JPH09509307A - ヒト化抗体及びそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、特定の可変β鎖を表出するT細胞、特にはヒトVβ5.2及び/又は5.3、及びVβ8.1を発現するそれらのサブ集団に結合することが可能なヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質に関する。また、本発明は、そのような抗体の調製、それらを含有する医薬組成物、及び、特には自己免疫疾患における、抗体の治療的利用にも関する。
Description
【発明の詳細な説明】
ヒト化抗体及びそれらの使用
本発明は、特定の可変β鎖を示すT細胞、特には、ヒトVβ5.2及び/又は
5.3、並びにVβ8.1を発現するそれらのサブ集団に結合することが可能な
ヒト化(humanized)抗体及びそれらの結合タンパク質に関する。また、本発明
は、そのような抗体の調製、それらを含有する医薬組成物、及びそれらの抗体の
、特に自己免疫疾患における、治療上の利用にも関する。
T細胞は、免疫系内のエフェクター機構の分化及び調節において中心的な役割
を果たす(Paulら、Science 195:1293−1300(198
7))。正しくない免疫調節は自己免疫を助長するため、T細胞による抗原と主
要組織適合分子の相互認識(co-recognition)は特異的であり、かつ正確に調節
されていなければならない。幾つかの研究所では、自己免疫及び幾つかの形態の
免疫不全のような正しくない免疫調節であることが明らかな疾患が研究され、T
細胞がそれらの疾患の病因に関連付けられている。
特定のT細胞受容体組成のクローン性もしくはオリゴクローン性拡大が報告さ
れている幾つかの状況が存在する。最も明白な例は、T細胞白血病又はリンパ腫
を生じる悪性の状態におけるものである。T細胞白血病又はリンパ腫の状況にお
いては、T細胞受容体は安定に再配列
を受けて細胞表面に現れるため、T細胞受容体が唯一の腫瘍マーカーとして作用
する。特定のT細胞受容体組成が関与する別の状況は臓器移植の受容者において
であり、受容者のTリンパ球はドナー個人、例えば骨髄移植片のドナーのMHC
分子に対してTリンパ球を攻撃的にするT細胞受容体を有している。
さらに重要なことには、幾つかのグループが、特定の自己免疫状況における選
択的T細胞抗原受容体V領域遺伝子の使用を報告している。例えば、Grunw
aldらは、サルコイドーシスに罹患した患者の末梢血リンパ球と比較した場合
の、気管支槽洗浄(broncheoalveolar lavage)におけるCD4+ T細胞での
Vα2.3遺伝子産物の選択的な発現に注目している(Grunwaldら、E
ur.J.Immunol.22:129(1992))。川崎病においては、
発病時のVβ2及びVβ8 T細胞の選択的な拡大が注目された(Abeら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA89:4066(1992))。
リューマチ様関節炎もまた、この関連において、広く研究されている。幾つか
の研究では、T細胞のサブセットの選択的な拡大が注目されている。例えば、D
erSimonianら、J.Exp.Med.177:1623(1993)
(CD8+末梢血Tリンパ球におけるVα12.1保有T細胞の選択的な拡大)
;Stamenkovicら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA85:1179(1988)(サザーン・ブロット分析によると、I
L2において増殖した滑膜浸潤T細胞はオリゴクローンであった);Palia
rdら、Science 253:34(1991)(スーパー抗原が、クロー
ン様に拡大し、リューマチ様関節炎患者の滑液に移動する、自己反応性T細胞を
含むVβ14+ T細胞を活性化するという仮説を立てた);Howellら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10921(1991
)(特に、リューマチ様関節炎患者の滑液に由来するIL2R+細胞におけるV
β3、14、及び17T細胞V領域遺伝子の使用に注目した);Uematsu
ら、Proc Natl.Acad.Sci.USA 88:8534(一人の
RA患者の滑液T細胞におけるオリゴクローナルT細胞V領域遺伝子の使用を示
した);及び国際特許出願WO90/06758(RAにおけるVβ3、9、及
び10を含む)。
炎症性腸疾患もまた、広く研究されている。幾つかのグループが拡大T細胞集
団又は選択的T細胞受容体V領域遺伝子の使用に注目している。例えば、Pos
nettら、J.Clin.Invest.85:1770(1990);Sp
encerら、J.Clin.Pathol. 44:915(1991);T
rejjdosiewiczら、Clin.Exp.Immunol. 84:
440(1991);及びVan Ker
ckhovら、J.Exp.Med.175:57(1992)。さらに別の者
が、ミコバクテリア・レプラ(Mycobacterium leprae)における選択的T細胞V
遺伝子の使用を報告している(van Shootenら、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 89:11244(1992);Wangら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 90:188(1993))。
ヒトにおいては、幾つかの自己免疫疾患に関連して、炎症組織におけるVβ8
.1 T細胞の拡大が見出されている。これらの自己免疫疾患には、クローン病
(Posnettら、J.Clin.Invest. 85:1770−177
6(1990))、川崎病(Abeら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 89:4066−4070(1992)およびAbeら、J.Exp
.Med.177:791−796(1993))及びリューマチ様関節炎(B
rennanら、Clin.Exp.Immunol.73:417−423(
1988))が含まれる。
多発性硬化症(MS)は、深く研究されている別の自己免疫疾患である。MS
は、中枢神経系単核細胞浸潤及び脱髄によって特徴付けられる免疫介在疾患であ
る。MSの病因は知られていないが、遺伝的及び環境的因子の両者が疾患の過程
に関連付けられている。遺伝的素因の主要素には、特定のクラスII主要組織適
合性遺伝子複
合体(MHC)ハプロタイプ、特にHLA−DR21及びDQW1と疾患との関
わりが含まれる(Terasaidら、Science 1933:1245−
1247(1976);Hoら、Immunogenetics 15:509
−517(1982);Spielmanら、Epidemiol.Rev.4
:45−65(1982);Francisら、Lancet 1:211(1
986);Elianら、Disease Markers 5:89−99(
1987);Urbanら、Cell 54:577−592(1988);V
andenbarkら、Nature 341:541−544(1989);
Howellら、Science 246:668−670(1989))。
MSを患う患者の髄液から単離されたT細胞が用いるV領域遺伝子の組は限定
されていることが示されている。MS患者において生体内で活性化されたミエリ
ン塩基性タンパク特異性T細胞が表出することは、疾患の原因にMBP反応性T
細胞が関与していることを示唆している(Wucherpfennigら、Sc
ience 248:1016−1019(1990))。T細胞受容体Vβプ
ライマーを用いるcDNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅により、MB
P反応性T細胞系統のTCR Vβ使用を測定したときに、限られた数のVβ遺
伝子の優先的な使用が見出されている(Wucherpfennigら、(前出
(1990))−ヒト自己抗
原MBPの免疫優性領域の認識において、Vβ17と、それよりは少ない頻度で
はあるが、Vβ12が頻繁に用いられている;Oksenbergら、Natu
re 362:68(1993))。幾つかの研究の結果もまた、MS脳病巣に
おいて限られたT細胞受容体Vα遺伝子しか発現しないことを示唆している(O
ksenbergら、Nature 345:344−346(1990))。
定量的PCR及びモノクローナル抗体(mAb)染色を用いるT細胞のレパート
リー(repertoire)解析では、対照と比較して、MS患者から単離されたミエリ
ン塩基性タンパク(MBP)特異性T細胞ではVβ5.2及び/又は5.3が優
先的に用いられることが示されている(Oksenbergら、(前出(199
3))(特定のHLA表現型を有する患者の脳において、再配置されたVβ5.
2遺伝子が検出された)及びKotzinら、Proc.Natl. Acad
.Sci.USA 88:9196(1991)(β鎖可変領域5.2及び、そ
れより少ない頻度ではあるが、Vβ6.1の使用に対する偏向がMS患者に由来
するMBP特異性クローンに見られた))。
現時点では、MSの有効な治療法は知られていない(Harrison’s
Principles of Internal Medicine,12版、
Wilsonら、McGraw Hill,Inc.1991)。治療上の努力
は、急激な発症の改善、再発又は疾
患の進行の防止、及び症状の軽減に向けられている。
しかしながら、マウスVβ8.2可変領域遺伝子の発現が、ヒトのMSのマウ
スモデルにおける実験的なアレルギー性脳脊髄炎(EAE)に相関することが見
出されている。マウスVβ8.2特異性mAbを用いる治療により、疾患を予防
し、かつ軽減することが可能であることが示されている(Acha−Orbea
ら、Cell 54:263(1988)及びUrbanら、Cell 54:
577(1988))。したがって、この疾患の治療に適した抗体又は“抗体様
”分子の開発が強く求められている。
抗体は、典型的には、ジスルフィド結合によって互いに連結する2本の重鎖と
、各重鎖のN−末端に結合する軽鎖とを含む。各重鎖は、そのN−末端に可変ド
メインを、それに続いて他端に定常ドメインを有する。また、各軽鎖もN−末端
の可変ドメインとそれに続く定常ドメインを有する。軽鎖及び重鎖各対の可変ド
メインは、抗原結合部位を形成する。軽鎖及び重鎖上の可変ドメインは同じ一般
構造を有し、各ドメインは、配列が比較的保存されている4つの領域からなるフ
レームワークとこれに接続する3つの相補性決定領域(CDS)を有している。
4つのフレームワーク領域は幾らかのβ−シート構造をとり、CDSはこのβ−
シート構造体に接続するループを形成する。これらのCDRはフレームワーク領
域によって非常に接近した状態に保たれ、抗原結合部位の
形成に寄与している。抗体のCDR及びフレームワーク領域は、WO91/09
967に説明されているように、X線結晶学と関連したカバット(Kabat)・ナ
ンバリング・システム(Kabatら、”免疫学的に興味を有するタンパク質の
配列(Sequences of Protein of Immunological Interest)”, US Dep
t.of Health and Human Services,US Go
vernment Printing Office(1987))を参照する
ことにより決定することができる。
特定の抗原を標的とすることが可能な抗体を作製するためには、通常、Koh
ler及びMilsteinの方法(Kohlerら、Nature 256:
495−497(1976))が用いられる。これには、一般的には、マウス
を抗原で免疫し、免疫マウス由来の脾臓細胞をミエローマ細胞と融合させ、ハイ
ブリドーマから選択することにより、標的抗原に特異的なモノクローナル抗体を
分泌する1以上のハイブリドーマを作製することを包含する。
治療には、そのようなmAbを用いることが好ましい。しかしながら、そのよ
うなmAbは本質的にはネズミ起源のものであり、したがってヒトにおいてはそ
れら自身が抗原性である。そのようなmAbをヒトに繰り返し投与した場合には
、ヒトの免疫システムはマウスmAbに対する応答を開始し、それを無効にして
しまう。
したがって、マウスmAbのCDRをヒトのフレームワークに移植し、ドナー
・マウスmAbの結合能力を有し、かつ受容体のヒトのフレームワークのヒト適
合性を有するCDRグラフト化抗体を作製することが、元々はWinter及び
彼の共同研究者によって提唱されている(例えば、Reichmannら、Na
ture 332:323−327(1988)及びVerhoeyenら、S
cience 239:1534−1536(1988)を参照のこと)。
しかしながら、抗体の機能はその3次元構造に依存しており、3次元構造はそ
の1次アミノ酸配列に依存している。抗体のアミノ酸配列を変えることは、その
活性に悪影響を及ぼす可能性がある。同様に、抗体断片は、結合活性の助成に必
要な適正な3次元構造を保持していない可能性がある。さらに、抗体をコードす
るDNA配列を変えることは、そのDNA配列を有する細胞の発現、分泌及び抗
体組立ての能力に影響を及ぼす可能性がある。CDRを含む正確な残基は定義す
ることが困難であり、カバット・ナンバリング・システムによって定義される超
可変領域の全ての残基には必ずしも対応するものではない。抗原と相互作用する
CDRの位置決めに重要であり、又は重鎖及び軽鎖の相互作用に関与する重要な
フレームワーク残基も存在する。特定のフレームワーク残基をそれらが特定の位
置でドナーの残基に対応するように変更し、それによってCDRグラフト化抗体
の性質から
より“ヒト”らしさをなくす必要があることもある。
有用なCDRグラフト化抗体を作製するためにドナーの残基に変更することが
必要なCDR及びフレームワーク残基を同定するための様々な提唱が公開されて
いる(例えば、Queenら、WO90/07861;Kurrleら、EP−
A−0 403 156;Adairら、WO91/09967;Queenら
、WO92/11018;及びBendigら、WO92/01568を参照の
こと)。あらゆる特定のケースにおける有用なCDRグラフト化抗体の作製が簡
単ではないことは、これらの文献から明らかである。
特定のCDRグラフト化抗体を作製する試みの固有の問題にもかかわらず、本
発明者らは、好ましい態様において、ヒトフレームワーク領域をベースとし、か
つ特定のT細胞サブ集団に特有の可変β鎖領域に特異的な抗原結合部位を有する
CDRグラフト化抗体を作製することに成功した。驚くべきことに、本発明のヒ
ト化抗体は、それらのネズミのプロトタイプと比較した場合、良好な、もしくは
より良い標的T細胞に対する結合親和性を示す。さらに、ここにクレームされた
抗体又はそれらの一部は、それらのネズミのプロトタイプよりも免疫原性が少な
く、そのため治療に用いられる場合に患者に不利な反応を低減させるという利点
を提供する。
発明の要約
本発明は、特定のT細胞サブ集団に対する選択的結合特異性を有するヒト化抗
体に向けられている。この抗体は、前記サブ集団への結合において高感度であり
、その結合に関して、それらのCDR領域の実質的な部分が誘導されるプロタイ
プ(protype)mAbよりも優れたものでないとしても、それに匹敵する特異性
及び親和性を示す。また、本発明は、特定の超可変及びフレームワーク残基をコ
ードし、かつこれらをヒト重鎖及びヒト軽鎖フレームワークに移植する新規なc
DNAを用いる、前記ヒト化抗体の調製方法に向けられている。更に、態様には
この抗体を用いる薬学的成分及び治療法とがを含まれる。
特に好ましい態様の1つにおいて、ヒトVβ8.1を認識するマウスmAbで
ある16G8を、特定のCDR及びネズミmAb由来の選択フレームワーク残基
とをKOL重鎖及びREI軽鎖フレームワークにグラフト化したCDRによりヒ
ト化した。各々、Neo及びDHFR選別マーカーを有する哺乳動物細胞発現ベ
クター中のヒト化重鎖(IgG1)及び軽鎖(K)をコードするcDNAを、D
HFR−のチャイニーズ・ハムスター線維芽(CHO)細胞系にトランスフェク
トし、続いて選別し、増殖を行った。“TM29”と命名された分泌ヒト化mA
bは、プロトタイプ・マウスmAb(16G8)に匹敵する親和性を備え、ヒト
のTCR Vβ8.1に対する特異性を維持する。本発明の抗体は、正しいサブ
セッ
ト特異性及び親和性を維持しながら、抗−TCR抗体のヒト化を達成し得ること
を示している。
本発明の他の態様には、ヒト自己免疫疾患、特にクローン病の治療へのこれら
のヒト化抗体の治療薬としての使用が含まれる。
本発明の別の特に好ましい態様においては、ヒトVβ5.2及び5.3を認識
するマウスmAbであるTM23を、NEWM重鎖及びREI軽鎖フレームワー
クへのグラフト化したCDRによりヒト化した。各々、Neo及びDHFR選別
マーカーを有する哺乳動物細胞発現ベクター中のヒト化重鎖(IgG1)及び軽
鎖(K)をコードするcDNAを、DHFR−のチャイニーズ・ハムスター線維
芽(CHO)細胞系にトランスフェクトし、次いで選別し、増殖を行った。分泌
されたヒト化mAbは“TM27”と命名され、プロトタイプ・マウスmAb(
TM23)より優れてはいないとしても、それに匹敵する親和性を備えた、ヒト
Vβ5.2及び5.3に対する特異性を維持する。本発明の他の態様には、ヒト
MSの治療へのTM27の治療薬としての使用が含まれる。
図面の簡単な説明
図1は、TM27の様々な可変軽鎖配列及び重鎖配列を示している。
図2は、TM29の様々な可変軽鎖配列及び重鎖配列を示している。
図3は、4H11に対するTM27L/NSO及びTM27L/CHOの競合
アッセイの結果を示している。
図4は、図3に示される実験のスキャッチャードプロットを示す。
発明の詳細な説明
この発明の説明の文脈において用いられる定義を以下に説明する。
本出願において、“抗体”という用語は、それが天然のものであろうと、組換
えDNA技術もしくは他の方法で作製されたものであろうと、この抗体が少なく
とも1つの抗原結合部位を含むという条件の下で、Igもしくはそれらのあらゆ
る断片、軽鎖もしくは重鎖モノマーもしくはダイマー、及び、例えば重鎖及び軽
鎖可変ドメインがペプチドリンカーによって結合している一本鎖Fvのような一
本鎖抗体を記述するのに用いられる。抗体の残りの部分には、Ig起源のタンパ
ク配列のみが含まれる必要はない。例えば、ヒトIg鎖をコードするDNA配列
がポリペプチド・エフェクターもしくはレポーター分子のアミノ酸配列をコード
するDNA配列と融合している遺伝子を構築することができる。したがって、“
抗体”にはハイブリッド抗体(下記参照)も含まれる。
ここで用いられる“結合タンパク質”という用語は、抗体もしくは抗体の組合
せから誘導される特定のアミノ酸配列を有する構造であって、この配列が少なく
とも1
つの抗原結合部位を形成するような様式で立体的に配置されているものを指す。
“mAb”という略語は、ハイブリドーマまたは誘導細胞系によって産生され
るようなモノクローナル抗体を示すのに用いられる。
“組換え抗体”という用語は、組換えDNA技術の使用を含む方法によって産
生される抗体の記述に用いられる。
“CDR”もしくは“相補性決定領域”という用語は、3次元空間に並置され
て抗原結合表面を形成する、抗体の重鎖及び軽鎖可変領域の部分を指す。
“キメラ抗体”という用語は、可変ドメインが、全体として第1の哺乳動物種
由来の抗体から誘導されたものであり、かつ異なる哺乳動物種に由来する抗体か
らの少なくとも1つの定常ドメインに融合されている抗体を記述するのに用いら
れる。
“CDRグラフト化”という用語は、CDRが実質的に第1の哺乳動物種に由
来する抗体から誘導されたものであり、これが実質的に第2の哺乳動物種から誘
導される可変フレームワーク領域に移植されている、抗体もしくはそれらの一部
の記述に用いられる。また、前記フレームワーク領域の特定の選択アミノ酸が前
記第1の哺乳動物種から誘導されたものであってもよい。
“ハイブリッド抗体”という用語は、ペプチド結合によって別のタンパク質の
最小限の部分に結合している少
なくとも1つのIgの結合部分を含むタンパク質の記述に用いられる。熟練した
研究者がこのような構造体を記述するのに“キメラ”という単語を用いることも
あることは認められるが、本明細書においてはこのような構造体をハイブリッド
