JPH09511150A - 微生物による抗菌性化合物の迅速な検出法 - Google Patents
微生物による抗菌性化合物の迅速な検出法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、ミルク、肉汁、血清及び尿などの液体中に抗菌性化合物が存在するか否かを迅速に検出する、微生物学的試験方法に関する。該方法は、試験生物の生育を検出する酸−塩基指示薬又は酸化還元指示薬を使用し、バチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチスC953株を例とする、バチルス又はストレプトコッカスの好熱性菌株を、107CFU/mlより高い濃度で、好ましくは2×107〜3×108CFU/mlの濃度で使用することを特徴としている。
Description
【発明の詳細な説明】
微生物による抗菌性化合物の迅速な検出法
発明の背景
本発明は、ミルク、肉汁、血清及び尿などの液体中に抗菌性化合物が存在する
か否かを迅速に検出するための、新規な微生物学的試験方法に関する。本発明は
、また、液体試料中の抗菌性化合物の残渣を検出するためのユニット及びその使
用に関する。
従来技術
ミルク、肉汁、血清及び尿などの液体中の抗菌性化合物、特に抗菌剤及びサル
ファ剤のような化学療法剤の残渣を検出する微生物学的試験方法は、長く知られ
ている。そのような試験方法の例は、GB-A-1467439、EP 0005891、DE 3613794、
CA 2056581及びEP 0285792に記載されている。これらの記載は全て、試験生物を
使用し、かつ試験系内に加えた酸−塩基又は酸化還元指示薬の色の変化から、一
性化合物が試料中に試験生物の生育を阻害するのに十分な濃度で存在する場合に
は指示薬の色は変化せず、一方、阻害を生じない場合には試験生物の生育が酸又
は還元された代謝物の生成を伴い、これらが指示薬の色を変化させる、というも
のである。
上記に述べた既知の試験ユニットは、適する試験生物を培養した寒天培地を含
み、バチルス又はストレプトコッカス株及び酸−塩基指示薬又は酸化還元指示薬
を含むことが好ましい。適する試験生物及び指示薬は、任意にバッファー化され
た寒天溶液に導入され、該溶液に任意栄養物を加え、かつ特定の抗微生物化合物
に対する感受性を正又は負方向に変化させる任意物質を該溶液に加える。最後に
、寒天溶液を、栄養物の欠落及び/又は低温状態にすることにより、試験生物が
生存はするが増殖しないように、固化して寒天培地を形成する。培地には、例え
ば、栄養物又は指示薬のような任意物質を、タブレット又はペーパーディスクの
ような分離した供給源により加えてもよい。
慣用的な抗菌性化合物の微生物試験に使用されるストレプトコッカス属は、ス
トレプトコッカスサーモフィラス(Streptococcus thermophilus)が好ましい。慣
用的な抗菌性化合物の微生物試験に使用されるバチルス属は、バチルスステアロ
サーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)が好ましい。この属は胞子とし
てこの目的に使用されてもよい。
抗菌性化合物の微生物学的試験に関する殆どの文献には、1mlあたり105〜108
-109コロニー形成ユニット(CFU)というような非常に広範囲の試験生物の濃度が
記載されている。そのような文献としては、GB-A-1467439、EP 000581、EP 0611
001、DE 3429823、US 3941658、US 4946777及びEP 0285792が挙げられる。しか
し、これらのどの文献も107CFU/mlより高い試験生物の濃度を特定している実施
例を含んでいない。これは、実際には、抗菌性化合物の微生物学的試験が107CFU
/mlより低い試験生物濃度で慣用的に行われてきたことという事実を反映してい
る。CA 2056581(第11頁、27行目)には、試験生物の濃度は(特にバチルスステ
