JPH0953048A - 着色樹脂粒子水分散体 - Google Patents

着色樹脂粒子水分散体

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JPH0953048A
JPH0953048A JP7205802A JP20580295A JPH0953048A JP H0953048 A JPH0953048 A JP H0953048A JP 7205802 A JP7205802 A JP 7205802A JP 20580295 A JP20580295 A JP 20580295A JP H0953048 A JPH0953048 A JP H0953048A
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JP
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dye
acid
water
group
colored
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JP7205802A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い記録濃度、記録品位と優れた耐光性、耐水
性を有する記録剤として有用な着色樹脂水分散体を提供
する。 【手段】イオン性基含有共重合ポリエステル樹脂に代表
される樹脂粒子に、含Fe錯体系色素を含有せしめた着色
樹脂粒子水分散体。イオン性基含有共重合ポリエステル
樹脂に代表される樹脂、含Fe錯体系色素、水溶性有機溶
剤を混合し水を加え、攪拌分散し、脱溶剤して着色樹脂
粒子水分散体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペイント、水性塗
料、紙塗工剤、フィルム用コ−ティング材等から各種記
録材料にまで広く用いられている樹脂の水分散体に関す
る物であり、特に、筆記具、マーカー、マーキングペ
ン、等から、各種印刷機、ノンインパクトプリンタ等に
用いられるインク記録材料として好適に用いることがで
きる着色されたポリエステル樹脂に代表される樹脂の水
分散体に関する物であり、さらに詳しくは茶褐色ない
し、黒色に着色されたポリエステル樹脂に代表される樹
脂の水分散体に関する物である。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題対策があらゆる分野で求
められており、印刷機、ノンインパクトプリンタ、マー
カー、筆記具等に用いられる記録材料、インキング材料
にも脱溶剤化、水性化が求められてきている。水性の記
録材料としては水溶性染料の水溶液を主体としたもの、
顔料の微分散体を主体としたものが広く用いられてい
る。水溶性染料を用いた記録材料としては主として酸性
染料、直接染料、一部の食品用染料等に分類される水溶
性染料の水溶液に、保湿剤としてグリコール類、アルカ
ノールアミン類、表面張力等の調製のための界面活性
剤、アルコール類、バインダー成分としての樹脂成分等
を添加したものが用いられている。これら水溶性染料を
用いた記録材料は筆先、あるいは記録系での目詰まりに
対する高い信頼性から、最も一般的に用いられている。
しかしながらかかる水溶性染料を用いた記録材料は、染
料の水溶液であるが故に記録紙上でにじみやすい。ま
た、見掛けの乾燥速度を早める必要から記録紙に素早く
浸透するように調製されるが故にインクのニジミによる
記録品位の低下を余儀なくされている。また水溶性の染
料であるがゆえに耐水性に劣ることは自明である。さら
に記録紙に単に浸透し、乾燥固着しているだけの水溶性
染料は「染着」しているとはいい難く耐光堅牢度は非常
に低い。
【0003】水溶性染料を用いた記録材料の欠点を改良
するために、記録材としてカーボンブラック、あるいは
有機顔料を用いる提案がなされている。このような顔料
分散を用いた記録材料においてはインクの耐水性は大幅
に改良される。しかしながらこれら顔料は比重が1.5
〜2.0と高く、分散粒子の沈降に対する注意が必要で
ある。かかる高比重の顔料を安定的に分散させるために
は平均粒子径を概0.1μm以下にまで微分散すること
が必要であり、分散コストが高く非常に高価なインクと
なる。さらに0.1μm以下の粒子径ではニジミ防止効
果は不十分であり高品位な記録文字・画像を得ることは
できない。さらに分散に際して用いられる分散剤により
表面張力、起泡性等のインク物性が制限される等の問題
がある。
【0004】以上述べてような水溶性染料を用いた記録
材料、顔料の水分散体を主体とした記録材料の問題点を
解決する方策として、着色された樹脂粒子の水系微分散
体を用いた記録材料に関する提案がなされている。特開
昭54−146109には溶剤にて膨潤され、かつ油性
染料にて着色されたビニル重合体微粒子を添加した水溶
性染料を用いた記録材料に関する提案がなされている。
好適に用いられる重合体としては主に(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体微粒子が例示され、さらにガラス
転移温度が30℃以下であることが好適な条件であると
記されている。該提案においては粒子径に関する記述は
一切ない。かかる低ガラス転移温度でさらに溶剤にて膨
潤した微粒子が室温乾燥した場合に造膜性を有すること
は自明であり、かかるインクを使用した場合にはノズル
目詰まりが頻繁に生じるであろうことが容易に類推され
る。
【0005】油溶性染料ないし疎水性染料により水分散
性樹脂を着色する提案がインクジェット記録用インクと
してなされている。これらは「着色されたポリマー微粒
子を記録剤として用いたインク」に関する提案である。
例えば特開昭54−58504においては、疎水性染料
溶液とビニル重合体微粒子の混合物を水中油型分散させ
たインクが提案されている。ビニル重合体微粒子は疎水
性染料溶液と混合されることにより染料溶液の溶媒にて
膨潤し、さらに染料により着色されることが本文にて開
示されている。疎水性染料を記録剤とするため、得られ
る画像は耐水性を有するものとなるとある。該提案で
は、連続相として水を用い、分散相として溶剤にて膨潤
した着色ビニル重合体粒子を用いることにより、インク
粘度の支配を水に持たせ、溶剤としてある程度高粘度
(低揮発性)のものを用いることを許容させている。特
開昭55−139471、特開平3−250069には
染料によって染色された乳化重合または分散重合粒子を
