JPH098415A - 面発光レーザのための電流及び熱拡散透明層 - Google Patents

面発光レーザのための電流及び熱拡散透明層

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JPH098415A
JPH098415A JP8144106A JP14410696A JPH098415A JP H098415 A JPH098415 A JP H098415A JP 8144106 A JP8144106 A JP 8144106A JP 14410696 A JP14410696 A JP 14410696A JP H098415 A JPH098415 A JP H098415A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面発光レーザの熱放散を良好にする。 【構成・作用】図の下側には図示していない活性層及び
下部ミラー構造がある。上部ミラー構造24から上方に
向かってレーザ光が放射される。ミラー構造24の上に
透明な熱伝導層34を設け、これによって、レーザの発
熱を熱拡散層に逃がす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に半導体レーザに関
するものであり、とりわけ面発光レーザのための電流及
び/または熱の拡散の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、高速光データ・リンク
を提供するとか、あるいはワークステーション、周辺機
器及びディスプレイを接続するといったような、多種多
様な用途に用いることができる。多くの用途において、
面発光レーザは従来のエッジ発光レーザに比較して多く
の利点をもたらす。この利点には以下のようなものが含
まれる:(1)デバイスがウェーハ・レベルで完成し、
従って、その特性を完全に定めることができる、(2)
開口数が小さく、対称のため、光ファイバとの効率の高
い結合ができる、(3)動作が単一周波数である、
(4)デバイスは、モニタ・フォトダイオードまたはト
ランジスタと比較的簡単に集積することができるし、あ
るいは面発光レーザの2次元のアレイに集積することも
できる。
【0003】面発光レーザでは、放射線は、一般にレー
ザの金属電極の1つまたは複数の開口部を介して放出さ
れる。この構成は、開口部から放出される光を単一モー
ドの光ファイバに結合しなければならない場合には、と
りわけ有効である。光を光ファイバに結合する開口部の
形状及びサイズは、光ファイバの形状及びサイズに適合
させることができる。一方、エッジ発光レーザから放出
される光は一般に細長い領域から放射されるので、レー
ザからファイバへの結合は面発光レーザに比べて効率が
劣る。
【0004】面発光レーザについては、Wang他に対して
与えられ本願出願人に譲渡された米国特許第5,266,503
号に記載がある。Wang他による電極層における開口部
は、酸素イオン注入によって形成できる電気的絶縁領域
とアライメントがとられる。この注入領域は、電極から
活性層の選択された領域への電流を閉じ込める。ここ
で、この電流に応答して固定波長の光エネルギーが発生
される。電極と電流閉じ込め領域は同軸構成を取ること
ができる。
【0005】面発光レーザの設計及び動作における2つ
の関心事は、熱エネルギーの分布と電流の分布である。
これらの関心事はある程度相互に関連している。高い熱
インピーダンスはレーザの性能に悪影響を及ぼす。環状
電極からの電流は、各層の厚さがレーザの層を伝搬する
光の周波数の1/4波長である分布式ブラッグ・リフレ
クタ(distributed Bragg reflecter、DBR)ミラー
構造を介して注入される。多くの場合、1/4波長は、
このミラー構造に注入される例えば10〜20KA/c
2といった大きな電流密度を取り扱うにはあまりに薄
すぎる。この結果、光の出力が劣化し、レーザの有効寿
命が短縮される。垂直キャビティの上部発光レーザが、
とりわけこうした問題に影響されやすい。最上部の層
は、金属電極の接触抵抗を減らすため、ほとんど縮退す
