JPH0984812A - 人工血管 - Google Patents
人工血管Info
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- JPH0984812A JPH0984812A JP7269288A JP26928895A JPH0984812A JP H0984812 A JPH0984812 A JP H0984812A JP 7269288 A JP7269288 A JP 7269288A JP 26928895 A JP26928895 A JP 26928895A JP H0984812 A JPH0984812 A JP H0984812A
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- blood vessel
- artificial blood
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 縫合操作性、組織適合性、開存性等に優れた
多孔質PTFEチューブからなる人工血管を提供する。 【解決手段】 繊維と該繊維によって互いに連結された
結節とからなる微細繊維状組織を有する多孔質ポリテト
ラフルオロエチレンチューブ1からなる人工血管におい
て、該チューブの外表面に、チューブ本体部分よりも見
かけ上高い密度を有しかつ該チューブの長手方向に対し
て45度以上の角度をなす凸状部が形成され、該凸状部
の高さ以下の大きさの外径を有する長尺部材6が少なく
とも長手方向に隣接する凸状部間に巻かれている人工血
管。
多孔質PTFEチューブからなる人工血管を提供する。 【解決手段】 繊維と該繊維によって互いに連結された
結節とからなる微細繊維状組織を有する多孔質ポリテト
ラフルオロエチレンチューブ1からなる人工血管におい
て、該チューブの外表面に、チューブ本体部分よりも見
かけ上高い密度を有しかつ該チューブの長手方向に対し
て45度以上の角度をなす凸状部が形成され、該凸状部
の高さ以下の大きさの外径を有する長尺部材6が少なく
とも長手方向に隣接する凸状部間に巻かれている人工血
管。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、多孔質ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)チューブからなる人工血
管に関し、さらに詳しくは、縫合操作性、組織適合性、
開存性等に優れた人工血管に関する。
フルオロエチレン(PTFE)チューブからなる人工血
管に関し、さらに詳しくは、縫合操作性、組織適合性、
開存性等に優れた人工血管に関する。
【0002】
【従来の技術】人工血管は、生体血管の病変部位の欠損
部を補填する置換移植、病変部位を迂回して血行を維持
するためのバイパス移植、動脈と静脈との短絡などの血
液導管などとして使用されている。人工血管の材料とし
ては、延伸法によって製造された多孔質PTFEチュー
ブが賞用されている。一般に、延伸法によって製造され
た多孔質PTFEは、非常に細い繊維と該繊維により互
いに連結された結節とからなる微細繊維状組織を有して
おり、該微細繊維状組織が多孔質構造を形成している。
そして、繊維径、孔径、気孔率等の多孔質構造は、延伸
倍率によって任意に設定することが可能である。多孔質
PTFEチューブは、微細繊維状組織からなる多孔質構
造が生体適合性に優れており、しかもPTFEの素材自
体が抗血栓性に優れているため、生体組織との親和性及
び抗血栓性に優れた人工血管として使用されている。
部を補填する置換移植、病変部位を迂回して血行を維持
するためのバイパス移植、動脈と静脈との短絡などの血
液導管などとして使用されている。人工血管の材料とし
ては、延伸法によって製造された多孔質PTFEチュー
ブが賞用されている。一般に、延伸法によって製造され
た多孔質PTFEは、非常に細い繊維と該繊維により互
いに連結された結節とからなる微細繊維状組織を有して
おり、該微細繊維状組織が多孔質構造を形成している。
そして、繊維径、孔径、気孔率等の多孔質構造は、延伸
倍率によって任意に設定することが可能である。多孔質
PTFEチューブは、微細繊維状組織からなる多孔質構
造が生体適合性に優れており、しかもPTFEの素材自
体が抗血栓性に優れているため、生体組織との親和性及
び抗血栓性に優れた人工血管として使用されている。
【0003】ところで、多孔質PTFEチューブは、管
軸方向の延伸倍率が大きいため、微細繊維状組織におけ
る微細繊維が管軸方向に強く配向した構造となってい
る。したがって、多孔質PTFEチューブは、管軸方向
への強度は高いものの、円周方向への強度が低く、圧迫
や屈曲によって容易に座屈したり、あるいは内圧により
管軸方向の裂けが生じるなどの問題点を有している。人
工血管が座屈し易いと、移植後に曲げ負荷のかかる部位
や血圧が低い静脈などの部位では、内腔を正常な状態に
維持することが困難である。人工血管の圧力に対する強
度が低いと、移植後に動脈瘤を形成したり、最悪の場合
には破裂する等の問題がある。これらの問題は、移植後
の生体組織侵入性を高めるために、延伸倍率を高めて孔
径を大きくしたり、壁厚を薄くした場合に、特に顕著と
なり、人工血管として実用に供せなくなる。
軸方向の延伸倍率が大きいため、微細繊維状組織におけ
る微細繊維が管軸方向に強く配向した構造となってい
る。したがって、多孔質PTFEチューブは、管軸方向
への強度は高いものの、円周方向への強度が低く、圧迫
や屈曲によって容易に座屈したり、あるいは内圧により
管軸方向の裂けが生じるなどの問題点を有している。人
工血管が座屈し易いと、移植後に曲げ負荷のかかる部位
や血圧が低い静脈などの部位では、内腔を正常な状態に
維持することが困難である。人工血管の圧力に対する強
度が低いと、移植後に動脈瘤を形成したり、最悪の場合
には破裂する等の問題がある。これらの問題は、移植後
の生体組織侵入性を高めるために、延伸倍率を高めて孔
径を大きくしたり、壁厚を薄くした場合に、特に顕著と
なり、人工血管として実用に供せなくなる。
【0004】従来、このような問題を解決するために、
多孔質PTFEチューブの外表面に補強繊維を螺旋状や
リング状に巻き付けたものが提案されている(特公昭6
0−37734号、特公昭60−56619号など)。
ところが、このような補強多孔質PTFEチューブは、
単にその外表面に繊維を巻き付けて接着するという方法
で製造されているため、これを人工血管として使用する
