JPH0948991A - 冷間圧延油 - Google Patents
冷間圧延油Info
- Publication number
- JPH0948991A JPH0948991A JP20205195A JP20205195A JPH0948991A JP H0948991 A JPH0948991 A JP H0948991A JP 20205195 A JP20205195 A JP 20205195A JP 20205195 A JP20205195 A JP 20205195A JP H0948991 A JPH0948991 A JP H0948991A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cold rolling
- oil
- rolling oil
- water
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高速圧延を行っても焼付きを生じず、火災の危
険性がなく、表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延
油の提供。 【解決手段】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合
物の中の少なくとも1種の含有量が1重量%以上、及び
水からなり、かつ[I]と[II]の含有量の和が60重
量%以下であるように[I]と[II]が水に溶解されて
なる冷間圧延油。 【化3】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、またはアルキルアリール基、PO3H2 はホス
ホノ基。
険性がなく、表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延
油の提供。 【解決手段】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合
物の中の少なくとも1種の含有量が1重量%以上、及び
水からなり、かつ[I]と[II]の含有量の和が60重
量%以下であるように[I]と[II]が水に溶解されて
なる冷間圧延油。 【化3】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、またはアルキルアリール基、PO3H2 はホス
ホノ基。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延油、特に
ステンレス鋼の冷間圧延において、高速圧延時にも被圧
延材の表面が高光沢を維持し、かつ潤滑性、ロール冷却
性に優れる冷間圧延油に関する。
ステンレス鋼の冷間圧延において、高速圧延時にも被圧
延材の表面が高光沢を維持し、かつ潤滑性、ロール冷却
性に優れる冷間圧延油に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の冷間圧延油に要求される最も重要
な性能は潤滑性であるが、実機での使用に際しては、そ
れ以外にも製品品質やメンテナンスの観点から様々な性
能が要求される。例えばステンレス鋼板の冷間圧延で
は、製品表面の光沢が最も重要視される。これは、ステ
ンレス鋼が耐食性に優れるため、表面処理を施すことな
く装飾用など直接目に触れる部分に使用されるからであ
る。
な性能は潤滑性であるが、実機での使用に際しては、そ
れ以外にも製品品質やメンテナンスの観点から様々な性
能が要求される。例えばステンレス鋼板の冷間圧延で
は、製品表面の光沢が最も重要視される。これは、ステ
ンレス鋼が耐食性に優れるため、表面処理を施すことな
く装飾用など直接目に触れる部分に使用されるからであ
る。
【0003】そして、この光沢は圧延時の潤滑状態に大
きく影響される。圧延時にロールと鋼板の間(一般に、
「ロールバイト内」と呼ばれる)に生じた油膜の油圧に
よって、圧延後の鋼板の表面にオイルピットと呼ばれる
くぼみが生じるが、油膜厚が厚い場合、あるいは圧延油
の高圧力下での粘度、すなわち高圧粘度が高い場合に、
このオイルピットの発生量が多く、鋼板表面の光沢は低
下する。
きく影響される。圧延時にロールと鋼板の間(一般に、
「ロールバイト内」と呼ばれる)に生じた油膜の油圧に
よって、圧延後の鋼板の表面にオイルピットと呼ばれる
くぼみが生じるが、油膜厚が厚い場合、あるいは圧延油
の高圧力下での粘度、すなわち高圧粘度が高い場合に、
このオイルピットの発生量が多く、鋼板表面の光沢は低
下する。
【0004】この状況を詳しく説明すると、まず、圧延
中は、金属が塑性変形を起こすわけであるからロールと
鋼板の界面では被圧延材の変形抵抗以上の高圧状態にな
っており、その中に存在する圧延油も当然高圧状態とな
