JPH0975447A - 体外循環用医療用器具およびその製造方法 - Google Patents
体外循環用医療用器具およびその製造方法Info
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- JPH0975447A JPH0975447A JP7238206A JP23820695A JPH0975447A JP H0975447 A JPH0975447 A JP H0975447A JP 7238206 A JP7238206 A JP 7238206A JP 23820695 A JP23820695 A JP 23820695A JP H0975447 A JPH0975447 A JP H0975447A
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- extracorporeal circulation
- quaternary ammonium
- ammonium salt
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Abstract
(57)【要約】
【課題】医療用器具に安価に抗血栓性、生体適合性を付
与する。 【解決手段】体外循環時のプライミング時にヘパリンを
添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器具
で、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導入したこ
とを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方法におい
て、陽イオン性基の導入が、水を含有した有機溶媒に溶
解した4級アンモニウム塩溶液を該血液導通表面に接触
させることを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方
法および医療用器具。
与する。 【解決手段】体外循環時のプライミング時にヘパリンを
添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器具
で、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導入したこ
とを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方法におい
て、陽イオン性基の導入が、水を含有した有機溶媒に溶
解した4級アンモニウム塩溶液を該血液導通表面に接触
させることを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方
法および医療用器具。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プライミング時に
ヘパリンを添加したプライミング液を使用する体外循環
用医療用器具およびその製造方法に関するものである。
ヘパリンを添加したプライミング液を使用する体外循環
用医療用器具およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工肺、人工腎臓、人工心
臓、体外循環回路など血液と接触する医療材料および医
療用器具に抗血栓性、生体適合性を付与する試みがなさ
れている。ヘパリンをコーティングする方法もその一つ
で、基材にイオン結合させる方法、ヘパリンを共有結合
させる方法がある。例えば人工肺にコーティングする方
法として、イオン結合法では特公平2−36267号に
開示されている方法、共有結合法では特開昭58−14
7404号、特開平2−21875号などが臨床の場で
使用されており、抗血栓性、生体適合性の向上が報告さ
れている。
臓、体外循環回路など血液と接触する医療材料および医
療用器具に抗血栓性、生体適合性を付与する試みがなさ
れている。ヘパリンをコーティングする方法もその一つ
で、基材にイオン結合させる方法、ヘパリンを共有結合
させる方法がある。例えば人工肺にコーティングする方
法として、イオン結合法では特公平2−36267号に
開示されている方法、共有結合法では特開昭58−14
7404号、特開平2−21875号などが臨床の場で
使用されており、抗血栓性、生体適合性の向上が報告さ
れている。
【0003】共有結合法では製造コストは高いが効果が
持続するといった特徴を有しており、補助循環などでは
共有結合法を用いたシステムが第一選択で用いられるよ
うになっている。一方、イオン結合法では耐久性は高く
ないものの、製造工程が単純で使用する試薬類も少ない
ことから、簡便にしかも安価に製造することが可能であ
る。開心術用の人工心肺システムでは高い耐久性があま
