JPH09510102A - 犬糸状虫Gp29タンパク質、核酸分子、およびそれらの用途 - Google Patents

犬糸状虫Gp29タンパク質、核酸分子、およびそれらの用途

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JPH09510102A JP7523643A JP52364395A JPH09510102A JP H09510102 A JPH09510102 A JP H09510102A JP 7523643 A JP7523643 A JP 7523643A JP 52364395 A JP52364395 A JP 52364395A JP H09510102 A JPH09510102 A JP H09510102A
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アン トリップ、シンシア
イー. セルカーク、マーレイ
ビー. グリーブ、ロバート
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、犬糸状虫Gp29タンパク質、そのようなタンパク質をコードしている配列を有する核酸分子、そのようなタンパク質に対して誘発した抗体、および犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素の阻害剤に関する。本発明は、そのような核酸分子、タンパク質、抗体および阻害剤を得る方法も包含する。本発明は、そのような核酸分子、タンパク質、抗体および阻害剤を含む治療組成物と同様に、寄生性蠕虫、例えば心糸状虫が生起する疾病から動物を保護するためのそれらの用途も包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 犬糸状虫Gp29タンパク質、核酸分子、およびそれらの用途 [発明の分野] 本発明は、犬糸状虫Dirofilaria immitis Gp29タンパク質、そのようなタ ンパク質をコード(暗号化)する配列を有する核酸分子、そのようなタンパク質 に対して誘発した抗体、および犬糸状虫グルタチオンペルオキシダーゼの阻害剤 に関する。本発明は、そのような核酸分子、タンパク質、抗体および阻害剤を含 む治療組成物と同様に、寄生性蠕虫類、例えば心糸状虫が生起する疾病から動物 を保護するそれらの用途も包含する。 [発明の背景] ヒトをはじめとする、動物における寄生性蠕虫の感染は、化学的薬物を用いて 治療するのが一般的であるが、それは、入手できる効果的なワクチンが基本的に 皆無だからである。化学的薬物の一つの短所は、頻繁な投与を要することである 。例えば、心糸状虫に感染しやすいイヌは、一般に、毎月投与して、保護的薬物 レベルを維持する。しかし、寄生性蠕虫の感染を治療する薬物の反復投与は、も はや治療に応答しない耐性系統の発生を招くことが多い。その上、化学的薬物の 多くは、治療される動物に有害であり、耐性が増大するために、より多くの投与 量が必要となるにつれて、副作用がはるかに強くなる。 寄生性蠕虫の感染に対するワクチンを開発することは、寄生虫の生活環が複雑 なことと、寄生虫または寄生虫抗原の投与は、有意な抗体応答の形成を招来でき るが、免疫応答が、一般に、動物を感染から保護するには不充分であることとの 双方のために、特に困難である。 ほとんどの寄生虫に関する限り、犬糸状虫、すなわち心糸状虫を生じる蠕虫の 生活環は様々な生活形態を含み、その各々が、免疫化に対して異なる標的を提示 し、かつ攻撃する。この寄生虫の成体形は、極めて大型であり、動物の心臓およ び肺動脈中に好んで棲息する。雄虫は、一般に、約12〜約20cm(センチメー トル)の長さで、約0.7〜約0.9mmの幅があり、雌虫は、約25〜約31cm の長さで、約1.0〜約1.3mmの幅がある。性的に成熟した成虫は、交尾後に 、僅かに約300μm(マイクロメートル)の長さで、約7μmの幅があるにすぎ ないミクロフィラリアを生み出す。ミクロフィラリアは、毛細血管床を横断し、 イヌの脈管系を、血液1mlあたりミクロフィラリア約103〜約105匹の濃度で 循環する。イヌにおける感染を証明する一つの方法は、循環するミクロフィラリ アを検出することである。 イヌを昆虫が存在しない環境に保つならば、寄生虫の生活環は進行しない。し かし、ミクロフィラリアが、感染したイヌでの血液摂食の際に雌の蚊によって摂 取されたときは、その後のミクロフィラリアの幼生への発生が、蚊の体内で生じ る。ミクロフィラリアは、2段階の幼生期(L1およびL2)を経て、最後に約 1.1mmの長さの成熟した第三期の幼生(L3)になり、次いで、この蚊が咬む ことによって、イヌに逆伝搬されることができる。したがって、最初の感染の原 因となるのは、このL3期である。感染の早くも3日後には、L3は第四幼生期 (L4)、次いで、第五期、すなわち未熟成虫へと脱皮する。未熟成虫は、心臓 および肺動脈へと移動し、ここで、成熟かつ繁殖し、こうして血中にミクロフィ ラリアを生み出す。イヌにおける心糸状虫の「潜在的な」感染は、ミクロフィラ リアは全く検出できないが、胸部検診によって、成体糸状虫の存在が決定できる こととして定義される。 心糸状虫は、一般的には、感染すると免疫を生じることさえできない(すなわ ち、化学療法で治癒した後でさえ、再感染することがあり得る)、イヌでの主要 な問題であるばかりでなく、他の伴侶動物、例えばネコやフェレットにもますま す広まりつつある。心糸状虫による感染は、ヒトでも報告されている。他の寄生 性蠕虫の感染も広まっており、すべてが、予防ワクチン計画をはじめとする、よ り優れた処置を必要としている。 寄生虫が宿主動物の免疫系から免れる一つの方法は、宿主動物が備える免疫応 答の少なくとも一部を無効化することによるものと思われる。文献中の論文は、 グルタチオン過酸化酵素、グルタチオン転移酵素および/またはスーパーオキシ ドジスムターゼのような酵素を生産することによって、寄生虫は、宿主の細胞免 疫系が感染に応答して産生した酸化体剤の効果に抵抗し得ると推測する。例えば Cooksonら[Proc.Natl.Acad.Sci.第89巻、5837〜5841ページ(1992年)]は 、ブルギア属Brugiaの可溶形態のグルタチオン過酸化酵素は、白血球の酸化的バ ースト(過酸化水素のバースト)を阻害し、脂質過酸化の二次産物を無効化し得 ると考え、こうして、これらの寄生虫が、免疫仲介性の細胞毒性という免疫エフ ェクター機構に対して見かけ上耐性である理由の、可能な説明を提供する。 グルタチオン過酸化酵素は、糸状虫類の寄生虫であるブルギア・パハンギBrug ia pahangi 、マレー糸状虫Brugia malayiおよびバンクロフト糸状虫Wuchereria bancrofti はもとより、吸虫類のマンソン住血吸虫Schistosoma mansoniをはじめ とする数多くの生物から同定され、該酵素をコードしている遺伝子も、それらか らクローニングされている。マレー糸状虫のグルタチオン過酸化酵素をコードし ている遺伝子と、ブルギア・パハンギのそれとの核酸配列は、93.7%同一で あると報告されたのに対し、バンクロフト糸状虫のグルタチオン過酸化酵素をコ ードしている遺伝子と、ブルギア・パハンギのそれとの核酸配列は、83.1% 同一であると報告された;例えばCooksonら[Mol.Biochem.Parasitol.第58巻 、155〜160ページ(1993年)]を参照されたい。表面標識化および抗体の研究は 、ブルギア属では、グルタチオン過酸化酵素は、L4および成体の寄生虫で存在 するが、L3の寄生虫では存在しないと思われることを示唆する;例えばSelkir kら[Mol.Biochem.Parasitol.第42巻、31〜43ページ(1990年)]を参照され たい。そのような寄生虫からは、可溶形態のグルタチオン過酸化酵素も分泌され ると思われる。 グルタチオン過酸化酵素は、ブルギア属の主要糖タンパク質であるが、犬糸状 虫でのグルタチオン過酸化酵素の産生は、Callahanら[Mol.Biochem.Parasito l.第49巻、245〜252ページ(1991年)]によれば、検出不能である。Callahanら [前掲の文献]は、犬糸状虫が、細胞仲介性免疫から自己を保護するのにスー パーオキシドジスムターゼを用いることを示唆する。Selkirkら[Immunobiology 第184巻,263〜281ページ(1992年)]は、グルタチオン過酸化酵素の一つの短所 は、このタンパク質が感染後のL3までは観察されないこと、および、その限り で、Gp29に対するワクチンは、侵入する幼生を無力化し得ず、リンパ系の病 理を促進し得ることを開示している。 [発明の概要] 本発明の一実施態様は、厳格な条件下で、犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリ ッド形成ができる、単離された核酸分子である。そのような核酸分子は、犬糸状 虫Gp29遺伝子の調節領域を包含でき、および/または犬糸状虫Gp29タン パク質の少なくとも一部をコードできる。本発明の好適な核酸分子は、配列番号 1の少なくとも一部を含み、配列番号2の少なくとも一部を含むタンパク質をコ ードしている。本発明は、本発明の核酸分子を含む組換え分子および組換え細胞 も包含する。本発明の核酸、組換え分子および組換え細胞を製造する方法も包含 される。 本発明の別の実施態様は、犬糸状虫Gp29タンパク質、またはそのようなタ ンパク質のミメトープを包含する。本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質または そのミメトープは、好ましくは、グルタチオン過酸化酵素活性を有し、および/ または犬糸状虫Gp29の1個以上のエピトープに対する免疫応答を誘発できる タンパク質を含む。本発明は、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質を用いて同 定されるグルタチオン過酸化酵素阻害剤はもとより、本発明の犬糸状虫Gp29 タンパク質および/またはそのミメトープを認識する(すなわち選択的に結合す る)抗体も包含する。本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質、グルタチオン過酸 化酵素の阻害剤および抗体を製造する方法も含まれる。 本発明の更に別の実施態様は、寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護でき る治療組成物である。そのような治療組成物は、下記の保護化合物のうち1種類 以上を含む:(a)単離された犬糸状虫Gp29タンパク質またはそのミメトー プ;(b)厳格な条件下で犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリッド形成ができる 単離核酸分子;(c)抗犬糸状虫Gp29抗体;および(d)犬糸状虫グルタチ オン過酸化酵素活性を阻害できるその能力によって同定される、グルタチオン過 酸化酵素活性の阻害剤。寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護する方法であ って、本発明の治療組成物を効果的な仕方で動物に投与することを含む方法も含 まれる。本発明の好適な治療組成物は、動物を心糸状虫から保護できる組成物で ある。 本発明は、寄生性蠕虫のグルタチオン過酸化酵素活性を阻害できる化合物を同 定する方法も包含する。そのような方法は、(a)単離された犬糸状虫Gp29 タンパク質を、推定される阻害性化合物と、該化合物の不在下では、犬糸状虫G p29タンパク質がグルタチオン過酸化酵素活性を有するという条件下で接触さ せること;および(b)該推定阻害性化合物がグルタチオン過酸化酵素活性を阻 害するか否かを決定することを含む。寄生性蠕虫のグルタチオン過酸化酵素活性 を阻害できる化合物を同定するための試験キットであって、グルタチオン過酸化 酵素活性を有する単離された犬糸状虫Gp29タンパク質、および、推定阻害化 合物の存在下で、グルタチオン過酸化酵素活性の阻害の程度を決定する手段を含 む試験キットも包含される。 [発明の詳細な説明] 本発明は、グルタチオン過酸化酵素活性は、犬糸状虫では検出されないとの初 期の報告(例えばCallahanら[前掲の文献]を参照されたい)にも拘らず、犬糸 状虫が、本明細書では犬糸状虫Gp29と呼ばれる、グルタチオン過酸化酵素を 実際に発現するという発見を包含する。犬糸状虫Gp29、および該タンパク質 をコードしている遺伝子はもとより、該タンパク質および該遺伝子の同族体は、 心糸状虫から動物を保護することと、以下に開示されるものをはじめとするその 他の用途との双方に役立つ。 本発明の一実施態様は、単離された犬糸状虫Gp29タンパク質またはそのミ メトープ(すなわち犬糸状虫Gp29タンパク質のミメトープ)である。本発明 によれば、単離されたタンパク質、または生物学的に純粋なタンパク質は、その 天然の環境から取り出されたタンパク質である。そのようなものとして「単離さ れた」または「生物学的に純粋な」とは、該タンパク質が精製されている程度を 必ずしも反映しない。単離された犬糸状虫Gp29タンパク質は、その天然資源 から得られる。単離された犬糸状虫Gp29タンパク質は、組換えDNA技術ま たは化学的合成を用いても製造できる。本明細書で用いられる限りで、単離され た犬糸状虫Gp29タンパク質は、完全な長さの犬糸状虫Gp29タンパク質、 またはそのようなタンパク質のいかなる同族体、例えば、該同族体がグルタチオ ン過酸化酵素活性を有し、および/または犬糸状虫Gp29タンパク質に対する 免疫応答を誘発できる1個以上のエピトープを有する(すなわち、当業者に公知 の手法を用いて、該同族体を免疫原として動物に投与したとき、該動物が、犬糸 状虫Gp29の1個以上のエピトープに対する体液性および/または細胞性の免 疫応答を生じる)ように、アミノ酸を削除し(例えば、該タンパク質の断端した バージョン、例えばペプチド)、挿入し、転化し、置換し、および/または(例 えばグリコシル化、リン酸化、アセチル化、ミリスチル化、プレニル化、パルミ チン酸付加、アミド化および/またはグリコシルホスファチジルイノシトールの 付加によって)誘導した犬糸状虫Gp29タンパク質であることもできる。