抗体と呼び、キメラ抗体という用語は上に定義される意味に用いる。
“ヒト化抗体”という用語は、第1の種に由来する抗体から誘導される可変ド
メインの一方もしくは両者中のCDRを少なくとも1つ、好ましくは2つもしく
は3つ有する抗体の記述に用いられる。これには、特定の超可変アミノ酸配列に
関連して特定の選択フレームワークアミノ酸も含まれ得るものと理解される。抗
体の残りのIg起源部分は、1以上の異なる抗体から誘導される。可変ドメイン
は、組換えDNA技術を使用することにより、又はペプチド合成により作製する
ことができる。
“発現ベクター”には、それに含まれるDNA配列を発現することが可能であ
る、すなわちコーディング配列がそれらの発現を行うことが可能な他の配列に作
用的に結合しているベクターが含まれる。有効な発現ベクターの有用ではあるが
常に必要とされるものではない(すなわち、昆虫細胞)要素は、マーカー・コー
ディング配列、すなわち、細胞を容易に同定することが可能なタンパク質を含む
細胞の表現型特性(例えば、ネオマイシン耐性、メチオニンスルホキシミン耐性
もしくはトリプトファン原栄養性)を結果として生じるベクター配列をコードす
る配列である。要するに、“発現ベクター”は機能的な定義が与えられたもので
あり、特定の配列に適用された場合にその特定の含有DNAコードを発現させる
ことが可能なあらゆるDNA配列がこの用語に含まれる。現時点では、そのよう
なベクターはたいていプラスミドの形態にある。したがって、“プラスミド”と
“発現ベクター”とはしばしば互換性を持って用いられる。しかしながら、本発
明は、同等の機能を提供し、かつ当該分野において時折周知になりつつある、レ
トロウイルス類、アデノウイルス類、生体外系(Baranovら、Gene
84:2:463(1989))等を含む他の形態の発現ベクターをも含むこと
を意図している。
以前から述べられているように、DNA配列は、この配列が発現制御配列に作
用的に結合した(すなわち、発現制御配列が確実に機能するように位置した)後
に、宿主細胞中で発現する。これらの発現ベクターは、典型的には、エピソーム
又は宿主染色体DNAの組込まれた部分のいずれかとして、宿主生物において複
製可能となる。
“組換え宿主細胞”は、組換えDNA技術を用いて構築されたベクターでトラ
ンスフォームされている細胞を指す。このトランスフォームにより、宿主細胞は
、トランスフォームされていない宿主によって産生されることが期待されるよう
なより少ない量ではなく、より一般的には検出可能な量を下回る量でではなく、
有用な量で所望の産生物を産生することが可能となる。本発明の抗体
及び結合タンパク質は、組換え宿主細胞によって、さらなる実験を実施するのに
有用な量、又は商業的に受け容れられる量、例えば約100g以上を作製するこ
とができる。
組換え宿主から抗体又はそれらの結合タンパク質を単離する方法の記述におい
て、“細胞”及び“細胞培養物”という用語は、明確に他の事項を指定していな
い限り、抗体の源を示すのに互換性を持って用いられる。換言すると、“細胞”
からの回収は、遠心沈降全細胞(spun down whole cells)又は培地及び懸濁細
胞の両者を含む細胞培養物のいずれかから、あるいは、さらにミエローマ細胞系
の場合にあり得るように、腹水培養物からの回収を意味する。
本発明のヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質は、T細胞の選択サブ集団、
特にVβ8.1サブ集団又はVβ5.2/5.3サブ集団に対する特異性を有す
るモノクローナル抗体から実質的に誘導されるそのCDRの全て又は一部を含む
アミノ酸配列を有している。好ましい態様において、このモノクローナル抗体の
起源はネズミである。抗体及びそれらの一部の可変ドメインのフレームワーク・
アミノ酸配列の起源は、好ましい態様において実質的にヒトであり、これが“ヒ
ト化抗体”の由来である。この“ヒト化”は、ヒト患者に治療上投与される場合
に、抗体の免疫原性の低減に有用であると信じられている。ここでの使用では、
重鎖にはNEWMもしくは
KOLヒト・フレームワーク領域が、軽鎖にはREIヒト・フレームワーク領域
が好ましい。特定の選択フレームワーク残基は、ヒトよりもむしろネズミとして
維持される。これは、分子の適正な3次元構造を達成し、それにより特定のT細
胞サブセットに対する結合特異性及び親和性を増大させるのに必要であると信じ
られている。
本発明の技術に従って作製されるヒト化抗体のあらゆる部分(すなわち、抗体
という用語の広い定義)は、T細胞の選択サブ集団に対する結合特異性及び親和
性を維持する限りにおいて、本発明の意図の範囲内にある。したがって、前記抗
体から誘導される結合タンパク質は、以下に記述されるように、少なくとも治療
用途に適する程度にこれらの能力を維持する他の断片と同様に、明らかに本発明
の範囲内にある。
当該技術分野の熟練者は、ここでの教示に従って作製される様々な構築体の結
合パラメータを、標的とされる選択可変領域を表出する特定のT細胞又はT細胞
受容体タンパク質を用いて実施される従来の結合アッセイを用いることにより、
試験することができる。例えば、プロトタイプmAbを用いる競合結合アッセイ
、様々な細胞系への結合、スキャッチャード分析等を実施し、得られた結果をプ
ロトタイプmAbと比較することができる。あるいは、以下に記述されるような
様々な動物モデル系、又は臨床試験研究に頼って、本発明に従って作製される構
築体の治療効果を評価することができる。ここで、構
築体は、たとえ標的抗原に対するその結合パターンがプロトタイプmAbのもの
と異なっていても、非常に適切な治療薬であり得ることが理解される。
特に好ましい態様において、ヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質のアミノ
酸配列は、以下の群:
TM29軽鎖
TM27軽鎖
より選択される可変軽鎖の全てもしくは一部が単独で、もしくは以下の群:
TM29重鎖
TM27重鎖
より選択される可変重鎖の全てもしくは一部と組み合わされたものである。
個々のCDR近傍の選択フレームワーク残基は、CDRの3次元配座の支持に
重要である(FooteおよびWinter、J.Mol.Biol.224:
487−499(1992))。このため、特定の好ましい態様においては、修
飾重鎖が設計された。第一に、残基66ないし69の全て、及び73において、
ネズミの配列Leu−Ser−Ile−Ser(66−69)及びAsp(73
)がヒトの対応する部分で置換される。
別の好ましい態様においては、ネズミの残基バリン及びフェニルアラニンがそ
れぞれ78及び79位に、又はネズミのアルギニンが92位に据えられる。
図1は、これらの置換を例示するものであり、CDRをボールド体及び下線で
示している。これらの好ましい抗体構築物(それらの結合タンパク質を含む)は
、Vβ5.2/5.3に結合する。
他の好ましい抗体及びそれらの結合タンパク質は、重鎖を残基23及び24で
修飾することにより、ここに提供される。これらの位置では、ネズミの対応する
配列Ala−が置換される。別の構築体は、残基75がネズミのプロリン残基で
あってもよく、又は残基88、89及び91がそれぞれアラニン、メチオニンも
しくはチロシンであってもよいことを示している。これらの抗体構築物及びそれ
らの結合タンパク質は、Vβ8.1 T細胞に結合し、図2により完全に示され
ている。
TM27重鎖と共にTM27軽鎖から本質的になり、
残基48がネズミのロイシン又はイソロイシンのいずれかであるCDRグラフト
化抗体が、ここでの使用に特に好ましい。また、TM29重鎖と共にTM29軽
鎖から本質的になるCDRグラフト化抗体も特に好ましい抗体である。
本発明のヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質は様々な技術によって作製す
ることができ、例えば酵母、昆虫、CHOもしくはミエローマ細胞のようなトラ
ンスフェクトされた細胞で発現するのが好ましい。最も好ましくは、宿主細胞は
CHO宿主細胞である。
本発明によるCDRグラフト化抗体又はそれらの結合タンパク質を設計するた
めには、所望の結合特性を有する抗体の可変ドメイン配列を突き止める必要があ
る。そのようなDNA配列決定のための適切なソース細胞には、鳥類、哺乳動物
又は他の脊椎動物ソース、例えば、ニワトリ、マウス、ラット及びウサギがあり
、好ましくはマウスである。可変ドメイン配列(VH及びVL)は、当該技術分野
において一般的に周知の技術によって各々のmRNAから合成される重鎖及び軽
鎖cDNAから決定することができる。その後、カバット法(前出)を用いて、
超可変領域を決定することができる。CDRはX線結晶学又は分子モデリング技
術を用いる構造解析により決定することができる。次いで、フレームワーク領域
に由来する特定の選択残基と共に、超可変領域に対応する全ての残基を含む複合
CDRを構築することができる。次に、
得られた複合CDRを“抗原結合部位”として転移させることができる一方、完
全なIgを構築することを望むのであれば抗体の残りに重鎖及び軽鎖定常ドメイ
ン並びに残りのフレームワーク残基を含めるようにすることもできる。抗体の残
りの部分は、異なるクラスのヒト抗体をベースとしてもよい。
定常ドメインは、構築される抗体が意図する用途に適した所望のエフェクター
機能を有するように選択することができる。例えば、ヒトIgGのイソタイプで
あるIgG1及びIgG3は、補体の固定及び細胞介在溶解に有用である。別の目
的については、IgG2及びIgG4のような他のイソタイプ、又はIgM及びI
gEのような他のクラスがより適切であり得る。
ヒトの治療に対しては、治療中での抗グロブリン応答を最小にするために、ヒ
トのイソタイプを用いることが特に望ましい。ヒト定常ドメインDNA配列は、
好ましくはそれらの可変ドメイン・フレームワーク領域と共に、周知の手順に従
って調製することができる。その一例が、バロースウエルカム社(Burroughs We
llcome Ltd.)から入手可能なCAMPATH 1Hである。
本発明の好ましい態様によると、結果として充分な結合親和性を有するCDR
グラフト化抗体を生じるヒト様フレームワーク領域(換言すると、CDR以外の
可変ドメイン)への選択的変更を含むCDRグラフト化抗体が得られる。このよ
うな結合親和性は、好ましくは約105
M-1ないし約1012M-1であり、より好ましくは少なくとも約108M-1である
。最も好ましくは、結合親和性は、プロトタイプ抗体とほぼ同等かもしくは大き
いものである(好ましい例においては、このプロトタイプ抗体はネズミである)
。
本発明のCDRグラフト化抗体の構築において、VH及び/又はVL遺伝子セグ
メントを変異誘発により変更することができる。当該技術分野における熟練者は
、抗体のFc部分もしくは他の領域に含まれるアミノ酸残基もしくは配列をコー
ドする様々な他のヌクレオチドを同様の方法で変更し得ることも理解するであろ
う(例えば、PCT/US89/00297を参照)。
典型的な技法には、適正なリーディング・フレームワークが維持されるという
条件の下で、付加、欠失又は限られた数の種々のヌクレオチドの非保存置換もし
くは多くのヌクレオチドの保存置換が含まれる。
最終構築物に到達するために、置換、欠失、挿入又はあらゆる準組合せ(subc
ombination)を用いることができる。64通りの可能なコドン配列が存在するも
のの公知のアミノ酸は僅か20であるので、遺伝コードは異なるコドンが同じア
ミノ酸を生じ得るという意味において縮重する。しかし、コードは各アミノ酸に
対して正確なものである。したがって、各アミノ酸に対して少なくとも1つのコ
ドンが存在し、すなわち、各コドンは単一のアミノ酸を生成し、他は生成しない
。最終的に産生され
るポリペプチドにおいて適正なアミノ酸配列を得るために、翻訳の間、適正なリ
ーディング・フレームが維持されなければならないことは明らかである。
周知の配列を有する予め決定されたアミノ酸部位での付加、欠失または置換の
技術は公知である。典型的な技法には、オリゴヌクレオチド介在部位指向性変異
誘発(oligonucleotide-mediated site-directed mutagenesis)及びPCRが
含まれる。
オリゴヌクレオチド部位指向性変異誘発は、本質的に、所望の変異をコードす
るオリゴヌクレオチドを変異を誘発しようとする領域を含む一本鎖のDNAとハ
イブリダイズさせ、この一本鎖をオリゴヌクレオチド伸長の鋳型として用いて変
異を含む鎖を生成させることを包含する。この技術は、様々な形で、Zolle
rおよびSmith、Nuc.Acids Res.10:6487(1982
)、Norrisら、Nuc.Acids Res.11:5103(1983
)、ZollerおよびSmith、DNA 3:479(1984)、Kra
merら、Nuc.Acids Res.10:6475(1982)に記述さ
れている。
PCRは、本質的に、配列特異的オリゴヌクレオチドを用いてインビトロでD
NAを指数的に増幅させることを包含する。オリゴヌクレオチドは、もし望むな
ら配列変更と一体化することができる。PCR技法は、MullisおよびFo
loona、Meth.Enz.15
5:335(1987)に記述されている。PCRを用いる変異誘発の例は、H
iguchiら、Nuc.Acids Res.16:7351(1988)、
Hoら、Gene,77:51(1989)、Hoら、Engineering Hybridlzaio
n Restriction Genes without the Use of Restriction Enzyme:Gene Splicing
by Overlap Extention;Hortonら、Gene 77:61(1989)
に記述されている。
最終的に所望の抗体を発現することが可能な本発明のヌクレオチド配列、又は
それらの結合タンパク質は、多くの異なるポリヌクレオチド(ゲノムDNA、c
DNA、RNA又は合成オリゴヌクレオチド)から形成することができる。現時
点では、ポリヌクレオチドにはcDNA及びゲノムDNAの融合体が含まれるこ
とが好ましい。これらのポリヌクレオチド配列は、様々なIg成分(例えば、V
、J、D、及びCドメイン)をコードすることが可能である。これらは、多くの
異なる技術によって構築することができる。適正なゲノム及びcDNA配列を結
合させることが現時点で最も一般的な方法であるが、cDNA配列を利用するこ
ともできる(EP−A−0239 400及びReichmannら、Natu
re 332:323(1988)を参照)。
適切な発現ベクター及び宿主細胞はUS−A−4 816 567に記述され
ている。
ここに開示されるベクター及び方法は、原核及び真核
生物の広い範囲にわたる宿主細胞での使用に適している。
もちろん、一般には、本発明に有用なベクターを構築するためのDNA配列を
クローニングするには原核細胞が好ましい。例えば、カリフォルニア州サン・デ
ィエゴのストラタジーン(Stratagene)社から入手可能なブルースクリプト(Bl
uescript)M13ベクター、pUC19c、ジーンバンク受付#VB0026、
pBR322(下記)のような様々な大腸菌(E.coli)プラスミドクローニン
グベクターが特に有用である。もちろん、これらの例は、限定ではなく説明を意
図するものである。
原核細胞はまた、発現にも用いることができる。前述の大腸菌株、バシルスズ
ブチルス(Baci1lus subtills)のようなバチルス属、及びサルモレラチフムリ
ウム(Salmonella typhimurium)もしくはセルチアマルセセン(Serratia marce
scens)のような他の腸内細菌、並びに様々なシュードモナス(Pseudomonas)種
を用いることができる。
一般に、宿主細胞に適合する種から誘導されるレプリコン及び制御配列を有す
るプラスミドベクターがこれらの宿主に関連して用いられる。このベクターは、
通常、トランスフォームされた細胞に表現型選択を付与することが可能なマーキ
ング配列の他に、複製部位を担持する。例えば、大腸菌(E.coli)は、典型的
には、大腸菌(E.coli)種から誘導されるプラスミドであるpBR322の多
くの誘導体のうちの1つを用いてトランスフ
ォームされる(Bolivarら、Gene 2;95(1977))。pBR
322は、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を有しており、それ
故に、トランスフォームされた細胞を同定するための手軽な手段を提供する。ま
た、pBR322プラスミド、その子孫又は他の微生物プラスミドは、組換えタ
ンパク質の発現にその微生物が用いることが可能なプロモーターを含んでいても
よく、含むように変性されていてもよい。組換えDNA構築体に通常用いられる
これらのプロモーターには、ラクトースプロモーター系(Changら、Nat
ure 275:615(1978);Itakuraら、Science 1
98:1056(1978);Goedellら、Nature 281:54
4(1979))及びトリプトファン(trp)プロモーター系(Goedel
lら、Nuc.Acids Res. 8:4057(1980))及びEP−
A−0 036 776が含まれる。これらが最も一般的に用いられるのである
が、他の微生物プロモーターも発見、利用されており、それらのヌクレオチド配
列に関する詳細が公開され、熟練研究者がプラスミドベクター中でそれらを機能
的に結合することが可能となっている(Siebenlistら、Cell 2
0:269(1980))。
原核細胞に加えて、酵母培養物のような真核微生物も用いることができる。多
くの他の株を普通に利用するこ
とが可能ではあるが、サッカロミセスセレビシアエ(Saccharomyces Cerebisiae
)、すなわち普通のパン酵母が、真核微生物の中でも最も一般的に用いられてい
る。サッカラオミセス(Saccharomyces)の発現に対しては、例えばプラスミド
YRp7(Stinchcombら、Nature 282:39(1979)
;Kingsmanら、Gene 7:141(1979);Tschempe
rら、Gene 19:157(1980))が通常用いられる。このプラスミ
ドは、トリプトファン中で成長する能力を欠く酵母の変異株、例えばATCC
No.44076もしくはPEP4−1(Jones,Genetics 8:
85:12(1977))に選別マーカーを付与するtrpl遺伝子を既に含ん
でいる。酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrpl損傷の存在は、トリプトフ
ァン非存在下での成長によってトランスフォーメーションを検出するのに効果的
な環境を提供する。
酵母ベクターにおける適切なプロモーター配列には、3−ホスホグリセレート
キナーゼ又は、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスホフェートデヒドロ
ゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキ
ナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレート
ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセホスフェートイソメラーゼ、ホスホグ
ルコースイソメラーゼ及びグルコキナーゼのよ
うな他の解糖系酵素(Hessら、J.Adv.Enzyme Reg,7:1
49(1968);Hollandら、Biochemistry 17:49
00(1978))が含まれる。適切な発現プラスミドの構築において、これら
の遺伝子に関連する終止配列を発現ベクター中で発現させようとする配列の3′
に結合し、mRNAのポリアデニル化及び終止を与える。成長状態によって転写
が制御されるというさらなる利点を有する他のプロモーターは、アルコールデヒ
ドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝及び前述
のグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼに関連する減成酵素
、マルトース及びガラクトース利用に応答する酵素のプロモーター領域である。
酵母適合性プロモーター、複製の起点及び終止配列を有するあらゆるプラスミド
ベタターが適している。
