JPH0982231A - マイクロ波イオン源 - Google Patents

マイクロ波イオン源

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JPH0982231A
JPH0982231A JP7232930A JP23293095A JPH0982231A JP H0982231 A JPH0982231 A JP H0982231A JP 7232930 A JP7232930 A JP 7232930A JP 23293095 A JP23293095 A JP 23293095A JP H0982231 A JPH0982231 A JP H0982231A
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JP
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plasma chamber
liner
window
wall
plasma
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JP7232930A
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English (en)
Inventor
Kazunori Hikawa
和紀 飛川
Shohei Okuda
昌平 奥田
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ室内壁(ウインドウ4、ライナ5、
シールド6)を、プラズマチャンバ1のイオン引出側よ
り取り外せる構成にすることによって、メンテナンス性
の向上を図る。 【解決手段】 ウインドウ4とライナ5とが、切りかき
加工や螺子加工などによって着脱自在に形成されてお
り、メンテナンスの際にプラズマチャンバ1からプラズ
マ室内壁を取り出すときにはウインドウ4とライナ5と
が一体構造である一方、取り出し後の清掃時にはそれら
を分割して別体として扱うことができるような構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばイオン注入
装置等に供され、プラズマを生成してそのプラズマから
イオンを引き出すマイクロ波イオン源に関し、特に、プ
ラズマチャンバの内壁面が誘電体で被われているマイク
ロ波イオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、元素をプラズマ化し、プラズマ中
のイオンをイオンビームとして引き出すイオン源は、イ
オン注入装置をはじめとして様々な分野に利用されてい
る。このイオン源には、ECR(Electron Cyclotron R
esonance)イオン源などのマイクロ波型や、フリーマン
イオン源などのPIG(Penning Ionization Gauge)型
といった多くの種類が存在しており、これらの各種のイ
オン源は、必要とされるイオン種やエネルギー、電流な
どに応じて最適の機種が使い分けられるようになってい
る。
【0003】例えばフリーマンイオン源などのフィラメ
ントを有するイオン源の場合、当該フィラメントの消耗
によって比較的寿命が短く、保守を頻繁に行う必要があ
る。これに対して、マイクロ波を利用したECRイオン
源などでは、フィラメントを使用しないため、寿命の面
では有利である。以下に、ECRイオン源を例に挙げて
その構成を説明する。
【0004】図12に示すように、上記ECRイオン源
は、図示しないマグネトロンから出力されたマイクロ波
をマイクロ波導入ロッド53およびウインドウ(マイク
ロ波導入窓)54を介してプラズマチャンバ51の内部
(プラズマ室)に導入し、電子サイクロトロン共鳴(E
CR)条件の磁場中でマイクロ波放電を生じさせ、ガス
フィードスルー57を通して内部に導入されているガス
状のイオン源物質をプラズマ化させるようになってい
る。
【0005】また、上記プラズマチャンバ51内でプラ
ズマが生成された後、該プラズマチャンバ51とその外
部に設けられた引出電極系60との間に高電圧(引出し