グル タチオン過酸化酵素活性は、タンパク質が免疫応答を遂行できる能力と同様に、 当業者に公知の手法を用いて測定できる。 完全な長さのタンパク質の同族体をはじめとする、本発明の犬糸状虫Gp29 タンパク質は、犬糸状虫Gp29タンパク質をコードしている核酸配列、例えば 配列番号1に開示された配列の少なくとも一部を含む核酸と(すなわち核酸に) 、厳格な条件下でハイブリッド形成ができる核酸分子によってコードされている という更なる特徴を有する。本明細書で用いられる限りで、ある実体「の少なく とも一部」という語句は、その実体の機能的側面を有するのに少なくとも充分な 量の該実体を指す。例えば、本明細書で用いられる限りで、核酸配列の少なくと も一部とは、厳格なハイブリッド形成の条件下で、安定したハイブリッドを形成 できる量の核酸配列である。配列番号1は、nGp29726で示されるcDNA (相補的DNA)核酸分子の推定配列を表し、その製造は実施例に開示されてい る(核酸配列決定の技術が完全に無謬であることはないため、配列番号1は、最 良でも、犬糸状虫Gp29の少なくとも一部をコードしている核酸分子の見かけ の核酸配列を表すことに留意しなければならない)。本明細書で用いられる限り で、厳格なハイブリッド形成の条件とは、オリゴヌクレオチドも含め、核酸分子 (または配列)を用いて類似の配列を同定する標準的なハイブリッド形成の条件 を指す。そのような標準的な条件は、例えばSambrookら[Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Labs.Press発行(1989年)]に開示 されている。そのような条件の例は、実施例部分で提示されている。本発明の好 適な犬糸状虫Gp29タンパク質は、配列番号1の核酸配列との約80%以上の 相同性(匹敵する領域内での同一性)を有する核酸配列によってコードされてい る。本発明の、より好適な犬糸状虫Gp29タンパク質は、配列番号1の核酸配 列との約85%以上の相同性を有する核酸配列によってコードされ、本発明の、 より一層好適な犬糸状虫Gp29タンパク質は、配列番号1の核酸配列との約9 0%以上の相同性を有する核酸配列によってコードされている。 犬糸状虫Gp29タンパク質の同族体は、天然の対立遺伝子の変異、または自 然突然変異の結果であり得る。犬糸状虫Gp29タンパク質の同族体は、当技術 に公知の手法を用いても製造することができ、それらは、該タンパク質に対する 直接の修飾、あるいは、例えば、無作為の、もしくは標的を定めた突然変異を実 施するための古典的な、または組換えDNAによる手法を用いた、該タンパク質 をコードしている遺伝子に対する修飾を包含するが、それらに限定されない。同 族体も含め、本発明の単離タンパク質は、該タンパク質の、グルタチオン過酸化 酵素活性を発揮でき、および/または犬糸状虫Gp29タンパク質に対する免疫 応答を誘発できる能力によって、簡明な方法で同定できる。そのような同定の手 法について本明細書に開示されている。 本発明の最小の大きさの単離タンパク質は、エピトープを形成するのに充分で あって、それは、一般的には、少なくとも約7〜約9のアミノ酸という大きさで ある。当業者が認識するとおり、エピトープは、天然には隣り合っているアミノ 酸ばかりでなく、天然タンパク質の三次構造のために、エピトープを形成するの に充分近接しているアミノ酸も包含できる。 本発明によれば、ミメトープとは、本発明の単離された犬糸状虫Gp29タン パク質の能力を模倣できるいかなる化合物をも意味する。ミメトープは、分解に 対するその感受性を低下させるよう修飾されているが、グルタチオン過酸化酵素 活性、および/または犬糸状虫Gp29の1個以上のエピトープに対する免疫応 答を誘発できる能力をなおも保持しているペプチドであることができる。ミメト ープのその他の例は、抗イディオタイプおよび/または触媒性抗体、あるいは酵 素活性を模倣できるか、または犬糸状虫Gp29タンパク質の1個またはそれ以 上のエピトープを模倣する1個所以上の結合部位を有するその断片;単離タンパ ク質の非タンパク質性の免疫原性部分(例えば炭水化物構造);ならびに、本発 明の単離タンパク質の1個以上のエピトープに類似する構造を有する、核酸をは じめとする合成または天然有機分子を包含するが、それらに限定されない。その ようなミメトープは、例えば、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質に対して誘 発した抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーの手法、またはグルタチ オン過酸化酵素活性を有する分子のスクリーニングによって得ることができる。 本発明の好適な犬糸状虫Gp29タンパク質またはミメトープは、効果的な仕 方で動物に投与したときに、寄生性蠕虫が引き起こす疾病から該動物を保護でき る化合物である。寄生性蠕虫は、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質で免疫化 した動物には、疾病を生起することが基本的に不可能であることが好ましい。本 発明によれば、本発明のタンパク質またはミメトープが寄生性蠕虫による疾病か ら動物を保護できる能力とは、該タンパク質またはミメトープが寄生性蠕虫によ って引き起こされる疾病に至る感染をはじめとする疾病を、好ましくは該蠕虫に 対する免疫応答を誘発することによって、治療、軽減および/または予防できる 能力を意味する。そのような免疫応答は、体液性および/または細胞性の免疫応 答を包含できる。 本発明の適切な寄生性蠕虫は、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質を投与し た動物に疾病を生起することが、本質的に不可能である寄生性蠕虫である。その ようなものとして、本発明の寄生性蠕虫は、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク 質に対する体液性および/または細胞性応答による標的とすることができ、およ び/または犬糸状虫のグルタチオン過酸化酵素活性を実質的に阻害できる化合物 が標的とすることができ、それによって、動物に疾病を生起する該寄生性蠕虫の 能力の低下を招く、1個またはそれ以上のエピトープを有するタンパク質を産生 するいかなる蠕虫も包含する。標的とするのに適した蠕虫である寄生虫は、線虫 類、条虫類および吸虫類を包含し、糸状虫、回虫、円虫および毛様線虫の線虫類 が好適である。標的とするのにより好適な寄生性蠕虫は、猫円虫Aelurostrongyl us 、ズビニ鉤虫Ancylostoma、アンギオストロンギルスAngiostrongylus、回虫As caris 、ブルギアBrugia、ブノストマムBunostomum、毛細線虫Capillaria、カベ ルティアChabertia、クーパリアCooperia、ディクティオカウルスDictyocaulus 、ディペタロネーマDipetalonema、犬糸状虫Dirofilaria、メディナ虫Dracuncul us 、ギョウ虫Enterobius、捻転胃虫Haemonchus、ロア糸状虫Loa、マンソネラMan sonella 、アメリカ鉤虫Necator、ネマトディルスNematodirus、エソファゴスト マムOesophagostomum、回旋糸状虫Onchocerca、オステルタギアOstertagia、パ ラフィラリアParafilaria、馬回虫Parascaris、プロトストロンギルスProtostro ngylus 、セタリアSetaria、糞線虫Strongyloides、円虫Strongylus、トキスアス カリスTosascaris、犬回虫Toxocara、トキソプラズマToxoplasma、旋毛虫Trichi nella 、毛様線虫Trichostrongylus、ベン虫Trichuris、極東鉤虫Uncinariaおよ び糸状虫Wuchereriaという属の寄生虫を包含する。回虫目(回虫類)およびキア トストミナ目(ウマの小円虫)の線虫類も好適である。標的とするのに特に好適 な寄生性蠕虫は、犬糸状虫、すなわち心糸状虫を生じる寄生虫である。 本発明の一実施態様は、融合セグメントに付着した犬糸状虫Gp29含有ドメ インを有する融合タンパク質である。本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質の一 部としての融合セグメントの包含は、製造、貯蔵および/または使用の際のタン パク質の安定性を増大させることができる。セグメントの特性に応じて、融合セ グメントは、そのような融合セグメントを有する犬糸状虫Gp29タンパク質で 免疫化した動物が備える免疫応答を増強するための免疫強化剤としても作用でき る。その上、融合セグメントは、犬糸状虫Gp29タンパク質の精製を単純化す るための、例えば、アフィニティークロマトグラフィーを用いて、得られた融合 タンパク質の精製を可能にするような手段として、機能できる。適切な融合セグ メントは、所望の機能(例えば増大した安定性、増大した免疫原性、および/ま たは精製手段)を有するいかなる大きさのドメインでもあることができる。1個 またはそれ以上の融合セグメントを用いることは、本発明の範囲内である。融合 セグメントは、該タンパク質の犬糸状虫Gp29含有ドメインのアミノおよび/ またはカルボキシル末端に結合できる。融合セグメントと、融合タンパク質の犬 糸状虫Gp29含有ドメインとの結合は、そのようなタンパク質の犬糸状虫Gp 29含有ドメインの簡明な回収を可能にするための切断を受け易くできる。融合 タンパク質は、好ましくは、犬糸状虫Gp29含有ドメインのカルボキシルおよ び/またはアミノ末端のいずれかに結合した融合セグメントを有するタンパク質 をコードしている、融合核酸分子で形質転換した組換え細胞を培養することによ って製造される。 本発明の用途に好適な融合セグメントは、グルタチオン結合ドメイン、例えば 日本住血吸虫Schistosoma japonicumのグルタチオンS転移酵素(GST)、ま たはグルタチオンに結合できるその一部;金属結合ドメイン、例えば二価金属イ オンに結合できるポリヒスチジンセグメント;免疫グロブリン結合ドメイン、例 えばプロテインA、プロテインG、T細胞、B細胞、Fc受容体または補体タン パク質抗体結合ドメイン;麦芽糖結合タンパク質からの麦芽糖結合ドメインのよ うな、糖結合ドメイン;および/または「タグ」ドメイン(例えば、β−ガラク トシダーゼの少なくとも一部、ストレプタグペプチド、該ドメインに結合する化 合物、例えばモノクローナル抗体を用いて精製できるその他のドメイン)を包含 する。より好適な融合セグメントは、金属結合ドメイン、例えばポリヒスチジン セグメント;麦芽糖結合ドメイン;ストレプタグペプチド、例えば米国フロリダ 州TampaのBiometra社から入手できるもの;およびS10ペプチドを包含する。 本発明の特に好ましい融合タンパク質の例は、βGAL−PGp29726、PH IS−PGp29658、PTRP−PGp29658およびPMALB−PGp29658 を包含し、その製造を本明細書中に開示する。 本発明の別の実施態様は、動物を1種類またはそれ以上の疾病から保護できる 1個以上の追加タンパク質セグメントも有する犬糸状虫Gp29タンパク質であ る。そのような多面的保護タンパク質は、互いに結合させた2個所またはそれ以 上の核酸ドメインを含む核酸分子で形質転換した細胞を、培養することによって 製造できるが、その結合は、得られる核酸分子が、例えば1種類以上の感染性作 用因子によって引き起こされる疾病から動物を保護できる、2種類以上の保護化 合物またはその部分を含む多面的保護化合物として発現されるようにする。多面 的保護化合物の例は、他の1種類もしくはそれ以上の犬糸状虫Gp29タンパク 質に結合した犬糸状虫Gp29タンパク質、または他の1種類もしくはそれ以上 の感染性作用因子、特にネコもしくはイヌに感染する作用因子、例えば、限定さ れないが、カリシウイルス、ジステンパーウイルス、猫ヘルペスウイルス、猫免 疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス、猫伝染性腹膜炎、肝炎、鉤虫、レプトスピ ラ症、汎白血球減少症ウイルス、パルボウイルス、狂犬病およびトキソプラズマ 症に対して保護的な1種類もしくはそれ以上の化合物に結合した犬糸状虫Gp2 9タンパク質を包含するが、限定されない。 犬糸状虫Gp29タンパク質とともに多面的保護タンパク質に含めるのに適し たその他の犬糸状虫タンパク質は、犬糸状虫P39タンパク質、犬糸状虫P22 Uタンパク質、犬糸状虫P22Lタンパク質、犬糸状虫P20.5タンパク質、 犬糸状虫P4タンパク質、犬糸状虫Di22タンパク質、ならびに/またはL3 および/もしくはL4幼生で発現される犬糸状虫プロテアーゼと同様に、有意な 相同性をそのような犬糸状虫タンパク質と共有するその他の蠕虫タンパク質を包 含するが、限定されない。有意な相同性を別のタンパタ質と共有するタンパク質 とは、そのようなタンパク質をコードしている核酸配列が、例えばSambrookら[ 前掲の文献]に記載されているような厳格なハイブリッド形成条件下で、安定し たハイブリッド形成複合体を相互に形成できる能力を指す。1993年1月12日に出 願された「免疫原性幼生タンパク質」という名称の米国特許願第08/003,389号明 細書は、本明細書中ではP39と呼ぶ、39kD(キロダルトン)の犬糸状虫タン パク質(大きさはトリスグリシンSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポ リアタリルアミドゲル電気泳動)によって決定した)、およびそれをコードして いる核酸配列を開示している。1993年1月12日に出願された「ワクチンの同定の ための薬剤および方法」という名称の米国特許願第08/003,257号明細書は、本明 細書中ではP22LおよびP20.5と呼ぶ、22kDおよび20.5kDの犬糸状 虫タンパク質(大きさはトリスグリシンSDS−PAGEによって決定した)、 ならびにそれらをコードしている核酸配列を開示している。1993年8月19日に出 願された「新規な寄生性蠕虫タンパク質」という名称の米国特許願第08/109,391 号明細書は、犬糸状虫P4および犬糸状虫P22Uとともに、それらをコードし ている核酸配列を開示している。