JPH0952289A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートとその湿式製造方法及び装置 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートとその湿式製造方法及び装置

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JPH0952289A
JPH0952289A JP7206191A JP20619195A JPH0952289A JP H0952289 A JPH0952289 A JP H0952289A JP 7206191 A JP7206191 A JP 7206191A JP 20619195 A JP20619195 A JP 20619195A JP H0952289 A JPH0952289 A JP H0952289A
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JP
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fiber
thermoplastic resin
liquid
suction
mesh belt
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Application number
JP7206191A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Yoshikawa
文明 吉川
Seiji Hanatani
誠二 花谷
Yuichi Uchida
祐一 内田
Osamu Nishimura
治 西村
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】幅縮小抄造を行い歩留りを向上させ、かつ得ら
れたシート材の反りを低減させることが可能な繊維強化
熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置を提供す
る。 【構成】繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液を、インレ
ット部14から助走区間Lを経て整流しつつ、幅縮小し
たヘッドボックス13に導きメッシュベルト11の抄造
面11a上に供給する。液は、複数区画に分割するとと
もに、前段区画の液吸引流量を後段区画より小さく設定
したサクションボックス12により吸引分離しつつウエ
ブWを抄造する。助走区間Lでの整流とサクションボッ
クス12での液吸引流量分布の制御によりウエブの表裏
の繊維配向を一致させ、反りのない幅縮小スタンパブル
シートを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不連続繊維と熱可
塑性樹脂とを含む分散液から抄造される繊維強化熱可塑
性樹脂シート材の湿式製造方法及び装置の改良に関し、
特に、幅縮小抄造の場合の製品シート材ひいてはシート
材から成形した成形品の反りを抑制して成形品の商品価
値を高めようとするものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特性を生かしな
がら高い強度,剛性を付与するべく、高弾性率繊維を添
加して複合する技術が知られている。例えばマット状の
高弾性率繊維(強化繊維)に熱可塑性樹脂を含浸させた
繊維強化熱可塑性樹脂複合シート材いわゆるスタンパブ
ルシートは、その優れた機械的強度,加工性や軽量性等
の特性から、自動車用構造部品などの分野に近年急速に
普及しつつあり、その製造についても種々の提案がなさ
れている。例えば、特開昭60−158227号公報に
は、この種の繊維強化樹脂複合シート材の製造方法とし
て、繊維が均一に分散されたスタンパブルシートを抄紙
機で形成するものが開示されている。また、その抄造方
法に関して、例えば特開平4−208405号公報に
は、不連続繊維と熱可塑性樹脂とを含む発泡分散液をヘ
ッドボックスからメッシュベルト上に供給してシート状
の繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造するにあたり、高
さ方向に多段に形成したヘッドボックスを用いて発泡分
散液の流路を分割してメッシュベルト上に供給するもの
が、また特開平4−208406号公報には、メッシュ
ベルトの下に配置する排水口をメッシュベルト移動方向
に平行に開口せしめてその開口幅を不連続繊維長より短
いスリットの集合とするものが、更に特開平4−208
407号公報には、幅方向に多段に形成したヘッドボッ
クスを用いて発泡分散液の流路を分割するものが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスタンパブ
ルシートを抄造する技術にあっては、一般的に、ヘッド
ボックスの下部においてメッシュベルトを介し分散液中
の液を吸引分離するためのサクションボックスは、ヘッ
ドボックスのほぼ全長に及ぶ一室構造であり、メッシュ
ベルトの抄造面全体を均等に吸引するようにしている。
この場合、原料の分散液は抄造面の下方へ向かって一様
に吸引されつつ抄造面の進行方向に沿って流動する。そ
のため、抄造面近くの繊維は抄造開始直後の急激な吸引
によって垂直に配向し、その上に重なる繊維は抄造面に
平行に配向する傾向を生じて、メッシュベルト上に抄造
されたウエブの内部の不連続繊維は吸引側(裏面側)で
は抄造面に垂直、その反対側(表面側)では抄造面に平
行となり、繊維配向度が不可避的に大きく異なったもの
となる。補強繊維の収縮率は繊維長手方向に小さく、そ
れと垂直方向には大きくなるから、このように繊維配向
度が表裏で大きく異なるウエブを乾燥,加熱,プレスし
て製造される繊維強化熱可塑性樹脂シート材は上(表
側)又は下(裏側)に反ることとなる。すなわち、従来
は、ウエブ内の補強繊維の厚さ方向での配向度の不一致
によって、製造された繊維強化熱可塑性樹脂シート材の
収縮率が表裏で異なる結果、反りを抑制することは極め
て困難であった。
【0004】これに対して、ウエブの表裏の補強繊維の
配向度を一致させるために、メッシュベルトの抄造面を
挟んで上下両側にサクションボックスを配設し、抄造面
上の繊維層の両面側から同一条件で液を吸引することが
試みられている。しかしこの場合は、抄造設備やその操
業方法が複雑となり、設備投資額が増大すると共に運転
コストが上昇してしまうという問題がある。
【0005】スタンパブルシートは、加熱後に金型に入
れ150kg/cm2 以上の高圧で圧縮成形するフロー
成形用と、30kg/cm2 以下の比較的低圧で成形し
所要の形に賦形する膨張成形用に大別されるが、後者の
膨張成形用材料は、補強繊維のスプリングバック効果を
利用して超軽量かつ高剛性の膨張材を容易に製造し得る
ため、近年特に注目を集めており今後の需要が期待され
ている。しかし、一般に、膨張成形用スタンパブルシー
トの目付量は2500g/m2 以下と小さく、目付量が
4000g/m2 以上であるフロー成形用に比べてシー
トが薄い。したがって、シートの表裏両面での補強繊維
の配向度の差が僅かでもシートの反りが大きくなり易
い。
【0006】ところで、最近はコスト削減のため、目付
量を1500g/m2 程度に低く押さえるのみならず、
更にはウエブを抄造する段階で、ウエブ幅をスタンパブ
ルシートの成形製品サイズに合わせる、いわゆる幅縮小
抄造が行われるようになっている。これにより、スタン
パブルシートを製品サイズに合わせてカットする際のカ
ット歩留りを向上させるためである。しかし、このよう
な低目付量でかつ幅縮小で抄造されたウエブからなるス
タンパブルシートではシート剛性がさらに小さく、反り
は一層大きくなる傾向があり、反り防止がますます重要
になってきている。
【0007】従来、ウエブの幅縮小抄造を行う場合に
は、幅縮小の設備費を低減して簡単に幅変更ができるよ
うにするため、ヘッドボックスの幅方向の両端にスポン
ジ等からなるブロック材を装着してウエブ抄造幅を変更
する簡便法が行われている(図3参照)。この場合、ヘ
ッドボックス13の幅のみが縮小され、インレット14
やヘッドボックス下部のサクションボックス12の幅は
既設のままである。そのために、分散液がインレット部
14から吐出してヘッドボックス13内に導入されると