アロサーモフィラスの場合には)変化しえるが、決して寒天培地1mlあたり107C
FUを越えないことが特に記載されている。
このように、現在まで、試験生物の濃度は1mlあたり107CFUが、本願記載の微
生物試験の型において使用できる最高濃度であることが一般的に受け入れられて
きた。現在まで、このような試験においてより高い濃度の使用は、適切な抗菌性
化合物に対する感受性の喪失を起こすと通常考えられてきた。
勿論、抗菌性化合物の適する迅速な試験は、他の中でも以下の要求を満たすも
のでなければならない。すなわち、実際に使用される抗菌性化合物の広範囲に渡
って高い感受性を示すことである。
が幾つか報告されている(例えばEP 000581、GB-A-1467439、US 3941658、US 494
6777)が、これらの試験は、実施例又はその他に示されていない。
現在に至るまで、抗菌性化合物の微生物学的試験を、広範囲の抗菌性化合物に
Uより高い試験生物濃度を使用して行えるとは考えられていなかった。本明細書
は、予想に反して、そのような微生物学的試験の実行が可能であることを述べる
。
発明の詳細な説明
一つの観点において、本発明はミルク、肉汁、血清又は尿などの液体試料中の
一種以上の抗菌性化合物を検出する方法を提供し、該方法は、以下の工程:
(i)該試料を、バチルス及びストレプトコッカスの好熱性菌株から選択された
試験微生物と接触させる工程(該試料の添加前には該試験微生物の生育は阻害さ
れている);
(ii)抗菌性化合物が存在しない状態において、該試験微生物が生育することが
でき、かつそれを検出することが可能であるような該試験微生物のための条件を
与える工程;
(iii)抗菌性化合物が存在しない状態において、該試験微生物の生育を検出す
るのに十分な時間経過後に該試験微生物の生育を検出する工程(しかし、その期
間中、検出可能な試験微生物の生育は試験試料中の抗菌性化合物の既知量により
維持されている);
を含み、該試験微生物が107CFU/mlより高い濃度で存在することを特徴とする。
このような試験方法は、慣用的な抗菌性化合物の微生物学的試験と比較して、
試験期間を著しく短縮する。慣用的な抗菌性化合物の微生物学的試験は一般に2
えば70分というような短時間で又は60分以下というようなより短時間も可能であ
る)、結果が得られる。これは、使用者にとって非常に重要である。というのは
、試料の液体の質がより早くわかり、従って、より早い引渡し又は処理を可能と
するからである。
さらに、驚くべきことに、1mlあたり107CFUより高い試験生物濃度を使用する
本発明の微生物学的試験を用いることにより、感受性を失うことなく、150分よ
り短時間で結果を得ることができる。このように、本発明の微生物学的試験を
0.003IU/mlのペニシリンGを良好に検出することが可能となった(実施例参照)。
試験において存在する試験微生物は、例え一年後においても試験試料と接触す
ると活性化されるような条件下で保存される。
試験微生物は、例えば固化した寒天培地のような固化した培地内に分散した形
態で保存されてもよい。
他の実施態様によれば、試験微生物は、例えば乾燥した形態のような、濃縮さ
れた形態で保存されてもよい。該微生物が、固化した培地中に分散されている場
合には、該微生物の存在する量は、該培地1mlあたり該微生物のCFUで表される(
CFU/ml)。微生物が他の形態で存在する場合には(例えばフリーズドライ)、微
生物の存在量は、検出の間に添加した試験試料(例えばミルク)の1mlあたりの
該微生物のCFU'sで表される(CFU/ml)。
本発明において検出可能な抗菌性化合物は、抗菌剤及びサルファ化合物のよう
な化学療法剤である。本発明の試験方法は、例えば、ミルク、乳製品、肉汁、血
清、尿、卵、蜂蜜、水及び肉、卵又は蜂蜜の抽出物のような、広範囲の液体試料
中の抗菌性化合物の検出に使用してもよい。
さらなる観点において、本発明は、バチルス及びストレプトコッカスの好熱性
菌から選択された試験生物が、107CFU/mlより高い濃度で分散している固化した