1993年5月10日に出願された「心糸状虫ワクチ ン」という名称の米国特許願第08/060,500号明細書は、犬糸状虫Di22タンパ ク質、およびそれをコードしている核酸配列を開示し(Genbankデータベース受 付番号M82811に収録);特許願第08/060,500号は、1991年4月8日に出願された 米国特許願第07/683,202号の継続出願である。1993年11月16日に出願された「心 糸状虫に対するプロテアーゼワクチン」という名称の米国特許願第08/153,554号 明細書は、犬糸状虫の幼生プロテアーゼを開示し;特許願第08/153,554号は、19 91年11月12日に出願された米国特許願第07/792,209号の継続出願である。これら の特許明細書は、それぞれ、参照によって全体としてここに組み込まれる。 特に好適な犬糸状虫Gp29タンパク質は、配列番号1の少なくとも一部によ ってコードされているタンパク質であり、かつ、そのようなものとして、配列番 号2の少なくとも一部を含むアミノ酸配列を有するタンパタ質である。配列番号 1(核酸分子nGp29726の核酸配列を示す)の推定される翻訳は、配列番号 2(犬糸状虫Gp29タンパク質PGp29219を示す)に示されているが、完 全な長さの犬糸状虫Gp29タンパク質は、終止コドンへと続く約219以上の アミノ酸の転写解読枠を含むことを示唆する。nGp29726の翻訳開始部位は 、まだ末知であるが、配列番号1は、配列番号2の推定アミノ酸配列が約29kD の分子量、および約5.89の推計pIを有するタンパク質を示唆することから 、コード領域のほとんどすべてを示すものと思われる。配列番号2のアミノ酸配 列は、ヒト血漿グルタチオン過酸化酵素と約37%相同であり、ヒト肝グルタチ オン過酸化酵素と約42%相同であり、バンクロフト糸状虫Gp29と約73% 相同、マレー糸状虫Gp29およびブルギア・パハンギGp29とは、ともに約 74%相同である。 犬糸状虫PGp29219の興味深い特性は、哺乳類のグルタチオン過酸化酵素 とは異なり、犬糸状虫PGp29219は、見かけ上セレノタンパク質ではないこ とである。哺乳類のグルタチオン過酸化酵素の既知のコード領域は、有害な過酸 化酵素のグルタチオン仲介性還元を実施するのにセレンを必要とし、セレノシス テインとして翻訳されるオパールコドンを有する。それに対して、配列番号1は 、対応する位置にシステインコドンUCUを有するが、バンクロフト糸状虫、マ レー糸状虫およびブルギア・パハンギのGp29の核酸配列は、対応する位置に UGCのシステインコドンを有する。理論にとらわれるものではないが、フィラ リア類のグルタチオン過酸化酵素活性は、セレンを必要としないと考えられる。 本発明の別の実施態様は、配列番号2のアミノ酸配列の対応する領域と約75 %以上の、好ましくは約80%以上の、より好ましくは約85%以上の、より一 層好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含む犬糸状虫Gp2 9タンパク質である。 本発明の特に好適なタンパク質は、PGp29219、PGp29219を含むタン パク質(例えば、限定されないが、完全な長さの犬糸状虫Gp29タンパク質、 融合タンパク質、および多面的保護を与えるタンパタ質)、ならびにPGp29219 の断端された同族体であるタンパク質を包含する。より一層好適なタンパク 質は、PGp29219、βGAL−PGp29726、PHIS−PGp29658、 PTRP−PGp29658およびPMALB−PGp29658である。PGp29219 、βGAL−PGp29726およびPHIS−PGp29658、PTRP−P Gp29658を製造する方法の例を、実施例の部分に開示する。PMALB−P Gp29658、すなわち麦芽糖結合ドメインを有する融合タンパク質は、pMA Lというベクター(例えば、New England Biolabs社[米国マサチューセッツ州B everly]より入手できるpMAL−c2またはpMAL−c5)に機能的に結合 されたnGp29658を含む組換え分子で形質転換した組換え細胞内で生産でき る。そのような組換え分子は、pMal2−nGp29658およびpMal5− nGp29658を含む。 本発明の別の実施態様は、厳格な条件下で犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリ ッド形成できる、単離された核酸分子である。本明細書で用いられるように、犬 糸状虫Gp29遺伝子は、該遺伝子がコードしている犬糸状虫Gp29タンパク 質の生産を制御する調節領域(例えば、限定されないが、転写、翻訳または翻訳 後の調節領域)と同様に、コード領域それ自体のような、天然の犬糸状虫Gp2 9遺伝子に関連するすべての核酸配列を包含する。本発明の犬糸状虫Gp29核 酸分子は、単離された天然の犬糸状虫Gp29遺伝子、またはその同族体を包含 できる。本発明の核酸分子は、1個所もしくはそれ以上の調節領域、完全な長さ の、もしくは部分的な、コード領域、またはそれらの組合せを包含できる。本発 明の犬糸状虫核酸分子の最小の大きさは、厳格なハイブリッド形成条件下で、安 定したハイブリッドを形成できる最小の大きさである。 本発明によれば、単離された核酸分子は、その自然な環境から取り出された( すなわち、人為操作に付された)核酸分子である。そのようなものとして、「単 離された」は、核酸分子が精製された程度を反映するものではない。単離された 核酸分子は、DNA、RNA、またはDNAもしくはRNAのいずれかの誘導体 を含有できる。 本発明の単離された犬糸状虫Gp29核酸分子は、全体の(すなわち完全な) 遺伝子、または該遺伝子と安定したハイブリッドを形成できるその一部のいずれ としても、その天然資源から得られる。単離された犬糸状虫Gp29核酸分子は 、組換えDNA技術(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、クローニン グ)または化学的合成を用いても、製造できる。単離された犬糸状虫Gp29核 酸遺伝子は、天然の核酸分子、ならびに、天然の対立遺伝子変異体および修飾さ れた核酸分子を包含するが限定されない、その同族体を包含するが、この修飾は 、核酸分子の、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質をコードできるか、または 厳格な条件下で天然の単離体と安定したハイブリッドを形成できる能力に、その ような修飾が実質的に干渉しないようにして、ヌクレオチドを挿入、削除、置換 および/または転化するものである。 犬糸状虫Gp29核酸分子の同族体は、当業者に公知の多数の方法(例えばSa mbrookら[前掲の文献]を参照されたい)を用いて製造できる。例えば、古典的 な突然変異誘発の手法および組換えDNAの手法、例えば部位指向性突然変異誘 発、核酸分子の突然変異を誘発する化学処理、制限酵素による核酸断片の切断、 核酸断片の連結、核酸配列の選ばれた領域のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に よる増幅および/または突然変異誘発、核酸分子の混合物を「形成する」ための オリゴヌクレオチド混合物の合成や混合物群の連結、ならびにそれらの組合せを 包含するがこれらに限定されない、様々な手法を用いて、核酸分子を修飾できる 。核酸分子同族体は、修飾された核酸の混合物から、該核酸がコードしているタ ンパク質の機能(例えば、グルタチオン過酸化酵素活性、または犬糸状虫Gp2 9タンパク質の1個以上のエピトープに対して免疫応答を誘発できる能力)につ いてのスクリーニング、および/または厳格な条件下での単離犬糸状虫Gp29 核酸とのハイブリッド形成によって選択できる。 本発明の単離された核酸分子は、本発明の1種類以上の犬糸状虫Gp29タン パク質をコードしている核酸配列を有することができ、そのようなタンパク質の 例を本明細中に開示する。語句「核酸分子」は、主として物理的な核酸分子を意 味し、語句「核酸配列」は、主として核酸分子上のヌクレオチドの配列を主に意 味するものの、二つの語句は、特に、犬糸状虫Gp29タンパク質をコードでき る核酸分子または核酸配列に関しては、互換可能な形で用いることができる。以 上に開示されたとおり、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質は、完全な長さの 犬糸状虫Gp29コード領域を有するタンパク質、部分的な犬糸状虫Gp29コ ード領域を有するタンパク質、融合タンパク質、多面的保護タンパク質およびそ れらの組合せを包含するが、これらに限定されない。 本発明の一実施態様は、配列番号1の核酸配列の対応する領域との約80%以 上、好ましくは約85%以上、より好ましくは約90%以上、より一層好ましく は約95%以上の相同性を有する核酸配列を有する犬糸状虫Gp29核酸分子で ある。 本発明の好適な核酸分子は、nGp29726の少なくとも一部を含む。そのよ うなものとして、本発明の好適な核酸分子は、配列番号1の少なくとも一部を含 む核酸配列を有する。そのような核酸分子は、nGp29726であることができ るか、nGp29726の他にもヌクレオチド(例えば、限定されないが、完全な 長さの遺伝子、融合タンパク質をコードしている核酸分子、または多面的保護化 合物をコードしている核酸分子)を含むことができるか、あるいはnGp2972 6 の断端断片であることができる。特に好適な核酸分子は、nGp29726、nG p29658およびnGp29660を包含する。 本発明は、配列番号2の少なくとも一部をコードしている核酸分子(そのよう な核酸分子を発現させようとする細胞のコドン使用特性に適応させるように修飾 した核酸分子を包含する)も包含する。 nGp29726の核酸配列を知見することは、当業者が、該核酸分子の複製を 作成することと同様に、nGp29726の少なくとも一部(例えば、翻訳開始部 位、ならびに/または転写および/もしくは翻訳調節領域も含む分子)、nGp 29726のいくつかの数部分を含む核酸分子、および他の犬糸状虫Gp29核酸 分子の同族体を得ることも可能にする。そのような核酸分子は、本発明の抗体で 適切な発現ライブラリーをスクリーニングすること、またはグルタチオン過酸化 酵素スクリーニング検定;本発明のオリゴヌクレオチドプローブを用いて適切な ライブラリーもしくはDNAをスクリーニングする慣用のクローニング手法;な らびに本発明のオリゴヌクレオチドプライマーを用いた適切なライブラリーもし くはDNAのPCR増幅をはじめとする様々な方法で得ることができる。スクリ ーニングし、またはそれから増幅するための好適なライブラリーは、L3犬糸状 虫cDNA、L4犬糸状虫cDNA、成虫犬糸状虫cDNAまたは犬糸状虫ゲノ ムDNAのライブラリーを包含する。同様に、スクリーニングし、またはそれか ら増幅するための好適なDNA源は、L3犬糸状虫cDNA、L4犬糸状虫cD NA、成虫犬糸状虫cDNAまたは犬糸状虫ゲノムDNAを包含する。遺伝子を クローニングかつ増幅する手法は、例えばSambrookら[前掲の文献]に開示され ている。 本発明は、本発明の別の、好ましくはより長い核酸分子の相補的領域、例えば 犬糸状虫核酸分子のnGp29726の相補的領域、nGp29726の少なくとも一 部を含む核酸分子の相補的領域、および厳格な条件下でnGp29726とハイブ リッド形成する核酸分子の相補的領域と、厳格な条件下でハイブリッド形成でき る、オリゴヌクレオチドである核酸分子も包含する。そのようなオリゴヌクレオ チドは、RNA、DNA、またはそのいずれかの誘導体であることができる。そ のようなオリゴヌクレオチドの最小の大きさは、与えられたオリゴヌクレオチド と、本発明の別の核酸分子上の相補的配列との間に安定したハイブリッドを形成 するのに必要な大きさである。そのようなものとして、その大きさは、核酸の組 成、および該オリゴヌクレオチドと相補的配列との相同性の百分率と同様に、ハ イブリッド形成条件それ自体(例えば温度、塩濃度)にも左右される。ATに富 む核酸配列、例えば犬糸状虫の配列のためには、オリゴヌクレオチドは、一般に 、少なくとも約15〜約17塩基の長さである。オリゴヌクレオチドの大きさは 、本発明によるオリゴヌクレオチドの用途に充分であることも要する。本発明の オリゴヌクレオチドは、追加の核酸分子を同定するためのプローブとして、核酸 分子を増幅もしくは延長するためのプライマーとして、または、例えば心糸状 虫による犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素の発現を阻害するための治療の用途な どを包含するが限定されない、様々な用途に用いることができる。そのような治 療用途は、例えば、アンチセンス、トリプレックス形成、リボゾームおよび/ま たはRNA薬物に基づく技術でのそのようなオリゴヌクレオチドの用途を包含す る。したがって、本発明は、そのような技術のうちの一つまたはそれ以上を用い ることによって、犬糸状虫Gp29タンパク質の生成に干渉するための、そのよ うなオリゴヌクレオチドおよび方法を包含する。オリゴヌクレオチドを含有する 適切な治療組成物は、当業者に公知の手法を用いて、犬糸状虫のような寄生性蠕 虫による感染の前後に動物に投与して、該動物を疾病から保護できる。 本発明は、本発明の犬糸状虫Gp29核酸分子を宿主細胞内に送達できるいか なるベクターにも挿入される、該核酸分子を含有する組換えベクターも包含する 。そのようなベクターは、異種核酸配列、すなわち、天然には本発明の犬糸状虫 Gp29核酸分子の近隣には見出されず、かつ、好ましくは、該核酸分子がそれ に由来する種以外の種に由来する核酸配列を有する。該ベクターは、RNAまた はDNAのいずれであることも、原核性または真核性のいずれであることもでき 、一般的には、ウイルスまたはプラスミドである。組換えベクターは、本発明の 犬糸状虫Gp29核酸分子のクローニング、配列決定および/またはそれ以外の 操作に用いることができる。組換えベタターの一類型は、本明細書では組換え分 子と呼び、より詳細に下記で説明するが、本発明の核酸分子の発現に用い得る。 