場合、次のような問題を生じる。 (1)人工血管を血圧が低い部位に適用する場合には、
その内腔を維持するのに高い強度を必要としないため、
補強繊維を密に巻き付ける必要はなく、多孔質PTFE
チューブ本来のしなやかさをある程度維持することがで
きる。しかし、補強繊維の巻き付け間隔を大きくする
と、繊維で補強されている部分とされていない部分とで
硬さに大きな差があるため、人工血管は、屈曲によって
補強繊維を支点に折れ曲がるようにして屈曲するか、座
屈するものとなってしまい、屈曲するような部位に移植
することができなくなる。
多孔質PTFEチューブの外表面に補強繊維を螺旋状や
リング状に巻き付けたものが提案されている(特公昭6
0−37734号、特公昭60−56619号など)。
ところが、このような補強多孔質PTFEチューブは、
単にその外表面に繊維を巻き付けて接着するという方法
で製造されているため、これを人工血管として使用する
場合、次のような問題を生じる。 (1)人工血管を血圧が低い部位に適用する場合には、
その内腔を維持するのに高い強度を必要としないため、
補強繊維を密に巻き付ける必要はなく、多孔質PTFE
チューブ本来のしなやかさをある程度維持することがで
きる。しかし、補強繊維の巻き付け間隔を大きくする
と、繊維で補強されている部分とされていない部分とで
硬さに大きな差があるため、人工血管は、屈曲によって
補強繊維を支点に折れ曲がるようにして屈曲するか、座
屈するものとなってしまい、屈曲するような部位に移植
することができなくなる。
【0005】(2)内圧に対する強度を高めたり、屈曲
に対して座屈しないようにしたり、あるいは均質な補強
効果を得たい場合などには、補強繊維を密に巻き付ける
が、それによって、多孔質PTFEチューブ本来のしな
やかさを失ってしまう。そして、人工血管は、剛直にな
り、屈曲に対する反力が生じるようになってしまうた
め、吻合操作が困難になる。 (3)従来の繊維補強人工血管は、多孔質PTFEチュ
ーブの外表面から補強繊維が突出した構造であるため、
その突出した補強繊維が手術器具や周囲組織に引っ掛か
って、手術による縫合操作に悪影響を及ぼし、さらには
補強繊維が剥離することがある。多孔質PTFEチュー
ブの外表面から補強繊維が剥離しないようにするために
は、補強繊維を該チューブ表面に強固に接着する必要が
ある。ところが、人工血管を生体血管と吻合する際に
は、補強繊維が縫合の邪魔になるため、予め縫合部位の
補強繊維を除去しなければならないが、強固に接着され
ていると、除去するのが困難な上に、無理に剥すとチュ
ーブに損傷を与え吻合部位の強度を著しく低下させてし
まう。
に対して座屈しないようにしたり、あるいは均質な補強
効果を得たい場合などには、補強繊維を密に巻き付ける
が、それによって、多孔質PTFEチューブ本来のしな
やかさを失ってしまう。そして、人工血管は、剛直にな
り、屈曲に対する反力が生じるようになってしまうた
め、吻合操作が困難になる。 (3)従来の繊維補強人工血管は、多孔質PTFEチュ
ーブの外表面から補強繊維が突出した構造であるため、
その突出した補強繊維が手術器具や周囲組織に引っ掛か
って、手術による縫合操作に悪影響を及ぼし、さらには
補強繊維が剥離することがある。多孔質PTFEチュー
ブの外表面から補強繊維が剥離しないようにするために
は、補強繊維を該チューブ表面に強固に接着する必要が
ある。ところが、人工血管を生体血管と吻合する際に
は、補強繊維が縫合の邪魔になるため、予め縫合部位の
補強繊維を除去しなければならないが、強固に接着され
ていると、除去するのが困難な上に、無理に剥すとチュ
ーブに損傷を与え吻合部位の強度を著しく低下させてし
まう。
【0006】一方、多孔質PTFEチューブの外表面
に、網状や突状のPTFE層を一体化して形成した構造
の人工血管が提案されている(特公昭60−37736
号、特公昭61−1143号、特公昭63−44382
号)。しかし、これらの人工血管は、補強効果が十分で
はなく、特に、移植後の生体組織の侵入性を高めるため
に延伸倍率を高めて孔径を大きくしたり、壁厚を薄くし
たりした場合には、実用上十分な補強効果を得ることが
できない。
に、網状や突状のPTFE層を一体化して形成した構造
の人工血管が提案されている(特公昭60−37736
号、特公昭61−1143号、特公昭63−44382
号)。しかし、これらの人工血管は、補強効果が十分で
はなく、特に、移植後の生体組織の侵入性を高めるため
に延伸倍率を高めて孔径を大きくしたり、壁厚を薄くし
たりした場合には、実用上十分な補強効果を得ることが
できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、縫合
操作性、組織適合性、開存性等に優れた多孔質PTFE
チューブからなる人工血管を提供することにある。本発
明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服するため
に鋭意研究した結果、多孔質PTFEチューブの外表面
に凸状を形成し、フッ素樹脂モノフィラメントなどの長
尺部材を長手方向に隣接する凸状部間に巻つけることに
より、前記目的を達成できることを見出した。本発明の
人工血管は、外表面に凸状を形成することにより、強度
と屈曲に対する耐座屈性がある程度改善されているた
め、長尺部材を密に巻きつけなくても、十分な強度を得
ることができる。しかも、本発明の人工血管では、多孔
質PTFEチューブの外表面に、長尺部材を適度な接着
力で、かつ、表面に突出させないように、固定すること
ができるため、前記従来技術の問題点を大幅に改良する
ことができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成
するに至ったものである。
操作性、組織適合性、開存性等に優れた多孔質PTFE
チューブからなる人工血管を提供することにある。本発
明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服するため
に鋭意研究した結果、多孔質PTFEチューブの外表面
に凸状を形成し、フッ素樹脂モノフィラメントなどの長
尺部材を長手方向に隣接する凸状部間に巻つけることに
より、前記目的を達成できることを見出した。本発明の
人工血管は、外表面に凸状を形成することにより、強度
と屈曲に対する耐座屈性がある程度改善されているた
め、長尺部材を密に巻きつけなくても、十分な強度を得
ることができる。しかも、本発明の人工血管では、多孔
質PTFEチューブの外表面に、長尺部材を適度な接着