電圧)を印加して電界を生じさせることにより、プラズ
マチャンバ51のプラズマスリット52からイオンが引
き出され、イオンビームが形成されるようになってい
る。このようにして形成されたイオンビームは、例えば
イオン注入等の処理に用いられる。
【0006】上記プラズマチャンバ51の内壁はBNな
どの誘電体で被われている。これは、もしも導電性のプ
ラズマチャンバ51の内壁が誘電体で覆われていなけれ
ば、プラズマ形成物質によるスパッタによってチャンバ
内壁から飛び出した導電性物質がウインドウ54に付着
してマイクロ波が反射され、チャンバ内へのマイクロ波
の導入効率が低下するといった不都合が生じるからであ
る。
【0007】通常、誘電体よりなるプラズマ室内壁は、
上述のウインドウ54、プラズマチャンバ51の側壁の
内面を被うライナ55、およびプラズマスリット52の
内側の面を被うシールド56の3つに分割されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなECRイ
オン源では、累積運転時間の増加とともに、プラズマ室
内壁が、イオン種物質、或いはプラズマスリット52や
引出電極系60などを構成する材質であるカーボン等の
導電性物質によって汚染されるため、定期的なメンテナ
ンスが必要になる。ECRイオン源のプラズマ室の場
合、フィラメントを使用していないので、イオン源のメ
ンテナンス作業は、主にプラズマ室内壁の清掃を目的と
してなされる。このため、当該内壁部分の清掃時間がメ
ンテナンス時間を決定する大きな要因となる。
【0009】尚、プラズマ室内壁の清掃とは、プラズマ
室へのマイクロ波の導入を妨げるウインドウ54への付
着物の除去を主目的としたものであるため、メンテナン
ス作業にあたってはプラズマチャンバ51内からウイン
ドウ54を取り出す必要がある。
【0010】上記従来の構成では、ウインドウ54とラ
イナ55とが分離されているため、メンテナンス作業
時、プラズマチャンバ51内からウインドウ54を取り
出そうとすると、プラズマ室外壁まで取り外さなければ
ならない。通常でもプラズマ室外壁を取り外すとすれば
手間がかかるが、今日では、プラズマ室外壁面に加熱用
のヒーター線58が取り付けられているタイプのものも
あり、そのようなタイプでは特にその取り外しに複雑な
作業を要し、時間がかかる。
【0011】尚、ウインドウ54とライナ55とを一体
とすると、ライナ55を引き出せばプラズマ室外壁を取
り外さずにウインドウ54を取り出すことができるが、
この一体物はコップ状の形状となるため、コップの底部
にあたるウインドウ54表面の汚れの清掃(やすり等で
表面の付着物を削り取る作業)が困難となる。
【0012】また、プラズマ室内壁の側面を形成するラ
イナ55は、プラズマチャンバ51内において特別な位
置決め機構を持たないので、例えば水平方向引出のイオ
ン源においては、図13に示すように、ライナ55は自
重によってプラズマチャンバ51内で下側に偏った位置
をとる。このように、プラズマチャンバ51内における
ライナ55の位置ずれが生じると、以下のような不都合
が生じる。
【0013】すなわち、実質的にプラズマ室の内部空間
を形成するライナ55と、プラズマスリット52に形成
されたイオン引出孔52aとの位置関係にずれが生じる
ので、プラズマシース面の状態に悪影響を与え、良好な
ビーム引出系を形成することが困難になると同時に、位
置の再現性がビームの再現性に影響してくる。特に、イ
オン源をコンパクトに設計する場合、プラズマチャンバ
51の直径に対するイオン引出孔52aのスリット長手
方向の長さの割合が大きくなり、イオン引出孔52aの
端部とライナ55との距離が近くなるので、ライナ55
とイオン引出孔52aとの位置関係は重要となる。
【0014】上記のような不都合を解消する方法とし
て、プラズマ室外壁であるプラズマチャンバ51の内径
とプラズマ室内壁であるライナ55の外径とを略同じに
して、両者の嵌合によってプラズマチャンバ51内にお
けるライナ55の位置決めを行うことが考えられる。し
かしながら、この場合、標準的なパイプをそのまま使用
することはできず、高精度の加工が必要となるのでコス
