JPH0977908A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
樹脂組成物およびその成形体Info
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- JPH0977908A JPH0977908A JP8179130A JP17913096A JPH0977908A JP H0977908 A JPH0977908 A JP H0977908A JP 8179130 A JP8179130 A JP 8179130A JP 17913096 A JP17913096 A JP 17913096A JP H0977908 A JPH0977908 A JP H0977908A
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Abstract
御により、その利用率を向上させた樹脂組成物および成
形体を提供すること。 【解決手段】樹脂100 重量部、活性化合物0.01〜200 重
量部、および20℃における蒸気圧が0.001mmHg 以上で
ある蒸散性可塑剤0.1 〜100 重量部からなり、かつ、該
蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧(P1)と該活性
化合物の20℃における蒸気圧(P2)とが、式: P
1/P2≧2を満たす樹脂組成物および成形体。
Description
化合物が、成形体から放出する速度を制御し、該活性化
合物の利用率が向上した成形体を与える樹脂組成物およ
び該成形体に関する。さらに詳しくは、密封条件下では
活性化合物を成形体中に安定的に保持し、開放条件下で
は適量の活性化合物を成形体より放出し、活性化合物の
利用率が向上した成形体となる樹脂組成物およびその成
形体に関する。
てなる樹脂組成物およびその成形体は知られており、比
較的安価に種々の形状の成形体を得ることができるため
広範な分野で用いられている。これらは、蒸散、あるい
は活性化合物が成形体表面へにじみ出る、いわゆるブリ
ードにより活性化合物が成形体から徐放され、その効力
を発揮するものである。
物の場合、蒸散による成形体からの放出はほとんどな
く、主にブリードにより成形体から放出される。ブリー
ドとは、成形体中への飽和溶解量以上(過飽和量)の化
合物が成形体中に保持されている場合に起こり、過飽和
分(=活性化合物の配合量−活性化合物の成形体中への
飽和溶解量)が成形体表面へ移行するまで、過飽和分が
時間と共に成形体表面へ移行する現象である。従って、
飽和溶解量を超える量の活性化合物を配合した樹脂組成
物から得られる成形体の場合、活性化合物は経時的に成
形体表面にブリードするが、樹脂に対する活性化合物の
飽和溶解量は一定であるため、活性化合物の成形体から
のブリード開始時期やブリード速度をコントロールする
ことは通常、困難である。また、飽和溶解量以下の活性
化合物は比較的安定に樹脂中に保持されるため、過飽和
分がブリードした後は、活性化合物はほとんど成形体か
ら放出されなくなる。さらに、飽和溶解量を超える量の
活性化合物を配合した樹脂組成物から得られる成形体の
場合、過飽和分の活性化合物は成形体の貯蔵・保存中に
も経時的に放出されるため、貯蔵・保存中に成形体の表
面へブリードし外観不良を生じたり、あるいはこれと接
触する他材料の表面が汚れる原因となり好ましくない。
また、過飽和分の活性化合物が成形体の貯蔵・保存中に
放出されると、活性化合物の本来の効果を発現する前
に、標的となる対象物以外の物(例えば、成形体の風袋
や、使用開始時に成形体を装着する人の手等)へ活性化
合物が付着し、成形体が活性化合物放出する期間が所望
する期間より短くなったり、または所望する時には成形
体から活性化合物が放出されなくなる等の活性化合物の
利用率の低下を招くおそれがある。
を重ねた結果、樹脂に活性化合物と蒸散性可塑剤を含有
させた樹脂組成物が、蒸散性の低い活性化合物のブリー
ド量、ブリード開始時期およびブリード速度が制御され
た成形体となることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、樹脂100 重量部、活性化合物0.01〜200
重量部、および20℃における蒸気圧が0.001mmHg 以上
である蒸散性可塑剤0.1 〜100 重量部からなり、かつ、
該蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧(P1)と該活
