JPH0987544A - 熱可塑性樹脂被覆無機充填材および該充填材を含む熱硬化性樹脂成形材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂被覆無機充填材および該充填材を含む熱硬化性樹脂成形材料

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JPH0987544A
JPH0987544A JP24331195A JP24331195A JPH0987544A JP H0987544 A JPH0987544 A JP H0987544A JP 24331195 A JP24331195 A JP 24331195A JP 24331195 A JP24331195 A JP 24331195A JP H0987544 A JPH0987544 A JP H0987544A
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JP
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thermoplastic resin
inorganic filler
resin
filler
molding material
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JP24331195A
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Takeshi Kuri
武 久利
Tatsuya Osako
達也 大迫
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形材料の粘度を変化させることなく、製造
ラインの摩耗を起こさずに、適正な成形条件で成形を行
うことができる充填材を提供し、また良好な低収縮性や
耐汚染性、表面硬度等の物性を保持したまま、低いスチ
レンモノマー揮発量を示す成形品を製造することのでき
る熱硬化性樹脂成形材料を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を主成分とする成形材料に
配合される充填材であって、粒状無機充填材が熱可塑性
樹脂によって被覆されている熱可塑性樹脂被覆無機充填
材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂成形
材料に配合される粒状の無機充填材、および熱硬化性樹
脂成形材料に関し、詳細には、熱可塑性樹脂によって被
覆された粒状無機充填材、および該充填材を含有する熱
硬化性樹脂成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在様々なプラスチック製品が上市され
ている。中でも、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性
樹脂を主成分とする成形材料から得られるプラスチック
製品は、繊維強化型(FRP)、非強化型にかかわら
ず、船舶・自動車分野、建築資材分野等や、工業機材、
住宅機材、タンク、雑貨等にまで広く利用されている。
これらの熱硬化性成形材料には、補強用繊維等の充填材
以外に、粒状の無機充填剤が配合されることが多い。
【0003】この粒状無機充填材としては、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、
クレー、タルク等種々のものが知られており、増量作用
によるコストダウン、あるいは補強作用の他に、寸法安
定性および熱変形温度の向上を図るため、また表面硬度
を高めて成形品の耐傷つき性を改善する等の目的で配合
されている。さらに充填材の種類によっては、電気絶縁
性、導電性、難燃性、遮音性、制振性、易焼却性等の様
々な効果が期待されて配合されている。
【0004】しかし、充填材の配合によるデメリットも
ある。例えば、充填材の硬度が高い場合、成形材料製造
工程で用いられる混合機、混練機の内壁や撹拌羽根、あ
るいは成形機のシリンダーや金型等のステンレス鋼製等
の金属部材を損耗させるという問題である。これらの製
造ラインが損耗すると、成形材料中に金属粉が混入し
て、成形品が変色したり表面外観不良の原因となる。ま
た損耗を防ぐための窒化処理あるいはCrメッキ処理等
を施した耐摩耗性の製造ラインも利用されているが、耐
摩耗性は永久的に続く特性ではないので、設備コストが
高過ぎ、改善が要求されている。
【0005】また、多量の充填材を熱硬化性樹脂成形材
料に配合すると、成形材料の粘度が急激にあるいは経時