っている。今、高圧粘度が高い圧延油を用いた場合、こ
の圧延油は高圧状態での流動性が低いので、ロールバイ
ト内でロールと鋼板の粗さにより生じた空間に容易に封
じ込められてしまい、オイルピットが形成されるが、高
圧粘度が低い圧延油の場合は、高圧状態でも流動性が高
いため、封じ込められる前にロールと鋼板の粗さの隙間
から圧力の低い方へと流出し、オイルピットが形成され
にくい。但し、高圧粘度があまりにも低すぎる場合に
は、圧延油は流動性が高すぎるためロールと鋼板の粗さ
の隙間からロールバイト外へ流出してしまい、ロールバ
イト内に油膜が形成されず、潤滑不足となってしまう。
中は、金属が塑性変形を起こすわけであるからロールと
鋼板の界面では被圧延材の変形抵抗以上の高圧状態にな
っており、その中に存在する圧延油も当然高圧状態とな
っている。今、高圧粘度が高い圧延油を用いた場合、こ
の圧延油は高圧状態での流動性が低いので、ロールバイ
ト内でロールと鋼板の粗さにより生じた空間に容易に封
じ込められてしまい、オイルピットが形成されるが、高
圧粘度が低い圧延油の場合は、高圧状態でも流動性が高
いため、封じ込められる前にロールと鋼板の粗さの隙間
から圧力の低い方へと流出し、オイルピットが形成され
にくい。但し、高圧粘度があまりにも低すぎる場合に
は、圧延油は流動性が高すぎるためロールと鋼板の粗さ
の隙間からロールバイト外へ流出してしまい、ロールバ
イト内に油膜が形成されず、潤滑不足となってしまう。
【0005】従って、ステンレス鋼板の冷間圧延では、
高圧粘度が低く、かつロールバイト内へ引き込まれる量
が少ない圧延油が潤滑油として使用される。
高圧粘度が低く、かつロールバイト内へ引き込まれる量
が少ない圧延油が潤滑油として使用される。
【0006】この条件を満たすものとして低粘度の鉱油
があり、これは高圧粘度も低い。しかし、低粘度の鉱油
は潤滑性が乏しいので、耐焼付性を向上させるため合成
エステルや脂肪族アルコールなどを油性剤として添加し
たものが用いられる。ところが、油は比熱が小さく、ロ
ール及び鋼板の冷却性能が悪いので、高速圧延時にロー
ル及び鋼板表面の温度が上昇してしまう。ロールや鋼板
表面温度が上昇すると、油性剤が熱分解し、あるいはロ
ール及び鋼板表面から脱離し、潤滑性が低下して焼付き
を生じる。冷却性能は冷間圧延油の粘度を更に低下させ
て流動性を上げることにより向上させることができる
が、鉱油は粘度の低下に伴って引火点が下がるため、圧
延中に板破断が生じた場合の火花で火災が発生する危険
性があり、極端には低粘度化できない。
があり、これは高圧粘度も低い。しかし、低粘度の鉱油
は潤滑性が乏しいので、耐焼付性を向上させるため合成
エステルや脂肪族アルコールなどを油性剤として添加し
たものが用いられる。ところが、油は比熱が小さく、ロ
ール及び鋼板の冷却性能が悪いので、高速圧延時にロー
ル及び鋼板表面の温度が上昇してしまう。ロールや鋼板
表面温度が上昇すると、油性剤が熱分解し、あるいはロ
ール及び鋼板表面から脱離し、潤滑性が低下して焼付き
を生じる。冷却性能は冷間圧延油の粘度を更に低下させ
て流動性を上げることにより向上させることができる
が、鉱油は粘度の低下に伴って引火点が下がるため、圧
延中に板破断が生じた場合の火花で火災が発生する危険
性があり、極端には低粘度化できない。
【0007】これに対し、難燃性で冷却性に優れる冷間
圧延油として、従来から普通鋼の圧延に用いられている
水中油滴分散(O/W)型エマルションの冷間圧延油が
ある。しかし、O/W型エマルション冷間圧延油は成分
の大半が水であるため冷却性には優れる一方、ロール及
び鋼板表面に付着する油分量が均一になり難く、光沢む
らを生じ易い欠点がある。また、特公平3−80199
号公報では、脂肪酸、石油スルホン酸及びナフテン酸の
中の一種以上を含む基油中に水を1〜50重量%分散さ
せた油中水滴分散(W/O)型エマルションの冷間圧延
油が提案されているが、この圧延油は主成分が油である
ためO/W型エマルション冷間圧延油のように極端には
冷却性は向上せず、更に、W/O型エマルションを安定
に維持するには多量の乳化剤すなわち界面活性剤を必要
とするため、排水処理上の問題があった。
圧延油として、従来から普通鋼の圧延に用いられている
水中油滴分散(O/W)型エマルションの冷間圧延油が
ある。しかし、O/W型エマルション冷間圧延油は成分
の大半が水であるため冷却性には優れる一方、ロール及
び鋼板表面に付着する油分量が均一になり難く、光沢む
らを生じ易い欠点がある。また、特公平3−80199
号公報では、脂肪酸、石油スルホン酸及びナフテン酸の
中の一種以上を含む基油中に水を1〜50重量%分散さ
せた油中水滴分散(W/O)型エマルションの冷間圧延
油が提案されているが、この圧延油は主成分が油である
ためO/W型エマルション冷間圧延油のように極端には