寒天培地の入った容器を含む、本発明の方法を実施するための試験ユニットを提
供する。該寒天培地は、さらに、任意に、該試験生物の生育のための栄養物及び
/又は該生育を検出するための一種以上の化合物を含んでいてもよい。本発明の
目的に有用な容器は、チューブ又は管状のくぼみを有するブロックである。例と
しては、単一若しくは複数の透明なチューブ、又は例えばマイクロタイタープレ
ートのような、多数の穴を有する半透明の物質がブロック状に結合したものが挙
げられる。
そのようなユニット内の寒天培地は、任意にバッファー化された寒天培地であ
ってもよく、これに、試験生物、試験生物の生育を十分に維持する栄養を含む栄
養源、酸−塩基指示薬若しくは一種以上の酸化還元指示薬及びある種の抗菌性化
合物への感受性を正方向若しくは負方向に変化させる任意物質を加える。全ての
試験のための成分は、試験ユニットの調製に使用する初期寒天溶液に加えてもよ
く、又は少なくとも幾つかは、分離して寒天培地に加えてもよい。
このように、少なくとも栄養物の一部分を、分離した供給源から試験ユニット
内の寒天培地に、その後に加えてもよい。そのような供給源の例としては、試験
を行う前に寒天培地上に置くタブレット又はペーパーディスクが挙げられる。少
なくとも一種の指示薬成分もまた、例えば、分離した栄養源内に含有されるよう
にして、寒天培地に分離して加えてもよい。バッファー及び試験生物もまた、分
離供給源として加えてもよい。栄養源及び/又は酸化還元指示薬のような一種以
上の指示薬成分は試験試料に加えてもよい。
栄養物及び/又は指示薬及び/又は試験生物を、タブレットのような分離した
供給源から寒天培地又は試験試料に加える際には、供給源内に寒天培地からの湿
気を入れないようにする方法が好ましい。タブレットをこの目的のために使用す
る際には、タブレットを例えばワックスのような防湿性層で被膜することにより
、目的が達せられる。該被膜は、試験の工程において、分解又は溶融しなければ
ならない。溶融温度が35℃〜55℃、好ましくは400C〜45℃であるワックスが適し
ている。
抗菌性化合物の存在しない状態において、試験生物の増殖を可能とするように
栄養物を加える。適する栄養物は、例えば、同化炭素源(例として、ラクトース
、グルコース又はデキストロース)、同化窒素源(例として、ペプトン)及び成
長因子源及びミネラル源(例として、酵母抽出物)が挙げられる。
試験微生物の生育は、酸塩基又は酸化還元指示薬の存在から生じる寒天培地又
は試験試料の色の変化により検出することができる。
もし、使用される指示薬が酸−塩基指示薬であるとすると、約pH5.5に対す
る指示薬が適しており、ブロモクレゾールパープル又はフェノールレッドが好ま
しい。しかし、他の酸−塩基指示薬も同様に使用してもよい。
もし、酸化還元指示薬又は二種類以上の酸化還元指示薬の組み合わせの使用が
望ましい場合には、適する指示薬としては、例として、ブリリアントブラック、
メチレンブルー、トルイジンブルー、ナイルブルーA、2,3,5-トリフェニルテト
ラゾリウム、サフラニン0、インジゴカルミン、チオニン、ガロシアニン、ブリ
リアントクロセインMOO、アシッドイエロー38、アシッドオレンジ51、ア
シッドブルー120、ベーシックブルー3、アズレA、アズレB、コンゴーレッ
ド、1−10フェナントロリン、ヤヌスグリーンB、ブリリアントクレシルブル
ーが挙げられる。他の酸化還元指示薬類(酸化還元媒体、酸化還元触媒及び電子
キャリア)を同様に使用してもよい。好ましい酸化還元指示薬はブリリアントブ
ラック、メチレンブルー、トルイジンブルー及びナイルブルーA又はブリリアン
トブラック及びトルイジンブルーの組み合わせを例とするこれらの組み合わせで
ある。
本発明の方法に適する試験生物は、ストレプトコッカスサーモフィラスであり
、ストレプトコッカスサーモフィラスT101(DSM4022、1987年3
月3日寄託)が好ましい。
または、バチルスステアロサーモフィラスを用いてもよい。本発明の方法にお