き、吐出直後の分散液の流れはヘッドボックス13の両
サイド部分で縮小されて大きく乱れる。また、インレッ
ト部14からの吐出直後は、ウエブがまだ形成されてお
らず、抄造面の通液抵抗が最も小さいため急激にサクシ
ョンボックス12への液の吸引が行われる。このことか
ら、従来の簡易な幅縮小抄造にあっては、インレット部
吐出直後の発泡分散液の乱れ、すなわち補強繊維配向の
乱れをそのまま反映したたウエブが形成され、ひいては
そのウエブを乾燥,加熱プレスして得られるスタンパブ
ルシートは大きく反ることとなる。ちなみに、製品シー
トの合格率は20%以下であった。
【0008】さらには、ヘッドボックス両サイドに挿入
した幅縮小用ブロックの下部のサクションボックス12
はブロックされていないため、特にウエブ未形成のイン
レット部吐出直後の部分では、発泡分散液が幅縮小用ブ
ロックの下部へ強く吸引される。このため、ヘッドボッ
クス13とサクションボックス12に挟まれて水平移動
するメッシュベルトと幅縮小用ブロックとの間に分散液
中の補強繊維と熱可塑性樹脂とが侵入し、メッシュベル
トの移動の抵抗になる。それらの侵入量が多ければメッ
シュベルトの移動抵抗が大きくなり、ついにはメッシュ
ベルトを停止させるという事態を生じかねない。そうな
ると、停止したメッシュベルト上にウエブが連続的に形
成されるためサクションボックスへの吸引抵抗が大きく
なり、ついには発泡分散液がヘッドボックスから溢れ出
て操業を停止せざるを得ないとう事態が発生する。最悪
の場合は、ヘッドボックスの両サイドで拘束されたメッ
シュベルトが切断されるというような事態もあり得る。
【0009】こうした簡易方式による幅縮小抄造に伴う
メッシュベルトの停止とか切断といったような事態の発
生を防止するため、インレット部,ヘッドボックス,サ
クションボックスを含む抄造部全体において幅変更でき
る抄造幅変更機構を設けて幅縮小抄造を行うことが行わ
れたが、その場合は設備が複雑で投資額が増大し、コス
ト競争がとくに厳しい繊維強化熱可塑性樹脂事業におい
ては特に大きな問題となっていた。
【0010】そこで本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたものであり、簡易方式の幅縮小抄造
を行いながらも、メッシュベルトの停止や切断といった
事故を防止でき、かつ得られたシート材の反りを低減さ
せることが可能な繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製
造方法および装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の方法
の発明は、不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散
液を幅を縮小したメッシュベルトの抄造面上に供給して
液を吸引分離しつつ連続的にシート状ウエブを抄造する
繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法に係り、前
記メッシュベルトの抄造面に供給する直前で分散液を助
走させて整流し、その整流後の分散液を前記メッシュベ
ルトの進行速度及び前記抄造面の移動方向の液吸引流量
分布を制御しつつ抄造面に供給してウエブの表面側と裏
面側との繊維配向度を一致させることを特徴とするもの
である。
【0012】本発明の請求項2の発明は、請求項1の発
明における抄造面の移動方向の液吸引流量を、抄造面の
前段より後段の方が大きくなるように制御することを特
徴とするものである。本発明の請求項3の装置の発明
は、不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をマ
ニホールドからヘッドボックスを通じて幅を縮小したメ
ッシュベルトの抄造面上に供給して液をサクションボッ
クスにより吸引分離しつつ連続的にシート状ウエブを抄
造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置に係
り、前記メッシュベルトへ分散液を供給する最上流部に
助走区間を設け、且つ前記サクションボックスを、前記
メッシュベルトの抄造面の進行方向で複数区画に分割す