り要求されないこと、使用量も多いことから安価なイオ
ン結合法のシステムが用いられる機会が増加しつつあ
る。
持続するといった特徴を有しており、補助循環などでは
共有結合法を用いたシステムが第一選択で用いられるよ
うになっている。一方、イオン結合法では耐久性は高く
ないものの、製造工程が単純で使用する試薬類も少ない
ことから、簡便にしかも安価に製造することが可能であ
る。開心術用の人工心肺システムでは高い耐久性があま
り要求されないこと、使用量も多いことから安価なイオ
ン結合法のシステムが用いられる機会が増加しつつあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらイオン結
合法においても製造上、あるいは品質上、以下の欠点を
有している。
合法においても製造上、あるいは品質上、以下の欠点を
有している。
【0005】製造コスト 比較的安価なイオン結合法であるが、ヘパリンを用いる
限りコーティングする化合物は高価である。
限りコーティングする化合物は高価である。
【0006】使用溶媒について 通常コーティングするヘパリン/陽イオン性複合体は使
用時の血液への溶出を極力抑えることから水に不溶であ
ることが要求されるため、この複合体は極性の比較的低
い溶媒に溶解させコーティング操作を行わなければなら
ない。そのため以下の不都合が生じる。 1)例えば人工心肺を構成する基材には(特にチューブ
類)可塑剤、安定剤を含有しているため、コーティング
時、溶液中にこれらが抽出されてしまうため、材質の劣
化が速くなったり、物性が変化してしまう。またコーテ
ィング溶液にはコーティング毎に基材からの溶出物が蓄
積されるため溶液の再利用ができず製造コストが高くな
る。 2)極性の低い溶媒は蒸発性が極端に高かったり、低かっ
たりするものが多く蒸発性の高いものはコーティング濃
度の制御が難しく、溶液の再利用ができず製造コストが
高くなる。また蒸発性の遅いものは作業性が悪くなり、
製造コストが高くなる。さらにこれらの溶媒は一般的に
毒性が高く、かつ溶媒が残留するため安全性が低下す
る。 3)これらの溶媒は医療用器具を構成するプラスチック類
を変質、変形させるものが多く溶媒の選択が困難であ
る。 4)多孔性中空糸を用いた人工肺へのコーティングの場
合、これらの溶媒はポアを通過するためヘパリンを接触
させたときにポアの内面まで親水化されるため使用時に
血漿が漏出する。
用時の血液への溶出を極力抑えることから水に不溶であ
ることが要求されるため、この複合体は極性の比較的低
い溶媒に溶解させコーティング操作を行わなければなら
ない。そのため以下の不都合が生じる。 1)例えば人工心肺を構成する基材には(特にチューブ
類)可塑剤、安定剤を含有しているため、コーティング
時、溶液中にこれらが抽出されてしまうため、材質の劣
化が速くなったり、物性が変化してしまう。またコーテ
ィング溶液にはコーティング毎に基材からの溶出物が蓄
積されるため溶液の再利用ができず製造コストが高くな
る。 2)極性の低い溶媒は蒸発性が極端に高かったり、低かっ
たりするものが多く蒸発性の高いものはコーティング濃
度の制御が難しく、溶液の再利用ができず製造コストが
高くなる。また蒸発性の遅いものは作業性が悪くなり、
製造コストが高くなる。さらにこれらの溶媒は一般的に
毒性が高く、かつ溶媒が残留するため安全性が低下す
る。 3)これらの溶媒は医療用器具を構成するプラスチック類
を変質、変形させるものが多く溶媒の選択が困難であ
る。 4)多孔性中空糸を用いた人工肺へのコーティングの場
合、これらの溶媒はポアを通過するためヘパリンを接触
させたときにポアの内面まで親水化されるため使用時に
血漿が漏出する。
【0007】コーティング性 これらの複合体のコーティングは基本的に基材表面に被
膜を形成させるのでコーティングむらが生じたり、濾過
のためのメッシュなどへのコーティングではメッシュの
サイズが変化したり、部分的にめが潰れたりする。ま
た、中空糸型人工肺ではファイバー同士のくっつきが生
じるため、ガス交換性能が大幅に低下する。
膜を形成させるのでコーティングむらが生じたり、濾過
のためのメッシュなどへのコーティングではメッシュの
サイズが変化したり、部分的にめが潰れたりする。ま
た、中空糸型人工肺ではファイバー同士のくっつきが生
じるため、ガス交換性能が大幅に低下する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題点を解決するため、研究を重ね本発明に至った。すな
わち本発明は、体外循環時のプライミング時にヘパリン
を添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器
具において、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導