微生物に加えて、多細胞生物から誘導される細胞の培養物も宿主として用いる
ことができる。脊椎動物由来であろうと、非脊椎動物由来であろうと、原理的に
は、いかなる細胞培養物も加工可能である。しかしながら、現在のところ、脊椎
動物細胞に対する関心が最も高く、培養(組織培養)での脊椎動物細胞の増殖は
、近年、型通りの手順となっている(KruseおよびPatterson、,
Tissue Culture,Academic Press(1973))
。有用な宿主細胞系の例は、VERO、HeLa、チャイニーズ・ハムスタ
ー卵巣(CHO)、W138、BHK、COS−7、MDCK並びにミエローマ
及びgsミエローマ(セルテック(Celltech)社、Slough,U.K.より
入手可能)細胞系である。このような細胞の発現ベクターは、発現させようとす
る遺伝子の前に位置するプロモーターの他に(必要であれば)適正な複製の起点
を、必要なリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位及
び転写終止配列と共に含んでいてもよい。
哺乳動物細胞における使用では、発現ベクターに対する制御機能はしばしばウ
イルス性の物質によって与えられる。例えば、通常用いられるプロモーターは、
ヒトのサイトメガロウイルス(HCMV)、ポリオーマウイルス、アデノウイル
ス2及び、最も頻繁にはシミアンウイルス40(SV40)から誘導される。S
V40の早期及び後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製起点をも含む断
片としてこの両者がウイルスから容易に得られることから、特に有用である(F
iersら、Nature 273:113(1978))。さらに、所望の遺
伝子配列に通常関連するプロモーターまたは制御配列を、そのような制御配列が
宿主細胞系に適合するという条件の下で利用することも可能であり、これはしば
しば望ましいものである。
複製の起点は、SV40又は他のウイルス性(例えば、ポリオーマウイルス、
アデノウイルス、VSVもしくはBPV)ソースから誘導することができるよう
な外来の
起点を含むようにベクターを構築することにより、あるいは宿主細胞の染色体複
製機構のいずれかにより与えられる。ベクターを宿主細胞染色体に組込む場合に
は、後者で十分なことが多い。
関心のあるDNAセグメント(例えば、重鎖及び軽鎖をコードする配列及び発
現制御配列)を含むベクターは公知の方法によって宿主細胞に移入することがで
き、これらの方法は細胞性宿主のタイプによって変わる。例えば、原核細胞には
塩化カルシウムトランスフェクションが、通常利用される他の細胞性宿主にはリ
ン酸カルシウム処理、リポフェクション(lipofection)又はエレクトロポレー
ション(electroporation)が用いられる(Maniatisら、Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual,2版,C
old Spring Harbor Press(1990))。
一度発現すれば、本発明の構築体は、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティカ
ラム、カラムクロマトグラフィー及びゲル電気泳動を含む当該技術分野における
標準手段で精製することができる(Scopes、Protein Purif
ication,Springer Verlag,NY(1982))。発現
した構築体の結合親和性は、本明細書の実施例部分により十分に例示されるよう
に、当該技術分野において周知の技術により確認することができる。
医薬用途には、少なくとも均一性が90ないし95%の実質的に純粋なCDR
グラフト化抗体又はそれらの結合タンパク質が好ましく、98ないし99%以上
の均一性が最も好ましい。部分的に、もしくは所望の均一性に一度精製されれば
、そのCDRグラフト化抗体を診断もしくは治療(体外を含む)、又はアッセイ
方法の開発及び実施、免疫蛍光染色等に用いることができる(Lefkovit
eおよびPernis、Immunological Methods,Vol
umes IおよびII,Academic Press,NY(1979およ
び1981))。
本発明のCDRグラフト化抗体又はそれらの結合タンパク質は、典型的には、
T細胞介在疾患の治療にその用途が見出される。例えば、治療に適する典型的な
状態には、I型糖尿病、多発性硬化症、リューマチ様関節炎、全身性エリテマト
ーデス、クローン病及び重症筋無力症のような自己免疫疾患が含まれる。
本発明のT細胞抗体の治療への使用は、特定の免疫関連疾患と、特定のT細胞
抗原受容体V領域遺伝子産生物の発現又は特定のT細胞抗原受容体V遺伝子の拡
張使用との相関を前提としている。T細胞抗原受容体V領域は、T細胞抗原受容
体を用いる特定の治療介入により個人の免疫応答を調節することが可能であるた
め、部分的には有用である。特に、特定の可変領域遺伝子座の存在及び発現が特
定の免疫関連疾患と相関することが示されてい
る。特定の免疫疾患に関連する特定のV領域遺伝子座を決定することにより、特
定のV領域を担持するT細胞による攻撃を阻害することで個人を治療することが
可能である。
本発明において、治療という用語は、疾患の“予防”、“抑制”又は“処置”
を含むことを意味する。“予防”には、疾患の誘発以前に、保護組成物を投与す
ることが含まれる。したがって、例えば、動物モデル、EAEにおいて、疾患を
引き起こす脳炎惹起物質を注射する前に保護組成物を成功裡に投与することは、
結果として疾患の“予防”となる。
“抑制”には、疾患の誘発の後ではあるが臨床的な発症以前に組成物を投与す
ることが含まれる。再びEAEの例を用いると、脳炎惹起物質の注射後ではある
が、神経学的症状の出現以前に保護組成物を成功裡に投与することには、疾患の
“抑制”が含まれる。
“処置”には、疾患の発症後に保護組成物を投与することが含まれる。EAE
の例のおいては、脳炎惹起物質を注射した後であって臨床的な兆候が出現した後
に保護組成物を成功裡に投与することには、疾患の“処置”が含まれる。
疾患の予防または処置における抗体又はそれらの結合タンパク質の有効性のス
クリーニングに用いることができる動物モデル系が利用可能である。全身性エリ
テマトーデス(SLE)は、Knightら、J.Exp.M
ed.147:1653(1978)及びReinerstenら、New E
ng.J.Med. 299:515(1978)に開示される感受性マウスに
おいて試験する。重症筋無力症(MG)は、Lindstromら、Adv.I
mmunol.42:233−284(1988)に記述されるように、他種に
由来する可溶性AChRタンパク質で疾患を誘発することによりSJL/J雌マ
ウスにおいて試験する。関節炎は、Stuartら、Ann.Rev.Immu
nol.42:233−284(1984)に記述されるように、II型コラー
ゲンの注射に感受性系統のマウスに誘発させる。アジュバント関節炎は、Van
Edenら、Nature 331:171−173(1988)に記述され
るように、ミコバクテリア熱ショックタンパク質を注射することにより感受性ラ
ットに誘発させる。甲状腺炎は、Maronら、J.Exp.Med 152:
1115−1120(1980)に記述されるように、チログロブリンを投与す
ることによりマウスに誘発させる。インシュリン依存性糖尿病(IDDM)は自
然に発生するか、もしくはKanasawaら、Diabetologia 2
7:113(1984)に記述されるもののような特定の系統のマウスに誘発さ
せることができる。マウス及びラットにおけるEAEは、ヒトにおけるMSのモ
デルとして役立つ。このモデルにおいて、Paterson,Textbook
of Immunopath
ology(Mischerら編、)Grune and Stratton,
New York,pp179−213(1986);McFarlinら、S
cience 179:478−480(1973);及びSatohら、J.
Immunol.138:179−184(1987)に記述されるように、ミ
エリン塩基性タンパク質を投与することにより脱髄疾患が誘発される。
本発明のCDRグラフト化抗体又は結合タンパク質は、他の抗体、特に疾患に
応答し得るヒト細胞上の他のマーカーに反応するmAb、と組み合わせて用いる
こともできる。例えば、適切なT細胞マーカーには、第1回国際白血球分化ワー
クショップ(First International Leukocyte Differentiation Workshop)によ
って命名された、いわゆる“分化のクラスター”に集められるものを含めること
ができる(Bernhardら、 Leukocyte Typing,Spr
inger Verlag,NY(1984))。
一般に、このCDRグラフト化抗体又は結合タンパク質は、精製された形態で
、薬理学的に許容し得る担体と共に利用される。典型的には、これらの担体には
、生理食塩水及び緩衝媒体を含む、水性もしくはアルコール性/水性溶液、エマ
ルジョンまたは懸濁液が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、
リンゲル・デキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム並びに
乳酸加リンゲル液が含まれる。複合体を懸濁液中に保持する必要があるならば、
適切な生理学的に許容し得るアジュバントを、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ゼラチン及びアルギン酸塩のような増粘剤から選択するこ
とができる。
静脈内ビヒクルには、リンゲル・デキストロースに基づくもののような体液及
び栄養素補液及び電解質補液が含まれる。防腐剤及び他の添加物、例えば、抗微
生物剤、酸化防止剤、キレート剤及び不活性ガスが存在していてもよい(Mac
k、Remington’s Pharmaceutical Science
,16版(1982))。
本発明の構築物は、分割して投与される組成物として、又は他の薬剤と共に用
いることができる。これらには、シクロスポリン、メトトレキセート、アドリア
マイシンもしくはシスプラチンのような免疫療法薬、及び免疫毒素が含まれ得る
。医薬組成物には、本発明のCDRグラフト化抗体又はそれらの結合タンパク質
と様々な細胞毒性剤もしくは他の薬剤との“カクテル”を含み、本発明による構
築物と、異なる特異性を有するCDRグラフト化抗体との組合せさえも含んでい
る。
本発明による医薬組成物の投与経路は、当該技術分野における熟練者に一般に
周知のあらゆるものであり得る。限定免疫療法(limitation immunotherapy)を
用いないものを含む治療については、本発明のCDRグラフト化
抗体又はそれらの結合タンパク質は、標準技術に従って、あらゆる患者に投与す
ることができる。この投与は、非経口、静脈内、筋肉内、腹腔内を含むあらゆる
適切な方式によるものであっても、あるいは適切にカテーテルを用いる直接輸液
によるものであってもよい。投与の用量及び頻度は、患者の年齢、性別及び状態
、他の薬物の同時投与、逆徴候(counter indication)及び臨床医によって考慮
される他のパラメーターに依存する。
本発明の構築物は、保存のために凍結乾燥し、使用前に適切な担体中で戻すこ
とができる。この技術は従来の免疫グロブリンで有効であることが示されており
、当該技術分野において周知の凍結乾燥及び戻しの技術を用いることができる。
凍結乾燥及び戻しが様々な程度の抗体活性の損失(例えば、従来の免疫グロブリ
ンでは、IgM抗体はIgG抗体よりも活性損失が大きい傾向にある)に繋がり
、使用レベルを調整して補う必要があり得ることは、当該技術分野における熟練
者には明らかである。
本発明のCDRグラフト化抗体又はそれらのカクテルを含む組成物を、予防及
び/又は治療処置のために投与することができる。特定の治療用途においては、
選択された細胞の集団の少なくとも部分的な阻害、抑制、転形(modulation)、
殺傷、もしくは他の測定可能なパラメータを達成するに十分な量を、“治療上有
効な用量”と定義する。この用量を達成するために必要な量は、疾患の重篤性及
び患者自身の免疫系の一般的な状態に依存す
るが、一般に、体重kg当りCDRグラフト化抗体又は結合タンパク質0.00
5ないし5.0mgの範囲をとり、0.05ないし2.0mg/kg/投与の投
与量がより一般に用いられる。予防用途に対しても、本発明の構築物及びそれら
のカクテルを含有する組成物を、同様の、もしくは僅かに低い投与量で投与する
ことができる。
本発明による構築物を含有する組成物は、哺乳動物における選択T細胞標的集
団の変更、不活性化、殺傷または除去を助成する予防及び治療環境において利用
することができる。
別の態様においては、ここに記述される構築物が、細胞の不均質な集合から標
的細胞集団を生体外もしくはイン・ビトロで選択的に殺傷し、枯渇させ、又は他
の方法で効果的に除去するために用いられ得る。哺乳動物に由来する血液を生体
外でCDRグラフト化抗体又はそれらの結合タンパタ質と一緒にし、それにより
望まざる細胞を殺傷し、又は他の方法で血液から除去し、標準技術により哺乳動
物に戻してやることができる。
治療上の使用に加えて、この構築物には他の用途が見出される。態様の1つに
おいては、本発明の抗体又は結合タンパク質は研究調査において有用である。本
発明のT細胞受容体結合タンパク質または抗体は、T細胞受容体に関する構造的
及び機能的研究にも有用である。特定の形態のT細胞受容体の基質もしくは結合
ドメインとして役立つことに加えて、これらの抗体構築物は、T細胞
受容体の様々な部分の本来の配置を概算するための立体配座研究の調査の道具と
して役立ち得る。さらに別の態様においては、T細胞抗体又はそれらの結合タン
パク質を診断プローブとして用いることができる。特定の態様の1つにおいては
、本発明の構築物を、生物学的試料中の特定のT細胞V領域サブファミリーの量
もしくはその存在について決定するのに用いることができる。そのようなアッセ
イの1つが、Rittershaus−“全白血球表面抗原を用いる治療及び診
断方法”と題する1992年5月26日発行のWO92/08981に記述され
ている。同様に、本発明は、生物学的試料中のT細胞抗原受容体の特定のサブセ
ットの検出に基づく、MSのような免疫関連疾患の診断方法を提供する。
CDRグラフト化抗体又はそれらの結合タンパク質は、当該技術分野において
周知の技術に従って、標識することができる。この構築物は、他のインビボおけ
る用途にも適している。例えば、標的Tリンパ細胞のみを排除することが望まれ
る末梢血液細胞の選択的な細胞処理、又は、同様に、細胞培養物における望まざ
るTリンパ細胞の排除に用いることができる。
以下の例は、本発明の特定の側面をより詳細に記述することを意図するもので
あるが、限定的に考えられるものではない。
実施例1
TM27−作業の概要
1.BALB/cマウスをT細胞白血病細胞株HPB−Allで(腹腔内投与1
回、静脈内投与2回)免疫した。
2.このマウスから脾臓細胞を採取し、不死化マウス骨髄腫細胞株P3X53A
G8.653と融合した。
3.HAT培地中にて適正なクローンを選択した。
4.適正に結合した被選択クローンのスクリーニングは、放射活性物質で標識し
たHPB−ALLを免疫沈降法にかけることにより行った。
5.限界希釈法にてサブクローニングを行った。
6.特異性については、PBL刺激法およびCD3モジュレーション(modulati
on)法の研究によってチェックした。
7.適正な抗体を産生しているハイブリドーマを4H11と命名した。
8.このクローンからRNAを入手し、mRNAを単離した。このmRNAに対
するcDNAを調製した。
9.cDNAの塩基配列を行い、精度を確認した。
10.単離したcDNA(HおよびK)をM13ベクター中でクローニングした
。
11.実施例2に例示したように、選択したヒト・フレームワーク領域を、突然
変異によって導入した。
12.ヒト化抗体(各−1mg)を、予備評価のためNSO突然変異体(トラン
スフェクト体)から精製した。
異なる5種類のTM27を作成した。
TM27L:重鎖の48番の部位にロイシンを導入。
TM27I:重鎖の48番の部位にイソロイシンを導入。
TM27.1:KSをVF(78−79)に変更。
TM27.2:VTML/TをLSIS/N(66−69/73)に変更。
TM27.3:VをR(92)に変更。実験の詳細な説明 要約
このプロジェクトの狙いは、マウスの抗−ヒトTCR(T細胞受容体)Vβ
5.2/5.3モノクローナル抗体(TM23)をヒト化し、適正なプロセス開
発に向けて抗体発現細胞株を得ることにある。ヒト化抗−TCR Vβ5.2/
5.3モノクローナル抗体はTM27である。マウス抗体
4H11ハイブリドーマは、マウス骨髄腫細胞株P3X63AG8.653を
、T細胞白血病細胞株HPB−ALLで免疫したBalb/cマウスから採取し
た脾臓細胞と融合させることによって得た。このハイブリドーマは、ヒトT細胞
受容体(TCR)Vβ5.2および5.3に特異的なモノクローナル抗体TM2
3を発現する。イソタイプはIgG2a/κである。ヒト化
TM23の重鎖および軽鎖をコードしているcDNAを、マウスのIgG2a
およびκに特異的な3’末端プライマーを用いて構成された4H11cDNAラ
イブラリーから単離した。単離されたcDNAクローンを、DNAの配列決定お
よび内部アミノ酸配列決定によって確認した。重鎖および軽鎖のCDR(相補性
決定領域)を、マウスのフレームワーク配列の保存されたアライメントに従って
同定した。L,V,(D),J(L:リーダー、V:可変部、D:多様性、J:
連結)DNA断片を、PCR法によって単離し、CHO細胞発現ベクターpTC
SLCκDHFRおよびpTCSLCg1NeOAp中でクローニングする。二
つのベクターは、マウスV/ヒトCキメラ抗体の発現のため、それぞれヒトκお
よびIgG1定常領域のcDNAを保持している。
cDNAクローンから演繹したアミノ酸配列の比較に基づき、TM23重鎖は
カバット(Kabat)サブグループIBに属することが分かった。Vκ配列は、カ
バットVκVに属することが分かった。よって、ヒトのNEWMおよびREIフ
レームワークを、重鎖および軽鎖のヒト化にそれぞれ選択した。再編成したV(
D)J断片(5’Vおよび3’Vを除いて)を、ゲノム配置のリーダー配列およ
びイントロン配列を保持しているM13ベクターでクローニングし、完全なゲノ
ムL−V(D)J
構築体を得た。骨髄腫の発現
CDRグラフト化(D)J領域を突然変異によって構築した後、ヒトκおよび
IgG1の定常領域をそれぞれ保持しているDNAクローンを骨髄腫発現ベクタ
ーでクローニングした。さまざまな突然変異を起こした5種類のヒト化重鎖を構
築した。これら5つの重鎖各々を、ヒト化軽鎖とともにNSO骨髄腫細胞系へコ
トランスフェクトした。拡張したヒトIgG1/κ陽性トランスフェクト体の培
養上清から、評価用にヒト化抗体を精製した。得られた結果は、さほど良好でな
かった場合でもTM27Lは最小量のアミノ酸配列を伴い、その他のヒト化バー
ジョン体と同様に、Vβ5.3T細胞が染色されていた。よって、以後の開発用
にTM27Lを選択し、TM27と命名した。CHO細胞の発現
前述のように、TM27の重鎖および軽鎖のリーダーおよびV領域を、CHO
細胞発現システム、pTCSLCg1NeOAP(重鎖)およびpTCSLCκ
DHFR(軽鎖)中でcDNA配置をクローニングするため、PCR法によって
骨髄腫の構築体から単離した。CHO細胞トランスフェクト体を選択し、ヒトの
IgG1/κ陽性細胞をクローニングした。一番高かったもの、TM
27L−662−35を、セルバンク用および小規模のヒト化Ab調製のために
拡張した。TM27抗体を発現しているCHOは、プロジェクト全体を通して特
徴付けられており、骨髄腫細胞系および親株のTM23とほぼ同等であった。同
時に、CHO細胞クローンを増幅させ、クローニングして、抗体発現を増大させ
て、生産性の向上にとってこの細胞株が適正であることを示した。詳細な説明
HPB−ALLによるBALB/cマウスの免疫
ミカエル ブレナー(Michael Brenner)博士(ハーバード医学校)から譲渡
されたヒトT細胞白血病HPB−ALL細胞(3×107)から得たβF1(抗
ヒトβ鎖T細胞受容体の定常領域に対するモノクローナル抗体)免疫沈降物を、
完全フロイントアジュバントと混合し、BALB/cマウスに腹腔内投与(i.