いて使用するのに特に好ましいのは、バチルスステアロサーモフィラスバーカリ
ドラクチス(Bacillus stearothermophilus var.calidolactis)C953である
。バチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチスのC953株は、197
4年に、受託番号LMD74.1として、デルフト工業大学の微生物研究所(Labo
ratory of Microbioloby of the Technical University of Delft)に、また、1
983年にバールン(Barrn)のカビ培養物中央事務局(Centraal Burearu voor Sc
himmelcultures/CBS)に受託番号CBS760.83とし寄託された(どちらから
も、上記株を容易に入手することが可能である。)。
バチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチスC953及びストレプト
コッカスサーモフィラスT101は、抗菌性化合物に非常に感受性が高く、特に
ペニシリンのような抗菌剤及びサルファ化合物のような化学療法剤に対して感受
性が高い。これらの微生物の生育は早く、最適生育温度が高いという付加的な利
点も有する(バチルスステアロサーモフィラス:50℃から70℃の間、ストレプト
コッカスサーモフィラス:35℃から45℃の間)。この事はこれらの微生物を本発
明の方法に非常に適したものとしている。というのは、これらの微生物は保存温
度(例えば室温)において生育できず、また、試験液体中に存在するかまたは試
験系に含有される可能性のある生物が、試験結果に影響する可能性が低いからで
ある。
試験生物がバチルス株である場合には、胞子懸濁液の形態で寒天培地に入れる
ことが好ましく、これは既知の方法により調製して固化する前の寒天培地に加え
てもよい(例として、GB-A-1467439参照)。または、既に述べたように、試験生
物を分離した供給源として加えてもよい。例として、タブレット又はペーパーデ
ィスクにより寒天培地に加えることが挙げられる。
試験生物がストレプトコッカス株である場合には、バクテリアは、バクテリア
細胞の形態で寒天培地に加えることが好ましく、これは既知の方法に従い調製し
てもよい(EP 0285792)。
試験微生物が濃縮された形態である場合には(例えば、フリーズドライ形態、
タブレット、ペーパーディスク等)、濃縮物は慣用的に使用されるアンプル、密
封可能な試験チューブ、サンプル瓶、ミクロタイタープレートのようなブロック
上の穴等のような容器に量り入れる(例えば、EP 0285792を参照)。
寒天培地中の試験生物の濃縮物は、107CFU/mlより高い濃度であることが適し
ている。しかし、1010CFU/mlを越えないことが望ましい。例として、試験生物の
濃度として2×107と109CFU/mlの間の濃度を用いてもよく、2×107〜3×108CF
U/mlの濃度が好ましい。最も好ましい試験生物の濃度は、3×107〜2×108CFU/
mlである。
本発明の好ましい実施態様によれば、試験生物の感受性は調製することが可能
である。感受性は様々な方法で変化させてもよく、その方法としては、例えば、
特定の物質の添加、pH又は寒天もしくはバッファー化剤の濃度のような試験条
件の変化又は寒天と試験する液体の容量比の変化が挙げられる。
感受性を変化させるために試験系に加えてもよい物質の例としては、アデノシ
ドのようなヌクレオチド及びトリメトプリム、オルメトプリム及びテトロキソプ
リムのような抗葉酸剤(antifolates)が挙げられ、これらはサルファ化合物への
試験生物の感受性を改良する。オキザリル酸又はフッ化水素酸の塩を、テトラサ
イクリンへの感受性を改良するために加えてもよい。システインを、ペニシリン
への感受性を低下させるために使用してもよい。
以下、本発明の寒天培地を含む試験についてより詳細に述べるが、当業者らは
