いため、振動の節(ノード)近傍にフランジを設けた
り、外周の数カ所に周辺支持固定部位を設けるなどの必
要があり、装置が大型化するという問題がある。さら
に、共振を利用するので、設計の自由度が小さく振動子
の寸法が限定されたものしか製作できないという問題も
ある。
【0010】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的は、振動体の形状の限
定が少なく、大きな推力が得られる超音波アクチュエー
タ用振動子を提供することにあり、第2の目的は、第1
の目的に加えて移動体の移動方向の転換を容易に行うこ
とが可能な超音波アクチュエータ用振動子を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、伸縮振動を呈する圧電素
子により構成される超音波アクチュエータ用振動子であ
って、第1の方向に対して圧電素子を少なくとも2層に
配置し、そのうちの少なくとも2層の圧電素子を、前記
第1の方向と平行な面を境にして第1の圧電体と第2の
圧電体とに分割して配置するとともに、第1の圧電体と
第2の圧電体はそれぞれ前記第1の方向と直交する面を
境にして互いに異なる側にそれぞれの分極方向が前記第
1の方向と平行で互いに逆方向となる圧電素子で構成さ
れている請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の
発明において、前記第1の方向と直交する状態でかつ前
記第1の圧電体及び第2の圧電体と対向可能に圧電素子
で構成される第3の圧電体が配置され、該第3の圧電体
は前記第1の方向と直交する面を境にして互いに異なる
側にそれぞれの分極方向が前記第1の方向と平行で互い
に逆方向となる少なくとも2層の圧電素子で構成されて
いる。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記第1の方向が振動子の軸方向で
あり、該第1の方向と平行な振動子の中心面を境にして
前記第1の圧電体と第2の圧電体とを分割して配置し、
振動子の中心軸を基準として前記第1の圧電体と第2の
圧電体に対して90°位相をずらすとともに第1の圧電
体及び第2の圧電体と干渉しない位置に第4の圧電体と
第5の圧電体とが配置され、該第4の圧電体及び第5の
圧電体は前記第1の方向と直交する面を境にして互いに
異なる側にそれぞれの分極方向が前記第1の方向と平行
で互いに逆方向となる少なくとも2層の圧電素子で構成
されている。
【0013】請求項4に記載の発明では、伸縮振動を呈
する圧電素子により構成される超音波アクチュエータ用
振動子であって、第1の方向と平行な面を境にして両側
にそれぞれ第1の圧電素子と第2の圧電素子とがそれぞ
れ少なくとも1個ずつ配置され、前記第1の方向と直交
する状態でかつ該第1の圧電素子及び第2の圧電素子と
対向可能に第3の圧電素子が配置され、第1の圧電素子
及び第2の圧電素子の分極方向と、第3の圧電素子の分
極方向とは、前記第1の方向と直交する面を境にして互
いに異なる側に前記第1の方向と平行で互いに逆方向と
なるように設定されている。
【0014】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記振動
子は前記各圧電素子が一組の弾性体間に配置されるとと
もに、弾性体を貫通する締結具により締め付け固定され
ている。
【0015】請求項1、請求項2及び請求項4に記載の
発明では、振動子の端部は、第1の方向と平行な面を境
にして両側配置された圧電素子の伸縮振動により、図1
(a)に示すの工程の変位を生じ、振動子の端
面1aの任意の一点(例えばM)は図1(b)に示す変
位となる曲線閉路の軌跡Qの運動を行う。の工程に
おいて横方向の推力に相当するものが偶力の回転モーメ
ントとして得られ、かつその偶力が前記振動子の軸方向
と平行な面を境にして配置された圧電素子の伸縮振動に
より積極的に生じさせられて、横方向の振動成分の大き
な変位が得られる。
【0016】この振動子の端面が呈する曲線閉路の軌跡
とは、移動体を一方向に移動させることができる曲線C
Lであり、例えば、真円(図1等に記載のもの)、楕円
(図36の(a))、歪んだ楕円(図36の(b))、
8の字型の曲線(図36の(c))等である。すなわ
ち、図37のように曲線CLでも内部の空間のない曲線
等の曲線開路の軌跡では、移動体を移動させることがで
きず、内部に空間を有する曲線閉路の軌跡であれば、移
動体を移動させることができる。
【0017】請求項3に記載の発明では、互いに90°
の位相差で配置された2組の圧電体のいずれの組の圧電
体を駆動するかにより振動子が移動体に与える移動方向
が4方向に変更される。
【0018】請求項5に記載の発明では、各圧電素子は
一組の弾性体間に配置されるとともに、弾性体を貫通す
る締結具により締め付け固定される。圧電素子を配置
(積層化)する手段として接着接合によるものと比較し
て、締結具を用いて圧電素子を配置(積層化)する方
が、駆動時に圧電素子がずれにくく、安定な振動特性を
得ることができる。また、振動子の中心において弾性体
を貫通する締結具により締め付け固定する場合、締結具
による締付け部が振動子の中心軸となる。そして、中心
軸を挟んで対称に配置された圧電素子に生じる伸縮振動
による力が偶力の回転モーメントを発生させ易くなる。
【0019】本発明において、第1の方向とは、どのよ
うな方向でもよく、また該第1の方向と平行な面も、振
動子内のどのような面でもよい。その中でも、第1の方
向が振動子の軸方向であり、該第1の方向(振動子の軸
方向)に平行な面が振動子の中心面であるのが好まし
い。これは、振動子の中心面の両側に均等に圧電素子を
配置でき、バランスのよい変位を得ることができるため
である。
【0020】また、振動子は、圧電素子のみで構成して