用いたインクが提案されている。提案の主旨は特開昭5
4−58504と同様、着色した粒子を分散質、水(透
明)を媒体とすることによるニジミ防止であるが、この
提案の場合には溶剤を含まないため、粒子が造膜するこ
とにより記録紙に定着されることが必要となる。造膜の
必要、分散安定性の確保の観点より、望ましい粒子径は
サブミクロン領域であることが示唆されている。
【0006】いずれの提案においても水分散性樹脂はビ
ニル重合体である。これらビニル重合体においては樹脂
に対する染料の溶解度が低いために高濃度の着色を行う
ことは難しい。特開昭54−58504では重合体微粒
子を溶剤にて膨潤させることにより染着性を稼ぐことが
容認されているが、この場合にはノズル先端部での乾燥
造膜によりノズル目詰まりの問題が生じる。特開平4−
185672には着色された樹脂粒子と水性媒体からな
るインクにおいて水溶性化合物を水性媒体に溶解させる
ことにより着色樹脂粒子と水性媒体との比重差を0.0
4以下とし、粒子の沈降を防止することが提案されてい
る。ここに水溶性化合物としては無機塩類が好ましく用
いられるとされている。しかしながら、かかる無機塩類
を水性媒体に溶解した場合、系内のイオン強度が増し、
分散系の安定性が低下するために着色樹脂粒子は凝集し
インクジェットインクとしての流体特性を保てない。特
開平4−185673、特開平4−185674には着
色された樹脂粒子と水性媒体からなるインクにおいて着
色樹脂粒子を溶剤にて膨潤させることにより実効的な比
重を下げ、着色樹脂粒子と水性媒体との比重差を0.0
4以下にすることが提案されている。かかる場合には前
述したようにノズル目詰まりを避けることが困難であ
る。
【0007】以上、主としてインクジェット記録用に用
いられる記録材料を主としてレビューしてきたが、粒子
の沈降、および乾燥造膜に伴う目詰まりは、筆記具、マ
ーカー、マーキングペン、他の方式のプリンタ、印刷機
においてかかる水性記録材料を用いた場合においても生
じるものである。本発明者等はかかる状況に鑑み鋭意研
究を続けた結果、ポリエステル樹脂の水分散体が油性な
いし疎水性染料により極めて高濃度に着色できることを
見出し、特開平6−340835を提案した。かかる提
案は、着色ポリエステル樹脂微粒子の水分散体を筆記具
用インク、あるいは各種ノンインパクトプリンタ用記録
剤として用いた場合に、記録紙上での記録品位が良好で
あり、かつ乾燥造膜物の耐水性に優れるなどの特徴を発
現することを見出した結果なされたものである。しかし
ながらその後の研究において、このような着色ポリエス
テル樹脂粒子の水分散体を用いた場合においても、一般
に用いられる油性染料では耐光堅牢度が不足することが
あることが判明した。実使用条件下において、カーボン
ブラック等の無機顔料と比較されるブラック記録材の耐
光堅牢度が特に劣ることが問題となった。色素により黒
色に着色する場合には、可視域の異なる波長域に吸収を
有する複数の色素を配合して黒色を得る方法、あるいは
黒色の色素を用いる方法がある。複数の色素を組合わせ
る場合においては、配合される色素の総量が多大とな
り、樹脂に対する配合量が過大となり、樹脂に固溶しき
れない色素のブリード、再結晶等を生じる場合があり、
またコスト的にも非常に高いものとなる。黒色の色素を
用いる場合においては、一般に知られている黒色色素の
多くは含金属錯体系色素であり、特にクロム等の有害な
重金属を中心金属として有する物が多い。またかかる含
金属錯体系しきそは樹脂に対する溶解度が必ずしも高く
なく、高濃度な着色をすることは困難である。また含金
属錯体系色素以外の黒色色素は耐光堅牢度の不十分なも
のが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、顔料、着色樹脂粒子等を用いた微粒子分散型記録材
料は、水溶性染料型の記録材料の問題点を克服し、高い
記録品位を実現する可能性を秘めたものではあり、特に
疎水性染料にて着色されたポリエステル樹脂微粒子の水
系分散体は優れた特性を示すものの、特にブラック系の
色調において耐光堅牢度の優れた物がないという問題点
を有する物であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、鋭意研究を続けた結果、次なる発明に到達し
た。すなわち本発明は、Fe錯体系色素にて着色された
合成樹脂の微粒子が水系媒体中に微分散されたことを特
徴とする着色水分散体であり、イオン性基を20〜20
00eq. /ton の範囲にて含有し、かつ、含Fe錯体系
色素にて着色されたポリエステル樹脂の微粒子が水系媒
体中に微分散されたことを特徴とする着色ポリエステル
水分散体であり、前記含Fe錯体系色素が一般式化1で
示される着色ポリエステル水分散体であり、前記含Fe
錯体系色素が一般式化2で示される着色ポリエステル水
分散体である。
【0010】本発明における合成樹脂とはエチレン性不
飽和結合を有するモノマーから得られる所謂ビニル系ポ
リマー、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニルおよび
これらの共重合体など、他にポリエチレン、ポリプロピ
レン、等のオレフィン系、パラフィン系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂などの縮
合系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエステルアミドイミド、等を広く用いる事がで
きる。本発明ではこれら合成樹脂の内、ポリエステル樹
脂を用いる事が好ましい。本発明におけるポリエステル
樹脂は多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類との縮合に
より得られる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カル
ボン酸類としては、ジカルボン酸として、例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナ
フタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ
安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの
芳香族オキシカルボン酸、フェニレンジアクリル酸等の
芳香族不飽和多価カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、脂肪族不飽和多価カルボン