的に上昇するという不都合がある。これは充填材の表面
や内部に成形材料中の低粘度成分が吸着されることによ
るが、成形材料の粘度が変化すると、金型内への広がり
が悪くなると共に適正な成形条件が変動して、良好な外
観や物性を有する成形品が得られない。
【0006】さらに、耐酸性や耐水性が劣っている充填
材(例えば炭酸カルシウムや硫酸カルシウム等)を用い
ると、成形品を食器具として使用しているうちに、ケチ
ャップやマスタード等の着色食料品が成形品表面近傍の
充填材に吸着されることによって、食器にシミや変色が
起こるという問題も指摘されていた。
【0007】一方、BMC等の熱硬化性樹脂成形材料の
マトリックス樹脂として汎用されている不飽和ポリエス
テル樹脂は、不飽和ポリエステルと、スチレン等のビニ
ルモノマーを主たる成分として含む液状樹脂である。し
かし近年、不飽和ポリエステル樹脂含有成形材料(以下
PU系成形材料という)の貯蔵・輸送過程や、成形工程
でのスチレンモノマーの規制が厳しくなり、スチレンモ
ノマーの揮発を極力防止することが要求されている。ま
た成形品中の残存スチレンモノマーも問題となってお
り、特に成形品を食器として用いるには、有毒かつ悪臭
のする残存スチレンモノマーを成形品から除去するため
にポストベーキング(後加熱)が必要であったが、コス
ト増大や成形品が変色してしまうという不都合があっ
た。このような観点から、PU系成形材料中のスチレン
モノマー量を低減させる試みがなされており、例えば、
スチレンに変わる高沸点モノマーの使用、不飽和ポリエ
ステルの低分子量化(低粘度化)等が提案されている。
【0008】しかしこれらの提案では、低収縮化剤に用
いられるスチレンモノマーについて考慮されていない。
すなわちPU系成形材料には、成形収縮率を下げて寸法
安定性を確保するため、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂からなる低収
縮化剤が添加されているが、これらはいずれもスチレン
モノマー溶液状態で配合されている。これらの低収縮化
剤の配合のためのスチレンモノマーは、熱可塑性樹脂の
粘度を下げ、不飽和ポリエステルと均一に混合するため
に用いられているため、ハンドリング性の点からも、そ
の量を減らすことはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、熱
硬化性樹脂成形材料における前記充填材の問題とスチレ
ンモノマーの低減化を同時に解決することを試みた。す
なわち、成形材料の粘度を変化させることなく、製造ラ
インの摩耗を起こさずに、適正な成形条件で成形を行う
ことができる充填材を提供し、また良好な低収縮性や耐
汚染性、表面硬度等の物性を保持したまま、低いスチレ
ンモノマー揮発量を示す成形品を製造することのできる
熱硬化性樹脂成形材料を提供することを課題とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明の充填材は、熱硬化性樹脂を主成分とする成形材料
に配合される充填材であって、粒状無機充填材が熱可塑
性樹脂によって被覆されているところに要旨を有する。
熱可塑性樹脂被覆無機充填材に対する熱可塑性樹脂の割
合が1〜20重量%であること、熱可塑性樹脂被覆無機
充填材の粒径が500μm以下であることは、成形材料
の粘度を適正に保ち、充填材の均一な分散を可能にする
点で好ましい実施態様である。
【0011】熱硬化性樹脂マトリックスの低収縮化を図
り、かつ得られる成形品の性能を高める点で、粒状無機
充填材を被覆する熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリル系
樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂よりなる群から選択さ
れる1種以上の樹脂であることが推奨される。
【0012】上記充填材は、粒状無機充填材を熱可塑性
樹脂溶液中へ分散させた後、溶媒を留去し、乾燥後、粉
砕することによって得られるものであることが好まし
い。本発明には、上記熱可塑性樹脂被覆無機充填材を含
有する熱硬化性樹脂成形材料、特に食器用成形品として
使用される該熱硬化性樹脂成形材料も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる粒状無機充填
材は、公知の粒状の無機充填材(以下単に無機充填材と
いう)であり、具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、
酸化亜鉛、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ウオラ