るように(degenerately)ドーピングされる。この層は
薄いので、焼損を引き起こす過熱に敏感である。
【0006】Scott他に対して与えられた米国特許第5,3
43,487号には、電流集中(currentcrowding)、すなわ
ち不均一な電流の分布、に対処する垂直キャビティ面発
光レーザ(Vertical Cavity Surface-Emitting Laser、
VCSEL)が記載されている。実施例の1つでは、電
極と活性領域の間に接触領域が形成される。接触領域に
は、電流の注入がレーザの共振キャビティの半径より短
い半径までに制限されるように、抵抗率が半径方向に勾
配を有する層状の領域が設けられている。Jewell他に対
して与えられた米国特許第5,245,622号には、レーザの
活性領域と上部DBRミラー構造の間に層状になった電
極を配置したVCSELの記載がある。この層状電極
は、レーザの活性領域に電流を注入するために選択され
た導電性タイプを有する、対になった多量ドーピング層
と少量ドーピング層を持つ。多量ドーピング層の厚さは
放出される放射線の波長の約1/4以下である。同様
に、少量ドーピング層の厚さはこの波長の約1/4以上
であり、対になった層全体の厚さは1/2波長である。
Scott他及びJewell他の教示を用いることにより従来技
術の層構造に比べての改善はもたらされるが、それ以上
の改良が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レー
ザの性能に悪影響を及ぼすことなく電流及び/または熱
分布をさらに改善する面発光レーザを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】面発光レーザは、レーザ
の熱拡散及び電流拡散能力を高めるための層を含むよう
に形成される。面発光レーザの性能の向上及び/または
有効寿命の延長のため、熱インピーダンスを低下させる
か、あるいは電流分布を改善する層が加えられる。この
層は、光学キャビティからのレーザの光エネルギーが電
極の開口部を通ることができるようにするために形成さ
れる。
【0009】第1の実施例では、電極に通る開口部に熱
伝導層を形成することによって、熱インピーダンスを低
下させる。レーザの光学性能に対する熱伝導層の影響を
最小限にとどめるため、熱伝導層の望ましい厚さは、レ
ーザキャビティにおいて発生する光エネルギーの波長の
1/2の整数倍になる。次に、熱拡散層が、電極と電気
的に接触し、また熱伝導層と熱的に接触するように形成
される。電極及び熱拡散層は、夫々、電極の外径は熱拡
散層の内径より大きいが熱拡散層の外径より小さい環状
構造を有してよい。従って、熱拡散層は同軸電極の上に
部分的に重なる。
【0010】熱伝導層は、電極の開口部をカバーし、好
ましくは電極の上に延びる。かくして、レーザによって
発生する熱エネルギーは熱伝導層を介して熱拡散層に導
くことができ、これによって熱流の分布がより広がって
レーザの熱インピーダンスが低下する。
【0011】電極の開口部に形成された熱伝導層は、放
射光に対して光学的に透明であって、また熱伝導率が高
くなければならない。光の波長の1/2の厚さを有する
炭化珪素が望ましい構造であるが、例えばダイヤモンド
のような他の材料に置き換えることもできる。熱拡散層
が分散型ブラッグ・リフレクタ(DBR)・ミラー構造
における1つの層としての働きもできるようにするDB
R層と熱伝導層が対になっている場合には、厚さを光の
波長の1/4の奇数倍にすることもできる。本明細書に
おいて前述したように、「波長」による厚さの表示は、
レーザ材料を伝搬するところのレーザによってで発生し
た光に関する測定値であることを表すものと理解しなけ
ればならない。この波長は、レーザによって放出される
光の波長を関係する材料の屈折率で割った値に等しい。
【0012】熱拡散層に関しては、その材料は導電率及
び熱伝導率が比較的高くなければならない。面発光レー
ザによって発生する熱エネルギーを効率的に分散するた
めに、熱拡散層の厚さは電極の厚さを上回ることが望ま
しい。
【0013】第2の実施例では、問題となる層は、上部