冷却性は向上せず、更に、W/O型エマルションを安定
に維持するには多量の乳化剤すなわち界面活性剤を必要
とするため、排水処理上の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速圧延を
行っても焼付きを生じず、火災の危険性がなく、また、
表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延油を提供する
ことを目的とする。
行っても焼付きを生じず、火災の危険性がなく、また、
表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延油を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、水に特定の水溶
性の増粘剤と特定の水溶性の潤滑性向上剤の両者を特定
量添加した冷間圧延油が、水と同等の高い冷却性能を有
し、更に潤滑性も良好であることを見出し、本発明をな
すに至った。
的を達成するために検討を重ねた結果、水に特定の水溶
性の増粘剤と特定の水溶性の潤滑性向上剤の両者を特定
量添加した冷間圧延油が、水と同等の高い冷却性能を有
し、更に潤滑性も良好であることを見出し、本発明をな
すに至った。
【0010】本発明の要旨は、下記の冷間圧延油にあ
る。
る。
【0011】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合
物の中の少なくとも1種の含有量が1重量%以上、およ
び水からなり、かつ、前記[I]と[II]の含有量の和
が60重量%以下であるように[I]と[II]が水に溶
解されてなる冷間圧延油。
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合
物の中の少なくとも1種の含有量が1重量%以上、およ
び水からなり、かつ、前記[I]と[II]の含有量の和
が60重量%以下であるように[I]と[II]が水に溶
解されてなる冷間圧延油。
【0012】
【化2】
【0013】但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基、
PO3H2 はホスホノ基を示す。
ルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基、
PO3H2 はホスホノ基を示す。
【0014】ここで、「水に溶解されてなる冷間圧延
油」とは、水に完全に溶解して単一相をなす冷間圧延油
であることを意味し、界面活性剤などを用いて水に分散
させたエマルション状態の冷間圧延油や、微粒子を水に
懸濁させたサスペンジョンの状態の冷間圧延油とは異な
る。
油」とは、水に完全に溶解して単一相をなす冷間圧延油
であることを意味し、界面活性剤などを用いて水に分散
させたエマルション状態の冷間圧延油や、微粒子を水に
懸濁させたサスペンジョンの状態の冷間圧延油とは異な
る。
【0015】
【発明の実施の形態】上記本発明の冷間圧延油によって
前記の課題がどのように解決されるか、以下に説明す
る。
前記の課題がどのように解決されるか、以下に説明す
る。
【0016】本発明の冷間圧延油は、水、増粘剤(前記
[I]の成分)および潤滑性向上剤(前記[II]の成
分)より構成される。本発明の冷間圧延油は、水をベー
スにしているため難燃性であり、また比熱が水並みに高
く、油をベースにした従来の冷間圧延油に比べて冷却性
能がかなり良好であり、エマルションタイプの冷間圧延
油と比較しても同等以上の冷却性能を有する。これは、
エマルションタイプの冷間圧延油ではロール、鋼板に付
着した油膜が伝熱抵抗となって冷却性能を低下させてし
まうが、本発明の冷間圧延油では、完全に水溶性の物質
のみを水に溶解させているため、成分の一部がロールや
鋼板に付着して伝熱抵抗になるといった問題が生じない
ためである。また、本発明の冷間圧延油は均一な一相流
体であり、油膜厚さが不均一になるという問題も生じる
ことがなく、従って光沢むらなども生じない。
[I]の成分)および潤滑性向上剤(前記[II]の成
分)より構成される。本発明の冷間圧延油は、水をベー
スにしているため難燃性であり、また比熱が水並みに高
く、油をベースにした従来の冷間圧延油に比べて冷却性
能がかなり良好であり、エマルションタイプの冷間圧延
油と比較しても同等以上の冷却性能を有する。これは、
エマルションタイプの冷間圧延油ではロール、鋼板に付
着した油膜が伝熱抵抗となって冷却性能を低下させてし
まうが、本発明の冷間圧延油では、完全に水溶性の物質
のみを水に溶解させているため、成分の一部がロールや
鋼板に付着して伝熱抵抗になるといった問題が生じない
ためである。また、本発明の冷間圧延油は均一な一相流