ストナイト、ガラス粉末等が挙げられ、これらのうちの
1種、または2種以上を混合して使用することができ
る。熱可塑性樹脂被覆前の無機充填材の好ましい大きさ
は、0.05〜500μm未満である。0.05μmよ
り微細であると、熱可塑性樹脂の被覆工程で凝集し易い
ため好ましくない。また500μm以上では、樹脂被覆
後の充填材が過大となって成形品の表面性状を劣化させ
ることがあるため好ましくない。
【0014】被覆される熱可塑性樹脂は、特に限定され
ないが、熱硬化性樹脂成形材料の低収縮化剤として用い
られ、成形品の物性低下を引き起こさないものとして知
られている熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のメチル、エチ
ル、ブチル、プロピル、ヘキシル、オクチル、シクロヘ
キシル、ヒドロキシエチル等のエステル類の(共)重合
体である(メタ)アクリル系樹脂;エチレン、プロピレ
ン、ブテン等のα−オレフィン類の(共)重合体である
オレフィン系樹脂;スチレン、クロロスチレン、ビニル
トルエン等の(共)重合体であるスチレン系樹脂;酢酸
ビニルの(共)重合体である酢酸ビニル系樹脂;ポリア
ミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエステ
ル等の飽和ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げ
られる。これらは、1種または2種以上混合して使用で
きる。また、ある熱可塑性樹脂を被覆した無機充填材
と、別の熱可塑性樹脂を被覆した無機充填材を作ってか
ら、熱硬化性樹脂成形材料において複合使用することも
できる。
【0015】上記各樹脂は、それぞれの樹脂の構成モノ
マーとして例示した上記モノマーの単独重合体(例えば
ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン等)もしくは2
種以上のモノマーの共重合体(例えばアクリル酸−メタ
クリル酸エチル共重合体、ポリエチレン−ブチレンテレ
フタレート等)であってもよく、さらには他の樹脂の構
成モノマーとの共重合体(例えば、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等)であっても良い。さらに、例示したモノマー以外の
モノマーを若干量共重合した共重合体も本発明の熱可塑
性樹脂に含まれる。
【0016】これらの熱可塑性樹脂のなかで、Tgがあ
まりにも低い樹脂は、常温で粘着性を有し、無機充填剤
に被覆した後の乾燥・粉砕工程の作業性が悪化するため
好ましくない。また、粉砕後の保管時にブロッキングを
起こすという問題も生じる。さらにゴム系の樹脂は、耐
薬品性に劣るという欠点と共に、成形時の加熱によって
黄変し、白色度の高い成形品に使用できないという不具
合も有するため、本発明には好ましくない。これらの観
点から、比較的Tgの高い熱可塑性樹脂の利用が推奨さ
れ、例えばポリメタクリル酸メチル等が好ましく用いら
れる。特に、成形品を食器具として用いる場合は、耐食
品汚染性に優れたポリメタクリル酸メチル等のポリメタ
クリレートが好ましい。
【0017】本発明では、上記熱可塑性樹脂で粒状の無
機充填材を被覆しているので、硬度の大きい無機充填材
を使用しても、製造ラインの摩耗を起こすことはない。
また充填材が熱硬化性樹脂成形材料中の低粘度成分を吸
着することによる該成形材料の粘度上昇も起こり得ない
ので、常に適正な成形条件で成形を行うことができる。
また、成形後にケチャップやマスタード等の着色食品物
で汚染されることもない。さらに、無機充填材を被覆し
ている熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂含有成形材料が熱
硬化する際に、低収縮化剤として作用するため、これら
の熱可塑性樹脂をスチレンモノマー溶液で成形材料中に
添加する必要がなく、スチレンモノマーの量を低減する
ことができる。
【0018】無機充填材を熱可塑性樹脂で被覆する方法
は特に限定されないが、例えば、使用する熱可塑性樹脂
を溶解し得る溶媒を選択し、熱可塑性樹脂溶液を作製し
て無機充填材を分散させてスラリー状の懸濁液とし、溶
媒の留去後、得られる塊状物を乾燥して、粉砕する方法
が推奨される。各熱可塑性樹脂に適した良溶媒は、SP
値等を参考に選択することができる。粉砕後は、篩によ
って500μm以下の熱可塑性樹脂被覆無機充填材を選
択すれば良い。該充填材の粒径が500μmを超える
と、熱硬化性樹脂成形材料に配合しても、均一に分散せ
ず、成形品の外観や強度特性等の低下を引き起こすため
好ましくない。