これらの記載が、寒天培地を使用しない試験に対しても適用可能であることを認
めるであろう。
上記に述べたように、必要な成分又は特定の抗菌性化合物への感受性を変化す
る任意物質も含む任意の望ましい成分を、任意にバッファー化した寒天溶液に加
えてもよい。上記寒天溶液を、栄養物を欠落させるか、及び/又は低温にするこ
とにより、試験生物が生存はしているが増殖しないようにして、試験ユニット内
で固化させて寒天培地を形成する。固化の前に寒天溶液に加えなかった必要な化
合物は、例えばタブレット又はペーパーディスクのような分離した供給源から添
加しなければならない。
必要な成分とは、試験生物、一種以上の指示薬及び栄養物である。例えば、特
定の抗菌性化合物への感受性を改良又は低下させる物質及びバッファー溶液のよ
うな他の化合物は、任意である。
検出する抗菌性化合物の既知最低濃度において、寒天培地中で試験生物が生育
又は増殖しないように、本発明の方法を行うことが好ましい。寒天培地を含む試
験チューブのような試験ユニットもまた、試験生物が寒天培地中で増殖しないよ
うに保存しなければならない。これは通常、試験を行うまで生物に栄養を与えな
いか、又は培養物(生産工程の間)及び試験ユニット(保存期間)を、十分に低
い温度、好ましくは4℃〜30℃の間、さらに好ましくは4℃〜15℃の間に維持す
るか、又はこの両方の操作を行うことにより行われる。
試験ユニットは、保存期間中密閉することが好ましく、この条件下において、
これらを少なくとも数ヶ月保存してもよい。
試験生物及び/又は指示薬及び/又は栄養物及び/又は試験の感受性を変化さ
せる特定の物質を含む任意のバッファー化された寒天培地を、チューブのような
縦型の試験ユニット内で固化させてもよい。
ユニットは所定のサイズであることが好ましい。これは試験の信頼性のためで
ある。試験ユニット内の寒天培地の高さは非常に重要である。もし、試験試料中
に抗菌剤が存在すると、それは寒天中に拡散する。そのため、試験の感受性は、
試験ユニット内の固化した寒天の高さによって確認することが好ましい。
試験ユニット内の寒天培地の高さは、検出する抗菌性化合物が特定の値より低
い濃度である場合に指示薬の色変化が起こり、その値よりも高い濃度の時には色
変化が起こらないように選択することが好ましい。特定の濃度の抗菌性化合物が
存在するかどうかわかるように試験を設定することが好ましい。このためには、
試験ユニットの高さは、3〜30mmの高さ、より好ましくは5〜15mmの高さに
相当する量の寒天培地及び試料を含む高さであることが好ましい。試験ユニット
内の横断面の直径は1〜20mmが好ましく、1〜14mmがより好ましい。
試験ユニット内の寒天培地の体積は、試験ユニットの高さ、内部横断面直径及
び寒天培地を充填する試験ユニットの体積率によって決定される。寒天培地の体
積は10μl〜3mlが好ましく、15μl〜1mlであることがより好ましく、また20μ
l〜500μlであることが最も好ましい。
適する液体試験試料の体積は例えば0.01〜0.5mlである。従って、例えば、0.3
mlの寒天溶液を、内部直径9mmの縦型滅菌試験チューブ内で固化することにより
形成した本発明の試験ユニットにより、ミルク試料中の0.003IU/mlのペニシリン
Gを検出するのに適することが見いだされた。
バチルスステアサーモフィラスバーカリドラクチスを使用する時には、適する
培養温度は55℃〜70℃の間であり、より好ましくは60℃〜66℃の間である。培養
は、水浴、ブロックヒーター、ストーブ又は乾燥培養器のような、どのような慣
用的な培養器で行ってもよい。
ストレプトコッカスサーモフィラスの細胞を使用する時には、適する培養温度
は36℃〜44℃の間であり、より好ましくは38℃〜42℃の間である。
上記に示したように、例えば、70分というような150分より短時間の培養が可
能であり、60分でも又は30分でさえも可能である。このような培養時間は、107C
FU's/mlより低濃度における、抗菌性化合物に対する他の慣用的な微生物試験系