p.)した。5週間後、マウスを3日連続して生理的食塩水中の3×107個の
細胞で、1回目は腹腔内投与、2、3回目は静脈内投与(i.v.)より追加免
役した。
脾臓細胞とP3X63AG8.653との融合
最終のi.v.による追加免疫から3日後、確立された技術を使用して融合を
行った。5倍過剰の脾臓細胞を、50%ポリエチレングリコール1500(BD
H、Dorset,英国)を使用してP3X63Ag8.653
細胞(マウス骨髄腫、BALB/cマウス由来のIg非分泌細胞株、ATCC
CRL 1580)と融合した。
融合細胞におけるHAT選択
フィーダーとして1ウェルあたり2×105BALB/Cの胸腺細胞を播いた
96ウェルのプレートに融合細胞を播種し、15%FBS(ウシ胎仔血清)とH
AT(ヒポキサンチン6mM、アミノプテリン50mM、およびチミジン2mM
)を含有するPRMI−1640培地にて選択した。細胞を5%CO2含む加湿
した空気で37℃にてインキュベートした。
ハイブリドーマのスクリーニング
13−14日後、成長した細胞を含有するウエルをELISA法および125I
−放射性物質で標識したHPB−ALL細胞の免疫沈降法とを用いてスクリーニ
ングした。免疫沈降法の条件において、CD3分子がTCRα鎖およびβ鎖から
解離した。以後のクローニング用に、HPB−ALL細胞と反応したハイブリド
ーマをT−75フラスコ中で拡張した。
関心のあるハイブリドーマのクローニング
HPB−ALL TCAR(T細胞抗原受容体)に対して特異性を示すハイ
ブリドーマを、限界希釈法によってクローニングした。細胞密度を2〜0.01
5細胞
/ウェルの範囲となるよう、連続する2倍希釈法によって96ウエルプレート上
で細胞をプレートアウト(plate out)した。最高の産生能を有する生育の最良
なコロニーを、前述の過程を2回反復して選択した。さらに2回の選択を行った
後、最終コロニーの一つ4H11を同定した。4H11クローンによって発現さ
れるmAbは、β F1 mAbで沈殿するTCRα鎖およびβ鎖であると同定
される分子を免疫沈降し、TCR βの定常領域と反応していた。結果からは、
このmAbが、HPB−ALL T細胞上で発現するTCR β鎖に対して特異
性を有したことが示唆された。この抗体を、便宜上TM23と名付けた。
ハイブリドーマ4H11、TM23由来モノクローナル抗体の定性
市販のキット(Zymed,South San Francisco,CA
)を使ってTM23のイソタイプを調べた。その結果、これがマウスIgG2a
/κイソタイプであることが示めされた。
TM23 mAbの抗−TCR反応性を確認するため、HPB−ALL細胞の
表面由来のCD3分子をコモジュレート(comodulate)する能力についてスクリ
ーニングを実施した。過去の実験から、細胞を抗−mAbで前もってインキュベ
ートした場合、TCRのα鎖またはβ鎖のいずれかに対するmAbが細胞表面に
おけるCD3を
コモジュレートすることが示唆されている。HPB−ALL細胞をTM23と共
に前もってインキュベートした場合、未処理細胞に認められたLeu−4反応性
と比較て、抗−CD3 mAb Leu−4の反応性が有意に低下していた。
正常のヒトPBL(末梢血リンパ球)を、TM23との反応性試験に使用した
。試験対象としたPBL T細胞の1.6−3.0%がTM23と反応した。こ
の結果は、特異的V領域の決定基と反応することが知られているその他のmAb
について得られている結果と同じである。
TM23が、ヒトVβ5.2および5.3サブファミリー(Boylston
ら、J.Immunol.137:741(1986))と反応するmAbであ
る1C1として、同一のエピトープに結合するか否かを決めるため、一つのmA
bが別のmAbの結合を阻害する能力を有するかについて検討した。まず、TM
23とHPB−ALL細胞を共にインキュベートしたところ、蛍光色素を結合し
た1C1の結合が阻害された。また、最初に細胞を1C1と共にインキュベート
した場合にも、TM23への結合が阻害された。この結果から、TM23と1C
1とが同一または近接したエピトープに結合することが示唆されている。
TM23と1C1とが類似の反応性を呈するかについて詳細に検討するために
、別のmAbで刺激することに
よりPBL細胞株を複数誘導した。各々の細胞株について、各々のmAbとの反
応性を検討した。TM23で刺激することによってPBL細胞株を確立した場合
、1C1および4H11は共に類似したパーセントの細胞と反応した。1C1で
刺激したPBL細胞株についても同様の結果を得た。
4H11培養細胞の生育
4H11クローンTM23.1 7−31−91をDMEM/F12培地(1
:1)に1%ウシ胎仔血清、100μ/mlペニシリン、100μ/mlストレ
プトマイシンおよび12.5mMグルタミンを添加した培地中で生育し、拡張し
た。
TM23の重鎖および軽鎖をコードするcDNAの調製
約108の4H11細胞を遠心分離によって単離し、氷冷PBSで1回洗浄し
た。総RNA量は、Promega RNAgents Total RNA単
離キット(Promega,Cat♯ Z5110)を使用して調製した。ポリ
(A)+RNAは、Promega PolyATract mRNA 単離シ
ステム(Promega Cat Z5200)を用いて調製した。マウスのI
gG2aおよびκ特異性cDNAライブラリーは、BRL SuperScri
ptキット(BRL Cat #82Y8SA)とIgG2aプライマー
5’ATATGCGGCCGCTCATTTACCCGGAGTCCGGGAG
AAGCTCTTAGT 3’
およびκプライマー
5’ATATGCGGCCGCTTAACACTCATTCCTGTTGAAG
CTCTTGACAAT 3’
を使用して調製した。
二つのプライマーは、制限酵素XhoIの切断部位と、マウスIgG2aお
よびκコード領域の3’末端部に相補的な配列とをそれぞれ含む。cDNAを、
キット中に含まれているプラスミドpSPORT中でクローニングし、受容能を
有する大腸菌(E.coli)DH5α細胞中へエレクトロポレーションによってトラ
ンスフォームした。正しいサイズの挿入部分を保持しているプラスミドクローン
を、塩基配列決定のために選択した。
TM23の重鎖および軽鎖をコードするcDNAクローンの同定
正しいサイズの挿入部分を有するミニプレップ(mini-prep)プラスミドDN
A(軽鎖クローン番号#1、6、19、20、25および26、重鎖クローン番
号#4、9、11、15、22および34)を、DNA挿入部分
に対しT7プライマー5’部を有するシーケンス用キット(USB Cat#
70770)を使用して、二重鎖DNAシーケンスにかけた。軽鎖クローン番号
#6、20および25、ならびに重鎖クローン番号#34の配列は、マウスのI
gクローンであること示していた。軽鎖クローン#6、20および25は同一の
塩基配列を有し、#6には点突然変異が一カ所存在し、機能しないクローンであ
った。クローン#20および34を、κ
5’GACATTGATGTCTTTGGGGTAGAAGTTGTT 3’
およびIgG2a
5’GGTCACTGGCTCAGGGAAATAACCCTTGAC 3’
なる定常領域特異的プライマーを使って塩基配列決定を行った。結果からは再度
、#6のクローンが機能しないクローンであることと、#20および34Gがそ
れぞれ軽鎖、重鎖の正しいクローンであることが分かった。この二つのクローン
から演繹したcDNAとアミノ酸配列を図1に示す。
N−末端部のブロッキングによるミクロアミノ酸配列を、ポリアクリルアミド
ゲルから単離したCNBr開裂
ペプチド断片から配列決定した。この過程で得られた内部V領域のアミノ酸配列
は、cDNA配列から演繹したアミノ酸配列と一致していた。この結果より、c
DNA単離されたクローンはTM23の重鎖と軽鎖をコードするクローンである
ことが確認された。
重鎖および系鎖のCDRは、KabatとWu(上掲)の方法に従って同定し
、図1においてハイライトおよび下線をつけた。
H鎖およびL鎖のV領域DNAのPCR法を用いた単離、およびDNA塩基配列
の決定
キメラTM23抗体の産生
マウスのVH DNAおよびNK DNAの単離
TM23の重鎖および軽鎖可変領域を発現ベクターへ挿入のため調製した。T
M23マウスVHをコードするDNA配列を、TM23MuVH.MuIgG2
aからオリゴヌクレオチド・プライマーVH1BACK
5’AGGTSMARCTGCAGSAGTCWGG 3’
および、VH1FOR
5’TGAGGAGACGGTGACGTGGTCCCTTGGCCCCAG
3’
を使用するPCR法によって増幅した。VH1BACKは制限酵素PstIによ
る切断部位を、およびVH1FORは同様に制限酵素BstEIIによる切断部
位を含有している。MはCまたはA、SはCまたはG、RはAまたはG、WはA
またはTを表す。従って、以上の切断部位は、TM23VH DNAの5’末端
および3’末端部へそれぞれ導入される。増幅されたDNAをpstIおよびB
stEIIで切断し、同一酵素で切断したベクターM13 VHPCR1の二重
鎖複製(RF)型DNAのPstIおよびBstEII切断部位に結合する。
M13 VHPCR1は、M13−HuVHNP(Jonesら、Natur
e 321:522−525(1986))から誘導したM13ファージベクタ
ーであり、免疫グロブリン・プロモーター、シグナル配列および適正なスプライ
シング部位を含んでいる(Orlandiら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 86:3833−3837(1989))。
結合されたDNAを、受容能のある大腸菌(E.coli)TG1株(K12、△(
lac−pro)、supE、thi、hsd D5[F’ tra D36、
proA+B+、lacO4,lacZ M15])にトランスフォームした。得ら
れた組み換えファージ・プラークから、一本鎖DNAを調製した。
TM23マウスVKをコードするDNA配列を、TM23MuVK.MuCK
からPCR法により、オリゴヌクレオチド・プライマーVK1BACK
5’ GACATCCAGCTGACCCAGTCTCCA 3’
と、VK1FOR
5’ GTTAGATCTCCAGCTTGGTCCC 3’
を用いて増幅した。VK1BACKは制限酵素PvuIIの切断部位を含む。V
K1FORは、DCR3中のHindIII切断部位で除去されるように設計さ
れた2つの重複する内部プライマーと結合したBglII切断部位を含んでおり
、2つの内部プライマーは、
オリゴ943
5’ CCGAGGAAGTTTACTATACTG 3’
オリゴ944
5’ CAGTATAGTAAACTTCCTCGG 3’
である(Hortonら、(1990))。PvuIIおよびBblII部位を
、このようにしてTM23のVK DNAの5’および3’末端へ導入した。増
幅されたこのDNAをPvuIIとBglIIで消化し、PvuIIおよびBc
IIで切断したM13 VKPCR1に結合した。酵素BglIIおよびBcl
IはDNAを切断して、たがいに結合可能な適合付着末端を作り出す。
M13VKPCR1はM13 VHPCR1と同一のプロモーター、シグナル
配列、およびスプライシング部位を有する(Orlandiら、(1989))
。
結合されたDNAを、大腸菌(E.colil)TG1にトランスフォームし、組み
換えファージ・プラークより調製された一本鎖DNAを得た。
VHについては359塩基対(bp)、VKについては288bpの正確なサ
イズのPCR産物を得た。VH DNAをベクターM13VHPCR1に挿入し
てM13 TM23MuVHを得た。VK DNAをベクターM13VKPCR
1に挿入してM13 TM23MuVKを得た。DNA配列の確認
PCRによって正確なDNA配列がクローニングされ、
重大な突然変異は生じていないことが確認された。プロモーター、シグナル配列
、スプライシング部位および翻訳されない5’末端部配列および3’末端部配列
を含有する全体で823塩基対(bp)のVH領域を有する、一本鎖M13ファ
ージDNA配列を、T7 DNAポリメラーゼまたはシークエナーゼを使用して
ジデオキシ法(Sangerら、1977)によって得た。
シグナル配列、スプライシング部位および翻訳されない5’末端部配列および
3’末端部配列を含有する全体で630塩基対(bp)のVK領域を有する一本
鎖M13ファージDNA配列を、前述のごとくジデオキシ法によって得た。
発現ベクター中への挿入に適応したTM23の所望配列を有するDNAクロー
ンを同定した。これらクローンの一つである#2を、詳細な研究用に選択した。
VHを発現ベクターに挿入するために必要な、必須制限部位を導入した結果、N
−末端部において1個のアミノ酸、5の位置のリジン(K)が、グルタミン(G
)に変更され、C−末端部において、108の位置でセリン(S)がスレオニン
(T)に変更されていた。
発現ベクター中への挿入に適応したTM23 VKの所望配列を有するDNA
クローンを同定した。これらのクローンの一つである#4を、詳細な検討のため
に選択した。CDR3のアミノ酸配列は、HindIII切断部位を除去しても
変化しなかったが、VKを発現ベクタ
ーに挿入するために必要な必須制限部位を導入した結果、N−末端部で3つのア
ミノ酸が変化していた。すなわち、使用するプライマーによって、4の位置にお
いてメチオニン(M)がロイシン(L)に、7の位置においてスレオニン(T)
がセリン(S)に、8の位置においてスレオニン(T)がプロリン(P)に変化
しており、またC−末端部においては105の位置でバリン(V)がグルタミン
(E)に一カ所変化していた。
V領域DNA断片のM13ベクターでのクローニング
哺乳動物細胞中で抗体を継続的に発現させるために、クローン化されたマウス
可変領域を、ヒト定常領域遺伝子を含有する発現ベクターへ転移させた。
ヒト化用のIg1イソタイプの選択
以下の理由により、ヒトのIgG1イソタイプをTM27用に選択した。
1.IgG1はADCC(抗体依存性細胞障害性)およびCDC(補体依存性細
胞障害性)の両者を媒介する能力を有する。従って、それらは下流を調節してい
るVβ5.2/5.3 T細胞により有効となる。
2.Abのヒト化において、IgG1が頻繁に使用されている。
CDRグラフト化のためのヒトのフレームワーク選択
ヒト化TM23抗体の産生
ヒト化TM23可変領域の配列の設計
TM23 CDRを受容するためのヒトのフレームワーク配列の選択と、ヒト
のフレームワーク中で置換される必須のネズミ残基の決定を行った。コンピュー
タによるTM23VHおよびVKのアミノ酸配列の比較を、別の既知のネズミ抗
体およびヒト抗体のVHおよびVK配列の両者について行った。
ドナスター社(DNASTAR Ltd,London W139BL,英国)から入手したプログラム、
ALLIGNを使用し、Compaq 386プロセッサ上で実行した。AAL
IGNでは、Lipman−Pearson法およびNeedleman−Wu
nsch法を使用して二つのタンパク質配列を整合する。まず、Lipman−
Pearson法によって相同性を示す最良の領域を決定する。それから、Ne
edleman−Wunsch法によって、配列の最終的な整合を行う。
ついで、得られた整合性は、CDRの長さや、たとえば71と94の位置およ
びCDRに近接する残基のようなCDRのコンフォメーションを維持する基準に
なると考えられている残基等の因子に特に注意を払いながら調べられる(Tra
montanoら、(1990);FooteおよびWinter、(1992
))。
カバットのサブグループとの共通配列の比較により、TM23ネズミVHをカ
バットのサブグループVKVに
割り付けた。TM23フレームワーク中には、これらのサブグループに普通にあ
るアミノ酸配列が見あたらない。
ヒト抗体NEWMおよびREIは、それぞれVHおよびVKに対するフレーム
ワーク配列を提供した。VHの場合、CDRに加えて27−30のネズミ残基包
括部と71とを使用した。これらフレームワーク残基は、CDRのコンフォメー
ションを維持する上で重要であると考えられている(FooteおよびWint
er、(1992))。残基71は、かさばった側鎖(リシンまたはアルギニン
)または小さな側鎖(バリンまたはアラニン)が存在するか否かにより、CDR
1とCDR2の相対的配列を固定すると考えられている(Tramontano
ら、(1990)。よって、NEWM VHにおけるバリン71を、TM23
VHではリジンに置換した。超可変領域よりは、残基27−30が、Choth
iaおよびLesk(1987)によって定義された抗原結合ループの構造の一
部を形成する。フレームワーク残基47−49も、抗体の構造にとって重要であ
ると考えられている(FooteおよびWinter、(1992))。よって
、代用となるヒト化重鎖を2つ構築した。一つは、NEWMの48の位置にイソ
ロイシン(I)を入れたもの、もう一つは、48の位置にロイシン(L)を入れ
、ネズミのVHからの47−49残基が保存されているようにした。実施例2に
は、ネズミのVH配列とヒト化したものとを比較して示した。
TM23VKのために選択したヒトREIフレームワークには、変更がなかっ
た。実施例2には、ネズミのVK配列とヒト化したものについての比較を示して
いる。
哺乳動物発現ベクターpTCSNeoの説明
プラスミドpTCSNeoは、独自のXhoIクローニング部位を含み、関心
の対象となった遺伝子がここに挿入されている。挿入された遺伝子の転写は、ア
デノウイルス2主要遅延(major late)プロモーター(Ad2 MLP)の上流
部のSV40エンハンサーから構成される制御配列によって操作される。Ad2
MLP自体は、アデノウイルス3分割式リーダーの上流部に位置している。挿
入された遺伝子は、3’末端においてマウス免疫グロブリンκ(Igκ)からの
ポリアデニル化シグナルと隣接している。哺乳動物における選択は、ネオマイシ
ン耐性遺伝子(Neor)によって与えられる。また、プラスミドは複製のため
の細菌性オリジン部とβ−ラクタマーゼ遺伝子(Ampr)とを提供する。
発現ベクターpTCSLNeoの構築
次の配列を有する2つの相補性オリゴヌクレオチド:
アンチセンス 5’CGACATCGATGATATCGAATTCGCGG
CCGCCAGCTGGGGCCCTCTAGAC 3’
と、センス
5’CGAGTCTAGAGGGCCCCAGCTGGCGGCCGCGAA
TTCGATATCATCGATG 3’
を再アニーリングし、XhoIで消化し、dTで埋めたPTCSNeoに結合し
た。得られた、5’XhoI/XbaI/ApaI/PvuII/NotI/E
coRI/EcoRV/CIaI 3’の配向で多数の制限酵素部位から構成さ
れるポリリンカーを有するプラスミドpTCSLNeoは、発現に関心を抱いて
いる遺伝子を挿入する際に便利である。同様にして、neor遺伝子をほかの選
択用マーカーに変更することもできる。
発現ベクターpTCSLDHFR*の構築
pTCSLNeo中のneor遺伝子を、制限酵素HindIIIとBamH
Iとで消化して除き、プラスミドpSV2−DHFR*(スタンフォード医科大
学生化学科のPaul Berg博士から入手した)のHindIIIとBam