力で、かつ、表面に突出させないように、固定すること
ができるため、前記従来技術の問題点を大幅に改良する
ことができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成
するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、繊維と該繊維によって互いに連結された結節とから
なる微細繊維状組織を有する多孔質ポリテトラフルオロ
エチレンチューブからなる人工血管において、該チュー
ブの外表面に、チューブ本体部分よりも見かけ上高い密
度を有しかつ該チューブの長手方向に対して45度以上
の角度をなす凸状部が形成され、該凸状部の高さ以下の
大きさの外径を有する長尺部材が少なくとも長手方向に
隣接する凸状部間に巻かれていることを特徴とする人工
血管が提供される。
ば、繊維と該繊維によって互いに連結された結節とから
なる微細繊維状組織を有する多孔質ポリテトラフルオロ
エチレンチューブからなる人工血管において、該チュー
ブの外表面に、チューブ本体部分よりも見かけ上高い密
度を有しかつ該チューブの長手方向に対して45度以上
の角度をなす凸状部が形成され、該凸状部の高さ以下の
大きさの外径を有する長尺部材が少なくとも長手方向に
隣接する凸状部間に巻かれていることを特徴とする人工
血管が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の人工血管の構造につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の人
工血管の1実施例を示す概略図である。多孔質PTFE
チューブ1の外表面には、PTFEの熱分解温度以上に
加熱して表面の微細繊維状組織に切断収縮及び/または
分解除去された部分を作ることにより、チューブ本体部
分よりも見かけ上高い密度をする凸状が形成される。こ
の態様では、凹部2と凸状部3とが網状構造を形成して
いる。フッ素樹脂モノフィラメント等の長尺部材6は、
凹部6に埋め込まれるように、多孔質PTFEチューブ
の外周面に螺旋状に巻き付けられている。長尺部材が凸
状部をクロスする場合は、凸状部のその部分は圧縮され
る(潰れる)ので、長尺部材がチューブ表面より突出す
ることはない。
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の人
工血管の1実施例を示す概略図である。多孔質PTFE
チューブ1の外表面には、PTFEの熱分解温度以上に
加熱して表面の微細繊維状組織に切断収縮及び/または
分解除去された部分を作ることにより、チューブ本体部
分よりも見かけ上高い密度をする凸状が形成される。こ
の態様では、凹部2と凸状部3とが網状構造を形成して
いる。フッ素樹脂モノフィラメント等の長尺部材6は、
凹部6に埋め込まれるように、多孔質PTFEチューブ
の外周面に螺旋状に巻き付けられている。長尺部材が凸
状部をクロスする場合は、凸状部のその部分は圧縮され
る(潰れる)ので、長尺部材がチューブ表面より突出す
ることはない。
【0010】図2は、本発明の人工血管の他の実施例を
示す概略図である。多孔質PTFEチューブ1の外表面
には、螺旋状に凹状部4と凸状部5とが設けられてい
る。長尺部材6は、隣接する凸状部間の凹状部に埋め込
まれるように、多孔質PTFEチューブの外周面に螺旋
状に巻き付けられている。図2中の符号7は、一部の断
面を示す。図3は、長尺部材が隣接する凸状部間の凹状
部に埋め込まれた状態を示す断面図である。図4は、従
来技術における補強繊維が該表面に突出している状態を
示す断面図である。
示す概略図である。多孔質PTFEチューブ1の外表面
には、螺旋状に凹状部4と凸状部5とが設けられてい
る。長尺部材6は、隣接する凸状部間の凹状部に埋め込
まれるように、多孔質PTFEチューブの外周面に螺旋
状に巻き付けられている。図2中の符号7は、一部の断
面を示す。図3は、長尺部材が隣接する凸状部間の凹状
部に埋め込まれた状態を示す断面図である。図4は、従
来技術における補強繊維が該表面に突出している状態を
示す断面図である。
【0011】本発明の人工血管では、多孔質PTFEチ
ューブの外表面に凸状部を形成することにより、ある程
度の強度と屈曲に対する耐座屈性を付与し、長尺部材を
この隣接する凸状部間の凹状部に沿って埋め込むように
巻き付けることにより、該チューブに長尺部材を密に巻
きつけなくても、ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性が付
与される。本発明の人工血管は、長尺部材を密に巻き付
ける必要がないため、多孔質PTFEチューブ本来のし
なやかさを維持することができる。本発明の人工血管
は、ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性が付与されている
ため、屈曲させても一様なアールを描いて座屈すること
がない上、反力が生じることもなく、反力による負荷が
原因で生体側の血管に動脈硬化などの変性を引き起こす
心配もない。したがって、本発明の人工血管は、吻合操
作が容易で、かつ、血圧の低い静脈などの部位、強度が
必要な部位、曲げ負荷が生じる部位などにも、オールラ
ウンドに用いることができる。
ューブの外表面に凸状部を形成することにより、ある程
度の強度と屈曲に対する耐座屈性を付与し、長尺部材を
この隣接する凸状部間の凹状部に沿って埋め込むように
巻き付けることにより、該チューブに長尺部材を密に巻
きつけなくても、ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性が付
与される。本発明の人工血管は、長尺部材を密に巻き付
ける必要がないため、多孔質PTFEチューブ本来のし
なやかさを維持することができる。本発明の人工血管
は、ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性が付与されている
ため、屈曲させても一様なアールを描いて座屈すること
がない上、反力が生じることもなく、反力による負荷が
原因で生体側の血管に動脈硬化などの変性を引き起こす
心配もない。したがって、本発明の人工血管は、吻合操
作が容易で、かつ、血圧の低い静脈などの部位、強度が
必要な部位、曲げ負荷が生じる部位などにも、オールラ
ウンドに用いることができる。
【0012】本発明の人工血管では、長尺部材が隣接す
る凸状部間で機械的に把持されると共に接着面積が大き
