JPH0961405A - 光吸収計測装置 - Google Patents

光吸収計測装置

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JPH0961405A
JPH0961405A JP7213788A JP21378895A JPH0961405A JP H0961405 A JPH0961405 A JP H0961405A JP 7213788 A JP7213788 A JP 7213788A JP 21378895 A JP21378895 A JP 21378895A JP H0961405 A JPH0961405 A JP H0961405A
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thin film
light
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acoustic
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JP7213788A
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Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サンプル薄膜の光吸収率を定量的に評価する
に際し、計測値の再現性が良く、しかも計測値の校正が
可能な光吸収計測装置を提供すること。 【解決手段】 基板1上に形成された薄膜状のサンプル
に計測光を照射したときの光吸収に起因する該サンプル
薄膜3の体積変化により発生する音響信号を計測するこ
とで、該サンプル薄膜3の光吸収を測定する光吸収計測
装置であり、音響検知素子4が音響整合をとられた状態
にて、基板1または基板1を保持するホルダーに設けら
れている光吸収計測装置において、前記基板1上の前記
サンプル薄膜3が形成されていない部分に、該基板1の
ホルダーによる保持条件の調整を行うための、或いは前
記サンプル薄膜3との光吸収の比較を行うためのレファ
レンス部2を設けたことを特徴とする光吸収計測装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光吸収計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】様々な光応用技術の進展に伴い、光学計
測の要求は益々高度化している。特に近年の傾向とし
て、可視光に比べて波長が非常に長い、あるいは短い光
における物性評価に関心が集まっている。例えば、超短
波長の光では、各種エキシマレーザなどが微細加工やリ
ソグラフに用いられており、光学素子などの計測評価が
不可欠になりつつある。
【0003】光学素子などで要求される評価項目のう
ち、重要な項目の一つは、光の吸収である。光の吸収計
測では一般に、光学的に直接測定する方法(光強度を光
センサで検出する方式)がとられているが、この方法に
は限界がある。即ち、光源光が短波長(200nm以
下)の場合に、現状では安定した光源や光量測定法が確
立されておらず、特に微小な吸収量(微小な光量差)を
みるときに大きく安定性がおちる。
【0004】また、エキシマレーザ等のパルスレーザを
用いると、その検出にあたって、光センサの応答速度が
遅いことに起因する問題点が生じることもある。さら
に、吸収量のみを光学的方法で分離測定することは困難
であり、必ず表面等での散乱量を含んだ値として検出さ
れる。そこで、従来の光学的方法によらない、微小な光
吸収量を測定する方法がいくつか提案、実行されてい
る。その多くは、光の吸収を無輻射遷移である熱として
計測する方法である。
【0005】代表的な方法は、カロリメトリとして知ら
れている、サンプルの光吸収による温度上昇を熱電対な
どの温度計測手段で直接測定する方法である。また、温
度上昇によりサンプル或いはその近傍雰囲気に生じた変
形及び(変形の)緩和によって発生する音響信号を検出
し、それから光吸収量を逆算する光音響測定法と呼ばれ
る方法もある。
【0006】更に最近では、吸収加熱により生ずるサン
プル或いはその近傍の屈折率分布や変位を光によって検
出(光ビームの偏向や光路差の検出など)する方法も盛