DBRミラー構造と上部電極の間に配置された電流拡散
層である。この電流拡散層の厚さは伝搬する光の波長の
1/2の整数倍である。従って、電流拡散層は光学的に
ほぼ透明である。この層は少なくとも単一膜層であり、
層のドーピングに勾配をつける(grade)ことができ
る。
【0014】この電流拡散層の厚さは少なくとも1/2
波長あるため、レーザの最上部の層の厚さは従来の上部
発光レーザのこれに相当する層の少なくとも2倍はあ
る。従来、最上部の層はDBR層である。最上部の層の
厚さを増すことによって、横方向抵抗が小さくなり、こ
の結果、上部電極からの電流注入がより均一になる。し
かし、電流拡散層は1/2波長の整数倍であるため、こ
の層は透明であり、1/4波長ミラー層のDBR反射率
を変化させることはない。
【0015】DBRミラー構造と上部電極の間に複数の
1/2波長層を追加することもできる。例えば第1の1
/2波長層を放出される放射線に関する禁止帯幅に基づ
いて形成し、上部の1/2波長層を主としてその電気特
性に関して選択することができる。これによって、電流
拡散を最大にするために抵抗の小さい層(すなわち多量
にドーピングした層)を選択することと、吸光度が低い
という理由である層を選択すること、との間で生じるこ
とのあるトレード・オフの影響が軽減される。受け入れ
ることのできる実施例としては、下側にAlGaAsの
1/2波長層を設け、例えば炭素のようなドーパントの
濃度に勾配が付けられたGaAsの1/2波長層を上側
に設けることである。
【0016】
【実施例】図1を参照すると、半導体基板14の表面に
下方電極12を備えた、従来技術による面発光レーザ
(SEL)10が示されている。基板は、nタイプのガ
リウム砒素(GaAs)基板とすることができる。下方
電極は、基板に対してオーム接触を形成し、一般にAu
Ge合金である。
【0017】基板14の電極12とは反対側の表面に
は、下部ミラー構造16が設けられている。許容可能な
構造は、分散型Braggリフレクタ層がnタイプのGaA
sの1/4波長ミラー層とAlAsの1/4波長ミラー
層の交互に重なっているものである構造である。図1に
は8つの層が示されているが、一般に下部ミラー構造1
6には、例えば32.5対といったもっと多くの層が含
まれている。
【0018】下部ミラー構造16の上には、スペーサ層
18、すなわちクラッディング層が設けられている。活
性層20内にキャリヤを閉じ込めるための層として、n
タイプのドーパントを含むAlGaAsクラッディング
層を用いることができる。活性層はスペーサ層18と上
方スペーサ層22の間に挟まれる。上方スペーサ層22
は、下方スペーサ層18と同じ材料で形成することがで
きるが、ドーピング・タイプが逆である。
【0019】スペーサ18及び22と活性層20によっ
て、電流に応答して光エネルギーを送り出す光学キャビ
ティが形成される。光の周波数は、活性層を形成するた
めに選択された材料を含む、いくつかの要素によって決
まる。
【0020】上部ミラー構造24は、光学キャビティの
下部ミラー構造16とは反対側に形成される。上部ミラ
ー構造は、交互パターンをなすGaAs及びAlAs層
から形成することもできるが、上部ミラー層のドーピン
グ・タイプは下部ミラー層のドーピング・タイプとは逆
である。分散型Braggリフレクタ・ミラー中のGaAs
とAlAsの界面は漸変させることができるが、これは
決定的なものではない。漸変によって禁止帯幅の不連続
性が弱められ、ミラー抵抗が小さくなる。抵抗率をさら
に低下させるため、ミラー層には多量にドーピングする
ことが望ましい。GaAsとAlAsによるBraggミラ
ーは、例えば5×1018/cm3といったようにドーピ
ング量が多い漸変領域を除いて、1×1018/cm3
で一様にドーピングすることができる。nドーパントは
シリコンとし、pドーパントは漸変領域からあまり拡散
しないことが明らかになった炭素とすることができる。
【0021】SELには電流閉じ込め領域26及び28
が埋め込まれている。これらの領域は、本願出願人に譲
渡されたWang他に対して与えられた米国特許第5,26