くなるため、特別な接着剤や強固な熱融着を施さなくて
も実用上十分な接着力が得られ、しかも、隣接する凸状
部間を該凸状部の高さ以下の大きさの外径を有する長尺
部材で埋めることにより、外表面を実質的に平滑な状態
にすることができる。本発明の人工血管は、長尺部材が
外表面から突出していないので、長尺部材に手術器具や
周囲組織が引っ掛かることがなく、手術中に長尺部材が
チューブから剥離してしまうこともない。また、本発明
の人工血管は、長尺部材を強固に接着させる必要がない
ため、生体血管との吻合の際には、縫合部位の長尺部材
をチューブに損傷を与えることなく容易に除去すること
ができる上、チューブ表面に残存する凸部によって、縫
合に対する十分な強度が保たれる。本発明の人工血管で
は、長尺部材に瘢痕組織が強固に絡まることがないの
で、例えば透析内シャントのように、頻繁に人工血管を
取り替えなければならない場合でも、人工血管を容易に
摘出することができる。また、本発明の人工血管は、長
尺部材が外表面から突出していないために、皮下のよう
な浅い部位に移植した場合でも、機械的な異物感がな
く、患者にストレスを与えることがない。
る凸状部間で機械的に把持されると共に接着面積が大き
くなるため、特別な接着剤や強固な熱融着を施さなくて
も実用上十分な接着力が得られ、しかも、隣接する凸状
部間を該凸状部の高さ以下の大きさの外径を有する長尺
部材で埋めることにより、外表面を実質的に平滑な状態
にすることができる。本発明の人工血管は、長尺部材が
外表面から突出していないので、長尺部材に手術器具や
周囲組織が引っ掛かることがなく、手術中に長尺部材が
チューブから剥離してしまうこともない。また、本発明
の人工血管は、長尺部材を強固に接着させる必要がない
ため、生体血管との吻合の際には、縫合部位の長尺部材
をチューブに損傷を与えることなく容易に除去すること
ができる上、チューブ表面に残存する凸部によって、縫
合に対する十分な強度が保たれる。本発明の人工血管で
は、長尺部材に瘢痕組織が強固に絡まることがないの
で、例えば透析内シャントのように、頻繁に人工血管を
取り替えなければならない場合でも、人工血管を容易に
摘出することができる。また、本発明の人工血管は、長
尺部材が外表面から突出していないために、皮下のよう
な浅い部位に移植した場合でも、機械的な異物感がな
く、患者にストレスを与えることがない。
【0013】本発明における多孔質PTFEチューブ
は、以下のようにして製造することができる。例えば、
特公昭42−13560号に記載の方法により、先ず、
PTFE未焼結粉末に液体潤滑剤を混合し、混合物をラ
ム押し出しによってチューブ状に押し出した後、管軸方
向に任意の倍率に延伸する。このチューブを、収縮が起
こらないように固定しながら、焼結温度の327℃以上
に加熱して延伸した構造を焼結固定する。このようにし
て得られる多孔質PTFEの孔径や気孔率は、延伸倍率
によって任意に設定が可能であるが、人工血管として用
いるためには、平均孔径1〜200μm、気孔率50〜
85%、壁厚200〜1000μmのものが望ましい。
は、以下のようにして製造することができる。例えば、
特公昭42−13560号に記載の方法により、先ず、
PTFE未焼結粉末に液体潤滑剤を混合し、混合物をラ
ム押し出しによってチューブ状に押し出した後、管軸方
向に任意の倍率に延伸する。このチューブを、収縮が起
こらないように固定しながら、焼結温度の327℃以上
に加熱して延伸した構造を焼結固定する。このようにし
て得られる多孔質PTFEの孔径や気孔率は、延伸倍率
によって任意に設定が可能であるが、人工血管として用
いるためには、平均孔径1〜200μm、気孔率50〜
85%、壁厚200〜1000μmのものが望ましい。
【0014】多孔質PTFEチューブの外表面に凸状部
を形成するには、各種の方法が採用できる。例えば、多
孔質PTFEチューブの外表面に、加熱によって微小凹
凸を形成することができる。この方法としては、例え
ば、熱風、火炎、レーザー光等により、延伸PTFEチ
ューブ外表面を400〜500℃に加熱して、該チュー
ブ外表面に微小な凹凸構造を形成する方法がある(特公
昭63−23215号)。この方法によれば、表面部分
の微細繊維状組織において、微細繊維の切断や融着合
体、結節間の収縮による結節の融着合体、表面の部分的
な分解除去などが生じ、凹凸構造が形成される。この方
法により形成された凸状部は、チューブ本体部分よりも
見かけ上高い密度を有している。
を形成するには、各種の方法が採用できる。例えば、多
孔質PTFEチューブの外表面に、加熱によって微小凹
凸を形成することができる。この方法としては、例え
ば、熱風、火炎、レーザー光等により、延伸PTFEチ
ューブ外表面を400〜500℃に加熱して、該チュー
ブ外表面に微小な凹凸構造を形成する方法がある(特公
昭63−23215号)。この方法によれば、表面部分
の微細繊維状組織において、微細繊維の切断や融着合
体、結節間の収縮による結節の融着合体、表面の部分的
な分解除去などが生じ、凹凸構造が形成される。この方
法により形成された凸状部は、チューブ本体部分よりも
見かけ上高い密度を有している。
【0015】また、多孔質PTFEチューブの外表面に
一定の間隔をあけて断熱材を螺旋状に巻き付けた状態で
外表面から加熱し、断熱材が被覆されていない部分のP
TFEのみがPTFEの分解温度以上になるまで加熱し
分解させた後、断熱材を除去することによって、螺旋状
の凸状部を形成することができる。この方法により形成
された凸状部もチューブ本体部分よりも見かけ上高い密
度を有している。他の方法としては、延伸工程の前処理
として、押し出したチューブの外表面に螺旋状の溝を刻
んだ後に延伸を行えば、表面に螺旋状の凸状部が形成さ
れた多孔質PTFEチューブが得られる。この場合も、
凸状部の見かけ密度はチューブ本体よりも高くなる。
一定の間隔をあけて断熱材を螺旋状に巻き付けた状態で
外表面から加熱し、断熱材が被覆されていない部分のP
TFEのみがPTFEの分解温度以上になるまで加熱し
分解させた後、断熱材を除去することによって、螺旋状
の凸状部を形成することができる。この方法により形成
された凸状部もチューブ本体部分よりも見かけ上高い密
度を有している。他の方法としては、延伸工程の前処理
として、押し出したチューブの外表面に螺旋状の溝を刻
んだ後に延伸を行えば、表面に螺旋状の凸状部が形成さ
れた多孔質PTFEチューブが得られる。この場合も、
凸状部の見かけ密度はチューブ本体よりも高くなる。
【0016】本発明では、PTFEチューブの外表面