入したことを特徴とする体外循環用医療用器具を提供す
ることである。
題点を解決するため、研究を重ね本発明に至った。すな
わち本発明は、体外循環時のプライミング時にヘパリン
を添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器
具において、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導
入したことを特徴とする体外循環用医療用器具を提供す
ることである。
【0009】元来、血液・体液等の体外循環において用
いられる血液バッグ、チューブ、分枝管、遠心ポンプ、
リザーバー、コネクター、人工肺、動脈フィルター等の
器具は、生理食塩水、リンゲル液等を血液循環開始前に
これらの器具の血液導通部にプライミングし気泡を除去
する操作が行われるが、通常これらの液にはヘパリンを
含有させることが行われているが、医療用器具の持続的
な抗血栓性、生体適合性の向上にはほとんど寄与してい
ない。そのため器具表面に予め陽イオン性基を導入して
おけばプライミング操作により基材表面で陽イオン性基
とヘパリンとのコンプレックスを形成し、ヘパリンイオ
ン結合でのコーティングが血液循環前に形成される。こ
のことは実際の製造で材料費のコストを大幅に低下させ
ることができる。例えば、プライミング液ではヘパリン
の濃度は通常1−5U/CCの濃度となるように調製し
ていることが多く、人工心肺システムではプライミング
量は1000−2000CCであるため、回路中には1
0000uのヘパリンが存在する。従って、例えば人工
心肺1セット中イオン結合でのコーティングでは200
0−10000Uヘパリンが結合しているため、ヘパリ
ンと陽イオン性基の結合力を加味した上でこの能力とな
るよう陽イオン性基を導入してやればよい。陽イオン性
基の種類にもよるが実際のプライミングでは1〜30、
好ましくは2〜20、より好ましくは3〜15U/CC
となるよう生理食塩水、リンゲル等にヘパリンを追加す
るのみでよい。ここで、体外循環時のプライミング時に
ヘパリンを添加したプライミング液を用いる体外循環用
医療用器具は、特に限定されるものではないが、血液導
通表面が、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アクリル、ポリウレタン、ポリカーボネート……等の樹
脂で形成されている。
いられる血液バッグ、チューブ、分枝管、遠心ポンプ、
リザーバー、コネクター、人工肺、動脈フィルター等の
器具は、生理食塩水、リンゲル液等を血液循環開始前に
これらの器具の血液導通部にプライミングし気泡を除去
する操作が行われるが、通常これらの液にはヘパリンを
含有させることが行われているが、医療用器具の持続的
な抗血栓性、生体適合性の向上にはほとんど寄与してい
ない。そのため器具表面に予め陽イオン性基を導入して
おけばプライミング操作により基材表面で陽イオン性基
とヘパリンとのコンプレックスを形成し、ヘパリンイオ
ン結合でのコーティングが血液循環前に形成される。こ
のことは実際の製造で材料費のコストを大幅に低下させ
ることができる。例えば、プライミング液ではヘパリン
の濃度は通常1−5U/CCの濃度となるように調製し
ていることが多く、人工心肺システムではプライミング
量は1000−2000CCであるため、回路中には1
0000uのヘパリンが存在する。従って、例えば人工
心肺1セット中イオン結合でのコーティングでは200
0−10000Uヘパリンが結合しているため、ヘパリ
ンと陽イオン性基の結合力を加味した上でこの能力とな
るよう陽イオン性基を導入してやればよい。陽イオン性
基の種類にもよるが実際のプライミングでは1〜30、
好ましくは2〜20、より好ましくは3〜15U/CC
となるよう生理食塩水、リンゲル等にヘパリンを追加す
るのみでよい。ここで、体外循環時のプライミング時に
ヘパリンを添加したプライミング液を用いる体外循環用
医療用器具は、特に限定されるものではないが、血液導
通表面が、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アクリル、ポリウレタン、ポリカーボネート……等の樹
脂で形成されている。
【0010】また、導入した陽イオン性基とヘパリンと
のコンプレックスが水に難溶であれば、血液・体液等の
循環時にヘパリンの溶出も軽微である。そして陽イオン
性基が4級アンモニウム塩であれば容易に入手可能で、
またコーティングによる導入も容易で、安定的なヘパリ
ンとのコンプレックスを形成するため好適である。さら
に、4級アンモニウム塩が水に難溶であれば循環中の血
液中への溶出も軽微で好ましい。ここで4級または第4
級アンモニウム塩は、一般式〔NR4 〕Xで示される。