6,503号に記載のように、酸素イオンを注入するこ
とによって形成することができる。しかし、こうした領
域を形成するための他の技法を用いることもできる。上
部電極30は、上部ミラー構造24に電流を伝導するた
めに配置される。上部電極の内壁32によって、光を放
出する中央開口部が画定される。電極は、開口部が円形
になるように環形状にすることができるが、これは決定
的なものではない。円形の開口部では光ファイバへの光
の結合が効率よく行える。電流閉じ込め領域26及び2
8によってレーザ動作効率が改善される。これらの領域
は、上部電極30と下部電極12との間に流れる電流を
活性領域20の比較的小さい領域に閉じこめる。従来
は、電流閉じこめ領域26及び28は上部電極30の開
口部と整列した円形開口部を画定する。
【0022】動作時、バイアス電圧が下部電極12と上
部電極30の間に印加される。電流閉じこめ領域26及
び28は、活性層20及びスペーサ層18及び22への
電流を、上部ミラー構造24の下方層に通る比較的小さ
い円形開口部を通るように制限する。この構成によれば
効率のよいレーザ・デバイスが得られるが、このデバイ
スの熱インピーダンスが問題になる。SELに流れる電
流は光エネルギーを発生するが、熱エネルギーも発生す
る。熱の一部は通常は下に向かい、ヒート・シンクに接
触している下部電極へ放散される。熱の一部は上に向か
い、上部電極にに伝導される。
【0023】次に図2を参照すると、本発明は、光学的
に透明な熱伝導層34及び熱拡散層36を設けて有効放
射直径を増すことによって、SELの熱インピーダンス
を低下させる。SELの動作中に発生して上部ミラー構
造24を通って上昇する熱エネルギーは、層34を介し
て熱拡散層36に伝導し、放散できるようにするのが望
ましい。その結果、SELの熱インピーダンスは低下す
る。さらに詳細に後述するように、熱インピーダンス
(Zth)の低下は次のようにモデル化することができ
る: Zth=[1/(2πσD/2)}arctan(2t/
(D/2)) ここで、Dは熱エネルギーが拡散される材料の直径であ
り、tはSELが形成される半導体基板の厚さであり、
σは基板を形成する半導体材料の熱伝導率である。従来
技術では、有効直径(D)は本発明のものよりも小さ
い。
【0024】上部電極30によって形成される開口部内
にある熱伝導層34に関して、問題となる2つの特性が
ある。第1に、層34は電極開口部を透過する光を妨げ
てはならない。望ましい実施例では、層34の厚さは発
生したSELを伝搬する光の波長の1/2の整数倍であ
る。従って、層34の厚さは上部ミラー構造24の層の
厚さの2倍の整数倍になる。熱伝導層を形成するための
許容可能な材料は炭化珪素である。しかし、例えばダイ
ヤモンドといった他の材料を用いることもできる。
【0025】上のようにする代わりに、熱伝導層34
は、放出される光の1/4波長またはこの1/4波長の
他の奇数倍の厚さを備え、上部ミラー構造24のパター
ンに合わせた屈折率を備えるようにすることができる。
前述のように、上部ミラー構造は、屈折率の高い1/4
波長DBRミラー層と屈折率の低い1/4波長DBRミ
ラー層が互い違いになったものを備えている。熱伝導層
34がこのパターン内にぴったりと納まる場合、その厚
さは、1/2波長の整数倍ではなく、1/4波長または
1/4波長の他の奇数倍とすることができる。
【0026】熱伝導層34の他の重要な特性は熱伝導率
である。熱伝導層34の目的は、SELから熱拡散層3
6への熱伝達を容易にすることにある。熱伝導率が高け
れば熱の伝達効率がよくなる。炭化珪素は許容可能な熱
伝導率を備えている。層34は導電性でもあることが理
想である。しかし、導電性材料では、通常、放出される
光にとって所望の透明度が得られない。
【0027】熱拡散層36については、例えば金のよう
な導電性材料が望ましい。なぜなら、こうすれば層36
を利用して信号を上部電極30に印加できるからであ
る。図2に示すように、上部電極の外径は、熱拡散層の
内径38と外径40の間に位置している。環形状の熱伝
導層は本発明にとって決定的なものではないが、ほぼ均