ト高を招来する。また、プラズマチャンバ51とライナ
55との嵌合部分が長いので、かなりの加工精度が要求
される。さらに、この場合、プラズマチャンバ51の内
径とライナ55の外径とを略同径に加工しているので、
プラズマチャンバ51に対するライナ55の着脱を容易
に行うことはできず、メンテナンス作業が困難になると
いう問題もある。
【0015】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、誘電体よりなるプラズマ室内壁を、プ
ラズマ室前方(イオン引出側)より全て取り外せる構成
にすることによって、メンテナンス性の向上を図ること
ができるイオン源を提供することにある。また、本発明
のその他の目的は、プラズマ室内壁の側面を形成するラ
イナ55のプラズマチャンバ51内における位置決めを
簡単且つ確実に行うことができるマイクロ波イオン源を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るマ
イクロ波イオン源は、一壁面にマイクロ波導入部を有す
ると共に、それと対向する壁面にイオン引出部を有し、
内部がプラズマを生成するためのプラズマ室となるプラ
ズマチャンバを備え、当該プラズマチャンバの内壁面
が、プラズマ室内壁を形成する誘電体にて被われている
ものであって、上記の課題を解決するために、以下の手
段が講じられていることを特徴としている。
【0017】すなわち、上記マイクロ波導入部を有する
プラズマチャンバの内壁面を被う第1のプラズマ室内壁
部分と、マイクロ波導入部およびイオン引出部が存在し
ないプラズマチャンバの側壁面を被う筒状の第2のプラ
ズマ室内壁部分とが、着脱自在に形成されている。
【0018】上記の構成によれば、第1のプラズマ室内
壁部分と第2のプラズマ室内壁部分とが着脱自在に形成
されているので、メンテナンス時にプラズマチャンバか
らプラズマ室内壁を取り出すときには、第1のプラズマ
室内壁部分と第2のプラズマ室内壁部分とが一体構造で
ある一方、取り出し後の清掃時には両者を分割して別体
として扱うことができる。
【0019】このため、イオン源のメンテナンス作業の
際、プラズマチャンバのイオン引出部側の壁面を取り外
してイオン引出側だけを開放し、第2のプラズマ室内壁
部分を引き出せば、同時に第1のプラズマ室内壁部分も
プラズマチャンバ内より取り出すことができる。このよ
うに、プラズマチャンバを完全に分解することなく、プ
ラズマ室内壁を容易に取り出すことができるので、従来
よりもメンテナンス性に優れている。
【0020】また、プラズマチャンバ内よりプラズマ室
内壁を取り出した後は、第1のプラズマ室内壁部分と第
2のプラズマ室内壁部分とを分割して別々に清掃するこ
とができるので、実際の清掃作業には何ら支障は生じな
い。
【0021】請求項2の発明に係るマイクロ波イオン源
は、上記請求項1の発明の構成において、上記マイクロ
波導入部からプラズマ室へマイクロ波を導入するための
誘電体よりなるマイクロ波導入ロッドを備え、上記マイ
クロ波導入ロッドと上記第1のプラズマ室内壁部分との
何れか一方に位置決め用凸部、他方に当該位置決め用凸
部と嵌合する位置決め用凹部が形成されていることを特
徴としている。
【0022】上記の構成によれば、マイクロ波導入ロッ
ドと第1のプラズマ室内壁部分とに形成された位置決め
用凸部と位置決め用凹部との嵌合によって、プラズマチ
ャンバ内における第1のプラズマ室内壁部分の位置決め
がなされ、これにより、第1のプラズマ室内壁部分と一
体構成の第2のプラズマ室内壁部分もプラズマチャンバ
内において位置決めがなされる。この構成では、プラズ
マチャンバ自体を位置決めに使用しないので、第1およ
び第2のプラズマ室内壁部分とプラズマチャンバとの嵌
め合い公差を別段気にせずにイオン源を設計製作でき、
プラズマ室内壁の位置決めのための加工精度が大幅に緩
和される。
【0023】さらに、第1および第2のプラズマ室内壁
の外径をプラズマチャンバから余裕をもって引き出せる
寸法にすることができるので、第1および第2のプラズ
マ室内壁をプラズマチャンバのイオン引出側から出し入