HI消化によって得たネズミ突然変異DHFR*(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)
(DHFR*)遺伝子断片と再結合した。
プラスミドpSV184H−Neo/DNS−VκCκの説明
スタンフォード医科大学のLee Herzenberg博士から入手したプ
ラスミドpSV184△H−Neo/DNS−VκCκ(Thesis of
Jeffery Dangl,48−67ページ参照)は、マウスのVとヒトの
Cの決めら構築体であって、その中にダンシルクロライド(Dansyl Chloride)
特異性ネズミハイブリドーマから分離され再配列されたκ鎖のV−J領域遺伝子
セグメントがヒトゲノムC断片(pSV184△H−Neo−Cκ)と融合され
ている。
PCR法によるヒトκ鎖定常領域の単離
ヒトκ鎖定常領域を含有する未消化プラスミドpSV184ΔH−Neo/D
NS−VκCκ(pSVHuK)を使い、二つのプライマー(一方は正方向、他
方は逆方向)を使ってPCRを実施した。オリゴマー(プライマー)をオペロン
から入手した。PCR試薬は、AmpliTaqとともにGeneAmpDNA
増幅用キットにより入手した(Perkin−Elmer社、Cetus)。P
CR反応は、異なる3段階のMg2+濃度に設定して行った。PCR産物の一部を
1%アガロースゲル上で解析した。Mg2+(濃度1.5mM)の第一サンプルを
、PCR産物として選択した。C領域に隣接しているプライマーは、クローニン
グ目的用の制限酵素認識部位
を含有するよう設計された。よって、増幅されたDNAは(3’末端において)
EcoRIで消化した。5’末端(PvuII)は消化しなかった。消化された
DNA断片を1%アガロースゲルにかけ、300bpのバンドを切り出した。D
NAをゲルから抽出し、その少量を1%アガロースゲル上で解析して定性を行い
、定量した。300bpのバンドは純粋であり、DNAの総量は〜140ngと
推定された。
pBSKS+ベクターでクローニングして配列決定されたヒトκ鎖の定常領域
ヒトκ鎖定常領域のEcoRI消化DNA断片を、SmaIとEcoRIで消
化しておいたベクターpBKS+に、T4 DNAリガーゼを使って挿入した。
結合用混合物を受容能のある大腸菌(E.coli)DH5α細胞にトランスフォーム
する目的で使用した。単一のコロニーを拾い、24の液体培地に播種するために
使用した。培地の各々からDNAを調製した。各々のDNAサンプルをPvuI
I(Cκの5’末端)とEcoRI(Cκの3’末端)で消化し、2%アガロー
スゲルで解析した。低い範囲のバンド(300bp)を分離するのが困難である
ため、DNAサンプルをPvuIIのみで消化した。2%アガロースゲルで解析
後、24のうち19が正確なCκ挿入部位を有していた。T7およびT3プライ
マー(挿入部に隣接するベクター中の配列)を使い、(正確
な19サンプル中)サンプル#1−5を配列決定用に選択した。ほかのシーケン
ス用試薬は、Sequenase Version2.0キット(USB)から
入手した。サンプル#5は、ヒトκ鎖の定常領域に対応する正確な配列を有する
ことが証明された。
pTCSLCκDHFR*となるために哺乳動物発現ベクターpTCSLDHF
R*でクローニングされたヒトκ鎖定常領域
ヒトκ鎖定常領域は、pBS KSベクター(サンプル#5)からPvuII
とEcoRI制限酵素を用いて単離した。しかし、バンドの分離に関して前述の
ような問題があるため、構築体pBS/ヒトCκを使用して2回目の消化を行っ
た。2回目の消化では、EcoRIとXbaI(5’からPvuII認識部位に
位置する)を用い、〜300bpの断片を得た。この断片をゲル精製し、Pvu
IIで消化し、Cκの5’末端にあるベクターの残っている小さな断片を除去し
た。この最終断片をゲル精製し、次いで定性および定量のため1%アガロースゲ
ル上で解析した。CκDNAは、〜280bpの位置に純粋なバンドを有し、総
量は〜135ngと推定した。
発現ベクターのpTCSLDHFR*に3つのEcoRI認識部位が存在する
ため、PvuII認識部位にのみクローニングするのが最良であると決定した。
CκDN
Aを、PvuII−EcoRIの消化によって調製したため、クレノウ断片を使
って(平滑末端を形成するために)EcoRI末端を修復した。修復された平滑
末端を有するCκDNAを、PvuIIで消化し、フォスファターゼ処理された
(ウシ小腸フォスファターゼを用いて)pTCSLDHFR*ベクターへ結合し
た。結合用混合物を使って受容能のある大腸菌(E.coli)DHα細胞をトランス
フォームした。単一コロニーを拾い、24の液体培地へ播種するために使用した
。各々からDNAを調製した。すべてのDNA試料をPvuIIとHindII
Iとで消化し、1%アガロースゲル上で解析した。24サンプル中、5個のサン
プルが正しい方向にCκ挿入部を含んでいた。サンプル#7を実験継続用に使用
した。
突然変異DHFR*遺伝子と野生型DHFR遺伝子との置換
ベクターpTCSLCκDHFR*を、CHO(dhfr)DUX B11細
胞中で発現させるため、DHFR*遺伝子をDHFR遺伝子と置換した。pTC
SLCκDHFR*サンプル#7から抽出したDNAを、pSV2−DHFR(
スタンフォード大学医学部生化学科Paul Berg博士から入手したプラス
ミド)と同様に制限酵素HindIIIとBglIIとで消化し、各々の遺伝子
断片を単離した。解析にあたり、pTCSLCκDHFR*ベクター中に付加さ
れたBglII認識部位が、
ポリA認識部位の一部を除去し、ベクター機能に干渉することがわかった。よっ
て、HindIIIとBamHIを使って反復消化を繰り返して行った。ベクタ
ーの(DHFR*)pTCSLCκ部位をホスファターゼで処理した。次いで、
分離された両者の断片(pTCSLCκとDHFR)をゲル精製し、1%アガロ
ースゲルにて定性および定量のため分析した。両者のバンドは互いに純粋となり
、〜40−50ng/mlの同じような濃度であると推定された。DHFR遺伝
子を、T4 DNAリガーゼを使ってpTCSLCκベクターに結合した。結合
用混合物を使って、受容能のある大腸菌(E.coli)DH5α細胞にトランスフォ
ームした。単一コロニーを拾い、24の液体培地へ播種するために使用した。各
々からDNAを調製した。すべてのDNA試料をHindIIIとBamHIに
よる制限酵素消化によって分析した。24の培養物、23において、DHFR遺
伝子がpTCSLCκベクターへ挿入されていることを示す正確なバンドを得た
。サンプル#22を以後の利用のために選択した。
ヒトのフレームワークによるCDRグラフト化V領域構築体のインビトロでの突
然変異体ヒト化可変遺伝子の構築
ヒト化VH遺伝子を、(これはヒト骨髄腫タンパクNEWMのフレームワーク
領域を伴う合成VH遺伝子から
構成されるものであるが)M13 VHPCR1の鋳型の部位指向性突然変異に
よって構築した。(Jonesら、1986参照)。dut.ung大腸菌(E.
coli)RZ1032株中で生育したM13 VHPCR1から一本鎖鋳型DNA
を調製し、鋳型DNAがチミジンの位置にウラシルを含有するように調製した。
突然変異型オリゴヌクレオチドプライマーを、TM23のCDRとその両端のい
ずれかに、約15bpの完全にマッチする隣接配列とをコードするように合成し
た。TM23 CDR配列が鋳型配列とマッチした場合、より短いオリゴヌクレ
オチドプライマーを使用した。
用いたプライマーは、CDR1
5’ TGGCTGTCTCACCCAGTTTACACCATAGGCGGT
TAATGAGAAGCCAGACACGG 3’
と、CDR2
5’ TGCTGGTGTCCTTTCAGCATTGTCACTCTGGAT
TTGAGAGCTGAATTATAGTCTGTATTTCCATCACCC
CATATCATTCCAAT/GCCACTCAAGACC 3’
と、CDR3
5’ CCAGTAGTCCATAGCATAGAGGGTAGCCGTAAC
CCTATCTCTTGCACAATAATAG 3’
であった。
CDR用のオリゴヌクレオチドプライマーを3’末端で拡張し、27−30の位
置に必要な残基を含有するようにした。オリゴヌクレオチド混合物をCDR2用
に合成し、CDRの3’末端において、VHの48の位置がLまたはIになるよ
うな2つの代用コドンを与えるべく、VHの402番目の塩基にGまたはTがく
るよう拡張した。(各々10pmolの)オリゴヌクレオチドを、総量50μl
中の5ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼにより37℃にて1時間、リン
酸化した。各々の突然変異原性プライマー1pmolと、V遺伝子のM13配列
3’方向プライマーとを、総量20μl中の0.5μgの鋳型と90℃で30秒
アニーリングし、直ちに70℃に冷却して、徐々に37℃に下げた。アニーリン
グされたプライマーを、T7 DNAポリメラーゼとT4 DNAリガーゼを添
加し、室温で一時間インキュベートして拡張し、結合した。ウラシル含有鋳型を
、1ユニットのウラシルDNAグリコシラーゼで37℃で1時間処置して除き、
突然変異鎖の完全なものとした。
このDNAをPCRによって増幅し、次いでアガロー
スゲル電気泳動によって分析し、正しい大きさのDNAが得れれていることを確
認した>
このDNAをHindIIIとBamHIで切断し、M13mp19のHin
dIII、BamHI部位に結合した。
同様に、ヒトのベンス・ジョーンズタンパク質REIのフレームワーク領域を
伴うVK遺伝子のDNA配列を構成するM13ファージ鋳型の突然変異誘発によ
って、再編成したTM23VK遺伝子(TM23 HuVK)を構築した。これ
は、キメラ軽鎖の構成に用いられたM13 NKPCR1から、クローニング除
去に使用した制限酵素PvuIIとBclIIの認識部位により誘導したもので
ある。使用したプライマーは、
CDR1が
5’ TCTGCTTGGTAACCAGTTTAAATAATTGCTAAT
GCCCTGACTTGCACTACAGGTGATGGTC 3’
CDR2が
5’ TCTGCTTGGCACACCTGAGTGTAAACTTGATGT
GTAGTAGATCAGCTT 3’
CDR3が
5’ CCCTTGGCCGAACGTCCGAGGAAGTTTACTATA
CTGCTGGCAGTAGTAG 3’
であった。
予想されるPCR産物のサイズは両方のVHで823bp、VKで620bp
となり、M14mp19のベクターでクローン化した。
ヒト化可変領域のDNA配列の確認
必要なCDRが挿入されたことを確認し、誤った変化もなく正確なヒト化VK
およびVK遺伝子が構成されたことを確認した。完全な可変領域を、T7 DN
Aポリメラーゼまたはシーケナーゼを用いたジデオキシ法によって配列決定した
。得られた配列は、設計された配列と同等であった。2つのVHに対して予想さ
れる配列を与えるクローンを選択した。これらのクローンを、M13 TM23
NMVHとM13 TM23NMVHLと命名した。再形成したVKの予想配列
を提供するクローン#11を選択して、M13 TM23 HuVKと命名した
。
再編成V領域の骨髄腫発現ベクターでのクローン化
(発現ベクターでヒト化TM23可変領域のクローン化)
クローン化されたヒト可変領域を、哺乳動物細胞での抗体の発現のためのヒト
の定常領域遺伝子を含有する発現ベクターへトランスフォームした。2つのヒト
化VH遺伝子を、M13 TM23NMVHと M13 TM23NMVHLか
ら、HindIII−BamHIで断片として単離し、重鎖発現ベクターpSV
hgpt.HuIgG1のHindIIIとBamHI部位の結合した。
同様に、ヒト化VK遺伝子を、M13 TM23HuVKとから、HindI
II−BamHIで断片として単離し、軽鎖発現ベクターpSVhvg.HuC
KのHindIIIとBamHI部位の結合した。制限酵素分析は2つの代替ヒ
ト化VHが正しく重鎖ベクターに挿入され、プラスミドpSVgptTM23N
MVH.ふいgDG1およびpSVgptNMVHL.HuIgG1が得られた
ことを示した。
同様に、ヒト化VKは正しく軽鎖ベクターに挿入され、プラスミドpSVhy
gTM23HuVK.HuCKが得られた。
H鎖とL鎖の構築物のNSO細胞へのコトランスフェクション
ヒト化重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子のコトランスフェクション
ヒト化発現プラスミドを哺乳類細胞株NSOおよびP3−8.653F887
9に転移した。
ヒト化発現プラスミドを、キメラ発現プラスミドの場合と同一の方法を用いて
、NSOおよびP3−8.653F8879へコトランスフェクトした。
二つのヒト化重鎖プラスミドpSVgptTM23NMVH.HuIgG1と
pSVgptNMVHL.HuIgG1、ヒト化軽鎖プラスミドpSVhygT
M23HuVK.HuCKとともにコトランスフェクトし、2つの代替ヒト化抗
体TM23HuVH/HuVKとTM23HuVHL/HuVKを発現する細胞
系を得た。これら発現プラスミドもまた、キメラ発現プラスミドと組み合わせて
コトランスフェクトし、ハイブリッド抗体TM23HuVH/HuVK、TM2
3HuVHL/MuVKとTM23HuVH/HuVHL/HuVKを発現する
細胞系を得た。
これらハイブリッド抗体は、ヒト化抗体中の重鎖または軽鎖のいずれかの結合欠
損の原因を確認するのに重要なツールとなる。
トランスフェクションから14日後、NSO細胞のコロニーが、あらゆる多様
なプラスミドの組み合わせによって目視できた。
P3−88.653F8879細胞の1つのコロニー
が播種したすべてのプレートから得られ、従ってそれらは廃棄された。
ヒトのIgG1/κ陽性クローンの選択ヒトの抗体を賛成する細胞の選択
ヒト化ハイブリッドキメラ/ヒト化抗体を産生するNSO細胞系を分離した。
細胞コロニーを含むウエルから採取した上清サンプルを、ELISA法によりス
クリーニングした。
ウェルの中の培養上清がELISA法で最高値の読みを示した4つのウェル(
D5,D10,C6,E11)からTM23HuVH/HuVK:−NSO細胞
を選択した。D5のウエルには目視できるコロニーが二つ認められ、他のウエル
には1つ認められた。しかし、これらのウエルから産生した細胞系は必ずしもク
ローン化されていない。ウエルから得たこれらの細胞系を培養し、液体窒素中で
TM23HuVH/HuVK D2、D10、C6、E11として凍結した。
ウェルの中の培養上清がELISA法で最高値の読みを示した4つのウェル(
B2,B7,D8,E9)からTM23HuVHL/HuVK:−NSO細胞を
選択した。E9のウエルには目視できるコロニーが二つ認められ、他のウエルに
は1つ認められた。しかし、これらのウエルから産生した細胞系は必ずしもクロ
ーン化されていない。ウエルから得たこれらの細胞系を培養し、液体
窒素中でTM23HuVHL/HuVK B2、B7、D8、E9として凍結し
た。
ウェルの中の培養上清がELISA法で最高値の読みを示した4つのウェル(
D9,E6,F10,G10)からTM23HuVH/MuVK:−NSO細胞
を選択した。F19およびG10のウエルには目視できるコロニーが二つ認めら
れ、他のウエルには1つ認められた。しかし、これらのウエルから産生した細胞
系は必ずしもクローン化されていない。ウエルから得たこれらの細胞系を培養し
、液体窒素中でTM23HuVH/MuVK D9、E6、F10、G10とし
て凍結した。
ウェルの中の培養上清がELISA法で最高値の読みを示した4つのウェル(
B8,C6,D2,D8)からTM23HuVHL/MuVKL:−NSO細胞
を選択した。C6およびD8のウエルには目視できるコロニーが二つ認められ、
他のウエルには1つ認められた。しかし、これらのウエルから産生した細胞系は
必ずしもクローン化されていない。ウエルから得たこれらの細胞系を培養し、液
体窒素中でTM23HuVHL/HuVKB8、C6、D2、D8として凍結し
た。
ウェルの中の培養上清がELISA法で最高値の読みを示した4つのウェル(
B9,G4,G6,G11)からTM23MuVH/HuVK:−NSO細胞を
選択した。すべてのウエルには目視できるコロニーが少なくとも4つ認められた
。しかし、これらのウエルから産生し
た細胞系は必ずしもクローン化されていない。ウエルから得たこれらの細胞系を
培養し、液体窒素中でTM23MuVH/HuVK B9、G4、G6、G11
として凍結した。
CHO細胞の発現に関する第1鎖cDNAの合成細胞質由来RNAの調製
逆転写用にRNAを調製した。液体窒素からNSO TM23 HuVHL/
HuVK細胞の入ったバイアルを取り出し、37℃で急速に解凍した。細胞をダ
ルベッコ・修正イーグル(Dulbeco's Modified Eagle's)培地/ハム(Ham's)
F12培地(DMEM/F12)10mlに抗生物質と5%無ガンマグロブリン
ウシ胎仔血清(GC−free FBS)を添加した培地で漸次希釈した。細胞
を1500rpmで5分間遠心分離して培地を除き、75cm2フラスコ中に新
鮮な培地20mlを添加して細胞を再度懸濁した。この培養液を175cm2フ
ラスコ中で30mlまで拡張した。勢いよく生育する細胞を遠心分離にて回収し
、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄した。細胞質由来RNAを、F
avoloら、(1980)の方法に従って細胞から調製した。総量で350μ
gの細胞質RNAを得た。cDNAの合成
第1鎖cDNAを、VH,VK領域に対して調製した。
第1鎖可変領域のcDNAを5μgRNA、250μMのデオキシヌクレオチド
三リン酸(dNTP)、15ユニットのリボヌクレアーゼ阻害剤(Pharma
cia RNAguard)および25pMのオリゴヌクレオチドプライマーを
含む反応で合成した。このプライマーは、VHに対しオリゴ1109であり、
5’ GGGGAAGACCGATGGGCCCTTGGTGGAGGCTGA
GGAGACGGTGACC 3’
VKに対しオリゴ1095である。
5’ AGATTTCAGCTGCTCATCAGATGGCGGGAAGAT
GAAGACAGATGG 3’
反応は70℃で10分間加熱した後、徐々に37℃へ冷却した。モロネイ(Molo
ney)ネズミ白血病ウイルス逆転写酵素を100ユニット添加し、反応液を37
℃で30分間インキュベートした。
cDNAをPCRによりVHに対し下記のオリゴ1096とともに、上記プライ
マーを用いて増幅した。
オリゴ1096
5’ GCCGCTCGAGCCTCACCATGGG
ATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAG 3’
VKに対してはオリゴ1094を用いた。
オリゴ1094
5’ GCCGCTCGAGCCTCACCATGGGATGGAGCTGTA
TCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTCC
ACTCCGACATCCAGATGACCCAGAG 3’
PCR産物をアガロースゲル電気泳動によってチェックしたところ、予想された
サイズ(450bp)であり、ゲルからDNAのバンドを精製した。制限酵素による消化
PCR産物をCHOベクターでクローニングするため消化した。VH PCR
