【発明の詳細な説明】
生分解性ポリマー混合体、該生分解性ポリマー混合体の製造方法及びその製
造装置
発明の分野
本発明は、生分解性ポリマー混合体、該生分解性ポリマー混合体の製造方法、
及びその製造装置に関するものである。本発明の実施例には、バッチ式及び連続
式の縮合重合を採用した重合法が用いられている。本発明の製造装置及び製造方
法は、高分子重合体(生分解性ポリマー)の収率(収量)がよく、その製造再現
性を大幅に向上させることができる。
発明の背景
生分解性(biodegradable)、生吸収性(bioresorba
ble)であるポリマーは,内科的及び外科的に適用可能である。「生分解性で
ある」とは自然の生物学的プロセスによって分解可能であることを意味する。
「生吸収性である」とは自然のプロセスで分解され、利用されることを意味して
いる。これらの適用対象には、骨置換材(bone replacemennt
)、セメント材、縫合材、薬剤搬送システム材(drug delivery
systems)が含まれる。
典型的には、生分解、吸収性ポリマー類は、原料を注入する生命体の通常の物
質代謝の一部を構成する組成物から誘導される。TCAサイクルとして知られて
いるクレブス回路を構成する酸類が、生分解、吸収性ポリマーを製造するために
使用されている。
しかしながら、クレブス回路型ポリマーの利用は、重合プロセスの再現性の欠
如、高分子重合体の収量の不足、並びに、不飽和ポリエステルの合成時における
初重合プロセス中での不都合な架橋反応による困難性などによって限定されてい
た。
発明の概要
本発明は、生分解性ポリマー、該生分解性ポリマーを製造するための製造方法
及び製造装置に関するものである。本発明の一実施例は、以下の構造式(I)で
表される生分解性ポリマーの混合体に関わる。
構造式中、XはC2〜C3の二価パラフィン群若しくは二価オレフィン群であり
、Yは、C1〜C5の二価パラフィン群若しくは二価オレフィン群、又は隣接する
炭素間のシングル結合体である。R1、R2、R3、R4はそれぞれ、水素、又はC1
〜C5のアルキル若しくはアルケニルであり、nは20から120の範囲の整数
である。混合体のポリマーは、重量平均分子量(Mw)(weight ava
rage molecular weight)8,000から60,000g
/モルのものである。その意味において、この「混合体」とは、鎖長分布を有し
た複数の重合分子のことである。
好適には、この混合体は、重量平均分子量(Mw)が10,000から50,
000g/モルのものである。さらに好適には、混合体は、重量平均分子量(Mw
)が20,000g/モル以上のものである。ポリマーの混合体は、数平均分
子量(Mn)(number avarage molecular weig
ht)3,000から20,000g/モルを有しており、好適には,数平均分
子量(Mn)が5,000g/モル以上である。
好適には、XはC2の二価オレフィン群であり、YはC1の二価パラフィン群、
又は隣接炭素間のシングル結合体である。好適には、R1、R2、R3、R4がすべ
て水素であり、又はR1、R2、R3、R4のうち1個のみがC1のアルキルであり
、他は水素である。
本発明の製造方法の一実施例は、前記の構造式(I)の生分解性ポリマーを製
造するステップを含んでいる。その方法で第1モノマーと第2モノマーとを含む
反応混合体が提供される。その第1モノマーは以下の構造式(II)で表される
。
構造式中、Y及びR1からR4は、前記のY及びR1からR4と同じである。第2
モノマーは以下の構造式(III)で表される。
構造式中、Xは前記と同じであり、R5とR6とはそれぞれ水素、又はC1〜C3
のアルキル若しくはアルケニルである。この方法はさらに、第1反応生成物を製
造するために反応混合体に対して反応条件を課すステップを含んでいる。この反
応条件は不活性ガス雰囲気で80℃から250℃の温度範囲であることを含んで
いる。第1反応生成物は(取り除かれる)アルコール副生成物と第1ポリマーと
を含んでいる。この第1ポリマーは以下の構造式(IV)で表される。
構造式中、Y及びXは上記と同じであり、R7からR10、及びR11からR14は
、
