JPH0969416A - 正の温度特性を持つ有機抵抗体 - Google Patents

正の温度特性を持つ有機抵抗体

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JPH0969416A
JPH0969416A JP24882495A JP24882495A JPH0969416A JP H0969416 A JPH0969416 A JP H0969416A JP 24882495 A JP24882495 A JP 24882495A JP 24882495 A JP24882495 A JP 24882495A JP H0969416 A JPH0969416 A JP H0969416A
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resistor
resistance
conductive
organic
carbon black
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JP24882495A
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Junji Niihara
淳二 新原
Chisato Manome
千里 馬目
Hisashi Kobuke
恆 小更
Kenji Shibata
憲治 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐圧が低下せず、小型で大電流用途に用いられ
る正の温度特性を持つ抵抗体を提供する。 【解決手段】熱可塑性重合体に導電性フィラーを分散混
合した有機抵抗体層5と、導体からなる内部電極6a、
6bとを、内部電極6a、6b間に介在する有機抵抗体
層5の層数が2層以上となるように交互に積層して有機
抵抗体素体7を構成する。抵抗体素体7の側面に、それ
ぞれ対向する内部電極6a、6bに接続される外部電極
8a、8bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正の温度特性(PT
C)を有する有機抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、結晶性の熱可塑性重合体中に1
種またはそれ以上の導電性充填剤、例えばカーボンブラ
ックまたは微粉化された金属を分散させた抵抗体は正の
抵抗温度係数を有する。このような正の抵抗温度特性を
有する抵抗体として良く知られたものとしては、高密度
ポリエチレンにカーボンブラックを導電性フィラーとし
て添加したものがある(特公昭64−3322号公
報)。図5はその一例を示すもので、カーボンブラック
または微粉化された金属を熱可塑性重合体に分散混合さ
せた抵抗体PTC素体1の両面に電極2を固着し、該各
電極2にそれぞれリード線3を固着し、このような電極
2およびリード線3を設けた素体1全体を、モールド重
合体4によりリード線3の先端部を除いて一体にモール
ドしたものである。
【0003】また、特開平7−14702号公報には、
チタン酸バリウムのようなセラミック層と内部電極とを
積層した積層形としてPTCの抵抗体を構成したものが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭64−33
22号公報に記載の導電フィラーとしてカーボンブラッ
クのみを用いた正の温度特性の有機抵抗体には下記のよ
うな問題点がある。前述のように、カーボンブラックを
導電性フィラーとして用いた実用可能な有機抵抗体で
は、せいぜい室温比抵抗が2Ωcm程度にしか低くする
ことはできず、大電流用途には不向きであった。また、
PTC特性の有機抵抗体を低抵抗化できれば、小型化が
可能であり、例えば電池等における過大電流による放電
あるいは充電を防止するものとして電池内収容あるいは
電池外への取付けに至便な小型のものが提供できるが、
前述のように、従来のカーボンブラック使用のものでは
低抵抗化に制限があるため、小型化が達成できず、取付
け上、省スペース化されたものの提供が困難である。
【0005】また、低抵抗化できれば、同じ電流でも発
熱が押えられ、PTCとして動作せず、大電流で使用す
れば発熱するため、大電流での使用が可能となるが、前
述したカーボンブラック使用のものでは、低抵抗化に制
限があるため、大電流での使用ができない。もし、低抵
抗化を図るために、導電性フィラーの量を増やすと、抵
抗変化率が小さくなり、異常時の電流遮断がしにくくな
るという欠点がでてくる。
【0006】また、製品として抵抗を下げるためには、