酸、および、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキ
センジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸
等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価
カルボン酸等を例示できる。
【0011】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジメチロ−ルヘプタ
ン、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、
ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、
ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、
トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリ
セリン、ペンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテ
トラオ−ル類等を例示できる。脂環族多価アルコ−ル類
としては1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シ
クロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化
ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
トリシクロデカンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ
−ル等を例示できる。
【0012】芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシ
レングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシ
レングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,
4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオ
キサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を
例示できる。さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基の一部を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエ
ステルに導入される場合がある。単官能単量体として
は、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラ
ヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム
塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシル
アミノカルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニ
ル安息香酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカ
ルボン酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サ
リチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウ
リル酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエ
ステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ
−ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノア
ルコ−ルを用いることができる。
【0013】本発明において好ましく用いられるポリエ
ステル樹脂は多価カルボン酸成分に芳香族ジカルボン
酸、多価アルコ−ル成分に脂肪族ジオ−ル、およびまた
は、脂環族ジオ−ルを用いたポリエステル樹脂、多価
カルボン酸成分に脂環族ジカルボン酸、多価アルコ−ル
成分に脂肪族ジオ−ル、およびまたは、脂環族ジオ−ル
を用いたポリエステル樹脂等である。本発明では、80
mol%以上の芳香族ジカルボン酸を含む多価カルボン酸類
と10〜100mol%の脂肪族ジオール、0〜90mol%の
脂環族ジオールを含む多価アルコール類から得られるポ
リエステル樹脂を用いる事が好ましい。
【0014】ポリエステル樹脂は、真空重合法、あるい
は減圧重合法等の常法により得ることができる。前者は
繊維、フィルム、ポリボトル等に用いられポリエチレン
テレフタレ−ト等を重合する際に用いられる方法であり
比較的高分子量のポリエステルを得ることができる。後
者はアルキッド樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂を重合
する際に用いられる方法であり、比較的低分子量のポリ
エステルが得られる。またこれらの常法の他、酸クロラ
イド法などによりポリエステル樹脂を得ることができ
る。本発明におけるポリエステル樹脂の数平均分子量は
1000〜20000であることが好ましく、さらに好
ましくは1500〜10000、またさらに好ましくは
2000〜5000である。分子量が低いと得られる塗
膜の物性が不十分となる場合がある。また分子量が高す
ぎると乾燥造膜が阻害される場合がある。本発明におけ
るポリエステル樹脂のガラス転移温度は、20℃以上で
あることが好ましく、さらに好ましくは30〜70℃の
範囲である。ガラス転移温度が低すぎると乾燥塗膜に粘
着性が生じ、用途によって不都合となる場合がある。ま
たガラス転移温度が高すぎると乾燥造膜が阻害される場
合がある。
【0015】本発明においてはイオン性基を20〜20
00eq./tonの範囲でポリエステル樹脂に含有す
ることが好ましい。イオン性基としては、スルホン酸
基、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、