それそれ上記R1からR4と同じである。この製造方法はさらに、アルコール副生
成物の除去ステップと、第1ポリマーに対して第2反応条件を課すステップとを
含んでいる。第2反応生成物を製造するための第2反応の反応条件は、80℃か
ら250℃の温度範囲と、0.1から760トールの圧力範囲とを含み構成され
ている。第2反応生成物は、第1モノマー(ここでは副生成物)と、構造式(I
)で表される第2ポリマーの混合体とを含んでいる。第2ポリマーの混合体はMw
8,000から60,000g/モルを有している。
この混合体は第1モノマーを余分に含んでいる。高分子生分解性ポリマーを製
造するための製造方法はさらに、加熱と真空とを利用して反応混合体から余分な
第1モノマーを取り除くステップを含んでいる。
ここでの「生分解生ポリマー」とは体内で残留分をほとんど残さずに生吸収あ
るいは生分解されるポリマーのことである。典型的には、このようなポリマーは
、構造式(I)又は(II)で表される1又はそれ以上の組成物から製造される
。
好適な第1モノマーは、生理学的に許容できる多価アルコール類である。好適
な多価アルコールは、グリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロ
パンジオール、及びエチレングリコールを含んでいる。中でも好適な多価アルコ
ールは、プロピレングリコールである。
好適な第2モノマーは、クレブス回路を構成する酸類から選択されるものであ
り、実質的には、アコニット酸、イソクエン酸、α−ケト−グルタル酸、コハク
酸、リンゴ酸、オキザロ酢酸、クエン酸、フマール酸、及びそれらの誘導体から
なる酸類から選択されるものである。好適な誘導体とは、これら酸類のC1〜C8
アルキルエステル体である。好適な第1モノマーはフマール酸とその誘導体であ
り、限定せずにフマール酸ジエチルを含んだものである。
好適には、第1モノマーと第2モノマーは、モル比2.2:1で構造式(I)
の化合物と構造式(II)の化合物を有する反応混合体で製造される。プロピレ
ングリコールとフマール酸ジエチレンとを含んだ好適なモノマーのモル比におい
ては、40から60重量%の第1モノマーと、40から60重量%の第2モノマ
ーとが含まれる。
文中での「不活性ガス」とは、この反応混合体と実質的に反応しないガス体の
ことであり、このことは、特に一酸化炭素、二酸化炭素、及び大気を除外すると
いうことを意味する。好適な不活性ガスの1例は、窒素ガスである。好適には、
不活性ガスは、反応の第1段階において、反応混合体全体に連続的に供給される
。
好適には、アルコール副生成物(第2モノマーのアルコキシ基が脱離すること
により生成する)は、反応混合体から蒸留され除去される。
好適な第2反応条件は、真空条件下でポリマーを195℃から250℃の温度
範囲に再加熱して余分なモノマーを除去することにより、さらに重合化を促すス
テップを含んでいる。真空条件は、第1モノマーを取り除いてさらに重合化を促
進する。好適には、この真空度は水銀柱1mmである。好適には、第2反応条件
は30分間から90分間継続して維持される。
ここでの「真空」とは大気圧よりも低い圧力であることを意味する。
本発明の製造方法の他の実施例は、触媒を利用した反応条件を含んでいる。好
適には、使用する触媒は、次の表1に示された触媒の中から選択されるものであ
る。
好適な金属触媒は、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、鉛、マンガン、コバルトの化合物を含んでおり、アンチモン
、ケルマニウム、錫、あるいはチタニウムの化合物と別々か、あるいは一緒に使
用される。
さらに好適な金属触媒は、亜鉛やチタニウムのような遷移金属(transi
tion metals)を含む。これらの金属触媒は、酸触媒の場合よりも低
温で高分子重合化反応を促進させる。そして、架橋構造とすることは少ない。
好まいしい酸触媒は、硫酸、スルホン酸、塩酸である。硫酸あるいはパラトル
エンスルホン酸が特に好適である。
好適な触媒には、パラトルエンスルホン酸、及び亜鉛とチタニウムの塩並びに
アルコキシドが含まれる。好適な亜鉛とチタニウム塩並びにアルコキシドには、
塩化亜鉛、酢酸亜鉛、及びチタニウムテトラブトキサイド(titanium