るとともに、前段の区画の液吸引流量を後段の区画より
小さく設定したことを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項4の装置の発明は、請求項
3の発明における助走区間を、前記複数区画に分割した
サクションボックスの最前段の区画の液吸引流量を零に
することにより形成したことを特徴とする請求項3記載
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置。本発明
の請求項5の装置の発明は、請求項3または4の発明に
おけるサクションボックス前段の区画と後段の区画との
吸引圧力を調整することにより液吸引流量を変化させた
ことを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項6の装置の発明は、請求項
3または4の発明におけるサクションボックス前段の区
画と後段の区画との吸引開口面積を変えて液吸引流量を
変化させたことを特徴とするものである。本発明の請求
項7の装置の発明は、不連続補強繊維と熱可塑性樹脂と
を含む分散液を幅を縮小したメッシュベルトの抄造面上
に供給して液を吸引分離しつつ連続的にシート状ウエブ
を抄造してなる繊維強化熱可塑性樹脂シートに係り、前
記メッシュベルトの抄造面に供給する直前で分散液を助
走させて整流し、その整流後の分散液を前記メッシュベ
ルトの進行速度及び前記抄造面の移動方向の液吸引流量
分布を制御しつつ抄造面に供給して一工程にてウエブの
表面側と裏面側との繊維配向度を一致させてなることを
特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を参照して説明する。図1は本発明の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の全体系統図でありウエブ
製造部とシート材製造部に大別されている。ウエブ製造
部は、原料調整部1と、ウエブ抄造部10と、乾燥部3
0と、巻き取り部40とで構成され、次工程のシート材
製造部50に接続されている。
【0016】原料調整部1には攪拌機2を備えた分散槽
3が設置され、この分散槽3の上方に熱可塑性樹脂粒が
貯蔵された樹脂供給装置4及び補強繊維が貯蔵された補
強繊維供給装置5が配設してある。ここで、補強繊維と
しては、その繊維長が数ミリから数十ミリの例えばガラ
ス,金属,炭素繊維等の無機繊維または有機繊維等が、
単独または二種類以上を組み合わせて使用される。この
実施形態例では、径10μm前後、長さ10mm前後の
繊維を用いた。
【0017】また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ポリ
スチレン,塩化ビニル樹脂等が粉末,繊維,フレーク等
の形態で単独または二種類以上を組み合わせて使用され
る。これらの材料を、界面活性剤を含む水を入れた分散
槽1内に所定の割合で投入し、攪拌して発泡分散液Cを
調整する。調整した発泡分散液Cは定量ポンプ6で送り
出し、マニホールド8で多数本の分配供給管9に分配し
て次工程のウエブ抄造部10に送るようになっている。
【0018】ウエブ抄造部10には、一方向に回転する
エンドレスのメッシュベルト11と、そのメッシュベル
ト11の裏面に接して配置されたサクションボックス1
2と、原料調整部1から送られてくる発泡分散液Cを貯
えてメッシュベルト11上に送り出して着乗させるため
のヘッドボックス13とが配設してある。乾燥部30は
メッシュベルト11の下流に連ねたベルトコンベア31
と乾燥室32を備え、ウエブ抄造部10で抄造されたメ
ッシュベルト11上のウエブWを連続的に乾燥する機能
を有する。
【0019】巻き取り部40には乾燥されたウエブWの
巻き取りリール41が配設されている。シート材製造部
50には、乾燥したウエブWを加熱加圧して緻密なシー
ト材Sを製造するための加熱プレス51が設置されてい
る。図2は本実施形態例のウエブ抄造部10の詳細を示
したもので、ヘッドボックス13は、上流の入口部にマ
ニホールド8からの発泡分散液Cが分配供給管9を経て
流入するインレット部14を備えるとともに、図3に示
すようにそのインレット部14の吐出口直後から下流側