れする場合、プラズマチャンバの内壁に引っ掛かること
なく容易に出し入れすることができる。したがって、メ
ンテナンス性のさらなる向上が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕発明の実施の一形態について図1ない
し図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】本実施形態のマイクロ波イオン源は、電子
サイクロトロン共鳴条件の磁場中でマイクロ波放電を生
じさせてプラズマを生成し、このプラズマからイオンを
ビームとして引き出すECRイオン源であり、例えばイ
オン注入装置等のイオンビーム応用装置に適用される。
【0026】上記イオン源は、例えば2.45GHzのマ
イクロ波を出力するマグネトロンと、このマグネトロン
を作動させるマグネトロン電源とを有しており、図2に
示すように、マグネトロンが発生したマイクロ波は、図
示しない導波管およびこの導波管と接続されたセラミッ
クなどの誘電体よりなるマイクロ波導入ロッド3を介し
て円筒状のプラズマチャンバ1へと導かれる。
【0027】上記のプラズマチャンバ1は、その内部が
イオン源物質をプラズマ化するためのプラズマ室になっ
ており、このプラズマチャンバ1には、BF3 等のガス
状のイオン源物質をプラズマ室へ導入するためのガス導
入管13、および金属等の固体イオン源物質を蒸気化す
る固体オーブン14が接続されている。
【0028】上記マイクロ波導入ロッド3は、金属性の
トランジションチューブ20内に嵌挿されてプラズマチ
ャンバ1に接続されている。そして、上記プラズマチャ
ンバ1のマイクロ波導入ロッド3と接続される壁面(マ
イクロ波導入部を有する一壁面)には、BN等の誘電体
よりなるウインドウ4(第1のプラズマ室内壁部分)が
配設されている。このウインドウ4は、マイクロ波導入
ロッド3を通ってきたマイクロ波をプラズマチャンバ1
内に導入させるものである。また、このウインドウ4
は、後述のように、誘電体からなるプラズマ室内壁の後
面を形成する部材でもある。
【0029】上記プラズマチャンバ1のウインドウ4と
対向する壁面は、スリット状のイオン引出孔2aが穿設
されたプラズマスリット2(イオン引出部)にて形成さ
れている。
【0030】プラズマ室の外壁を形成する上記プラズマ
チャンバ1は、ステンレスやモリブデン等の金属により
形成されている。そして、プラズマチャンバ1の内壁は
BN等の誘電体にて被われている。すなわち、プラズマ
チャンバ1の後面(マイクロ波導入側)は上記ウインド
ウ4により、その側面はBN等の誘電体からなるライナ
5(第2のプラズマ室内壁部分)により、その前面(イ
オン引出側)はBN等の誘電体からなるシールド6によ
ってそれぞれ被われている。
【0031】上記ウインドウ4とライナ5とは、着脱可
能な構成となっている。
【0032】その一具体例としては、図3に示すよう
に、ウインドウ4およびライナ5の接続部に切りかき加
工を施したものがある。尚、ウインドウ4に穿設された
貫通孔4bは、ガス導入管13より供給されるガスの導
入口であり、貫通孔4cは、固体オーブン14より供給
される蒸気の導入口である。上記ウインドウ4の詳細を
図4および図5に、ライナ5の詳細を図6および図7に
示す。
【0033】図4はウインドウ4をライナ5との接続側
から見たときの平面図であり、図5は当該ウインドウ4
の正面図である。ウインドウ4の周縁部は、ライナ5の
外径と略同じかそれより若干大きい大径部4dと、ライ
ナ5の内径と略同じかそれより若干小さい小径部4eと
からなり、小径部4eには2つの凸部4a・4aが形成
されている。上記凸部4aの先端の中心からの距離は、
ライナ5の内径の半径より大きく、且つ、ライナ5の外
径の半径より小さく形成されている。
【0034】図6は、ライナ5をウインドウ4との接続
側から見たときの平面図であり、図7は図6のライナ5
のA−A矢視断面図である。ライナ5のウインドウ4と
の接続端付近の内壁面には、上記の凸部4a・4aが入
り込む係合溝5aが形成されている。また、ライナ5の
ウインドウ4との接続端には、上記ウインドウ4の凸部