好適な組換えベクターは、形質転換した細胞内で複製できる。 本発明の組換えベクターに含め得る好適な核酸分子は、nGp29726の少な くとも一部を含む核酸分子である。本発明の組換えベクターに含め得る特に好適 な核酸分子は、nGp29726、nGp29658およびnGp29660を包含する 。 本発明の単離タンパク質は、天然タンパク質の製造および回収、組換えタンパ ク質の製造および回収、ならびに該タンパク質の化学合成を包含する様々な方法 で製造できる。一実施態様では、本発明の単離タンパク質は、該タンパク質を産 生するのに効果的な条件下で、該タンパク質を発現できる細胞を培養し、該タン パク質を回収することによって製造される。培養するのに好適な細胞は、本発明 の1種類またはそれ以上の核酸分子で宿主細胞を形質転換することによって形成 される、該タンパク質を発現できる組換え細胞である。細胞への核酸分子の形質 転換は、核酸分子を該細胞内に挿入できるいかなる方法を用いても達成できる。 形質転換の手法は、核酸移入、電気穿孔、微量注入、リポソーム移入、吸着およ びプロトプラスト融合を包含するが、これらに限定されない。組換え細胞は、単 細胞性のままでも、または組織、器官もしくは多細胞性器官系へと増殖させても よい。本発明の形質転換された核酸分子は、染色体外に留まることも、または形 質転換した(すなわち組換えた)細胞の染色体内の1個所もしくはそれ以上の部 位へと、発現させようとするそれらの能力が保持されるようにして、統合するこ ともできる。細胞を形質転換するのに好適な核酸分子は、nGp29726の少な くとも一部を有する核酸分子である。細胞を形質転換するのに特に好適な核酸分 子は、nGp29726、nGp29658およびnGp29660を包含する。 形質転換するのに適した宿主細胞は、形質転換できるいかなる細胞も包含する 。宿主細胞は、形質転換されていない細胞、または1種類以上の核酸分子で既に 形質転換された細胞のいずれであることもできる。本発明の宿主細胞は、本発明 の犬糸状虫Gp29タンパク質を内因的に(すなわち自然に)産生できるか、ま たは本発明の1種類以上の核酸分子で形質転換した後に、そのようなタンパク質 を産生できるかのいずれかである。本発明の宿主細胞は、本発明の犬糸状虫Gp 29タンパク質を生産できるいかなる細胞であることもでき、細菌、真菌(酵母 を含む)、動物寄生虫(蠕虫を含む)、昆虫、動物および植物の細胞を包含する 。好適な宿主細胞は、細菌、マイコバクテリア、酵母、蠕虫および動物の細胞で ある。より好適な宿主細胞は、サルモネラ属Salmonella,エスケリキア属Escheri chia 、バシルス属Bacillus、サッカロマイセス属Saccharomyces、スポドプテラ 属Spodoptera、マイコバクテリア属Mycobacteria、トリコプルシア属Tricholusi a 、BHK(仔ハムスター腎)細胞、MDCK細胞(イヌヘルペスウイルス培養 用正 常イヌ腎細胞系)、CRFK細胞(ネコヘルペスウイルス培養用正常ネコ腎細胞 系)およびCOS細胞を包含する。特に好適な宿主細胞は、大腸菌K−12誘導 体を包含する大腸菌Escherichia coli;チフス菌Salmonella typhi;UK−1x 3987およびSR−11x4072のような弱毒株を包含するネズミチフス菌S almonella typhimurium ;スポドプテラ・フルギペルダSpodoptera frugiperda; トリコプルシア・ニーTrichoplusia ni;BHK細胞;MDCK細胞;CRFK 細胞および非腫瘍原性マウス筋原細胞G8細胞(例えばATCC:CRL124 6)である。追加される適切な哺乳類細胞の宿主は、その他の腎細胞系(例えば CV−1サル腎細胞系)、その他の線維芽細胞の細胞系(例えば、ヒト、ネズミ またはニワトリの胚線維芽細胞の細胞系)、骨髄腫細胞系、チャイニーズハムス ター卵巣細胞および/またはHeLa細胞を包含する。 組換え細胞は、好ましくは、一つまたはそれ以上の転写調節配列を有する発現 ベクターに機能的に結合された、本発明の1種類またはそれ以上の核酸分子をそ れぞれ含む、1種類またはそれ以上の組換え分子で宿主を形質転換させることに よって形成する。機能的に結合されたという語句は、核酸分子を発現ベクター内 に、該分子が、宿主細胞内に形質転換されたときに発現できるように挿入するこ とを指す。本明細書で用いられるように、発現ベクターは、宿主を形質転換でき 、かつ特定の核酸分子の発現を実施できるDNAまたはRNAベクターである。 好ましくは、該発現ベクターは、宿主細胞内で複製することもできる。発現ベク ターは、原核性または真核性のいずれであることもでき、一般的には、ウイルス またはプラスミドである。本発明の発現ベクターは、細菌、真菌、動物寄生虫、 昆虫、動物および植物の細胞を包含する、本発明の組換え細胞内で機能する(す なわち遺伝子発現を指図する)いかなるベクターをも包含する。本発明の好適な 発現ベクターは、細菌、酵母、蠕虫、昆虫および哺乳類の細胞内で、より好まし くは、以上に開示された細胞型内で遺伝子発現を支配できる。 本発明の発現ベクターは、発現された犬糸状虫Gp29タンパク質が該タンパ ク質を生産する細胞から分泌されるのを可能にするための分泌シグナル(すなわ ち、シグナルセグメントの核酸配列)を有してもよく、そして/または本発明の 挿入核酸分子の融合タンパク質としての発現を招く融合配列を有してもよい。真 核性組換え分子は、犬糸状虫Gp29核酸分子の核酸配列の周囲および/または 内部に、干渉性の、および/または翻訳されない配列を含んでよい。融合セグメ ントの核酸がコードしている適切な融合セグメントの例は、開示されている。適 切なシグナルセグメントは、犬糸状虫Gp29シグナルセグメント、または本発 明の、融合タンパク質も含めた犬糸状虫Gp29タンパク質の分泌を支配できる 、いかなる異種シグナルセグメントをも包含する。好適なシグナルセグメントは 、組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)、インターフェロン、インター ロイキン、成長ホルモン、組織適合性およびウイルス外皮の糖タンパク質のシグ ナルセグメントを包含するが、これらに限定されない。 本発明の核酸分子は、プロモーター、オペレーター、リプレッサー、エンハン サー、終止配列、複製開始点、および、組換え細胞に適合する本発明の核酸分子 の発現を調節する調節配列のような、その他の調節配列を含む発現ベクターに機 能的に結合できる。特に、本発明の組換え分子は転写調節配列を有する。転写調 節配列は、転写の開始、延長および終結を調節する配列である。特に重要な転写 調節配列は、転写開始を調節する配列、例えばプロモーター、オペレーターおよ びリプレッサー配列である。適切な転写調節配列は、本発明の組換え細胞のうち 1種類以上で機能できる、いかなる転写調節配列をも包含する。様々なそのよう な転写調節配列が、当業者に公知である。好適な転写調節配列は、細菌、酵母、 蠕虫、昆虫および哺乳類の細胞で機能する配列、例えば、限定されないが、ta c、lac、trp、trc、oxy−pro、omp/lpp、rrnB、バ クテリオファージ(λ)(例えば、λPLおよびλPR、ならびにそのようなプロモ ーターを有する融合)、バクテリオファージT7、T7lac、バクテリオファ ージT3、バクテリオファージSP6、バクテリオファージSP01、メタロチ オネイン、α交配因子、ピキア属アルコール酸化酵素、アルファウイルスのサブ ゲノムプロモーター(例えばシンドビスウイルスのサブゲノムプロモーター)、 バキュロウイルス、ヘリオチス・ゼアHeliothis zea昆虫ウイルス、ワクシニア ウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、シミアンウ イルス40、レトロウイルスアクチン、レトロウイルスの長い末端重複、ラウス 肉腫ウイルス、熱ショック、リン酸および硝酸転写調節配列と同様に、原核もし くは真核細胞での遺伝子発現を調節できるその他の配列を包含する。追加される 適切な転写調節配列は、組織特異的なプロモーターおよびエンハンサーと同様に 、リンホカイン誘導可能プロモーター(例えば、インターフェロンまたはインタ ーロイキンで誘導できるプロモーター)を包含する。本発明の転写調節配列は、 犬糸状虫Gp29分子に単離の前に天然に付随する、天然に産する転写調節配列 も包含できる。 本発明の組換え分子は、形質転換しようとする細胞での核酸分子の発現を効果 的に調節できる、いずれかの転写調節配列のうち1種類以上に機能的に結合され た、これまでに記載したいずれかの核酸分子のうち1種類以上を含み得る分子で ある。好適な組換え分子の例は、これまでに記載してある。特に好適な組換え分 子は、pβgal−nGp29726、pHis−nGp29658、pTrp−nG p29658、pTECH−nGp29726、pTECHーnGp29658、pMa l2−nGp29658、pMal5−nGp29658、pλPR−nGp29658、 pλPL−nGp29658、pBBIII−nGp29658およびpToto2J 1−nGp29658を包含する。そのような組換え分子の生成に関する詳細を本 明細書中に開示する。 本発明の組換え細胞は、本発明のいずれかの核酸分子のうち1種類以上で形質 転換したいかなる細胞も包含する。好適な組換え細胞は、nGp29726の少な くとも一部を有する核酸分子で形質転換した細胞である。特に好適な組換え細胞 は、大腸菌:pβgal−nGp29726、大腸菌:pHis−nGp29658、 大腸菌:pTrp−nGp29658、サルモネラ:pTECH−nGp29726、 サルモネラ:pTECH−nGp29658、大腸菌:pMal2−nGp29658 、大腸菌:pMal5−nGp29658、大腸菌:pλPR−nGp29658、 大腸菌:pλPL−nGPL p29658、スポドプテラ・フルギペルダ:pBBI II−nGp29658およびBHK:pToto2J1−nGp29658を包含す る。 本発明の組換え細胞は、1種類またはそれ以上の犬糸状虫Gp29核酸分子と 、1種類またはそれ以上の保護化合物を含有できる多面的ワクチンの生産に役立 つ、別の1種類またはそれ以上のタンパク質とをコードしている核酸分子を包含 する、1種類またはそれ以上の組換え分子で同時形質転換することもできる。 当業者には、組換えDNA技術の利用は、例えば、宿主細胞中の核酸分子のコ ピー数、これらの核酸分子が転写される効率、得られた転写体が翻訳される効率 、および翻訳後修飾の効率を操作することによって、形質転換された核酸分子の 発現を改善できることが認識されてよい。本発明の核酸分子の発現を増大させる のに役立つ組換え手法は、核酸分子と高コピー数のプラスミドとの機能的な結合 、1種類またはそれ以上の宿主細胞染色体への核酸分子の統合、プラスミドへの ベクター安定性配列の付加、転写調節シグナル(例えばプロモーター、オペレー ター、エンハンサー)の置換または修飾、翻訳調節シグナル(例えばリボソーム 結合部位、シャイン−ダルガルノ配列)の置換または修飾、宿主細胞のコドン用 法に対応させるような本発明の核酸分子の修飾、転写体を不安定化する配列の削 除、ならびに、発酵の際に組換え細胞の増殖を組換え酵素生産から一時的に分離 する調節シグナルの利用を包含するが、これらに限定されない。発現された本発 明の組換えタンパク質の活性を、そのようなタンパク質をコードしている核酸分 子を断片化、修飾または誘導体化することによって、向上させてよい。 本発明によれば、本発明の組換え細胞は、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク 質を生産するのに効果的な条件下で、そのような細胞を培養し、該タンパク質を 回収することによって、そのようなタンパク質を生産するのに用いることができ る。タンパク質を生産するのに効果的な条件は、タンパク質生産を許す適切な培 地、バイオリアクター、温度、pHおよび酸素の条件を包含するが、これらに限定 されない。適切な培地とは、本発明の細胞が、培養したときに犬糸状虫Gp29 タンパク質を生産できるいかなる培地も意味する。効果的な培地は、一般に、同 化できる炭水化物、窒素およびリン酸塩の供給源と同様に、適切な塩類、無機質 、金属およびその他の栄養素、例えばビタミン類を含む水性培地である。該培地 は、複合栄養素を含んでよく、または規定された最小培地でもよい。本発明の細 胞は、慣用の発酵バイオリアクターで培養でき、それは回分(batch)、流加培養( fed-batch)、細胞再循環および連続式の発酵槽を包含するが、これらに限定され ない。培養は、振盪フラスコ、試験管、微量滴定皿およびペトリ皿中でも実施で きる。培養は、組換え細胞に適した温度、pHおよび酸素含量で実施する。そのよ うな培養条件は、充分に当業者の熟練の範囲内にある。適切な条件の例は、実施 例の部分に含まれている。 生産に用いられるベクターおよび宿主系に応じて、得られる犬糸状虫Gp29 タンパク質は、組換え細胞内に残留するか;発酵培地に分泌されるか;2細胞膜 間の空間(例えば大腸菌の細胞周辺腔)に分泌されるか;または細胞もしくはウ イルスの膜の外表面に保持されるかしてよい。「タンパク質を回収する」という 語句は、該タンパク質を含有する発酵培地全体を単に採集することを意味し、分 離または精製の追加的段階を伴う必要はない。本発明の犬糸状虫Gp29タンパ ク質は、様々な標準的タンパク質精製手法を用いて精製でき、それらは例えば、 限定されないが、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ フィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマ トグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリンAクロマトグラフィー 、クロマトフォーカシングおよび示差可溶化である。犬糸状虫Gp29タンパク 質は、好ましくは、「実質的に純粋な形態」で回収される。本明細書で用いられ る限りで、「実質的に純粋」とは、タンパク質の治療組成物または診断として効 果的な使用を許す純度を意味する。例えば、動物に対するワクチンは、実質的な 毒性を全く示さず、かつ予防接種した動物で抗体の生産を刺激できなければなら ない。 