JPH0977983A - 新規フタロシアニン又はナフタロシアニン誘導体 - Google Patents

新規フタロシアニン又はナフタロシアニン誘導体

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JPH0977983A
JPH0977983A JP7236774A JP23677495A JPH0977983A JP H0977983 A JPH0977983 A JP H0977983A JP 7236774 A JP7236774 A JP 7236774A JP 23677495 A JP23677495 A JP 23677495A JP H0977983 A JPH0977983 A JP H0977983A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色後の耐水性に優れる緑色系のもしくは近
赤外吸収性の水溶性フタロシアニン又はナフタロシアニ
ン誘導体を提供すること。 【解決手段】 式 【化1】 [式中、Xは核置換したハロゲン原子であり、Mは2個の
水素原子、2価の金属原子、3価の1置換金属原子また
は4価の2置換金属原子であり、mは4または8であ
り、nは0〜12の整数である。]で表わされるフタロシ
アニン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フタロシアニン又
はナフタロシアニン誘導体に関する。特に、本発明は水
性インキやカラーフィルターに有用な緑色系のもしくは
近赤外光吸収性の水溶性フタロシアニン又はナフタロシ
アニン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン系有機顔料は、堅牢性、
耐久性に優れるため塗料やプラスチックの青色着色剤と
して使用されている。また、塩素化フタロシアニン顔料
等もフタロシアニングリーンとして使用されている。
【0003】しかし、フタロシアンニン系顔料は、有機
溶剤や水に不溶なので、使用に際してアシッドペーステ
ィングのような顔料化法により微細化する必要があり、
更に、顔料インキとして使用するためには煩雑な微分散
処理を必要とする。
【0004】一方、有機溶剤に溶解するフタロシアニン
染料としては、C.I.ソルベントブルー25及び70等に分類
されるものが知られている。この種の油溶性染料は、一
般に(銅)フタロシアニン顔料をクロロスルホン化して、
脂肪族アミン等と反応させスルホンアミド基をフタロシ
アニン核に導入することにより得られる。また、水溶性
フタロシアニン染料としては、フタロシアニン核に2〜
4個のスルホン基やカルボキシル基を導入したもの或い
は、ヒドロキシアルキルアミンで置換されたスルホンア
ミド基を有するもの(特公平2-24866号)等が知られてい
る。
【0005】水溶性のフタロシアニン染料は、近年、水
性インキやカラーフィルター用の着色剤として注目さ
れ、実用化されている。しかし、それらの多くは青色も
しくはシアン色のもので、緑色の水溶性フタロシアンニ
ンは殆ど知られていない。また、銅フタロシアニン系の
C.I.ダイレクトブルー86,87及びC.I.アシッドブルー249
等も緑色系用の補色色素として使用されているが、水溶
性や染色後の耐水性が不充分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、その目的とするところは、
染色後の耐水性に優れる緑色系のもしくは近赤外光吸収
性の水溶性フタロシアニン又はナフタロシアニン誘導体
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、式
【0008】
【化3】
【0009】又は
【0010】
【化4】
【0011】[式中、Xは核置換したハロゲン原子であ
り、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の1置
換金属原子または4価の2置換金属原子であり、mは4
または8であり、nは0〜12の整数である。]で表わさ
れるフタロシアニン又はナフタロシアニン誘導体を提供
するものであり、そのことにより、上記目的が達成され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】式[I]及び[II]に示す本発明