産物をXhoIとApaIで消化した。VK PCR産物をXhoIとPvuI
Iで消化した。消化DNAのサンプルを、0.8%アガロースゲル上で電気泳動
した。予想された450bpのバンドが認められた。
PCR増幅VII[TCS]によるcDNAからのV領域(VII[TCSおよびS
]ならびにVκ[S])の単離
これら分子をPCRで増幅するために使用したオリグヌクレオチドプライマー
同様、第1鎖cDNAサンプルTM27 VκとTM27 VHを入手した。T
aqポリメラーゼを使い、TM27 VH cDNAを適正なプライマー類とと
もにPCRにかけた。この産物をアガロースゲルにかけ、GeneClean
IIキット(Bio101)を使って精製した。回収量は1.5ng/mlと推
定された。
C領域のcDNA単離に向けたpSR1Neo4H11(L)とpBJ14H1
1(H)を使用したCOS細胞のトランスフェクション
哺乳類発現ベクターであるpSR1NeoとPBJ1は、Linら、Scie
nce249:677(1990)に記述されたように、pcDL−SRa29
6(Takebeら、Mol.Cell.Biol.8:466(1988))
の誘導体である。ここで、SRαプロモーターと、SV40ポリアデニル化部位
の間に位置するXhoI認識部位を、汎用遺伝子クローニングもため、以下の制
限部位5’ XhoI/XbaI/SfiI/NotI/EcoRI/EcoR
V/HindIII/ClaI 3’を含有するポリリンカーによって置換した
。pSR1Neoでは、ネオマイシン耐性遺伝子がアンピシリン耐性遺伝子とS
Rαプロモーターの間に挿入されている。TM23重鎖のリーダーとV−D−J
領域
をコードするcDNAは、まずゲノム重鎖定常領域に融合し、次いでXhoIと
NotI切断pBJ1ベクターに挿入しpBJ14H11(重)を得た。同様に
、リーダーとV−Jをコードする軽鎖は、まずゲノムκ断片に融合し、次いでX
hoI/NotI切断pSR1Neoに挿入しpSR」1ねお4H11(軽)を
得た。二つのプラスミドpBJ1411(重)とpSR1Neo4H11(軽)
を、一時的発現のためにCOS−7細胞(SV40でトランスフォームしたアフ
リカミドリザル腎細胞株、ATCC CRL 1651)にコトランスフェクシ
ョンした。
ヒトIgG1定常領域の単離
ヒトIgG1定常領域のcDNAを、前方向プライマーが
5’ GCGTGACAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGC
ACCCTC 3’
で、逆方向プライマーが
5’ GCGTGACAAGAATTCTCATTTACCCGGAGACAG
GGAGAGGCTCTT 3’
からなるIgG1定常領域プライマーを使い、PCRに
よってトランスフェクトされたCOS細胞から単離したpoly(A)+RNA
をもとに調製した。3’末端にEcoRI認識部位のある(コード領域に隣接)
また、5’末端(コード領域)ApaI認識部位のあるPCR定常領域DNA断
片をサブクローニングとシーケンス用にpBS KS+プラスミドヘクローン化
した。全体としての定常領域は5’末端(コード領域)ApaI認識部位のある
T3,T7プライマー(定常領域の内部プライマー)を使って配列決定した。正
しい配列を伴うクローンを、プラスミドpTCSLNeoにサブクローニングし
、pTCSLCg1Neoを作製した。
プラスミドpTCSLCg1Neoの構築
PBSKS+に正確な配列を有するIgG1Cg1クローンを、制限酵素Ec
oRIとApaIを使って切り出し、同じ酵素で消化したpTCSNeoと結合
した。結果として生じたプラスミドpTCSLCgINeoを、以降の修正用に
使い、pTCSLCgNeoApaを得た。
pTCSLCκ1NeoApaを作製するための、pTCSLCκ1Neoにお
けるApaI認識部位の除去
pTCLSCξ1NeoCHO発現ベクターは、制限酵素ApaIによる認識
部位を二つ含んでいる:1カ所はクローン化した断片の挿入に使われるポリリン
カー領
域であり、もう1カ所はneor遺伝子の3’末端そのものに位置する。あとに
続くクローニング段階を簡略化するため、neor付近のApaI認識部位を除
去した。pTCSLCξ1NeoをApaIで部分的に消化した。少量をアガロ
ースゲル上に流して直線分子(2カ所のApaI認識部位のうち、1カ所のみを
切断されたプラスミドを意味する)であることを確認した。消化された試料をT
4 DNAポリメラーゼで処理し、二重鎖DNAを消化せずにApaIで放置さ
れた一本鎖伸展部を選択的に除去した。プラスミドを結合することによって再度
環状化し、HB101の受容能のある大腸菌(E.coli)細胞内へトランスフォー
ムした。トランスフォーム体が30個拾われ、液体培地への注入に供した。各培
養基に対してDNAを調製し、ApaIで消化してアガロースゲルに流した。残
念なことに、プラスミドはこの消化によって減成した。30個のサンプルに対し
て21回反復してApaI消化を行った。2つの単離体(#4と#12)がAp
aIによって直線状になっていたほかは、すべて2カ所で切断されていた。この
候補クローン2つをApaIとHindIIIで消化し、ApaI認識部位の存
在について検討した。この試験において、pTCSLCξ1NeoApa単離体
#12のneorに対し3’方向のApaI認識部位が希望どおり消化された。
続いて制限酵素による消化を行い、この単離体の構造を確認した。
PCRで単離したヒトκ鎖およびH鎖のV領域を、CHOベクターpTCSLC
κDHFRとpTCSLCg1NeoApaへそれぞれクローニングする
TM27Vκ断片のpTCSLCκDHFRのクローニング
TM27のκ鎖V領域のcDNAをゲル精製し、適正な制限酵素で消化した。
少量のDNAサンプルを1%アガロースゲル上で解析し、定量して品質を修正し
た。外部の(混入した)バンドが〜800bpの位置に認められ、濃度は1.2
5ngと推定された。制限酵素XhoIとPvuIIとで消化し、フォスファタ
ーゼ処理したpTCSLCκDHFRベクターに、V領域を結合した。結合用混
合液を、受容能のある大腸菌(E.coli)DH5α細胞のトランスフォームに使用
した。トランスフォーマントコロニーの収率はきわめて低かった。単一のコロニ
ーを拾い上げ、液体培養基12本への注入に使用した。各々からDNAを調製し
、XhoIとPvuIIとで消化して1%アガロースゲルで解析した。陽性サン
プルは#3と#4の2つ認められた。陽性サンプル各々について配列決定した。
TM27VII断片のpTCSLCκ1NeoApaへのクローニング
TM27のVH領域相当のPCR産物をゲル精製し、適正な制限酵素(Xho
IとApaI)で消化した。しかし、ApaIによる消化が不完全である可能性
があると留意されていたため、この消化を反復した。少量をアガロースゲル上で
解析して定量し、品質を修正した。VH領域に対応するバンドの濃度は0.4n
g/mlと算定された。外部バンドがVκ断片の場合のように〜800bpに認
められたため、この物質の精度は予想どおりにはなっていなかった。VH領域を
、制限酵素XhoIとApaIで消化し、フォスファターゼ処理しておいたpT
CSLCκ1NeoApaベクターに結合した。結合用混合液を、受容能のある
大腸菌(E.coli)DH5α細胞をトランスフォームするために使用した。トラン
スフォーム体はほとんど回収されなかった。コロニーを6個拾い、液体培地に注
入した。Miniprep DNAを各々から調製し、XhoIとEcoRIで
消化して、アガロースゲル上で解析した。最初の結合から候補コロニーが1個:
(pTCSLHuVH4HCκ1NeoApa(単離体#6)が回収された。さ
らに候補クローンを回収するため、(続く試験で1個の単離体#6に正しい配列
が含まれていなかった場合に備えて)、1)低融点アガロースゲルにて再度精製
して高分子のバンドを除去したVHPCR産物と、2)cDNAとプライマーを
使って合成したVHPCR産物とを使って、さらに結合するよう設定した。以上
の結合反応から、8つのさらなるトラン
スフォーム体を得ることができ、5つの候補クローン#9,10,11,12,
14を得た。
予想されたDNA配列であることを確認するための、両鎖についてV領域をクロ
ーニングした配列
pTCSLCκ1NeoApaとpTCSLCκDHFRベクターに挿入した
V領域に対するDNAシーケンシングを向上させるよう設計したプライマーを、
オペロンの研究所(Operon Research)から入手した。正方向プライマーは、p
TCSベクター配列中に位置し、pTCSLCκ1NeoApaとpTCSLC
κDHFRベクターの両方に挿入したV挿入部の配列決定に使用した。逆方向プ
ライマーは、CκまたはCξ1配列中にあり、それぞれVκとVH挿入部の配列
決定に使用した。
ヒトκ鎖のV領域における二重鎖の配列決定
TM23由来の2サンプル(#3と#4)を対象に、両鎖の配列決定を行った
。プライマーHUCK5PRを使用し、制限酵素認識部位(3’−5’;Pvu
II−XhoI)を通じて逆方向の鎖を完全に配列決定した。正方向の配列は、
二つの異なるプライマーpTCSFORとpTCSFWDを使って決定した。制
限酵素認識部位(5’−3’;XhoI−PvuII)を通じた全長の配列を、
プライマーの各々から回収した配列を組み合わせて入手した。小さい面積の圧縮
部分が、プライマー
のいずれにも解像されていない正方向鎖に存在したか、またはこのような圧縮を
緩和する配列決定法を使用した場合に存在した。しかし、逆向きの鎖によって、
この領域に正しい配列のあることが証明された。#3と#4のサンプルには、と
もに正しい配列が含まれていることが分かったため、#4のサンプルを以後の哺
乳動物細胞へのトランスフェクションに使用した。
T27γ鎖のV領域における二重鎖の配列決定
pTCSLHuVH4HCκ1NeoApa(単離体#6と#9)のVH断片
について、両鎖を完全に配列決定した。単離体#6のヒト化VH断片は、コード
領域を通して予想していた配列と一致していた。−2の位置(ATGの開始位置
からみた相対的な位置)において、1個の塩基対が(CからT)へ置換していた
が、これは発現に影響しないと予測された。単離体#9のVH断片では、コード
領域において2つの置換が起こっていた。4つのさらなる候補クローンの配列決
定については実施しなかった。
TM27と対照(CONTROL)プラスミドを使ったCOS細胞とCHO細胞のコト
ランスフェクション
プラスミドの提供を受ける細胞は、CHO dhf r DUX B11とC
OS−1であった。CHO DUX B11細胞は、Biogen Inc.か
ら入手
した。CHOのトランスフェクトには、5μgのTM27プラスミドpTCSH
uVκ4HCκDHFR(単離体#4)とpTCSLHuVH4HCξ1Neo
Apa(単離体#6)、およびベクターpTCSLDHFRApaとpTCSN
eoApaを、制限酵素AatIIで消化して直線化した。TM27含有プラス
ミド(TM27Lと標識)をエタノール中で沈殿させ、H2O中で再度懸濁した
。同様に、ベクタープラスミド(対照と標識)を共沈殿させ、H2Oに再度懸濁
した。共沈殿した各々のプラスミドを、BioRad Gene Pulser
を250V,960mFに設定しておき、エッレクトロポレーションによって1
07個のCHO細胞へトランスフェクトした。選択前の2日間にわたってトラン
スフェクトした細胞をα最小必須培地(αMEM)にチミジン、アデノシン、デ
オキシアデノシンを添加して(非選択培地で)生育させた。
COSのトランスフェクトには、5μgの未切断TM27Lプラスミドとベク
タープラスミドをエタノール中で共沈殿させてH2O中に再度懸濁した。プラス
ミドはエレクトロポレーションによって4.1×106個のCOS細胞へトラン
スフェクトされた。トランスフェクトされた細胞をダルベッコ修正イーグル培地
(DMEM)で3日間培養し、上清をアッセイした。
ヒトIgG1 ELISAによるCOSトランスフェク
ト体上清の解析
培養上清を対象として、COS細胞によるヒトIgG1の産生をELISAで
測定した。マイクロタイタープレートをPBS中に溶解したマウス抗ヒトIgG
Fc抗体でコーティングし、反応停止用緩衝液(PBS中の1%BSA)で反
応を停止させた。サンプル100μlに上清を添加した。反応停止液中で適宜希
釈し、分析した。捕獲されたIgGを、ホースラディシュ・ペルオキシダーゼ結
合ヤギ抗ヒトIgκ抗体とOPD(O−フェニレンジアミン)とで検出した。T
M27Lで形質転換したCOS細胞の上清は、ヒトIgG 95ng/mlの濃
度を示した。対照でトランスフェクトしたCOS細胞由来のヒトIgGでは、検
出不能であった。TM27LでトランスフェクトしたCOS細胞由来の上清をフ
ローサイトメトリーで測定すると、〜6倍に濃縮されていた。平均蛍光チャンネ
ル値で示されるように、HPB細胞に対する染色強度は、精製TM27L(NS
0細胞から精製)が〜2.5mg/mlであったのに比べ、約9倍低かった。J
urkat細胞では染色の程度がバックグラウンドの水準であった。
CHOトランスフェクト体の選択
核酸添加物を含まないαMEM培地中で(pTCSLHuVκ4HCκDHF
Rに関するDHFR*を選択する目的で)、ゲネティシン(geneticin)(G41
8;pT
CSLHuVH4HCξ1NeoApaに関するneorを選択する目的で)を
含む培地にCHOトランスフェクト体を播種した。細胞を2×105セル/ml
で24穴プレートに播いた。
ヒトIgG1 ELISAによるCHOトランスフェクト体の上清解析
選択培地中に12日間おいた後、融合状態のウエルから上清を回収して、ヒト
IgG1/κ ELISAにて分析した。TM27L上清の濃度は182−23
6ng/mlとなった。ほとんどは>200ng/mlであった。ヒトIgG1
/κは、対照上清から検出不能であった。TM27ウエル中、高生産性を呈した
12ウエルから回収した細胞を、T25フラスコへ拡張した。バックアップ用培
養物として、単バイアルを凍結し、液体窒素下で保存した。2つの対照ウエルか
ら回収した細胞もT25フラスコに拡張して凍結した。
CHOトランスフェクタントの第1回限界希釈
抗体産生能の高い4つのウエルを選択し、96穴プレート上で限界希釈プレー
ティングした。ウエル#1B1(232.6ng/ml),1D6(233.3
ng/ml),2B2(235.5ng/ml),2C1(236.0ng/m
l)であった。各ウエルに対して3つのプレートを選択培地として決定し、1つ
を1セル/ウ
ェル、2つを0.5セル/ウェルとした。
第1ラウンドのクローニングより得た上清を、ヒトIgG1/κ ELISA
によってスクリーニングした。抗体産生能の高い90個のウエルを24穴プレー
トへ拡張し、密集状態にまで生育させた。これら培養物のうち12の上清をヒト
IgG1/κ ELISAとフローサイトメトリーにてアッセイした。ヒトIg
G1/κ ELISAの濃度範囲は、211−1048ng/mlであった。全
サンプルがHPB細胞を染色し(平均蛍光チャンネルは46.5−169.6)
、Jurkat細胞を染色することはなかった。6つの抗体産生能の高いクロー
ンを拡張して、液体窒素中で凍結した。これらのうち、抗体産生能の高いクロー
ン2個(1B1−C7と2B2−H9)を選択して、続くクローニングラウンド
に使用した。
対照の構築体の初代培養物2つもまた、98穴プレート中で1ラウンドの限界
希釈プレーティングに供した。各々のうち1個のクローンを選択して拡張した。
上清をヒトIgG1/κ ELISA(ページ640−83)にかけたが、検出
可能な信号は認められなかった。細胞を回収し、液体窒素下で保存した。
非クローン培養物のローラーボトル規模の拡大(抗体産生を目的とする)
2つの初代培養物(1B1と2B2)を、TM27抗
体産生の適正材料として産生するために拡張培養した。細胞を2Lのローラーボ
トルに拡張し、低血清濃度(T25に10%血清、→T75に10%血清→3×
T75に5%血清→3×2Lボトルに1%血清の順を介して)(ページ640−
24)に適応させた。1日目に2Lボトルを確立し、(1/2容量を1%血清含
有新鮮培地で)2日目、5日目、8日目に交換することによって経代培養した。
10日目に最初の回収を行い、12日目に2回目、15日目に3回目の回収を行
った。回収上清を遠心分離し、精製まで−20℃で保存した。
プロテインAカラム上での抗体精製
2B2培養物の上清(総容量2.7L)を回収し、0.22μのナイロン膜で
濾過した。ヒトIgG ELISAからは、精製開始時の試料総量は1090m
gとなった。Prosep−A(プロテインA)カラム上で抗体を精製し、pH
5.0、4.0および3.0で0.1Mクエン酸にて溶出した。溶出物をPBS
で透析した。溶出画分中の精製抗体を、ヒトIgG ELISAによって測定し
た。pH3.0画分に精製抗体の大半が含まれたが、pH4.0の画分にも少量
含まれていた。ヒトIgG1 ELISAを反復してより精度の高い濃度測定を
行い、TM27(pH3.0画分とpH4.0の画分を足したもの)の総収量は
960mgであった。
NS0トランスフェクト体培養上清由来の抗体のプロテインAによる精製
NS0トランスフェクタント培養上清由来の抗体を、実質上、前述のごとくプ
ロテインカラムで精製した。
NS0骨髄細胞株からのTM27抗体の定性
プロテインAカラムクロマトグラフィーを使ったNS0トランスフェクト体培
養上清由来の精製T27mAbを使い、陰性対照としてHPB−ALL細胞(V
β5.2)とJurkat細胞(Vβ8.1)を用い染色して、マウスmAb
TM23とキメラTM27とを比較した。TM27はHPB−ALLを陽性に染
めたが、Jurkat細胞を染色することはなかった。
TM27の特異性を検出するために、正常PBL T細胞をTM27で染色し
て、TM23 mAbと比較した。TM27とTM23 mAbはヒトPBL
T細胞全体の〜3%を染色した。FITC標識TM23 mAbの濃度を固定し
、さまざまな濃度の未標識4H11またはTM27 mAbを添加することによ
って、競合アッセイを行った。抗体混合液をHPB−ALL細胞の染色に使用し
た。TM27がCD3抗原をコモジュレートできるか否かを測定するため、HP
B−ALL細胞をさまざまな濃度のTM27またはTM23 mAbと共に一晩
培養し、抗CD3mAbで染色した。結果からは、TM23同様、TM27がT
CR/CD3複合体のエン
ドサイトーシスを起こすことが示された。
HPB−ALL細胞におけるTM27の結合親和力を測定するため、スキャッ
チャード解析を実施した。スキャッチャード解析アッセイと(TM23mAbと
の)競合アッセイの両者において、結果からは、TM27が4H11 mAbと
ほぼ同程度の親和力を保持し(Kd=2.0×10-8M-1)、充分に競合するこ
とが分かった。
4H11との競合アッセイにおいて、TM27L/NS0とTM27L/CH
Oも比較した結果を図3に示す。結果についてのスキャッチャード解析を図4に
示す。
CHOトランスフェクト体の第2回限界希釈プレーティング
前述のように、限界希釈プレーティングを実施した。ウエルをヒトIgG1
ELISAによってスクリーニングした。6個のコロニーからの各々(1B1−
C7と2B2−H9)を24穴プレートに拡張し、ヒトIgG ELISA上で