一な熱分布が得られるので環形状が望ましい。
【0028】図2の実施例では、熱伝導層34は上部電
極30の一部の上に重なる。上部電極の露出部分は熱拡
散層と接触している。上部ミラー構造24からの熱エネ
ルギーの一部は層34から層36に伝導される。一方、
熱拡散層36から上部電極30へと電気エネルギーを逆
方向に導いて、上部ミラー構造24に流れる電流を誘導
することもできる。
【0029】熱インピーダンスの正確なモデル化は、次
の式によって得られる: Zth=[1/(2πσD/2)]arctan(2t/
(D/2)) 従って、熱インピーダンスは、半導体基板(GaAs)
の厚さ(t)を薄くすることによって低下させることが
できる。しかし、この熱インピーダンスの改善に伴っ
て、必然的に、ウェーハがさらに破損しやすくなる。実
際、ウェーハの厚さの下限は、約100μmである。本
発明によれば、D、すなわちそれに沿って熱エネルギー
が拡散するSELの表面と平行な寸法を延長することに
よって、熱インピーダンスをさらに低下させることがで
きる。この場合、熱拡散層36の外径40は、上部電極
30の外径を超えるので、熱インピーダンスが低下す
る。
【0030】寸法Dは、SELに金メッキを追加して熱
拡散層を形成することによって、増大させることができ
る。メッキ・プロセスの各種パラメータは、当該技術に
おいて周知のところである。金は望ましい材料である
が、熱エネルギーの拡散を促進する手段として他の導電
性材料を代わりに使用することもできる。
【0031】図2の発明は、上部発光SELデバイスに
用いるものとして解説され、例示されているが、この実
施例は下部発光SELデバイスにも等しく有効に働くも
のである。さらに、図2の実施例には電流閉じこめ領域
26及び28がSELの上部表面にまで延びるものとし
て示されているが、これは決定的なものではない。電流
閉じこめ領域を埋め込むるか、あるいは光を放出するた
めの開口部を備えた電極とは反対側の光学キャビティの
側に設けているSELに用いることによって、熱インピ
ーダンスを低下させることもできる。
【0032】再び図1を参照すると、垂直キャビティS
EL10に対する電流の注入は、ミラー構造24の1/
4波長DBR層を介して行われる。多くの用途では1/
4波長層は薄すぎて、レーザに注入される例えば10〜
20KA/cm2といった高電流密度を確実に扱うこと
はできない。この結果、デバイスの焼損や光出力の劣化
が早期に起こる。この問題は、レーザから光を放出させ
る環状電極30を介して電流が注入される上部発光SE
Lの場合にとりわけ重大になる。
【0033】ミラー構造24の最上部の層は、従来は、
金属電極30の接触抵抗を小さくするため、ほとんど縮
退するようにドーピングされている。この層が薄すぎる
場合、過熱を生じる。電極及び上部表面層のバーン・ア
ウトを早めてレーザに損傷を生じさせるのはこの過熱で
ある。
【0034】次に図3を参照すると、過熱への感受性
は、上部ミラー構造44と環状上部電極46の間に電流
拡散層42を組み込むことによって弱められる。図3で
は、電流拡散層42は、電流を閉じこめるための注入領
域50を備えたSEL48に用いるものとして示されて
いる。電流拡散層42及び表面にまで延びる領域50を
除けば、SEL48は従来技術によるレーザと同様であ
る。上部ミラー構造44の下にはスペーサ層54及び5
6の間に挟まれた活性層52が設けられている。図3に
は、下部ミラー構造の2つの上部層58及び60も示さ
れている。
【0035】SEL48における最上部の層の厚さを増
すことによって、横方向の抵抗が減少する。その結果、
リング電極46からより均一な電流が注入される。しか
し、単に厚さを増すだけでは、より望ましい構造は得ら
れない。電流拡散層42の厚さは、DBRミラー構造4
4の反射率を損なうことにならないように選択しなけれ
ばならない。活性層52において発生する光エネルギー
の1/2波長の整数倍にあたる厚さを備えるように拡散
層42を形成することによって、電流拡散層は放出され
る光に対して光学的に透明であり、ミラー構造の1/4
波長層のDBR反射率を変化させることはない。