金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級ア
ミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、スルホン
酸アルカリ金属塩の基、カルボン酸アンモニウム塩基を
用いることができる。これらイオン性基はポリエステル
に共重合された形態、あるいは高分子末端に導入された
形態にて含有されることが好ましい。ポリエステルに共
重合可能なスルホン酸金属塩基含有多価カルボン酸とし
ては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジ
カルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル
酸、およびまたはそれらの塩を例示することができる。
またスルホ安息香酸の金属塩を併用することによって高
分子末端にスルホン酸金属塩基を導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe、Ni。Co、Al等の塩
があげられ、特に好ましいものはK塩またはNa塩であ
る。
【0016】ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入
する方法としては、真空重合法においてはポリエステル
の重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内
に導入する方法を例示することができる。また減圧重合
法においてはポリエステル末端に残るカルボキシル基を
そのまま利用できる。さらにこれをアンモニア、水酸化
ナトリウム、有機アミン、好ましくはアルカノールアミ
ン、環状アミン、アルキルアミン、より好ましくはトリ
アルカノールアミン等にて中和することによりカルボン
酸塩の基に交換することができる。これらイオン性基の
含有量は、該ポリエステル樹脂に対し、20〜2000
eq./tonの範囲が必須であり、好ましくは20〜
500eq./ton、さらの好ましくは50〜200
eq./tonである。本発明ではスルホン酸アルカリ
金属塩の基、または、カルボン酸有機アミン塩の基を用
いる事が好ましく、さらにカルボン酸有機アミン塩の基
としてはカルボン酸アルカノールアミン塩の基、さらに
はカルボン酸トリアルカノールアミン塩の基を用いる事
が好ましい。
【0017】本発明では、かかる合成樹脂が含Fe錯体
系色素にて着色されることが必須である。含Fe錯体系
色素は一般式化1、およびまたは化2で示されるものを
用いる事が好ましい。かかる色素としては電子写真用の
荷電制御剤として市販されているT−77[保土ヶ谷化
学製]を用いる事が好ましい。かかる色素はビニル系、
特にスチレンアクリル系共重合樹脂においては樹脂に対
する溶解度が低く、顔料分散的な着色形態となるが、ポ
リエステル樹脂においては樹脂と色素が固溶した染料的
な着色形態となり高濃度の着色が可能となる。かかる点
が本発明においてポリエステル樹脂が好ましく用いられ
る所以である。前記染料の樹脂に対する配合量は2〜1
5重量%が好ましく、5〜10重量%がさらに好まし
い。色素により黒色に着色する場合には、可視域の異な
る波長域に吸収を有する複数の色素を配合して黒色を得
る方法、あるいは黒色の色素を用いる方法がある。複数
の色素を組合わせる場合においては、配合される色素の
総量が多大となり、樹脂に対する配合量が過大となり、
樹脂に固溶しきれない色素のブリード、再結晶等を生じ
る場合があり、またコスト的にも非常に高いものとな
る。黒色の色素を用いる場合においては、一般に知られ
ている黒色色素の多くは含金属錯体系色素であり、特に
クロム等の有害な重金属を中心金属として有する物が多
い。またかかる含金属錯体系しきそは樹脂に対する溶解
度が必ずしも高くなく、高濃度な着色をすることは困難
である。また含金属錯体系色素以外の黒色色素は耐光堅
牢度の不十分なものが多い。
【0018】本発明において用いられる含Fe錯体系色
素は、含金属錯体系色素の範疇にはいるものではある
が、中心金属に有害なクロムを含まない。また他の含金
属錯体系色素に比較して樹脂への溶解度が高く、高濃度
な着色が可能であり、加えて各種堅牢度も高く極めて実
用性に優れたものである。本発明ではかかる含Fe錯体
系色素の他に、色相、濃度等の調整のために他の色素を
併用しても良い。色素としては顔料、染料何れを用いて
もよい。より具体的には顔料として、 C.I.Pigment Yellow 3、13、1
4、15、16、17、185、 C.I.Pigment Red 47、48、58、
81、95、122、184、185 C.I.Pigment Violet 23 C.I.Pigment Blue 15、16 カーボンブラック類 等を好適に用いることができる。
【0019】また染料としては、架橋ポリエステル樹脂
を堅牢に染色しうるものであれば特に制限されるもので
はない。ポリエステル樹脂にアニオン性基が含有される
場合には塩基性染料等のカチオン性染料で、カチオン性
基が含有される場合には酸性染料、直接染料、反応性染
料等のアニオン性染料にて染色することができる。また
ポリエステル繊維等の染色に用いられる分散染料、油性
染料、一部のヴァット染料、反応性分散染料等を用いる
ことができる。本発明における酸性染料としては例えば
カラ−インデックスのC.I.Acid Colorに
分類される公知の酸性染料を用いることができる。また
一部C.I.Direct Colorに分類される染
料を酸性染料として用いることもできる。これらはアゾ
系、アントラキノン系、キノフタロン系、トリアリルメ
タン系、キサンテン系、フタロシアニン系などの染料骨
格に1〜4個程度のアニオン性基(多くはスルホン酸ナ
トリウム基)を導入したものである。プロセスカラ−用
としては、イエロ−としてC.I.Acid Yell
owの内、HueがGreenish Yellow、
またはBright GreenishYellowに
分類される染料が、マゼンタとしてC.I.Acid
Redの内、HueがBluish Red、またはB
right Bluish Redに分類される染料、
およびまたはC.I.Acid Violetの内、H
ueがReddish Violet、またはBrig
ht Reddish Violetに分類される染料
が、シアンとしてC.I.Acid Blueの内、H
ueがGreenish Blue、またはBrigh
t Greenish Blue、およびまたはC.