性化合物の20℃における蒸気圧(P2)が、式: P
1/P2≧2を満たす樹脂組成物および該樹脂組成物を
成形して得られる成形体を提供するものである。本発明
の樹脂組成物は、活性化合物のブリード量、ブリード開
始時期や速度が制御された特徴を有する成形体を提供す
ることができるものである。
により、樹脂組成物中への活性化合物の飽和溶解量が増
加し、密封条件下では該樹脂組成物から得られる成形体
からのブリードが抑制される。一方、開放条件下では、
蒸散性可塑剤の蒸散に伴い、活性化合物の成形体中への
飽和溶解量が減少し、その結果、過飽和となった活性化
合物が成形体よりブリードするという特異な放出挙動が
実現できる。ここでいう密封条件とは、成形体からの蒸
散性可塑剤の蒸散を抑制する環境が達成されるような条
件であり、例えば、成形体をガスバリアー性を有する材
料等で密封することにより達成できる。
における蒸気圧が0.001mmHg 以上である有機化合物であ
る。成形体中からの活性化合物のブリードをより促進す
るという観点から、0.01mmHg以上の値を示す有機化合物
がより好ましく、0.1mmHg 以上の値を示す有機化合物が
特に好ましい。蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧の
上限値は特に制限はないが、成形加工性の観点から、通
常、その沸点が樹脂組成物の溶融成形温度以上であるこ
とが好ましい。この観点から、蒸散性可塑剤の蒸気圧の
上限値は通常、100mmHg 以下であり、10mmHg以下が成形
加工性の観点からより好ましく、1mmHg 以下が特に好ま
しい。
中により安定的に保持させるという効果の点から、樹脂
および活性化合物に対する相溶性が良好である方がより
好ましい。 相溶性とは、溶解性あるいは混和性といっ
た言葉でも表現することができ、(飽和)溶解度を決定
する一つの重要な要因である。相溶性の程度または(飽
和)溶解度は、溶解度パラメーターや誘電率から推定す
ることができるが、実験的には、一般的に知られた、例
えば、以下の方法が挙げられる。ポリ塩化ビニルに対す
る溶解度は、蒸散性可塑剤が蒸散しない条件下で、樹
脂、蒸散性可塑剤、活性化合物からなる試験シートによ
るブリードテストを繰り返すことにより決定できる(参
考文献:ポリ塩化ビニル−その基礎と応用− (社)近
畿化学協会ビニル部会編 p356 −357 (1988)日
刊工業新聞社)。ポリオレフィン系樹脂等の他の樹脂に
対する溶解度も同様な方法で決定できる。
(23℃)で液体状(以下単に液体と略することもあ
る)のエステル、液体アルコール、液体ケトン、香料、
動植物精油等より選択することができる。液体エステル
としては、特に、フタル酸エステル類、直鎖二塩基酸エ
ステル類、リン酸エステル類等が例示できる。本発明に
好適な蒸散性可塑剤の具体例を例示すれば、アジピン酸
ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、フ
タル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリブチル、ジメチルマレート、ジメチルサ
クシネート等が挙げられる。 また、蒸散性可塑剤の配
合量は、活性化合物を樹脂組成物中により安定的に保持
させる効果と、蒸散性可塑剤を樹脂組成物中により安定
的に保持できるという観点から、樹脂100 重量部に対し
て、0.1 〜100 重量部、より好ましくは1 〜50重量部、
さらに好ましくは5 〜30重量部である。
樹脂組成物を成形して得られる成形体の使用目的に応じ
て防虫・殺虫、防ダニ、忌避、防菌・防黴、防汚、除
草、植物成長調節、経皮治療、防錆、滑り性、抗ブロッ
キング性、界面活性、帯電防止等に対して活性を有する
有機化合物であり、1種単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。本発明に用いる活性化合物の蒸
気圧は、後述する蒸散性可塑剤の蒸気圧との関係を満た
す範囲であれば特に限定はないが、樹脂組成物を(溶
融)加工する工程で蒸散による活性化合物の消失防止の
観点から、20℃における蒸気圧が0.01mmHg未満が好ま
しく、0.001mmHg 未満がより好ましく、0.0001mmHg未満
の低蒸散性の有機化合物がさらに好ましい。活性化合物
として防虫・殺虫活性化合物を用いる場合には、防虫・
殺虫活性化合物として、各種の殺虫活性化合物、昆虫成
長制御活性化合物等が例示できる。また、防虫活性化合