もよく、また圧電素子と弾性体とを組み合せて構成して
もよい。また、圧電素子を積層化する手段としては、接
着接合する形態、締結具により締め付け固定する形態
等、どのような形態でもよいが、前記に示したように、
締結具により締め付け固定する形態が好ましい。
【0021】本発明の振動子は弾性体等の軸方向長さ共
振を利用した構造を特別に取らずに(共振利用も可)、
圧電素子の伸縮振動をベースにした構造をとる。そのた
め、設計のバリエーションが数々考えられる。例えば、
圧電素子の薄いものがあれば、極めて薄い振動子の構成
ができる。また、圧電素子の形状及び弾性体の形状につ
いても特別な限定が少ない。
【0022】また、本発明の振動子は弾性体と圧電素子
とをねじ止め、ボルト締め等の機械的結合方法により簡
単に作製することが可能である。なお、振動子の基端を
完全な固定部にして、片持ち構成としてもよい。さら
に、本発明の振動子に用いる移動体との接触部となる弾
性体突起部は、ボルト等の頭部を利用し、弾性体と圧電
素子の締結と変位拡大の両方の機能を兼ね備えるように
できる。
【0023】また、振動子は弾性体等の共振を特別利用
していないので、共振周波数を厳密に管理する必要がな
い。その結果、多数の振動子を用いてアクチュエータを
構成する場合にも、作製が容易となる。
【0024】本発明の振動子を利用した超音波アクチュ
エータは、小型、軽量で低速、高推力が必要な機器類及
び装置等に使用できる。薄型、小型化を必要とし、電磁
式アクチュエータでは使用できない部位等での使用に適
している。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)請求項1に記載の発明は、例えば
図2に示すように、振動子2の軸方向と平行な中心面を
境にして両側に配置された第1の圧電体3及び第2の圧
電体4は、一対の弾性体1を介して締結具5により締付
固定される。両圧電体3,4はそれぞれ相反する方向に
分極された(振動子の軸方向と直交する面を境にして互
いに異なる側にそれぞれの分極方向が振動子の軸方向と
平行で互いに逆方向となる)2層の圧電素子3a,3
b,4a,4bで構成される。この2層の圧電素子3
a,3b,4a,4b間に配置された電極板6a,6b
を介してA相及びB相の交流駆動電圧が両圧電体3,4
に印加される(発振器、位相器、アンプ等は図示せ
ず)。A相とB相とに位相差+90°を与えた場合、図
3(a)の駆動電圧・変位波形になり、両圧電体3,4
はそれぞれ対応する駆動電圧波形と同じ形態の変位とな
る。即ち、の時点では両圧電体3,4が伸びて図1
(a)のの状態となり、の時点では第1の圧電体3
が縮むとともに第2の圧電体4が伸びて図1(a)の
の状態となる。の時点では両圧電体3,4が縮んで図
1(a)のの状態となり、の時点では第1の圧電体
3が延びるとともに第2の圧電体4が縮んで図1(a)
のの状態となる。従って、振動子2の先端の中心軸近
傍(点M)では図1(b)に示す反時計方向回りの変位
の楕円軌跡が得られる。
【0026】A相とB相とに位相差−90°を与えた場
合には図3(b)の駆動電圧・変位波形になり、両圧電
体3,4はそれぞれ対応する駆動電圧波形と同じ形態の
変位となる。従って、→→→の順で変位が生
じ、点Mの時計方向回りの変位の楕円軌跡が得られる。
即ち、A,B相の印加電圧の位相差を+90°と−90
°とに切り換えることにより、変位の楕円軌跡の方向転
換が行われる。
【0027】また、図4に示すように振動子2の構成は
図2のものとほぼ同じで、第1の圧電体3及び第2の圧
電体4と対応する位置に弾性体の突起Ta,Tbを設け
た場合は、2相駆動とする代わりに、1相駆動でスイッ
チ7の切り換えにより変位の方向転換が行われる。図6
に示すように、突起Taの最適位置は第1の圧電体3の
幅方向の中心軸Oaに対して右側位置近傍(振動のルー
プ(腹)とノード(節)の間)に、第2の圧電体4の幅
方向の中心軸Obに対して左側位置近傍(振動のループ
(腹)とノード(節)の間)となる。
【0028】図5(a)に示すように圧電体3,4が伸
縮振動した場合、その左右端近傍付近は図5(b)に示
すように変位の勾配を生じる。その変位の勾配の直上に
弾性体突起を設けた場合、突起の先端部にはΔx、Δy
の2成分の変位が生じる。弾性体1は圧電体3,4の伸
縮振動に基づいて図6に示すような変位の勾配を生じ
る。そして、第1の圧電体3側に設けられた突起Ta
は、Δyの変位を生じた際に+Δxの変位を同時に生
じ、突起Ta先端に移動体8を当接すると、図7(a)
に示すように、合成変位として右斜め方向に移動させる
振動変位成分が生じ、移動体8を右方向に移動させよう
とする。また、第2の圧電体4側に設けられた突起Tb
は、Δyの変位を生じた際に−Δxの変位を同時に生
じ、突起Tb先端に移動体8を当接すると、図7(a)
と同様に図7(b)に示すように、合成変位として左斜
め方向に移動させる振動変位成分が生じ、移動体8を左
方向に移動させようとする。
【0029】従って、スイッチ7の切換えにより駆動す
る圧電体3,4を選択することにより、移動体8の方向
転換が可能になる。突起Ta,Tbは別々に設けた方が
効率は良いが、一体的に設けてもよい。その際、振動子
2の中心軸の振動のノードN近傍の上面には突起等の弾
性的マスは無い方が望ましい。
【0030】(第2の実施の形態)請求項2に記載の発
明では、例えば図8に示すように、第1及び第2の圧電
体3,4が弾性体1及び第3の圧電体9を介して締結具
5により締付固定される。第1及び第2の圧電体3,4
と第3の圧電体9との間には接地電極10が配設され、
第3の圧電体9は相反する方向に分極された(振動子の
軸方向と直交する面を境にして互いに異なる側にそれぞ
れの分極方向が振動子の軸方向と平行で互いに逆方向と
なる)2層の圧電素子9a,9b間に配置された電極板
