【発明の詳細な説明】
イソ酵素キャリブレーター/コントロール製品発明の背景
イソ酵素、すなわち、ある酵素の異なる分子形態は、血中の正常イソ酵素の濃
度変化を引き起こす可能性のある、ある種の疾病における病理学的因子の評価の
際に、臨床化学および免疫化学において重要な役割を果たしている。酵素の異な
る分子形態は異なる組織で形成されるので、イソ酵素の血流中への放出速度なら
びに組織におけるその生産と蓄積の速度に疾病状態が及ぼし得る影響のために特
定のイソ酵素の血清レベルが上昇または低下しうる。イソ酵素の血清レベルが特
定の疾病により特異的に影響を受ける程度はその臨床的重要性を決定する。
血清中に存在するイソ酵素を標準的な物理化学的手段により容易に同定するこ
とができることが必須である。これらの物理化学的手段は、例えば、ゲル電気泳
動による決定、および酵素阻害剤の存在下での酵素活性の不活性化、または熱処
理を包含する。より高感度で特異性のある検出手段は、アミノ酸組成の相違のた
めに存在する特異的イソ酵素エピトープの認識および/または免疫化学的方法を
用いるサブユニット−サブユニット相互作用を包含する。
さらにそのうえ、診断分析対象としてのその価値を高めるためには、十分量の
かかるイソ酵素が高度に精製され、リファレンス物質として用いるための安定な
状態で市販されていることが重要である。2〜8℃での保存のために配給されう
るフリーズドライ凍結乾燥された基本リファレンス物質を有することは、世界的
な診断アッセイの標準化のために特に役立つ。
臨床的に重要なイソ酵素の例はクレアチンキナーゼ(CK)であり、それは会
合して主要イソ酵素(CK−MM、CK−MBおよびCK−BB)を形成するM
またはB型いずれかのサブユニットからなる二量体酵素である。MBイソ酵素は
心臓における心筋組織で優勢に生産され、ヒト・血清中に存在しており、急性心
筋梗塞(AMI)の診断のための有用なインジケーターである。抗原グレードの
CK−MBは、非免疫原性安定化剤の存在下で処方される高度に精製されたイソ
酵素であり、ヒト・心臓または組み換えDNA由来のソースから得ることができ
る。抗原グレードのCK−MBは2〜8℃における酸化により容易に不活性化さ
れ、長期の貯蔵により、または凍結/融解を行った後において、そのサブユニッ
トは解離傾向にあり、再配列すると有意な量のMMおよびBBイソ酵素を生じる
。ヒト・CK−MBを安定化するためのこれまでの方法は、それを50%グリセ
ロール存在下、−70℃で貯蔵することであった(ラント(Landt)ら、クリニ
カル・ケミストリー(Clin.Chem.)、第35巻:985〜989頁、1989年
)。この処方の限界は、長期保存のために活性酵素を維持することにおける困難
性および配給および貯蔵目的についての非現実性を包含している。さらにそのう
え、ある種の臨床化学アッセイまたは免疫アッセイにおける妨害を減少させるた
めに、液体キャリブレーターの調製においてそれを使用する前にCK−MBから
グリセロールを除去しなければならず、これによりイソ酵素活性および量の部分
的な損失を生じる。さらに、グリセロールは凍結せず、その存在は、グリセロー
ルをベースにしたCK−MB処方を補足したキャリブレーターまたはコントロー
ルのフリーズドライ凍結乾燥を妨害するであろう。
血清をベースにしたキャリブレーター\コントロール物質中に処方されたイソ
酵素は、安定化剤の存在下において溶液中および凍結乾燥形態で安定化できるこ
とが以前報告された(ホスキンス(Hoskins)、米国特許第4,684,615号
ならびに第4,883,762号、およびり・ムッティ(Li Mutti)ら、米国特許
第4,127,502号)。しかしながら、血清をベースにしたイソ酵素リファレ
ンス物質は、血清中の多くの成分のために種々の問題があり、外来成分による妨