の左右両側縁部を硬質スポンジ製の幅縮小ブロック17
で封止して、歩留りを向上するために製品サイズに合わ
せた幅縮小抄造を行うようになっている。
【0020】そのヘッドボックス13の下にメッシュベ
ルト11の抄造面11aを介して配設されたサクション
ボックス12は、上流側から下流側へ向かって複数の区
画(図では第1〜第6室までの六個の区画)に分割され
ており、各室にはサクションバルブ15が配設され、そ
の開度を操作して負圧の大きさを調整することにより、
各室毎の液吸引流量(排水量)を任意に制御できるよう
になっている。
【0021】本発明の幅縮小抄造にあっては、反りの少
ない製品を製造するため、幅を縮小したメッシュベルト
へ分散液を供給する最上流部(すなわちインレット部1
4からの吐出後にヘッドボックス内で抄造を開始するま
での間)に、発泡分散液の助走区間Lを設けて(図3の
斜線で示す区間)、インレット部14からヘッドボック
ス13に導入される液の流れを整流する。助走区間Lの
設置方法は特に限定されないが、例えば本実施形態例で
は、サクションボックス12を区画した複数の小室のう
ち最上流にある第1番目の室のサクションバルブ15を
全閉にして発泡分散液Cの吸引量を零とすることにより
設定している。こうすることにより、助走区間を設置す
るため特に設備を大きくする必要が無くなり、設備費も
低減できるという利点がある。
【0022】サクションボックス12の第2室以降の各
室は負圧に保たれて液を吸引するようになっている。上
記の簡易方式の幅縮小抄造装置を用いた本実施形態例の
繊維強化熱可塑性樹脂シートの幅縮小を伴う湿式製造方
法は以下の通りである。インレット部14から吐出され
て幅を縮小したヘッドボックス13に導入された発泡分
散液Cは、先ず助走区間Lを通る間に整流され、インレ
ット部14の両側縁部分からの吐出液が幅縮小ブロック
17の端部に干渉されて生じる流れの乱れ、ひいては液
中の補強繊維の配向の乱れが抑制される。
【0023】その後、移動するメッシュベルト11の抄
造面11aに供給され、泡液がサクションボックス12
の第2室以降の負圧により吸引排除され、補強繊維と熱
可塑性樹脂粒子はメッシュベルト11の抄造面11a上
に着乗して幅縮小ウエブWが抄造される。このウエブW
を乾燥機32で乾燥し、必要に応じてコイル状に巻き取
る。乾燥したウエブWは、シート製造部50において加
熱プレス51により加熱加圧し、その後冷却固化させ
て、製品サイズに合わせて幅縮小された成形用材料であ
る緻密な繊維強化熱可塑性樹脂シート材Sが得られる。
【0024】本発明は、上記の幅縮小シート材Sの原料
となるウエブWの製造に際し、メッシュベルト11の進
行速度及びその抄造面11aの移動方向の液吸引流量分
布と、インレット部14から幅縮小された抄造面11a
上に供給される発泡分散液Cの流れの乱れとを制御し
て、ウエブWの表面側と裏面側(メッシュベルトに面し
た側)との繊維配向度を一致させることを基本とするも
のである。これにより、当該ウエブWを加熱プレスして
得られるシート材Sひいてはそのシート材Sから成形さ
れた成形製品の反りが抑制できて、優れた商品価値を生
み出すことが可能になる。
【0025】すなわち、本来、ヘッドボックス13内
における上部の発泡分散液Cの流れは、インレット部1
4からヘッドボックス13へ流入する液の流量や流速、
またヘッドボックス13自体の傾斜など、種々の要因に
左右され、その流れを自在に制御することは困難であ
る。一方、ヘッドボックス13内の下部における発泡分
散液Cの流れ、ひいてはその液流の下部に存在する補強
繊維の動線は、下部の液がメッシュベルト11に接触し
ていることから、メッシュベルト11の動き特に進行速
度に直接に影響を受ける。
【0026】また、ヘッドボックス13内へ流入する
発泡分散液Cは、ヘッドボックス下部にメッシュベルト
11を介して設置されたサクションボックス12へ吸引
されることから、サクションボックス12のベルト進行
方向における各位置での吸引流量の大きさ、すなわち吸
引流量分布がヘッドボックス13内の発泡分散液Cの下
部の流れに直接に影響を及ぼす。換言すれば、メッシュ
ベルト近傍に存在する発泡分散液C中の補強繊維の動線
は、サクションボックス12の各位置における吸引流量