4a・4aを係合溝5aに導くための切りかき部5b・
5bが形成されている。
【0035】図3に示すように、ウインドウ4の凸部4
a・4aをライナ5の切りかき部5b・5bと一致させ
て嵌め込んだ後、周方向に回せば、ウインドウ4とライ
ナ5とを簡単に一体化できる。また、これと逆の操作を
行えば、ウインドウ4とライナ5とを簡単に分離するこ
ともできる。
【0036】ウインドウ4とライナ5とが着脱可能なそ
の他の具体例としては、図8に示すように、ウインドウ
4およびライナ5の接続部に螺子加工を施したものがあ
る。すなわち、ウインドウ4の小径部4eに凸螺子、ラ
イナ5側にそれと螺合する凹螺子を形成したものであ
る。この構成でも切りかき加工の場合と同様に、ウイン
ドウ4とライナ5とを簡単に一体化および分離すること
ができる。
【0037】図2に示すように、上記プラズマチャンバ
1の外部には、プラズマスリット2と対向する位置に引
出電極系10が配設されている。この引出電極系10
は、中央部にビーム通過孔8a・9aがそれぞれ形成さ
れた引出電極8および接地電極9からなる。上記接地電
極9とプラズマチャンバ1との間には引出電源11、そ
して引出電極8と接地電極9との間には減速電源12が
接続されている。上記接地電極9は大地電位に、そし
て、接地電極9よりもプラズマチャンバ1側に設けられ
た引出電極8は、減速電源12によって接地電極9より
も負電位になっている。
【0038】上記引出電源11によって引出電極系10
がプラズマチャンバ1よりも負電位になるような高電圧
が印加されると、プラズマスリット2の周囲に強い外部
電界が形成され、この外部電界により、プラズマチャン
バ1内のイオンが引き出され、イオンビームが形成され
るようになっている。尚、上記のように、引出電極8を
接地電極9よりも負電位にすることにより、引出電極8
よりも下流で発生した電子の逆流を防ぐことができるよ
うになっている。
【0039】上記プラズマチャンバ1は、図示しない真
空排気手段によって高真空状態に保持されている。ま
た、プラズマチャンバ1は、引出電極系10と共に図示
しないイオン源チャンバに内蔵されており、このイオン
源チャンバの内部も、図示しない真空排気手段によって
高真空状態に保持されている。
【0040】また、プラズマチャンバ1の周囲には、ソ
レノイドコイルを備えたソースマグネット15が配設さ
れており、このソースマグネット15は、プラズマチャ
ンバ1内に、ビームの引き出し方向と略平行な電子サイ
クロトロン共鳴条件の磁場を形成するようになってい
る。
【0041】また、プラズマチャンバ1の外壁面には、
プラズマチャンバ1を加熱するためのヒーター線16が
巻回されている。
【0042】上記の構成において、イオン源の動作につ
いて説明する。
【0043】先ず、プラズマチャンバ1およびイオン源
チャンバが真空排気手段によって高真空に保持された状
態で、ソースマグネット15にてプラズマチャンバ1内
に電子サイクロトロン共鳴条件の磁場を形成し、マグネ
トロンより出力されて導波管を通ってきたマイクロ波を
マイクロ波導入ロッド3およびウインドウ4を介してプ
ラズマチャンバ1内へ導入し、プラズマチャンバ1内に
ガス状のイオン源物質を導入する。これにより、ECR
現象によるマイクロ波放電が生じ、プラズマチャンバ1
内に導入されているイオン源物質がプラズマ化してイオ
ンが発生する。プラズマの点灯後は、プラズマチャンバ
1内に導入されたマイクロ波がプラズマに吸収され、プ
ラズマが維持される。その後、電界によってプラズマス
リット2のイオン引出孔2aからプラズマチャンバ1内
のイオンを引き出してイオンビームを形成する。このイ
オンビームはイオン注入処理等に用いられる。
【0044】上記のイオン源が長時間使用されると、プ
ラズマ室内壁が、イオン種物質、或いはプラズマスリッ
ト2や引出電極系10などを構成する材質であるカーボ
ン等の導電性物質によって汚染される。そこで、次に、
イオン源のメンテナンス作業について説明する。
【0045】先ず、図1に示すように、プラズマ室の前
方側(イオン引出側)を開放するため、プラズマチャン
バ1本体よりプラズマスリット2およびシールド6を取