害;ロット間のばらつき;免疫原性の問題;およびバイオハザードの危険性(す
なわち、ウイルス混入)が包含される。
一般的には、液状および/または乾燥状態の両方における長期保存のためにイ
ソ酵素を安定化することのできる成分を伴った無血清バッファー処方に対する必
要性がある。かかる処方が2〜8℃での長期乾燥貯蔵のためにイソ酵素の酵素活
性および蛋白構造を維持し、さらにそのサブユニットの解離および再配列を防止
することが望ましい目的である。さらにそのうえ、血清をベースとしたキャリブ
レーター\コントロール物質に関連したバイオハザード、アッセイ人工物、およ
びバッチ間のばらつきを除去する一方で、2〜8℃での長期乾燥貯蔵のためにイ
ソ酵素を安定化する無血清水性バッファーを開発することも望ましい目的である
。発明の概要
本発明は、乾燥し、次いで復元することにより、本質的にすべてのイソ酵素の
活性および免疫学的量を回復する処方を伴ったイソ酵素を安定化するために用い
られるバッファーであって、サブユニットの解離および再配列を受けずに長期の
シェルフライフ(shelf-life)貯蔵をするためのバッファーに関する。長期のイ
ソ酵素の乾燥貯蔵に用いるバッファーは無血清かつ塩不含の水性バッファーであ
り、該バッファーは以下のものからなる:1)ガラス状物質形成糖;2)抗酸化
剤混合物;3)pHバッファー;および4)非イオン性界面活性剤および/また
は合成ポリマーおよび/またはゼラチン。無血清で塩不含のイソ酵素試料の復元
に用いるバッファーは塩を含有する水性バッファーからなる。さらに、イソ酵素
の長期の液状貯蔵用の無血清水性安定化バッファーが開示され、該バッファーは
以下のものからなる:1)pHバッファー;2)塩;3)抗酸化剤混合物;およ
び4)非イオン性界面活性剤および/または合成ポリマーおよび/またはゼラチ
ン。
乾燥貯蔵のためのイソ酵素安定化方法は:1)イソ酵素含有水溶液を脱塩し;
2)ガラス状物質形成糖、抗酸化剤混合物、pHバッファーおよび非イオン性界
面活性剤および/または合成ポリマーおよび/またはゼラチンを脱塩した溶液に
添加し;次いで、3)工程2)の生成物の本質的にすべての水分を除去すること
からなる。
さらに本発明は、上記復元バッファーを用いる方法に関する。
長期液状貯蔵のためのイソ酵素の安定化方法は、pHバッファー、塩、抗酸化
剤混合物、および非イオン性界面活性剤および/または合成ポリマーおよび/ま
たはゼラチンからなる水溶液にイソ酵素を添加することからなる。図面の簡単な説明
図1は、温度の逆数に対する安定性消失に至るまでの日数のアレニウスプロッ
トにより決定された、ツイン20含有バッファー処方に関するイソ酵素の活性お
よび量についての促進された安定性を示すグラフであり、5℃におけるシェルフ
ライフを外挿してある。
図2は、温度の逆数に対する安定性消失に至るまでの日数のアレニウスプロッ
トにより決定された、ゼラチンおよびツイン20含有バッファー処方に関するイ
ソ酵素の活性および量についての促進された安定性を示すグラフであり、5℃に
おけるシェルフライフを外挿してある。
図3は、温度の逆数に対する安定性消失に至るまでの日数のアレニウスプロッ
トにより決定された、血清をベースにした水性バッファーおよび無血清水性バッ
ファー中でのイソ酵素の量についての促進された安定性を示すグラフであり、5
℃におけるシェルフライフを外挿してある。発明の詳細な説明
1の態様において、本発明は、グリセロール中で貯蔵された物質と比較すると
、乾燥し復元した場合に、長期乾燥貯蔵を行っていても酵素の活性、量および/
またはサブユニット均質性について優れた回収率を示す、無血清かつ塩不含の水
性イソ酵素安定化バッファーであって(すなわち、体積あたり5重量%(w/v