窒素原子には4個のアルキルまたはアリール基(R)が
結合し、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキ
ル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデ
シル、テトラデシル、セチル、ステアリル基が例示さ
れ、アリール基としてはフェニル、ジフェニル、ベンジ
ル基が例示される。Xはハロゲン原子であり、Clが好
ましい。
のコンプレックスが水に難溶であれば、血液・体液等の
循環時にヘパリンの溶出も軽微である。そして陽イオン
性基が4級アンモニウム塩であれば容易に入手可能で、
またコーティングによる導入も容易で、安定的なヘパリ
ンとのコンプレックスを形成するため好適である。さら
に、4級アンモニウム塩が水に難溶であれば循環中の血
液中への溶出も軽微で好ましい。ここで4級または第4
級アンモニウム塩は、一般式〔NR4 〕Xで示される。
窒素原子には4個のアルキルまたはアリール基(R)が
結合し、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキ
ル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデ
シル、テトラデシル、セチル、ステアリル基が例示さ
れ、アリール基としてはフェニル、ジフェニル、ベンジ
ル基が例示される。Xはハロゲン原子であり、Clが好
ましい。
【0011】水に難溶である第4級アンモニウム塩は、
トリドデシルメチルアンモニウムクロリド、トリカプリ
ルメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムク
ロリド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、ベンズアルコニウムクロリド(アルキルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライド混合物)、アルキルピコ
リニウムクロリド、ミリスチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロリド、エイコサンジメチルベンジルアンモニ
ウムクロリド、ドコサンジメチルベンジルアンモニウム
クロリド、ステアリルジペンチルベンジルアンモニウム
クロリド、ステアリルジブチルベンジルアンモニウムク
ロリド、ステアリルメチルブチルベンジルアンモニウム
クロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムク
ロライドが例示される。
トリドデシルメチルアンモニウムクロリド、トリカプリ
ルメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムク
ロリド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、ベンズアルコニウムクロリド(アルキルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライド混合物)、アルキルピコ
リニウムクロリド、ミリスチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロリド、エイコサンジメチルベンジルアンモニ
ウムクロリド、ドコサンジメチルベンジルアンモニウム
クロリド、ステアリルジペンチルベンジルアンモニウム
クロリド、ステアリルジブチルベンジルアンモニウムク
ロリド、ステアリルメチルブチルベンジルアンモニウム
クロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムク
ロライドが例示される。
【0012】また、4級アンモニウム塩が水に難溶でか
つ水と充分に混和しうる、または水と無限に混合可能な
有機溶媒に可溶であることが好ましい。水と無限に混合
可能な有機溶媒としては、アルコール、エーテル、ケト
ン、スルフォキサイド等が挙げられ、メタノール、エタ
ノール、アセトン、テトラハイドロフラン、ジメチルス
ルフォキサイド等が例示される。陽イオン性基の導入方
法は、水を含有した有機溶媒に溶解した4級アンモニウ
ム塩溶液を基材に接触させることが好ましく、さらに水
を含有した有機溶媒に溶解した4級アンモニウム塩溶液
を基材に接触した後、水で洗浄することが好ましい。そ
れは4級アンモニウム塩の溶解性にもよるが、基材の耐
有機溶媒性に応じ、ある程度水の含量を制御できるこ
と、また使用する溶媒は基本的に基材への影響がほとん
ど無くなるため、溶液中への基材からの溶出物の溶出が
なく、コーティング液の再利用が可能となるためであ
る。また4級アンモニウム塩のコーティング後基材に付
着した溶媒および4級アンモニウム塩を水で効果的に洗