のフタロシアニン及びナフタロシアニンにおいて、o-ス
ルホベンズアミド基及びXはフタロシアニン及びナフタ
ロシアニン核に置換している核置換基である。XはCl、B
r、I及びF のようなハロゲン原子である。好ましくはCl
及びBrである。
【0013】本発明のフタロシアニン及びナフタロシア
ニンは、4個または8個のo-スルホベンズアミド基を置
換基として有する。つまり、フタロシアニン核又はナフ
タロシアニン核を構成する4個のベンゼン環又はナフタ
レン環は、それぞれ1個ずつo-スルホベンズアミド基を
有する場合とそれぞれ2個ずつo-スルホベンズアミド基
を有する場合とがある。好ましくは、o-スルホベンズア
ミド基の数は4個又は8個である。
【0014】本発明のフタロシアニン及びナフタロシア
ニンは、0〜12個のハロゲン原子を置換基として有す
る。ハロゲン原子の数は、所望の色調に応じて適宜調節
することができる。好ましくはハロゲン原子の数は0〜
4個である。
【0015】Mは、2個の水素原子(2H)、2価の金属原
子、3価の1置換金属原子または4価の2置換金属原子
である。
【0016】ここでいう「2個の水素原子」とは、それぞ
れ独立して窒素基に結合した2個の水素原子をいう。し
たがって、この場合、Mは式の中心部の相対する窒素原
子と共に2個のイミノ基(=N-H)を形成する独立した2個
の水素原子を表わす。所謂無金属フタロシアニン又はナ
フタロシアニンを形成する。
【0017】2価の金属原子の例としては、Cu、Zn、F
e、Co、Ni、Pb、Pt、Pd、Mn、Sn、Mg、Ba、Ca、Tiおよ
びBeなどが挙げられる。好ましくはCu、Ni、CoまたはFe
である。
【0018】ここでいう「3価の1置換金属原子」とは、
式 において窒素原子との結合に要する2個の原子価を
除く1原子価が、置換基との結合に用いられている3価
金属原子をいう。3価金属原子の例としてはAl、Ga、I
n、Ti、Mn、Fe等が挙げられる。好ましくはAl、Ga等で
ある。置換基の例としては、Cl、F、BrおよびIのような
ハロゲン基、メトキシ、エトキシおよびプロポキシのよ
うなアルコキシ基、フェノキシ基、およびヒドロキシ基
等が挙げられる。
【0019】ここでいう「4価の2置換金属原子」とは、
式 において窒素原子との結合に要する2個の原子価を
除く2原子価が、置換基との結合に用いられている4価
金属原子をいう。4価金属原子の例としてはCr、Si、G
e、V、MnおよびTi等が挙げられる。好ましくはGe、Si、
VおよびTi等である。更に好ましくはTiおよびVである。
置換基の例としては、上記3価金属原子の置換基と同様
なもの、および酸素原子等が挙げられる。「4価の2置
換金属原子」の例としては、GeCl2、SiF2、TiCl2、Si(O-
アルキル)2、Ge(O-アルキル)2、Si(O-フェニル)2、Ge(O-フェニル)2およ
びGe(OH)2等、置換基が酸素原子である場合は、V=O、Mn
=O、Ti=O等がある。
【0020】本発明のフタロシアニン誘導体は、アミノ
金属もしくは無金属フタロシアニンと無水オルトスルホ
安息香酸とを、非プロトン性有機溶媒中反応促進剤の存
在下に反応させる工程を包含する方法により製造するこ
とが好ましい。
【0021】アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
とは、フタロシアニン核に置換したアミノ基を有する金
属もしくは無金属フタロシアニン誘導体をいう。本発明
では、4個のアミノ基を有するテトラアミノ金属もしく
は無金属フタロシアニン又は8個のアミノ基を有するオ
クタアミノ金属もしくは無金属フタロシアニンを用い
る。これらのアミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
は、通常の条件ではアミノ基と反応しない他の置換基を
有してもよい。
【0022】他の置換基として好ましいものはハロゲン
原子である。得られるフタロシアニン誘導体の色調は、
フタロシアニン核に置換したハロゲン原子の種類及び数
により調節できるからである。
【0023】アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
は当業者に周知の方法により合成できる。
【0024】例えば、原料として4-ニトロフタロニトリ