)の残存水分を有するイソ酵素について約2〜8℃において5カ月以上のシェル
フライフ)、免疫原性蛋白または血清をベースにした水性バッファーの存在下で
の安定化に関連した精製抗原グレードのイソ酵素のコンタミネーションを解消す
るバッファーに関する。
より詳細には、ネイティブ(native)または組み換えイソ酵素を添加し、さら
に/または内在する塩分をpHバッファーに関係なく残留レベルにまで、好まし
くは10ミリ当量未満にまで(すなわち、塩不含にまで)低下させるために透析
濾過するための無血清処方が提供され、凍結乾燥の間に処方の本質的にすべての
水分を除去するような凍結、次いで乾燥を行ってもイソ酵素の構造上の完全性お
よび/またはサブユニットの均質性が保護される。再使用および2〜8℃での貯
蔵のための最大安定性を得るためには凍結乾燥したヒト・CK−MBを塩含有バ
ッファーを用いて復元する必要があることに注意すべきである。
本発明の無血清かつ塩不含の水性安定化バッファーは、還元性単糖もしくは二
糖、または非還元性単糖もしくは二糖のごときガラス状物質形成糖を含有する。
用語「ガラス状物質形成糖」は、上記の糖、またはそれらの混合物を包含する。
本発明において、還元性および非還元性単糖のグループは、1ないし30%(w
/v)の濃度のアラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、ガラク
トース、およびマンノースを包含する。還元性および非還元性二糖のグループは
、1ないし30%(w/v)の濃度のラクトース、マルトース、セロビオース、
ラフィノース、シュクロース、およびトレハロースを包含する。
さらに本発明の無血清かつ塩不含の水性安定化バッファーは、還元剤、金属キ
レーター、および/または連鎖反応停止剤を包含してもよい抗酸化剤混合物を含
有する。還元剤は、10ないし30mMの間の濃度のグルタチオン、N−アセチ
ル−システイン、またはチオ尿素のごとき剤を包含する。金属キレーターは、0
.1ないし1mMの間の濃度のEDTA、HEDTA、およびEGTAのごとき
剤を包含する。連鎖反応停止剤は、0.001ないし0.01%(w/v)の濃度
のアスコルビチルパルミタート、ノルジヒドログアイアレチックアシッド、およ
び没食子酸プロピルのごとき剤を包含する。
さらに本発明の無血清かつ塩不含の水性安定化バッファーは、イソ酵素を安定
化するための6ないし9のpH範囲に溶液を維持するための、50ないし200
mMの濃度のPIPES、HEPES、およびTrisのごとき剤(またはそれ
らの混合物)を包含するpHバッファーを包含する。ヒト・CK−MB酵素の活
性および免疫学的量を安定化するに好ましいpHは、液状および乾燥状態の両方
についてpH7.1ないし7.3の間であり、本発明における好ましい具体例はp
H7.2の50mM HEPESである。
さらに本発明の無血清かつ塩不含の水性安定化バッファーは、非イオン性界面
活性剤および/または合成ポリマーおよび/またはゼラチンを含有する。本発明
において有用な非イオン性界面活性剤は、体積あたり0.005%ないし0.1%
(v/v)の間の濃度範囲のドデシルポリ(オキシエチレングリコールエーテル
)n(ブリジ35(Brij35))、ポリ(オキシエチレン)n−ソルビタン−モノラ
ウラート(ツイン20(Tween20))ならびにポリ(オキシエチレン)n−ソルビ
タン−モノオレアート(ツイン80(Tween80))のごときポリ(オキシエチレ
ン)n−ソルビタン−脂肪酸誘導体を包含する。本発明における好ましい具体例
は、0.01%(w/v)の濃度のツイン20である。合成ポリマーは、0.01
ないし10%(w/v)の間の濃度のポリビニルスルファート、ポリビニルピロ
リドン(分子量範囲10000ないし360000)、およびヒドロキシエチル