と比較して著しく短いものである。
本発明の試験は、その実施が非常に容易であり、そのため、試験の実施者が特
に教育されている必要がない。結果は非常に容易に得ることができる。培養期間
の後、指示薬を含む寒天培地の色の変化が、試験生物が生育したか否かを示す。
本願明細書に記載された全ての文献は、ここに各々の文献又は特許が詳しくそ
れぞれ記載されたのと同様に、参考文献として引用する。
4. 図面の簡単な説明
図1. 実施例IVで使用されたA型の試験ユニットにおける、胞子濃度に対す
る試験期間の関係を示している。
図2. 実施例Vで使用されたB型の試験ユニットにおける、胞子濃度に対す
る試験期間の関係を示している。
実施例I
抗菌剤を検出するA型の試験チューブの調製
寒天培地を含むA型の試験チューブを以下のように調製した。
寒天12g、塩化ナトリウム9g及び0.1Mトリエタノールアミンバッファー溶液
(pH=8.0)50mlを1000mlの蒸留水に加え溶液を調製した。ブロモクレゾール
パープルの溶液を、最終濃度が1000mlに対して20gとなるように加えた。最終溶
液を121℃で20分間滅菌を行い、約60℃に冷却した。
この溶液に、異なる量のバチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチス
C953の胞子の蒸留水中の懸濁液を加え、最終濃度を106〜1010胞子/mlとし
た。
無菌条件下で、直径約9mmの滅菌したチューブを0.3mlの寒天溶液で満たし、
例えばアルミニウムホイルですぐに密封した。試験チューブを縦型において、試
験チューブ内の寒天溶液を固化させた。
チューブを5℃〜15℃の間の温度で保存した。
実施例II
抗菌剤を検出するB型の試験チューブの調製
寒天培地を含むB型の試験チューブを以下のように調製した。
寒天10g、塩化ナトリウム9g、グルコース2g、ペプトン2g、トリプトン2g
、酵母抽出物4g及び0.1Mトリエタノールアミンバッファー溶液(pH=8.0)5
0mlを1000mlの蒸留水に加え溶液を調製した。最終溶液を121℃で20分間滅菌を行
い、約60℃に冷却した。
ブリリアントブラック溶液を、最終濃度が1000mlに対して80gとなるように加
え、トルイジンブルー溶液を、最終濃度が1000mlに対して3gとなるように加え
た。
この溶液に、異なる量のバチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチス
C953の胞子の蒸留水中の懸濁液を加え、最終濃度を106〜1010胞子/mlとし
た。
無菌条件下で、直径約9mmの滅菌したチューブを0.3mlの寒天溶液で満たし、
例えばアルミニウムホイルですぐに密封した。試験チューブを縦型において、試
験チューブ内の寒天溶液を固化させた。
チューブを5℃〜15℃の間の温度で保存した。
実施例III
栄養タブレットの調製
デキストロース100g、アビセル PH101を160g、トリプトース50g、酵母抽出物1
4g及びプレシロール15gの混合物を作成した。この混合物は、直径が約3mmであ
り、厚さが約1.9mmであるタブレットを18000個調製するのに十分な量である。
実施例IV
試験A型の実施
実施例Iで述べた異なるバチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチス
胞子の異なる濃度の、各A型の試験チューブ溶液のうちの一つの封印を除去して
開封した。実施例IIIに記載された栄養タブレットを、各試験チューブに加えた
。次に、0.1mlの新鮮な牛乳試料を、各試験チューブに加え、その試験チューブ
をすぐに64℃に維持した水浴に浸漬した。
観察を30分から2時間30分まで行った。寒天培地の色が黄色になった時間を決
定した。図1に示されるように、試験時間は、寒天培地に加えた胞子数に相関し
ていた。
もし、この特定の時間に、寒天培地の色が青である場合には、試料は検出可能
な濃度の抗菌性化合物を含むことがわかる(例えば、0.003I.U./ml以上のペニシ