体であり、油膜厚さが不均一になるという問題も生じる
ことがなく、従って光沢むらなども生じない。
【0017】本発明の冷間圧延油においては、潤滑性向
上剤と増粘剤の両者を組み合わせて使用することに特徴
がある。
上剤と増粘剤の両者を組み合わせて使用することに特徴
がある。
【0018】本発明の冷間圧延油成分中に含まれる潤滑
性向上剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、成分の
大半が水であり、冷間圧延油全体としての高圧粘度が極
端に低いため、圧延時に非常に高圧となったロールバイ
ト内では、冷間圧延油がロールと鋼板の粗さの隙間から
流出してしまい、ロールバイト内に潤滑性向上剤を十分
に保持できない。しかし、本発明の冷間圧延油は潤滑性
向上剤のみならず増粘剤を5〜60重量%(潤滑性向上
剤が少なくとも1重量%含まれるので、正確には上限は
59重量%である)含有しており、これによって全体の
高圧粘度が低粘度鉱油並みになり、圧延時のロールバイ
ト内においてもロールと鋼板の粗さの隙間から冷間圧延
油が流出してしまうことなくロールバイト内に保持され
る。従って、圧延によって生じた新生面に対しても保持
されている冷間圧延油中の潤滑性向上剤が吸着して焼付
きを防止する。また、本発明の冷間圧延油は増粘剤の含
有量の上限がおよそ60重量%であるため、オイルピッ
トが発生し過ぎて鋼板の光沢が低下するという問題も生
じない。
性向上剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、成分の
大半が水であり、冷間圧延油全体としての高圧粘度が極
端に低いため、圧延時に非常に高圧となったロールバイ
ト内では、冷間圧延油がロールと鋼板の粗さの隙間から
流出してしまい、ロールバイト内に潤滑性向上剤を十分
に保持できない。しかし、本発明の冷間圧延油は潤滑性
向上剤のみならず増粘剤を5〜60重量%(潤滑性向上
剤が少なくとも1重量%含まれるので、正確には上限は
59重量%である)含有しており、これによって全体の
高圧粘度が低粘度鉱油並みになり、圧延時のロールバイ
ト内においてもロールと鋼板の粗さの隙間から冷間圧延
油が流出してしまうことなくロールバイト内に保持され
る。従って、圧延によって生じた新生面に対しても保持
されている冷間圧延油中の潤滑性向上剤が吸着して焼付
きを防止する。また、本発明の冷間圧延油は増粘剤の含
有量の上限がおよそ60重量%であるため、オイルピッ
トが発生し過ぎて鋼板の光沢が低下するという問題も生
じない。
【0019】一方、本発明の冷間圧延油成分中に含まれ
る増粘剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、高圧粘
度は鉱油並みであるが、新生面に吸着する潤滑性向上剤
を含有してないため焼付きを生じ易い。
る増粘剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、高圧粘
度は鉱油並みであるが、新生面に吸着する潤滑性向上剤
を含有してないため焼付きを生じ易い。
【0020】以上述べたように、潤滑性向上剤と増粘剤
の両者を組み合わせて使用する必要がある。
の両者を組み合わせて使用する必要がある。
【0021】本発明で使用する増粘剤は、炭素数6以下
の多価アルコールである。炭素数が7以上の多価アルコ
ールは、水に対する溶解度が低く使用できない。本発明
で使用する増粘剤としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ジエチエレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
ストリール等が挙げられる。中でもエチレングリコー
ル、グリセリンがより好ましい。これらの物質には、分
子中のアルコール性水酸基が水中で水素結合し粘度を高
める作用がある。また、潤滑性向上剤として添加してい
るりん酸化合物の加水分解により生じるりん酸が増加す
ると、圧延機や鋼板を腐食するが、これらの多価アルコ
ールはこのりん酸をエステル化し中和する作用を有して
おり、りん酸化合物の添加による弊害を排除して潤滑作
用を維持させる上でも有用である。
の多価アルコールである。炭素数が7以上の多価アルコ
ールは、水に対する溶解度が低く使用できない。本発明
で使用する増粘剤としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ジエチエレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
ストリール等が挙げられる。中でもエチレングリコー
ル、グリセリンがより好ましい。これらの物質には、分
子中のアルコール性水酸基が水中で水素結合し粘度を高