I.Acid Greenの内、HueがBluish
Green、またはBright Bluish G
reenに分類される染料が単独あるいは適宜配合され
て好ましく使用される。
【0020】本発明における塩基性染料としてはアクリ
ジン系、メチン系、ポリメチン系、アゾ系、アゾメチン
系、キサンテン系、チオキサンテン系、オキサジン系、
チオキサジン系、トリアリルメタン系、シアニン系、ア
ントラキノン系、フタロシアニン系等公知の塩基性染料
を用いることができる。特にプロセスカラ−の三原色用
としては、イエロ−としてC.I.Basic Yel
low 11、12、13、21、23、24、33、
40、51、54、63、71、87が、マゼンタとし
てC.I.Basic Red 13、14、45、1
9、26、27、34、35、36、38、39、4
2、43、45、46、50、51、52、53、5
6、59、63、65、66、71、C.I.Basi
c Violet 7、11、14、15、16、1
8、19、20、28、29、30、33、34、3
5、36、38、39、41、44が、シアンとして
C.I.Basic Blue 3、22、33、4
1、45、54、63、65、66、67、75、7
7、85、87、88、109、116が好ましく用い
られる。かかるイオン性の染料は、ポリエステル樹脂に
含有されるイオン性基当量に対して1〜98mol%の範
囲、好ましくは20〜90mol%の範囲にて使用できる。
【0021】本発明では「水に不溶ないしは難溶性でか
つ有機溶剤に可溶である染料」により着色されることが
好ましい。本発明における「水に不溶ないしは難溶性で
かつ有機溶剤に可溶である染料」としては油溶性染料、
分散染料、および一部の建浴染料を例示することができ
る。これらはカラ−インデックスにおいて「Solve
nt Dye」、「Disperse Dye」、「V
at Dye」に分類されるものである。化学構造的に
は、アントラキノン系染料、アゾ系染料、ジスアゾ系染
料、トリアゾ系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ
系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、キノフタロン系
染料、キノリン系染料、シアノメチン系染料、トリフェ
ニルメタン系染料、キサンテン系染料などを使用でき
る。
【0022】より具体的には、油溶性染料としてC.
I.Solvent Yellow96、162、C.
I.Solvent Red 49、C.I.Solv
ent Blue 25、35、38、64、70、
C.I.Solvent Black 3、等を例示で
きる。また分散染料としてC.I.Disperse
Yellow 33、42、54、64、198、C.
I.Disperse Red 60、92、C.I.
Disperse Violet 26、35、38、
C.I.Disperse Blue 56、60、8
7等から選択される少なくとも1種の染料が好ましく用
いられる。これらは特に耐光堅牢度、昇華堅牢度、色
相、彩度に優れるものである。本発明における水分散体
は、これまでに述べてきた含Fe錯体系色素にて着色さ
れた合成樹脂、好ましくはイオン性基含有ポリエステル
樹脂が水を主成分とする水系媒体に微分散したものであ
る。分散粒子径は、0.01μm〜10μmの範囲が好
ましく、0.05〜2.0μmの範囲がさらに好まし
く、0.08〜1.0μmの範囲がなおさらに好まし
い。
【0023】本発明の水分散体は、乳化重合法、懸濁重
合法、分散重合法、シード重合法、転相自己乳化法、機
械的な強制乳化法、膜乳化法等、用いられる合成樹脂に
より公知の方法を適宜選択して作製する事ができる。水
分散体とは一般にエマルジョンあるいはコロイダルディ
スパ−ジョンと称される状態を意味するものである。イ
オン性基は水系媒体中において解離し、樹脂微粒子と水
との界面に電気二重層を形成する。ポリエステル樹脂が
微細なミクロ粒子として水系内に存在する場合には電気
二重層の働きによりミクロ粒子間には静電的な反発力が
生じ、ミクロ粒子が水系内にて安定的に分散する。本発
明において好ましく用いられるポリエステル樹脂におい
ては、好ましくは転相自己乳化法により水分散体を得る
事ができる。具体的にはイオン性基含有ポリエステル樹
脂と水溶性有機化合物とをあらかじめ混合後に水を加え
る方法、イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機
化合物と水とを一括して混合加熱する方法等により得る
ことができる。またその際に界面活性剤等を併用するこ
ともできる。
【0024】水溶性有機化合物としてはエタノ−ル、イ
ソプロパノ−ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、タ−シャルブチルセルソル
ブ、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を用いることができる。水溶性有機化
合物はイオン性基含有ポリエステル樹脂を水分散化した
後に共沸等により除去することができるものが好まし
い。本発明における着色ポリエステル樹脂の水分散体を
得る好ましい方法として、所定量のカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂をまず重合し、該ポリエステル樹