んに行われている。この中で、音響測定を行う光音響測
定法(以下、光音響法と略称する場合がある)は比較的
簡便に行なえ、測定感度も高いことから、液体、粉体、
薄膜材料などに広く試みられている。
【0007】この方法では、サンプル或いはその近傍雰
囲気において、断続光の照射による加熱冷却で生じた体
積変化である音響をマイクロフォンや、サンプルまたは
サンプルホルダーにとりつけた圧電素子トランスデュー
サ(音響検知素子の一例)などにより電気信号に変換し
て検出する。かかる電気信号の強度または位相などの解
析により、物質の無輻射遷移に関するさまざまな情報を
得ることができるが、音響波の大きさは通常、熱エネル
ギー(即ち、光吸収量)に比例するので(詳しい理論
は、例えば論文J.Appl.Phys, vol.47,No1, pp64. J.App
l.Phys, vol.51,No6, pp3343. Can.J.Phys,vol.64,pp14
7 など参照)、ここから光の吸収量を算出できる。
【0008】この方法によれば、微小な吸収であって
も、光強度の大きなものを用いることによって検出信号
量を大きくでき、感度のよい測定が可能になる。光音響
法は、物質の無輻射遷移過程の解析などの分析方法とし
て用いられるとともに、光吸収量の測定法として、その
感度や測定の簡便性の点から注目されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】光吸収量を光音響法で
測定する場合の大きな問題点の一つは、信号強度の音波
伝搬条件依存性である。音響波の強度は、吸収箇所から
の音波伝搬条件で変化するため、サンプルへの光照射条
件が同じでも、サンプル(及びその光照射部分である音
響発生源)と音響検知素子の距離や、途中の音響接合条
件により、異なってくる。そのため、別個のサンプル間
における信号強度を比較するときには、注意を要する。
【0010】マイクロフォンによる遠隔測定では、比較
的サンプルからの音響伝搬についての再現性がとりやす
く、信号の規格化は容易である。また、液体サンプルや
気体サンプルでの測定では、それらを封入するセルと、
光源光、および音響検知素子のセッティングを一定に保
つことにより、信号強度の再現性をとることが可能であ
る。
【0011】しかし、ガラス基板上に作成した薄膜状サ
ンプルなどの固体サンプルの測定において、信号強度と
して大きな接触タイプの音響検出を行なおうとすると、
その音響伝搬条件を一定に保つことは容易ではないとい
う問題点がある。ここで、特に重要なことは、固体サン
プルと、音響検知素子またはサンプルホルダーとの接触
部分の接触条件であり、サンプル交換の際に接触部分に
おける音響の伝搬条件(即ち、接触条件)が異なると、
信号強度が変化するという問題点がある。
【0012】例えば、固体サンプルとサンプルホルダー
(または音響検知素子)との直接的な押さえつけにより
両者の接触をとると、サンプルおよびホルダー(または
音響検知素子)はリジッドな固体であることが一般的で
あるため、その表面の凹凸(又は汚れ)により僅かな空
隙層ができる。そのため、音響的な接触条件を一定に保
つことは困難であり、信号強度が大きくずれて(ばらつ
いて)、計測の信頼性が低下するという問題点があるこ
とを我々は確認している。
【0013】また、音響マッチング材としてよく用いら
れるグリース等により両者の接触をとった場合、押さえ
つけを注意深く行なわないと、このマッチング材層の厚
さやサンプルとの接触状態が変化して音響強度が大きく
ずれる(ばらつく)ことが多くなり、その結果、計測の
信頼性が低下するという問題点がある。そして、この方
法では、形状や材質が異なる基板上に形成したサンプル
薄膜の比較評価を行うことは基本的に無理である。
【0014】従来の光音響法における計測では、連続光
を分光照射して行うことが多く、この場合、所定波長の
光における計測値から別波長の光における光吸収を校正
していたが、例えばエキシマレーザーのような単一波長
光源を用いた計測には適用できないという問題点があっ
た。このように、光音響法によりサンプル薄膜の光吸収
率を定量的に評価する場合、サンプル薄膜のセッティン
グ条件による計測値の変動が大きな問題点であり、また
計測値の校正が課題となっている。
【0015】本発明は、かかる問題点や課題に鑑みてな