に、チューブ本体部分よりも見かけ上高い密度を有しか
つ該チューブの長手方向に対して45度以上の角度をな
す凸状部を形成し、該凸状部の高さ以下の大きさの外径
を有する長尺部材を少なくとも長手方向に隣接する凸状
部間に巻つけることにより人工血管を製造する。長尺部
材の巻きつけは、補強効果や耐座屈性、作業性などの観
点から、一般には、螺旋状に巻きつける。凸状部をチュ
ーブ長手方向に対して45度以上(90度が限度)とし
たのは、人工血管の(曲げ)柔軟性を保持したまま圧縮
力を高めるためである。
に、チューブ本体部分よりも見かけ上高い密度を有しか
つ該チューブの長手方向に対して45度以上の角度をな
す凸状部を形成し、該凸状部の高さ以下の大きさの外径
を有する長尺部材を少なくとも長手方向に隣接する凸状
部間に巻つけることにより人工血管を製造する。長尺部
材の巻きつけは、補強効果や耐座屈性、作業性などの観
点から、一般には、螺旋状に巻きつける。凸状部をチュ
ーブ長手方向に対して45度以上(90度が限度)とし
たのは、人工血管の(曲げ)柔軟性を保持したまま圧縮
力を高めるためである。
【0017】長尺部材を巻き付けた後、長尺部材を構成
する材料の融点以上に加熱して、該長尺部材を多孔質P
TFEチューブ表面に融着させることが好ましい。長尺
部材の材料を溶解ないしは膨潤させる溶媒に含浸させ、
長尺部材を一部溶解させて接着させてもよいし、あるい
は接着剤を用いて接着させてもよい。しかし、一般に
は、長尺部材を巻きつけた後、長尺部材の材料の融点以
上の温度に短時間加熱して、軽く融着させることで十分
である。
する材料の融点以上に加熱して、該長尺部材を多孔質P
TFEチューブ表面に融着させることが好ましい。長尺
部材の材料を溶解ないしは膨潤させる溶媒に含浸させ、
長尺部材を一部溶解させて接着させてもよいし、あるい
は接着剤を用いて接着させてもよい。しかし、一般に
は、長尺部材を巻きつけた後、長尺部材の材料の融点以
上の温度に短時間加熱して、軽く融着させることで十分
である。
【0018】長尺部材としては、十分な強度を有し巻き
付け加工が可能で、生体内で炎症や分解を起こさず無害
な材料であれば特に限定されないが、延伸または未延伸
のPTFE繊維やテトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)繊維等が優れてい
る。長尺部材の形状としては、隣接する凸状部間(凹状
部)との密着面積を大きくするために、断面が円形のモ
ノフィラメントが好ましいが、マルチフィラメントでも
よい。
付け加工が可能で、生体内で炎症や分解を起こさず無害
な材料であれば特に限定されないが、延伸または未延伸
のPTFE繊維やテトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)繊維等が優れてい
る。長尺部材の形状としては、隣接する凸状部間(凹状
部)との密着面積を大きくするために、断面が円形のモ
ノフィラメントが好ましいが、マルチフィラメントでも
よい。
【0019】多孔質PTFEチューブの外表面に形成さ
れた凸状部構造における凸状部の高さ(凹状部の深さ)
は、通常、壁厚の20〜80%、好ましくは30〜70
%程度である。また、長尺部材の外径は、凸状部の高さ
以下の大きさとする。長尺部材の外径は、凸状部の高さ
の75〜100%程度とすることが好ましい。凸状部の
高さと長尺部材の外径とをほぼ同じ程度にすれば、実質
的に表面が平滑な人工血管を得ることができる。
れた凸状部構造における凸状部の高さ(凹状部の深さ)
は、通常、壁厚の20〜80%、好ましくは30〜70
%程度である。また、長尺部材の外径は、凸状部の高さ
以下の大きさとする。長尺部材の外径は、凸状部の高さ
の75〜100%程度とすることが好ましい。凸状部の
高さと長尺部材の外径とをほぼ同じ程度にすれば、実質
的に表面が平滑な人工血管を得ることができる。
【0020】多孔質PTFEチューブの外表面に螺旋状
に凸状構造を形成する場合には、螺旋の形状は特に限定
されないが、螺旋のピッチは1〜5mm、隣接する凸状
部間の幅は0.1〜2mm、凹状部の深さは0.1〜
0.5mm程度とすることが望ましい。長尺部材を巻つ
ける間隔は、特に限定されないが、通常、長尺部材が前
記チューブ周長の1/10〜1倍、より好ましくは1/
5〜1倍の周期で該チューブの外表面に巻かれているこ
とが望ましい。長尺部材は、必ずしもすべての凸状部の
間に巻つける必要はなく、その一部であってもよい。
に凸状構造を形成する場合には、螺旋の形状は特に限定
されないが、螺旋のピッチは1〜5mm、隣接する凸状
部間の幅は0.1〜2mm、凹状部の深さは0.1〜
0.5mm程度とすることが望ましい。長尺部材を巻つ
ける間隔は、特に限定されないが、通常、長尺部材が前
記チューブ周長の1/10〜1倍、より好ましくは1/
5〜1倍の周期で該チューブの外表面に巻かれているこ
とが望ましい。長尺部材は、必ずしもすべての凸状部の
間に巻つける必要はなく、その一部であってもよい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0022】[実施例1]内径3mm、外径4mm、平
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
チューブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィ
ラメントを凹部に埋め込まれるように4mm間隔で螺旋
状に巻きつけた後、300℃で5分間加熱した。得られ
たチューブの破裂圧は3kg/cm2以上で、屈曲径4
mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5mmで
1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィ
ラメントがチューブから剥離していることはなかった。
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
チューブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィ
ラメントを凹部に埋め込まれるように4mm間隔で螺旋
状に巻きつけた後、300℃で5分間加熱した。得られ
たチューブの破裂圧は3kg/cm2以上で、屈曲径4
mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5mmで