tetrabutoxid)が含まれる。好適には、触媒は加熱に先立って反応
混合体に添加される。
ラジカル反応による架橋化を制御するため、反応混合体の加熱に先立ってラジ
カルインヒビターが添加される。ラジカルインヒビターは、クロラニル、ベンゾ
キノン及びホドロキノンが含まれる。特に好適なラジカルインヒビターはヒドロ
キノンである。
本発明方法の実施例は連続プロセスに適している。本方法の一実施例は、フロ
ースルー反応器内で反応混合体に第1反応条件を課し、第1反応生成物を製造す
るところに特徴を備えている。反応混合体は、前記の構造式(II)と(III
)とで表される第1モノマーと第2モノマーとを含んでいる。第1反応生成物は
アルコール副生成物と第1ポリマーとを含んでいる。第1ポリマーは構造式(I
V)で表される。第1反応生成物と反応混合体は第2反応器内に収容され、第2
反応条件を課し、第2反応生成物を製造する。第2反応生成物は、第1モノマー
と構造式(I)で表されるポリマーの混合物とを含んでいる。
好適には、第1反応器は、反応混合体と反応生成物とがほとんど間断なく第1
反応器を通過するという意味において、第2反応器と連続的連通状態である。好
適には、第2反応器は第2反応生成物を受け取る1又は複数の容器と連続的連通
状態である。
第1反応条件は50℃から250℃の温度範囲、好適には80℃から250℃
の温度範囲を含んでいる。好適には、第2反応条件は0.1トールから760ト
ールの圧力範囲で150℃から250℃の温度範囲である。好適には、第2反応
条件は第1反応条件よりも少なくとも5℃だけ高温である。好適には、反応条件
は連続混合あるいは攪拌プロセスを含んでいる。
好適には、第2反応条件を課してから、第2反応生成物は、気体(蒸気)液化
条件で液化される(be devolatilized)。液化条件は180℃
から250℃の温度範囲で、0.1トールから10トールの圧力範囲である。
好適には、揮発性ガスは第2容器と連通している液化容器内の液化条件で反応
混合体から取り除かれる。
好適には、第2反応生成物は液化容器に導入される以前に、別体であるフロー
スルー加熱容器内で予備加熱される。1つの好適液化容器は落下線状液化器(f
alling strand devolatilizer)である。
本発明の実施例は、ポリマー化に使用されなかった第1モノマーと第2モノマ
ーとをリサイクルさせる。
本発明の他の実施例は、構造式(I)で表される生分解性ポリマーの製造装置
に関する。本製造装置の1実施例は、本質的に第1モノマーと第2モノマーとで
成る第1モノマー類と第2モノマー類の群から選択される少なくとも1モノマー
を含む反応混合体を受け取って内含するための第1反応器を含んでいる。第1モ
ノマーと第2モノマーとはそれぞれ構造式(II)と(III)とで表されるも
のである。
この反応(容)器は反応混合体に反応条件を課すことができる。反応条件は不
活性ガス下で80℃から250℃の温度範囲であり、アルコール副生成物と第1
ポリマーとを含む第1反応生成物を製造する。第1ポリマーは構造式(IV)で
表される。第1反応器はアルコール副生成物を取り除くための除去手段と連通し
ている。アルコール副生成物を取り除いた後、第2反応条件が第1ポリマーに課
せられる。第1ポリマーに第2反応条件を課すと、構造式(II)で表される第
1モノマーと、構造式(I)で表される第2ポリマーの混合物を含む第2反応生
成物が製造される。
第2反応条件は、余分な第1モノマーを取り除いて重合化をさらに促進させる
ため、真空下で195℃から250℃の温度範囲にポリマーを再加熱するステッ
プを含んでいる。好適には、真空度は水銀柱1mmである。好適には、第2反応
条件は30分から90分間維持される。
好適には、本装置は不活性ガス供給源を含んでいる。
好適には、除去手段は蒸留装置を含んでいる。
本発明の1実施例は、第1反応器と流体連通している第2反応器を有している
。この「流体連通」とは、パイプ、導管、チューブ体等の適当な手段で接続され
ており、1容器から別容器へと流体が流れる状態を意味している。第2反応器は
反応混合体に第2反応条件を課し、重合化をさらに促進させる。
好適には、第1反応器と第2反応器とは触媒とラジカルインヒビターとを受領