物の効果を高める役割をもつ化合物(共力剤)を併用し
てもよい。
られる殺虫剤、例えば、ピレスロイド系化合物、フェニ
ールピラゾール系化合物、有機リン系化合物、カーバメ
ート系化合物、幼若ホルモン様化合物等から選ばれた少
なくとも1種以上の化合物より選択することができる。
具体的に例示すれば、ピレスロイド系化合物としては、
ペルメトリン、アレスリン、d−アレスリン、dd−ア
レスリン、プラレスリン、サイフェノトリン、フェノト
リン、d−フェノトリン、d−レスメトリン、エムペン
トリン、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シハ
ロトリン、サイフルトリン、エトフェンプロクス、トラ
ロメスリン、エスビオスリン、トランスフルスリン、テ
ラレスリン等が、有機燐系化合物としては、フェニトロ
チオン、ナレド、フェンチオン、シアノホス、クロルピ
リホス、ダイアジノン、カルクロホス、サリチオン、ダ
イアジノン等が、カーバメート系化合物としては、メト
キシジアゾン、プロポクスル、カルバリル、フェノブカ
ルブ等が挙げられる。昆虫成長制御活性化合物として
は、ピリプロキシフェン、メソプレン、ヒドロプレン、
ジフルベンズロン、シロマジン、フェノキシカーブ、ル
ヌェヌロン等を用いることができる。また、共力剤とし
ては、ピペロニルブトキサイド、サイネピリン−22
2、オクタクロロジプロピルエーテル等が挙げられる。
フルオロメタンスルホン酸アニリド系化合物、ピレスロ
イド系化合物等の防ダニ剤が例示できる。忌避活性化合
物とは、虫等を忌避する効果を有する化合物であり、
N,N−ジエチル−m−トリアミド、カラン−3,4−
ジオール等の忌避剤が例示できる。防菌・防黴、および
防汚活性化合物としては、N−フェニルベンゾイソチア
ゾロン−3のようなイソチアゾリン系化合物、4,6−
ジメチル−2−(6−フェニルピリジン−2−イル)ピ
リミジンのようなピリジルピリミジン系化合物、オキソ
ニック酸、バイナジン等の防菌・防黴剤や防汚剤が例示
できる。除草、植物成長調節、経皮治療、防錆、滑り
性、抗ブロッキング性、界面活性、帯電防止等の活性化
合物としては、それぞれ、市販の除草剤、植物成長調節
剤、防錆剤、滑剤、抗ブロッキング剤、界面活性剤、帯
電防止剤等が例示できる。
合物の組み合わせにおいて、式:P1/P2≧2(式
中、P1は蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧を示
し、P2は活性化合物の20℃における蒸気圧を示す)
を満たすものである。P1/P2<2の場合、蒸散性可
塑剤の蒸気圧と活性化合物の蒸気圧の差が小さいため、
開放条件下での成形体からの活性化合物の本発明の放出
挙動の効果が小さくなる。本発明の放出挙動の効果をよ
り大きくするという観点から、P1とP2の比は、P1
/P2≧5がより好ましく、P1/P2≧10がさらに
好ましく、P1/P2≧1000が特に好ましい。P1
/P2の値は大きい程より好ましく、その上限値は特に
制限はないが、通常は、1010以下である。
性化合物の配合量の比は、求められるブリード特性、使
用目的に応じて適宜決定される。例えば、活性化合物の
ブリードが始まるタイミングの調節を実現するためには
以下のように配合量を決定すればよい。すなわち、使用
開始からすぐに活性化合物のブリードが始まる様にする
ためには、蒸散性可塑剤がわずかに蒸散しただけで、樹
脂組成物中の活性化合物の濃度が過飽和になるように活
性化合物の量に対する蒸散性可塑剤の量比を低く設定す
ればよい。また、使用開始からある時間が経過した後に
活性化合物のブリードが始まるようにするためには、あ
る一定割合の蒸散性可塑剤が蒸散しないと、樹脂組成物
中の活性化合物の濃度が過飽和にならないように蒸散性
可塑剤の量比を高く設定すればよい。活性化合物の樹脂
への飽和溶解度は前述した蒸散性可塑剤の場合と同様な
方法で求めることができる。また、蒸散による蒸散性可
塑剤の減少量(蒸散量)は、予め、成形体中の蒸散性可
塑剤の残存量の経時変化を測定しておく等の方法により
求めることができる。
ミングの調節は上記した蒸散性可塑剤の配合量と活性化
合物の配合量の比を変化させる方法以外に、蒸散性可塑
剤の蒸気圧を変えることによっても調節することができ
る。すなわち、活性化合物のブリードが早く始まる様に
するためには、蒸気圧のより高い蒸散性可塑剤を用いれ
ばよいし、逆に、遅くするためには、蒸気圧のより低い
蒸散性可塑剤を用いればよい。また、活性化合物のブリ