スクリーニングした。各々から抗体産生能の高い2つのクローンを選択して拡張
し、液体窒素中で凍結した。各々から抗体産生能の最高であったクローンを選択
して、最終サブクローニングに供した。
CHOトランスファクト体の第3回限界希釈プレーティング
前述のように、限界希釈プレーティングを設定した。
ヒトIgG1 ELISAにてウエルをスクリーニングした。各々から(1B1
−C7および2B2−H9)6個づつのウエルを対象として細胞を24穴プレー
トに拡張し、ヒトIgG1 ELISAによってアッセイした。各々から抗体産
生能が最高となった3つのクローンをT25フラスコに拡張し、液体窒素中で凍
結した。各々から1つのクローンを選んでT75フラスコ1本に拡張した。この
時、ゲネティシン(geneticin)を培地からおとし、neorに対する選択を除去
した。DHFRに対する選択は保持した。上清をヒトIgG1 ELISAによ
ってアッセイした。1B1−C7クローンは、4.69mg/106セル/日を
産生した。2B2−H9クローンは2.65mg/106cells/日を産生
した。単離体C7は、最終クローンとして選択され、また、H9単離体を代用ク
ローンとして選択した。
凍結ストックの調製
前述のごとく選択した最終クローンを5本のT225フラスコへ拡張し、凍結
細胞ストックのバンクを確立した。これらフラスコから回収した細胞をプールし
た。プールされた懸濁液の98.3%は生存細胞であった。総細胞数は、1.5
8×108であり、希望する72バイアルの2×106セル/mlを調製するに適
正であった。細胞を凍結し、「TM27L−662−35」とラベルした。さら
に、代用H9クローンをT225フラスコ1本
に拡張し、小さな凍結細胞バンクを確立した。フラスコから回収した細胞の97
.3%が生存していた。懸濁液は、2×106セル/バイアル(ページ662−
89)の9.7バイアルを調製するに充分な量であった。細胞を液体窒素で凍結
し、「TM27L−662−89」とラベルした。
凍結貯蔵物から生還した細胞のテスト
生存能力およびマイコプラズマ・テスト
バイアル1本の凍結細胞貯蔵物TM27L−662−35を解凍し、αMEM
中で回復させた。トリパン・ブルー染色で細胞の生存能力は88%と決定された
。Bionique試験検査室キット(Bionique Testing Laboratories Kit)
を使用して、このバイアルから成長した密集培養のマイコプラズマ汚染を検査し
た。この検査で汚染は検出されなかった。加えて、バイアル1本の細胞貯蔵物T
M27L−662−89を解凍した。トリパン・ブルー染色で細胞の生存能力は
93.8%と決定された。上記の通り、このバイアルから成長した密集培養のマ
イコプラズマ汚染を検査した。この検査で汚染は検出されなかった。両培養をT
75フラスコに拡大し、ヒトIgG1 ELISAで細胞培養上清を分析した。
TM27L−662−35クローンは3.24μg/106細胞/日を産生し、
TM27L−662−89クローンは2.52μg/106細胞/日を産生した
。第2回分析で、
TM27L−662−35は3.03μg/106細胞/日を産生し、TM27
L−662−89は2.74μg/106細胞/日を産生した。
抗体精製のためのローラービン・スケールへのTM27L−662−35の拡大
TM27L抗体精製に十分な材料を産生するために、TM27L−662−3
5培養を拡大した。細胞を2Lのローラービンに拡大し、(10%血清中T25
−10%血清中T75−5%血清中3×T75−1%血清中3×2Lビンを経て
)低血清濃度に順応させた。第1日に2Lビンが確立され、第2日、第5日、第
7日および第9日に(1/2量を、1%血清を含む新鮮な培地と交換することに
よって)フィーディングを行った。初回収集は第12日で、第2回収集は第14
日、第3回収集は第16日であった。収集した上清を回転させ、濾過し、精製ま
で−70℃で保存した。
プロテインAカラムによる抗体の精製
TM27L−662−35培養の上清をプールし、総量5.1Lとした。抗体
をProsep−A(プロテインA)カラムに結合させ、pH5.0およびpH
3.0で、0.1Mクエン酸塩で溶出させた。pH3.0の溶出物をPBS(リ
ン酸緩衝食塩水)中に透析した。精製された出発材料中および溶出分画中の抗体
量を、ヒトI
gG1/κ ELISAで測定した。pH3.0分画は25ml中に約3.9m
gの抗体を含んでいた。本材料をCentriprep−30濃縮装置(Ami
con)で濃縮し、ヒトIgG1/κELISAを繰り返した。TM27Lの総
収量は1.6mg/mlで〜3.2mgであった。
精製抗体の一次特性化
pH3.0分画およびpH4.0分画の各々からの材料〜2.5mg、ならび
にNSO細胞から精製したTM27にフローサイトメトリーを実施した。平均チ
ャネル蛍光で示されるHPB細胞の染色強度の測定値は次の通りであった。pH
3.0分画、283.6;pH4.0分画、321.98;NSO由来のTM2
7、506.79。Jurkat細胞では、染色は全ての細胞でバックグラウン
ド・レベルであった。
実施例2ヒト・フレームワーク・カセットと比較した、CDRグラフト化TM27抗体の 配列
TM27Vκ
TM27 VH
TM27L 重鎖の48位にロイシンを含む
TM27I 重鎖の48位にイソロイシンを含む
TM27.1 KSからVF(78〜79)への変化を含む
TM27.2 VTML/TからLSIS/N(66−69/73)への変化を
含む
TM27.3 VからR(92)への変化を含む
実施例3TM23のスキャッチャード解析
平均
Kd=2.52(±0.67)e−8M
受容体/細胞=2.64e5TM27のスキャッチャード解析
平均
Kd=1.31(±0.24)e−8M
受容体/細胞=2.89e4
実施例4TM27Iの研究の概要
COS/CHOのTM27I(48)
* cDNAは、HSO産生株のCDR−グラフト化V領域から調製し、PCR
で増幅し、配列決定した。
* DNA断片は、cDNA立体配置のpTCSLNeOでクローニングした。
* プラスミドは、pTCSLDHRTM27κでCOSおよびCHOにコトラ
ンスフェクトした。
* COS細胞上清由来のヒトIgG1/κ発現のELISA陽性成績は、プラ
スミド構造物が良好であることを示した。
* CHO細胞トランスフェクト体を選択し、拡張し、クローニングした。細胞
は、1クローニング後、液体窒素中で凍結した。実施例5 16G8 cDNA由来のアミノ酸配列データ
重鎖
軽鎖
蛋白配列データ:
H=DVQLVE?GGGLVQPG
L=ENVLTQ
実施例6TM29の研究の概要
* 実質的に実施例1の通りにハイブリドーマを調製し、cDNA(実施例5に
示した)を分離した。
* (16G8ハイブリドーマから)分離したcDNA(Hおよびκ)をM13
ベクターでクローニングした。
* 突然変異誘発によってヒト・フレームワーク(VHKOL
/VKREI)を導入した。
* CDRグラフト化V領域を骨髄腫発現ベクターでクローニングした。
* 予備調査的評価のため、NSOトランスフェクト体からヒト化抗体(各〜1
mg)を精製した。
異なる4種類のTM29が調製された:
TM29
TM29.1 SSからAA(23〜24)への変化を含む
TM29.2 SからP(75)への変化を含む
TM29.3 GV/FからAM/Y(92〜93/95)への変化を含む詳細な実験−TM29
PCR法によるヒトκ鎖定常部の分離
非消化プラスミドを使用する方法
定常部を分離するために2種類のプライマー(1個は前方向、1個は逆方向)
を用いてpSV184DH−Neo/DNS−VκCκ(ヒトκ鎖定常部を含む
pSVHuk)PCRを実施した。オリゴマー(プライマー)はOperonか
ら入手した。PCR反応試薬はAmpliTaq(Perkin−Elmer
Cetus)を含むGeneAmpde増幅試薬キットに由来する。PCR反応
は3種類の異なるMg2+濃度で行った。PC
R産物の一部を1%アガロースゲルで分析した。最初のMg2+サンプル(濃度1
.5mM)からのPCR産物を選択した。クローニングのため、C領域に隣接す
る、制限酵素部位を含むプライマーをデザインした。このように、増幅したDN
Aを(3’末端で)EcoRIで消化した。5’末端の部位は消化されなかった
。消化されたDNA断片を1%アガロースゲルにかけ、300bpのバンドを切
り出した。ゲルからDNAを抽出し、質の決定と量の推定のため、その少量を1
%アガロースゲルで分析した。300bpのバンドは純粋と考えられ、DNA総
量は〜140ngと推定された。
ヒトκ鎖定常部をPBS KS+ベクターでクローニングし、配列を決定した。
SmaIとEcoRIで消化しておいた、ヒトκ鎖定常部のEcoRI消化D
NA断片を、T4 DNAリガーゼを使用して、ベクターPBS KS+に挿入
した。この連結混合物を使用して受容能のある大腸菌(E.coli)DH5α細胞を
トランスフォームした。単一コロニーを採集し、これを24の液体培地に接種し
た。各培地からDNAを調製した。各DNAサンプルをPvuII(Cκの5’
末端)とEcoRI(Cκの3’末端)で消化し、2%アガロースゲルで分析し
た。低領域バンド(300bp)の分離が困難なため、PvuIIのみでDNA
サンプルを消化した。2%アガロースゲルで分析後、
24サンプル中19サンプルはCκ挿入が正しいものであった。T7およびT3
プライマー(挿入物に隣接するベクターの配列)を使用して、(適当なサンプル
19のうち)配列を決定するサンプル#1〜5を選択した。その他の配列決定試
薬はSequenase Version2.0キット(USB)からのもので
あった。サンプル#5は、ヒトκ鎖定常部に正しい配列を有していた。
pTCSLCκDHFR*になるpTCSLDHFR*哺乳動物発現ベクターにク
ローンニングされたヒトκ鎖定常部
PvuIIと制限酵素を使用して、pBS KS+ベクター(サンプル#5)
からヒトκ鎖定常部を分離した。しかし、先のバンド分離の問題があるため、構
築体pBS/ヒトCκで第2回消化を実施した。第2回消化ではEcoRIとX
baI(5’からPvuII部位に位置する)を使用し、断片〜300bpが得
られた。次に、この断片をゲル精製し、PvuIIで消化して、Cκの5’末端
における残りのベクターの小型断片を除去した。この最終的な断片をゲル精製し
、1%アガロースゲルで質を分析し、量を推定した。Cκ DNAは〜280b
pで純粋なバンドと考えられ、その総量は〜135ngと推定された。
3個のEcoRI部位が発現ベタターに存在するため、PvuII部位にだけ
クローニングするのが最良であろ
うと決定された。Cκ DNAは調製されたPvuIIであるため、(平滑末端
を形成するために)クレノウ断片を使用してEcoRI末端を修復した。修復さ
れた、平滑末端を有するCκ DNAを、予めPvuIIで消化し、(仔ウシ腸
管ホスファターゼを使用して)ホスファターゼ処理しておいたpTCSLDHF
R*ベクターに連結した。この連結混合物を使用して受容能のある大腸菌(E.col
i)DH5α細胞をトランスフォームした。単一コロニーを採集し、これを24
の液体培地に接種した。各培地からDNAを調製した。PvuIIとHindI
IIで消化し、1%アガロースゲルで分析した。24サンプル中5サンプルが、
正しい方向にCκ挿入物を含んでいた。サンプル#7を継続用に選択した。
突然変異体DHFR*遺伝子と野生型DHFR遺伝子との置換
ベクターpTCSLCκDHFR*ベクターをCHO(dhfr)DUX B
11細胞に発現させるため、DHFR*遺伝子をDHFR遺伝子と置換した。p
TCSLCκDHFR*サンプル#7由来のDNAならびにpSV2−DHFR
(スタンフォード大学医学部生化学部のPaul Berg博士から入手したプ
ラスミド)を制限酵素HindIIIおよびBglIIで消化して、それぞれの
遺伝子断片を分離した。分析の際に、pTCSLCκDHFR*ベクターの、そ
れ以外のBglII部位は、
ポリA部分も除去し、これはベクター機能を妨害することが決定された。したが
って、HindIIIとBamHIを使用して消化を繰り返した。ベクターの(
DHFR*)pTCSLCκ部分をホスファターゼで処理した。分離された両断
片(pTCSLCκとDHFR*)をゲル精製し、1%アガロースゲルで質を分
析し、量を決定した。両バンドとも純粋と考えられ、〜40−50ngと、類似
した濃度と推定された。T4 DNAリガーゼを使用して、DHFR遺伝子をp
TCSLCκベクターに連結した。連結混合物を使用して、受容能のある大腸菌
(E.coli)DH5α細胞をトランスフォームした。単一コロニーを採集し、24
の液体培地に接種した。各々からDNAを調製した。HindIIIとBamH
Iを用いた制限酵素消化によってDNAを分析した。24の培養のうち、23の
培養が正しいバンドを有し、DHFR遺伝子がpTCSLCκベクターに挿入さ
れたことを示した。更に使用するものとして、#22を選択した。
分離されたヒトκ鎖V領域の、CHOベクターpTCSLCκDHFRでのクロ
ーニング
16G8のκ鎖V領域のcDNAをゲル精製し、適当な制限酵素で消化してお
いた。少量のDNAサンプルを1%アガロースゲルで分析し、量を推定し、質を
確認した。〜800bpに余分な(汚染)バンドが認められ、濃度は1.25
ng/mlであると推定された。制限
酵素XhoIとPvuIIで消化し、さらにホスファターゼ処理しておいたpT
CSLCκDHFRベクターにV領域を連結した。連結混合物を使用して受容能
のある大腸菌(E.coli)DH5α細胞をトランスフォームした。トランスフォー
ム体コロニーの収率は非常に低かった。単一コロニーを採集し、これを12の液
体培地に接種した。各培地からDNAを調製し、XhoIとPvuIIで消化し
、1%アガロースゲルで分析した。陽性サンプルは、#1、#4、#7および#
10の4個であった。陽性サンプルの各々の配列を決定した。PCR分離したT
M29γ鎖V領域をCHOベクターpTCSLCg1NeoApaでクローニン
グした。
ヒトκ鎖V領域の2本鎖配列決定
16G8由来の4サンプル(#1、#4、#7および#10)の両鎖の配列決
定を行った。プライマーHUCK5PRを使用して、制限酵素部位(3‘−5’
;PvuII−XhoI)の端から端まで、逆鎖が完全に配列決定された。サン
プル#1と#4の両者は正しい配列を有すると考えられ、サンプル#7は配列決
定されず、サンプル#10は間違った配列を有していた。サンプル#1と#4の
場合、PTCSFORとPTCSFWDという2種類の異なるプライマーを使用
して前進鎖配列を決定した。各々のプライマーから得られた配列を組合せること
によって、制限酵素部位(5’−3’;XhoI−
PvuII)の端から端まで、全長配列が得られた。どちらのプライマーでも、
圧縮を解消する配列決定法を使用しても分解されなかった少量域の圧縮が前進鎖
に存在すると考えられた。しかし、逆鎖は、この領域に正しい配列を有していた
。サンプル#1と#4の両者は正しい配列を有すると考えられ、哺乳動物細胞ト
ランスフェクトに使用するのものに、サンプル#4を選択した。
TM29軽鎖プラスミドと重鎖プラスミドの、COS細胞およびCHO細胞への
コトランスフェクション
COS−1細胞とCHO(dhfr)DUX B11細胞の両者を、TM29
軽鎖プラスミドと重鎖プラスミドのコトランスフェクションに使用した。CHO
DUX B11細胞株はBiogen,Inc.から入手し、またLawre
nce Chaisin博士(コロンビア大学)が独創的に誘導した。
COS−1細胞トランスフェクションの場合、5mgの各非消化TM29プラ
スミド(それぞれpTCSLHuVκ16GCκDHFRおよびpTCSLHu
VHI6GCξ1NeoApa;TM29−4およびTM29−26)をエタノ
ール中で沈殿させ、1mg/mlの濃度でH2Oに再懸濁した。BioRad
Gene Pulserを250V、960mFDで使用し、エレクトロポレー
ションによって、プラスミドを3.8×106細胞にコトランスフェクトした。
トランスフェクトされた細
胞をDulbecoの改良Eagle培地(DMEM)に再懸濁し、3日間、培
養した。対照プラスミド(pTCSLDHFRApaおよびpTCSLNeoA
pa)を調製し、TM29プラスミドと同様にコトランスフェクトした。続いて
トランスフェクトされた細胞を再懸濁し、TM29トランスフェクトCOS細胞
と同様に培養した。
CHO DUX B11細胞トランスフェクションの場合、DNAの直線断片
を得るため、5mgの各TM29プラスミド(上述の通り)を制限酵素AatI
Iで消化し、エタノール中で沈殿させ、1mg/mlの濃度でH2Oに再懸濁し
た。上述の通り、エレクトロポレーションによってプラスミドを5×106細胞
にコトランスフェクトした。チミジン、アデノシンおよびデオキシアデノシンを
補充したα最小必須培地(αMinimal Essential medium:αMEM)(非選択的
培地)に、トランスフェクトされた細胞を再懸濁し、3日間、培養した。対照プ
ラスミド(上述の通り)を調製し、TM29プラスミドと同様にコトランスフェ
クトした。続いてトランスフェクトされた細胞を再懸濁し、TM29トランスフ
ェクトCHO細胞と同様に培養した。
ヒトIgG1κ ELISAによるTM29トランスフェクトCOS細胞上清の
分析
培養3日後、TM29トランスフェクトCOS細胞は
密集していると考えられた。そこで、上清を収集し、細胞を捨てた。ヒトIgG1
κ ELISAを使用して、細胞によるヒトIgG産生を培養上清から決定し
た。96ウェル・プレートをコーティングしておいたマウス抗ヒトエgG1 F
c抗体で上清IgGを捕捉し、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ複合ヤギ
抗ヒトIgκ抗体およびO−フェニレンジアミン(OPD)を用いた発色によっ
て検出した。光学密度測定値を、既知濃度の精製ヒトIgG1κ抗体で作成した
曲線と比較することによって、上清IgG濃度を決定した。TM29トランスフ
ェクトCOS細胞上清のヒトIgG濃度は201.3ng/mlであった。対照
DNAトランスフェクトCOS細胞上清のヒトIgG濃度は0ng/mlであっ
た。
TM29トランスフェクトCHO細胞の選択
培養の3日後、TM29トランスフェクトCHO細胞は密集していると考えら
れた。そこで、細胞を0.25%トリプシン(Hankの平衡塩溶液中)で処理
し、培養フラスコから分離した。細胞を採集し、遠心分離し、上清を除去した。
細胞ペレットをαMEM選択培地に2×105細胞/mlの濃度で再懸濁し、2
4ウェル・プレートに1ml/ウェルでプレーティングした。αMEM選択培地
は二重の選択能力を有し、ヌクレオチド補充物が無く、pTCSLHuVκ16
GCκDHFR上のDHFR+に選択するためにFBSを透析済のFBSと置換
し、PTCSLHuVH16GCξ1NeoApa上のneorを選択するために
ゲネティシン(Geneticin)(G−418)を加えた。
ヒトIgG1κ ELISAおよびフローサイトメトリーによるTM29トラン
スフェクトCHO細胞上清の分析
選択培地中で14日後、TM2トランスフェクトCHO細胞上清を各ウェルか
ら採集し、ヒトIgG1κ ELISAを使用して分析した。TM29トランス
フェクトCHO細胞上清中のヒトIgG濃度は144.6ng/ml〜291.