の大きさ、即ち吸引流量分布に直接に影響を受ける。
【0027】更には、発泡分散液Cはインレット部1
4から幅が急激に狭くなる抄造面に縮小して流れ出るこ
とから、抄造面の入り口部で流れが乱されて、それが液
中に分散した補強繊維のうちの特に抄造面に接する側
(シート裏面側)を形成する繊維配向に直接影響する。
本発明は、以上、、で述べた事実に鑑み、メッシ
ュベルト11の進行速度(抄造速度)およびサクション
ボックス12の前後方向での液吸引流量分布を制御する
と同時に、さらにインレット部14から急に幅狭となる
抄造面に流れ出る発泡分散液Cを整流してから抄造面に
導入することにより抄造面近傍の液中の補強繊維の動き
を制御し、これによりウエブ裏面側(メッシュベルトに
面した側)の繊維配向度を流れ制御が困難なウエブ表面
側の繊維配向度に一致させる。
【0028】こうして、繊維長手方向と径方向とで収縮
率が異なる補強繊維の配向度を、ウエブの表裏で同等に
すれば、そのウエブを加熱プレスして得られるシート材
(スタンパブルシート)の表裏の繊維配向度も同等にな
り、ひいてはシート材の表裏の収縮率が等しくなる結
果、反りは抑制されることになる。上記サクションボッ
クスの前後方向の液吸引流量分布を制御する具体的手段
として、本発明は、サクションボックス12を前後方向
(メッシュベルトの抄造面の進行方向)に二つ以上、望
ましくは三つ以上の区画に分割して、その分割区画別に
液吸引流量を段階的に変えるものとする。目付量が小さ
くなりシート寸法が大きくなると、三つないしは四つの
区画に分割して制御する必要がある。図2の実施形態例
の場合は、実験的な見地から第1〜第6の六つの小室に
分割しているが、例えば第1室と第2室以降のグループ
に分けて液吸引流量を二段階に変えて行ったときには、
実質的には二区画に分割したことになる。
【0029】分割区画の液吸引流量の制御方式には二通
りあり、そのいずれを用いてもよい。一つは、サクショ
ンボックス12の複数の小室の各サクションバルブ15
の弁開度を操作して吸引圧力を調整することにより、間
接的に液吸引流量分布を調整する方式である(図2参
照)。他は、遮蔽材などを用いて小室の吸引開口面積を
調整することにより、直接的に吸引開口面積を調整する
方式である。
【0030】いずれにしても、サクションボックスの前
段の区画より後段の区画の方が液吸引流量大きくなるよ
うに調整するものとする。その理由は、前段においてウ
エブ裏面側の繊維配向が行われ、後段においてウエブ表
面側の繊維配列が行われるためである。後段で形成され
るウエブ表面側の繊維は液流を制御できないヘッドボッ
クス13内の液上層部にあり、流れのままに主としてウ
エブ進行方向に沿った配向となる。このようにして自然
に形成されるウエブ表面側の繊維配向に対し、前段で先
行形成されるウエブ裏面側の繊維配向を一致させるため
に、前段における流れをできるだけベルト進行方向に沿
わせる(サクション方向の垂直流れを抑制する)。その
ためには、ベルト進行速度を速くするとともに、前段で
の吸引流量をできるだけ小さくする方がよい。
【0031】なお、図2,図3の実施形態例では、サク
ションボックス12の最上流の区画である第1室のサク
ションバルブ15を全閉として液吸引機能を封止して助
走区間を設置したが、第1室の吸引開口を塞いでも同様
の結果が得られる。次に、メッシュベルトの進行速度及
び抄造面の液吸引流量分布と助走区間の有無とがシート
の反り量に及ぼす影響を実験し比較した例により本発明
の効果を具体的に説明する。
【0032】(実験例1) 抄造速度がシートの反り量に及ぼす影響:分散槽3で界
面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.08重量%水溶液を攪拌して発泡液とし、この発泡
液中に直径11μm,平均長さ13mmのガラス繊維
0.2重量%と平均粒径0.9mmの粒状ポリプロピレ
ン0.3重量%とを添加して攪拌し、分散させて発泡分
散液Cを調製した。
【0033】この発泡分散液Cを抄造部10のインレッ
ト部14からヘッドボックス13に送り、メッシュベル
ト11の抄造面11a上に供給し、抄造速度(ベルト移
動速度)を2.7m/min、4,7m/min、6.