リンG)。図1は、試験時間を少なくとも60分にまで短縮することが可能である
ことを示している。
実施例V
試験B型の実施
B型のチューブを用い、タブレットを試験チューブに加えないこと以外は、実
施例IVで述べた工程を繰り返した。
図2は、試験時間を少なくとも70分にまでの短縮することが可能であることを
示している。
実施例VI
B型試験の実施
0.003I.U./mlのペニシリンGを新鮮な牛乳試料に加えた。比較試料はペニシリ
ンGを含まない。
実施例IIに記載された濃度のバチルスサーモフィラスバーカリドラクチス胞子
を含む、各B型の試験チューブのうちの二つの封印を除去して開封した。二種類
のミルク試料の各0.1mlを各試験チューブに加え、その試験チューブをすぐに64
℃に維持した水浴に浸漬した。
観察を30分から3時間まで行った。寒天培地の色が黄色になった時間を決定し
た。表1に示されるように、試験時間は、寒天培地に加えた胞子数に相関してお
り、試験の感受性を低下させる方向には影響を与えない。
表1は、試験時間が少なくとも70分にまで短縮されたことを示している。試験
時間が70分の場合でも0.003I.U./mlの濃度のペニシリンGを検出することが可能
である。当然、より高い濃度のペニシリンGの検出も可能である。
実施例VII マイクロタイタープレート中の抗菌剤及びサルファ化合物の検出(C型試験)
試験プレート(C型試験)の調製のため、実施例Iの手順を繰り返した。ただ
し、実施例IIIで述べた栄養物(デキストロース、トリプトース及び酵母抽出物
)を分離して添加せずに実施例Iに述べたものと同じ濃度で、最初に寒天培地に
加
えた。また、バッファー溶液と共にトリメトプリム溶液を最終濃度が1lあたり
60μgとなるように加えた。
滅菌したマイクロタイタープレートの壁に、20μlの寒天溶液を無菌条件にて
加えた。プレートをすぐにアルミニウムホイルで密封した。
プレートを5℃〜15℃の間の温度で保存した。
3ppbのペニシリンGを新鮮な牛乳に加えた。100ppbのサルファジアジンを含
むミルク試料もまた作成した。
比較試料はペニシリンGもサルファジアジンも含まない。
マイクロタイタープレートの封を除去した。次に、20μlの三つの各ミルク試
料を異なる濃度のバチルスステアロサーモフィラスバーカリドラクチス胞子C953
を含む各試験プレート(duplo)に加えた。プレートをすばやく64℃に維持した水
浴内に置いた。
観察を30分から150分まで行った。寒天培地の色が黄色になった時間を決定し
た。表2に示されるように、試験時間は、寒天培地に加えた胞子数に相関してお
り、試験の感受性を低下させる方向には影響を与えない。
試験時間90分においても、ペニシリンG及びサルファジアジン両方をそれぞれ
3ppbのペニシリンG及び100ppbのサルファジアジンの濃度において検出するこ
とが可能である。ペニシリンG(3ppb)は、試験時間80分でも検出可能である。
当然、ペニシリンG及びサルファジアジンは両方共より高い濃度において検出
可能である。
実施例VIII
ミルク中の抗菌剤の検出(D型試験)
この実験では、ストレプトコッカスサーモフィラスT101(DSM 4022)をミルク中
の抗菌剤の検出に使用した。ストレプトコッカスサーモフィラスT101は既知の方
法により生育を行った。
ブロモクレゾールパープルの溶液を最終濃度が1000ml たり45mgとなるように
、新鮮な牛乳に加えた。
新鮮な牛乳の一部に、4ppbのペニシリンGも加えた。
比較試料はペニシリンGを含まない。
ミルク試料にストレプトコッカスサーモフィラスT101の異なる量を加え、最終
濃度が1mlあたり107〜109CFUとなるようにした。
試料を調製後すぐに、直径が約9mmの滅菌チューブを0.3mlの各ミルク試料(du
plo)で満たした。チューブをすぐに42℃に維持した水浴内に置いた。
観察を30分から2時間30分まで行った。寒天培地の色が黄色になった時間を