ルを用い、テトラニトロ金属(Cu)又は無金属フタロシア
ニンを得(フタロニトリル法)、ついでこれを還元してテ
トラアミノ金属(Cu)又は無金属フタロシアニンを得る。
4,5-ジニトロフタロニトリルを原料として用いて、オク
タアミノ金属もしくは無金属フタロシアニンを得てもよ
く、また、4-ニトロ-5-クロロフタロニトリルを原料と
して用いて、テトラクロロテトラアミノ金属もしくは無
金属フタロシアニンを得てもよい。
【0025】また、例えば、「色材」(色材協会誌)、38、
100〜109、1964 には、原料として4-ニトロフタルイミ
ドまたは4-ニトロフタル酸無水物を用い、テトラニトロ
金属(Cu)フタロシアニンを得(ワイラー法)、ついでこれ
を還元してテトラアミノ金属(Cu)フタロシアニンを合成
する方法、及び、原料として4-クロロ-5-ニトロフタル
イミドを用い、テトラクロロテトラニトロ金属(Cu)フタ
ロシアニンを得(ワイラー法)、ついでこれを還元してテ
トラクロロテトラアミノ金属(Cu)フタロシアニンを合成
する方法が開示されている。
【0026】これらの方法を以下のスキームに示す。
【0027】
【化5】
【0028】本発明で用いるのに特に好ましいアミノ金
属もしくは無金属フタロシアニンには、テトラアミノ金
属もしくは無金属フタロシアニン、テトラクロロテトラ
アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン、オクタアミ
ノ金属もしくは無金属フタロシアニン、テトラブロモテ
トラアミノ金属もしくは無金属フタロシアニン及びポリ
クロロテトラアミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
が挙げられる。
【0029】ついで、このようにして得たアミノ金属も
しくは無金属フタロシアニンと無水オルトスルホ安息香
酸とを、非プロトン性有機溶媒中反応促進剤の存在下に
反応させる。アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
のアミノ基と無水オルトスルホ安息香酸の酸無水物基と
が反応することによりアミド結合が形成される。その結
果、フタロシアニン核にo-スルホンアミド基が導入さ
れ、式[I]で示す本発明のフタロシアニン誘導体が得ら
れる。
【0030】アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
と無水オルトスルホ安息香酸とはほぼ当量の関係におい
て反応させることが好ましい。本発明で用いるアミノ金
属もしくは無金属フタロシアニンは4個又は8個のアミ
ノ基を有するので、アミノ金属もしくは無金属フタロシ
アニン1モルに対して4又は8モルの無水オルトスルホ
安息香酸が一般に用いられる。好ましくはアミノ基1個
に対して1〜1.5倍当量用いる。
【0031】非プロトン性有機溶媒としては、ピリジ
ン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド、N-メチル-2-ピロリドン等を用いうる。好ましく
はピリジンである。溶媒の使用量は、特に限定されない
が、アミノ金属もしくは無金属フタロシアニンに対して
5〜50重量倍量、好ましくは10〜30重量倍量である。
【0032】反応促進剤(塩基触媒)としては、トリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、N-メチルピペリジン、ト
リエチレンジアミン、4-ジメチルアミノピリジン等を用
いうる。好ましくはトリエチルアミンである。反応促進
剤の使用量は、通常置換アミノ基1個に対して2〜5倍
当量、好ましくは3〜4倍当量用いる。
【0033】反応は、所定量のアミノ金属もしくは無金
属フタロシアニン、無水オルトスルホ安息香酸及び反応
促進剤を非プロトン性有機溶媒中に溶解させ、50℃以
上、好ましくは用いる溶媒の還流下で、0.5〜5時間、
好ましくは1〜2時間撹拌することにより行う。
【0034】得られる本発明のフタロシアニン誘導体
は、必要に応じてハロゲン化してもよい。このハロゲン
化は、当業者に周知の方法で行いうる。
【0035】アミノ金属もしくは無金属フタロシアニン
の代わりにアミノ金属もしくは無金属ナフタロシアニン
を用いること以外は上述と同様にして、本発明のナフタ