ードが始まるタイミングの調節は後述する、ブリード促
進剤の添加量によっても調節することができる。ブリー
ド速度の調整もこれらの方法で達成できる。Higuchi ら
の擬定常仮定( 参考文献:Higuchi ら、J.Pharm.Sci.,v
ol.50,874(1961))を本発明に適用すると、本発明におけ
る活性化合物のブリード速度は成形体の表面積、活性化
合物の拡散係数の平方根および活性化合物の過飽和分に
比例する。この知見より、活性化合物のブリード速度を
制御する場合、例えば、ブリード速度を高めるために
は、活性化合物の過飽和分を高めればよい。また、蒸散
速度の速い蒸散性可塑剤、例えば、蒸気圧の高い蒸散性
可塑剤を用いることにより、使用初期のブリード速度を
高めることもできる。
る活性化合物の種類と用途に適したものを選択すること
ができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン
等や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチ
ルメタクリレート等のエチレン性不飽和結合を有する有
機カルボン酸誘導体とエチレンとの共重合体、等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは、SBR 、
EPDM等の合成ゴム等である。これらの樹脂の中でも、ブ
リード速度を高めるという観点から、樹脂の分子鎖の運
動性が高く、ガラス転移温度が低い樹脂がより好まし
い、また、活性化合物との間で化学反応等を起こさない
ものが好ましい。特に、熱可塑性樹脂は賦形性、経済性
に優れ、さらに、熱可塑性樹脂の種類や添加される添加
剤の種類を適宜選択することで、活性化合物の溶解性や
拡散性を広範囲で制御できることから、活性化合物のブ
リードを制御する素材としてより好ましい。また、本発
明の樹脂組成物を成形加工するとき、活性化合物や蒸散
性可塑剤の分解、環境への蒸散、冷却水への溶出等によ
り、活性化合物や蒸散性可塑剤の消失を制御する観点か
ら、活性化合物や蒸散性可塑剤の分解温度または沸点よ
りも低い温度で成形加工が可能な樹脂を、上記熱可塑性
樹脂から選択することが好ましい。
じて、ブリード促進剤、上述した蒸散性可塑剤以外の可
塑剤(以下、単に可塑剤と略す場合がある)、安定剤、
充填剤、着色剤等を適宜配合することができる。このう
ち、ブリード促進剤、可塑剤は、活性化合物のブリード
性を向上、あるいはブリードした活性化合物の展着効果
を向上させる等、より有効にその活性を得ることを目的
として、好適に用いることができる。ブリード促進剤
は、活性化合物のブリード性を向上させるために用いる
ことができるが、特に、樹脂組成物中での活性化合物の
拡散性が低い場合に、拡散性を高めるために好適に用い
ることができる。
物中での拡散性が高いほど、樹脂組成物への溶解性が低
いほど、また、蒸散性可塑剤への溶解性が高いほど好ま
しい。特に、カルボン酸がブリード促進剤としては好ま
しく、その具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸や、安息香
酸等の芳香族カルボン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸
等のジカルボン酸、クエン酸等のトリカルボン酸が挙げ
られる。また、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフ
ェニルシロキサン等のシリコーン系化合物、フッ素系界
面活性剤等もブリード促進剤として例示できる。ブリー
ド促進剤の配合量は、前述したように、活性化合物のブ
リードが始まるタイミングにより、適宜設定できるが、
通常、樹脂100 重量部に対して0.1 〜100 重量部であ
り、1 〜50重量部がより好ましく、5 〜20重量部がさら
に好ましい。
ニル、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の樹脂を
用いる場合には、柔軟性や加工性等を付与するために通
常用いられる可塑剤を配合することができる。また、ポ
リ塩化ビニルのように、活性化合物の溶解性が大きい樹
脂を使用する場合には、蒸気圧が0.0001mmHg未満であ
り、樹脂に対する相溶性が低い可塑剤を用いる方が好ま
しい。このような樹脂に対する相溶性が低い可塑剤を用
いることにより、活性化合物の樹脂組成物に対する飽和
溶解度を低下させ、活性化合物のブリード性をより高め