浄できること、さらに水(4級アンモニウム塩の貧溶
媒)へのスムーズな置換により析出した4級アンモニウ
ム塩を効果的に基材表面へ吸着できるためである。さら
にこの操作では4級アンモニウム塩の被膜形成ではな
く、表面への吸着となるため均一でかつ、人工肺のガス
交換性能、濾過器の濾過性能を減じること無くコーティ
ングが可能となる。さらに4級アンモニウム塩溶液の基
材に対する接触角が70°以上であることが好ましい。
それは使用する溶媒は基本的に基材への影響がほとんど
無くなるため、溶液中への基材からの溶出物の溶出がな
く、コーティング液の再利用が可能となるからである。
溶液の基材に対する接触角は、基材に滴下した溶液を拡
大鏡を用いた通常の接触角測定装置にて測定し、この接
触角を70°以上とするには基材の材質に応じて水と有
機溶媒との比率を調製すればよい。例えば基材が塩ビで
ある場合とポリプロピレンである場合を比較した場合、
塩ビよりより疎水性の高いポリプロピレンで水の含有率
を低くする。また、4級アンモニウム塩溶液の基材に対
する接触角が90°以上であることは別の利点を発現す
る。これにより、たとえば基材がポリプロピレンの場
合、この特性により細孔内に溶液が侵入することもなく
コーティングが可能となる。
つ水と充分に混和しうる、または水と無限に混合可能な
有機溶媒に可溶であることが好ましい。水と無限に混合
可能な有機溶媒としては、アルコール、エーテル、ケト
ン、スルフォキサイド等が挙げられ、メタノール、エタ
ノール、アセトン、テトラハイドロフラン、ジメチルス
ルフォキサイド等が例示される。陽イオン性基の導入方
法は、水を含有した有機溶媒に溶解した4級アンモニウ
ム塩溶液を基材に接触させることが好ましく、さらに水
を含有した有機溶媒に溶解した4級アンモニウム塩溶液
を基材に接触した後、水で洗浄することが好ましい。そ
れは4級アンモニウム塩の溶解性にもよるが、基材の耐
有機溶媒性に応じ、ある程度水の含量を制御できるこ
と、また使用する溶媒は基本的に基材への影響がほとん
ど無くなるため、溶液中への基材からの溶出物の溶出が
なく、コーティング液の再利用が可能となるためであ
る。また4級アンモニウム塩のコーティング後基材に付
着した溶媒および4級アンモニウム塩を水で効果的に洗
浄できること、さらに水(4級アンモニウム塩の貧溶
媒)へのスムーズな置換により析出した4級アンモニウ
ム塩を効果的に基材表面へ吸着できるためである。さら
にこの操作では4級アンモニウム塩の被膜形成ではな
く、表面への吸着となるため均一でかつ、人工肺のガス
交換性能、濾過器の濾過性能を減じること無くコーティ
ングが可能となる。さらに4級アンモニウム塩溶液の基
材に対する接触角が70°以上であることが好ましい。
それは使用する溶媒は基本的に基材への影響がほとんど
無くなるため、溶液中への基材からの溶出物の溶出がな
く、コーティング液の再利用が可能となるからである。
溶液の基材に対する接触角は、基材に滴下した溶液を拡
大鏡を用いた通常の接触角測定装置にて測定し、この接
触角を70°以上とするには基材の材質に応じて水と有
機溶媒との比率を調製すればよい。例えば基材が塩ビで
ある場合とポリプロピレンである場合を比較した場合、
塩ビよりより疎水性の高いポリプロピレンで水の含有率
を低くする。また、4級アンモニウム塩溶液の基材に対
する接触角が90°以上であることは別の利点を発現す
る。これにより、たとえば基材がポリプロピレンの場
合、この特性により細孔内に溶液が侵入することもなく
コーティングが可能となる。
【0013】
(実施例1) コーティングすべき4級アンモニウム塩の調製 ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライドの
60(w/v)%のエタノール溶液を作製し、水を徐々
に加えることで10(w/v)%の溶液(エタノール:
水=1:4)を作製し、さらにエタノール:水=1:4
の溶液で希釈することにより0.1%溶液を作製した。 コーティング操作 作製後直ちにこの溶液を40℃に加温した後、軟質塩ビ
製の20mの内径9.5mmのロール状チューブに充填
後、2時間放置した。溶液の軟質塩ビシートに対する接
触角は、基材に滴下した溶液を拡大鏡を用いた通常の接
触角測定法で測定して、82°であった。ついで蒸留水
に置換後さらに蒸留水を流通させ洗浄後乾燥した。 プライミング操作 0.01%(15u/cc)ヘパリン水溶液を5L作製
し、37℃にて上記チューブ内を1L/minで30m
in循環させた。その後水洗し、乾燥した。 コーティング性の確認 コーティングチューブに0.04%トルイジンブルー溶
液を充填し、15分放置した後、水洗し乾燥した。表面
の染色性を確認したところ、全ての箇所で淡い赤紫色が
均一についていた。