できるものである。好適には、触媒とラジカルインヒビターとは第1反応器内で
反応条件を課す以前に反応混合体に加えられる。本発明装置の1実施例は、第1
反応器と連通している触媒源を有している。触媒は表1に示す触媒群から選択さ
れる。特に好適な触媒には、パラトルエンスルホン酸、亜鉛塩とアルコキシド、
チタニウム塩とアルコキシドがある。
好適な反応条件は195℃から250℃の温度範囲である。好適には、第1モ
ノマーと第2モノマーとはモル比2.2:1で存在する。好適な第1モノマーと
第2モノマーとに対し、このモル比で存在するプロピレングリコールとフマール
酸ジエチルは、各モノマーに対して40から60重量%の濃度となる。
本発明の1好適実施例は、構造式(I)で表される生分解性ポリマーの製造の
ためのフロースルー装置を備えている。この装置は第1反応器と第2反応器とを
含んでいる。第1反応器と第2反応器とは流体連通状態である。第1反応器は、
それぞれ構造式(II)と(III)とで表される第1モノマーと第2モノマー
とを含む反応混合体を受け取ることができる。第1反応器は第1反応生成物を製
造するために第1反応条件を課すことができる。第1反応生成物はアルコール副
生成物と、構造式(IV)で表される第1ポリマーとを含んでいる。第1反応条
件は0.1トールから760トールの圧力範囲と、80℃から250℃の温度範
囲とを含んでいる。第2反応器は第1反応器から第1ポリマーを受け取り、第2
反応生成物を製造するために第2反応条件を課すことができる。第2反応条件は
0.1トールから760トールの圧力範囲と、80℃から250℃の温度範囲と
を含んでいる。第2反応生成物は構造式(I)で表される第2ポリマーと第1モ
ノマーとを含む。圧力は0.1トールから760トールの範囲であり、一般的に
真空条件は第2反応時に第1モノマー形態を排除する。好適には、第2反応器は
第1反応器よりも少なくとも5℃だけ高温である。
好適には、この装置は第2反応器に引き続いて第2反応生成物から揮発性ガス
を取り除くための液化装置を含んでいる。本装置の1実施例は、第2反応器と流
体連通である液化装置を備えている。液化装置は除去条件を課すことができる。
除去条件は150℃から250℃の温度範囲と、10トール以下の圧力とを含ん
でいる。1つの好適装置はさらに、予備加熱容器と流体連通状態にある落下線状
液化器を含んでいる。予備加熱容器は、第2反応生成物を加熱し、第2反応生成
物を落下線状液化器に導くために第2反応器と流体連通している。
最終ポリマーに使用されなかった第1モノマーと第2モノマーとはリサイクル
される。望むならば第1ポリマーをさらに精製することもできる。
本発明の実施例は、ほとんど、あるいは全く架橋構造を持たない高分子範囲の
ポリマーを製造する方法と装置とを提供する。これらポリマーの重量Mwは約8
,000から約6,000g/モルである。第1反応器と第2反応器とを利用し
たこの連続プロセスは、商業ベースでの生産を可能にするものであり、再現性が
高い。
本発明の他の特徴と利点とは、現在のところ最良態様と考えられる本発明の好
適実施例と適用原理とを図解入りで解説している以下の詳細な説明によってさら
に明瞭となるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、本プロセス第1段階で使用する生分解性ポリマー製造用装置の略図で
ある。
図2は、第2段階で使用する図1の装置の改変型の略図である。
図3は、生分解性ポリマー連続製造のためのフロースルー装置の略図である。
詳細な説明
本発明の実施例はクレブス回路型ポリマー製造のためのバッチ法及び連続プロ
セス法を詳細に説明している。当業者であれば本発明に改良及び変更を加えるこ
とが可能であることを容易に理解するであろう。本明細書の解説は本発明を限定
するためではなく、あくまで本発明の特徴と利点とを例示説明するために供した
ものである。
図1を解説する。クレブス回路型ポリマー製造用の本装置11は、反応(容器
)13、柱体15、蒸留装置17、受領装置19、加熱装置21を含んでいる。
反応容器13は窒素ガス源(図示せず)と連通した開口部23を有している。
反応容器13は開口部23を介して窒素ガスを受け取り、窒素ガスは柱体15と
蒸留装置17を通じて受領装置19方面へ流れる。受領装置19は開口部25(
すなわち、窒素排出口)を有しており、窒素ガスを排出する。本装置全体11は
窒素連続供給下で操作される。
反応容器13は第2開口部27を有しており、第1モノマーと第2モノマーと
を受け取る。第1モノマー、第2モノマー、選択された触媒、ラジカルインヒビ
ターは容器13内で混合され、反応混合体を形成する。好適モノマーはフマール
酸ジエチルとプロピレングリコールを含んでいる。安定均一な反応混合体の形成
には攪拌、混合等を行う。反応容器13は撹拌を行うための攪拌棒31を有して
いる。産業用の容器はパドル、タービン等の他の攪拌手段を利用するのが普通で
ある。
反応容器13は加熱装置21内に収容されている。加熱装置21は37とオイ
ルバス39とを含んでおり、反応容器13を所定温度に保つ。当業者であれば加
熱装置21は反応プロセスのスケールに合わせて変更可能であることが理解でき
よう。
反応容器13は柱体15と連通している。柱体15は、柱体15内と反応容器
13内の重合化温度をモニターするために、温度計41のごとき温度計測手段を
有している。
柱体15は蒸留手段17と連通している。蒸留手段17は水ジャケット43を
有しており、蒸留手段17の内部を冷却する。蒸留手段17の冷却で重合化反応
のアルコール副生成物は濃縮される。
蒸留手段17は受領装置19と連通している。受領装置19は収容器45と受
領容器47とを含んでいる。収容器45は複数の開口部を有した内部チャンバー
を形成している。収容器45の開口部の1つは開口部25であり、窒素を排出す
る。別な開口部は受領容器47と連通しており、反応プロセス中に製造されたア
ルコール副生成物を回収する。さらに別な開口部49にはバルブ51が取り付け
られている。開口部49は受領装置19の内容物を本装置11から排出させる。
第1反応段階においては、本装置11は図1に示すような形態を有している。
第1段階で、プロピレングリコールのような第1モノマーと、フマール酸ジエチ
ルのような第2モノマーは、塩化亜鉛等の触媒やヒドロキノーン等のラジカルイ
ンヒビターと共に反応チャンバーに投入され、反応混合体を形成する。プロピレ
ングリコールとフマール酸ジエチルは混合(2.2:1モル比)される。連続的
窒素供給下で、反応容器13は約230℃にまで加熱装置27で3時間以上かけ
て加熱される。オイルバス温度が195℃に到達すると、温度計41で計測され
る柱体15の上部温度は、アルコール副生成物の安定した急速蒸留で上昇を始め
る。
アルコール発生が急速になるに従い、急速蒸留エタノールによって柱体を上昇
する高温沸騰モノマーの蒸気による過熱のためにその上部温度は78℃をはるか
に越え、時には160℃にも達する。オイルバス温度が230℃に達すると、理
論量のエタノールが受領容器47に回収されるので副生成物の蒸留はスローダウ
ンするであろう。第1段階の反応終了時、典型的には温度を230℃で1時間維
持した後、加熱は停止され、反応容器13は連続的窒素供給下で100℃以下に
冷却される。
第1段階反応で第1モノマーと第2モノマーとは化合し、第1反応生成物が生
成される。第1反応生成物はアルコール副生成物と構造式(IV)で表される第
1ポリマーとを含んでいる。
反応装置11は第2段階のために図2のように改変される。第1段階用の図1
の装置に使用した部材番号は第2段階用の図2でも同様に使用されている。
本装置11は図2のごとくに改変されている。受領装置19は真空ポンプ−ド
ライアイス−アセトン捕獲装置59に置き換えられている。容器13の開口部2
3は閉じられており、本装置11は真空状態で操作される。真空ポンプ−ドライ
アイス−アセトン捕獲装置は、収容器45a、受領容器47、冷トラップ容器6
1を含んでいる。収容器45aは開口部25aを有している。開口部25aは導
管63に接続されている。導管63は導管65を介して窒素源(図示せず)と連
通しているか、導管63は閉じられている。本装置11は実質的真空状態で操作
し、窒素供給源は必要としない。本装置11に捕獲された窒素は適当な雰囲気を
提供する。
導管63もまた冷トラップ容器65と連通している。冷トラップ容器65はド
ライアイスや他の冷却手段によって冷却可能なものである。冷トラップ容器65
は導管67を介して真空源(図示せず)と連通しており、本装置11を真空状態
で操作させる。真空計(図示せず)は真空源と連通しており、真空レベルをモニ
ターする。
操作時に第2段階で、本システムは導管61を介して真空ポンプに接続される
。反応容器13とその内容物は水銀柱約1mmの真空下で可能な限り急速に(通
常は2時間以上)220℃にまで再加熱される。容器13が加熱されるとき、追
加留出物は受領容器47aと冷トラップ容器65とに回収される。温度は45分
間220℃から225℃の範囲に維持される。後者の段階で反応容器13内の融
生物はさらに黄色と粘性とを増す。高温沸騰副生成物が取り除かれるに従って、
蒸留温度は150℃以上となるかも知れない。45分後に加熱は停止され、反応
容器13は加熱装置21から取り外される。冷却は瀉出状態で継続される。透明
で黄金色のガラス状ポリマーは塩化メチレンに溶解され、ついで5倍過剰量のエ
チルエーテル内で沈降される。
第2段階において、第1段階で生成された第1ポリマーはさらに濃縮され、第
2反応生成物となる。第2反応生成物は構造式(I)で表されるポリマーと前記
の第1モノマーとを含んでいる。
図1と図2の装置及び方法は後述の例1に関してさらに詳しく説明されている
。
本発明の1実施例は連続プロセスフロースルー装置を利用する。図3にはクレ
ブス回路型ポリマーの連続製造用装置111が図示されている。
本装置111は、第1反応器113、第2反応器115、予備加熱装置117
、液化装置119を含んでいる。第1反応器113は、蒸気、高温オイルあるい
は高温加圧水で加熱されるようなジャケット121を有している。第1反応器1
13は反応混合体に第1反応条件を課することができる。第1反応条件は50℃
から250℃の温度範囲、好適には80℃から250℃の温度範囲である。第1
反応条件はさらに窒素の不活性雰囲気下で400トールから760トールの圧力
範囲である。
第1反応器113は導管125とポンプ125aとを介して第1モノマー12
3の供給源と連通している。同様に、第1反応器113は導管131とポンプ1
31aとを介して第2モノマー127の供給源と連通している。第1反応器はさ
らに導管137とポンプ137aとを介して触媒及びラジカルインヒビター13
3の供給源と連通している。第1モノマー、第2モノマー、触媒、ラジカルイン
ヒビターは第1反応器113に加えられ、反応混合体を提供する。第1モノマー
は構造式(II)で表されるものであり、第2モノマーは構造式(III)で表
されるものである。第1モノマーと第2モノマーとは2.2:1のモル比で混合
される。
第1反応器内の反応混合体は、タービン、アンカー具、パドル、スクリュー具
(図示せず)等の適当な攪拌混合手段で攪拌される。温度を250℃に上昇させ
ることで第1反応器113内の反応混合体に反応条件が課せられる。第1反応器
内の滞留時間は約1時間から6時間であり、典型的には約35%から75%、さ
らに好適には50%から60%のモノマーを第1ポリマーとアルコール副生成物
とを含む第1反応生成物に転換する。第1ポリマーは構造式(IV)で表される
ものである。
第1反応器113は導管145を介して濃縮装置143と連通している。濃縮
装置143は第1反応容器からのアルコール副生成物を含む揮発性ガスを受け取
る。濃縮装置はガスを液化する。濃縮装置143で液化されたガス体は導管14
7を介して保存タンク(図示せず)に送られる。可能な限りの未反応第1モノマ
ーと第2モノマーとは回収され、リサイクルされる。
第1反応容器113はポンプ151と導管153とを介して第2反応容器11
5と連通している。第1反応器113内で製造された第1ポリマーは第2反応器
115に送られる。第2反応器115は第2反応条件を課して第2反応生成物を
製造させる。第2反応生成物は構造式(I)で表される第2ポリマーと第1モノ
マーとの混合物を含む。
第2反応容器115は、第1反応容器同様、蒸気、高温オイル、あるいは高温
加圧水を受け取り、第2反応器115を第2反応条件温度に加熱するジャケット
155を有している。第2反応条件は150℃から250℃の温度範囲と、0.