る効果が期待できる。このような可塑剤としては、ポリ
塩化ビニル樹脂に対する相溶性が低い可塑剤として知ら
れているアジピン酸 ジイソノニル、アジピン酸 ジイ
ソデシル、アゼライン酸 ジ2−エチルヘキシル、セバ
シン酸 2−エチルヘキシル、エポキシ化大豆油、脂肪
族系ポリエステル等が挙げられる。
重量部に対して、0.1 〜200 重量部であり、好ましくは
5〜100 重量部、さらに好ましくは20〜60重量部であ
る。本発明の活性化合物、蒸散性可塑剤等の樹脂への配
合方法は特に限定されるものではなく、原料を例えば、
バンバリーミキサー、スーパーミキサー、押出機等の混
合機を用いて混合後、粉末状あるいはペレット状の樹脂
組成物とすることができる。また、活性化合物や蒸散性
可塑剤を含まない成形体を、後述する方法で、予め成形
し、得られた成形体を活性化合物と蒸散性可塑剤からな
る液体に浸漬、あるいは該液体を成形体に塗布する等に
より活性化合物と蒸散性可塑剤を成形体に含浸・吸収さ
せる等の方法により、活性化合物および蒸散性可塑剤を
配合してもよい。
成形して得られるものであれば、その形状、成形方法は
限定されるものではない。成形体の所望の使用条件、目
的に応じて、例えば、動物用首輪、イヤータッグ、メダ
ル等の用途に応じて、棒状、平板状、メッシュ状、丸
状、球状、扇状、三角形状等の種々の形状に加工した
り、ネット、繊維、不織布、シート、フィルム等の形状
に加工して使用することができる。なお、ここでいうイ
ヤータッグとは、家畜等の健康を良好に維持するため
に、家畜等の耳に装着し、飛来してくる害虫等を防除す
る防虫製品である。
形、プレス成形、スラッシュ(粉末)成形等の公知の成
形方法が例示できる。また、使用時の力学的物性の改
善、活性化合物の成形体表面の高濃度化、あるいは加工
成形性の向上等の目的に応じて、適宜多層押出成形、多
色射出成形、複合紡糸、押出ラミネート成形等の従来知
られている熱可塑性樹脂で用いられる種々の方法で加工
して使用することができる。成形体における、本発明の
樹脂組成物層は、目的に応じてどの層に配されていても
よい。
定されず、蒸散性の低い活性化合物が、比較的放出され
にくい用途、使用環境で、特に好適に使用できる。具体
的に例示すれば、活性化合物の活性や成形体の使用目的
に応じて、防虫・殺虫、防菌・防黴、防汚、除草、植物
成長調節、経皮治療、防錆性、滑り性、抗ブロッキング
性、界面活性、帯電防止等の活性を得るために成形体を
使用する事ができ、例えば、界面活性剤を配合した流滴
性フィルム、帯電防止剤を配合した帯電防止フィルム、
あるいは、防虫活性成分を配合した動物用防虫器具等
(例えば、動物用防虫首輪、動物用防虫イヤータッグ
等)の用途に用いることができる。特に、本発明の成形
体は防虫活性成分のブリードするタイミングを適切に調
節することができ、かつ防虫活性成分の利用率が高いこ
とから、本発明の樹脂組成物を成形して得られる動物用
防虫首輪、動物用防虫イヤータッグ、動物用防虫メダル
等を動物に装着することで、より高い防虫効果を得るこ
とができる。
の成形体からのブリードによる放出制御を達成するもの
である。放出制御の目的は、必要なときに、必要な場所
へ、必要な量の活性化合物を放出することにより、活性
化合物の効果をより高めることであり、放出制御を達成
する方法は数多く提案されている。本発明によればこの
目的を達成することができ、しかもシンプルで経済性に
優れる放出制御の方法を提供することができる。本発明
は、蒸散性が低い活性化合物に対してより好適に用いる
ことができる。さらに本発明によれば、密封条件におい
て、活性化合物が樹脂組成物中に安定的に保持され、開
放条件下での使用中には蒸散性可塑剤の蒸散に伴い活性
化合物がブリードするという特異な放出挙動を実現する
ことができ、活性化合物の利用率を向上させ、安定的に
長期間優れた活性を得ることができる。また、活性化合
物のブリードが始まるタイミングを調節することができ
る。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 〔実施例1〕スーパーミキサー用いて、約30℃で原材
料を投入し、徐々に130℃まで加熱した後、約80℃
まで冷却することにより、表1に示す処方の粉末状の樹
脂組成物を得た。次に、160℃に加熱したロールを用
いて5分間混練して得たシートを、シートペレタイザー
でペレット化した。このペレットを用いて、成形温度1
80℃でプレス成形を実施し、長さ8cm、幅5.2 c
m、厚み3mmのシートを得た(このシートの表面積は約