PTC抵抗体を薄くすることが必要であるが、その場
合、耐圧が低下してしまうという問題点がある。
【0007】一方、前記特開平7−14702号公報に
記載のものは、PTC特性を得るためにセラミックを用
いているため、内部電極間の比抵抗が高く、せいぜい5
Ωcm程度のものしか得られないから、大電流量化する
には大型となり、小型化には不向きである。また、抵抗
値を下げるには、各内部電極間のセラミック層の厚みを
薄くしなければならず、このため、耐圧が低くなり、1
00Vを超えるような比較的高い電圧における使用には
不向きであるという問題点がある。また、耐圧を高くす
るために内部電極間のセラミック層の厚みを厚くする
と、全体としての厚みが厚くなるという問題点がある。
【0008】本発明は、上記した問題点に鑑み、耐圧が
低下せず、小型で大電流用途に用いられる正の温度特性
を持つ抵抗体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、熱可塑性重合体に導電性フィラーを分散
混合した有機抵抗体層と、導体からなる内部電極とを、
内部電極間の抵抗体層の層数が2層以上となるように交
互に積層して有機抵抗体素体を構成し、該素体の側面
に、それぞれ対向する内部電極に接続される外部電極を
設けたことを特徴とする。
【0010】本発明において、導電性フィラーは、スパ
イク状の金属粉末と、カーボンブラックと、導電物質で
被覆することにより導電性を持たせたウイスカー状の導
電酸化物とにより構成することが好ましい。また、前記
内部電極は、金属箔もしくは薄膜形成技術により成膜さ
れた薄膜からなることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明においては、熱可塑性重合体に導電性フ
ィラーを分散混合した有機抵抗体抗体と内部電極とを積
層形に形成することにより、各層の内部電極の面積の総
和として広い電極面積が得られ、室温比抵抗を低くする
ことが可能となる。また、有機抵抗体を用いているた
め、大電流用途とするために内部電極間を薄くする必要
がなく、従って耐圧を低くすることもない。
【0012】
【実施例】図1は本発明による有機抵抗体の一実施例を
示す断面図であり、この有機抵抗体は、例えばポリフッ
化ビニリデンからなる熱可塑性重合体内に導電性フィラ
ーを分散混合してなるPTC抵抗体層5と内部電極6
a、6bとを、内部電極6a、6b間の抵抗体層の層数
が2層以上(図示例は3層)積層して、有機抵抗体素体
7を構成し、該素体7の側面に、それぞれ対向する内部
電極6a、6bに接続された外部電極8a、8bを設け
たものである。
【0013】図2はこの有機抵抗体の製造工程を示す図
であり、結晶性の熱可塑性重合体の一例であるポリフッ
化ビニリデンと、導電性フィラーとしてのカーボンブラ
ックと、架橋剤とを200℃で1時間混練し(S1)、
このように混練した材料を押出機によりもしくはプレス
によりシート状に形成し(S2)、電子線等により架橋
処理し(S3)、その後、シートの両面にニッケル、
金、銅、アルミニウム等の箔を200℃の加熱状態にお
いて加圧して付けるかあるいは薄膜形成技術(スパッタ
リング、メッキあるいは蒸着)によってこれらの金属で
なる電極6a、6bを形成し(S4)、このように電極
6a、6bを付けたシート状の素材を加温加圧状態で積
層した(S5)後、所定形状に打ち抜き(S6)、その
後、側面に導電ペーストの塗布や金属キャップを付けて
外部電極8a、8bとする(S7)。
【0014】表1は、図1のように、内部電極6a、6
b間の有機抵抗体層5を3層、すなわち内部電極6a、
6bの層数を4層とした場合における初期比抵抗と抵抗
変化率と破壊電圧(温度上昇状態において短絡を起こす
電圧)を示すものである。なお、前記抵抗変化率は、l
og(最大抵抗値/25℃における抵抗値)で表現され
る値であり、また、表1ないし以降の表中における%は
体積%を表す。試験に供した素子は、全体形状を矩形と
し、従来のように抵抗体1の両面に電極2を固着した1
層型のものは縦(L)を4.5mm、横(W)を3.2
mm、厚さ(T)を0.5mmとし、カーボンブラック
充填率は体積率で22.5%とした。一方、本発明によ
るものは、内部電極6a、6b間の間隔と縦L、横Wの
寸法を従来型のもの同じとして厚さ(T)のみを変えて
2.0mmとした。
【0015】その結果、室温比抵抗(25℃における比
抵抗)は、本発明による場合、0.75Ωcmとなり、
従来品の1.8Ωcmの約4割程度に低下し、抵抗変化
率は従来品の5.3に対して本発明による場合には5.