1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィ
ラメントがチューブから剥離していることはなかった。
【0023】[実施例2]内径3mm、外径4mmのP
TFEチューブを押し出し、助剤を除去後に深さ250
μm、0.3mmピッチの螺旋状の溝を刻んだ。このチ
ューブを300℃で10倍に延伸し、平均孔径90μ
m、気孔率75%で、外表面に凹部の幅200μm、深
さ180μm、ピッチ3mmの螺旋状の凸状部を形成し
た。このチューブの外表面に外径180μmのFEPモ
ノフィラメントを凹部に埋め込まれるように螺旋状に巻
きつけた後、350℃で5分間加熱した。得られたチュ
ーブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈曲径4mm
に曲げても座屈しなかった。また、屈曲径4mmで10
00回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィラメ
ントがチューブから剥離していることはなかった。
TFEチューブを押し出し、助剤を除去後に深さ250
μm、0.3mmピッチの螺旋状の溝を刻んだ。このチ
ューブを300℃で10倍に延伸し、平均孔径90μ
m、気孔率75%で、外表面に凹部の幅200μm、深
さ180μm、ピッチ3mmの螺旋状の凸状部を形成し
た。このチューブの外表面に外径180μmのFEPモ
ノフィラメントを凹部に埋め込まれるように螺旋状に巻
きつけた後、350℃で5分間加熱した。得られたチュ
ーブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈曲径4mm
に曲げても座屈しなかった。また、屈曲径4mmで10
00回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィラメ
ントがチューブから剥離していることはなかった。
【0024】[実施例3]内径4mm、外径5mm、平
均孔径60μm、気孔率70%の多孔質PTFEチュー
ブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加熱
し、深さ300μmの凹凸を外表面に形成した。このチ
ューブの外表面に、外径300μmのFEPモノフィラ
メントを凹部に埋め込まれるように2mm間隔で螺旋状
に巻きつけた後、300℃で5分間加熱した。得られた
チューブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈曲径5
mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5mmで
1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィ
ラメントがチューブから剥離していることはなかった。
均孔径60μm、気孔率70%の多孔質PTFEチュー
ブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加熱
し、深さ300μmの凹凸を外表面に形成した。このチ
ューブの外表面に、外径300μmのFEPモノフィラ
メントを凹部に埋め込まれるように2mm間隔で螺旋状
に巻きつけた後、300℃で5分間加熱した。得られた
チューブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈曲径5
mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5mmで
1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モノフィ
ラメントがチューブから剥離していることはなかった。
【0025】[実施例4]内径3mm、外径4mm、平
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
チューブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィ
ラメントを凹部に埋め込まれるように1.5mm間隔で
螺旋状に巻き付けた後、300℃で5分間加熱した。得
られたチューブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈
曲径4mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5
mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モ
ノフィラメントがチューブから剥離していることはなか
った。
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
チューブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィ
ラメントを凹部に埋め込まれるように1.5mm間隔で
螺旋状に巻き付けた後、300℃で5分間加熱した。得
られたチューブの破裂圧は10kg/cm2以上で、屈
曲径4mmに曲げても座屈しなかった。また、屈曲径5
mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った後も、モ
ノフィラメントがチューブから剥離していることはなか
った。
【0026】[実施例5]内径4mm、外径5mmのP
TFEチューブを押し出し、300℃で6倍に延伸後、
350℃で10分間加熱した。このチューブの外表面に
幅2.8mmのガラス繊維を0.2mm間隔で巻きつ
け、外表面を400℃に3分間加熱して、凹部の幅0.
2mm、深さ0.2mm、凸部の幅2.8mmの螺旋状
の凸状部を形成した。チューブの平均孔径は60μm、
気孔率70%であった。このチューブの外表面に外径1
80μmのFEPモノフィラメントを凹部に埋め込まれ
るように螺旋状に巻き付けた後、350℃で5分間加熱
した。得られたチューブの破裂圧は10kg/cm2以
上で、屈曲径5mmに曲げても座屈しなかった。また、
屈曲径5mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った
後も、モノフィラメントがチューブから剥離しているこ
とはなかった。
TFEチューブを押し出し、300℃で6倍に延伸後、
350℃で10分間加熱した。このチューブの外表面に
幅2.8mmのガラス繊維を0.2mm間隔で巻きつ
け、外表面を400℃に3分間加熱して、凹部の幅0.