11を介して交流駆動電圧が印加される(発振器、位相
器、アンプ等は図示せず)。第1及び第2の圧電体3,
4には電極板6a,6b及びスイッチ7を介して交流駆
動電圧が印加される。
【0031】スイッチ7を第1の圧電体3側の端子B1
と短絡した場合は、図9(a)に示す振動子と同じとな
り、第1の圧電体3の伸縮振動により、突起Taに+Δ
x、Δyの2成分の変位が生じる。そして、突起Taを
移動体に当接すると、移動体は図9(a)の右方向に移
動する。また、スイッチ7を第2の圧電体4側の端子B
2 と短絡した場合は、図9(b)に示す振動子と同じと
なり、第2の圧電体4の伸縮振動により突起Tbに−Δ
x、Δyの2成分の変位が生じる。そして、突起Taを
移動体に当接すると、移動体は図9(b)の左方向に移
動する。第1の圧電体3あるいは第2の圧電体4に交流
駆動電圧が印加されとき、第3の圧電体9にも同じ交流
駆動電圧が印加され、第3の圧電体9の伸縮振動によ
り、±Δx、Δy成分が拡大される。
【0032】なお、駆動方法として、第3の圧電体9を
A相の電源に接続し、第1及び第2の圧電体3,4をB
相の電源にスイッチを介して接続し、A相及びB相間に
±90°の位相差の電圧を与えた状態で、その切換えを
スイッチで行ってもよい。
【0033】(第3の実施の形態)請求項4に記載の発
明では、例えば図10に示すように、電極板6a,6b
を介して第1及び第2圧電素子12,13と第3圧電素
子14とを積層するとともに弾性体1を介して締結具5
により締付固定する。電極板6a,6bにはスイッチ7
を介して交流駆動電圧が印加される(発振器、位相器、
アンプ等は図示せず)。第1及び第2圧電素子12,1
3の分極方向は互いに同じで、第3圧電素子14の分極
方向とは、振動子2の軸方向と直交する面を基準として
相反する(振動子の軸方向と直交する面を境にして互い
に異なる側にそれぞれの分極方向が振動子の軸方向と平
行で互いに逆方向となる)ように設定されている。
【0034】スイッチ7を第1圧電素子12側の端子A
と短絡した場合は、図11(a)に示す振動子と同じと
なり、第1圧電素子12及び第3圧電素子14の伸縮振
動により、突起Taに+Δx、Δyの2成分の変位が生
じる。そして、突起Taを移動体に当接すると、移動体
は図11(a)の右方向に移動する。また、スイッチ7
を第2圧電素子13側の端子Bと短絡した場合は、図1
1(b)に示す振動子と同じとなり、第2圧電素子13
及び第3圧電素子14の伸縮振動により、突起Taに−
Δx、Δyの2成分の変位が生じる。そして、突起Tb
を移動体に当接すると、移動体は図11(b)の左方向
に移動する。
【0035】(第4の実施の形態)請求項3に記載の発
明では、例えば図12(上面図)及び図13(a),
(b)(側面図)に示すように、一対の弾性体1の間に
第1及び第2の圧電体3,4の他に、中心軸を基準とし
て両圧電体3,4に対して90°位置的に位相をずらす
とともに、第1及び第2の圧電体3,4と干渉しない同
じ平面上に第4の圧電体15及び第5の圧電体16とが
配置されている。第1及び第2の圧電体3,4には圧電
素子3a,3b,4a,4b間に配置された電極板6
a,6bを介してA相あるいはB相の交流駆動電圧がそ
れぞれ印加される(発振器、位相器、アンプ等は図示せ
ず)。第4の圧電体15を構成する圧電素子15a,1
5b間に配置された電極板17aにはC相の交流駆動電
圧が、第5の圧電体16を構成する圧電素子16a,1
6b間に配置された電極板17bにはD相の交流駆動電
圧がそれぞれ印加される(発振器、位相器、アンプ等は
図示せず)。
【0036】A相とB相とに+90°の位相差を与えて
2相駆動で振動子2を駆動すると、図2に示した振動子
2の場合と同様に移動体を図12の左側に移動させる、
変位となる曲線閉路の軌跡(真円軌跡、楕円軌跡等)の
運動が反時計方向回りに生じる。A相とB相とに−90
°の位相差を与えて2相駆動で振動子2を駆動すると、
移動体を図12の右側に移動させる、変位となる曲線閉
路の軌跡の運動が時計方向回りに生じる。また、C相と
D相とに+90°の位相差を与えて2相駆動で振動子2
を駆動すると、移動体を図12の下側に移動させる、変
位となる曲線閉路の軌跡の運動が反時計方向回りに生じ
る。C相とD相とに−90°の位相差を与えて2相駆動
で振動子2を駆動すると、移動体を図12の上側に移動
させる、変位となる曲線閉路の軌跡の運動が時計方向回
りに生じる。
【0037】また、図14(a),(b)に示すよう
に、一対の弾性体1の間に第1及び第2の圧電体3,4
の他に、中心軸を基準として両圧電体3,4に対して9
0°位相をずらし、かつ第1及び第2の圧電体3,4に
対して下側に第4の圧電体15及び第5の圧電体16と
を配置した構成とした場合も、ほぼ同様の作用がなされ
る。即ち、A相とB相とに±90°の位相差を与えて2
相駆動で振動子2を駆動すると、図14(a)の矢印A
B方向に移動体を移動させる、変位となる曲線閉路の軌
跡の運動が振動子2の端面に生じる。また、C相とD相
とに±90°の位相差を与えて2相駆動で振動子2を駆
動すると、図14(a)の矢印CD方向に移動体を移動
させる、変位となる曲線閉路の軌跡の運動が振動子2の
端面に生じる。
【0038】振動子2の駆動方法としては、前記のよう
に位置的に180°の角度をおいて対向するA相−B
相、C相−D相の組合せで位相差を与えた2相駆動が一
般的であるが、用途によっては、A相−C相、A相−D
相、B相−D相、B相−C相のように位置的に90°の
角度をおいて対向する組合せを採用してもよい。
【0039】また、弾性体突起を第1、第2、第4及び
第5の各圧電体3,4,15,16と対応する所定位置
に設け、A,B,C,Dの各端子にスイッチを介して交
流駆動電圧を印加するようにしてもよい(発振器、アン
プ等は図示せず)。