本発明は、犬糸状虫Gp29タンパク質またはそのミメトープに選択的に結合 できる抗体も包含する。そのような抗体は、本明細書中では、抗犬糸状虫Gp2 9抗体を意味する。本明細書で用いられるように、用語「選択的に結合する」と は、そのような抗体が犬糸状虫Gp29タンパク質およびそのミメトープに優先 的に結合できる能力を意味する。結合は、免疫ブロット検定、免疫沈降検定、酵 素免疫検定(例えばELISA)、放射線免疫検定、免疫蛍光抗体検定および免 疫電子顕微鏡を包含する、当業者に公知の様々な方法を用いて測定できる;例え ばSambrookら[前掲の文献]を参照されたい。 本発明の抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれであるこ ともできる。本発明の抗体は、該抗体を得るのに用いられるタンパク質のエピト ープまたはミメトープのうち1個以上と選択的に結合できる、一本鎖抗体も包含 する抗体断片および遺伝子工学による抗体のような、機能的等価物を包含する。 好適な抗体は、犬糸状虫Gp29核酸分子に少なくとも部分的にコードされてい る、タンパク質またはそのミメトープに応答して誘発される。 本発明の抗体を生産する好適な方法は、該抗体を生産するのに有効な量の犬糸 状虫Gp29タンパク質またはそのミメトープを動物に投与すること、および該 抗体を回収することを含む。規定されたタンパク質またはミメトープに対して誘 発した抗体は、そのような抗体が、治療組成物に用いられたならば診断用検定に おける干渉または副作用を別途生じかねない他の物質に対する抗体で実質的に汚 染されていないために、好都合であり得る。 本発明の抗体は、本発明の範囲内にある可能な各種の用途を有する。例えば、 そのような抗体は、(a)動物を受動的に免疫して、そのような抗体による治療 に感受性のある寄生性蠕虫から動物を保護するワクチンとして、(b)そのよう な寄生性蠕虫による感染を検出する検定での試薬として、および/または(c) タンパク質と他の汚染物質との混合物から所望の犬糸状虫Gp29タンパク質を 回収する手段として、用い得る。 その上、本発明の抗体は、本発明の寄生性蠕虫を細胞傷害性薬剤の標的にさせ て、そのような蠕虫を直接殺すのに用い得る。標的化は、当業者に公知の手法を 用いて、そのような抗体を該細胞障害性薬剤に接合(すなわち安定的に結合)さ せることによって達成できる。適切な細胞障害性薬剤は、二本鎖毒素(すなわち 、AおよびB鎖を有する毒素)、例えばジフテリア毒素、リシン毒素、プソイド モナス外毒素、モデッシン毒素、アブリン毒素および志賀毒素;一本鎖毒素、例 えばアメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、αアマニチンおよびリボソーム 阻害タンパク質;ならびに化学的毒素、例えばメルファラン、メトトレキサート 、窒素マスタード、ドキソルビシンおよびダウノマイシンを包含するが、これら に限定されない。好適な二本鎖毒素は、該毒素の毒性ドメインおよび転位ドメイ ンは含むが、毒素の固有細胞結合ドメインを欠くように修飾される。 本発明の一実施態様は、効果的な方法で動物に投与されたときに、寄生性蠕虫 が生起する疾病から該動物を保護できる治療組成物である。そのような寄生性蠕 虫は、下記の治療のうち一つ以上に感受性がある:犬糸状虫グルタチオン過酸化 酵素活性の阻害剤の投与、または単離された犬糸状虫Gp29タンパク質による 免疫化。本明細書で用いられるように、そのような治療に感受性がある寄生性蠕 虫は、そのような治療を効果的な方法で動物に施したならば、該動物に疾病を生 じる能力の実質的低下を示す寄生性蠕虫である。そのような寄生性蠕虫は、単な るグルタチオン過酸化酵素の阻害、または犬糸状虫Gp29タンパク質による免 疫化以外の、追加の治療もしくは本明細書に開示された治療組成物を包含するが それには限定されない治療に感受性を有し得ることを理解すべきである。 本発明の治療組成物は、下記の保護化合物のうち少なくとも1種類を含む:( a)単離された犬糸状虫Gp29タンパク質、またはそのミメトープ、(b)厳 格な条件下で犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリッド形成できる、単離された核 酸分子、(c)抗犬糸状虫Gp29抗体、および(d)犬糸状虫グルタチオン過 酸化酵素活性を阻害できるその能力によって同定される、グルタチオン過酸化酵 素活性の阻害剤。本明細書中で用いられるように、保護化合物とは、動物に効果 的な方法で投与されたときに、本発明の寄生性蠕虫が生起する疾病を治療、軽減 および/または予防できる化合物を指す。標的とするのに好適な寄生性蠕虫は、 これまでに開示されている。犬糸状虫Gp29タンパク質、犬糸状虫Gp29核 酸分子および、免疫毒素も含む、犬糸状虫Gp29抗体の例は、上記に開示され ている。本発明のグルタチオン過酸化酵素阻害剤を、より詳しく以下に説明する 。 本発明は、犬糸状虫Gp29に基づく1種類以上の本発明の保護化合物を、1 種類またはそれ以上の感染性作用因子に対して保護的な1種類以上の追加化合物 と組合せて含む治療組成物も包含する。一実施態様では、本発明の治療組成物は 、(a)下記のうち1種類以上:単離された犬糸状虫Gp29タンパク質もしく はそのミメトープ、単離された犬糸状虫Gp29核酸分子、抗犬糸状虫抗体、ま たは犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤を、(b)下記の化合物のう ち1種類以上:(i)犬糸状虫P39タンパク質、犬糸状虫P22Uタンパク質 、犬糸状虫P22Lタンパク質、犬糸状虫P20.5タンパク質、犬糸状虫P4 タンパク質、犬糸状虫Di22タンパク質、L3および/もしくはL4幼生で発 現される犬糸状虫プロテアーゼ、またはそのような犬糸状虫タンパク質と有意な 相同性を共有する別の蠕虫タンパク質;(ii)そのようなタンパク質のいずれか のミメトープ;(iii)そのようなタンパク質のいずれかをコードしている核酸 分子;ならびに(iv)そのようなタンパク質のいずれかと選択的に結合する抗体 に加えて含有する。本発明の治療組成物は、カリシウイルス、ジステンパーウイ ルス、猫ヘルペスウイルス、猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス、猫伝染性 腹膜炎、肝炎、鉤虫、レプトスピラ症、汎白血球減少症ウイルス、パルボウイル ス、狂犬病およびトキソプラズマ症のような他の疾病に対する保護化合物も含有 できる。 本発明の治療組成物は、いかなる動物にも、好ましくは哺乳類に、より好まし くはイヌ、ネコ、ヒト、フェレット、ウマ、ウシ、ヒツジならびに他の愛玩およ び/または経済食用動物に投与できる。保護するのに好適な動物は、イヌ、ネコ 、ヒトおよびフェレットであり、イヌおよびネコが特に好適である。 本発明の治療組成物は、治療しようとする動物が耐容できる賦形剤中に配合で きる。そのような賦形剤の例は、水、食塩水、リンゲル液、デキストロース液、 ハンクス液、およびその他の生理的均衡塩類水溶液を包含する。非水性賦形薬、 例えば不揮発油、ゴマ油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド類も用いてよ い。その他の有用な配合物は、増粘剤、例えばカルボキシルメチルセルロースナ トリウム、ソルビトールまたはデキストランを含有する懸濁液を包含する。賦形 剤は、少量の添加物、例えば、等張性および化学的安定性を高める物質も含有で きる。緩衝剤の例は、リン酸緩衝剤、重炭酸緩衝剤およびトリス緩衝剤を包含す るが、防腐剤の例は、チメロサール、m−またはo−クレゾール、ホルマリンお よびベンジルアルコールを包含する。標準配合物は、液体の注射可能物、または 、注射に適した懸濁液もしくは溶液としての液体に溶解される固体のいずれであ ることもできる。したがって、液体でない配合物では、賦形剤は、投与の前に水 または食塩水を添加できるデキストロース、ヒト血清アルブミン、防腐剤等を含 むことができる。 本発明の一実施態様では、治療組成物は、免疫強化剤、例えばアジュバントま たは担体も含有できる。アジュバントは、一般に、特異抗原に対する動物の免疫 応答を全般的に強化する物質である。適切なアジュバントは、フロインドアジュ バント;他の細菌の細胞壁成分;アルミニウム系の塩類;カルシウム系の塩類; シリカ;ポリヌクレオチド;トキソイド;血清タンパク質;ウイルスコートタン パク質;他の細菌由来製剤;ガンマインターフェロン;ブロック共重合体アジュ バント、例えばハンターのTitermaxアジュバント(Vaxcel(商標)社、米国ジョ ージア州Norcross);Ribiアジュバント(Ribi ImmunoChem Research社[米国モ ンタナ州Hamilton]より入手可能);ならびにサポニンおよびそれらの誘導体、 例えばQuil A(デンマーク国のSuperfos Biosector A/Sより入手可能)を包含す るが、限定されない。担体は、一般に、投与された動物での治療組成物の半減期 を増大させる化合物である。適切な担体は、重合体による徐放性配合物、生分解 できる移植物、リポソーム、細菌、ウイルス、油類、エステルおよびグリコール 類を包含するが、これらに限定されない。 本発明の寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護するには、本発明の治療組 成物を、該組成物が疾病から該動物を保護できるような効果的な方法で、該動物 に投与する。例えば、単離されたタンパク質またはそのミメトープは、効果的な 方法で動物に投与したときに、該動物を疾病から保護するのに充分な、好ましく は体液性および細胞性の応答をともに包含する免疫応答を誘発(すなわち刺激) できる。同様に、本発明の抗体は、効果的な方式で動物に投与したときに、少な くとも一時的には、該動物を疾病から保護するのに充分である力価で該動物中に 存在するような量で、投与する。本発明のオリゴヌクレオチドの核酸分子も、効 果的な方法で投与し、それによってGp29タンパク質の発現を低下させて、本 発明の寄生性蠕虫の発生に干渉することができる。 本発明の治療組成物は、感染前に動物に投与して、感染を防止でき、および/ または感染後に動物に投与して、該寄生性蠕虫が生起する疾病を治療できる。例 えば、タンパク質、それらのミメトープおよびそれらの抗体が免疫療法剤として 用い得る。 治療組成物を効果的な方法で投与するための、許容され得るプロトコルは、個 別的な投与量の多少、投与の回数、投与量を投与する頻度、および投与の様式を 包含する。そのようなプロトコルの決定は、当業者によって達成され得る。適切 な一回投与量は、適切な期間にわたって1回またはそれ以上投与したときに、動 物を保護できる投与量である。例えば、タンパク質、ミメトープまたは抗体によ る治療組成物の好適な一回投与量は、動物の体重1kgあたり該治療組成物約1マ イクログラム(μg)〜約10ミリグラム(mg)である。ブースター予防接種は 、当初の投与の約2週〜数年後に投与できる。ブースター予防接種は、好ましく は、動物の免疫応答が、疾病から動物を保護するのに不充分になったときに投与 する。好適な投与計画は、動物の体重1kgあたりワクチン約10μg〜約1mgを 、約2週〜約12ケ月の期間にわたって約1〜約2回投与する計画である。投与 の様式は、皮下、皮内、静脈内、鼻内、経口、経皮および筋内の経路を包含でき るが、これらに限定されない。 一実施態様によれば、本発明の核酸分子は、疾病から保護しようとする動物で の保護タンパク質または保護RNA(例えばアンチセンスRNA、リボザイムま たはRNA薬)への該核酸分子の発現を可能にする様式で、動物に投与できる。 核酸分子は、(a)直接の注射(例えば、Wolffら[Science、第247巻、1465〜1 468ページ(1990年)]に例えば教示されたような、「露出した」DNAまたは RNA分子として)、または(b)組換えウイルス粒子のワクチンもしくは組換 え細胞のワクチンとして包装(すなわち、組換えウイルス粒子のワクチンおよび 組換え細胞のワクチンよりなる群から選ばれる賦形薬によって細胞に送達される )を包含するが限定されない様々な方法で動物に送達できる。 本発明の組換えウイルス粒子のワクチンは、ウイルスコートに包装され、投与 後に動物で発現させ得る本発明の組換え分子を含有する。好ましくは、該組換え 分子はパッケージングを欠く。アルファウイルス、ポックスウイルス、アデノウ イルス、ヘルペスウイルスおよびレトロウイルスに基づくものを包含するが限定 されない、多数の組換えウイルス粒子を用い得る。好適な粒子状組換えウイルス は、アルファウイルス(例えばシンドビスウイルス)、ヘルペルウイルスおよび ポックスウイルスに基づくウイルスである。組換えウイルス粒子のワクチンを製 造かつ使用する方法は、「組換えウイルス粒子のワクチン」という名称の1993年 2月8日出願の米国特許願第08/015/414号明細書に開示されていて、参照によっ てその全体としてここ本明細書に組み込まれる。 動物に投与されたとき、本発明の組換えウイルス粒子のワクチンは、免疫され た動物の体内で細胞に感染し、本発明の寄生性蠕虫が生起する疾病から該動物を 保護できる犬糸状虫Gp29タンパク質またはRNA核酸分子の生産を支配する 。例えば、犬糸状虫Gp29核酸分子、例えばnGp29726を含む組換えウイ ルス粒子は、自身を心糸状虫から保護するのに充分な免疫応答を形成する動物を 招くプロトコルに従って、投与される。本発明の組換えウイルス粒子のワクチン の好適な一回投与量は、動物の体重1kgあたり約1x104〜約1x107ウイル スプラーク形成単位(pfu)である。投与プロトコルは、タンパク質に基づくワ クチンについてここに記載されたものと同様である。 本発明の組換え細胞ワクチンは、少なくとも1種類の犬糸状虫Gp29タンパ ク質を発現する本発明の組換え細胞を含有する。好適な組換え細胞は、サルモネ ラ属、大腸菌、マイコバクテリウム属、スポドプテラ・フルギペルダ、仔ハムス ター腎、筋原細胞G8、COS、MDCKおよびCRFKの組換え細胞を包含す るが、サルモネラの組換え細胞がより好適である。