1と殆ど変わらず、また、破壊電圧(短絡する電圧)が
従来品の200Vに対して本発明の場合は195Vと殆
ど変わらないという結果が得られた。
【0016】また、前記のように、内部電極6a、6b
間の抵抗体層5の層数を3層とした場合、内部電極6
a、6b間の対向面積の総和が従来の約3倍程度となる
から、大幅な小型化、大電流化が達成できる。また、チ
タン酸バリウムをPTC抵抗体に用いた場合に小型化、
薄型化するために、内部電極6a、6bの間隔を狭くす
れば耐圧が低くなり、比較的高圧で用いる用途には適し
なくなるが、本発明による場合には、内部電極6a、6
b間の間隔を狭くする必要がないので、耐圧が低くなる
ことはなく、高圧用に用いることができる。
【0017】また、前記供試品について、DC12V−
15Aの通電を15秒行い、150秒休止するという繰
り返し通電試験を行ったところ、図3に示すように、1
万回の繰り返しにおいて、従来品では初期の室温抵抗値
に対し、繰り返し後の室温抵抗値は約23%上昇した
が、本発明による場合には、この抵抗値の変化が約12
%程度に押えられ、長期にわたって低い抵抗値が保持で
きることが分かった。
【0018】なお、内部電極6a、6bの形成は、導電
ペーストの印刷等による塗布によっても形成できるが、
前述のように、これを金属箔の固着や薄膜形成技術によ
る形成によって行うことにより、薄くて抵抗の低い内部
電極6a、6bを形成でき、抵抗体全体の薄型化に寄与
できる。
【0019】PTC抵抗体を構成する導電性フィラーと
しは、カーボンブラック以外に、金属粉末を用いること
ができ、また、他の添加物を導電助剤として混入したも
のを用いることができる。そして、より好ましくは、導
電性フィラーの主剤としての金属粉末と、室温被抵抗を
低下させるための導電助剤としてのカーボンブラック
と、抵抗変化率を上げるための導電助剤としてのウイス
カ状導電酸化物とを混合し、結晶性の熱可塑性重合体に
分散、混合してなるものがより好ましい。
【0020】このよな導電性フィラーの組成とする場
合、金属粉末としてはスパイク状のニッケル粉末(粒体
の周囲に多数の突起を有する粉末)とすることが好まし
い。また、導電酸化物としては、ウイスカ状のチタン酸
カリウムのような酸化物粉末の表面を、銀、ニッケル、
炭素、二酸化錫(SnO2)等の導電物で被覆したもの
とすることが好ましい。
【0021】上述のように製造された有機抵抗体におい
て、ポリフッ化ビニリデンとして呉羽化学社製KF10
00、ニッケル粉末としてインコ(INCO)社製#2
55、カーボンブラックとしてケッチェンブラック・イ
ンターナショナル社製EC600JD、カーボンコート
チタン酸カリウムとして大塚化学社製デントールBK3
00を用い、それぞれの体積%を表2の組成として、抵
抗体そのものの抵抗特性を調べるため、図5に示した構
造でPTC抵抗体を構成した場合、25℃における初期
比抵抗が0.82Ωcmのものが得られ、従来のカーボ
ンブラックを導電性フィラーとして充填した有機抵抗体
に比較し、かなり低い初期比抵抗が得られた。また、温
度変化に対する比抵抗の変化は図4に示す通りとなり、
抵抗変化率[=log(最大抵抗値/初期抵抗値)]は
8.6、すなわち6桁以上となり、十分実用可能な値と
なった。なお、図4に示す比較例1、2は、それぞれ表
2に示す下記の組成からなる。 比較例1:ポリフッ化ビニリデン(前記KF1000)
75体積%、カーボンブラック(東海カーボン社製#4
500)25体積% 比較例2:ポリフッ化ビニリデン(前記KF1000)
75体積%、ニッケル粉末(前記#255)15体積
%、カーボンブラック(前記EC600JD)10体積
【0022】図4から分かるように、本実施例によれ
ば、比較例1、2、すなわちカーボンブラック単独、あ