ロシアニン誘導体が得られる。アミノ金属もしくは無金
属ナフタロシアニンの合成についても、原料としてニト
ロナフタロニトリル又はニトロナフタルイミド等を用い
て、アミノ金属もしくは無金属フタロシアニンと同様に
行うことができる。
【0036】好ましくは、本発明のナフタロシアニン誘
導体は、テトラアミノ金属もしくは無金属ナフタロシア
ニン及びオクタアミノ金属もしくは無金属ナフタロシア
ニンからなる群から選択されるアミノナフタロシアニン
と、無水オルトスルホ安息香酸とを、非プロトン性有機
溶媒中反応促進剤の存在下に反応させる工程を包含する
方法により得られる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0038】合成例1 テトラアミノ銅フタロシアニンの合成 スルホラン400gに、4-ニトロフタルイミド64.0g、尿素8
4.4g、塩化第一銅10.0g及びモリブデン酸アンモニウム
1.0gを加え、180℃に加熱して、180〜190℃で6時間撹
拌して反応させた。反応液を140℃まで冷却した後、熱
濾過し、固形物をメタノールで洗浄し、さらに水洗し
た。次いで0.1%の稀苛性ソーダ水溶液で加熱処理した
後、稀塩酸水溶液でさらに加熱処理し、濾過、水洗、乾
燥した。これを98%濃硫酸に溶解させ、水中に注加し沈
殿させ、濾過、水洗、乾燥した。さらにこれをN,N'-ジ
メチルアセトアミドで煮沸処理して、濾過後、湯洗し、
精製テトラ(4)ニトロ銅フタロシアニンのウエットケー
キを得た。
【0039】微細にした精製テトラ(4)ニトロ銅フタロ
シアニンのウエットケーキを水1000ml中に懸濁させ、硫
化ソーダ(9水和物)200gを室温にて加え、30℃にて3時
間、さらに60℃にて4時間撹拌しながら還元した。生成
物を濾過、水洗、乾燥し、さらに、このもをジオキサン
で熱処理し、その後、これを98%濃硫酸に溶解させ、多
量の水に加え、沈殿物を濾過、水洗し、稀苛性ソーダ水
溶液にて中和し、テトラアミノ銅フタロシアニンを遊離
させ、水洗、乾燥して精製テトラ(4)アミノ銅フタロシ
アニン43.0gを得た。
【0040】合成例2 テトラアミノ無金属フタロシアニンの合成 4-ニトロフタロニトリル25.0g、アミルアルコール200g
を予め80〜90℃に加熱撹拌し、ここへDBU10gを15分を要
して滴下した後、140〜143℃で加熱撹拌及び還流を3時
間行った。熱濾過後は、合成例1と全く同様の手順及び
操作を行い、微細精製したテトラニトロ無金属フタロシ
アニンを水300mlに懸濁させ硫化ソーダ・9水和物70gを
用いて還元し、テトラアミノ無金属フタロシアニン10.6
gを得た。
【0041】合成例3 テトラクロロテトラアミノ銅フタロシアニンの合成 スルホラン100gに、4-クロロ-5-ニトロフタルイミド18.
7g、尿素21.1g、及び塩化第一銅2.2gを加え、100℃に加
熱して、昇温させ、180〜190℃で5.5時間反応した。反
応液を140℃まで冷却した後、熱濾過し、固形物をメタノ-ル
で洗浄し、さらに水洗した。以下合成例1と同様にし
て、精製テトラクロロテトラニトロ銅フタロシアニンを
得、次いで、得られた精製テトラクロロテトラニトロ銅
フタロシアニンを還元し、精製テトラクロロテトラアミ
ノ銅フタロシアニン13.4gを得た。
【0042】実施例1 テトラキス(スルホベンズアミド)銅フタロシアニン(C60
H36N12O16S4Cu=1371.5)の合成 合成例1で得たテトラアミノ銅フタロシアニン12.7g(20
mmol)、ピリジン300ml及びトリエチルアミン30mlの混合
物をあらかじめ80℃で30分間撹拌した。この混合物へ無
水オルトスルホ安息香酸18.4gを15分を要して徐々に加
えた。添加終了後、反応混合物を1時間撹拌還流させ
た。80℃まで放冷した後、ガラスフィルターを通して不
溶物を除去した。エバポレーターを使用して得られた溶
液から溶媒を留去した。得られた固体へアセトン200ml
を加え1時間撹拌還流させ、スラリー化した。濾取後ア
セトン200mlを振りかけ洗浄を加えた後、真空乾燥し、1
5.03g(収率54.3%)の緑色固体を得た。
【0043】以下に示す分析を行い、得られた化合物を
同定した。IR及び可視光吸収スペクトルをそれぞれ図1
及び図2に示す。
【0044】