り外す。例えば、プラズマスリット2の取り付けに螺子
が用いられている場合は、その螺子の取り外しを行う。
また、図9に示すように、プラズマチャンバ1の径より
も大きな径を有する円筒状のプラズマチャンバカバー1
7と、このプラズマチャンバカバー17をイオン引出方
向とは反対方向に付勢する複数のバネフック18…とを
用いて、バネの付勢力によってプラズマスリット2を固
定している場合、プラズマチャンバカバー17を取り外
せば、プラズマスリット2およびシールド6を容易に取
り外すことができる。
【0046】次に、図1に示すように、開放されたプラ
ズマ室の前方側からライナ5を引き出す。この場合、ラ
イナ5とウインドウ4とは一体構造であるため、ライナ
5を引き出すことによってウインドウ4も同時にプラズ
マチャンバ1から取り出すことが可能である。
【0047】一体構造のライナ5およびウインドウ4を
プラズマチャンバ1から取り出した後は、図3または図
8に示すように、ウインドウ4とライナ5とを分離す
る。そして、ウインドウ4とライナ5とを別々に清掃
(やすり等で内表面の付着物を削り取る作業)する。ま
た、先に取り外したシールド6の内側の面の清掃も行
う。
【0048】上記の清掃作業が完了すれば、再度、ウイ
ンドウ4とライナ5とを結合して一体化し、これをプラ
ズマ室の前方側より挿入する。その後、プラズマスリッ
ト2およびシールド6を取り付ければメンテナンス作業
は完了する。
【0049】以上のように、本実施形態のイオン源は、
ウインドウ4とライナ5とが着脱可能に形成されてお
り、プラズマチャンバ1からウインドウ4とライナ5と
を取り出すときには両者が一体構造である一方、取り出
し後の清掃時には分割して別体として扱うことができる
ようになっている。このため、プラズマチャンバ1を完
全に分解することなく、プラズマ室の前方側だけ開放す
れば容易にウインドウ4とライナ5とをプラズマチャン
バ1から同時に取り出すことができ、且つ、ウインドウ
4およびライナ5の内面の清掃も通常通り行うことがで
きる。したがって、本実施形態のイオン源は、従来より
もメンテナンス性を向上させることができる。
【0050】尚、上記の構成において、図10に示すよ
うに、プラズマチャンバ1のマイクロ波導入側の壁面に
当接するウインドウ4の大径部4dの直径を、ライナ5
の外径よりも大きくすると共に、当該大径部4dの直径
とプラズマチャンバ1の内径とを略同じにして、ウイン
ドウ4の大径部4dとプラズマチャンバ1との嵌合状態
によってプラズマチャンバ1内におけるライナ5の位置
決めを行うことが好ましい。
【0051】上記のように、取り付け時にウインドウ4
とライナ5とを一体構造にできる場合、嵌合部分が少な
いウインドウ4とプラズマチャンバ1との位置関係によ
ってライナ5のアライメントを出す構成にすれば、嵌合
部分が広いライナ5とプラズマチャンバ1との位置関係
を用いる場合よりも要求される加工精度が緩和される。
さらに、プラズマチャンバ1の内径よりもライナ5の外
径の方が小さいので、プラズマチャンバ1に対するライ
ナ5の着脱を比較的容易に行うことが可能となり、メン
テナンス性も向上する。
【0052】〔実施の形態2〕本発明のその他の実施の
形態について、図11に基づいて説明すれば、以下の通
りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1で用
いた図面に示した部材と同一の構成・機能を有する部材
には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0053】上述のように、図10に示す構成にするこ
とによって、ライナ5の位置決めのための加工精度をあ
る程度緩和することが可能となるが、この場合、円筒状
のプラズマチャンバ1の内壁面におけるウインドウ4と
の嵌合部分の切削加工が必要になる。このような円筒内
壁の切削加工には比較的高いコストを要する。また、ラ
イナ5の位置決めにウインドウ4とプラズマチャンバ1
との位置関係を利用しているので、一体構造のウインド
ウ4とライナ5とをプラズマチャンバ1から取り外すま
たは挿入する場合、ウインドウ4の部分がプラズマチャ