るいはカーボンブラックとニッケルを混入した抵抗体に
比較して、大きな抵抗変化率が得られた。また、前記特
願平6−79390号のように、金属粉末のみを用いた
場合には、抵抗変化率が最大6.0程度であったが、本
発明によれば、この金属粉末だけの場合よりも大きな抵
抗変化率が得られた。
【0023】本発明において、金属粉末として用いられ
る材料としては、比較的酸化しにくいものが好ましく、
この酸化しにくい化合物としては、炭化物、窒化物、ホ
ウ化物等がある。また、酸化しにくい金属としては、
銀、ニッケルがある。その中から、比較的安価で比抵抗
も低い前記ニッケル粉末と、炭化チタンと炭化タングス
テンを導電性フィラーに用いた場合の初期比抵抗と抵抗
変化率を比較した。
【0024】試作品は、表3に示すように、重合体に前
記ポリフッ化ビニリデンを用い、これらの金属粉末の重
合体に対する充填率をほぼ同じ(15.2体積%または
16.8体積%)、カーボンブラックの重合体に対する
充填率を3.0体積%、カーボンコートチタン酸カリウ
ムの重合体に対する充填率を11.1体積%〜11.2
体積%とした。これらの金属粉末を用いた素体の初期比
抵抗と抵抗変化率は表3に示す通りであり、表3から分
かるように、スパイク状のニッケル粉末を用いれば、初
期比抵抗を大幅に低減でき、抵抗変化率も6桁以上の値
が得られ、金属粉末としてスパイク状のニッケル粉末を
用いることが好ましいことが分かる。なお、導電性フィ
ラー充填率とは、例えば導電性フィラー(ニッケルまた
はカーボンブラックもしくはチタン酸カリウム)の体積
をa、重合体の体積をbとすると、重合体に対する充填
率(%)={a/(a+b)}×100である。
【0025】なおこのようにスパイク状のニッケル粉末
を用いた場合、ニッケル粉末の平均粒径を1.0μm〜
4.0μmとし、見掛密度を0.5g/cm3〜0.8
g/cm3とすることが好ましい。平均粒径が1.0μ
m未満であると、酸化しやすくなって経年変化を起こし
易くなり、また、4.0μmを超えると、抵抗値が高く
なる。また、見掛密度が0.5g/cm3未満であると
抵抗値が上り、見掛密度が0.8g/cm3を超えると
抵抗変化率が低くなる。
【0026】一方、前記ウイスカ状導電酸化物は、これ
を導電性フィラーとして添加することにより、抵抗変化
率を上げることができるが、無処理のまま使用すると、
抵抗値が高くなってしまう。そこでウイスカ状導電酸化
物の表面を導電物で被覆して抵抗値を下げることが好ま
しく、抵抗値を下げるため、炭素、銀、酸化錫、ニッケ
ルでチタン酸カリウムのウイスカ状粉末をコートしたと
ころ、初期比抵抗、抵抗変化率共に十分な値が得られ
た。表4は炭素、銀、酸化錫でコートしたウイスカ状導
電酸化物を導電性フィラーの一部に用い、他の導電性フ
ィラーや重合体を前記同様とした場合の初期比抵抗と抵
抗変化率とを示す。銀をウイスカ状導電酸化物のコート
材に用いると高価になるため、実用的には炭素コートで
十分である。
【0027】本発明において、抵抗値を低くする導電助
剤として用いるカーボンブラックは、比表面積が大きい
程、抵抗値を下げる効果が大きかった。比表面積の小さ
なカーボンブラックを増すと抵抗値は下がるが、添加量
が増えると、抵抗変化率が低くなる。そこで、いかに少
ない添加量で抵抗値を下げるかがポイントであり、カー
ボンブラックの比表面積と初期比抵抗および抵抗変化率
について検討した。表4はその結果を示す表であり、表
5の試料において、ニッケル粉末およびカーボンコート
チタン酸カリウムは表2について説明したものと同じも
のを用いた。また、表5の比表面積はBET法によるも
のであり、No.1の試料のカーボンブラックは、東海
カーボン社製#4500、No.2はキャボット(Ca