める作用がある。また、潤滑性向上剤として添加してい
るりん酸化合物の加水分解により生じるりん酸が増加す
ると、圧延機や鋼板を腐食するが、これらの多価アルコ
ールはこのりん酸をエステル化し中和する作用を有して
おり、りん酸化合物の添加による弊害を排除して潤滑作
用を維持させる上でも有用である。
【0022】本発明にかかる増粘剤の含有量は5重量%
以上である。5重量%未満では高圧粘度が低過ぎ、ロー
ルバイト内への冷間圧延油の保持が不十分である。
以上である。5重量%未満では高圧粘度が低過ぎ、ロー
ルバイト内への冷間圧延油の保持が不十分である。
【0023】本発明で使用する潤滑性向上剤は、前記の
一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合物
である。ここで、ホスホン酸化合物の炭素数Rを4〜1
8としたのは、4未満では吸着分子膜の厚みが薄く耐焼
付き性が十分ではなく、19以上では水に溶解し難くな
るからである。
一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合物
である。ここで、ホスホン酸化合物の炭素数Rを4〜1
8としたのは、4未満では吸着分子膜の厚みが薄く耐焼
付き性が十分ではなく、19以上では水に溶解し難くな
るからである。
【0024】ホスホン酸化合物として好適なものは、一
般式(A)の化学構造を有するものとしては、 N,N- ジメチレンホスホン酸- ヘキシルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- ヘプチルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- 2エチルヘキシルアミ
ン N,N- ジメチレンホスホン酸- オクチルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- ノニルアミン 等が挙げられ、一般式(B)の化学構造を有するものと
しては、 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘキサノール 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘプタノール 5- エチル- 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘキサノール 1,1- ジホスホン酸- 1- オクタノール 1,1- ジホスホン酸- 1- ノナノール がある。これらはいずれも、分子中のホスホノ基が鋼板
表面に吸着し、強固な潤滑膜を形成することによってロ
ールと圧延材間の焼付きを防止する。
般式(A)の化学構造を有するものとしては、 N,N- ジメチレンホスホン酸- ヘキシルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- ヘプチルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- 2エチルヘキシルアミ
ン N,N- ジメチレンホスホン酸- オクチルアミン N,N- ジメチレンホスホン酸- ノニルアミン 等が挙げられ、一般式(B)の化学構造を有するものと
しては、 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘキサノール 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘプタノール 5- エチル- 1,1- ジホスホン酸- 1- ヘキサノール 1,1- ジホスホン酸- 1- オクタノール 1,1- ジホスホン酸- 1- ノナノール がある。これらはいずれも、分子中のホスホノ基が鋼板
表面に吸着し、強固な潤滑膜を形成することによってロ
ールと圧延材間の焼付きを防止する。
【0025】本発明にかかる潤滑性向上剤の含有量は1
重量%以上である。1重量%未満では、たとえ増粘剤を
含有しロールバイト内に冷間圧延油が保持されても、圧
延により発生した全ての新生面に吸着して覆うことはで
きず、焼付きを生じ易い。
重量%以上である。1重量%未満では、たとえ増粘剤を
含有しロールバイト内に冷間圧延油が保持されても、圧
延により発生した全ての新生面に吸着して覆うことはで
きず、焼付きを生じ易い。
【0026】また、本発明にかかる増粘剤と潤滑性向上
剤の総量は60重量%以下である。
剤の総量は60重量%以下である。
【0027】増粘剤と潤滑性向上剤の総量が60重量%
を超えると水の含有量が少な過ぎるため、冷却性能が急
激に低下する。
を超えると水の含有量が少な過ぎるため、冷却性能が急
激に低下する。
【0028】本発明の圧延油は、上記の増粘剤および潤