【0036】望ましい実施例では、1/2波長の電流拡
散層42は、熱伝導率が高く、電気抵抗が小さい。従っ
て、ミラー構造44と電流拡散層の間での電流や熱エネ
ルギーの交換が容易になる。前述のように、その厚さは
放出される光の1/2波長の整数倍である。許容可能な
電流拡散層は、多量にドーピングしたGaAsであって
厚さが1/2波長の層である。ドーパントには、濃度を
約5×1019cm3の炭素を用いることができる。関連
する自由キャリヤの損失を減少させ、レーザの性能を向
上させるため、濃度に勾配を持たせてもよい。
【0037】図4は、本発明の第3の実施例である。こ
の実施例では、SEL62には下方電流拡散層64と上
方電流拡散層66が含まれている。分かりやすくするた
め、図3の実施例の要素と同じものである図4の実施例
の要素には、同じ参照番号が付いている。従って、電流
拡散層64及び66は、環状上部電極46の下で、ミラ
ー構造44の上に配置されている。活性層52とスペー
サ層52及び56は、光エネルギーを発生するための光
学キャビティを形成している。図4において、電流閉じ
こめ領域67は埋め込まれたものとして示されている
が、これは決定的ではない。
【0038】電流拡散層64及び66は、夫々、その厚
さがSELによって発生する光の1/2波長の整数倍で
ある。
【0039】上方電流拡散層66は、主としてその電気
特性に関して選択することが可能であり、一方、下方電
流拡散層64は主としてその光学特性に関して選択する
ことができる。例えば上方拡散層66は、上方領域のド
ーパント濃度を約1.0×1019cm3とし下方領域の
ドーパント濃度を約5×1018cm3として、1/2波
長の厚さまでエピタキシャル成長させたGaAs層とす
ることもできる。さらに、下方拡散層64は、1/2波
長の厚さまでエピタキシャル成長させたAlGaAs層
とすることができる。GaAs層は、より多量のドーピ
ングができるために選択されるが、その放出波長では光
学的には吸光性である。従って、吸光度を最小限に抑え
るため、下方拡散層は、放出される放射線に関する禁止
帯幅がより高く、従ってより透明でさらに多量のドーピ
ングが可能なAlGaAsで形成するという選択がなさ
れる。応用例の中には、夫々1/2波長の整数倍の厚さ
を備えた層を上部電極46と上部ミラー構造44の間に
追加することによって、利点(例えば直列抵抗の低減)
の得られることもある。
【0040】図3及び4の発明について、夫々1/2波
長の整数倍の厚さを有する電流拡散層42、64、及び
66を備えるものとして解説してきたが、本発明の応用
例によっては、(1)縮退するようにドーピングされ、
かつ禁止帯幅が低いか、あるいはこれらの一方が成立
し、これにより電極との界面における接触抵抗を小さく
するようになっている、また、(2)電流拡散層が1/
2波長の整数倍にほぼ等しい状態にとどまるように薄く
なっており、従ってそれを含めることによって生じる放
射損失がたいしたことにはならないところの、導電率の
高い層を含めるのが有益なこともある。こうした放射損
失は、電極を通る開口部によって露出する層の一部を除
去することによって低減させるか、おそらくは排除する
ことができる。例えば電極は、導電率の高い層の露出領
域を除去するためのエッチング・ステップにおいてマス
クとして用いることができる。放射損失を最小限に抑え
るために材料を除去するこのアプローチは、図4の多量
にドーピングされた上部層にも等しく有効に適用され
る。すなわち電極46を通る開口部によって露出する層
66の領域を除去することによって、損失を低減させ、
しかも導電率がより透過性の高い下方層64に比べて大
きくなるという上方層66を設けることの利点はそのま
ま維持することができる。
【0041】図5は、電流拡散層68を利用して横方向
抵抗を小さくし、SEL70の有効寿命を延ばすもう1
つの実施例である。この実施例では、電流拡散層は層内
で発生する光の全波長である。従って、横方向抵抗はさ
らに小さくなる。電流拡散層68の厚さを1.5波長ま
たは1/2波長の他の倍数にすることもできる。という
のは、そのような層は光学的に透明であり、電流の拡散