脂、染料、水溶性有機化合物、有機アミンまたはアルカ
リ金属水酸化物等の塩基を十分に混合溶解し、その後水
を添加し水分散化し、必要に応じ水溶性有機化合物を共
沸等により除去する方法を例示できる。またポリエステ
ル樹脂の水分散体を得たる後に染料を系内に添加し高温
にて処理することによっても同様に着色水分散体を得る
事ができる。
【0025】本発明の着色水分散体の固形分濃度は特に
これを限定するものではないが、5〜50重量%が好ま
しく、20〜40重量%がさらに好ましい。本発明の着
色水分散体の表面張力は特にこれを限定するものではな
いが、25℃において、好ましくは10〜72、さらに
好ましくは20〜70、またさらに好ましくは30〜6
0dyn/cmである。本発明の着色水分散体の粘度は
特にこれを限定するものではないが、25℃において
0.9〜100、好ましくは1.0〜20さらに好まし
くは1.2〜5.0、なおさらに好ましくは1.3〜
2.8センチポイズの範囲である。本発明の着色水分散
体のゼ−タ電位は特にこれを限定するものではないが、
20〜70mV、好ましくは30〜60mVの範囲であ
る。また本発明では合成樹脂、好ましくはポリエステル
樹脂にに不飽和単量体を導入し、水分散した後にスチレ
ン、ジビニルベンゼン、アクリル酸ないしメタクリル
酸、またはそれらのエステル等により分散微粒子を膨潤
させ、後架橋させることもできる。
【0026】本発明では、耐光性、耐熱性向上を目的と
して紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができ
る。紫外線吸収剤、光安定剤としてはサリチレ−ト系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系
化合物等を用いることができる。金属不活性剤としては
N−サリシロイル−N'-アルデヒドヒドラジン、N−サ
リシロイル−N'-アセチルヒドラジン、N,N'-ジフェ
ニル−オキサミド、N、N'-ジ(2−ヒドロキシフェニ
ル)オキサミド等を用いることができる。オゾン劣化防
止剤としては6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−
1,2ジヒドロキノリン、N−フェニル−N'-イソプロ
ピル−p−フェニレンジアミン等を用いることができ
る。ラジカル連鎖禁止剤(一次酸化防止剤)としてはフ
ェノ−ル系化合物、アミン系化合物、アスコルビン酸系
化合物等を用いることができる。過酸化物分解剤(二次
酸化防止剤)としては硫黄系化合物、相乗剤としてはク
エン酸、りん酸等を用いることができる。本発明ではベ
ンゾトリアゾ−ル系、ベンゾフェノン系、ベンゾサリシ
レ−ト系から選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤
を用いることが好ましい。これら酸化防止剤の配合量は
ポリエステル樹脂に対し0.01〜5.0重量%、好ま
しくは0.02〜1.0重量%、さらに好ましくは0.
05〜0.5重量%程度である。
【0027】水系媒体には水溶性の各種添加剤を含むこ
とができる。添加剤としては水溶性有機化合物を例示す
ることができる。水溶性有機化合物としてはメタノー
ル、エチルアルコール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ブチルセロソルブ、タ−シャルブチルセルソル
ブ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、チオジグリコール、グリセリ
ン、ソルビトール、2,2' ,2''- ニトリルトリエタ
ノール、エチレンジアミン、アルキレングリコールモノ
エーテル、グルコース、サッカロース等の糖類およびま
たはそれらの誘導体、等を例示できる。かかる水溶性有
機化合物は水系媒体の50%を越えない範囲にて適宜添
加することができる。本発明の水系媒体にはフッ素系、
ないしはシリコ−ン系の消泡剤などを添加することがで
きる。さらに各種殺菌剤や防カビ剤、また必要に応じ
て、透明性を損なわない程度に無機、有機系の顔料類を
添加することもできる。また5〜50ppm 程度の微量の
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの添加は
水分散体の粘度を低下させるために好ましい。本発明の
水分散体のpHは4以上が好ましく、6以上がさらに好
ましく、7.5以上がまたさらに好ましく、7.5〜
9.5の範囲がなおさらに好ましい。
【0028】
【発明の実施形態】以下に実施例を示し、本発明をより
具体的に説明するが本発明はここに示す実施例に限定さ
れるものではない。。 [ポリエステル樹脂の重合例1]温度計、撹拌機を備え
たオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 96重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 92重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6重量部、 エチレングリコ−ル 72重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 103重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、240℃に昇温した後、