滑性向上剤を水に添加して攪拌し、溶解させることによ
り製造できる。必要に応じて、防錆添加剤、酸化防止剤
等の添加剤を適宜加えてもよい。
滑性向上剤を水に添加して攪拌し、溶解させることによ
り製造できる。必要に応じて、防錆添加剤、酸化防止剤
等の添加剤を適宜加えてもよい。
【0029】本発明の圧延油は、そのまま、あるいは高
濃度に調整したものを希釈して、スプレー塗布、ウォー
ターインジェクション、エアアトマイズなどの方法によ
り冷間圧延時にロ−ルおよび鋼板に直接供給して使用す
ることができる。特に高速圧延を行う場合においても、
潤滑性、冷却性に優れ、また、被圧延材の圧延後の光沢
が良好であり、従来のエマルション型圧延油で問題とな
る光沢むらなども生じない。
濃度に調整したものを希釈して、スプレー塗布、ウォー
ターインジェクション、エアアトマイズなどの方法によ
り冷間圧延時にロ−ルおよび鋼板に直接供給して使用す
ることができる。特に高速圧延を行う場合においても、
潤滑性、冷却性に優れ、また、被圧延材の圧延後の光沢
が良好であり、従来のエマルション型圧延油で問題とな
る光沢むらなども生じない。
【0030】本発明の圧延油は、圧延ロールとしてSK
D11、SKD61、アダマイト、ニッケルグレン、C
rメッキロール、ハイス、超硬等のいずれの圧延ロール
を使用する場合でも使用でき、また、被圧延材も特に限
定されず、ステンレス鋼、炭素鋼などの材料の圧延に使
用できる。圧延ロール材質と被圧延材の材質の組み合わ
せについても特に限定はない。
D11、SKD61、アダマイト、ニッケルグレン、C
rメッキロール、ハイス、超硬等のいずれの圧延ロール
を使用する場合でも使用でき、また、被圧延材も特に限
定されず、ステンレス鋼、炭素鋼などの材料の圧延に使
用できる。圧延ロール材質と被圧延材の材質の組み合わ
せについても特に限定はない。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
【0032】まず、表1及び表2に示す本発明例1〜2
5と表3及び表4に示す比較例1〜11の36種類の冷
間圧延油を準備した。ここで、比較例10はO/W型エ
マルションタイプの冷間圧延油であり、ホモミキサーで
油滴の平均粒径を約4μmに調整した。なお、表1〜表
3の左欄におけるIの成分及びIIの成分は、それぞれ
[I]の成分及び[II]の成分を意味する。
5と表3及び表4に示す比較例1〜11の36種類の冷
間圧延油を準備した。ここで、比較例10はO/W型エ
マルションタイプの冷間圧延油であり、ホモミキサーで
油滴の平均粒径を約4μmに調整した。なお、表1〜表
3の左欄におけるIの成分及びIIの成分は、それぞれ
[I]の成分及び[II]の成分を意味する。
【0033】これらの冷間圧延油を用いて、表5に示す
4段式圧延機により表6に示す条件でコイル圧延を行
い、潤滑性(耐焼付き性)及び圧延後の光沢性を評価し
た。圧延ロールとしては SKD11、セミハイス( 0.4%
C、 5%Cr、 1%Mo、 0.3%V 、1%W )及び SKD11にC
rメッキを施したロールを、いずれも表面粗さ(Ra)を
0.01μmにして用い、被圧延材としてはSUS430、SUS304
及び炭素鋼(SPCC-SB )を使用した。また、各冷間圧延
油は圧延機の入側でロ−ルおよび鋼板に直接、圧力5kg
f /cm2 、流量6リットル/分で供給した。
4段式圧延機により表6に示す条件でコイル圧延を行
い、潤滑性(耐焼付き性)及び圧延後の光沢性を評価し
た。圧延ロールとしては SKD11、セミハイス( 0.4%
C、 5%Cr、 1%Mo、 0.3%V 、1%W )及び SKD11にC
rメッキを施したロールを、いずれも表面粗さ(Ra)を
0.01μmにして用い、被圧延材としてはSUS430、SUS304
及び炭素鋼(SPCC-SB )を使用した。また、各冷間圧延
油は圧延機の入側でロ−ルおよび鋼板に直接、圧力5kg
f /cm2 、流量6リットル/分で供給した。
【0034】耐焼付き性の評価は焼付き疵の有無を肉眼
で判定することにより行い、1コイル(800m)を圧延し
て全く焼付きが生じなかったときのみ良好とした。ま
た、光沢性の評価は圧延後の表面光沢度(Gs45゜)を測
定することにより行い、SUS430と炭素鋼については光沢
度が 700以上のときのみ良好とし、SUS304については光
沢度が 600以上のときのみ良好とした。
で判定することにより行い、1コイル(800m)を圧延し
て全く焼付きが生じなかったときのみ良好とした。ま
た、光沢性の評価は圧延後の表面光沢度(Gs45゜)を測
定することにより行い、SUS430と炭素鋼については光沢
度が 700以上のときのみ良好とし、SUS304については光
沢度が 600以上のときのみ良好とした。