そのような組換え細胞は、様 々な方法で投与できるが、経口的に、好ましくは体重1kgあたり細菌約108〜 約1012個という範囲の投与量で、投与できる利点を有する。投与プロトコルは 、タンパク質に基づくワクチンについてここに記載したのと同様である。組換え 細胞ワクチンは、全細胞または細胞溶解物を含むことができる。 他のほとんどの腸内病原体と共通して、サルモネラ属の菌株は、通常、経口的 に宿主に侵入する。腸管内に達したならば、粘膜表面と作用し合って、通常は、 侵襲性感染を確立する。ほとんどのサルモネラ属の感染は、上皮表面で制御され て、代表的なサルモネラ誘発性胃腸炎を生じる。チフス菌、およびいくつかのネ ズミチフス菌分離株をはじめとする、何種類かのサルモネラ属の菌株は、宿主内 により深く侵入する能力を発達させていて、拡散した全身性感染を生じる。その ような菌株は、マクロファージその他の免疫細胞の殺傷作用に抵抗する力量を有 するものと思われる。チフス菌は、通性細胞内寄生体として長期間存在できる。 何種類かの生ワクチンの菌株も、単核食細胞系中に長期間存続できる。そのよう にして感染した宿主は、粘膜の免疫応答に加え、サルモネラ属に対する全身的な 細胞性および血清性抗体応答を発生する。したがって、侵襲性サルモネラ属は、 局所的で、非侵襲性の消化管感染を引き起こすにすぎない他の多くの腸内病原体 とは異なり、強毒性であれ弱毒性であれ、強度の免疫応答を刺激できる。生きた サルモネラ属の強力な免疫原性は、それらを、犬糸状虫Gp29タンパク質を免 疫系へと輸送するための関心を惹く候補にしている。 組換え細胞に基づく好適なワクチンは、該細胞が弱毒化されたワクチンである 。例えばネズミチフス菌の菌株は、生体内での増殖および生存に決定的に重要な 遺伝子に突然変異を導入することによって、弱毒化できる。例えば、サイクリッ ク アデノシン一リン酸(cAMP)受容体タンパク質またはアデニル酸シクラーゼ をコードしている遺伝子を削除して、非強毒性のワクチン菌株を形成する。その ような菌株は、抗原を消化管内のリンパ系組織に送達できるが、脾臓および腸間 膜リンパ節を侵襲する力量の低下を示す。これらの菌株は、依然として、哺乳類 宿主の体液性および細胞性の免疫をともに刺激できる。 組換え細胞ワクチンは、本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質を動物の免疫系 に導入するのに用い得る。例えば、サルモネラ属で機能する発現ベクターに機能 的に結合させた、本発明の犬糸状虫Gp29核酸分子を含む組換え分子は、サル モネラ属である宿主細胞内への形質転換ができる。次いで、得られた組換え細胞 を、保護しようとする動物に導入する。好適なサルモネラ属である宿主細胞は、 その生存が、組換え分子を維持できるそれらの能力に依存する細胞(すなわち、 均衡致死宿主ベクター系)である。そのような好適な宿主/組換え分子の組合せ の例は、アスパラギン酸βセミアルデヒド脱水素酵素を生産できないサルモネラ 属の菌株(例えば、UK−1x3987またはSR−11x4072)と、該酵素 をコードすることもできる組換え分子との組合せである。アスパラギン酸βセミ アルデヒド脱水素酵素は、asdという遺伝子によってコードされていて、ジア ミノピメリン酸(DAP)を生産する経路の重要な酵素である。DAPは、グラ ム陰性菌、例えばサルモネラ属の細胞壁のペプチドグリカンの必須成分であり、 そのままで、細胞の生存に必要である。したがって、機能的なasd遺伝子を欠 くサルモネラ属は、機能的なasd遺伝子も発現できる組換え分子を維持する場 合にのみ、生存できるにすぎない。 一実施態様では、本発明の核酸分子、例えばnGp29726またはnGp296 58 をpTECH−1という発現ベクター(Medeva社、英国ロンドンより入手可能 )に挿入し、得られる組換え分子、例えばpTECH−nGp29726またはp TECH−nGp29658をサルモネラ属の菌株、例えばBRD 509(Medev a社より入手可能)に移入して、組換え細胞、例えばサルモネラ:pTECH− nGp29726またはサルモネラ:pTECH−nGp29658を形成する。 そのような組換え細胞は、対応するコードされたGp29タンパク質を製造する のに、または組換え細胞ワクチンとして用い得る。 本発明の一好適実施態様は、動物を心糸状虫から保護するための犬糸状虫Gp 29核酸分子およびタンパク質の用途である。蚊によって動物に送達されるL3 幼生、およびL4幼生が成虫へと成熟するのを防止することが、特に好適ではあ るが、本発明は、Gp29が3段階のすべてで発現されることから、成虫を阻害 する手段も包含する。好適な治療組成物は、循環系に侵入する前の、L3幼生、 第三脱皮、L4幼生、第四脱皮および未成熟成虫を包含するこの寄生虫の発生周 期の部分中の少なくとも一段階を阻害できるものである。イヌでは、発生周期の この部分は約70日である。そのようなものとして、好適な治療組成物は、犬糸 状虫Gp29核酸分子、犬糸状虫Gp29タンパク質およびそのミメトープ、抗 犬糸状虫、ならびに犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤を含有する。 そのような組成物を、動物を心糸状虫から保護するのに効果的な方法で該動物に 投与する。これまでに開示したその他の犬糸状虫タンパク質、核酸分子および抗 体を包含する追加的保護化合物を投与することによって、追加的保護を得てもよ い。 本発明の一治療組成物は、犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤、す なわち、犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤による阻害に感受性があ る、寄生性蠕虫グルタチオン過酸化酵素の機能に実質的に干渉できる化合物を含 有する。 これまで開示したとおり、寄生虫グルタチオン過酸化酵素は、寄生虫が宿主の 免疫系を回避するのを助け、それによって、該寄生虫が何年間も生存かつ繁殖す るのを許すものと思われる。例えば心糸状虫は、動物の循環系に長年の間存在で きる。理論にとらわれることなく、寄生虫のグルタチオン過酸化酵素は、宿主細 胞仲介性の免疫応答によって生産される反応性酸素種を捕獲するか、または失活 させる抗酸化剤として機能し、それによって、寄生虫の細胞膜その他の細胞要素 を保護するものと考えられる。寄生虫グルタチオン過酸化酵素の提唱される機能 は、脂質過酸化の有害生成物をはじめとする、脂肪酸や脂質の超過酸化物の中和 (すなわち還元)を包含する。寄生虫グルタチオン過酸化酵素の別の機能は、寄 生虫のクチクラの重要成分であるチロシンの架橋結合残基、例えばジチロシン、 トリチロシンおよびイソトリチロシンの形成を触媒することであることが、最近 提唱されている。寄生虫による拡張的増殖の段階は、クチクラの完全性を維持す るコラーゲンおよび上クチクラタンパク質のレベルの上昇を伴うものと思われる 。犬糸状虫Gp29の一時的発現も、そのような発生相と相関するものと思われ る。理論にとらわれるものではないが、高度に架橋結合した表面は、寄生虫を免 疫の攻撃から保護するのに役立つ可能性があるとも考えられる。 そのようなものとして、寄生虫グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤は、寄生 虫の増殖および発生を遮断するのに貴重である。そのような阻害性化合物は、本 発明の犬糸状虫Gp29タンパク質を用いて同定できる。本発明の一実施態様は 、寄生虫グルタチオン過酸化酵素活性を阻害できる化合物を同定する方法であっ て、(a)単離された犬糸状虫Gp29タンパク質を推定される阻害性化合物に 、該化合物の不在下では該犬糸状虫Gp29タンパク質がグルタチオン過酸化酵 素活性を有する条件下で、接触させること、および(b)該推定される阻害性化 合物がグルタチオン過酸化酵素活性を阻害するか否かを決定することを含む方法 である。スクリーニングしようとする推定阻害性化合物は、有機分子、抗体(そ の機能的等価物を包含する)およびグルタチオン類似体を包含する;例えば、Wa xman[Cancer Res.第50巻、6449〜6454ページ(1990年)]およびFloheら[Hop pe-Seyler's Z.Physiol.Chem.第352巻、159〜169ページ(1971年)]を参照さ れたい。グルタチオン過酸化酵素活性を決定する方法は、当業者に公知である; 例えば、Mannervik[Meth.Enzymol.第113巻、490〜495ページ(1985年)]およ びMaiorinoら[Meth.Enzymol.第186巻、448〜457ページ(1990年)]を参照さ れたい。略述すれば、GSHからGSSGへの転換は、該反応をNADPHから NADP+への酸化と共役させ、後者の反応を分光光度法で測定することによっ て監視できる。チロシンからのジチロシンの形成は蛍光光度法で測定でき る;例えば、Anderson[Biochim.Biophys.Acta第93巻、213〜215ページ(1964 年)]およびFettererら[J.Parasitol.第76巻、619〜624ページ(1990年)] を参照されたい。 本発明は、寄生性蠕虫のグルタチオン過酸化酵素活性を阻害できる化合物を同 定するための試験キットも包含する。そのような試験キットは、グルタチオン過 酸化酵素活性を有する単離された犬糸状虫Gp29タンパク質、および推定阻害 性化合物の存在下で(すなわち、それに影響される)グルタチオン過酸化酵素活 性の阻害の程度を決定する手段を含む。 そのような方法および/または試験キットによって単離される阻害剤は、その ような阻害剤に感受性であるいかなるグルタチオン過酸化酵素も阻害するのに用 いることができる。阻害するのに好適なグルタチオン過酸化酵素は、寄生性蠕虫 によって生成される酵素である。本発明の特に好適なグルタチオン過酸化酵素阻 害剤は、心糸状虫から動物を保護できる。本発明の阻害剤を用いて、動物のグル タチオン過酸化酵素障害を標的化することも、本発明の範囲内である。 本発明のグルタチオン過酸化酵素阻害性化合物を含む治療組成物は、標的とさ れたグルタチオン過酸化酵素が生起する疾病から動物を保護するのに効果的な方 法で、動物に投与できる。効果的な量および投与法は、当業者に公知の手法を用 いて決定できる。 寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護するための、本発明の治療組成物の 薬効は、保護抗体の検出(例えば、本発明のタンパク質またはミメトープを用い る)、投与された動物体内の細胞免疫の検出、または投与された動物が疾病に耐 性であるか否かを決定するための、寄生性蠕虫による投与された動物の挑戦を包 含するがこれらに限定されない様々な方法で試験できる。そのような手法は、当 業者に公知である。 単離された犬糸状虫Gp29タンパク質、ミメトープ、核酸分子および抗体を 、本発明の寄生性蠕虫による感染を探知するための診断用試薬として用いること も、本発明の範囲内である。そのような診断用試薬は、該蠕虫の生活環のその他 の相 を検出できる追加的化合物で補強できる。 下記の実施例は、例示の目的で提示されており、本発明の範囲を限定すること は意図されていない。 [実施例] 下記の実施例は、当業者に公知である多くの組換えDNAおよびタンパク質化 学の手法を包含する;例えばSambrookら[前掲の文献]を参照されたい。 実施例1 本実施例は、可溶性の犬糸状虫Gp29タンパク質が、マレー糸状虫Gp29 に選択的に結合するポリクローナル抗血清によって検出される限りで、0時間の L3、6日のL4、および成虫の犬糸状虫で生産されることを立証する。 下記の試料は、1992年8月20日に公開されたGrieveら、国際公開特許第WO92/1 3560号公報に記載されたように:(a)0時間の犬糸状虫L3からの可溶性抗原 (蚊の吻から直接採集した);(b)6日間生体外で培養した6日のL4からの 可溶性抗原;(c)6日のL4からの排出/分泌抗原;および(d)成雌虫から の可溶性抗原として調製した。成マレー糸状虫の主要水溶性表面糖タンパク質( Gp29)のゲル精製調製品(Selkirkら(1990年)[前掲の文献]を参照され たい)に対して誘発したウサギポリクローナル抗血清を用い、下記のようなウエ スタンブロット法による分析でプローブ探査した。各試料約3μgを、約12% のポリアクリルアミドゲルによるSDS−PAGEに付した。下記の標準的操作 に従って、ゲル中のタンパク質をニトロセルロース上に移転した。標準的免疫ブ ロットの手法を用い、移転したタンパク質を、ウサギ抗マレー糸状虫Gp29抗 血清でプローブ探査した。この抗血清は、ポリアクリルアミドゲルから回収した 29kDのマレー糸状虫タンパク質(Selkirkら(1990年)[前掲の文献]を参照 されたい)でウサギを免疫することによって調製した。抗マレー糸状虫Gp29 抗血清は、0時間L3、6日L4および成虫の可溶性抗原調製品はもとより、L 4の排出/分泌抗原調製品と同様に、29kDのバンドを検出した。29kDのタ ンパク質は、L4の不溶性ペレット分画では有意な程度には検出されなかった。 正常なウサギ血清を用いたウエスタンブロット分析では、29kDのタンパク質を 検出しなかった。Di22ラダータンパク質(Culpepperら[Mol.Biochem.Par asitol.第54巻、51〜62ページ(1992年)]に記載の核酸配列がコードしている )に対するウサギ抗血清も、29kDタンパク質を認識しなかったが、そのような 抗血清は、30kDの異なるタンパク質や他のラダータンパタ質にも結合した。こ の結果は、抗29kDマレー糸状虫抗血清が充分に選択的であるために、免疫主要 ラダータンパク質(そのうち1種類が30kDに移動する)を認識(すなわち結合 )しないことを示す。 これらの結果は、犬糸状虫が宿主動物へのL3の感染の前でさえ、有意量のG p29の発現を開始することを示唆する。その限りで、犬糸状虫Gp29タンパ ク質は、宿主動物への感染後の発生の初期段階のうちでさえ、心糸状虫に対する ワクチンの良好な候補である。 実施例2 本実施例は、本発明の犬糸状虫Gp29核酸分子の単離および配列決定を開示 する。 Chomczynskiら[Anal.Biochem.