60(w/v)%のエタノール溶液を作製し、水を徐々
に加えることで10(w/v)%の溶液(エタノール:
水=1:4)を作製し、さらにエタノール:水=1:4
の溶液で希釈することにより0.1%溶液を作製した。 コーティング操作 作製後直ちにこの溶液を40℃に加温した後、軟質塩ビ
製の20mの内径9.5mmのロール状チューブに充填
後、2時間放置した。溶液の軟質塩ビシートに対する接
触角は、基材に滴下した溶液を拡大鏡を用いた通常の接
触角測定法で測定して、82°であった。ついで蒸留水
に置換後さらに蒸留水を流通させ洗浄後乾燥した。 プライミング操作 0.01%(15u/cc)ヘパリン水溶液を5L作製
し、37℃にて上記チューブ内を1L/minで30m
in循環させた。その後水洗し、乾燥した。 コーティング性の確認 コーティングチューブに0.04%トルイジンブルー溶
液を充填し、15分放置した後、水洗し乾燥した。表面
の染色性を確認したところ、全ての箇所で淡い赤紫色が
均一についていた。
【0014】(実施例2) コーティング操作 で作製した溶液をただちに40℃に加温した後、ポリ
プロピレン製ファイバーからなる外部灌流型人工肺(膜
面積1.8M)の血液接触面に充填し、2時間放置し
た。ついで蒸留水に置換後洗浄し、乾燥した。溶液のポ
リプロピレンシートに対する接触角は、94°であっ
た。また、テルモ(株)製動脈フィルター(ポリエチレ
ンテレフタレート製メッシュ)も同様にコーティングを
行った。溶液のポリエチレンテレフタレートに対する接
触角は、89°であった。 プライミング操作 0.01%(15u/cc)ヘパリン水溶液を2L作製
し、37℃にて直列に接続した上記人工肺および動脈フ
ィルター内を1L/minで30min循環させた。そ
の後水洗し、乾燥した。 コーティング性の確認 1)人工肺 0.04%トルイジンブルー溶液を充填し、15分放置
した後、水洗し乾燥した。表面の染色性を確認したとこ
ろ、全ての箇所で淡い赤紫色が均一についていた。ま
た、ファイバー同士もくっついているものもなかった。
また、ガス交換性能をAAMIの基準で測定したとこ
ろ、処理を行わないものと比較したところ表1に示すと
おり処理を行わない人工肺と同等であった。また、本人
工肺をそのまま24hr血液循環を継続したところ、血
漿漏出もみられなかった。 2)動脈フィルター 0.04%トルイジンブルー溶液を充填し、15分放置
した後、水洗し乾燥した。表面の染色性を確認したとこ
ろ、全ての箇所で淡い赤紫色が均一についていた。ま
た、メッシュの状態を30倍の実体顕微鏡で確認したと
ころ、目のつまりは認められなかった。
プロピレン製ファイバーからなる外部灌流型人工肺(膜
面積1.8M)の血液接触面に充填し、2時間放置し
た。ついで蒸留水に置換後洗浄し、乾燥した。溶液のポ
リプロピレンシートに対する接触角は、94°であっ
た。また、テルモ(株)製動脈フィルター(ポリエチレ
ンテレフタレート製メッシュ)も同様にコーティングを
行った。溶液のポリエチレンテレフタレートに対する接
触角は、89°であった。 プライミング操作 0.01%(15u/cc)ヘパリン水溶液を2L作製
し、37℃にて直列に接続した上記人工肺および動脈フ
ィルター内を1L/minで30min循環させた。そ
の後水洗し、乾燥した。 コーティング性の確認 1)人工肺 0.04%トルイジンブルー溶液を充填し、15分放置
した後、水洗し乾燥した。表面の染色性を確認したとこ
ろ、全ての箇所で淡い赤紫色が均一についていた。ま
た、ファイバー同士もくっついているものもなかった。
また、ガス交換性能をAAMIの基準で測定したとこ
ろ、処理を行わないものと比較したところ表1に示すと
おり処理を行わない人工肺と同等であった。また、本人
工肺をそのまま24hr血液循環を継続したところ、血
漿漏出もみられなかった。 2)動脈フィルター 0.04%トルイジンブルー溶液を充填し、15分放置
した後、水洗し乾燥した。表面の染色性を確認したとこ
ろ、全ての箇所で淡い赤紫色が均一についていた。ま
た、メッシュの状態を30倍の実体顕微鏡で確認したと
ころ、目のつまりは認められなかった。
【0015】
【0016】
【発明の効果】体外循環時のプライミング時にヘパリン
を添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器
具であるので、下記の新たな効果が生じる。 安価に製造でき、実際の使用時にはヘパリンのイオン
複合体のコーティングと遜色ない性能を発現することが
できる。さらに、 コーティング液中にはコーティング操作によってもほ
とんど器材からの溶出物の混入が無いのでコーティング
液の再利用が可能であり、製造コストを低下させること
ができる。 水系のコーティング作業となるため濃度変化もほとん
ど起こらず、コーティング後水で接触面を洗うことで、