【0035】表7にSUS430を圧延した場合の結果を、表
8にSUS304を圧延した場合の結果を、また表9に炭素鋼
を圧延した場合の結果を示す。これらの表において、耐
焼付き性の欄の30%もしくは20%は圧下率を表す。ま
た、耐焼付き性に関しては、SUS430、SUS304および炭素
鋼のいずれについても、1コイルを圧延し、全く焼付き
が生じなかったときのみ良好と評価して○印で、焼付き
が生じた場合は×印で表した。なお、表7に SKD11ロー
ルでSUS430を圧延した場合の圧延直後のコイル表面温度
を示した。
8にSUS304を圧延した場合の結果を、また表9に炭素鋼
を圧延した場合の結果を示す。これらの表において、耐
焼付き性の欄の30%もしくは20%は圧下率を表す。ま
た、耐焼付き性に関しては、SUS430、SUS304および炭素
鋼のいずれについても、1コイルを圧延し、全く焼付き
が生じなかったときのみ良好と評価して○印で、焼付き
が生じた場合は×印で表した。なお、表7に SKD11ロー
ルでSUS430を圧延した場合の圧延直後のコイル表面温度
を示した。
【0036】これらの結果から、本発明の冷間圧延油を
用いることによって、SUS430、SUS304、および炭素鋼の
いずれを圧延しても、ロールおよび鋼板の温度上昇を抑
制でき、焼付きの発生も完全に防止できることが明かと
なった。また、本発明の冷間圧延油では、オイルピット
の発生量が少なく、光沢も良好であることが確認でき
た。さらには、本発明の冷間圧延油では、エマルション
タイプの冷間圧延油に見られるような光沢むらも全く発
生しなかった。なお、比較例7及び9では[II]の成分
が水に溶解せず均質にならなかったため試験できなかっ
た。
用いることによって、SUS430、SUS304、および炭素鋼の
いずれを圧延しても、ロールおよび鋼板の温度上昇を抑
制でき、焼付きの発生も完全に防止できることが明かと
なった。また、本発明の冷間圧延油では、オイルピット
の発生量が少なく、光沢も良好であることが確認でき
た。さらには、本発明の冷間圧延油では、エマルション
タイプの冷間圧延油に見られるような光沢むらも全く発
生しなかった。なお、比較例7及び9では[II]の成分
が水に溶解せず均質にならなかったため試験できなかっ
た。
【0037】また、SKD11 、セミハイス及びCrメッキロ
ールのいずれの圧延ロールを用いた場合でも同じ効果が
得られた。
ールのいずれの圧延ロールを用いた場合でも同じ効果が
得られた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】
【発明の効果】本発明の冷間圧延油を用いることによっ
て、高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時の火
災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造するこ
とができる。
て、高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時の火
災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:24
Claims (1)
- 【請求項1】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式(A)または(B)で表されるホスホン酸化合
物の中の少なくとも1種の含有量が1重量%以上、およ
び水からなり、かつ、前記[I]と[II]の含有量の和
が60重量%以下であるように[I]と[II]が水に溶
解されてなる冷間圧延油。 【化1】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、 またはアルキルアリール基、 PO3H2 はホスホノ基を示す。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20205195A JP2962197B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 冷間圧延油 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20205195A JP2962197B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 冷間圧延油 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0948991A true JPH0948991A (ja) | 1997-02-18 |
| JP2962197B2 JP2962197B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=16451131