系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、
120分間反応を続けた。共重合ポリエステル樹脂(A
1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は平均分
子量は5000、酸価2eq./ton 、ガラス転移温度は6
2℃、比重は1.26、スルホン酸ナトリウム基当量9
8eq./tonであった。
【0029】[ポリエステル樹脂の重合例2]温度計、
撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル 196重量部、 エチレングリコ−ル 102重量部、 トリシクロデカンジメタノール 99重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み150〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、240℃に昇温した後、
系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、
180分間反応を続けた。その後オ−トクレ−ブ中を窒
素ガスで置換し、大気圧とした。温度を200℃に保
ち、無水トリメリット酸 6重量部
を加え、60分間反応を行い、共重合ポリエステル樹脂
(A2)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は平
均分子量は3500、酸価320eq./ton 、ガラス転移
温度は71℃、比重は1.18であった。
【0030】
【実施例1】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステ
ル樹脂(A1)200重量部、メチルエチルケトン10
0重量部、テトラハイドロフラン50重量部、含Fe錯
体系色素T−77[保土ヶ谷化学社製]20重量部を仕
込み70℃にて溶解した。次いで70℃のイオン交換水
500重量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコ
にて留分温度が103℃に達するまで蒸留し黒色に着色
した共重合ポリエステル水分散体(B1)を得た。得ら
れた水分散体に含まれる共重合ポリエステル樹脂微粒子
の平均粒子径は0.15μmであった。 得られた水分
散体を用いて下記組成の記録剤を調製し、烏口にて再生
紙に罫書を行ない、罫線の品位を評価した。 着色共重合ポリエステル樹脂微粒子 20.0 重量% グリセリン 5.0 重量% 界面活性剤*1) 0.5 重量% 水 残 *1) :ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 得られた記録剤をエアスプレイに仕込み、普通紙上に乾
燥平均厚さ1〜1.5μmとなるようにベタ画像を形成
し、光学濃度を測定した。さらにベタ画像をサンシャイ
ンフェードメータにてカーボンアーク灯を63℃の条件
で20時間照射し、照射前後の変色をCIELAB1976
色度座標における色差ΔEにて評価した。結果を後記の
表1.に示す。
【0031】
【実施例2】色素を化1の化合物(X:塩素、Y:塩
素、Z:−CONHC6 5 基、Cat:アンモニウムイ
オン)にした他は実施例1と同様に操作し、黒色に着色
した共重合ポリエステル水分散体(B2)を得た。得ら
れた水分散体に含まれる共重合ポリエステル樹脂微粒子
の平均粒子径は0.16μmであった。以下同様に評価
した。結果を表1.に示す。
【0032】
【実施例3】色素を化2の化合物(X:塩素、Y:塩
素、Z:−CONHC6 5 基、Cat:アンモニウムイ
オン)にした他は実施例1と同様に操作し、黒色に着色
した共重合ポリエステル水分散体(B3)を得た。得ら
れた水分散体に含まれる共重合ポリエステル樹脂微粒子
の平均粒子径は0.15μmであった。以下同様に評価
した。結果を表1.に示す。
【0033】
【実施例4】温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた
四つ口の10リットルセパラブルフラスコにポリエステ
ル樹脂(A2)200重量部、メチルエチルケトン10
0重量部、テトラハイドロフラン50重量部、含Fe錯
体系色素T−77[保土ヶ谷化学社製]15重量部、ス
ミプラストボルドーHBL(分散染料、C.I.Dis
perse Violet26コンクケーキ)[住友化
学社製]4重量部、ネオペンブルー808(油性染料
C.I.SolventBlue70)[BASF社
製]4重量部、紫外線吸収剤として2[2'-ヒドロキシ
−3',5'-ビス(α,α'-ジメチルベンジル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾ−ル2重量部を仕込み70
℃にて溶解した。次いで塩基としてトリエタノールアミ
ン8重量部を加えた後、70℃のイオン交換水500重
量部を加え、水分散化した後、蒸留用フラスコにて留分
温度が103℃に達するまで蒸留し、黒色着色ポリエス
テル水分散体(B4)を得た。得られた水分散体に含ま
れる共重合ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は0.
08μmであった。以下同様に評価した。結果を表1.