【0040】(第5の実施の形態)次に多数の振動子2
を使用してアクチュエータに適用した実施の形態を図1
5に従って説明する。長尺の移動体8の長手方向(図1
5の左右方向)に沿って複数個(この実施例では3個)
の振動子2が配設されている。移動体8を挟んで振動子
2と反対側にはガイドローラ18が配置されている。振
動子2は第1の実施の形態の振動子2とほぼ同様に構成
されている。振動子2の基端側が支持フレーム19に対
してコイルばね等の加圧手段20を介して取付けられ、
各振動子2は移動体8をガイドローラ18側へ押圧する
状態に配設されている。各振動子2の第1の圧電体3の
電極板6aはそれぞれ共通の交流駆動源21に接続さ
れ、第2の圧電体4の電極板6bはそれぞれ共通の交流
駆動源22に接続されている(アンプ、位相器等は図示
せず)。
【0041】各振動子2の第1の圧電体3と第2の圧電
体4に対して+90°の位相差で交流駆動源21,22
から電圧が印加されると、各振動子2の先端に図15の
反時計方向回りの変位となる曲線閉路の軌跡が発生し、
移動体8が図15の左方向へ移動させられる。また、各
圧電体3,4に対して−90°の位相差の電圧が印加さ
れると、各振動子2の先端に図15の時計方向回りの変
位となる曲線閉路の軌跡が発生し、移動体8が図16の
右方向へ移動させられる。即ち、この多数の振動子2を
使用したアクチュエータでは2個の交流駆動源21,2
2の印加電圧の位相差を変更することにより、移動体8
の移動方向を転換できる。
【0042】(第6の実施の形態)次にアクチュエータ
に適用した第6の実施の形態を図16に従って説明す
る。この実施の形態では振動子を構成する弾性体を複数
の振動子で共通化した点が前記第5の実施の形態と異な
っており、その他の部分は同じである。即ち、各振動子
2の第1及び第2の圧電体3,4はそれぞれ共通の1組
の弾性体23間に挟持されている。この場合も各圧電体
3,4に対して+90°の位相差の電圧が印加される
と、移動体8が図16の左方向へ移動させられ、−90
°の位相差の電圧が印加されると、移動体8が図16の
右方向へ移動させられる(アンプ、位相器等は図示せ
ず)。なお、いずれか一方の弾性体23のみを共通化し
てもよい。
【0043】(第7の実施の形態)次にアクチュエータ
に適用した第7の実施の形態を図17〜図19に従って
説明する。この実施の形態では振動子2が移動体8に対
して上下左右の4方向から当接する構成とした点が前記
第5及び第6の実施の形態と異なり、各振動子2自体の
構成は基本的に第5の実施の形態と同じである。図17
に示すように、支持フレーム19は断面八角筒状に形成
され、その互いに対向する面に振動子2が対をなすよう
に配設されている。
【0044】図18に示すように、支持フレーム19の
上下両側に配設された各振動子2は、第1の圧電体3と
第2の圧電体4とが移動体8の移動方向と直交する平面
を挟んで対称位置となるように支持フレーム19に取付
けられている。また、支持フレーム19の左右両側に配
設された各振動子2も、第1の圧電体3と第2の圧電体
4とが移動体8の移動方向と直交する平面を挟んで対称
位置となるように支持フレーム19に取付けられてい
る。各振動子2は移動体8に当接するボス部1bを有す
る弾性体1を備えている。また、図19に示すように、
各振動子2の第1の圧電体3の電極板6aはそれぞれ共
通の交流駆動源21に接続され、第2の圧電体4の電極
板6bはそれぞれ共通の交流駆動源22に接続されてい
る(アンプ、位相器等は図示せず)。
【0045】各振動子2の第1の圧電体3と第2の圧電
体4に対して+90°の位相差で交流駆動源21,22
から電圧が印加されると、支持フレーム19の下側に配
置された振動子2の先端には反時計方向回りの変位とな
る曲線閉路の軌跡が発生し、上側に配置された振動子2
の先端には時計方向回りの変位となる曲線閉路の軌跡が
発生する。この変位となる曲線閉路の軌跡の方向は移動
体8を図18の左方向へ移動させる方向となる。また、
移動体8の左右両側に配設された振動子2の先端にもそ
れぞれ移動体8を図18の左方向へ移動させる方向の変
位となる曲線閉路の軌跡が発生する。その結果、各振動
子2の共同作用により移動体8が高推力で図18の左方
向へ移動する。各第1及び第2の圧電体3,4に対して
−90°の位相差で交流電源21,22から電圧が印加
されると、移動体8は図18の右方向に移動する。この
実施の形態では第5の実施の形態のように移動体8の1
面にのみ当接する振動子2を複数備えたアクチュエータ
に比較して4倍の推力が得られる。
【0046】移動体8に対して上下左右に配置される振
動子2は必ずしもそれぞれ対向する位置に配置する必要
はない。また、移動体8の上下のみに振動子2を配設し
たり、移動体8の左右のみに振動子2を配設してもよ
い。
【0047】本発明の振動子は、圧電素子の伸縮振動を
ベースにして、弾性体の構造、形状により、伸縮振動以
外の振動モードが結合するため、周波数を可変する事に
よっても、振動子先端における曲線閉路の軌跡の方向の
可変が可能である(第1〜7の実施の形態において)。
【0048】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明をより具体化した第1実施
例を図20及び図21に基づいて説明する。振動子2
は、図21に示すような、円形リング状の弾性体1と、
半割リング状の圧電素子3a等と、ほぼ半割リング状の
電極板6a等とを組み合わせて、締結具としての六角穴
付ボルト24及びナット25によりワッシャ26を介し
て締付け固定することにより形成されている。図21に
示すように、振動子2の軸方向と平行な中心面を境にし
て両側に、第1の圧電体3及び第2の圧電体4が対称に
配置されている。両圧電体3,4はそれぞれ相反する方
向に分極された(振動子の軸方向と直交する面を境にし
て互いに異なる側にそれぞれの分極方向が振動子の軸方
向と平行で互いに逆方向となる)2層の圧電素子3a,
3b,4a,4bとその間に配置された電極板6a,6
bにより構成されている。圧電素子3a等の分極方向は
矢印で示す。
【0049】弾性体1は材質を鋼として、外径20m
m、内径8mmで厚さ5mmと10mmの2種類を用意
し、振動子2の基端側に厚さ10mmの弾性体1が配置
され、移動体に当接される側(六角穴付ボルト24の頭
部側)に厚さ5mmの弾性体1が配置されている。圧電
素子3a等は材質をPZT(ジルコン酸・チタン酸鉛系
の多結晶体)として、外径20mm、内径8mm、厚み
4mmの円形リング状のものを半割にするとともに、そ
の分割端面を削った形状とした。そして、両圧電体3,
4はその端面間に隙間がある状態で弾性体1間に配置さ
れている。電極板6a等には厚さ0.1mmの銅板を外
径20mm、内径8mmの半割リングの外側に突部を備
えた形状に形成したものが使用されている。また、ワッ
シャ26は外径20mm、内径8mmで厚さ1mmのも
のが使用されている。
【0050】この振動子2を、ナット25の部位をプラ
スチック製のバイスで挟持して固定支持した。そして、
第1の圧電体3の電極板6aをアンプ27及びフェイズ
シフタ28を介して2相発振器29と接続した。第2の
圧電体4の電極板6bをアンプ27を介して2相発振器
29と接続した。また、弾性体1を接地した。両弾性体
1は六角穴付ボルト24により互いに導通された状態に
あるため、基端側の弾性体1を接地することにより先端
側の弾性体1も自動的に接地される。
【0051】まず、アクチュエータ用振動子として利用
できるか否かを検討するため、第1の圧電体3及び第2
の圧電体4に対して、電圧の位相差を+90°与えて、
周波数を20〜70kHzの間で順次変更しながら振動子
2を駆動するとともに、振動子2の先端即ち六角穴付ボ
ルト24の頭部にベアリング30を押し当てた状態で、
ベアリング30の回転方向を観察した。その結果、周波
数が35kHz及び50kHz近傍で左方向(反時計回り方
向)、40kHz近傍で右方向(時計回り方向)に正逆回
転する周波数領域が認められた。
【0052】次に周波数を50kHz近傍に固定し、電圧
の位相差を+90°から−90°に変更した。振動子2
の先端に押し当てたベアリング30の回転方向は右方向
(時計回り方向)となり+90°の位相差の場合と逆方
向になることが確認された。この結果から両圧電体3,
4に印加する電圧の位相差を変更することにより、変位
となる曲線閉路の軌跡の方向を変更することができ、移
動体の移動方向を変更できることが分かる。
【0053】比較のため、両圧電体3,4に代えて外径
20mm、内径8mm、厚さ4mmのリング状圧電素子
31a,31bを2個用いるとともに、他の部品は図2
0の振動子2と同じものを用いて図22に示す振動子を
構成した。この振動子について前記と同様な実験を行っ
た。前記周波数以外の周波数でベアリングが回転するの
が認められたが、両電極板6a,6bに印加する電圧の
位相差等を変更しても、変位の楕円軌跡の方向転換がで
きないことが確認された。この原因は一対の圧電素子3
1a,31bに対して、分割した電極板6a,6bで位
相差を変えた電圧を印加した場合は、振動子の軸方向と
平行な中心面を境にして圧電素子31a,31bの左右
両側の部分が互いに他の部分の振動変位を拘束しあうの
で、圧電素子の片側毎に意図する状態の伸縮振動が独立
して生じないためと思われる。
【0054】この結果から、振動子の軸方向と平行な中
心面を境にして、第1及び第2の圧電体3,4を分割し
て配置した場合のみに、本発明の駆動原理が再現できる
と考えられる。
【0055】(第2実施例)次に第2実施例を図23
(a),(b)に従って説明する。この実施例では第1
及び第2の圧電体3,4を構成する圧電素子3a,3
b,4a,4bの形状が前記実施例と異なっており、そ
の他の構成は同じである。前記実施例と同じものは同一
番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】PZT製の圧電素子3a等は図23(b)
に示すように、直方体状に形成され、長さL=15m
m、幅W=5mm、厚さ4mmに設定した。そして、図
23(a)に示すように、各圧電素子3a,3b,4
a,4bを振動子2の中心面を境にして対称位置に配置
した。
【0057】この振動子2を第1実施例と同様に2相発
振器29に接続するとともに、同様な方法でベアリング
30の回転状態を観察した。その結果、この実施例の振
動子2も周波数35kHz及び50kHz近傍でベアリング
30が左方向回転(反時計回り)し、40kHzで右方向
(時計回り方向)が確認された。また、周波数50kHz
近傍で第1の圧電体3と第2の圧電体4とに印加する電
圧の位相差を+90°と−90°とに変更することによ
り、ベアリング30の回転方向、即ち変位となる曲線閉
路の軌跡の方向が変わるのが確認された。
【0058】従って、圧電素子3a等の形状を変更して
も振動子2の作用は変わらず、圧電素子の形状が振動子
2の変位となる曲線閉路の軌跡を生ずる事に影響を与え
ないことが確認された。
【0059】(第3実施例)次に第3実施例を図24に
従って説明する。この実施例では振動子2の構成を片持
ち構造とした点が、前記第1及び第2実施例と大きく異
なっている。前記実施例と同じものは同一番号を付して
その詳細な説明を省略する。
【0060】第1実施例の振動子2の構成部品のうち、
基端側の弾性体1(厚さ10mm)に代えて、縦×横
(100mm×100mm)、厚さ15mmの基台(剛
体)32を使用し、その中心に8mmの孔33をあける
とともに、底部にナット25を収容する凹部34を形成
した。そして、六角穴付ボルト24が孔33を貫通する
状態で第1及び第2の圧電体3,4を弾性体1(厚さ5
mm)と基台32間に締付け固定した。
【0061】そして、この振動子2を第1実施例と同様
に2相発振器29に接続するとともに、同様な方法でベ
アリング30の回転状態を観察した。その結果、周波数
35kHz、50kHz及び60kHz近傍でベアリング30
が左方向回転(反時計回り)し、38kHz,48kHzで
右方向(時計回り方向)が確認された。また、周波数5
0kHz近傍で第1の圧電体3と第2の圧電体4とに印加
する電圧の位相差を+90°と−90°とに変更するこ
とにより、ベアリング30の回転方向、即ち変位となる
曲線閉路の軌跡の方向が変わるのが確認された。
【0062】従って、圧電素子の支持状態を片持ち支持
とした場合も、目的とする変位となる曲線閉路の軌跡が
得られるとともに、その方向を変更できることが確認さ
れた。
【0063】(第4実施例)次に第4実施例を図25及
び図26に従って説明する。この実施例では圧電素子3
a等の外径及び厚さを変更した点が第3実施例と異なっ
ている。圧電素子3a等は、外径30mm、内径8m
m、厚さ1mmのPZT製の円形リングを半割にし、そ
の端面を削って第1及び第2の圧電体3,4の端面同士
が接触しないように形成した。電極板6a等には厚さ
0.1mmの銅板を外径30mm、内径8mmの半割リ
ングの外側に突部を備えた形状に形成したものを使用し
た。図26に示すように、リング状の弾性体1には中央
にボス部1bが形成されている。弾性体1は、外径30
mm、内径8mm、大径部の厚さ3mm、ボス部1bの
厚さ5mmに形成されている。そして、六角穴付ボルト
24及びナット25により第3実施例と同じ基台32に
対して、圧電素子3a,3b,4a,4b及び弾性体1
を締付け固定して、片持ち構造の振動子2を構成した。
【0064】そして、この振動子2を第1実施例と同様
に2相発振器29に接続するとともに、同様な方法でベ
アリング30の回転状態を観察した。その結果、周波数
38kHz近傍でベアリング30が回転するのが確認され
た。また、周波数38kHz近傍で第1の圧電体3と第2
の圧電体4とに印加する電圧の位相差を+90°と−9
0°とに変更することにより、ベアリング30の回転方
向、即ち変位となる曲線閉路の軌跡の方向が変わるのが
確認された。
【0065】従って、圧電素子の外径及び厚さを変更し
た場合も、目的とする変位となる曲線閉路の軌跡が得ら
れるとともに、その方向を変更できることが確認され
た。 (第5実施例)次に第5実施例を図27に従って説明す
る。この実施例では第1及び第2の圧電体3,4に加え
て第3の圧電体9を設けた点が前記各実施例と大きく異
なっている。第3の圧電体9を構成する部品以外は、第
1実施例の図20に示す振動子2に使用したものと同じ
ものを使用した。第3の圧電体9を構成する圧電素子9
a,9bには外径20mm、内径8mm、厚さ4mmの
PZT製の圧電素子を使用し、両圧電素子9a,9b間
に配置される電極板11には厚さ0.1mmの銅板を外
径30mm、内径8mmのリングの外側に突部を備えた
形状に形成したものを使用した。そして、第3の圧電体
9が第1及び第2の圧電体3,4より振動子2の先端側
となる配置で、一組の弾性体1及び各圧電体3,4,9
を六角穴付ボルト24及びナット25によりワッシャ2
6を介して締付け固定して振動子2を形成した。
【0066】第3の圧電体9の電極板11をアンプ27
及び位相シフタ28を介して2相発振器29と接続した
(図示せず)。第1の圧電体3の電極板6a及び第2の
圧電体4の電極板6bをスイッチ7を介して2相発振器
29と接続可能とした。また、接地電極10及び基端側
の弾性体1を接地した。そして、スイッチ7を切り換え
て、第1の圧電体3と第3の圧電体9との組合せ及び第
2の圧電体4と第3の圧電体9との組合せについてそれ
ぞれ前記各実施例と同様な方法でベアリング30の回転
状態を観察した。その結果、周波数24,39,53k
Hz近傍でベアリング30が左方向回転(反時計回り)す
るのが確認された。また、周波数39kHz近傍で前記両
組合せの各圧電体に印加する電圧の位相差を+90°と
−90°に変更することにより、ベアリング30の回転
方向、即ち変位となる曲線閉路の軌跡の方向が変わるの
が確認された。
【0067】なお、変位となる曲線閉路の軌跡の方向転
換は、前記組合せの各圧電体に印加する電圧の位相差を
与えなくても、スイッチ7の接点をAとB1 、AとB2
の組合せの切換えで可能であることも確認された。
【0068】従って、振動子の軸方向と平行な中心面を
境にして分割して配置された第1及び第2の圧電体3,
4が直接弾性体1と接触した状態でなくても、目的とす
る変位となる曲線閉路の軌跡が得られるとともに、その
方向を変更できることが確認された。
【0069】(第6実施例)次に第6実施例を図28
(a),(b)に従って説明する。この実施例では第1
及び第2の圧電体3,4に加えて、振動子2の中心軸を
基準として両圧電体3,4に対して90°位相をずら
し、かつ第1及び第2の圧電体3,4に対して下側に第
4の圧電体15及び第5の圧電体16とを配置した点が
前記各実施例と大きく異なっている。第1実施例の図2
0に示す振動子2に使用したものと同じ部品に加えて、
第4及び第5の圧電体15,16を構成する圧電素子1
5a,15b,16a,16bは圧電素子3a等と同じ
半割リング状のPZT製圧電素子を使用し、電極板17
a,17bには電極板6aと同じ突部を有する半割リン
グ状の電極板を使用した。各圧電体3,4,15,16
を一組の弾性体1間に配置して、六角穴付ボルト24及
びナット25により締付け固定して振動子2を形成し
た。
【0070】そして、ナット25をバイスで固定した状
態で、第1及び第2の圧電体3,4の組合せと、第4及
び第5の圧電体15,16の組合せについて、それぞれ
2相駆動で第1実施例と同様な方法でベアリング30の
回転状態を観察した。
【0071】その結果、第5実施例とほぼ同じ周波数3
9kHz近傍でベアリング30が回転するのが確認され
た。また、周波数39kHz近傍で前記両組合せの各圧電
体に印加する電圧の位相差を+90°と−90°に変更
することにより、ベアリング30の回転方向、即ち変位
となる曲線閉路の軌跡の方向が変わるのが確認された。
第1及び第2の圧電体3,4の組合せの場合、A相及び
B相に印加する電圧に±90°の位相差を与えた場合
は、ベアリングは図28(a)の左右方向の正逆転とな
る。また、第4及び第5の圧電体15,16の組合せの
場合、C相及びD相に印加する電圧に±90°の位相差
を与えた場合は、ベアリングは図28(b)の左右方向
における正逆転となる。
【0072】なお、本発明は前記各実施の形態及び実施
例に限定されるものではなく、例えば、次のように具体
化してもよい。 (1)振動子2を構成する部品の数を少なくするため、
図29に示すように、弾性体1にボス部1bと軸部1c
を一体に形成し、軸部1cに形成された雄ねじ1dにお
いて基台32に取付け可能とする。この場合、両圧電体
3,4を挟持する弾性体を締め付けるボルト、ナット及
びワッシャが不要となるとともに、弾性体も1個省略で
きる。
【0073】(2)振動子の軸方向と平行な中心面を境
にして配置された第1及び第2の圧電体3,4を構成す
る圧電素子3a,3b,4a,4bを、図30(a),
(b)に示すように左右方向(x方向)に分割して配置
したり、図31(a),(b)に示すように前後方向
(z方向)に分割して配置してもよい。また、x方向及
びz方向の両方向に複数ずつ配置してもよい。
【0074】(3)第1の圧電体3と第2の圧電体4と
を構成する圧電素子の形状は同一形状のものに限らず、
異なる形状のものを使用してもよい。ただし、その際、
圧電素子の厚さは両圧電体3,4で同じ方がよい。ま
た、第4の圧電体15と第5の圧電体16の場合も同様
に異なる形状のものを使用してもよい。
【0075】(4)振動子2の形状は、円柱状や四角柱
状に限らず、様々な形状を採用できる。例えば、弾性体
1として平面形状が正三角形、正六角形、正八角形等の
線対称のものを使用し、第1の圧電体3及び第2の圧電
体4等として対応するリング形状の圧電素子を半割とし
た形状のものを使用する。
【0076】(5)第1の圧電体3、第2の圧電体4、
第4の圧電体15及び第5の圧電体16をそれぞれ構成
する圧電素子を1対ではなく2対以上積層してもよい。
この場合変位が拡大する。
【0077】(6)第5〜第7の実施の形態では振動子
2をアクチュエータとして利用する際、移動体8の方向
転換を駆動印加電圧の位相差の変更により行うこととし
て説明したが、移動体8に対して当接する2個の突起T
a,Tbを備えた振動子2を使用して、第1の圧電体3
及び第2の圧電体4への印加電圧の供給切り換えにより
移動方向の転換を行う構成としてもよい。
【0078】(7)振動子2をアクチュエータとして使
用する場合、例えば図32に示すように、複数の振動子
2を支持体35上に1列に固定し、各振動子2の先端面
が走行面36と当接する状態で走行面36上に載置し
て、自走式のアクチュエータ37を構成してもよい。こ
の場合、各振動子2の第1の圧電体3はアンプ27,フ
ェイズシフタ28を介して2相発振器29に接続され、
第2の圧電体4はアンプ27を介して2相発振器29に
接続される。そして、第1の圧電体3と第2の圧電体4
とに位相差を有する印加電圧を供給すると、アクチュエ
ータ37は図32の右側あるいは左側へ移動し、その移
動方向は位相差を例えば+90°と−90°に変更する
ことにより方向転換される。
【0079】(8)第5〜第6の実施の形態のアクチュ
エータを構成する振動子2として、第2〜第6実施例の
構成の振動子2を使用してもよい。第3及び第4実施例
の構成とした場合は、支持フレーム19が基台32を兼
用でき、構成が簡単となる。
【0080】前記各実施の形態及び実施例等から把握で
きる請求項記載以外の発明について、以下にその効果と
共に記載する。 (1)請求項1又は請求項2に記載の振動子と、その振
動子を構成する第1及び第2の圧電体への印加電圧の位
相差を±90°又はその近辺で切換可能とした電源部を
備えた超音波アクチュエータ。この場合、印加電圧の位
相差を±90°又はその近辺で切り換えるという簡単な
構成で容易に移動体の移動方向を転換できる。
【0081】(2)請求項3に記載の振動子と、その振
動子を構成する第1及び第2の圧電体と、第4及び第5
の圧電体とに駆動電圧を印加するとともに印加電圧の位
相差を±90°又はその近辺で切換可能とした変更可能
な電源部を備えた超音波アクチュエータ。この場合、印
加電圧の位相差を±90°又はその近辺で切り換えると
いう簡単な構成で容易に移動体の移動方向を4方向に変
更できる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
5に記載の発明によれば、振動子の形状の限定が少なく
大きな推力が得られる。また、移動体の移動方向の転換
を容易に行うことができる。
【0083】請求項2に記載の発明によれば、第3の圧
電体の存在により変位が増大する。請求項3に記載の発
明によれば、移動体の移動方向を直交する4方向(例え
ば、前後左右の4方向)に変更することができる。
【0084】請求項4に記載の発明によれば、振動子の
部品点数が少なくなる。請求項5に記載の発明によれ
ば、振動子を構成する弾性体及び圧電素子の固定を確実
にでき、圧電素子に生じる伸縮振動による力が偶力の回
転モーメントを発生させ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は振動子先端の変位を示す模式図、
(b)は変位の楕円軌跡の模式図。