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20205195A Expired - Fee Related JP2962197B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 冷間圧延油 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2962197B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102007040247A1 (de) | 2007-08-25 | 2009-03-05 | Evonik Goldschmidt Gmbh | Korrosionsinhibitor |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP20205195A patent/JP2962197B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102007040247A1 (de) | 2007-08-25 | 2009-03-05 | Evonik Goldschmidt Gmbh | Korrosionsinhibitor |
| EP2033964A2 (de) | 2007-08-25 | 2009-03-11 | Evonik Goldschmidt GmbH | Korrosionsinhibitor |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2962197B2 (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA1285263C (en) | Process and composition for mechanical working of aluminium and aluminium alloys | |
| JP2009242700A (ja) | 冷間圧延用圧延油および冷間圧延方法 | |
| JP2004204214A (ja) | 鋼板冷間圧延油 | |
| JP2919206B2 (ja) | アルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油及びそれを用いる冷間圧延方法 | |
| JP3815425B2 (ja) | 冷間圧延方法 | |
| JP2962197B2 (ja) | 冷間圧延油 | |
| CN1146778A (zh) | 高铬不锈钢的热轧用润滑剂 | |
| JP2003170207A (ja) | 金属板の圧延方法 | |
| JP3475983B2 (ja) | 金属の圧延加工用潤滑剤組成物 | |
| US3390084A (en) | Cold rolling lubrication | |
| JP6860366B2 (ja) | アルミニウム用熱間圧延油、アルミニウム用熱間圧延クーラント及びアルミニウム圧延板の製造方法 | |
| JP3937061B2 (ja) | 冷間圧延油 | |
| JP3370879B2 (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置 | |
| JPH08225795A (ja) | ステンレス薄鋼板用圧延油 | |
| JP3370880B2 (ja) | アルミニウム及びアルミニウム合金板の圧延方法 | |
| JPH0931485A (ja) | 冷間圧延油 | |
| JPH08302380A (ja) | 冷間圧延用潤滑液 | |
| JP2011200877A (ja) | 金属帯の冷間圧延方法 | |
| JP3370873B2 (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法 | |
| JP2006281276A (ja) | 金属板の冷間圧延方法 | |
| JP3370872B2 (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法 | |
| JPH07258672A (ja) | 金属加工油組成物及び水中油滴型エマルジョン | |
| JPH0762381A (ja) | 冷間圧延油 | |
| JPH1161167A (ja) | 冷間圧延油組成物 | |
| JPH08225794A (ja) | ステンレス薄鋼板用水溶性圧延油と圧延方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |