JPH09508497A - Mos制御形サイリスタ - Google Patents

Mos制御形サイリスタ

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JPH09508497A JP7520365A JP52036595A JPH09508497A JP H09508497 A JPH09508497 A JP H09508497A JP 7520365 A JP7520365 A JP 7520365A JP 52036595 A JP52036595 A JP 52036595A JP H09508497 A JPH09508497 A JP H09508497A
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シュランゲンオットー ハインリッヒ
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ダイムラー−ベンツ アクチエンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子に関する。この電力用半導体素子には、並置され並列接続されてサイリスタ構造を形成する多数の単位セルを有する半導体本体が設けられている。この単位セルは、アノードと隣接するp形エミッタゾーン、それに続く低濃度でドーピングされたn形ベースゾーン、その上に続くp形ベースゾーン、およびそれに続くn形エミッタゾーンから成る。この単位セルのn形エミッタゾーンへ2つ1組でp+形ゾーン(5a,5b)が埋め込まれており、これらのp+形ゾーンは、それらの間に位置するn形領域とその上に配置された絶縁ゲートとともにラテラルpチャネルMOSFETを形成する。エミッタゾーン(4)にはフローティングコンタクト(K′)が設けられており、これは同時に、ソースとして用いられるp+形領域の電力を形成している。ドレインとして用いられるp+形領域は外側のカソード(K)と接続されており、これはn形エミッタゾーンと接触していない。p形ベースゾーン(3)の表面領域およびそれらの間に位置するn形エミッタゾーン(4b)の領域により、絶縁領域とともに別のMOSFETが形成される。第2のMOSFETのゲート電極はカソード金属化部といっしょに形成される。MOSFETの降伏電圧は互いの所定の関係にある。

Description

【発明の詳細な説明】 MOS制御形サイリスタ 本発明は、MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子に関する 。この電力用半導体素子には、並置され並列接続されてサイリスタ構造を形成す る多数の単位セルを有する半導体本体が設けられており、該単位セルは、アノー ドと隣接するp形エミッタゾーン、それに続く低濃度でドーピングされたn形ベ ースゾーン、その上に続くp形ベースゾーン、およびそれに続くn形エミッタゾ ーンから成り、該n形エミッタゾーンへ2つ1組でp+形ゾーンが埋め込まれて おり、該p+形ゾーンは、それらの間に位置するn形領域とその上に配置された 絶縁ゲートとともに第1のラテラルpチャネルMOSFETを形成し、エミッタ ゾーン周縁部に位置するドレイン領域は、n形エミッタゾーンと接触していない 外側のカソードと接続されているとともに、内側に位置するソース領域にはフロ ーティングコンタクトが設けられていて、該フローティングコンタクトは同時に n形エミッタゾーンと接触しており、外側のカソードと接触しているp+形ゾー ン、p形ベースゾーンの表面領域、およびそれらの間に位置するn形エミッタゾ ーンの領域から、絶縁ゲートとともに第2のpチャネルMOSFETが形成され る。 このような電力用半導体素子はドイツ連邦共和国特許出願公開第412649 1号公報から公知である。この電力用半導体素子の場合、サイリスタのn形エミ ッタゾーンにpチャネルMOSFETが集積されており、このMOSFETは、 ソースおよびドレイン領域として埋め込まれた2つのp+形ゾーンと、n導電形 の中間領域の上に配置されたMOSゲートにより形成される。n形エミッタゾー ンの周縁部におかれたドレインのp+形ゾーンは接触電極としてのカソードと接 続されており、ソースのp+形ゾーンおよびn形エミッタゾーンの隣接部分には 、フローティングメタルコンタクトが設けられている。そしてこのメタルコンタ クトによってMOSFETとサイリスタがオーミックに接続されていて、それら は直列に配置されている。第2のpチャネルMOSFET M2 は、表面に導か れたサイリスタのp形ベース、カソードと接触しているn形エミッタゾーン周縁 部のp+領域、およびその間に位置するn形エミッタゾーンの一部分、ならびに その上に配置された絶縁ゲートG2により形成される。 この素子をターンオフにするため、サイリスタと直列に設けられたMOSFE T M1 が遮断され、同時にMOSFET M2 が導通され、これによりサイリ スタのp形ベースからカソードへのバイパスが形成さ れる。このためには、両方のMOSFETのゲートをそれぞれ異なるゲート信号 で制御しなければならない。ターンオフに際して良好なターンオフ特性および大 きな安全動作領域(SOA)を得るため、両方のゲート信号は時間およびそれら の絶対値に関して相互間で著しく精確に調整されていなければならない。ゲート 信号の相関関係における障害により安全動作領域が低減され、素子がたやすく破 損してしまう。また、著しく複雑なドライバエレクトロニクスも必要とされるた め、それぞれ異なるが相互間で調整しなければならない制御信号により2つのゲ ートを介してターンオフを行うことは、たとえばIGBTのような他の素子に比 べ実践において大きな欠点となることを意味する。さらに欠点として挙げられる のは、この素子は電流の飽和を伴う特性曲線を有していないことでもあり、すな わち電流は電圧の増加とともに飽和値へ向かおうとはしない。つまり負荷の短絡 時、電流はこの素子自体によっては制限されず、したがって短絡時の破損を防止 するため保護装置を前置接続しなければならない。このことは、ゲート端子の一 方とカソード端子を外部で相互に接続したときにもあてはまる。ゲート−カソー ド回路の内部抵抗に起因して、殊にポリシリコンゲートによって、急速な電流お よび電圧上昇時にゲートはカソード電位に保たれなくなる。換言すれば、この素 子は短絡に強くない。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第4126491号公報により公知の素子をス イッチオンするため、サイリスタを点弧する目的で外部から制御される第3のM OSFETが集積されている。エンハンスメント形(自己阻止形ないし”ノーマ リオフ形”)のnチャネルMOSFETとして構成されているこのMOSFET によって、スイッチオン状態においてサイリスタのn形エミッタゾーンがn形ベ ースと接続される。この素子をターンオンするためには、第1および第3のMO SFETが導通され第2のMOSFETが遮断される。このようなスイッチオン のために十分でなければならないゲートによって、ドライバエレクトロニクスに 対する所要コストがいっそう高まる。 電界効果制御形半導体電力素子(以下ではやはり素子と称する)は、電力用M OSFETおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の形態で、す でに大量に実践で使用されている。MOSFETの順方向電圧は、導電率変調が 欠けるためこのMOSFETに対し選定された阻止電圧が増えるにつれて上昇し 、その結果、MOSFETは約500Vまでしか用いられない。IGBTは、バ イポーラ素子として300Vよりも大きい阻止電圧において、MOSFETより も良好な順方向特性を有している。しかしながら、ドイツ連邦共和国特許出願公 開第4126491号公報による素子のようなMOS制御形サイリスタと比べて 、IGBTの順方向特性は約600Vの阻止能力よりも上では劣化する。それと いうのは、その順方向特性および逆方向特性はバイポーラトランジスタ(サイリ スタではない)により決定されるからである。したがってチップ面積あたりのス イッチング可能な電流は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4126491号公 報による素子の場合よりも小さい。しかしIGBTの利点は、電力用MOSFE TのようにIGBTもゲートを介してスイッチオン/オフが可能であり、電流飽 和特性をもつ特性曲線を有していることである。 また、次のような特別なMOS制御形サイリスタ(MCT)も知られている。 すなわちこのMOS制御形サイリスタは、n形エミッタゾーンに集積されたMO SFETを有しており、このMOSFETによりスイッチオン時にp形ベースか らカソードへのバイパスが開かれ、これにより素子がターンオフされる。しかし この素子のターンオフ特性は電流のフィラメンティング(線条化)により損なわ れる。MCTの順方向特性曲線は通常のサイリスタのターンオン特性曲線と同じ であり、つまりMCTの順方向特性曲線は電流飽和をもっていない。したがって MCTも”短絡に強い”特性ではなく、このことはたとえばIGBTに比して著 しい欠点とみなされる。しかしとりわけ、電流のフィラメンティングによって、 MCTを実践で普及するに至らなかった。 