【図2】第1の実施の形態の振動子の模式断面図。
【図3】(a)は位相差90°の駆動電圧と変位を示す
線図、(b)は位相差−90°の駆動電圧と変位を示す
線図。
【図4】別の振動子の模式断面図。
【図5】圧電素子の変位の状態を示す模式図。
【図6】同じく振動子先端弾性体突部の変位の状態を示
す模式図。
【図7】同じく移動体の移動状態を示す模式図。
【図8】第2の実施の形態の振動子の模式断面図。
【図9】同じく作用を説明する模式図。
【図10】第3の実施の形態の振動子の模式断面図。
【図11】同じく作用を説明する模式図。
【図12】第4の実施の形態の振動子の上面図。
【図13】同じく(a)は図12のY視図、(b)は図
12のX視図。
【図14】同じく(a)は別の振動子の模式斜視図、
(b)はC′視側面図。
【図15】第5の実施の形態の振動子を用いたアクチュ
エータの模式図。
【図16】第6の実施の形態の振動子を用いたアクチュ
エータの模式図。
【図17】第7の実施の形態の振動子を用いたアクチュ
エータの模式断面図。
【図18】図17のZ−Z線断面図。
【図19】同じく図17の概略分解斜視図。
【図20】第1実施例の振動子の概略図。
【図21】同じく(a)は圧電素子の斜視図、(b)は
電極板の斜視図、(c)は弾性体の斜視図。
【図22】比較例の振動子の側面図。
【図23】(a)は第2実施例の振動子の側面図、
(b)は圧電素子の斜視図。
【図24】第3実施例の振動子の側面図。
【図25】第4実施例の振動子の側面図。
【図26】同じく弾性体の斜視図。
【図27】第5実施例の振動子の側面図。
【図28】(a)は第6実施例の振動子の側面図、
(b)は正面図。
【図29】変更例の振動子の断面図。
【図30】(a)は別の変更例の振動子の斜視図、
(b)は側面図。
【図31】(a)は別の変更例の振動子の斜視図、
(b)は側面図。
【図32】自走式アクチュエータの概略側面図。
【図33】従来装置の概略斜視図。
【図34】(a)は別の従来装置の斜視図、(b)はさ
らに別の従来装置の分解斜視図。
【図35】従来装置の作用を説明する模式図。
【図36】(a)は振動子に生じる曲線閉路の軌跡の模
式図、(b)は振動子に生じる曲線閉路の軌跡の模式
図、(c)は振動子に生じる曲線閉路の軌跡の模式図。
【図37】曲線閉路の軌跡の模式図。
【符号の説明】
1…弾性体、2…振動子、3…第1の圧電体、4…第2
の圧電体、3a,3b.4a,4b…圧電素子、5…締
結具、6a,6b,11,17a,17b…電極板、9
…第3の圧電体、12…第1圧電素子、13…第2圧電
素子、14…第3圧電素子、15…第4の圧電体、16
…第5の圧電体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮振動を呈する圧電素子により構成さ
    れる超音波アクチュエータ用振動子であって、 第1の方向に対して圧電素子を少なくとも2層に配置
    し、そのうちの少なくとも2層の圧電素子を、前記第1
    の方向と平行な面を境にして第1の圧電体と第2の圧電
    体とに分割して配置するとともに、第1の圧電体と第2
    の圧電体はそれぞれ前記第1の方向と直交する面を境に
    して互いに異なる側にそれぞれの分極方向が前記第1の
    方向と平行で互いに逆方向となる圧電素子で構成されて
    いることを特徴とする超音波アクチュエータ用振動子。
  2. 【請求項2】 前記第1の方向と直交する状態でかつ前
    記第1の圧電体及び第2の圧電体と対向可能に圧電素子
    で構成される第3の圧電体が配置され、該第3の圧電体
    は前記第1の方向と直交する面を境にして互いに異なる
    側にそれぞれの分極方向が前記第1の方向と平行で互い
    に逆方向となる少なくとも2層の圧電素子で構成されて
    いる請求項1に記載の超音波アクチュエータ用振動子。
  3. 【請求項3】 前記第1の方向が振動子の軸方向であ
    り、該第1の方向と平行な振動子の中心面を境にして前
    記第1の圧電体と第2の圧電体とを分割して配置し、振
    動子の中心軸を基準として前記第1の圧電体と第2の圧
    電体に対して90°位相をずらすとともに第1の圧電体
    及び第2の圧電体と干渉しない位置に第4の圧電体と第
    5の圧電体とが配置され、該第4の圧電体及び第5の圧
    電体は前記第1の方向と直交する面を境にして互いに異
    なる側にそれぞれの分極方向が前記第1の方向と平行で
    互いに逆方向となる少なくとも2層の圧電素子で構成さ
    れている請求項1に記載の超音波アクチュエータ用振動
    子。
  4. 【請求項4】 伸縮振動を呈する圧電素子により構成さ
    れる超音波アクチュエータ用振動子であって、 第1の方向と平行な面を境にして両側にそれぞれ第1の
    圧電素子と第2の圧電素子とがそれぞれ少なくとも1個
    ずつ配置され、前記第1の方向と直交する状態でかつ該
    第1の圧電素子及び第2の圧電素子と対向可能に第3の
    圧電素子が配置され、第1の圧電素子及び第2の圧電素
    子の分極方向と、第3の圧電素子の分極方向とは、前記
    第1の方向と直交する面を境にして互いに異なる側に前
    記第1の方向と平行で互いに逆方向となるように設定さ
    れていることを特徴とする超音波アクチュエータ用振動
    子。
  5. 【請求項5】 前記振動子は前記各圧電素子が一組の弾
    性体間に配置されるとともに、弾性体を貫通する締結具
    により締め付け固定されている請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の超音波アクチュエータ用振動子。
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