ンバ1の内壁に引っ掛かり易くなるのは避けられない。
【0054】そこで、本実施形態では、ライナ5の位置
決めのための加工精度をさらに緩和することができると
共に、メンテナンス性をさらに向上させることができる
イオン源の構成を示す。
【0055】図11に示すように、本実施形態のイオン
源は、基本的な構成は前記の実施形態1と同様である
が、さらに、マイクロ波導入ロッド3の先端がプラズマ
チャンバ1内へと突出していると共に、当該マイクロ波
導入ロッド3の突出部3a(位置決め用凸部)と嵌合す
る凹部4f(位置決め用凹部)がウインドウ4のマイク
ロ波導入面側に形成されており、マイクロ波導入ロッド
3の突出部3aとウインドウ4の凹部4fとの嵌合によ
ってアライメントをとることができる構成になってい
る。すなわち、上記の突出部3aと凹部4fとを嵌合す
れば、プラズマチャンバ1内におけるウインドウ4の位
置決めがなされ、これにより、ウインドウ4と一体構成
のライナ5もプラズマチャンバ1内において位置決めが
なされる。
【0056】この場合、プラズマチャンバ1を位置決め
に使用しないので、ウインドウ4とプラズマチャンバ
1、およびライナ5とプラズマチャンバ1との嵌め合い
公差を別段気にせずにイオン源を設計製作できる。すな
わち、ライナ5の位置決めのための加工精度が大幅に緩
和される。したがって、プラズマチャンバ1の内面の切
削加工も不要となり、例えば市販の標準的なパイプを利
用してプラズマチャンバ1を安価に作成することが可能
である。
【0057】また、図11に示しているように、ライナ
5だけでなくウインドウ4の外径もプラズマチャンバ1
から余裕をもって引き出せる寸法にすることができるの
で、一体構造のウインドウ4とライナ5とをプラズマチ
ャンバ1の前方から出し入れする場合、プラズマチャン
バ1の内壁に引っ掛かることなく容易に出し入れするこ
とができる。したがって、メンテナンス性のさらなる向
上が期待できる。
【0058】尚、ここでは、マイクロ波導入ロッド3を
突出させ、それに嵌合する凹部4fをウインドウ4側に
形成した例を示したが、それとは逆に、ウインドウ4に
凸部を形成し、マイクロ波導入ロッド3側に凹部を形成
しても、アライメントをとることができる。
【0059】上記の各実施形態では、プラズマチャンバ
1を円筒状としたが、勿論、方形状であってもよい。ま
た、マイクロ波導入ロッド3の形状も円柱状でも角柱状
でもよい。また、ECRイオン源を例に挙げて説明した
が、プラズマチャンバ1内にプラズマ室内壁が設けられ
るその他のマイクロ波型イオン源にも適用可能である。
上記の実施形態は、あくまでも、本発明の技術内容を明
らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定
して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範
囲内で、いろいろと変更して実施することができるもの
である。
【0060】
【発明の効果】請求項1の発明のマイクロ波イオン源
は、以上のように、マイクロ波導入部を有するプラズマ
チャンバの内壁面を被う第1のプラズマ室内壁部分と、
マイクロ波導入部およびイオン引出部が存在しないプラ
ズマチャンバの側壁面を被う筒状の第2のプラズマ室内
壁部分とが、着脱自在に形成されている構成である。
【0061】それゆえ、メンテナンス時にプラズマチャ
ンバからプラズマ室内壁を取り出すときには、第1のプ
ラズマ室内壁部分と第2のプラズマ室内壁部分とが一体
構造である一方、取り出し後の清掃時には両者を分割し
て別体として扱うことができる。したがって、プラズマ
チャンバを完全に分解することなく、プラズマ室前方
(イオン引出側)よりプラズマ室内壁を容易に取り出せ
るため、従来よりもメンテナンス性の向上を図ることが
できるという効果を奏する。
【0062】請求項2の発明のマイクロ波イオン源は、
上記請求項1の発明の構成において、上記マイクロ波導
入部からプラズマ室へマイクロ波を導入するための誘電
体よりなるマイクロ波導入ロッドを備え、上記マイクロ
波導入ロッドと上記第1のプラズマ室内壁部分との何れ