7m/min(装置最高限度)と三種類に変えてウエブ
を抄造した。サクションボックス12は、図2に示す第
1〜第6の六室のうちの最上流の第1室のサクションバ
ルブ15の開度を0%(全閉)にして助走区間Lとし、
他の室の弁開度は第2室を10%、第3室を20%、第
4室を50%、第5室及び第6室を100%にそれぞれ
設定した。
【0034】以上の条件で、ウエブを抄造し、得られた
ウエブを乾燥後、210℃,5kg/cm2 の条件で加
熱加圧し、次いで20℃,5kg/cm2 の条件で冷却
固化させて目付量(単位面積当たりの重量)1000g
/m2 、サイズ578mm×1079mmの長方形の緻
密なスタンパブルシートSを得た。抄造装置の設備幅は
1600mmであるが、製品を無駄なく2列取るために
幅縮小し、抄造幅は1200mmとした。これにより、
製品のカット歩留りは72%(578×2/1600)
から96%に上昇した。
【0035】反り評価は、製品シートを水平板上に置
き、各辺の反り量を測定してその最大値が10mm以下
のものを合格品とした。その結果を図4に示す。この実
験から、抄造速度が6.7mm/minで合格率が急激
に大きくなることがわかった。抄造速度とサクションボ
ックスの各室のサクションバルブの開度の最適な組み合
わせを選択することにより、反りを大幅に低減し、合格
率を上昇させることができた。
【0036】(実験例2) 助走区間の設置が反り量に及ぼす影響:抄造速度は設備
最高限度である6.7m/min一定とした。サクショ
ンボックス12におけるサクションバルブ15の開度を
次の(イ)〜(ニ)の4通り選定し、その他の抄造条件
は実験例1と同様として比較実験を行った。
【0037】(イ)第1室から第6室まで全て100
%。 (ロ)第1室20%、第2室50%、第3室〜第6室1
00%。 (ハ)第1室10%、第2室20%、第3室50%、第
4室〜第6室100%。 (ニ)第1室0%、第2室10%、第3室20%、第4
室50%、第5室〜第6室100%。これは、第1室を
助走区間としたものである。
【0038】得られた幅縮小シートについて実験例1と
同様に反り量を評価した。結果を図5に示す。 (イ)の場合は、助走区間を設定せず、また液吸引流量
分布の制御も行っておらず、その結果、シート反り量の
合格率が極端に低く、製造上大きな問題を引き起してい
る。
【0039】(ロ)の場合は、液吸引流量分布の制御は
行っているが助走区間は設定しないため、抄造面の最上
流域において乱流の影響を受け、その結果、シート反り
量の合格率が10%程度と極めて低くなっている。 (ハ)の場合は、液吸引流量分布の制御は(ロ)よりも
強く行っているが、同じく助走区間は設定しないため抄
造面の最上流域において乱流の影響を受け、その結果、
シート反り量の合格率が20%程度とかなり低くなって
いる。
【0040】(ニ)の場合は、第1室を助走区間に設定
して、抄造面の最上流域での発泡分散液Cの流れを整流
して乱れを抑制し、また液吸引流量分布の制御も強く行
っており、その結果、シート反りが抑制されて反り合格
率が大幅に上昇した。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維強化
熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法の発明は、幅縮小し
て歩留りを向上させたウエブを湿式法で抄造するにあた
り、メッシュベルトの抄造面に供給する直前で分散液を
助走させて整流し、その整流した分散液を液吸引流量分
布を制御しつつ抄造面に供給してウエブを抄造するもの
としたため、当該ウエブをプレスして得られる幅縮小ス
タンパブルシートの表裏の繊維配向を揃えて線膨張率を
同等にすることができ、その結果、歩留りが良好で且つ
反りを大幅に低減したスタンパブルシートを低コストで
提供することができるという効果を奏する。
【0042】また、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シー
トの湿式製造装置の発明は、幅縮小を施したヘッドボッ
クスの下方のサクションボックスを、前後の複数区画に
分割するとともに各区画毎に吸引圧力を調整し、最前段
の区画の吸引圧力は零として分散液の助走区間を設定
し、かつ以降の区画の吸引圧力を段階的に調整して液吸
引流量を設定するものとしたため、既設の製造装置の小
改造のみで新たな設備投資を殆ど必要とせずに、しか
も、従来は商品価値を損なう程のレベルであった反りを
ほぼ完全に防止した歩留りの良好なスタンパブルシート
を安価に提供できるという効果を奏する。
【0043】また、請求項5の発明によれば、サクショ
ンボックスの前後段の吸引圧力を調整することにより液
吸引流量を段階的に変化させるものとしたため、液吸引
流量分布を弁の開度調整だけで簡単に制御することがで
き、上記効果に加えてさらに、抄造条件の変化に迅速に
対応できるという効果が得られる。また、請求項6の発
明によれば、サクションボックス前後段の吸引開口面積
を変えて直接的に液吸引流量分布を変化させるものとし
たため、常時安定した液吸引流量分布が得られ、上記効
果に加えてさらに、品質の安定した製品が提供できると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製
造装置の全体系統図である。
【図2】図1の装置のウエブ抄造部の模式図である。
【図3】図2のウエブ抄造部の幅縮小の平面構造を説明
する模式図である。
【図4】本発明の効果を説明する実験結果を示したグラ