bot)社製ブルカン(Vulcan)XC−72、N
o.3はケッチェンブラック・インターナショナル社製
EC、No.4はケッチェンブラック・インターナショ
ナル社製EC600JDを用いた。
【0028】表5に示すように、比表面積が58m2
g以上のカーボンブラックを用いたものにおいて、5桁
以上の抵抗変化率が得られるものの、初期比抵抗が高く
なる。表5に示す組成において、比表面積と初期比抵抗
との関係から、おおよそ800m2/g以上であれば、
初期比抵抗を2Ωcm以下に押えることができることが
判明した。また、この比表面積の上限は、5桁以上の抵
抗変化率を得るため、1300m2/g以下とすること
が好ましい。
【0029】次に導電粉末としてのニッケル粉末の充填
量について検討した結果を説明する。比抵抗を下げるに
は、重合体中に導電性フィラーを多く添加すればよいわ
けであるが、あまり添加量が多過ぎると、重合体が膨張
した後も導電性フィラー間の接触が解けずに抵抗が上が
らず、抵抗変化率が小さいため、PTC抵抗体として実
用に耐えない。そこで、表6に示すように、カーボンブ
ラックのポリフッ化ビニリデンに対する充填率を3.0
体積%、カーボンブラックのポリフッ化ビニリデンに対
する充填率を11.1体積%といずれもほぼ一定にし、
ポリフッ化ビニリデンとニッケル粉末の割合、すなわち
ニッケル粉末の充填率を種々に変え、初期比抵抗と抵抗
変化率とを測定した。その結果、重合体に対するニッケ
ル粉末の充填率が10体積%を下まわると、抵抗が大き
過ぎ、25体積%を上まわると抵抗変化率も5桁以下に
なり、実用に耐えないことが判明した。
【0030】ウィスカー状のチタン酸カリウムの添加の
目的は、ニッケル単体の添加に比べ、抵抗変化率を大き
くすることにある。しかしながら、チタン酸カリウムが
少な過ぎたり、多過ぎたりすると、抵抗変化率が小さく
なってしまう。よってその適正な添加量について検討し
た。表7はポリフッ化ビニリデンに対するニッケル粉
末、カーボンブラックの充填率をそれぞれ15.0体積
%〜15.1体積%、3.0体積%とほぼ一定にし、ポ
リフッ化ビニリデンとカーボンコートチタン酸カリウム
との充填率を種々に変化させて初期比抵抗と抵抗変化率
とを測定した結果を示す。表7の結果から、チタン酸カ
リウムは重合体に対する充填率が5体積%〜20体積%
が適当な量であれば初期比抵抗としてほぼ4Ωcm以下
の値が得られ、抵抗変化率も5桁以上の値が得られるこ
とが判った。
【0031】また、カーボンブラックの添加により、少
量の添加量であっても比抵抗を低くできるため、ニッケ
ル粉末の助剤として、その添加量を検討した。このカー
ボンブラックの充填量は、ニッケル粉末の場合と同様
に、あまり多過ぎると抵抗変化率が小さくなってしま
う。表8は重合体に対するニッケル粉末とカーボンコー
トチタン酸カリウムの充填率を、それぞれ15.0体積
%〜15.1体積%、11.0体積%〜11.1体積%
とほぼ一定にし、カーボンブラックの重合体に対する充
填率を変えて初期比抵抗と抵抗変化率を測定した結果を
示すものであり、重合体に対するカーボンブラックの充
填率が1体積%〜5体積%であれば、初期比抵抗が約2
Ωcmより低くすることができ、抵抗変化率も5桁以上
の値を得ることができることが判明した。
【0032】本発明において用いる熱可塑性重合体とし
ては、ポリフッ化ビニリデン以外に高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリアセター
ル、ポリン塩化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレン等が
挙げられる。(以下余白)
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】請求項1によれば、熱可塑性重合体に導