を増進するからである。さらにもう1つの代替案とし
て、電流拡散層68の厚さを問題となる波長の1/4の
奇数倍とすることもできる。ただし、ここでの奇数は3
以上である。この最後の代替案の範囲内において、電流
拡散層68は、ミラー構造74内において確立された屈
折率の交番パターンに連続する屈折率を持つ必要があ
る。
【0042】図5において、電流を閉じこめる注入領域
72はSELの表面まで延びるものとして示されている
が、これは決定的ではない。図3及び図4の実施例と同
じように、電流拡散層68が上部ミラー層74と上部電
極76の間に配置されるということに注意されたい。
【0043】別の実施例では、図3の電流拡散層42
が、活性層52とスペーサ層54及び56によって形成
される光学キャビティの下方に注入領域50が位置する
SELに用いられる。この電流拡散層の利点もやはり理
解できるだろう。さらに別の実施例では、図3の電流拡
散層42と図2の熱伝導層34及び熱拡散層36が組み
合わせられる。
【0044】電流閉じこめ層は、イオン注入によって形
成されるものとして解説してきたが、他の技法を用いる
こともできる。例えばエッチングによるメサ、自然酸化
物、または再成長領域を形成する技法を用いることもで
きる。電流閉じこめ層を形成するためにイオン注入が選
択される場合、イオン源としての水素の許容可能な代替
物には酸素及びヘリウムがある。
【0045】以下に、本発明の実施態様の例を列挙す
る。
【0046】[実施態様1]電流の流れに応答して、ほ
ぼ固定された波長の光エネルギーを発生する活性層(5
2)を備えた光学キャビティと、前記光学キャビティの
第1の側に位置する、交番屈折率を有する第1の複数の
層(24、44、74)と、前記光学キャビティの第1
の側とは反対の第2の側に位置する、交番屈折率を有す
る第2の複数の層(58及び60)と、前記光学キャビ
ティに対置する前記第1の複数の層の側にあって、前記
光エネルギーを通すための開口部を備えた第1の電極
(30、46、76)と、前記光学キャビティに対置す
る前記第2の複数の層の側にある第2の電極(12)
と、前記第1の電極の前記開口部に形成された熱伝導層
(34)と、前記第1の電極と電気的に接触し、前記熱
伝導層と熱的に接触した導電性熱拡散層(36)を設
け、前記第1の複数の層と前記熱伝導層に、前記光エネ
ルギーが前記第1の電極の前記開口部を透過できるよう
にする光学特性が備わっていることを特徴とする面発光
レーザ。
【0047】[実施態様2]前記熱伝導層(34)が、
前記活性層(52)において発生する光エネルギーに関
する前記波長の1/2のほぼ整数倍にあたる厚さを備え
た材料による単一層であることを特徴とする、実施態様
1に記載の面発光レーザ。
【0048】[実施態様3]前記熱伝導層(34)が、
前記活性層(52)において発生する光エネルギーに関
する前記波長の1/4のほぼ奇数倍にあたる厚さを備え
た材料による単一層であることと、前記熱接触層が、前
記第1の複数の層に接触して、前記複数の層(24、4
4、74)のあるパターンをなす交番屈折率を維持する
ことを特徴とする、実施態様1または2に記載の面発光
層。
【0049】[実施態様4]前記第1の電極(30、4
6、76)の前記開口部が、前記第1の複数の層(2
4、44、74)の光学的に露出した領域を形成するこ
とと、前記熱伝導層(34)が、前記光学的に露出した
領域を完全にカバーし、前記第1の電極の上まで延びて
いることを特徴とする、実施態様1、2、または3に記
載の面発光レーザ。
【0050】[実施態様5]前記第1の電極(30、4
6、76)及び前記熱拡散層(36)が金属層であり、
前記熱拡散層の厚さが前記第1の電極の厚さを超えるこ
とを特徴とする、実施態様1、2、3、または4に記載
の面発光レーザ。
【0051】[実施態様6]前記第1の電極(30、4
6、76)及び前記熱拡散層(36)がほぼ同軸で、全
体に環形状をなしており、前記第1の電極の外径が前記
熱拡散層の内径(38)を超え前記熱拡散層の外径(4
0)未満であり、これによって、前記熱拡散層が前記電