1トールから720トールの圧力範囲を含んでいる。さらに好適には、操作温度
は185℃から235℃である。好適には、この温度は第1反応器113の温度
よりも5℃から10℃だけ高い。好適には、その圧力は0.1トールから10ト
ールである。
第1反応器113は、窒素の不活性雰囲気下で操作する。第2反応器115は
第1反応器113からの窒素雰囲気下で、実質的には真空状態で操作される。
第2反応器115は、導管163を介して第2濃縮装置161と連通している
。濃縮装置161は、第2反応器115へと送られるアルコール副生成物と、第
2反応器115内での第2反応からの第1モノマーとを含む揮発性ガスを受け取
る。濃縮装置161は、その揮発性ガスを濃縮して液化する。液化したガスは導
管165を介して保存タンク(図示せず)に送られる。可能な限りの未反応第1
モノマーと第2モノマーとはリサイクルされる。
第2反応器115は、ポンプ167の手段と導管169とで予備加熱装置11
7と連通している。予備加熱装置117は、第2ポリマーと第1モノマーとの混
合物を受け取ることができる。予備加熱装置117は液化条件を課すことができ
る。予備加熱装置117は、電熱コイル、高温オイル、高温水あるいは水蒸気等
の適当な加熱手段を有している。好適には、予備加熱装置117には固定ミキサ
ー手段あるいはスクリュー手段(図示せず)が装備されており、さらに均質な生
成物を提供する。液化条件は250℃までの温度を含んでいる。典型的には、予
備加熱装置は約180℃から210℃までの温度範囲に加熱される。第2ポリマ
ーは、予備加熱装置内で0.5分から15分間の滞留時間を有している。好適に
は、この滞留時間は可能な限り短くすることにより、ポリマーの劣化及び/又は
解縮あるいは架橋化を極力回避するようになっている。予備加熱装置内の圧力は
0.1トールから10.4トールの範囲であり、最適には1トールから2.4ト
ールに維持される。
予備加熱装置117は、導管171を介して液化容器119と連通している。
液化容器119は約150℃から250℃の温度範囲で操作される。好適には、
液化容器119は220℃から240℃の温度範囲で操作される。液化容器11
9の内圧は、典型的には10.4トール以下、最適には約5トール以下に維持さ
れる。
好適には、液化容器119は落下線状液化装置である。第2ポリマーと第1モ
ノマーとの混合物は液化容器119に受け取られ、液化容器119の内部チャン
バーを上部から下部へと線状で落下する。混合物が液化容器119の底部に落下
する際、第1反応と第2反応における末反応モノマーと副生成物とは反応生成物
から蒸発し、導管173を介して液化容器119から抜き取られる。導管173
から排出される未反応モノマーと副生成物とは第3濃縮装置181に受け取られ
る。濃縮装置181はこのアルコール副生成物と第1モノマー、第2モノマーと
を冷却して濃縮する。濃縮生成物は導管183を介して保存容器(図示せず)に
送られる。可能な限りの未反応第1モノマーと第2モノマーとはリサイクルされ
る。
最終的な第2ポリマーはポンプ185と導管187とを介して液化容器119
から回収される。
所謂当業者であれば本装置に改良と変更を施すことが可能であることを容易に
理解するであろう。事実、液化容器119と予備加熱装置117の複数体を利用
したり、反応容器113と115を追加することは可能である。
得られる第2ポリマーを線状に押し出し、冷却してペレット状に切断したり、
ポリマーをさらに精製するために非溶剤で洗浄することは可能である。図3に関