電性フィラーを分散混合した有機抵抗体層と、導体から
なる内部電極とを、内部電極間の抵抗体層数が2層以上
となるように交互に積層して有機抵抗体素体を構成し、
該素体の側面に、それぞれ対向する内部電極に接続され
る外部電極を設けたので、電極間の対向面積が増え、見
かけ上の比抵抗を大幅に低減することができ、また、抵
抗体にセラミックを用いる場合に比較して、抵抗体層の
比抵抗が低いため、全体の厚みや大きさをそれほど大き
くすることなく、しかも耐圧性能を落とすことなく、よ
り大電流用のPTC有機抵抗体を提供することができ、
ひいてはPTC有機抵抗体の小型化を達成できる。
【0042】請求項2によれば、金属粉末とウイスカ状
導電酸化物およびカーボンブラックを結晶性の熱可塑性
重合体に分散、混合してPTC特性の有機抵抗体を構成
したので、カーボンブラックからなる単一の導電性フィ
ラーのものに比較し、室温比抵抗を低く押えることがで
き、しかも金属粉末単独あるいは金属粉末とカーボンブ
ラックとからなる導電性フィラーを用いたものよりも大
きな抵抗変化率が得られ、大電流用途への使用可能なP
TC特性の有機抵抗体が得られる。また、小型化が達成
できるので、取付け上有利なPTC特性の有機抵抗体を
提供できる。
【0043】請求項3によれば、内部電極は、金属箔も
しくは薄膜形成技術により成膜された薄膜で構成したの
で、薄くて抵抗の低い内部電極を形成でき、抵抗体全体
の薄型化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPTC特性の有機抵抗体の一実施
例を示す断面図である。
【図2】本実施例の製造工程図である。
【図3】本実施例について繰り返し通電試験を行った場
合における抵抗値の変化を従来例と対比して示すグラフ
である。
【図4】本実施例の温度に対する抵抗値の変化を比較例
と対比して示すグラフである。
【図5】従来のPTC特性の有機抵抗体を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
5:PTC抵抗体層、6a、6b:内部電極、7:抵抗
体素体、8a、8b:外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 憲治 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性重合体に導電性フィラーを分散混
    合した有機抵抗体層と、導体からなる内部電極とを、内
    部電極間に介在する有機抵抗体層の層数が2層以上とな
    るように交互に積層して有機抵抗体素体を構成し、該素
    体の側面に、それぞれ対向する内部電極に接続される外
    部電極を設けたことを特徴とする正の温度特性を持つ有
    機抵抗体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記導電性フィラー
    は、スパイク状の金属粉末と、カーボンブラックと、導
    電物質で被覆することにより導電性を持たせたウイスカ
    ー状の導電酸化物とからなることを特徴とする正の温度
    特性を持つ有機抵抗体。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記内部電極
    は、金属箔もしくは薄膜形成技術により成膜された薄膜
    からなることを特徴とする正の温度特性を持つ有機抵抗
    体。
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Cited By (8)

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