【表1】 IR(KBr,cm-1) ν=3340,3054,2679,1668,1606,1558,1506,1489,1436,14
05,1348,1299,1228,1189,1140,1097,1018,746,617可視光吸収スペクトル(水溶液) λmax=638.2nm ε=3.76×10
【0045】ついで、得られた化合物の室温における溶
解性を測定し、以下に示す結果を得た。
【0046】
【表2】溶解性 水 >10% メタノール > 5% アセトン 不溶
【0047】実施例2 テトラキス(スルホベンズアミド)フタロシアニン(C60H
36N12O16S4=1310)の合成 合成例2で得たテトラアミノ無金属フタロシアニン1.0
g、ピリジン30ml及びトリエチルアミン3mlの混合物と
無水オルトスルホ安息香酸1.5gを用いること以外は実施
例1と同様の手順及び操作により、1.18g(収率52.2%)
の緑色固体を得た。
【0048】以下に示す分析を行い、得られた化合物を
同定した。IR及び可視光吸収スペクトルをそれぞれ図3
及び図4に示す。
【0049】
【表3】 IR(KBr,cm-1) ν=3450,3296,3060,2680,166
6,1606,1554,1482,1346,129
9,1230,1192,1140,1097,102
0,752,617可視光吸収スペクトル(水溶液) λmax=650.0nm ε=2.56×104
【0050】ついで、得られた化合物の室温における溶
解性を測定し、以下に示す結果を得た。
【0051】
【表4】溶解性 水 >10% メタノール > 5% アセトン 不溶
【0052】実施例3 テトラクロロテトラキス(スルホベンズアミド)銅フタロ
シアニン(C60H36N12O16Cl4S4Cu=1509.5)の合成 合成例3で得たテトラクロロテトラアミノ銅フタロシア
ニン14.1g(20mmol)、ピリジン300ml、トリエチルアミン
30mlの混合物及び無水オルトスルホ安息香酸18.4gを用
いること以外は実施例1と同様の手順及び操作により、
16.4gの緑色固体を得た。
【0053】実施例1と同様に分析を行い、得られた化
合物を同定した。
【0054】実施例4 テトラキス(スルホベンズアミド)ニッケルナフタロシア
ニン(C76H44N12O16S4Ni=1566.7)の合成 常法により5-ニトロ-1,2-ジシアノナフタレンを合成し
た後、キノリン中塩化ニッケルと縮合してテトラニトロ
ニッケルナフタロシアニンを得た。このテトラニトロニ
ッケルナフタロシアニンを合成例1と同様にニトロ基の
還元を行いテトラアミノニッケルナフタロシアニンを得
た。
【0055】得られたテトラアミノニッケルナフタロシ
アニン0.30g、ピリジン3ml及びトリエチルアミン0.33m
lの混合物、及び無水オルトスルホ安息香酸0.67gを用い
ること以外は実施例1と同様の手順及び操作により、0.
433g(収率76.8%)の黄緑色固体を得た。
【0056】以下に示す分析を行い、得られた化合物を
同定した。IR及び可視光吸収スペクトルをそれぞれ図5
及び図6に示す。
【0057】
【表5】 IR(KBr,cm-1) ν=3437,3052,2680,1664,1620,1595,1554,1502,1461,13
71,1342,1290,1228,1190,1140,1097,1082,1018,752,617可視光吸収スペクトル(希アルカリ水溶液) λmax=708.2nm ε=2.35×104
【0058】ついで、得られた化合物の室温における溶
解性を測定し、以下に示す結果を得た。
【0059】
【表6】溶解性 稀アルカリ水溶液 < 1.5% メタノール < 0.1% DMF > 2.0% アセトン 不溶
【0060】実施例5 テトラキス(スルホベンズアミド)銅ナフタロシアニン(C
76H44N12O16S4Cu=1571.5)の合成 常法により5-ニトロ-1,2-ジシアノナフタレンを合成し
た後、キノリン中塩化銅と縮合してテトラニトロ銅ナフ
タロシアニンを得た。このテトラニトロ銅ナフタロシア
ニンを合成例1と同様にニトロ基の還元を行いテトラア
ミノ銅ナフタロシアニンを得た。
【0061】得られたテトラアミノ銅ナフタロシアニン
0.30g、ピリジン3ml及びトリエチルアミン0.33mlの混
合物、及び無水オルトスルホ安息香酸0.67gを用いるこ
と以外は実施例1と全く同様の手順及び操作により、0.