91cm2 であった)。このシートを、35℃に設定した
循環式オーブン内に3日間開放条件で吊り下げた後、表
面にブリードした成分を、紙(十條キンバリー製、キム
ワイプ)を用いて拭き取り、その重量を天秤を用いて精
秤することにより、開放条件下でのブリード量を測定し
た。同時に、このシートをアルミホイルで密封した状態
で、35℃、3日間のエージングを実施したのち、表面
にブリードした成分とアルミホイルに付着した成分と
を、上記と同様の方法で拭き取り精秤することにより、
密封条件下でのブリード量を測定した。また、高温での
保存時の外観状態を把握するため、50℃、3日間密閉
保存時のシートの外観状態を目視にて観察した。 これ
らの結果を表3に示した。開放条件では後述する比較例
1と比較して多量のブリードが認められ、密閉条件では
わずかな量のブリードしか認められず、密閉保存時のシ
ートの外観状態も良好であった。
は、実施例1と同様にして、開放条件および密封条件
で、35℃、3日間のエージングを実施した後、ブリー
ド量を測定した。また、50℃、3日間密閉保存時のシ
ートの外観状態を目視にて観察した。これらの結果を表
3に示した。開放条件では後述する比較例2、3と比較
して多量のブリードが認められ、密閉条件ではわずかな
量のブリードしか認められず、密閉保存時のシートの外
観状態も良好であった。
外は、実施例1と同様にして、開放条件および密封条件
で、35℃、3日間のエージングを実施した後、ブリー
ド量を測定した。また、50℃、3日間密閉保存時のシ
ートの外観状態を目視にて観察した。これらの結果を表
3に示した。開放条件でブリードが認められるものの、
密閉条件でもほぼ同量のブリードが認められ、密閉保存
時のシートの外観状態は不良であり、包材に用いたアル
ミホイルへの付着が多く認められた。
溶性が高い可塑剤であるDOA を用いた以外は、比較例3
と同様にして、開放条件および密封条件で、35℃、3
日間のエージングを実施した後、ブリード量を測定し
た。また、50℃、3日間密閉保存時のシートの外観状
態を目視にて観察した。これらの結果を表3に示した。
開放条件、密閉条件のいずれの場合にもほとんどブリー
ドが認められなかった。
て、表2に示す処方の粉末状の樹脂組成物を得た後、こ
の粉末を成形温度180℃で射出成形することにより、
長さ35cm、幅1cm、厚み3mmの動物用首輪形状の
成形品を得た(この成形品の表面積は約91cm2 であ
った)。実施例1と同様にして、この成形品を、開放条
件および密封条件で、35℃、3日間のエージングした
後のブリード量を測定した。また、50℃、3日間密閉
保存時の成形品の外観状態を目視にて観察した。これら
の結果を表3に示した。開放条件では多量のブリードが
認められ、密閉条件ではわずかな量のブリードしか認め
られず、密閉保存時のシートの外観状態も良好であっ
た。
23℃および35℃で28日間エージングし、この間の
ブリード量を7日毎に測定した結果を表4に示した。繰
り返し拭き取った際にも、開放条件では比較例5と比較
して多量のブリードが認められ、密閉条件ではわずかな
量のブリードしか認められなかった。また、開放条件で
14日間エージングした際にブリードした成分の組成分
析をガスクロマトグラフィーを用いて実施したところ、
23℃ではSUM 32%、DIDA56%、イソステアリン酸
12%であり、35℃ではSUM 30%、DIDA58%、イ
ソステアリン酸12%であった。
は、実施例3と同様にして、開放条件および密封条件
で、35℃、3日間のエージングを実施した後、ブリー
ド量を測定した。また、50℃、3日間密閉保存時のシ
ートの外観状態を目視にて観察した。これらの結果を表
3に示した。開放条件でブリードが認められるものの、
密閉条件でもほぼ同量のブリードが認められ、密閉保存
時のシートの外観状態は不良であった。
23℃および35℃で28日間エージングし、この間の
ブリード量を7日毎に測定した結果を表5に示した。繰
り返し拭き取った際にも、開放条件でブリードが認めら
れるものの、密閉条件でもほぼ同量のブリードが認めら
れ、密閉保存時のシートの外観状態は不良であり、包材
に用いたアルミホイルへの付着が多く認められた。ま
た、繰り返し拭き取った際のブリード量は、減少する傾
向にあった。開放条件で14日間エージングした際にブ
リードした成分の組成分析をガスクロマトグラフィーを
用いて実施したところ、23℃ではSUM 31%、DIDA6
9%であり、35℃ではSUM 36%、DIDA64%であっ
た。