されたものであり、サンプル薄膜の光吸収率を定量的に
評価するに際し、計測値の再現性が良く、しかも計測値
の校正が可能な光吸収計測装置を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に、「基板上に形成された薄膜状のサンプルに計測光を
照射したときの光吸収に起因する該サンプル薄膜の体積
変化により発生する音響信号を計測することで、該サン
プル薄膜の光吸収を測定する光吸収計測装置であり、音
響検知素子が音響整合をとられた状態にて、基板または
基板を保持するホルダーに設けられている光吸収計測装
置において、前記基板上の前記サンプル薄膜が形成され
ていない部分に、該基板のホルダーによる保持条件の調
整を行うための、或いは前記サンプル薄膜との光吸収の
比較を行うためのレファレンス部を設けたことを特徴と
する光吸収計測装置(請求項1)」を提供する。
【0017】また、本発明は第二に、「前記レファレン
ス部は、レファレンス用の薄膜を形成した部分である
か、或いは、前記基板の材料が露出した部分であること
を特徴とする請求項1記載の光吸収計測装置(請求項
2)」を提供する。また、本発明は第三に、「前記レフ
ァレンス部に計測光を照射したときに該レファレンス部
から発生する音響信号が一定値となるように、前記基板
の保持条件を調節する機構を前記ホルダーに設けたこと
を特徴とする請求項1または2記載の光吸収計測装置
(請求項3)」を提供する。
【0018】また、本発明は第四に、「計測光を照射し
たときに、前記サンプル薄膜から発生する音響信号と前
記レファレンス部から発生する音響信号との強度比が所
定値となるように、前記計測光の照射条件及び前記音響
検知素子の設置位置が設定されてなり、前記レファレン
ス部による既知の光吸収量から前記サンプル薄膜による
光吸収量を比較決定できるようにしたことを特徴とする
請求項1〜3記載の光吸収計測装置(請求項4)」を提
供する。
【0019】また、本発明は第五に、「前記計測光の前
記サンプル薄膜への照射スポットの位置と前記計測光の
前記レファレンス部への照射スポットの位置が前記音響
検知素子に対して音響伝搬的に等価な位置に配置されて
なり、かつ、各スポットのサイズ及び強度分布が同一に
設定されていることを特徴とする請求項4記載の光吸収
計測装置(請求項5)」を提供する。
【0020】
【作用】本発明の光吸収計測装置では、基板上のサンプ
ル薄膜が形成されていない部分に、該基板のホルダーに
よる保持条件の調整を行うための、或いはサンプル薄膜
との光吸収の比較を行うためのレファレンス部を設けた
ので、サンプル薄膜の光吸収率を定量的に評価するに際
し、計測値の再現性が良く、しかも計測値の校正が可能
である。
【0021】本発明にかかる光吸収計測装置について図
を引用して説明するが、本発明はかかる図の例に限定さ
れるものではない。例えば、図2の例では、単一波長の
パルスレーザでの計測系を例としてあげているが、本発
明はこれに限られるわけではなく、連続発振レーザを断
続的に照射する計測系においても適用できるものであ
る。
【0022】図2に例示した光吸収計測装置において
は、光源からの光が各種光学系により集光されて、サン
プルに照射されるシステムとなっている。照射にあたっ
ては、適切な光量調節部分で照射光強度(光量)を変化
させ、またその照射光強度を分岐光路においてモニタ
し、さらに照射光強度と音響信号との相関から光吸収量
を算出するシステムである。
【0023】測定サンプル11はガラス基板1上に形成
した薄膜3である(図1参照)。計測に使用する基板の
材料と大きさは、常に一定とし、また十分に平滑で清浄
な基板面を有するようにする。基板が測定光を吸収する
量は、測定すべき薄膜が計測光を吸収する量に対して十
分小さいことが好ましい。この例では、円形ペレット状
のガラス基板としている。
【0024】計測に使用する基板1上には、測定対象の
サンプル薄膜3と、常に一定の物性及び膜厚を有するレ
ファレンス用の薄膜(レファレンス薄膜)2がそれぞれ
別の位置に形成されている。サンプル薄膜3及びレファ
レンス薄膜2の形成は、適当なマスキングをして行えば
よく、またその形成はどちらが先でもよいが、一方の膜
形成が他方の物性に影響を及ぼさないことが必要であ
る。
【0025】レファレンス薄膜の材料及び形成法は任意