に示す。
【0034】
【実施例5】塩基としてトリエタノールアミンを5重量
部にした他は実施例4と同様に操作し、黒色着色ポリエ
ステル水分散体(B5)を得た。得られた水分散体に含
まれる共重合ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は
0.22μmであった。以下同様に評価した。結果を表
1.に示す。
【0035】
【実施例6】塩基としてトリエタノールアミンを3重量
部にした他は実施例4と同様に操作し、黒色着色ポリエ
ステル水分散体(B6)を得た。得られた水分散体に含
まれる共重合ポリエステル樹脂微粒子の平均粒子径は
0.45μmであった。以下同様に評価した。結果を表
1.に示す。
【0036】
【実施例7】ブチルアクリレートとメタクリル酸共重合
体からなるアルカリ膨潤型エマルジョン(不揮発分30
wt%、粒子径0.15μm)に100重量部、ラウリル
硫酸ナトリウム0.6重量部、脱イオン水900重量部
をフラスコに入れ、静かに撹拌した。系のpHをアンモ
ニアを用いて9.5に調整した後、温度を80℃に昇温
し、1.5重量部の過硫酸アンモニウムを溶解した脱イ
オン水100重量部と、ビニルモノマーとして、スチレ
ン291重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
9重量部、含Fe錯体系色素T−77[保土ヶ谷化学社
製]15重量部の混合溶液を、180分間にわたって添
加しシード重合を行ない、黒色のスチレン−アクリル系
樹脂粒子を得た。反応系の最終pHは9.0であった。
得られた樹脂粒子の形状は0.05〜0.1μm程度の
素粒子が集合した微粒子集合体状形状であった。また粒
子の平均粒子径は0.75μmであった。
【0037】
【比較例1】染料として、スピリットブラックSB(ニ
グロシン系油性染料C.I.SolventBlack
5)[オリエント化学社製]を用いた他は実施例1.と
同様に操作したが、水を加えた時点で凝集し、安定な水
分散体を得る事はできなかった。
【0038】
【比較例2】染料としてニグロシンベースSAPL(ニ
グロシン系油性染料C.I.SolventBlack
7)[オリエント化学社製]を用いた他は実施例1.と
同様に操作したが比較例1と同様の結果であった。
【0039】
【比較例3】染料としてオイルブラックHBB(非含金
油性染料C.I.SolventBlack3)[オリ
エント化学社製]を用いた他は実施例1.と同様に操作
し、黒色着色ポリエステル水分散体(B7)を得た。以
下実施例と同様に評価した。
【0040】
【比較例4〜6】染料として、ヴァリファストブラック
3820(含金属錯体系染料C.I.SolventB
lack27)[オリエント化学社製]を用いた他は実
施例1.と同様に操作し、黒色着色ポリエステル水分散
体(B8)を得た。得られた水分散体を12時間静置し
たところ容器の底に染料の結晶が沈殿しているのが観察
された。以下実施例と同様に評価した。以下染料とし
て、ヴァリファストブラック3810(C.I.Sol
ventBlack29)[オリエント化学社製]、ヴ
ァリファストブラック3804(C.I.Solven
tBlack34)[オリエント化学社製]を用い、水
分散体(B9)(B10)を得た。いずれも12時間静
置したところ容器の底に染料の結晶が沈殿しているのが
観察され、得られた水分散体は黒色というよりも灰色に
近く、濃度の低い物であった。以下実施例と同様に評価
した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による着
色ポリエステル水分散体によればクロム含金錯塩型染料
を用いる必要がなく、良好な記録品位と、高い記録濃度
が実現され、また耐光性にも優れる等、実用上優れた特
性を有する液体記録剤を得る事ができ、筆記具、記録計
器、各種印刷機、各種ノンインパクトプリンター等に広
く用いる事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含Fe錯体系色素にて着色された合成樹
    脂の微粒子が水系媒体中に微分散されたことを特徴とす
    る着色樹脂粒子水分散体。
  2. 【請求項2】 合成樹脂が、イオン性基を20〜200
    0eq. /ton の範囲にて含有したポリエステル樹脂であ
    る請求項1記載の着色樹脂粒子水分散体。
  3. 【請求項3】 含Fe錯体系色素が一般式化1で示され
    る色素である請求項1の着色樹脂粒子水分散体。 【化1】 化1において、 X:水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、スルファミノ
    基、アルキル基、フェニル基、−CONHC6 5 基 Y:水素、ニトロ基 Z:水素、−CONHC6 5 基 Cat. :アンモニウムイオン、第1級〜第4級アルキル
    アンモニウムイオン、第1級〜第4級分岐アルキルアン
    モニウムイオン、アルカリ金属イオン、1/2 アルカリ土
    類金属イオン、第1級〜第4級アルカノールアンモニウ
    ムイオン 1/2アルキルジアミンイオン をそれぞれ示す。
  4. 【請求項4】 含Fe錯体系色素が一般式化2で示され
    る色素である請求項1記載の着色樹脂粒子水分散体。 【化2】 化2において、 X:水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、スルファミノ
    基、アルキル基、フェニル基、−CONHC6 5 基 Y:水素、ニトロ基 Z:水素、−CONHC6 5 基 Cat. :アンモニウムイオン、第1級〜第4級アルキル
    アンモニウムイオン、第1級〜第4級分岐アルキルアン
    モニウムイオン、アルカリ金属イオン、1/2 アルカリ土
    類金属イオン、第1級〜第4級アルカノールアンモニウ
    ムイオン 1/2アルキルジアミンイオン をそれぞれ示す。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022146160A (ja) * 2021-03-22 2022-10-05 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインク組成物、記録物の製造方法、記録物および記録装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022146160A (ja) * 2021-03-22 2022-10-05 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインク組成物、記録物の製造方法、記録物および記録装置

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