いた主な物質は以下の通りである。 <樹脂> ・樹脂A:ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商
品名:スミリット(平均重合度1300 懸濁重合
品)) ・樹脂B:ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商
品名:スミリット(平均重合度1100 乳化重合
品)) <活性化合物> ・ペルメトリン:(住友化学工業(株)製、商品名:エ
クスミン、EXM と略、20℃での蒸気圧:5.5 ×10-7 m
mHg ) ・d−フェノトリン(住友化学工業(株)製、商品名:
スミスリン、SUM と略、20℃での蒸気圧:1.2 ×10-6
mmHg ) ・ピリプロキシフェン(住友化学工業(株)製、商品
名:スミラブ、SLV と略、20℃での蒸気圧:2.2 ×10
-6 mmHg ) <蒸散性可塑剤> ・コハク酸、グルタル酸、アジピン酸の混合メチルエス
テル(三建化工株式会社製、DBAMと略、20℃での蒸気
圧:0.1 mmHg ) ・リン酸トリエチル(黒金化成株式会社製、商品名:TE
P 、20℃での蒸気圧:0.3 mmHg) <可塑剤> ・アジピン酸ジイソデシル(三建化工株式会社製、DIDA
と略、20℃での蒸気圧:1 ×10-7 mmHg ) ・アジピン酸 ジ2−エチルヘキシル(三建化工株式会
社製、DOA と略、20℃での蒸気圧:7 ×10-7 mmHg ) <安定剤> ・O−130P:旭電化工業株式会社(エポキシ化大豆
油、二次可塑剤兼用) LPZ−793L:堺化学製(液状バリウム−亜鉛系安
定剤)
を8重量部とした以外は実施例7と同様にして、35℃で
3日毎にブリード量(mg/91cm2) を測定した結果を表6
に示した。
を4重量部とした以外は実施例7と同様にして、35℃で
3日毎にブリード量(mg/91cm2) を測定した結果を表6
に示した。
限放出が実現できる。
を6重量部とした以外は実施例7と同様にして、本発明
の樹脂成形体を得た。この成形体は動物用首輪として優
れた効果を示した。またこのシートを、35℃に設定し
た循環式恒温槽に吊し、約1週間毎に紙(十條キンバリ
ー製、キムワイプ)を用いてこの検体の表裏を拭き取っ
た。拭き取った紙をメタノールで抽出、希釈した後、液
体クロマトグラフィーによる有効成分の定量分析を実施
することにより、繰り返し拭き取り時のブリード量を測
定した。スミスリンおよびスミラブの首輪表面へのブリ
ード量の経時変化を図1および図2に示す。ブリード量
は、液体クロマトグラフィーによる定量値を、首輪の表
面積(91cm2 )と前回の拭き取り実施日からの経過日
数(原則7日)で除することにより算出した。有効な活
性成分のブリードが約4カ月間持続して認められた。
方の粉末状の樹脂組成物を得た。この粉末を成形温度1
50℃で射出成形することにより、長さ35cm、幅1
cm、厚み3mmの動物用首輪形状の成形品を得た(こ
の成形品の表面積は約91cm 2 である。)。この成形品
を実施例1と同様にして、開放条件および密封条件で、
35℃で3日間エージングを実施した後のブリード量を
測定した。また、50℃で3日間密封保存時の外観状態
を目視にて観察した。これらの結果を表8に示した。
品名:スミリット(平均重合度800 懸濁重合品)) ・樹脂B:ポリ塩化ビニル(住友化学工業(株)製、商
品名:スミリット(平均重合度1100 乳化重合
品)) <活性化合物> ・フェノブカルブ:(住友化学工業(株)製、商品名:
オスバック、BAKと略、20℃での蒸気圧:3.3 ×10
-4 mmHg ) <安定剤> ・ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニルセバテート(日産フェロ株式会社製、商品名:NF
90) ・4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキル
(C12〜C15)ホスファイト(日産フェロ株式会社
製、商品名:NF915) ・ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニルセバテートとn−オクタデシル−β−(4’−ヒド
ロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)プロピオネート
の混合物(日産フェロ株式会社製、商品名:Nx−80
3A) ・ビスフェノールAジグリシジルエーテル(日産フェロ
株式会社製、商品名:909) <加工助剤> ・低分子量ポリエチレン(日産フェロ株式会社製、商品