であるが、留意すべき点は、できるだけ光吸収について
再現性のよいものであることであり、このためには、化
学的に安定な単一元素材料(例えば貴金属や、カーボ
ン)の膜や、安定な化合物(例えば各種酸化物など)を
真空薄膜形成法(例えば蒸着、スパタリングなど)によ
り形成することが好ましい。
【0026】また、レファレンス薄膜は、計測対象のサ
ンプル薄膜と、光の吸収量が大きく異ならない(オーダ
ーが同程度である)ほうが計測しやすいので好ましい。
光吸収に伴って発生する音響は、音響検知素子である例
えば圧電素子4により計測される。圧電素子4は、基板
1に音響マッチング材(例えば、シリコングリースな
ど)6により音響整合がとられた状態で接合されてお
り、そのため圧電素子4とサンプル薄膜3及びレファレ
ンス薄膜2とは音響整合がとられている。
【0027】先ず、レファレンス薄膜2にパルス光照射
を行い、音響信号を観察する。音響信号の評価の方法は
様々であるが、時間的にひとつのピークの値に注目した
計測や、波長分解(FFTなど)して行うピーク観察な
どが一般的である。各薄膜2、3を形成した基板1のホ
ルダーへの適切なセッティング条件(この場合は、基板
とホルダーの間に塗布するグリースの量と、ホルダーへ
の基板の押さえつけ強さ)において検察した音響信号の
強度を標準値として記録する。得られる信号強度が最大
となるようなセッティング条件を標準とすることが、計
測上好ましい。
【0028】次に、このセッティング条件において、基
板1を光照射面について7のように平行に動かして、今
度はサンプル薄膜3に計測光を照射して音響を計測す
る。この際、計測光のサンプル薄膜3への照射スポット
の位置(つまりサンプル薄膜3の音響発生位置)と計測
光のレファレンス薄膜2への照射スポットの位置(つま
りレファレンス薄膜2の音響発生位置)が圧電素子4に
対して、音響伝搬的に等価な位置に配置され、かつ、各
スポットの強度分布が同一に設定されているので、音響
波としては、強度は異なるが同形の波が観察され、信号
解析の際に簡便になるので好ましい。
【0029】続いて、最初の基板とは、形成したサンプ
ル薄膜の材料が異なる第2の基板をホルダーにセッティ
ングし、圧電素子を同様に配置し、先ず、レファレンス
薄膜への計測光照射を行う。この際、計測光の照射条件
が最初の基板の場合と一致するように、即ち一連の計測
で照射条件が一定になるように調整する。即ち、第2基
板のレファレンス薄膜からの音響信号の大きさは、前記
標準値とした信号(第1基板のレファレンス膜からの音
響信号)のそれと異なることが一般的であるため、レフ
ァレンス薄膜からの音響信号の大きさが標準の信号のそ
れと一致するように、基板のホルダーへのセッティング
条件を調整する機構をホルダーに設けることが好ましい
(請求項3)。
【0030】具体的には、例えば、基板とホルダーの間
に塗布するグリースの量と、ホルダーへの基板の押さえ
つけ強さを変化させて調節を行うことができる。こうし
て、第2基板のレファレンス薄膜からの音響信号の大き
さが標準値の信号と一致するセッティング条件におい
て、第2基板を移動させてサンプル薄膜の計測を行な
う。
【0031】このような方法により計測を行うことで、
種々のサンプル薄膜における光吸収の絶対値比較を行う
ことが可能であり、従って、未知のサンプル薄膜の光吸
収量を知ることができる。レファレンス薄膜の光吸収量
(絶対値)を知ることは、必ずしも必要ではなく、サン
プル基板をホルダーに保持するセッティング条件を一定
に保つための信号が検出できればよい。
【0032】ただし、サンプル薄膜及びレファレンス薄
膜からの音響信号強度が予め知られた一定の、即ち所定
の比率で観測されるように、両薄膜への計測光照射条件
(照射スポット位置、スポットサイズ、スポット強度分
布)と、音響検知素子の設置位置が設定された、即ち一
定に保たれた計測系にすると、サンプル薄膜の光吸収量
を、サンプル薄膜の信号を光吸収量既知のレファレンス
薄膜の信号と比較することにより知ることができる。
【0033】従って、かかる場合には、レファレンス薄
膜の光吸収量をあらかじめ知っておくことにより、サン
プル薄膜の光吸収量を直接得ることができ、この方法を
用いると、基板の形状や材質が変化しても計測が可能に
なるので好ましい(請求項4)。さらに、前述したよう