9ng/mlの範囲で、平均濃度は240.5ng/mlであった。対照DNA
トランスフェクトCHO細胞上清中のヒトIgG濃度は0ng/mlであった。
TM29トランスフェクトCHO細胞の最高産生ウェル3個(2C3、2C4
、2B6)と対照DNAトランスフェクトCHO細胞のウェル1個(3D4)を
、フローサイトメトリーでも分析した。3個のTM29サンプル、2C3、2C
4、2B6はJurkat細胞を陽性に染色し(平均チャネル蛍光は186.6
1〜290.01の範囲であった)、HPB細胞を陽性に染色しなかった(平均
チャネル蛍光は11.77〜13.82の範囲であった)。対照サンプル3D4
はJurkat細胞を陽性に染色しなかった(平均チャネル蛍光は11.96で
あった)。
限界希釈によるTM29トランスフェクトCHO細胞のクローニング
TM29トランスフェクトCHO細胞の最高産生ウェル3個(2C3、291
.9ng/ml;2C4、289.7ng/ml;2B6、289.5ng/m
l)を制限希釈によるクローニング用に選択した。各々のウェルについて、細胞
濃度をαMEM選択培地中で希釈し、2細胞/ウェル、1細胞/ウェル、および
0.5細胞/ウェルで96ウェル・プレートにプレーティングした。クローニン
グの10日後、2C3、2C4、2B6の0.5細胞/ウェル・プレートの各々
に関して、多数のウェルでコロニー成長が確認された。そこで、0.5細胞/ウ
ェル・プレートの各々から、全てのウェルの上清を収集し、ヒトIgG1κEL
ISAを使用して定量した。細胞増殖を示した全てのウェルがELISAで陽性
であった。24ウェル・プレートへの拡大に、合計24の最高産生ウェル(2C
3から10、2B6から14)を選択し、密集まで成長させた。各ウェルから上
清を収集し、ヒトIgG1κ ELISAを使用して定量した。ヒトIgG濃度
は0.7 〜4.8mg/mlの範囲で、平均濃度は2.9mg/mlであった
。TM29トランスフェクトCHOクローンの最高産生ウェル6個(1C7、1
D9、1G2、2G1、2G10、2H2a)の上清をフローサイトメトリーで
定量した。6個のサンプルは
全て、Jurkat細胞を陽性に染色し(平均チャネル蛍光は313.68〜1
356.87の範囲であった)、HPB細胞を陽性に染色しなかった(平均チャ
ネル蛍光は7.59〜8.16の範囲であった)。6個のサンプル全てを25c
m2フラスコに拡大し、液体窒素条件下で凍結保存した。サブクローニング用に
、最高産生ウェル3個(2C3−1G2、2C3−2G10、2C3−2H2a
)を選択した。
TM29ウェルと同様の制限希釈によって、対照DNAトランスフェクトCH
O細胞のウェル1個(3D4)をクローニングした。希望する濃度の10分の1
以下に細胞濃度を希釈することによって、クローニング後10日に、コロニー成
長が認められなかった。そこで、凍結バイアル(3D4)から新鮮培養を開始し
た。新しい培養を使用して、制限希釈によるクローニングを繰り返した。クロー
ニングの16日後、0.5細胞/ウェル・プレートから最も密集したウェル6個
(1B5、1C11、1D6、2E7、2F3、2F9)を24ウェル・プレー
トへの拡大用に選択した。続いて、各ウェルを25cm2フラスコに拡大し、そ
の後、75cm2フラスコに拡大し、密集まで成長させた。各フラスコから上清
を収集し、ヒトIgG1κ ELISAを使用して定量した。ヒトIgG濃度は
0ng/mlであった。各フラスコを液体窒素条件下で凍結保存した。
非クローン化TM29トランスフェクトCHO細胞培養のローラービンへの拡大
TM29トランスフェクトCHO細胞培養の最高産生ウェル3個(2C3、2
91.9ng/ml;2C4、289.7ng/ml;2B6、289.5ng
/ml)も非クローン化培養として、25cm2フラスコへの拡大用に選択した
。このとき、各TM29のバイアル1本(ならびに対照DNAトランスフェクト
CHO細胞培養のバイアル1本)を液体窒素条件下で凍結保存した。各非クロー
ン化培養を75cm2フラスコに拡大した。75cm2フラスコ1個から、各々の
培養を3 75cm2のフラスコに拡大したが、αMEM培地中の血清濃度は1
0〜50%低下した。2C3と2B6の両者について、各75cm2フラスコを
2Lローラービンに拡大した。2C4の3 75cm2フラスコ全てを液体窒素
条件下で凍結保存した。培養をローラービンに入れるとすぐに、α培地中の血清
濃度が5%から1%に再び低下した。培養9日後、2B6ビンは密集しているよ
うであったが、2C3ビンは〜25%密集のようであった。第9日、第14日お
よび第16日に全ての2B6ビンおよび2C3ビンから上清を収集し、その後、
細胞を捨てた。収集した上清を遠心分離し、−20℃で保存した。2C3と2B
6の両者について、収集した上清の各々の一部を、ヒトIgG1κ ELISA
を使用して定量した。2B6のヒトIgG総量は820mgであり、2C3は1
923m
gであると決定された。
TM29トランスフェクトCHO細胞クローンの制限希釈によるサブクローニン
グ
TM29トランスフェクトCHO細胞クローンの最高産生ウェル3個(2C3
−1G2、4.8mg/ml;2C3−2H2a、4.1mg/ml;2C3−
2G10、4.0mg/ml)を、制限希釈によるサブクローニング用に選択し
た。サブクローニングの14日後、1G2、2G10および2H2aの0.5細
胞/ウェル・プレートの各々に関して、多数のウェルでコロニー成長が確認され
た。そこで、これらのコロニー成長が認められたウェルから上清を収集し、ヒト
IgG1κ ELISAを使用して定量した。細胞増殖を示した全てのウェルが
ELISAで陽性であり、クローニング効率は100%であった。合計24の最
高算出ウェル(2H2aから2、2G10から5、1G2から17)を24ウェ
ル・プレートへの拡大用に選択し、密集まで成長させた。各ウエルから上清を収
集し、ヒトIgG1κ ELISAを使用して定量した。ヒトIgG濃度は1.
2〜9.2mg/mlの範囲で、平均濃度は4.2mg/mlであった。TM2
9トランスフェクトCHOサブクローンの最高算出ウェル4個(2G5、2H1
2、1H6、2E9)の上清は、フローサイトメトリーでも定量した。4サンプ
ルは全て、Jurkat細胞を陽性に染色し(平均チ
ャネル蛍光は211.51〜292.45の範囲であった)、HPB細胞を陽性
に染色しなかった(平均チャネル蛍光は8.36〜8.80の範囲であった)。
4サンプルの各々のを25cm2フラスコに拡大した。
TM29トランスフェクトCHO細胞クローンの制限希釈による第2回サブクロ
ーニング
ELISAとフロサイトメトリーの複合成績に基づいて、最も優れたTM29
トランスフェクトCHO細胞クローン2個(2C3−1G2−2G5と2C3−
1G2−1H6)を制限希釈による第2回サブクローニング用に選択した。この
とき、各クローンのバイアル1本(ならびに2C3−1G2−2H12と2C3
−1G2−2E9のバイアル各1本ずつ)を液体窒素条件下で凍結保存した。サ
ブクローニングの12日後、2G5および1H6の0.5細胞/ウェル・プレー
トの各々に関して、多数のウェルでコロニー成長が確認された。そこで、これら
のコロニー成長が認められたウェルから上清を収集し、ヒトIgG1κELIS
Aを使用して定量した。細胞増殖を示した全てのウェルがELISAで陽性であ
り、クローニング効率は100%であった。合計24の最高算出ウェル(2G5
から20、1H6から4)を24ウェル・プレートへの拡大用に選択し(#64
6−101)、密集まで成長させた。各ウエルから上清を収集し、ヒトIgG1
κELISAを使用して定量した。定量に使用さ
れるヒトIgG1κ標準の活性が失われたため、未知のサンプルの濃度を決定す
ることができなかった。そこで、光学密度によって最高産生ウェルを決定した。
最高産生ウェル6個(2G5から6個、1H6から1個)を、25cm2フラス
コへの拡大用に、続いて75cm2フラスコへの拡大用に選択し、密集まで成長
させた。フラスコから上清を収集し、ヒトIgG1κELISAを使用して定量
した。ヒトIgG濃度は14.6〜21.2mg/mlの範囲で、平均濃度は1
8.6mg/mlであった。TM29トランスフェクトCHOサブクローンのフ
ラスコ6個(1B5、1D1、1F11、2B10、2F5、2F9)の上清を
フローサイトメトリーで定量した(#646−122)。6サンプルは全て、J
urkat細胞を陽性に染色し(平均チャネル蛍光は304.51〜383.0
0の範囲であった)、HPB細胞を陽性に染色しなかった(平均チャネル蛍光は
8.67〜10.25の範囲であった)。
TM29トランスフェクトCHO細胞クローンの凍結細胞貯蔵物の調製
凍結細胞貯蔵物を調製するために選択されたTM29トランスフェクトCHO
細胞クローンは2C3−1G2−1H6−2F5であった。調査研究目的の凍結
細胞バンクを確立するのに十分な数の細胞を提供するため、このクローンを75
cm2フラスコ1個から225cm2フ
ラスコ5個に拡大した。凍結細胞バンクは、SOP TMB1−001.00に
従って調製した。細胞をトリプシンで処理し、各フラスコから収集し、プールし
た。プールした細胞懸濁液は3.2×108細胞を含んでいた。各々、容量1m
l中に2×106細胞を含む、72バイアルを調製した。本クローンのバイアル
全てに、TM29−646−132のラベルが貼付されている。
実施例7
他のフレームワーク領域と比較した、CDRグラフトTM29抗体の配列
TM29 Vκ
TM29 VH
TM29 第1バージョンの配列を含む
TM29.1 SSからAA(23〜24)への変化を含む
TM29.2 SからP(75)への変化を含む
TM29.3 GV/FからAM/Y(92〜93/95)への変化を含む
実施例8TM29 mAbのスキャッチャード解析
独立した3つの実験で、TM29抗体および16G8抗体のスキャッチャード
解析を実施した。下記の表は各実験で決定されたKdを示す。
実施例9キメラTM29の研究の概要
COSおよびCHOにおけるキメラ
* V(D)J領域cDNAを、cDNA立体配置のCHO細胞発現ベクター、
pTCSLMNeo(H)およびpTCSLDHFR(κ)にクローニングした
。
* 発現プラスミドを、COSおよびCHOにコトランスフェクトした。
* COS細胞の上清のAb濃度は〜35ng/mlであった。
* CHO細胞トランスフェクタントを(FACSおよびELISAで)分析し
、一度クローニングし、MTX(20 nM、100nM、および500nM)
で増幅した。
* 非増幅CHO細胞クローンの抗体濃度は〜3ng/mlであり、Jurka
t細胞を陽性に染色した。非増幅クローンを液体窒素中で凍結した。
実施例10COSおよびCHO細胞16G8キメラにおけるキメラ16G8の発現
軽鎖構造物および重鎖構造物は、CDRグラフト構造物:pTCSDHFR連
結pTCSNeo連結に使用された同一発現ベクター中に、ヒト定常部を含む完
全マウスV領域含んでおり、本構造物は二重の選択能力を有していた。
COS細胞トランスフェクタント−〜35ng/ml CHO細胞トランスフェ
クタント−16陽性ウェル/54ウェル
実施例11TM29の研究の概要
TM29
COS/CHO中のTM29
* cDNAは、NSO産生株のCDRグラフト化V領域から調製し、PRCR
で増幅し、配列決定した。
* DNA断片は、cDNA立体配置のpTCSLNeo(H)およびpTCS
LDHFR(κ)にクローニン
グした。
* プラスミドは、COSおよびCHOにコトランスフェクトした。
* COS細胞の上清は、〜2μg/ml Abを含んでいた。
* CHOトランスフェクトは、クローニングおよび増幅の前に〜3μg/ml
Abを分泌し、上清はJurkat細胞を陽性に染色した。最も優れた非増幅
Ab産生細胞由来の細胞バンクは、3回のクローニング後に調製した。
* 種々のMTX濃度下で、CHO細胞株を増幅した。
実施例12
4H11−FITC競合定量におけるTM27L、TM27IおよびTM23の
比較
実験1:
勾配TM23/勾配TM27L=1.56
勾配TM23/勾配TM27I=2.04
実験例2:
勾配TM23/勾配TM27L=1.82
勾配TM23/勾配TM27I=2.44
TM23と比較すると、TM27Lの値もTM27Iの値も、全て3倍未満であ
る。
実施例13
TM27メトトレキセート増幅
再現性(μg/106細胞/日)
メトトレキセート濃度(nM)
アッセイ内相対値
状態
キー
fm=凍結1チューブ混合培養
s=1制限希釈による継代培養
s*=第1回制限希釈進行中
f#=#ウェルを各1バイアルずつ凍結する
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N
L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. T細胞の選択サブ集団に対する特異性を有するモノクローナル抗体から実 質的に誘導されるCDRの全てもしくは一部を、該モノクローナル抗体から同様 に誘導される選択可変フレームワーク残基と共に含むアミノ酸配列を有するヒト 化抗体又はそれらの結合タンパク質であって、該ヒト化抗体又はそれらの結合タ ンパク質が、少なくとも該モノクローナル抗体によって示される結合親和性に匹 敵する結合親和性をもって、T細胞の該選択サブ集団と結合することが可能であ るヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質。 2. 下記アミノ酸配列の全てもしくは一部を含む請求項1記載のヒト化抗体又 はそれらの結合タンパク質。TM27 Vk 3. 下記配列の全てもしくは一部をさらに含む請求項2記載のヒト化抗体又は それらの結合タンパク質。TM27 VH 4. 下記配列の全てもしくは一部を含む請求項1記載のヒト化抗体又はそれら の結合タンパク質。TM29 Vk 5. 下記配列の全てもしくは一部をさらに含む請求項4記載のヒト化抗体又は それらの結合タンパク質。 TM29 VH 6. 完全なIgである請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のヒト化 抗体。 7. イソタイプIgG2aのものである請求項6記載のヒト化抗体。 8. Igの定常ドメインにおける1以上の残基が、該定常ドメインのエフェク ター機能を変えるために変更されている請求項6又は請求項7に記載のヒト化抗 体。 9. 組換えDNA技術によって製造される請求項1ないし請求項8のいずれか 1項に記載のヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質。 10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載 のヒト化抗体又はそれらの結合タンパク質の製造方法であって、 a)T細胞の選択サブ集団に対する特異性を有するネズミ・モノクローナル抗 体から実質的に誘導される少なくとも1つのCDRをコードする第1のDNA配 列を単離し、 b)該第1のDNA配列を適切なベクターにクローニングし、 c)変異誘発によって選択ヒトのフレームワーク・アミノ酸を導入し、それに よりCDRグラフト化構築体を形成し、 d)工程c)の該構築体で宿主細胞をトランスフォームし、かつ e)トランスフォームされた宿主細胞を培養して、該ヒト化抗体またはそれら の結合タンパク質を製造する、ことを包含する方法。 11. 宿主細胞がCHO細胞である請求項10記載の方法。 12. 治療に用いられる請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のヒト 化抗体又はそれらの結合タンパク質。 13. 請求項1ないし請求項9に記載のヒト化抗体又はそれらの結合タンパク 質を薬学的に許容し得る賦形剤と共に含有する医薬組成物。 14. クローン病を治療する方法であって、該治療を 必要とする患者に、請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載のヒト化抗体 又は結合タンパク質の有効量を投与することを包含する方法。 15. MSを治療する方法であって、該治療を必要とする患者に、請求項2、 請求項3、請求項6又は請求項7項のいずれか1項に記載のヒト化抗体又は結合 タンパク質の有効量を投与することを包含する方法。
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