澱粉のごとき剤を包含する。ゼラチンは、0.01ないし10%(w/v)の範
囲の哺乳動物および魚類の皮膚由来のもの、および植物ゼラチンのごとき剤(ま
たはそれらの混合物)を包含する。
また本発明は、塩含有バッファーを用いて無血清かつ塩不含のイソ酵素試料を
復元するためのバッファー、およびかかる安定化バッファーでの復元方法に関す
る。このバッファーは、塩、すなわち、10ないし200mMの濃度のKClお
よびNaClのごときカリウムおよびナトリウム塩(またはそれらの混合物)を
包含する剤を含有する。さらに、このバッファーは上記抗酸化剤および/または
非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。
本発明バッファー中でのヒト・CK−MBの長期貯蔵安定性の例は、アレニウ
スプロット形式を用いて説明される(実施例1、2、および5における図1、2
、および3を参照)。時間のプロットは、アンダーソン,ジー(Anderson,G.)お
よびスコット,エム(Scott,M.)(クリニカル・ケミストリー(Clin.Chem.)第
37巻:398〜402頁、1991年)により記載されたように線形回帰線の
勾配を測定することにより各インキュベーション時間におけるイソ酵素活性また
は量の消失についての1次反応速度定数を決定するように構成された。y切片の
90%と、イソ酵素の活性または量の消失に関する反応速度定数で割った回帰線
のy切片との間の差として、安定性消失に至るまでの推定時間が決定される(す
なわち、y=mx+bまたはx=y−b/m)。よって、異なる温度におけるこ
れらの安定性の消失時点を用いて、インキュベーション温度の逆数に対する安定
性消失に至るまでの日数の対数を用いるアレニウスプロットを構築する。5℃と
一致する回帰線上の時点を測定することにより5℃における貯蔵のシェルフライ
フの評価を決定する。
図1は、ツイン20を含有するバッファー中で凍結乾燥された組み換えヒト・
CK−MB(クローン化されたイー・コリ(E.coli)細胞系由来)に関する安定
性消失(すなわち、酵素活性および蛋白免疫学的量の消失)に至るまでの時間の
アレニウスプロット示す。バイアルを45、37、および30℃の温度に異なる
時間置き、塩含有バッファーで復元し、次いで、CK−MBの酵素活性および量
の値の回復を決定するためにアッセイを行った。図1は、5℃におけるCK−M
Bの量および酵素活性について製品消失に至る時間を、それぞれ、3.9年およ
び41.1年と推定する破線を示す。さらに、図2は、ゼラチンおよびツイン2
0含有バッファー処方について、5℃におけるCK−MBの量および酵素活性に
ついて安定性消失に至る時間を、それぞれ、0.5年および30.7年と推定する
破線を示す。本発明バッファーを用いる凍結乾燥ヒト・CK−MBに関する貯蔵
シェルフライフのこれらの評価は、2〜8℃で貯蔵されたグリセロール含有CK
−MB処方の貯蔵安定性(68日未満)と比較して、5℃におけるこの酵素の長
期安定性を示す(実施例3の表1参照)。
本発明の塩含有バッファーで復元されたイソ酵素の液体での安定性を実施例4
の表2に示す。これらの結果は、ツイン20を含有する復元されたCK−MB処
方は、グリセロール含有処方のそれぞれ32および68日と比較すると、2〜8
℃において少なくとも84日間は元の量および酵素活性の90%以上を回復する
ことを示す(実施例3および4の表1および2参照)。よって、本発明は、キャ
リブレーター\コントロール物質の調製に使用する復元イソ酵素を、例えば、2
〜8℃において3カ月まで安定化する。
さらに本発明は、上記の無血清かつ塩不含の水性安定化バッファーの使用方法
に関する。本発明方法において、実質的にすべての塩成分を液体イソ酵素試料か
ら除去するための標準的脱塩方法は本発明方法に適するであろう。例えば、当業