に、計測光のサンプル薄膜への照射スポットの位置(つ
まりサンプル薄膜の音響発生位置)と計測光のレファレ
ンス薄膜への照射スポットの位置(つまりレファレンス
薄膜の音響発生位置)が音響検知素子に対して、音響伝
搬的に等価な位置に配置され、かつ、各スポットのサイ
ズ及び強度分布が同一に設定されていれば、光吸収によ
る音響波形は両方の薄膜において同形になる。そのた
め、両者の強度比較により、両者の吸収量が直接に(比
例係数1で)比較できるので、非常に簡便な計測が可能
となり好ましい(請求項5)。
【0034】ところで一般的に、透明な基板でも表面、
界面において、わずかな光吸収を持つことが普通であ
る。この吸収量は基板の加工精度や処理工程により決っ
てくるものであり、同様の製作、洗浄工程を経たものに
ついては、数値的に比較的再現性がよい。そこで、前述
したレファレンス薄膜のかわりに、この基板界面への光
照射による音響信号を用いることも考えられる。即ち、
基板上の薄膜が形成されていない部分にレファレンス部
を設け、そこへの光照射での音響信号を標準として、サ
ンプル保持条件を調節する、あるいは、この信号と測定
対象のサンプル薄膜からの信号を直接比較して吸収量を
知るということを同様に行うことができる(請求項
2)。
【0035】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0036】
【実施例1】図2は本実施例の光吸収計測装置の概略構
成図であり、この装置を用いて下記の光吸収計測を行っ
た。光源は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)
光源8であり、パルス幅が約20nsecのものを用いた。
パルス照射(計測)光は、レンズ光学系9により集光さ
れて、光学ホルダーに固定されたサンプルホルダー12
に保持されたサンプル11に照射される。そして、サン
プル面での光径は約3mmΦである。
【0037】照射光の強度は、光学系9に挿入したズー
ムレンズにより調節され、また照射光強度は石英ガラス
10の反射を用いた分岐光路において、光量モニタセン
サ(バイプラナ型フォトマルチプライヤ)15によりモ
ニタされる。サンプル11を透過した光は、戻りを防ぐ
ために、光吸収体14でブロックされる。なお、光吸収
体14は、弾性体等の音を伝えにくい材料で構成するこ
とが好ましい。
【0038】照射光は、酸素中において発生するオゾン
により吸収されるので、光学系は窒素パージされたチャ
ンバー19内に配置されている。サンプルは、30mm
Φで厚さ2mmの円形ペレット状の石英ガラス基板(計
測波長光を透過する)20上に薄膜を1μm以下の厚さ
にて形成したものであり、図3に示すように、計測対象
のサンプル薄膜21と、レファレンス薄膜(アルミナ
膜)22を両者とも7mmΦの大きさでマスク蒸着によ
り形成してある。二つの膜の基板上での位置は常に一定
である(同一マスクによる作成)。
【0039】このサンプルを、輪帯状の溝を設けたA
製のホルダー23に、音響マッチング材料としてのシリ
コングリース24を介して設置する。サンプルのホルダ
ー23への押さえ付けは、リング状の治具25をネジ2
6で動かすことにより行い、押さえ付け強度を変化させ
ることができる。強く押さえ付けると、グリース24の
層が薄くなり、余分のグリースはサンプルとA ホルダ
ー23との隙間から除去する。A ホルダーは、ステー
ジに固定されており、ステージは、移動機構を備えてい
る。
【0040】音響信号は、圧電材料であるPZT(ジル
コン酸チタン酸鉛)にアルミナの受信板を付けた構成の
センサー(音響検知素子の一例)28により検出する。
センサー28は接着材29によりホルダー23に固定さ
れており、センサー28とホルダ23は、安定に音響整
合がとられている。このようにして、適切にサンプルを
ホルダーにセッティングした状態においてレファレンス
薄膜22に計測レーザ光を照射した。ズームレンズを駆
動して照射光強度を変えながら、光照射を行ない、セン
サ28の出力(電圧)信号を計測した。
【0041】計測信号は適切なフィルタリングを行なっ
て(電磁ノイズや振動ノイズを除いて)、デジタルオシ
ロスコープで観察した。レファレンス薄膜22の光吸収
による光音響信号発生は、計測光の照射後約15μse