フである。
【図5】本発明の効果を説明する実験結果を示したグラ
フである。
【図6】従来のウエブ抄造部の幅縮小の平面構造を説明
する模式図である。
【符号の説明】
11 メッシュベルト 11a 抄造面 12 サクションボックス 13 ヘッドボックス 15 サクションバルブ W ウエブ S スタンパブルシート L 助走区間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 内田 祐一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 西村 治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を幅を縮小したメッシュベルトの抄造面上に供給
    して液を吸引分離しつつ連続的にシート状ウエブを抄造
    する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法におい
    て、 前記メッシュベルトの抄造面に供給する直前で分散液を
    助走させて整流し、その整流後の分散液を前記メッシュ
    ベルトの進行速度及び前記抄造面の移動方向の液吸引流
    量分布を制御しつつ抄造面に供給してウエブの表面側と
    裏面側との繊維配向度を一致させることを特徴とする繊
    維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法。
  2. 【請求項2】 前記抄造面の移動方向の液吸引流量を、
    前記抄造面の前段より後段の方が大きくなるように制御
    することを特徴とする請求項1記載の繊維強化熱可塑性
    樹脂シートの湿式製造方法。
  3. 【請求項3】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液をマニホールドからヘッドボックスを通じて幅を
    縮小したメッシュベルトの抄造面上に供給して液をサク
    ションボックスにより吸引分離しつつ連続的にシート状
    ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製
    造装置において、 前記メッシュベルトへ分散液を供給する最上流部に助走
    区間を設け、且つサクションボックスを前記メッシュベ
    ルトの抄造面の進行方向で複数区画に分割するとともに
    前段の区画の液吸引流量を後段の区画より小さく設定し
    たことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式
    製造装置。
  4. 【請求項4】 前記助走区間を、前記複数区画に分割し
    たサクションボックスの最前段の区画の液吸引流量を零
    にすることにより形成したことを特徴とする請求項3記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置。
  5. 【請求項5】 前記サクションボックス前段の区画と後
    段の区画との吸引圧力を調整することにより液吸引流量
    を変化させたことを特徴とする請求項3または4記載の
    繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置。
  6. 【請求項6】 前記サクションボックス前段の区画と後
    段の区画との吸引開口面積を変えて液吸引流量を変化さ
    せたことを特徴とする請求項3または4記載の繊維強化
    熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置。
  7. 【請求項7】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を幅を縮小したメッシュベルトの抄造面上に供給
    して液を吸引分離しつつ連続的にシート状ウエブを抄造
    してなる繊維強化熱可塑性樹脂シートにおいて、 前記メッシュベルトの抄造面に供給する直前で分散液を
    助走させて整流し、その整流後の分散液を前記メッシュ
    ベルトの進行速度及び前記抄造面の移動方向の液吸引流
    量分布を制御しつつ抄造面に供給して一工程にてウエブ
    の表面側と裏面側との繊維配向度を一致させてなること
    を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シート。
JP7206191A 1995-07-26 1995-08-11 繊維強化熱可塑性樹脂シートとその湿式製造方法及び装置 Pending JPH0952289A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6066235A (en) * 1998-04-03 2000-05-23 E. I. Du Pont De Nemours And Company Wetlay process for manufacture of highly-oriented fibrous mats
CN102852022A (zh) * 2011-06-27 2013-01-02 郭文斌 防絮聚无底垂直上浆工艺
CN118999176A (zh) * 2024-07-30 2024-11-22 广东福迪汽车零部件有限公司 一种控制料片同步加工的方法及系统

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