名:Lub)
の首輪表面へのブリード量の経時変化を表わすグラフで
ある。
Claims (20)
- 【請求項1】樹脂100 重量部、活性化合物0.01〜200 重
量部、および20℃における蒸気圧が0.001mmHg 以上で
ある蒸散性可塑剤0.1 〜100 重量部からなり、かつ、該
蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧(P1)と該活性
化合物の20℃における蒸気圧(P2)とが、式: P
1/P2≧2を満たす樹脂組成物。 - 【請求項2】蒸散性可塑剤が、常温(23℃)で液体状
のエステルである請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】活性化合物の20℃における蒸気圧が、0.
01mmHg未満である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】活性化合物が、防虫剤、防ダニ剤、忌避
剤、防菌・防黴剤、防汚剤、除草剤、植物成長調節剤、
経皮治療剤、防錆剤、滑剤、抗ブロッキング剤、界面活
性剤、帯電防止剤から選ばれた少なくとも1種以上であ
る請求項3記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】活性化合物が、防虫剤、防ダニ剤、忌避
剤、防菌・防黴剤、防汚剤から選ばれた少なくとも1種
以上である請求項3記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】活性化合物が、ピレスロイド系化合物、有
機リン系化合物、カーバメート系化合物、幼若ホルモン
様化合物から選ばれた少なくとも1種以上である請求項
3記載の樹脂組成物。 - 【請求項7】活性化合物が、ピレスロイド系化合物およ
び/または幼若ホルモン様化合物である請求項3記載の
樹脂組成物。 - 【請求項8】活性化合物が、カーバメート系化合物およ
び/または幼若ホルモン様化合物である請求項3記載の
樹脂組成物。 - 【請求項9】樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂である請求項
1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 【請求項10】20℃における蒸気圧が0.0001mmHg未満
である可塑剤0.1 〜200 重量部を添加してなる請求項1
または9記載の樹脂組成物。 - 【請求項11】ブリード促進剤0.1 〜100 重量部を添加
してなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組
成物。 - 【請求項12】蒸散性可塑剤の20℃における蒸気圧
(P1)と活性化合物の20℃における蒸気圧(P2)
が、式: P1/P2≧5を満たす請求項11記載の樹
脂組成物。 - 【請求項13】ブリード促進剤が、カルボン酸である請
求項11記載の樹脂組成物。 - 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項に記載の
樹脂組成物を成形して得られる成形体。 - 【請求項15】請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹
脂組成物を成形して得られる動物用首輪。 - 【請求項16】請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹
脂組成物を成形して得られる動物用イヤータッグ。 - 【請求項17】請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹
脂組成物を成形して得られる動物用メダル。 - 【請求項18】活性化合物0.01〜200 重量部、および2
0℃における蒸気圧が0.001mmHg 以上である蒸散性可塑
剤0.1 〜100 重量部からなる液で、かつ、該蒸散性可塑
剤の20℃における蒸気圧(P1)と該活性化合物の2
0℃における蒸気圧(P2)とが、式: P1/P2≧
2を満たす液を含浸してなる成形体。 - 【請求項19】請求項14記載の成形体を用いることを
特徴とする活性化合物のブリードの制御方法。 - 【請求項20】請求項14記載の成形体を用いる動物の
体表に棲息する害虫を駆除するための使用。
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