cであり、照射直後、あるいは音響到達後しばらくして
からの信号には、レファレンス薄膜22の光吸収による
光音響信号以外の雑音信号がのってくるので、この付近
約50μsec分の信号を記録し、さらに、この系の共
振周波数付近を選択して(FFT16による)、その信
号強度も計測した。
【0042】ズームレンズを制御しているパーソナルコ
ンピュータ17により、モニタしている照射光強度信号
と連動させて1パルス照射ごとに計測、記録されるよう
にした。そして、これらの音響波形および強度信号を標
準信号とした。この状態のまま、ホルダーステージを計
測光方向に対して垂直に移動させ、今度は、計測対象の
サンプル薄膜21に計測光を照射した。レファレンス薄
膜22の計測と同様に、照射光強度を変化させながら、
共振周波数付近の周波数成分を計測、記録した。照射光
強度と音響信号強度の相関グラフの一例を図4に示す。
【0043】別のサンプル薄膜の測定にあたっては、該
サンプル薄膜及びレファレンス薄膜を同じ位置に形成し
た前記基板20と同一サイズ及び材料の別基板をホルダ
ー23にセッティングした後、先ず、レファレンス薄膜
の計測を行なった。ここで、前記レファレンス薄膜22
による標準信号と、別基板上のレファレンス薄膜による
音響信号が一致するように、別基板のホルダー23への
押さえ付け条件(別基板とホルダーの間に塗布するグリ
ースの量、押さえつけ強さ)を調節してセッティングを
行った。
【0044】この場合の信号の一致とは、信号の(時間
軸での)波形の一致とともに、先に求めた照射光強度と
信号強度との相関の一致である。通常、照射光強度と音
響信号強度とは線形関係にあるので、標準信号相関のグ
ラフも図4に示すように原点を通る直線となるが、この
直線上に計測値がのるように、別基板のセッティングを
行った。
【0045】セッティング調整の際に留意すべきこと
は、できるだけ均一に押さえ付けを行なうことである。
均一な押さえ付けを行なうために、この例では、リング
状治具を用いて押さえ付ける方法をとっている。このよ
うにして、標準信号とレファレンス薄膜の信号が一致す
るように、別基板のホルダーへのセッティングを行った
後、最初の薄膜サンプル測定の場合と同様に、ステージ
を移動させ、別基板上のサンプル薄膜に計測光照射を行
なって、音響信号を計測した。
【0046】このようにして計測した信号強度は、光吸
収量を直接既に計測した薄膜サンプルによる音響強度と
比較することが可能であり、その結果、光吸収量として
校正できた。
【0047】
【実施例2】本実施例の光吸収計測も実施例1の装置を
用いて光吸収計測を行なったが、実施例1と異なる点は
下記の通りである。即ち、本実施例では、図5に示すよ
うに、計測光のサンプル薄膜21への照射スポット31
の位置と計測光のレファレンス薄膜22への照射スポッ
ト31’の位置が音響計測センサ(音響検知素子の一
例)28に対して音響伝搬的に等価な位置に配置されて
いる。
【0048】具体的に言うと、円盤状基板の線対称位置
に、両方の薄膜21、22を形成しA ホルダー23の
センサ28設置位置に対して両方の薄膜21、22が等
距離32になるようにそれぞれ配置した。また、距離を
等しくするだけでなく、音響伝搬についての条件である
ホルダーの厚みや、ホルダー端との位置関係も同一とな
るよう留意した。なお、ホルダー端との関係は、ここか
らの反射波などの影響を考慮するためであり、反射波を
分離検出することが可能で、その影響を無視した部分に
おいて信号比較ができる場合には必要ではない。
【0049】こうして、レファレンス薄膜22とサンプ
ル薄膜21に、順次、ステージを移動させて計測光を照
射する。照射は、同一のスポットサイズ(径)及び強度
分布とし、両薄膜21、22(円形)の中央になされる
ように調節した。観察されたレファレンス薄膜22とサ
ンプル薄膜21の各音響信号の波形は、強度を除いて一
致し、前述したような特定周波数の強度比較により、レ
ファレンス薄膜22の光吸収とサンプル薄膜21の光吸
収を直接比較することができた。
【0050】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、サンプル
薄膜の光吸収率を定量的に評価するに際し、計測値の再