して解説したプロセスによって得られるポリマーはMw約8,000から60,
000g/モルを有している。
例1
以下の例は、塩化亜鉛と酢酸亜鉛とを触媒として使用したエステル交換反応に
よるフマール酸ジエチルとプロピレングリコールからのクレブス回路型ポリマー
の製造を解説している。図1に示すように、反応容器13である攪拌棒31付き
2リットル丸底フラスコには25cmビゴローコラム(Vigreaux co
lumn)15と水冷式の蒸留装置17とが取り付けられている。
フマール酸ジエチル344gとプロピレングリコール332gとの典型的な反
応混合体(2.2:1 グリコール:エステルの比)を、塩化亜鉛0.15gと
ヒドロキノーン0.05gと共にフラスコの中に入れる。本システムは窒素で完
全にかん流されており、フラスコネック部の開口部23と受領装置19の排出開
口部25とを利用して全第1(大気圧)段階中に窒素供給は反応プロセスを通し
て継続された。
フラスコ13はオイルバス39によって加熱され、3時間以上をかけてゆっく
りと230℃に加熱する。オイルバスの温度が約195℃に達すると、蒸留コラ
ム15の上部温度は上昇を始め、エタノール副生成物の安定した急速な蒸留が始
まる。エタノールの発生が非常に急速な場合は上部温度は78℃以上に達し、急
速に蒸留されるエタノールによりコラムを上昇する高温沸騰モノマーの蒸気によ
る過熱のために時には160℃にも達することがある。エタノールの蒸留を制御
するためにオイルバス39の加熱速度をモニターした。オイルバス温度が230
℃に到達する前に、副生成物の蒸留はスローダウンし、理論量のエタノールが受
領装置内に完全に回収されることが普通である。高温沸騰材料(モノマー)に幾
分かの持ち越しが生じている可能性はある。オイルバス温度が230℃に達した
とき、この温度で1時間保たれた。その後に加熱は停止され、反応フラスコ13
は継続的窒素供給条件下で100℃以下に冷却された。
この時点で、開口部23はストッパーで閉じられ、本システムは図2のように
真空ポンプ、ドライアイス/アセトン捕獲装置59に接続された。反応混合体は
水銀柱約1mmの真空下で220℃にまで急速に再加熱された。フラスコが加熱
されるときに若干の留出物が回収された。温度は220℃から225℃の範囲に
45分間保たれた。これら後者の段階で融生物はさらに黄色と粘性とを増した。
高温沸騰副生成物は取り除かれ、蒸留温度は150℃以上に達した。生成物の均
質性のために攪拌は維持された。45分後に加熱は停止され、フラスコ13はオ
イルバス39から外された。
継続的瀉出下での冷却後に、透明で黄金色のガラス状ポリマーが得られる。あ
るいは200mlから300mlの塩化メチレンに溶解して、次いで5倍過剰量
のエチルエーテル内で沈降することでさらに処理できる。得られたエーテル内の
懸濁液と沈澱物とを冷凍機内に一晩保存した。再加熱して室温にもどし、上澄を
傾瀉して除去した後、沈澱プロセスを繰り返した。最終的な沈澱物は数日間にわ
たって室温で真空乾燥された。典型的なバッチプロセスでは、Mw約20,00
0g/モルを有したポリ(プロピレン フマレート)が、165から185g(
60から70%収率)で製造される。
以上、本発明の好適実施例を解説してきたが、本発明は変更及び改良が可能で
あり、よって、本発明は前述内容に限定されるものではなく、本発明請求の範囲
に帰する全ての変更及び改良を含むものである。
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