266g(収率47.0%)の黄緑色固体を得た。
【0062】以下に示す分析を行い、得られた化合物を
同定した。IR及び可視光吸収スペクトルをそれぞれ図7
及び図8に示す。
【0063】
【表7】 IR(KBr,cm-1) ν=3427,3062,1668,1616,1595,1558,1540,1500,1458,13
63,1342,1327,1290,1230,1186,1140,1082,1018,746,615可視光吸収スペクトル(希アルカリ水溶液) λmax=696.4nm ε=3.10×104
【0064】ついで、得られた化合物の室温における溶
解性を測定し、以下に示す結果を得た。
【0065】
【表8】溶解性 稀アルカリ水溶液 < 1.5% メタノール < 0.1% DMF > 2.0% アセトン 不溶
【0066】応用例(インクジェット用水性インキ) 実施例1で得られた本発明の水溶性フタロシアニン誘導
体テトラキス(スルホベンズアミド)銅フタロシアニン、
及び比較例として4-スルホン酸ナトリウムフタル酸無水
物からワイラー法によって合成したテトラスルホン酸銅
フタロシアニン(C.I.アシッドブルー249)を用いて下記
組成のインクジェット用水性インキ、インク1及びイン
ク2を作成した。
【0067】
【表9】 インク1(pH=7.7) 水(イオン交換水) 88.2% N-メチル-2-ピロリドン 4.9% エタノール 4.9% テトラキス(スルホベンズアミド)銅フタロシアニン 2.0%
【0068】
【表10】 インク2(pH=6.9) 水(イオン交換水) 88.2% N-メチル-2-ピロリドン 4.9% エタノール 4.9% テトラスルホン酸銅フタロシアニン 2.0%
【0069】インク1及び2を用いてセイコーエプソン
社製インクジェットプリンター(HG5130)で印字
した後、耐水性の比較試験を行った。耐水性試験は、印
字した紙を24時間以上風乾した後、流水中30秒、及び静
水中1時間それぞれ浸漬し、濃度計(MACBETH TR927)を
用いて紙上のインク濃度を測定し、浸漬後の濃度の浸漬
前の濃度に対する%で評価した。結果を表1に示す。
【0070】
【表11】 流水中30秒 静水中1時間 フィルター インク1 インク2 インク1 インク2 WHITE 71% 53% 73% 16% RED 67% 59% 70% 15% GREEN 68% 46% 70% 17% BLUE 68% 45% 70% 22%
【0071】以上の耐水性試験結果から明らかなよう
に、本発明のフタロシアニン誘導体を用いて作成したイ
ンキは、耐水性が格段に向上していた。
【0072】
【発明の効果】染色後の耐水性に優れる緑色の水溶性フ
タロシアニン又はナフタロシアニン誘導体が提供され
た。
【0073】本発明のフタロシアニン又はナフタロシア
ニン誘導体は、水性インキ用色素として有用であり、イ
ンクジェット記録用インキに用いた場合には、高品質な
画像(耐水性があり、光学濃度が高く、ブリードがない
鮮明な画像)が得られる。また、緑色フィルター 用の
着色剤として用いた場合には、透過性の良い光学素子が
得られる。さらに、近赤外線吸収フィルター用としても
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたフタロシアニン誘導体の
IRスペクトルである。
【図2】 実施例1で得られたフタロシアニン誘導体の
可視光吸収スペクトルである。
【図3】 実施例2で得られたフタロシアニン誘導体の
IRスペクトルである。
【図4】 実施例2で得られたフタロシアニン誘導体の
可視光吸収スペクトルである。
【図5】 実施例4で得られたナフタロシアニン誘導体
のIRスペクトルである。
【図6】 実施例4で得られたナフタロシアニン誘導体
の可視光吸収スペクトルである。
【図7】 実施例5で得られたナフタロシアニン誘導体
のIRスペクトルである。
【図8】 実施例5で得られたナフタロシアニン誘導体
の可視光吸収スペクトルである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、Xは核置換したハロゲン原子であり、Mは2個の
    水素原子、2価の金属原子、3価の1置換金属原子また
    は4価の2置換金属原子であり、mは4または8であ
    り、nは0〜12の整数である。]で表わされるフタロシ
    アニン誘導体。
  2. 【請求項2】 テトラアミノ金属もしくは無金属フタロ
    シアニン及びオクタアミノ金属もしくは無金属フタロシ
    アニンからなる群から選択されるアミノ金属もしくは無
    金属フタロシアニンと、無水オルトスルホ安息香酸と
    を、非プロトン性有機溶媒中反応促進剤の存在下に反応
    させる工程を包含するフタロシアニン誘導体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 式 【化2】 [式中、Xは核置換したハロゲン原子であり、Mは2個の
    水素原子、2価の金属原子、3価の1置換金属原子また
    は4価の2置換金属原子であり、mは4または8であ
    り、nは0〜12の整数である。]で表わされるナフタロ
    シアニン誘導体。
  4. 【請求項4】 テトラアミノ金属もしくは無金属ナフタ
    ロシアニン及びオクタアミノ金属もしくは無金属ナフタ
    ロシアニンからなる群から選択されるアミノナフタロシ
    アニンと、無水オルトスルホ安息香酸とを、非プロトン
    性有機溶媒中反応促進剤の存在下に反応させる工程を包
    含するナフタロシアニン誘導体の製造方法。
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