決定した。表3に示されるように、試験時間は、寒天培地に加えた細胞数に相関
しており、試験の感受性を低下させる方向には影響を与えない。
試験時間80分においても、4ppb以上の濃度においてペニシリンGを検出する
ことが可能である。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US
,UZ,VN
(72)発明者 ボムメレ ミッヒェル ウィルヘルムス
クリスティアヌス
オランダ エヌエル−2622エーベー デル
フト アンゴラストラート 24
(72)発明者 スタルク ヤコブス
オランダ エヌエル−3069ゼットエム ロ
ッテルダム ヨースト ファン オスパト
31
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.下記の工程を含む、液体試料中の一種以上の抗菌性化合物の検出方法。 (i)該試料を、バチルス及びストレプトコッカスの好熱性菌株から選択され る試験微生物と接触させる工程(該試料の添加前には該試験微生物の生育は阻害 されている); (ii)抗菌性化合物が存在しない場合に該試験微生物が生育することができ、 かつそれを検出することが可能であるような該試験微生物のための条件を与える 工程;及び (iii)抗菌性化合物が存在しない場合に試験微生物の生育を検出するのに十 分な時間経過後に該試験微生物の生育を検出する工程(しかし、その期間中、検 出可能な試験微生物の生育抑制は試験試料中の既知量の抗菌性化合物により維持 されている); ただし、該試験生物は107コロニー形成ユニット(CFU)/mlより多く存 在する。 2.該試験微生物が、固化した培地、好ましくは固化した寒天培地に分散してい る、請求項1記載の方法。 3.該試験試料の添加前の該試験微生物が濃縮された形態、好ましくは乾燥形態 である、請求項1記載の方法。 4.1mlあたり0.003 I.U.のペニシリンGを、2.5時間より短時間で検出するの に適する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 5.該試料添加前に該試験微生物が該寒天培地中に2×107〜3×108CFU/ml存在 するか、又は、該培地中に該試験微生物が存在しない場合には、該試験微生物は 試料添加後に2×107〜3×108CFU/mlの濃度で存在する、請求項1〜4のいずれ か一項に記載の方法。 6.該試験微生物の生育を、酸−塩基又は酸化還元指示薬の存在による、寒天培 地の色変化により検出する、請求項1記載の方法。 7.該試験微生物としてバチルスステアロサーモフィラス、好ましくはバチルス ステアロサーモフィラスバーカリドラクチスC953の株を使用するか、又はス トレプトコッカスサーモフィラス、好ましくはストレプトコッカスサーモフ ィラスT101の株を使用する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 8.該寒天培地が、該試験生物の生育を維持するのに十分な栄養物を含む寒天溶 液から形成される、請求項2記載の方法。 9.該試験生物のための栄養源又はその一部を、固化した寒天培地に供給する、 請求項2記載の方法。 10.該寒天培地が、該試験生物の抗菌性化合物への感受性を変化させる少なくと も一種の物質を含む、請求項2記載の方法。 11.10μl〜3mlの寒天培地を使用する、請求項2記載の方法。 12.請求項2に記載の方法を実施するための試験ユニットであって、固化した寒 天培地を保存する容器を含み、該寒天培地にはバチルス及びストレプトコッカス の好熱性菌株から選択された試験生物が約107CFU/mlより高濃度で分散しており 、該寒天培地は、さらに任意に該試験生物の生育のための栄養物及び/又は一種 以上の該生育を検出する成分を含む、上記試験ユニット。 13.該容器が、チューブ又は管状のくぼみがついたブロックである、請求項12 記載の方法。
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