2mm、深さ0.2mm、凸部の幅2.8mmの螺旋状
の凸状部を形成した。チューブの平均孔径は60μm、
気孔率70%であった。このチューブの外表面に外径1
80μmのFEPモノフィラメントを凹部に埋め込まれ
るように螺旋状に巻き付けた後、350℃で5分間加熱
した。得られたチューブの破裂圧は10kg/cm2以
上で、屈曲径5mmに曲げても座屈しなかった。また、
屈曲径5mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った
後も、モノフィラメントがチューブから剥離しているこ
とはなかった。
【0027】[比較例1]押し出し、延伸により内径3
mm、外径4mm、平均孔径200μm、気孔率80%
の多孔質PTFEチューブを製造した。このチューブの
破裂圧は0.8kg/cm2以下で、屈曲径4mmに曲
げると座屈した。 [比較例2]押し出し、延伸により内径4mm、外径5
mm、平均孔径60μm、気孔率70%の多孔質PTF
Eチューブを製造した。このチューブの破裂圧は2kg
/cm2で、屈曲径5mmに曲げるとで座屈した。
mm、外径4mm、平均孔径200μm、気孔率80%
の多孔質PTFEチューブを製造した。このチューブの
破裂圧は0.8kg/cm2以下で、屈曲径4mmに曲
げると座屈した。 [比較例2]押し出し、延伸により内径4mm、外径5
mm、平均孔径60μm、気孔率70%の多孔質PTF
Eチューブを製造した。このチューブの破裂圧は2kg
/cm2で、屈曲径5mmに曲げるとで座屈した。
【0028】[比較例3]内径3mm、外径4mm、平
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
補強チューブは、屈曲径4mmに曲げても座屈しない
が、破裂圧は1.5kg/cm2以下であった。
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面をガスバーナーによる火炎処理によって加
熱し、深さ200μmの凹凸を外表面に形成した。この
補強チューブは、屈曲径4mmに曲げても座屈しない
が、破裂圧は1.5kg/cm2以下であった。
【0029】[比較例4]内径3mm、外径4mm、平
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィラメ
ントを4mm間隔で巻き付けた後、300℃で5分間加
熱した。この補強チューブの破裂圧は、3kg/cm2
以上だが、屈曲径4mmに曲げると座屈しないが補強繊
維を支点に折れ曲がるように屈曲した。また、屈曲径4
mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った結果、モ
ノフィラメントが部分的にチューブ外表面から剥離し
た。
均孔径200μm、気孔率80%の多孔質PTFEチュ
ーブの外表面に、外径200μmのFEPモノフィラメ
ントを4mm間隔で巻き付けた後、300℃で5分間加
熱した。この補強チューブの破裂圧は、3kg/cm2
以上だが、屈曲径4mmに曲げると座屈しないが補強繊
維を支点に折れ曲がるように屈曲した。また、屈曲径4
mmで1000回の繰り返し曲げ試験を行った結果、モ
ノフィラメントが部分的にチューブ外表面から剥離し
た。
【0030】[比較例5]内径3mm、外径4mmのP
TFEチューブを押し出し、助剤を除去後に、深さ25
0μm、0.3mmピッチの螺旋状の溝を刻んだ。この
チューブを300℃で10倍に延伸し、平均孔径90μ
m、気孔率75%で、外表面に幅200μm、深さ18
0μm、ピッチ3mmの螺旋状の凸状部を形成した。こ
の補強チューブは、屈曲径4mmで座屈しなかったが、
破裂圧は1.5kg/cm2以下であった。
TFEチューブを押し出し、助剤を除去後に、深さ25
0μm、0.3mmピッチの螺旋状の溝を刻んだ。この
チューブを300℃で10倍に延伸し、平均孔径90μ
m、気孔率75%で、外表面に幅200μm、深さ18
0μm、ピッチ3mmの螺旋状の凸状部を形成した。こ
の補強チューブは、屈曲径4mmで座屈しなかったが、
破裂圧は1.5kg/cm2以下であった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、多孔質PTFEチュー
ブの外表面に凸状部を形成することである程度の強度と
屈曲に対する耐座屈性を付与し、さらに、長尺部材を隣
接する凸状部間に沿って埋め込むように巻きつけること
により、チューブに長尺部材を密に巻き付けなくても、
ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性を有する人工血管が提
供される。本発明の人工血管は、多孔質PTFEチュー
ブ本来のしなやかさを維持することが可能で、屈曲させ
ても一様なアールを描いて座屈することがない上に、反
力が生じることもなく、反力による負荷が原因で生体側
の血管に動脈硬化などの変性を引き起こす心配もない。
本発明の人工血管は、吻合操作が容易で、かつ、血圧の
低い静脈などの部位、強度が必要な部位や曲げ負荷が生
じる部位で、オールランドに用いることができる。ま
た、長尺部材が凸状部間で機械的に把持されると共に接
着面積が大きくなり、特別な接着剤や強固な熱融着を施
さなくても実用上十分な接着力が得られ、しかも外表面
を実質的に平滑な状態にすることができる。本発明の人
工血管は、長尺部材が外表面から突出していないので、
長尺部材が手術器具や周囲組織が引っ掛かることがな
く、手術中に長尺部材がチューブから剥離してしまうこ
ともない。本発明の人工血管は、生体血管との吻合の際
には、チューブに損傷を与えることなく容易に長尺部材
を除去することができる上に、チューブ表面に残存する
凸状部によって、縫合に対しては十分な強度が保たれ
る。また、長尺部材に瘢痕組織が強固に絡まることがな
いので、例えば、透析内シャントのように、頻繁に人工
血管を取り替えなければならない場合でも、人工血管を
容易に摘出することができる。さらに、本発明の人工血
管は、長尺部材が外表面から突出していないために、皮
下のような浅い部位に移植した場合でも、機械的な異物
感がなく、患者にストレスを与えることがない。このよ
うに、本発明によれば、圧迫や屈曲に対して十分な強度
を有し、かつ、縫合性に優れた人工血管が提供される。
ブの外表面に凸状部を形成することである程度の強度と
屈曲に対する耐座屈性を付与し、さらに、長尺部材を隣
接する凸状部間に沿って埋め込むように巻きつけること
により、チューブに長尺部材を密に巻き付けなくても、
ほぼ均質で十分な強度と耐座屈性を有する人工血管が提
供される。本発明の人工血管は、多孔質PTFEチュー
ブ本来のしなやかさを維持することが可能で、屈曲させ
ても一様なアールを描いて座屈することがない上に、反
力が生じることもなく、反力による負荷が原因で生体側
の血管に動脈硬化などの変性を引き起こす心配もない。
本発明の人工血管は、吻合操作が容易で、かつ、血圧の