か一方に位置決め用凸部、他方に当該位置決め用凸部と
嵌合する位置決め用凹部が形成されている構成である。
【0063】それゆえ、上記請求項1の発明の効果に加
えて、プラズマチャンバ自体を位置決めに使用しないの
で、第1および第2のプラズマ室内壁部分とプラズマチ
ャンバとの嵌め合い公差を別段気にせずにイオン源を設
計製作でき、プラズマ室内壁の位置決めのための加工精
度が大幅に緩和されるという効果を併せて奏する。さら
に、第1および第2のプラズマ室内壁の外径をプラズマ
チャンバから余裕をもって引き出せる寸法にすることが
できるので、第1および第2のプラズマ室内壁をプラズ
マチャンバのイオン引出側から出し入れする場合、プラ
ズマチャンバの内壁に引っ掛かることなく容易に出し入
れすることができ、メンテナンス性のさらなる向上が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ECR
イオン源のメンテナンスの際にプラズマチャンバ内から
プラズマ室内壁を取り出すときの手順を説明するための
概略の横断面図である。
【図2】上記ECRイオン源の概略構成を示す横断面図
である。
【図3】上記ECRイオン源における着脱自在に形成さ
れたウインドウとライナとを示す斜視図である。
【図4】図3に示されるウインドウをライナとの接続側
から見たときの平面図である。
【図5】図4に示されるウインドウの正面図である。
【図6】図3に示されるライナをウインドウとの接続側
から見たときの平面図である。
【図7】図6に示されるライナのA−A矢視断面図であ
る。
【図8】上記ECRイオン源における着脱自在に形成さ
れたウインドウとライナとの一変形例を示す斜視図であ
る。
【図9】上記ECRイオン源において、プラズマスリッ
トの取り付け構造の一例を示すための概略の横断面図で
ある。
【図10】上記ECRイオン源のその他の実施形態を示
す概略の縦断面図である。
【図11】上記ECRイオン源のさらに他の実施形態を
示す概略の縦断面図である。
【図12】従来のECRイオン源の概略構成を示す横断
面図である。
【図13】上記従来のECRイオン源の要部の構成を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマチャンバ 2 プラズマスリット(イオン引出部) 2a イオン引出孔 3 マイクロ波導入ロッド 3a 突出部(位置決め用凸部) 4 ウインドウ(第1のプラズマ室内壁部分) 4f 凹部(位置決め用凹部) 5 ライナ(第2のプラズマ室内壁部分) 6 シールド 10 引出電極系

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一壁面にマイクロ波導入部を有すると共
    に、それと対向する壁面にイオン引出部を有し、内部が
    プラズマを生成するためのプラズマ室となるプラズマチ
    ャンバを備え、 当該プラズマチャンバの内壁面が、プラズマ室内壁を形
    成する誘電体にて被われているマイクロ波イオン源にお
    いて、 上記マイクロ波導入部を有するプラズマチャンバの内壁
    面を被う第1のプラズマ室内壁部分と、マイクロ波導入
    部およびイオン引出部が存在しないプラズマチャンバの
    側壁面を被う筒状の第2のプラズマ室内壁部分とが、着
    脱自在に形成されていることを特徴とするマイクロ波イ
    オン源。
  2. 【請求項2】上記マイクロ波導入部からプラズマ室へマ
    イクロ波を導入するための誘電体よりなるマイクロ波導
    入ロッドを備え、 上記マイクロ波導入ロッドと上記第1のプラズマ室内壁
    部分との何れか一方に位置決め用凸部、他方に当該位置
    決め用凸部と嵌合する位置決め用凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波イオン源。
JP7232930A 1995-09-11 1995-09-11 マイクロ波イオン源 Pending JPH0982231A (ja)

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