者に知られた標準的な透析または透析濾過法は本発明方法に適する。
さらに、実質的にすべての水分を液体イソ酵素試料から除去するための標準的
な乾燥方法は本発明方法に適するであろう。例えば、当業者に知られた標準的な
フリーズドライ凍結乾燥法は本発明方法に適する。一般的には、凍結乾燥法はフ
リーズドライ法を包含する。
もう1つの態様において、さらに本発明は、2〜8℃における長期液状貯蔵の
ためにイソ酵素を安定化するための無血清水性安定化バッファーであって、血清
をベースにした水性バッファーに関連した種々の問題(アッセイ人工物、ロット
間のばらつき、免疫原性の問題、およびバイオハザードの危険性)のないバッフ
ァーに関する。該無血清水性安定化バッファーは、上記pHバッファー、抗酸化
剤混合物、および非イオン性界面活性剤および/または合成ポリマーおよび/ま
たはゼラチンを含有し、好ましい具体例は、50mM HEPES,pH7.2、
10mM N−アセチル−システイン、0.2mM HEDTA、0.01%(v
/v)ツイン20、および3%(w/v)ポリビニルピロリドン(分子量100
00)である。さらにそのうえ、この水性安定化バッファーは、10ないし20
0mMの範囲の上記塩を含有し、好ましい具体例は140mM KClである。
典型的には、長期液状貯蔵は、微生物の増殖によるコンタミネーションを防止
するための保存料および/または滅菌手順を必要とすることに注意すべきである
。典型的な保存料は、0.05ないし5%(w/vまたはv/v)の範囲のNa
N3、オキサバンA、およびプロクリン300を包含し、好ましい具体例は0.1
%NaN3(w/v)である。
本発明の無血清水性安定化バッファー中のイソ酵素の熱安定性の比較を図3に
示す。無血清バッファーおよび血清をベースとしたバッファーの両方に関する、
温度の逆数に対するCK−MB量についての安定性消失に至るまでの時間のアレ
ニウスプロットのデータである。バイアルを37、30、および25℃の温度に
異なる時間置き、CK−MB量の値の回復を調べるためにアッセイを行った。図
3は、無血清バッファー中5℃におけるCK−MB量の貯蔵シェルフライフを
13.1年と評価する破線であり、これに対して血清をベースとしたバッファー
については7.6年である(実施例5)。実施例1
精製蛋白から塩を除去するために、ヒト・組み換えCK−MB(1mg/ml
)を、分子量10000カットオフのフィルターを装備したアミコン(Amicon)
限界濾過セル(マサチューセッツ州ビバリーのアミコン社製)を用いて、50m
MHEPES,pH7.2、6%マルトース、0.2mM HEDTAおよび10
mM N−アセチル−システインを含有するバッファーに対して5℃において透
析濾過した。透析濾過後、上記試料の一部を、50mM HEPES,pH7.2
、6%マルトース、0.2mM HEDTA、10mM N−アセチル−システ
インおよび0.01%(v/v)ツイン20を含有するバッファー中に添加して
最終濃度100μg/mlのヒト・組み換えCK−MBを得た。次いで、処方し
たCK−MBを滅菌濾過し、FTSトレイドライヤー(TDS−00065−A
型)を用いてフリーズドライ凍結乾燥した。凍結乾燥バイアルを、50mMHE
PES,pH7.2および120mM KClを含有する水性バッファーのうち1
mlを用いて復元した。COBAS FARA IIオートアナライザー(ロッシ
ュ・ダイアグノスティクス(Roche Diagnostics))により、ロッシュ(Roche)
CK−NACアッセイ試薬を用いてCK−MB活性を測定した。アボット(Abbo
t)IMx免疫アナライザーにより、アボット・ヒト・CK−MB試薬を用いて
CK−MB免疫学的濃度を決定した。上記線形回帰分析によりCK−MBの活性