低い静脈などの部位、強度が必要な部位や曲げ負荷が生
じる部位で、オールランドに用いることができる。ま
た、長尺部材が凸状部間で機械的に把持されると共に接
着面積が大きくなり、特別な接着剤や強固な熱融着を施
さなくても実用上十分な接着力が得られ、しかも外表面
を実質的に平滑な状態にすることができる。本発明の人
工血管は、長尺部材が外表面から突出していないので、
長尺部材が手術器具や周囲組織が引っ掛かることがな
く、手術中に長尺部材がチューブから剥離してしまうこ
ともない。本発明の人工血管は、生体血管との吻合の際
には、チューブに損傷を与えることなく容易に長尺部材
を除去することができる上に、チューブ表面に残存する
凸状部によって、縫合に対しては十分な強度が保たれ
る。また、長尺部材に瘢痕組織が強固に絡まることがな
いので、例えば、透析内シャントのように、頻繁に人工
血管を取り替えなければならない場合でも、人工血管を
容易に摘出することができる。さらに、本発明の人工血
管は、長尺部材が外表面から突出していないために、皮
下のような浅い部位に移植した場合でも、機械的な異物
感がなく、患者にストレスを与えることがない。このよ
うに、本発明によれば、圧迫や屈曲に対して十分な強度
を有し、かつ、縫合性に優れた人工血管が提供される。
【図1】図1は、火炎処理で凹凸構造を形成させた多孔
質PTFEチューブに補強繊維を巻き付けた本発明の人
工血管の斜視図である。
質PTFEチューブに補強繊維を巻き付けた本発明の人
工血管の斜視図である。
【図2】図2は、螺旋状に凸状構造を形成させた多孔質
PTFEチューブに補強繊維を巻きつけた本発明の人工
血管の全体と一部断面の斜視図である。
PTFEチューブに補強繊維を巻きつけた本発明の人工
血管の全体と一部断面の斜視図である。
【図3】図3は、多孔質PTFEチューブの隣接する凸
状部間に補強繊維が埋め込まれた本発明の人工血管を示
す断面図である。
状部間に補強繊維が埋め込まれた本発明の人工血管を示
す断面図である。
【図4】図4は、凸状構造のない多孔質PTFEチュー
ブに補強繊維を巻きつけた従来の人工血管の断面図であ
る。
ブに補強繊維を巻きつけた従来の人工血管の断面図であ
る。
1 多孔質PTFEチューブ 2 火炎処理で形成された凹部 3 火炎処理で形成された凸状部 4 螺旋状に形成された凹状部 5 螺旋状に形成された凸状部 6 長尺部材 7 一部断面 8 凹凸のない多孔質PTFEチューブ
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維と該繊維によって互いに連結された
結節とからなる微細繊維状組織を有する多孔質ポリテト
ラフルオロエチレンチューブからなる人工血管におい
て、該チューブの外表面に、チューブ本体部分よりも見
かけ上高い密度を有しかつ該チューブの長手方向に対し
て45度以上の角度をなす凸状部が形成され、該凸状部
の高さ以下の大きさの外径を有する長尺部材が少なくと
も長手方向に隣接する凸状部間に巻かれていることを特
徴とする人工血管。 - 【請求項2】 長尺部材が前記チューブ周長の1/10
〜1倍の周期で該チューブの外表面に巻かれている請求
項1記載の人工血管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7269288A JPH0984812A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 人工血管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7269288A JPH0984812A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 人工血管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0984812A true JPH0984812A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17470269
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7269288A Pending JPH0984812A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 人工血管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0984812A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4759575B2 (ja) * | 2004-12-31 | 2011-08-31 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 焼結リング支持血管グラフト |
| JP2016179192A (ja) * | 2010-05-20 | 2016-10-13 | マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー | 外側ポリマー支持構造を有した複合人工器官およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-09-22 JP JP7269288A patent/JPH0984812A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4759575B2 (ja) * | 2004-12-31 | 2011-08-31 | ボストン サイエンティフィック リミテッド | 焼結リング支持血管グラフト |
| JP2016179192A (ja) * | 2010-05-20 | 2016-10-13 | マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー | 外側ポリマー支持構造を有した複合人工器官およびその製造方法 |
| US9956069B2 (en) | 2010-05-20 | 2018-05-01 | Maquet Cardiovascular Llc | Composite prosthesis with external polymeric support structure and methods of manufacturing the same |
| JP2018183602A (ja) * | 2010-05-20 | 2018-11-22 | マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー | 外側ポリマー支持構造を有した複合人工器官およびその製造方法 |
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