第162巻、156〜159ページ(1987年)]が記載 したものと類似の酸グアニジニウム・フェノール・クロロホルム法を用いて、総 RNAを犬糸状虫の成雌虫から抽出した。約15匹の虫をRNA調製に用いた。 Callaborative Research Inc.社(米国マサチューセッツ州Waltham)からのOli go dTというセルロースを、製造者が勧める方法に従って用いて、オリゴdTセ ルロースクロマトグラフィーによって、ポリA+選択RNAを総RNAから分離 した。 犬糸状虫の成雌虫cDNA発現ライブラリーをラムダ(λ)Uni−ZAP( 商標)XRというベクター(Stratagene Cloning System社[米国カリフォルニ ア州La Jola]より入手可能)に、Stratagene社のZAP−cDNA合成キッ ト(登録商標)のプロトコル、および成雌虫ポリA+RNA約5〜6μgを用い て構成した。得られたライブラリーを、約97%の組換え体を有する約1.4x 109pfu/mlの力価まで増幅した。 約660ヌクレオチドの犬糸状虫Gp29核酸分子は、部分的な犬糸状虫Gp 29遺伝子を表し、nGp29660と呼ぶが、これを、ブルギア・パハンギGp 29遺伝子の公表配列(GenBankデータベース受付番号X63365)から設計した2 個のプライマーを用い、犬糸状虫の成雌虫cDNA発現ライブラリーからPCR 増幅した。この方法が奏功したことは、犬糸状虫nGp29726の核酸配列(そ の決定は下記に開示される)が、ブルギア・パハンギGp29、ブルギア・パハ ンギGp29またはバンクロフト糸状虫Gp29をコードしている遺伝子の核酸 配列とは約77%相同であるにすぎないことから、驚異的であった。 標準的手法を用いて、犬糸状虫の成雌虫cDNAライブラリーから犬糸状虫G p29核酸分子のnGp29660を得るように設計した2個のプライマーは、配 列番号3を有するオリゴヌクレオチド、すなわち5’GGAATTCATGTC CGCACAACTTTTGATTTTATCGC3’(EC4と呼ぶ;Eco RI部位に下線)および配列番号4を有するオリゴヌクレオチド、すなわち5’ GGAATTCAATTTCACGTTCCAGTTCATCG3’(EC5と 呼ぶ;EcoRI部位に下線)を含む。 増幅したならば、犬糸状虫核酸分子nGp29660をゲル精製し、電気溶出し 、クローニングベクターpCRII(Invitrogen社[米国カリフォルニア州San Di ego]より入手可能)内に、製造者の教示に従ってクローニングし、それによっ て、組換えベクターpCRII−nGp29660を形成した。nGp29660のヌク レオチド配列を決定し、配列番号1の約1〜約660番からのヌクレオチドを含 むことを見出したが、その生成を、より詳細に下記に説明する。 nGp29726と呼ばれる、約726ヌクレオチドの犬糸状虫Gp29核酸分 子を、Sambrookら[前掲の文献]に記載の厳格な(すなわち標準的な)ハイブリ ッド形成条件下で、放射能標識したオリゴヌクレオチドのEC5をプローブとし て、犬糸状虫の成雌虫cDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることによ って得た。プローブとハイブリッド形成したプラークを再スクリーニングし、プ ラーク精製した。犬糸状虫核酸配列のnGp29726を含むプラーク精製したク ローンを、ここ本明細書ではpβgal−nGp29726と呼ぶ二本鎖組換え分 子(融合タンパク質βGAL−PGp29726をコードできる)へと転換した。 これには、StratageneZAP−cDNA合成キットに記載の生体内切り出しプロ トコルに従って、R408というヘルパーファージおよび大腸菌XL1−Blu e株を用いた。Sambrookら[前掲の文献]に記載のようにして、アルカリ性溶解 のプロトコルを用いて、二本鎖プラスミドDNAを調製した。組換え分子のpβ gal−nGp29726をEcoRIおよびXhoIという制限エンドヌクレア ーゼで消化して、nGp29726と呼ばれる、約726ヌクレオチドの犬糸状虫 核酸分子を放出させた。 犬糸状虫核酸分子nGp29726を、Sambrookら[前掲の文献]に記載のとお り、サンガーのジデオキシチェインターミネーター法を用いて、核酸配列決定に 付した。犬糸状虫核酸配列nGp29726の約726ヌクレオチドの共通配列を 決定し、配列番号1として提示する。配列番号1は、見かけ上、PGp29219 と呼ばれる約219アミノ酸のタンパク質をコードしていて、そのアミノ酸配列 を配列番号2に提示する。配列番号1は約659〜約661番のヌクレオチドに またがる終止コドンを含む。配列番号1は、ほぼ期待された大きさ(すなわち約 29kDの予測された大きさ)のタンパク質をコードしているが、該タンパク質の 実際の翻訳開始部位は、このcDNAクローン内には含まれていない。PGp2 9219と呼ばれる配列番号2を有するタンパク質は、約5.89と推計されるP Iを有する。 PGp29219のアミノ酸配列を、無重複タンパク質配列データベースと比較 する相同性の検索を、BLASTというネットワークを用いて、米国国立バイオ テクノロジー情報センターを通じて実施した。このデータベースは、Swiss Prot+PIR+SPUpdate+GenPept+GpUpdateを包 含する。検索は、配列番号2を用いて実施した。配列番号2は、ヒト血漿グルタ チオン過酸化酵素のコード領域とは約37%相同であり(ヒト血漿グルタチオン 過酸化酵素については、例えば、Takahashiら[Arch.Biochem.Biophys.第256 巻、677〜687ページ(1987年)]を参照されたい)、ヒト肝グルタチオン過酸化 酵素(Genbankデータベース受付番号T07203)のコード領域とは約42%相同で あり、バンクロフト糸状虫Gp29(Genbankデータベース受付番号X69126)の コード領域とは約73%相同であり、ブルギア・パハンギGp29(Genbankデ ータベース受付番号X63365)およびマレー糸状虫(Genbankデータベース受付番 号X69127)のコード領域とは、ともに約74%相同であった。 実施例3 本実施例は、本発明の組換え細胞の形成を開示する。 trcという転写調節配列と、6個のヒスチジンを含むポリヒスチジンセグメ ントをコードしている融合配列とに機能的に結合した、配列番号1の約1〜約6 58番のヌクレオチドにまたがる犬糸状虫Gp29核酸分子を含む、組換え分子 のpHis−nGp29658を、下記の方法で生成した。nGp29658と呼ばれ る配列番号1の約1〜約658番にまたがるヌクレオチドを含む、約658ヌク レオチドのDNA断片を、実施例2に記載のとおりに生成した組換え分子のpβ gal−nGp29726からPCR増幅したが、それには、配列番号5を有する プライマーオリゴヌクレオチド、すなわち5’CGGGATCCCATGAGC ATACAACTTC3’(Gp29 SENと呼ぶ;BamHI部位に下線) 、および配列番号6を有するプライマーオリゴヌクレオチド、すなわち5’CGGAATTC CTTAAATTTCACGTTCCAATTCATCGATAA A3’(Gp29 ANTと呼ぶ;EcoRI部位に下線)を用いた。このPC R産物をBamHIおよびEcoRIという制限エンドヌクレアーゼで消化し、 ゲル精製し、BamHIおよびEcoRIで切断しておいた発現ベクターpTr cHisB(Invitrogen社より入手可能)中にサブクローニングした。得られた p His−nGp29658と呼ばれる組換え分子を大腸菌内に形質転換して、組換 え細胞の大腸菌:pHis−nGp29658を形成した。 実施例4 本実施例は、本発明の組換え細胞による本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質 の製造を開示する。 実施例3に記載のとおりに形成した組換え細胞である、大腸菌:pHis−n Gp29658を、約0.1mg/mlのアンピシリンを含有する37℃の強化細菌増 殖培地を含む振盪フラスコ中で培養した。細胞が約0.3のOD600に達したと き、約1ミリモルのイソプロピルβ−D−チオガラクトシド(IPTG)の添加 によって、犬糸状虫nGp29658の発現を誘導し、約37℃で約3時間、細胞 を培養した。標準的手法を用い、組換え細胞溶解物のSDS−PAGEに続くク ーマシーブルー染色によって、タンパク質生産を監視した。組換え細胞の大腸菌 :pHis−nGp29658は、本明細書ではPHIS−PGp29658と呼ぶ融 合タンパク質を生産し、約32kDの見かけの分子量で移動した。そのようなタン パク質は、犬糸状虫核酸分子の挿入断片を欠くpTrcHisBというプラスミ ドで形質転換した細胞によっては、生産されなかった。 組換え細胞である大腸菌:pHis−nGp29658の溶解物の免疫ブロット 分析は、この32kDのタンパク質が、組換えPHIS−PGp29658融合タン パク質の融合部分に対して仕向けたT7というタグモノクローナル抗体(Novage n社[米国ウィスコンシン州Madison]より入手可能)と結合できることを示した 。 実施例5 本実施例は、本発明に有用な発現ベクターを説明する。 約2545bp(塩基対)のこの発現ベクターTrpT2 ori/T7−RSE T−Bは、下記のヌクレオチドセグメントを有する:アンピシリン耐性遺伝子お よび複製の大腸菌を含むpUC19からのPvuIIからAatIIまでの19 90bpの断片;trpのプロモーターおよびオペレーター(−35、−10の配 列)ならびにtrpリーダーペプチド(LEペプチド)の最初の14アミノ酸を 含むように構成されたPvuIIからBgIIIまでの130bpの合成DNA断 片;pGEMEX−1(Promega社、米国ウィスコンシン州Madison)からのBg IIIからXbaIまでの55bpのセグメントで、T7プロモーターを含む;p RSET−B(Invitrogen社、米国カリフォルニア州San Diego)からのXba IからEcoRIまでの170bpのセグメントで、T7−S10翻訳エンハンサ ー、His6の融合、14アミノ酸のS10というリーダー融合、エンテロキナ ーゼ切断部位および多重クローニング部位を含む;ならびに3個所の読み枠のす べてでのT1翻訳ターミネーター、バシルス・ツリンギエンシスBacillus thure ngiensis の結晶タンパク質からのRNA安定化配列、およびtrpAというオペ ロンからのT2というrhoに依存しない転写ターミネーターを含む合成翻訳お よび転写終止シグナルを含む約200bpの断片。 実施例6 本実施例は、本発明の別の犬糸状虫Gp29タンパク質の生産を説明する。 trpという転写調節配列と、6個のヒスチジンを含むポリヒスチジンセグメ ントをコードしている融合配列とに機能的に結合した、配列番号1の約1〜約6 58番のヌクレオチドにまたがる犬糸状虫Gp29核酸分子を含む、組換え分子 のpTrp−nGp29658を、下記の方法で生成した。実施例3に記載のとお りに生成した核酸分子nGp29658のPCR産物を、BamHIおよびEco RIという制限エンドヌクレアーゼで消化し、ゲル精製し、そして、実施例5に 記載のとおりに生成して、BamHIおよびEcoRIで切断しておいた発現ベ クターTrpT2 ori/T7−RSET−B中でサブクローニングした。得ら れたpTrp−nGp29658と呼ばれる組換え分子を大腸菌内に形質転換して 、組換え細胞である大腸菌:pTrp−nGp29658を形成した。 組換え細胞である大腸菌:pTrp−nGp29658を、約0.1mg/mlのアン ピシリンおよび約0.2mg/mlのトリプトファンを含有する、37℃の強化細菌 増殖培地を含む振盪フラスコ中で培養した。細胞が約0.75〜約1.0のOD600 に達したとき、約0.1のOD600に相当する細胞懸濁液のアリコートを遠心 分離によってペレット化し、約0.1mg/mlのアンピシリンおよび約0.2mg/ mlのトリプトファンを含有するM9培地約15mlに細胞を移転し、約37℃で増 殖させた。細胞が約0.75〜約1.0のOD600に達したとき、約0.1mg/m lのアンピシリン、約0.02mg/mlのトリプトファン、および約0.02mg/m lのβ−インドールアクリル酸を含有するM9培地に細胞を移転することによっ て、犬糸状虫nGp29658の発現を誘導し、約37℃で3時間、細胞を培養し た。標準的手法を用い、組換え細胞溶解物のSDS−PAGE、その後のクーマ シーブルー染色によって、タンパク質生産を監視した。組換え細胞の大腸菌:p Trp−nGp29658は、本明細書ではPTRP−PGp29658と呼ぶタンパ ク質を生産し、約32kDの見かけの分子量で移動した。 組換え細胞である大腸菌:pTrp−nGp29658の溶解物の免疫ブロット 分析は、この32kDのタンパク質が、組換えPTRP−PGp29658融合タン パク質の融合部分に対して仕向けたT7というタグモノクローナル抗体(Novage n社より入手可能)と結合できることを示した。 実施例7 本実施例は、本発明に役立つ発現ベクターを説明する。 約4,200bpのこの発現ベクターλPR/T2 ori/S10HIS−RS ET−A9は、下記のヌクレオチドセグメントを有する:アンピシリン耐性遺伝 子と大腸菌の複製開始点とを含むpUC19からのPvuIIからAatIIま での1,990bpの断片;λPRプロモーターと、cl857λリプレッサー遺伝子 と、溶菌性増殖を調節するcro遺伝子の22アミノ酸とを含むベクターpRK 248cIts(ATCC第33766号)からのPvuIIからBgIIIまでの 1,100bpのDNA断片;pGEMEX−1(Promega社より入手可能)から のBgIIIからXbaIまでの55bpのセグメントで、T7プロモーターを含 む;pRSET−B(Invitrogen社より入手可能)からのXbaIからNheI までの75bpのセグメントで、T7−S10翻訳エンハンサーおよびHis6融 合を含む;pGEMEX−1からのNheIからSstIまでの約825bpの断 片で、275アミノ酸のS10というペプチドを含む;pRSETおよびpUC 9というベクターの部分からの多重クローニング部位;ならびに3個所の読み枠 のすべてでのT1翻訳ターミネーター、バシルス・ツリンギエンシスBacillus t hurengiensisの結晶タンパク質からのRNA安定化配列、およびtrpAという オペロンからのT2というrhoに依存しない転写ターミネーターを含む合成翻 訳および転写終止シグナルを含む約140bpの断片。 