および量の回収率に関する時間プロットデータを評価した(すなわち、安定性の
消失に至るまでの時間)。CK−MBのバイアルを、45、37、および30℃
において異なる時間置いて5℃における貯蔵シェルフライフを推定した。図1は
、温度の逆数に対する安定性消失に至るまでの日数のアレニウスプロットを示す
。このプロットは、CK−MBの量および活性に関する5℃における推定シェル
フライフは、それぞれ約3.9年および41.1年であることを示す。実施例2
ツイン20成分を0.5%ゼラチンならびにツイン20に置き換えたこと以外
は、実施例1記載のごとく組み換えヒト・CK−MBと同じ透析濾過手順を行っ
た。45、37および30℃に異なる時間置かれたこのCK−MB処方の凍結乾
燥バイアルについて、促進された安定性の研究を行った。図2は、この処方につ
いてのアレニウスプロットであって、5℃における貯蔵シェルフライフを、CK
−MBの集団および活性について、それぞれ0.5年および30.7年と推定する
ものである。実施例3
比較をする目的で、50mM Tris−HCl,pH7.5、150mM N
aCl、50%(v/v)グリセロール、10mM β−メルカプトエタノール
、および0.1%NaN3(w/v)を含有する処方中のネイティブなヒト・CK
−MBの貯蔵安定性を、サンプリング目的の単一バイアルを用いて2〜8℃にお
いて調べた。表1の結果(下に示す)は、このグリセロールをベースとした水性
バッファー中のCK−MBは、32日目および68日目において、それぞれ元の
量および酵素活性の90%以上を回復することができないことを示す。
実施例1〜3における結果により、ツイン20またはゼラチンならびにツイン
20のいずれかを含有する水性バッファー中で凍結乾燥されたヒト・CK−MB
は、50%グリセロールを含有する水性バッファー中に存在するネイティブなC
K−MBと比較すると、5℃におけるより大きな推定貯蔵安定性を示すことが示
される。実施例4
本発明バッファー中の復元されたCK−MBの液状貯蔵安定性を説明するため
に、50mM HEPES,pH7.2および120mM KClを含有するバッ
ファーを用いて凍結乾燥したヒト・CK−MBを復元し、連続サンプリングのた
めに2〜8℃で貯蔵した。表2(下に示す)は、組み換えヒト・CK−MBは、
5℃で84日以上たってから、はじめの量および酵素活性の少なくとも90%を
回復することを示し、50%グリセロール含有水性バッファー中のネイティブな
CK−MBの安定性と比較すると高い液状貯蔵安定性を示すものである(実施例
3の表1参照)。
実施例5
凍結乾燥した組み換えヒト・CK−MBを実施例1記載のごとく復元し、無血
清水性バッファーおよび血清をベースにした水性バッファーの両方に約100n
g/mlの最終濃度として添加し、次いで、37、30、および25℃に異なる
時間置いた。無血清水性バッファーは、50mM HEPES,pH7.2、14
0mM KCl、10mM N−アセチル−システイン、0.2mM HEDT
A、0.01%(v/v)ツイン20、3%(w/v)NaN3を含有していた。
血清をベースにした水性バッファーは、ヒト・血清ならびに0.2%(w/v)
NaN3を含有していた。温度の逆数に対する安定性消失に至るまでの時間のア
レニウスプロットは、本発明無血清水性バッファー中5℃におけるCK−MBの
量について、血清をベースにしたバッファー中の安定性と比較すると約2倍の貯
蔵シェルフライフを示した(7.6年に対して13.1年−−図3参照)。
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【要約の続き】
ァー中でのイソ酵素の量についての促進された安定性を
示し、5℃におけるシェルフライフを外挿してある。