現性が良く、しかも計測値の校正が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明にかかるサンプル薄膜3及びレファ
レンス薄膜2を形成した基板1からなるサンプルの一例
を示す図であり、上側が正面図、下側が側面図である。
【図2】は、実施例の光吸収計測装置の概略構成図であ
る。
【図3】は、実施例1におけるサンプルの基板及び基板
ホルダーの構造図であり、上側がサンプルと押さえ付け
治具の各正面図、下側が断面図である。
【図4】は、音響信号の計測結果の一例である。
【図5】は、実施例2におけるサンプルのセッティング
図である。
【符号の説明】
1・・ 基板 2・・ レファレンス薄膜 3・・ サンプル薄膜 4・・ 圧電素子(音響検知素子の一例) 5・・ 計測光 6・・ 音響マッチング材 7・・ サンプル移動を示す。 8・・ ArFエキシマレーザー光源 9・・ 光量調節光学系(ズームレンズ) 10・・石英ガラス基板 11・・計測サンプル 12・・サンプルホルダー 13・・圧電素子(音響検知素子の一例) 14・・光吸収体(ビームトラップ) 15・・光量モニタセンサ 16・・アンプ、周波数選別装置(FFT) 17・・パーソナルコンピュータ 18・・ズームレンズ制御を示す。 19・・窒素パージチャンバー 20・・石英ガラス基板 21・・サンプル薄膜 22・・レファレンス薄膜(例えば、アルミナ薄膜) 23・・サンプルホルダー 24・・シリコングリース(音響マッチング材の一例) 25・・リング状治具 26・・ネジ(基板の保持条件を調節する機構の一例) 27・・サンプルの押さえ付けを示す。 28・・アルミナ受信板つきPZT圧電素子(音響検知
素子の一例) 29・・接着剤 30・・ArFレーザ光 31・・ArFレーザ光スポット 32・・音響発生位置と検知部分との距離を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された薄膜状のサンプルに
    計測光を照射したときの光吸収に起因する該サンプル薄
    膜の体積変化により発生する音響信号を計測すること
    で、該サンプル薄膜の光吸収を測定する光吸収計測装置
    であり、音響検知素子が音響整合をとられた状態にて、
    基板または基板を保持するホルダーに設けられている光
    吸収計測装置において、 前記基板上の前記サンプル薄膜が形成されていない部分
    に、該基板のホルダーによる保持条件の調整を行うため
    の、或いは前記サンプル薄膜との光吸収の比較を行うた
    めのレファレンス部を設けたことを特徴とする光吸収計
    測装置。
  2. 【請求項2】 前記レファレンス部は、レファレンス用
    の薄膜を形成した部分であるか、或いは、前記基板の材
    料が露出した部分であることを特徴とする請求項1記載
    の光吸収計測装置。
  3. 【請求項3】 前記レファレンス部に計測光を照射した
    ときに該レファレンス部から発生する音響信号が一定値
    となるように、前記基板の保持条件を調節する機構を前
    記ホルダーに設けたことを特徴とする請求項1または2
    記載の光吸収計測装置。
  4. 【請求項4】 計測光を照射したときに、前記サンプル
    薄膜から発生する音響信号と前記レファレンス部から発
    生する音響信号との強度比が所定値となるように、前記
    計測光の照射条件及び前記音響検知素子の設置位置が設
    定されてなり、前記レファレンス部による既知の光吸収
    量から前記サンプル薄膜による光吸収量を比較決定でき
    るようにしたことを特徴とする請求項1〜3記載の光吸
    収計測装置。
  5. 【請求項5】 前記計測光の前記サンプル薄膜への照射
    スポットの位置と前記計測光の前記レファレンス部への
    照射スポットの位置が前記音響検知素子に対して音響伝
    搬的に等価な位置に配置されてなり、かつ、各スポット
    のサイズ及び強度分布が同一に設定されていることを特
    徴とする請求項4記載の光吸収計測装置。
JP7213788A 1995-08-22 1995-08-22 光吸収計測装置 Pending JPH0961405A (ja)

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