Baliga および共同研究者による論文において、”Emitter-Switched-Thyristo r”ないしESTと称される別のMOS制御形サイリスタについて記載されてい る(IEEE Trans.Electron Devices 38(1991),p.1619 参照)。ESTの場合 、サイリスタのp形ベースに、サイリスタ構造体と直列に配置されたMOSFE Tが集積されている。MOSFETの遮断によりESTが遮断する。この素子の 欠点は、カソードと接触した寄生的なサイリスタを含んでいることである。この サイリスタのターンオンを防止するために、p形ベースがn形エミッタといっし ょにカソード金属化部により接触されており、つまりカソードと短絡している。 しかしその結果、フローティング状態にあるメインのサイリスタも短絡個所から かなりの間隔になるまで連動を阻止されることになる。したがって個別素子はか なり大きな横方向の寸法を有していなけれならず、その結果、半導体面積あたり で達成可能なMOSチャネル幅ひいては面積あたりのスイッチング可能な電流も 著しく抑えられている。前置接続されたMOSFETにより、特性曲線は漠然と 電流制限を表している。このことはほとんどはっきりとは示されない。それとい うのはMOSFETは通常の動作条件では、著しく高い電圧を可能にするp形ベ ースとn形ベースの接合部が実質的に阻止状態になりはじめるまえにすでに、降 伏状態になるからである。 したがって本発明の課題は、冒頭で述べた形式のMOS制御形電力用半導体素 子において、ただ1つのゲートによりターンオフすることができ電流飽和特性を もつ特性曲線を有するように構成することにある。さらにこの場合、上記の電力 用半導体素子を、そのゲートによりスイッチオンもできるように構成するつもり である。 本発明によればこの課題は、外側のカソードとフローティングコンタクトとの 間の第1のラテラルpチャネルMOSFETの降伏電圧は、第2のMOSFET における閾値の絶対値を2Vよりも大きく上回り、第2のMOSFETのゲート 電極はカソード金属化部によりいっしょに形成されるかまたは該カソード金属化 部により覆われることにより解決される。 この電力用半導体素子は、カソードに対し正またはフローティングカソードに 対しゼロまたは正であるゲート電圧によりターンオフされる。この場合、MOS FETやIGBTにおいても用いられているような簡単な制御回路だけしか必要 ない。このことは実践での使用にとって著しく大きな利点である。しかもこの電 力用半導体素子は広い逆方向電圧範囲に適しており、小さい順方向電圧で面積あ たりに高い電流を投入することができ、電流飽和をもつ特性曲線を有している。 1つの電力用半導体素子においては、単位セルの一部分でn形ベースゾーンの 表面領域、n形エミッタゾ ーン、およびそれらの間にあるp形ベースゾーンの表面領域が絶縁ゲートととも に1つのnチャネルMOSFETを形成してるが、このような電力用半導体素子 は本発明によれば次のように構成されている。すなわち、nチャネルMOSFE Tはデプレション形であり、デプレション形のMOSFETにおける閾値電圧の 絶対値は、第1のpチャネルMOSFETの降伏電圧よりも少なくとも2Vだけ 小さく、さらにデプレション形のMOSFETのゲート電極はカソード金属化部 によりいっしょに形成されるかまたはそれに覆われる。この電力用半導体素子は 、第1のMOSFETのゲートにおける負の電圧によりスイッチオンされ、した がってただ1つの外側のゲートによりスイッチオンもスイッチオフも行える。ス イッチオンのためには負のゲート電圧が加えられ、スイッチオフのためにはゲー トがフローティングカソードの電位におかれるかまたはカソードに対し正になる よう調整される。このようにして、たとえばIGBTのようなその他のMOS素 子と同じように簡単な制御回路で間に合う素子が得られる。チップ面積あたりで 投入可能な電流は、公知の素子よりも著しく大きくかつ順方向電圧は小さい。し かもこの素子は高い逆方向電圧に適している。これに対して、ドイツ連邦共和国 特許出願公開第4126491号公報により公知の半導体素子の場合には、スイ ッチオンのために第1および第3のMOSFETを導 通させ、かつ第2のMOSFETを遮断しておかなければならない。たとえばド イツ連邦共和国特許出願公開第4126491号公報第7欄第21〜25行に記 載されているように、このためには種々のMOSFETに対しそれぞれ異なるゲ ート信号が必要とされる。 請求項3〜6には本発明のその他の好適な実施形態が示されている。 次に、図面に示された実施例に基づき本発明を詳細に説明する。それらの実施 例には本発明のその他の詳細な点、特徴および利点が示されている。 図1は、ターンオフ用に構成された形態の電力用半導体素子の単位セル(ノー マルセル)を示す図である。 図2は、図1による電力用半導体素子をターンオフ時の電位値とともに示す図 である。 図3は、ターンオフ用にもターンオン用に構成された通常の単位セルを有する 電力用半導体素子を示す図である。 図1の横断面で示されているように、電力用半導体素子の半導体本体はpnp nサイリスタ構造体を有している。これはアノードAに隣接するp形エミッタゾ ーン1、それに続いて低濃度でドーピングされたn形ベースゾーン2、その上に 続くp形ベースゾーン3(p形ベースとも称する)、さらにそこに埋め込まれた n形エミッタゾーン4から成り、このn形エミッタゾ ーンは図面に対し垂直方向で有利にはストライプ状に形成されている。さらにこ のn形エミッタゾーンは有利には、高濃度でドーピングされた中央領域4aと低 濃度でドーピングされた側方領域4bとに分けられている。ゾーン4の各側方領 域にはそれぞれ1対の高濃度でドーピングされたp+形ゾーン5a,5bが埋め 込まれており、これらのゾーンはn形エミッタゾーンの周縁部と平行に延在して いる。p+形ゾーンの各対は、n形ゾーン4の中間領域およびその上に配置され た絶縁ゲートGといっしょに、pチャネルMOSFET M1 を形成している。 n形エミッタゾーンには、高濃度でドーピングされた中央領域4a内にフローテ ィング状態にあるカソード金属化部K′が設けられており、この金属化部は各p +形ゾーン対において内側に位置するp+形ストライプ5aともオーミックに接 触している。n形エミッタゾーン4の周縁部に位置するp+形ストライプ5bは 金属層Kと接触しており、この金属層は素子の外側のカソードとして用いられ、 n形エミッタゾーン4とは接触していない。このカソードにはカソード端子KA が設けられている。MOSFET(M1)は、フローティングカソードK′の下 のサイリスタ構造体と直列に配置されている。順方向またはスイッチング方向に おいて、アノードAは外側のカソードKに対し正になるよう極性づけられている 。 図1には、カソードと接触しているp+形ゾーン5bとp形ベース3との間に 第2のMOSFET領域M2が示されている。図1ではSiO2として記されて いる誘電体により絶縁されたMOSFET M2 のゲートは、カソード金属化部 といっしょに形成されるかまたはそれに覆われる。 まずはじめに、順方向状態からのターンオフについて説明する。順方向電流が 流れるのは、MOSFET M1 のソース電極を成すフローティングカソードK ′に対しゲートGの電位が負であり、ソース領域を成すMOSFET(M1)の ゾーン5aとドレイン領域を成すゾーン5bとの間に、p導電形の反転チャネル が形成されたときだけである。フローティングカソードK′からカソードKへ流 れるホール流は、他方の方向でK′からの同じ大きさの電子流として続いて流れ ていき、サイリスタ構造体の中へ入る。ターンオフするためにゲート電圧は絶対 値に関して、閾値電圧VTよりも低い値たとえば0まで低減され、その結果、ソ ース領域5aとドレイン領域5bの間のpチャネルは消滅する。このことでK′ からはもはや電子はサイリスタへは流れ込まない。しかしながら、依然として多 数の過剰な電荷キャリアが構造体中に存在しており、n形ベース領域とp形ベー ス領域との間にあり単独で高いオフ電圧を受け入れることのできるpn接合部J2 はまだ遮断されないので、この素子は別の措置を講 じなければ、たとえば12VであるMOSFET M1 の順方向電圧よりも小さ い電圧に対してしか遮断しないことになる。再結合により消滅する時間を電荷キ ャリアが有することになる著しく緩慢な電圧上昇の場合にのみ、より高い電圧に 対する遮断が可能になる。しかし、通常の比較的高い電圧とスイッチング速度で あると、MOSFETは降伏状態にされ、サイリスタ構造体1,2,3,4aへ は完全に電流が供給され、その際、素子における電圧はMOSFETの降伏電圧 だけ高められる。 いっそう高い電圧に対し急速な電圧上昇において遮断できるようにする目的で 、本発明による素子はMOSFET M2 を有しており、このMOSFETのケ ートはカソード金属化部といっしょに形成される。MOSFET M2 の機能を 明らかにする目的で、図2における構造体にはターンオフ時点の電位に関する値 が示されており、このときアノードはすでにカソードに対し100Vの電圧を有 することになる。示されている値は、pn接合部により形成される電圧を伴わな い外側の電位に対してあてはまるものであり、その際、カソードKの電位はゼロ にセットされている。ターンオフするためゲートGはソースK′の電位におかれ ており、ソース領域5aとドレイン領域5bはもはやpチャネルを介して接続さ れていないので、K′とKとの間においてこの実例では8Vとなる電圧が形成さ れる。この電圧のため、ドレイン領域5bとn形エミッタゾーン4bとの間のp n接合部J4は逆方向に極性づけられる。そしてMOSFET M2 の閾値電圧 が比較的小さいと(たとえば4Vであると)、p+形領域5bとp形ベース領域 との間のn形ゾーンの上にpチャネルが形成される。それというのはM2のゲー トは半導体に対し負に極性づけられているからである。フローティング状態にあ るカソードK′からはもはや、その下に位置するサイリスタ構造体へは電子流が 流れ込まないので、中央領域におけるp形ベース3もn形エミッタゾーン4と同 じ電位におかれている。側方の領域では、電圧はいくらか低くたとえば7Vであ る。その理由は、p形ベース3およびn形ベースゾーン2では電荷キャリアが減 少し、空間電荷領域(RLZ)が形成されるため、ホールがその中へカソードK へのチャネルを介して流れ込むからである。これまで述べてきた動作に対する前 提条件として、外部で制御されpn接合部J4を介して求められるMOSFET M1 の降伏電圧VBr(M1)は、MOSFET M2 の閾値電圧VT(M2)よ りも大きく設定される。 つまり、ゲートとソースの短絡によりMOSFET M1 のチャネルを消滅さ せることで、一方ではフローティングカソードK′からサイリスタへの電子流が 遮断されるが、他方ではMOFET M2 におけるp チャネルが自動的に形成され、このことでホールのためのカソードへの電流経路 が形成される。 良導電性のpチャネルがMOSFET M2 に生じるようにする目的で、MO SFET M1 の降伏電圧VBr(M1)がM2の閾値VT(M2)を少なくとも 2Vだけ上回るようにすべきである。この場合、10Vの差のあるのが好適であ る。M1の遮断時にMOSFET M2 を迅速に導通させるために、M2の閾値 電圧VT(M2)は小さく選定され、有利には1V〜5Vの範囲内で選定される 。閾値電圧VT(M2)は1Vよりも小さくてはならない。その理由は、さもな いと素子のオン状態においてすでにp形ベースとカソードとの間にバイパスが生 じてしまうからである。 小さい閾値電圧になるようにするためには、ゲート材料として硼素でドーピン グされたポリシリコンを用いるのが好適であり、したがってこれによりMOSF ET M2 において、有利には酸化物の上にじかに設けられたゲートが形成され 、図1による実施例ではこのゲートはさらにカソード金属化部で覆われている。 オン状態つまりフローティングカソードK′に対しゲートの電圧が負であると きの素子の特性曲線は、電圧の上昇に伴ってほぼ一定の電流の領域へ移行し、こ の領域はMOSFET M1 とは異なり著しく高い電圧まで延びている。その際 、ターンオフについて示されている図2の場合と同様に、MOSFET M1 に おける電圧がMOSFET M2 の閾値電圧を超えるとただちに、内部のMOS FET M2 にpチャネルが形成される。この時点から、電流のいっそう上昇し たバイパスによってnpnトランジスタ(4a,3,2)の実効電流増幅率(α npn,eff)が著しく減少し、その結果、サイリスタは飽和状態から出て、中央の pn接合部J2が電圧を受け取る。この場合、特性曲線は(p形エミッタゾーン 1、n形ベースゾーン2およびp形ベース3から成る)pnpトランジスタによ り決定され、このトランジスタはMOSFET M1 からの一定のベース電流に より制御され、そのコレクタ電流は能動範囲では電圧とともに著しく上昇するこ とはない。このコレクタ電流の一部分は(n形エミッタゾーン4、p形ベース3 およびn形ベースゾーン2から成る)npn部分トランジスタの制御には必要と されないが、このコレクタ電流の一部分は内部のMOSFET M2 のpチャネ ルを通ってカソードへ流れ、MOSFET M1 の電流といっしょに素子全体の 電流を生じさせる。したがって、これはもはや電圧とともに著しく上昇すること はない。短絡時、ほぼ一定の電流であるこの特性曲線範囲に動作点が入り、ゲー ト電圧を閾値電圧よりも小さくすることでそこから素子をターンオフする。 図1および図2による素子を、いわゆるカスケード接続回路の集積とみなすこ とができ、これによってた とえば大電力用GTOの迅速なターンオフを僅かな制御電力で行うことができ、 このことは直列に位置する低電圧のMOSFETを遮断し、ゲート電圧としてそ こに形成される電圧によりGTOがターンオフされることにより行われる。しか しながら、別個のカスケード接続回路が用いられることはあまりない。それとい うのは、GTOに加えて必要とされる素子のために一般にコスト的に好適でなく 、しかも多くのスペースを必要とするからである。本発明によるモノリシックな 集積は、この点で著しく好適である。別の利点は、障害を受けにくく、さらに漂 遊インダクタンスが存在しないことである。 電力用半導体素子を(順)阻止状態からターンオン状態へスイッチインするた めには、直列に配置されたMOSFET M1 を導通させるだけでは、サイリス タがその後も引き続きターンオフ状態のままであることから、一般に不十分であ る。順方向それ自体では阻止状態にないサイリスタ構造の場合のみ、図1および 図2に示されている形式の素子をスイッチオンできる。しかしこの種のサイリス タ構造は高速な素子の場合にはほとんど達成不可能であり、殊に、ダイナミック 特性を改善するためアノード側のエミッタ−ベース接合部J1がショートされて いる場合には存在しない。したがって、その構造にさらにサイリスタを点弧する ためのメカニズムを設ける必要がある。付加的なゲー トを設けることなくMOSFET M1 が導通されるとただちに、半導体の構造 により点弧の達成される単位セルを有する装置構成が、図3に示されている。点 弧装置(点弧用単位セル)を備えたこの単位セルは図中、隣り合う点弧用単位セ ルの一部分といっしよに左側に設けられており、右に向かって通常のセルが続い ており、このセルはターンオフだけしか行えない。カソード金属化部はやはりゲ ートとフローティングカソードの上を延在しており、それらのゲートおよびフロ ーティングカソードは、通常はシリコン酸化物から成る中間層によって絶縁され ている。 点弧用単位セルの特徴は、図3に示されているように、その周縁部においてn 形ベース2が表面まで延びており、p形ベース3が表面のところで終端している ことである。しかしp形ベースの表面領域にはn形チャネル6がドーピングされ ており、これによってn形エミッタゾーン4がn形ベース2と接続され、絶縁ゲ ートといっしょにデプレション形のnチャネルMOSFET M3 が形成される 。この場合、ゲートはカソード電位におかれており、図示の実施形態では同時に 、ゲート酸化物をいっしょに覆うカソード金属化部によって表されている。そし て外側のゲートGにおける負の電圧により、カソードKをフローティングカソー ドK′を介してサイリスタ構造体と接続するpチャネルが領域5aと5bの間に 形成されると、内部のMO SFET M3 のnチャネル6を介して電子流がn形ベースゾーンへ流れ、点弧 用単位セルのサイリスタが点弧される。この場合、ターンオンされた状態はp形 ベースおよびn形ベースにおける横方向の電流により公知のようにして次の単位 セルへと伝播していくため、セルの低いパーセンテージ部分しか点弧構造を有す る必要がない。 この点弧用単位セルによっても、阻止能力およびターンオフ特性は損なわれな い。つまり外側のMOSFET M1 のpチャネルがゲートGとK′の短絡によ り消滅させられてしまうと、図2によるターンオフの説明のところで述べたよう に、p形ベースの電位はカソードKに対し正の値へと上昇する。Kに対する電位 差がMOSFET M3 の閾値電圧VT(M3)を超えるとただちに、MOSF ET M3 のnチャネルは消滅する。なぜならばMOSFET M3 のゲートK は半導体に対し負に極性づけられているからである。このことでn形ベース2と n形エミッタゾーン4との間の接続が遮断され、n形ベースとp形ベースとの間 のpn接合部J2は完全に阻止可能になる。閾値電圧VT(M3)を絶対値に関し て上回れるようにするためには、MOSFET M2 の場合のようにMOSFE T M1 の降伏電圧VBr(M1)よりも閾値電圧を小さくする必要がある。 小さい閾値電圧とMOSFETの著しく高い降伏電 圧の条件は、n形エミッタゾーン4における領域4bのドーピングおよびpn接 合部J4におけるドーピング勾配により、様々なやり方で理論的に実現できる。 他方、ゾーン5b,4b、3により形成される寄生トランジスタの作用を抑圧す るために、ならびに突き抜け現象(パンチスルー)を回避する目的で、ゾーン4 bのドーピングを過度に低濃度で行ってはならない。全体的なドーピングのため に、この領域が5*1013/cm2〜5*1014/cm2であると好適であること が判明した。 これまでの実施例の場合、外部で制御される電界効果トランジスタM1は、基 板の反転すなわちn形エミッタゾーン4の反転によりチャネルの形成されるエン ハンスメント形のMOSFETであった。しかしMOSFET M1 をデプレシ ョン形のMOSFETとすることもできる。つまりデプレション形の場合、領域 5aと5bの間にpドーピングによりつまりゲート電圧が加わっていなくてもp チャネルがすでに存在しており、これは正のゲート電圧により消滅させることの できるものである。この場合、本発明のその他の構成は変更されないままである 。ゲートに電圧が加わっていなければ、この素子はターンオン状態であり、Gと K′の間における正の電圧によりターンオフにされる。 また実施例では、実践において一般に好まれるpゾ ーンとnゾーンの具体的な順序が採用されていた。しかしp導電形とn導電形を 取り替えることでも、反転された素子として特定の適用事例のために望ましい機 能的な素子が得られる。 反転した構造の有する利点は、サイリスタと直列に配置されたMOSFET M1 もMOSFET M2 もこの場合にはnチャネルMOSFETである点に あり、nチャネルMOSFETはpチャネルMOSFETよりも著しく僅かなチ ャネル抵抗しか有していない点である。他方、サイリスタのスイッチング特性は 、この場合にはアノード側から遮断されることで劣化し、このことで同等の安全 動作領域であれば、低濃度でドーピングされたいっそう厚いベースが必要とされ る。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年2月8日 【補正内容】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第4126491号公報により公知の素子をス イッチオンするため、サイリスタを点弧する目的で外部から制御される第3のM OSFETが集積されている。エンハンスメント形(自己阻止形ないし”ノーマ リオフ形”)のnチャネルMOSFETとして構成されているこのMOSFET によって、スイッチオン状態においてサイリスタのn形エミッタゾーンがn形ベ ースと接続される。この素子をターンオンするためには、第1および第3のMO SFETが導通され第2のMOSFETが遮断される。このようなスイッチオン のために十分でなければならないゲートによって、ドライバエレクトロニクスに 対する所要コストがいっそう高まる。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第4310606号公報から、p導電形のエミ ッタ層、n導電形のベース層、p導電形のベース層、およびn導電形のエミッタ 層を有するGTOサイリスタが公知である。この場合、p導電形のベース層の上 には、n導電形のエミッタ層のすぐ近くに付加的なn導電形の層が形成されてい る。その上には付加的なp+導電形の層が形成されており、この層はn導電形の エミッタ層まで延びている。n導電形のエミッタ層と付加的なp+導電形の層は 、電位の固定されていない電極を介して接続されている。装置の不安定なスイッ チングを引き起こすことになる寄生的なトランジスタないしサイリスタを回避す るために、第1のFET(TRla)と第2のFET(TR2a)が集積されて いる。このことでサイリスタの確実なターンオフが可能になる。 ヨーロッパ特許出願公開第04338245号公報から、ターンオフ可能な電 力用半導体素子が知られている。ターンオフの際の電流のフィラメンティング( 線条化)に対し安定性を高める目的で、非線形のエミッタ−ベース安定抵抗が、 エミッタ領域とそれに属する金属化部との間の半導体基板に組み込まれている。 この場合、著しく高い電圧で急速な電圧上昇のときにターンオフを可能にする措 置は講じられていない。 電界効果制御形半導体電力素子(以下ではやはり素子と称する)は、電力用M OSFETおよび絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の形態で、す でに大量に実践で使用されている。MOSFETの順方向電圧は、導電率変調が 欠けるためこのMOSFETに対し選定された阻止電圧が増えるにつれて上昇し 、その結果、MOSFETは約500Vまでしか用いられない。IGBTは、バ イポーラ素子として300Vよりも大きい阻止電圧において、MOSFETより も良好な順方向特性を有している。しかしながら、ドイツ連邦共和国特許出願公 開第4126491号公報による素子のようなMOS制御形サイリスタと比べて 請求の範囲 1.並置され並列接続されてサイリスタ構造を形成する多数の単位セルを有す る半導体本体が設けられており、 該単位セルは、アノードと隣接するp形エミッタゾーン(1)、それに続く低 濃度でドーピングされたn形ベースゾーン(2)、その上に続くp形ベースゾー ン(3)、およびそれに続くn形エミッタゾーン(4)から成り、 該n形エミッタゾーンへ2つ1組でp+形ゾーンが埋め込まれており、該p+形 ゾーンは、それらの間に位置するn形領域とその上に配置された絶縁ゲート(G )とともに第1のラテラルpチャネルMOSFET(M1)を形成し、エミッタ ゾーン周縁部に位置するドレイン領域は、n形エミッタゾーンと接触していない 外側のカソード(K)と接続されているとともに、内側に位置するソース領域に はフローティングコンタクト(K′)が設けられていて、該フローティングコン タクトは同時にn形エミッタゾーン(4)と接触しており、 外側のカソード(K)と接触しているp+形ゾーン(5b)、p形ベースゾー ン(3)の表面領域、およびそれらの間に位置するn形エミッタゾーン(4b) の領域から、絶縁ゲートとともに第2のpチャネルM OSFET(M2)が形成される、 MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子において、 外側のカソード(K)とフローティングコンタクト(K′)との間の第1のラ テラルpチャネルMOSFET(M1)の降伏電圧は、第2のMOSFET(M 2)における閾値の絶対値を2Vよりも大きく上回り、第2のMOSFET(M 2)のゲート電極はカソード金属化部によりいっしょに形成されるかまたは該カ ソード金属化部により覆われることを特徴とする、 MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 により、絶縁領域とともに別のMOSFETが形成され る。第2のMOSFETのゲート電極はカソード金属化 部といっしょに形成される。MOSFETの降伏電圧は 互いの所定の関係にある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.並置され並列接続されてサイリスタ構造を形成する多数の単位セルを有す る半導体本体が設けられており、 該単位セルは、アノードと隣接するp形エミッタゾーン(1)、それに続く低 濃度でドーピングされたn形ベースゾーン(2)、その上に続くp形ベースゾー ン(3)、およびそれに続くn形エミッタゾーン(4)から成り、 該n形エミッタゾーンへ2つ1組でp+形ゾーンが埋め込まれており、該p+形 ゾーンは、それらの間に位置するn形領域とその上に配置された絶縁ゲート(6 )とともに第1のラテラルpチャネルMOSFET(M1)を形成し、エミッタ ゾーン周縁部に位置するドレイン領域は、n形エミッタゾーンと接触していない 外側のカソード(K)と接続されているとともに、内側に位置するソース領域に はフローティングコンタクト(K′)が設けられていて、該フローティングコン タクトは同時にn形エミッタゾーン(4)と接触しており、 外側のカソード(K)と接触しているp+形ゾーン(5b)、p形ベースゾー ン(3)の表面領域、およびそれらの間に位置するn形エミッタゾーン(4b) の領域から、絶縁ゲート(G2)とともに第2のpチ ャネルMOSFET(M2)が形成される、 MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子において、 外側のカソード(K)とフローティングコンタクト(K′)との間の第1のラ テラルpチャネルMOSFET(M1)の降伏電圧は、第2のMOSFET(M 2)における閾値の絶対値を2Vよりも大きく上回り、第2のMOSFET(M 2)のゲート電極はカソード金属化部によりいっしょに形成されるかまたは該カ ソード金属化部により覆われることを特徴とする、 MOSゲートによりスイッチング可能な電力用半導体素子。 2.単位セルの一部分でn形ベースゾーン(2)の表面領域、n形エミッタゾ ーン(4b)およびそれらの間に位置するp形ベースゾーン(3)の表面領域が 、絶縁領域とともにnチャネルMOSFET(M3)を形成し、 nチャネルMOSFET(M3)はデプレション形であり、 デプレション形の該nチャネルMOSFET(M3)における閾値電圧の絶対 値は、第1のpチャネルMOSFETの降伏電圧よりも少なくとも2Vだけ小さ く、 前記nチャネルMOSFET(M3)のゲート電極はカソード金属化部といっ しょに形成されるかまたは 該カソード金属化部により覆われる、 請求項1記載の電力用半導体素子。 3.第2のMOSFET(M2)とnチャネルMOSFET(M3)の閾値電 圧は1V〜5Vの範囲にある、請求項1または2記載の電力用半導体素子。 4.n形エミッタゾーン(4)はフローティングカソードコンタクト(K′) の下の領域(4a)で、MOSFET(M1,M2,M3)の降伏電圧および閾 値電圧を定めるその他の領域(4b)よりも高い濃度でドーピングされている、 請求項1〜3のいずれか1項記載の電力用半導体素子。 5.n形エミッタゾーン(4)のその他の領域(4b)における全体的なドー ピングは、5×1013/cm2〜5×1014/cm2の範囲にある、請求項4記載 の電力用半導体素子。 6.各ゾーン(1,2,3,4)および領域のドーピング形がそれぞれ相補的 なドーピング形で置き換えられている、請求項1〜5のいずれか1項記載の反転 された電力用半導体素子。
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