実施例8 本実施例は、本発明の組換え細胞の形成を説明する。 λPRという転写調節配列と、6個のヒスチジンを含むポリヒスチジンセグメ ントをコードしている融合配列とに機能的に結合した、配列番号1の約1〜約6 58番のヌクレオチドにまたがる犬糸状虫Gp29核酸分子を含む組換え分子で あるpλPR−nGp29658を、下記の方法で生成した。実施例3に記載のとお りに生成した、核酸分子nGp29658のPCR産物をBamHIおよびEco RIという制限エンドヌクレアーゼで消化し、ゲル精製し、そして、BamHI およびEcoRIで切断しておいた、実施例7に記載のとおりに生成した発現ベ クターλPR/T2 ori/S10HIS−RSET−A9中にサブクローニン グした。得られたpλPR−nGp29658と呼ばれる組換え分子を大腸菌内に形 質転換して、組換え細胞の大腸菌:pλPR−nGp29658を形成した。そのよ うな組換え細胞は、融合タンパタ質のPHIS−PGp29658をコードしてい る。 実施例9 本実施例は、真核細胞での本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質の生産を説明 する。 バキュロウイルスの多角体転写調節配列に機能的に結合した、配列番号1の約 1〜約658番のヌクレオチドにまたがる犬糸状虫Gp29核酸分子を含む、組 換え分子のpBBIII−nGp29658を下記の方法で生成した。Gp29核 酸分子をバキュロウイルスの発現ベクター中にサブクローニングするために、G p29核酸分子含有断片を、pβgal−nGp29726というDNA(実施例 2に記載のとおりに生成した)からPCR増幅したが、それには、プライマーに BamHI部位(下線で示す)が組み込まれているセンスプライマーであるBv Gp29SEN(5’CGCGGATCCTATAATATGAGCATACA ACTTCTTATTTTATC3’(配列番号7))、およびアンチセンスプ ライマーであるBvGp29 ANT(5’TGCATATAAGGATCCG TATTAAATTTCACG3’(配列番号8))を用いた。N末端プライマ ーは、nGp29726配列から、このバキュロウイルス系での発現を促進するよ う修飾して設計した。 PGp29219の生産を支配できるバキュロウイルスの組換え分子を形成する ために、約690bpのこのPCR産物(BvGp29と呼ぶ)をBamHIで消 化し、BlueBacIII(Invitrogen社より入手可能)というバキュロウイ ルスシャトルプラスミドの唯一のBgIII部位内にサブクローニングした。得 られた組換え分子はpBBIII−nGp29658と呼び、制限地図作成によっ て、適正な挿入断片の方向付けを確認した。そのような組換え分子は、線状のBa culogoldというバキュロウイルスDNA(Pharmingen社[カリフォルニア州San Diego]より入手可能)とともにスポドプテラ・フルギペルダのsf9細胞(コ ロラドバイオプロセシングセンター[コロラド州Fort Collins]が供与)内に同 時形質転換して、スポドプテラ・フルギペルダ:pBIII−nGp29658と 呼ばれる組換え細胞を形成できる。そのような組換え細胞は、本発明の犬糸状虫 Gp29タンパク質、すなわちPGp29219を生産できるように、培養するこ とができる。 実施例10 本実施例は、真核細胞での本発明の犬糸状虫Gp29タンパク質の生産はもと より、組換えウイルスワクチンの生産も説明する。 組換え分子であるpToto2J1−nGp29658は、シンドビスウイルス ベクターであるToto2J1中のシンドビスウイルスサブケノムのプロモータ ーに機能的に結合した、配列番号1の約1〜約658番のヌクレオチドにまたが る犬糸状虫Gp29核酸分子を含み、該ベクターからは、XbaIおよびXho Iで該ベクターを制限部位で切断することによって、クロラムフェニコールアセ チルトランスフェラーゼ(CAT)の遺伝子が除去されている。Toto2J1 は、SP6というRNAポリメラーゼプロモーター、および、ヌクレオチド第11 ,452番のNsiI制限部位までのシンドビスウイルスゲノム全体(すなわち、非 構造的ポリペプチド遺伝子のそれぞれ、該サブゲノムのプロモーター、および構 造的ポリペプチド遺伝子のそれぞれ)を含み、後者は、該サブゲノムのプロモー ター、サブゲノムmRNAの5’側の翻訳されない配列の14ヌクレオチド、C AT遺伝子、シンドビスウイルスの3’側の翻訳されない配列の62ヌクレオチ ド、およびシンドビスウイルスのポリA配列を含むTRCAT62からのSsp I(ヌクレオチド位置第7499番)/SstI制限断片に結合している([Xiong ら、Science、第243巻、1188〜1191ページ(1989年)]を参照されたい)。 伝染性組換え転写体は、MluIで線状化された形態の組換え分子pToto 2J1−nGp29658から、SP6のRNAポリメラーゼを用いて生産する。 得られた転写体を、Xiongら[前掲の文献]に記載のとおりの手法を用いて、B HK(仔ハムスター腎)宿主細胞に移入し、それによって、BHK:pToto 2J1−nGp29658を形成する。得られた組換えウイルスは、生ワクチンと して、またはPGp29219を生産するための発現系に用い得る。 本発明の様々な実施態様を詳細に説明したが、これらの実施態様の変更及び適 応が当業者に生じるであろうことは明白である。しかしながら、そのような変更 及び適応は下記の請求の範囲に記載された限りで、本発明の対象範囲内にあるこ とを明白に理解しなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 14/44 C07K 14/44 9356−4H 16/20 16/20 9637−4B C12P 21/08 C12N 5/10 0276−2J G01N 33/53 Z C12P 21/08 0276−2J 33/566 G01N 33/53 0276−2J 33/573 A 33/566 9282−4B C12N 5/00 B 33/573 9051−4C A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 グリーブ、ロバート ビー. アメリカ合衆国 80550 コロラド州 ウ インザー インディアン トレイル ドラ イブ 1013

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.厳格な条件下で、犬糸状虫Dirofilaria immitis Gp29遺伝子とハイブ リッド形成できる単離された核酸分子。 2.該核酸分子が、犬糸状虫Gp29タンパク質をコードできる核酸配列を含 む請求項1記載の核酸分子。 3.該犬糸状虫Gp29核酸分子が、nGp29726の少なくとも一部を含む 請求項1記載の核酸分子。 4.該核酸分子が、配列番号1の少なくとも一部を有する核酸配列を含む請求 項1記載の核酸分子。 5.該核酸分子が、配列番号1の核酸配列との約80%以上の相同性を有する 核酸配列を含む請求項1記載の核酸分子。 6.該核酸分子がオリゴヌクレオチドを含む請求項1記載の核酸分子。 7.該核酸配列が、グルタチオン過酸化酵素活性を有する酵素をコードしてい る請求項1記載の核酸分子。 8.該タンパク質が免疫応答を誘発できる請求項2記載の核酸分子。 9.該核酸分子が、効果的な方法で動物に投与したときに、寄生性蠕虫が生起 する疾病から該動物を保護できる請求項1記載の核酸分子。 10.該核酸分子が、効果的な方式で動物に投与したときに、心糸状虫から該 動物を保護できる請求項1記載の核酸分子。 11.該タンパク質が、効果的な方式で動物に投与したときに、寄生性蠕虫が 生起する疾病から該動物を保護できる請求項2記載の核酸分子。 12.該タンパク質が、効果的な方式で動物に投与したときに、心糸状虫から 該動物を保護できる請求項2記載の核酸分子。 13.該核酸分子が、nGp29726、nGp29658およびnGp29660よ りなる群から選ばれる核酸分子を含む請求項1記載の核酸分子。 14.1種類以上の転写調節配列に機能的に結合した請求項1記載の1種類以 上 の単離された核酸分子を含む組換え分子。 15.請求項14記載の1種類以上の組換え分子で形質転換された細胞を含む 組換え細胞。 16.請求項1記載の1種類以上の核酸分子を有する細胞を含む組換え細胞で あって、該核酸分子を発現できる組換え細胞。 17.該組換え細胞が、組換え細胞ワクチンを含む請求項16記載の組換え細 胞。 18.該組換え細胞が、サルモネラ属のものである請求項17記載の組換え細 胞。 19.犬糸状虫Gp29タンパク質を含む単離されたタンパク質。 20.該タンパク質が、配列番号1の少なくとも一部を含む核酸配列によって コードされている請求項19記載のタンパク質。 21.該タンパク質が、配列番号2の少なくとも一部を含むアミノ酸配列を有 する請求項19記載のタンパク質。 22.該タンパク質が、配列番号2のアミノ酸配列との約75%以上の相同性 を有するアミノ酸配列を含む請求項19記載のタンパク質。 23.該タンパク質がグルタチオン過酸化酵素活性を有する請求項19記載の タンパク質。 24.該タンパク質が免疫応答を誘発できる請求項19記載のタンパク質。 25.該タンパク質をコードしている核酸分子で形質転換された組換え細胞を 、該タンパク質を生産するのに効果的な培地で培養する方法によって、該タンパ ク質を生産する請求項19記載のタンパク質。 26.該タンパタ質またはそのミメトープが、効果的な方法で動物に投与した ときに、寄生性蠕虫が生起する疾病から該動物を保護できる請求項19記載のタ ンパク質。 27.該寄生性蠕虫が、線虫類、条虫類および吸虫類よりなる群から選ばれる 請求項26記載のタンパク質。 28.該寄生性蠕虫が、糸状虫目、回虫目、円虫目および毛様線虫目よりなる 群から選ばれる線虫を含む請求項26記載のタンパク質。 29.該タンパク質またはそのミメトープが、効果的な方法で動物に投与した ときに、心糸状虫から該動物を保護できる請求項19記載のタンパク質。 30.グルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤を同定するのに該タンパク質を用 いる請求項19記載のタンパク質。 31.該阻害剤が、効果的な方法で動物に投与したときに、寄生性蠕虫が生起 する疾病から該動物を保護できる請求項30記載のタンパク質。 32.犬糸状虫Gp29に選択的に結合できる抗体であって、該抗体が、該抗 体を生産するのに効果的な量の請求項19記載の1種類以上のタンパク質を動物 に投与することを含む方法によって生産される抗体。 33.寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護できる治療組成物であって、 単離された犬糸状虫Gp29タンパク質またはそのミメトープと、 厳格な条件下で、犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリッド形成できる単離され た核酸分子と、 抗犬糸状虫Gp29抗体と、 犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性を阻害できるその能力によって同定され るグルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤とよりなる群から選ばれる1種類以上の 保護化合物を含む治療組成物。 34.該組成物が、賦形剤、アジュバントおよび担体よりなる群から選ばれる 1種類以上の成分を更に含む請求項33記載の組成物。 35.該抗体が、該抗体に接合した細胞障害性薬剤を更に含む請求項33記載 の組成物。 36.該核酸分子の直接注射によって、または、組換えウイルス粒子ワクチン および組換え細胞ワクチンよりなる群から選ばれる賦形薬によって、該核酸分子 を該動物に送達する請求項33記載の組成物。 37.該ウイルスが、アルファウイルス、ポックスウイルスおよびヘルペスウ イルスよりなる群から選ばれる請求項36記載の組成物。 38.該細胞がサルモネラ属のものである請求項36記載の組成物。 39.該組成物が心糸状虫に対して動物を保護できる請求項33記載の組成物 。 40.寄生性蠕虫が生起する疾病から動物を保護する方法であって、 単離された犬糸状虫Gp29タンパク質またはそのミメトープと、 厳格な条件下で、犬糸状虫Gp29遺伝子とハイブリッド形成できる単離され た核酸分子と、 抗犬糸状虫Gp29抗体と、 犬糸状虫グルタチオン過酸化酵素活性を阻害できるその能力によって同定され るグルタチオン過酸化酵素活性の阻害剤とよりなる群から選ばれる1種類以上の 保護化合物を含む治療組成物を、効果的な仕方で該動物に投与することを含む方 法。 41.該核酸分子を組換えウイルス粒子ワクチンまたは組換え細胞ワクチンに 組み込む請求項40記載の方法。 42.該方法が心糸状虫から動物を保護できる請求項40記載の方法。 43.単離された犬糸状虫Gp29タンパク質を生産する方法であって、該タ ンパク質を発現できる組換え細胞を、該タンパク質を生産するのに効果的な培地 で培養することを含む方法。 44.寄生性蠕虫のグルタチオン過酸化酵素活性を阻害できる化合物を同定す る方法であって、 (a)単離された犬糸状虫Gp29タンパク質を、該化合物の不在下では該犬 糸状虫Gp29タンパク質がグルタチオン過酸化酵素活性を有する条件下で、推 定される阻害性化合物に接触させること、および (b)該推定される阻害性化合物がグルタチオン過酸化酵素活性を阻害するか 否かを決定すること を含む方法。 45.該化合物が心糸状虫を阻害できる請求項44記載の方法。 46.寄生性蠕虫のグルタチオン過酸化酵素活性を阻害できる化合物を同定す るための試験キットであって、グルタチオン過酸化酵素活性を有する単離された 犬 糸状虫Gp29タンパク質と、推定される阻害性化合物の存在下で該活性の阻害 の程度を決定する手段とを含む試験キット。
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