通常の水で濡れた接触面の乾燥操作のみでコーティング
が可能であり、製造コストの大幅な低下が可能となる。 人工肺の細孔内にコーティング溶媒が侵入しないの
で、人工肺の使用時に血漿漏出が生じない。
を添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器
具であるので、下記の新たな効果が生じる。 安価に製造でき、実際の使用時にはヘパリンのイオン
複合体のコーティングと遜色ない性能を発現することが
できる。さらに、 コーティング液中にはコーティング操作によってもほ
とんど器材からの溶出物の混入が無いのでコーティング
液の再利用が可能であり、製造コストを低下させること
ができる。 水系のコーティング作業となるため濃度変化もほとん
ど起こらず、コーティング後水で接触面を洗うことで、
通常の水で濡れた接触面の乾燥操作のみでコーティング
が可能であり、製造コストの大幅な低下が可能となる。 人工肺の細孔内にコーティング溶媒が侵入しないの
で、人工肺の使用時に血漿漏出が生じない。
Claims (8)
- 【請求項1】体外循環時のプライミング時にヘパリンを
添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器具
において、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導入
したことを特徴とする体外循環用医療用器具。 - 【請求項2】前記陽イオン性基が、4級アンモニウム塩
であり、該4級アンモニウム塩とヘパリンとのコンプレ
ックスが、水に難溶である請求項1に記載の体外循環用
医療用器具。 - 【請求項3】前記4級アンモニウム塩が水に難溶でかつ
水と無限に混合可能な有機溶媒に可溶である請求項2に
記載の体外循環用医療用器具。 - 【請求項4】体外循環時のプライミング時にヘパリンを
添加したプライミング液を用いる体外循環用医療用器具
で、該器具の血液導通表面に陽イオン性基を導入したこ
とを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方法におい
て、陽イオン性基の導入が、水を含有した有機溶媒に溶
解した4級アンモニウム塩溶液を該血液導通表面に接触
させることを特徴とする体外循環用医療用器具の製造方
法。 - 【請求項5】前記水を含有した有機溶媒に溶解した4級
アンモニウム塩溶液を該血液導通表面に接触した後、該
血液導通表面を水で洗浄する請求項4に記載の体外循環
用医療用器具の製造方法。 - 【請求項6】前記4級アンモニウム塩が水に難溶でかつ
水と無限に混合可能な有機溶媒に可溶である請求項4ま
たは5に記載の体外循環用医療用器具の製造方法。 - 【請求項7】前記水を含有した有機溶媒に溶解した4級
アンモニウム塩溶液の該血液導通表面に対する接触角が
70°以上である請求項4〜6のいずれかに記載の体外
循環用医療用器具の製造方法。 - 【請求項8】前記水を含有した有機溶媒に溶解した4級
アンモニウム塩溶液の該血液導通表面に対する接触角が
90°以上である請求項4〜6のいずれかに記載の体外
循環用医療用器具の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7238206A JPH0975447A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 体外循環用医療用器具およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7238206A JPH0975447A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 体外循環用医療用器具およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0975447A true JPH0975447A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=17026734
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7238206A Withdrawn JPH0975447A (ja) | 1995-09-18 | 1995-09-18 | 体外循環用医療用器具およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0975447A (ja) |
-
1995
- 1995-09-18 JP JP7238206A patent/JPH0975447A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021203 |