極の上に部分的に重なり、前記電極を越えて、半径方向
に延びることを特徴とする、実施態様1、2、3、4、
または5に記載の面発光レーザ。
【0052】[実施態様7]前記熱伝導層(34)が、
前記第1の電極(30、46、76)の前記開口部から
外側に延び、前記熱拡散層(36)がその上に部分的に
重なることを特徴とする、実施態様6に記載の面発光レ
ーザ。
【0053】[実施態様8]電流の流れに応答して、ほ
ぼ固定された波長の光エネルギーを発生する活性層(5
2)を備えた光学キャビティと、前記光学キャビティの
両側に位置する上部ミラー(44、74)及び下部ミラ
ー(58、60)と、前記光学キャビティに対置する前
記上部ミラーの側にあって、その厚さが、前記波長の1
/4の1を超える整数倍に等しく、ほぼ光学的に透明
で、導電性の電流拡散層(42、64、68)と、前記
上部ミラーに対置する前記電流拡散層の側に形成され、
前記光学キャビティにおいて発生する前記光エネルギー
を通すための開口部を形成するように構成された上部電
極(46、76)と、前記光学キャビティに対置する前
記下部ミラーの側に設けられた下部電極(12)を設け
た面発光レーザ。
【0054】[実施態様9]さらに、前記上部電極(4
6)と前記電流拡散層(64)の間にある第2の電流拡
散層(66)から構成されることと、前記第2の電流拡
散層の厚さが、前記波長の1/2の整数倍であり、前記
第2の電流拡散層の導電率が、前記上部ミラー(44)
により近い前記電流拡散層よりも高いことを特徴とす
る、実施態様8に記載の面発光レーザ。
【0055】[実施態様10]前記電流拡散層(42、
64)の厚さが前記波長の1/2の整数倍であることを
特徴とする、実施態様8または9に記載の面発光レー
ザ。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による面発光レーザの側面図。
【図2】本発明による熱伝導層と熱拡散層を有する図1
のSELの側面図。
【図3】本発明の第2の実施例に従って上部ミラー構造
と上部電極の間に電流拡散層を設けたSELの側面図。
【図4】上方電流拡散層と下方電流拡散層を設けたとこ
ろの、図3の実施例にの代替例の側面図。
【図5】図3の実施例の別の代替例の側面図。
【符号の説明】
10:面発光レーザ 12:下方電極 14:基板 16:下部ミラー構造 18:下方スペーサ層 20:活性層 22:上方スペーサ層 24:上部ミラー構造 26、28:電流閉じこめ層 30:上部電極 32:内壁 34:熱伝導層 36:熱拡散層 38:内径 40:外径 42:電流拡散層 44:上部ミラー構造 46:環状上部電極 48:面発光レーザ 50:注入領域 52:活性層 54、56:スペーサ層 58、60:上部層 62:面発光レーザ 64:下方電流拡散層 66:上方電流拡散層 67:電流閉じこめ層 68:電流拡散層 70:面発光レーザ 72:注入領域 74:上部ミラー層 76:上部電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電流の流れに応答して、ほぼ固定された波
    長の光エネルギーを発生する活性層を備えた光学キャビ
    ティと、 前記光学キャビティの第1の側に位置する、交番屈折率
    を有する第1の複数の層と、 前記光学キャビティの第1の側とは反対の第2の側に位
    置する、交番屈折率を有する第2の複数の層と、 前記光学キャビティに対置する前記第1の複数の層の側
    にあって、前記光エネルギーを通すための開口部を備え
    た第1の電極と、 前記光学キャビティに対置する前記第2の複数の層の側
    にある第2の電極と、 前記第1の電極の前記開口部に形成された熱伝導層と、 前記第1の電極と電気的に接触し、前記熱伝導層と熱的
    に接触した導電性熱拡散層とを設け、 前記第1の複数の層と前記熱伝導層に、前記光エネルギ
    ーが前記第1の電極の前記開口部を透過できるようにす
    る光学特性が備わっていることを特徴とする面発光レー
    ザ。
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