【0019】無機充填材と熱可塑性樹脂の割合は、熱可
塑性樹脂被覆無機充填材に対して熱可塑性樹脂が1〜2
0重量%となる様に被覆することが好ましい。熱可塑性
樹脂の量が1重量%より少ないと、上述した熱可塑性樹
脂被覆効果が発現しない。逆に20重量%を超えると、
樹脂を被覆する際に、熱可塑性樹脂溶液中の樹脂量を多
くしなければならないため懸濁液の粘度が上がる、溶液
中の溶媒量を増やさなければならないため溶剤留去コス
トがかかる、熱可塑性樹脂を多量配合することによって
成形品の耐熱性が悪化する、等の不都合が起こり好まし
くない。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂被覆無機充填材は、
そのままで充填材および低収縮化剤として利用でき、あ
らゆる公知の熱硬化性樹脂成形材料中に配合することが
できる。特に、スチレンモノマーの低減を可能にする、
という本発明の課題に適している成形材料としては、不
飽和ポリエステル樹脂を含有するものが挙げられる。
【0021】不飽和ポリエステル樹脂とは、エチレン性
不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸からなる酸成分と多価ア
ルコール成分をエステル化反応させて得られる不飽和ポ
リエステル(不飽和を、希釈用ビニルモノマーに溶解さ
せた液状樹脂である。不飽和ポリエステルの主鎖中には
エチレン性二重結合があるため、重合開始剤の存在下で
希釈用ビニルモノマーとの間で三次元硬化反応を起こ
す。
【0022】不飽和ポリエステルの原料の多価アルコー
ル成分としては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、水素化ビスフェノールA、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられる。
【0023】エチレン性不飽和多塩基酸としては、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和二塩基酸
を挙げることができ、飽和多塩基酸としては、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸、無水メチルナジック酸等の飽和二塩基酸が
挙げられる。上記酸成分および多価アルコール成分を、
公知の反応条件でエステル化反応させることによって不
飽和ポリエステルを得ることができる。
【0024】不飽和ポリエステル樹脂とは、上記不飽和
ポリエステルを希釈用モノマーで適切な粘度に希釈した
もののことである。希釈用モノマーとしては、スチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルス
チレン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、メタクリル酸メチル等の使用が推奨される。これ
らのモノマーは2種以上混合して使用してもよく、不飽
和ポリエステル100重量部に対して20〜200重量
部の範囲で使用することが好ましい。
【0025】不飽和ポリエステル樹脂以外の熱硬化性樹
脂としては、エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸で変成
したエポキシ(メタ)アクリレートと上記希釈用モノマ
ーからなるビニルエステル樹脂、あるいはウレタン(メ
タ)アクリレートと上記希釈用モノマーからなる熱硬化
性樹脂(以下、単に熱硬化性樹脂というときは希釈用モ
ノマーを含めた樹脂を指す)等がある。
【0026】上記熱硬化性樹脂の硬化反応のための重合
開始剤としては、有機過酸化物系が好ましく、公知のベ
ンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパー
オクトエート、t−ブチルパーアセテート、ジクミルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート等を用いることができる。これらは、熱硬化性
樹脂に対して0.1〜5重量%使用される。必要に応じ
て、コバルト系、バナジウム系、マンガン系等の公知の
硬化促進剤を熱硬化性樹脂に対して0.01〜5重量%
使用しても構わない。
【0027】本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、少なく
とも、上記熱硬化性樹脂、重合開始剤と、熱可塑性樹脂
被覆無機充填材が含まれるものである。熱硬化性樹脂に
対する熱可塑性樹脂被覆無機充填材の使用割合は、20
〜500重量%が好ましい。より好ましくは50〜30
0重量%である。
【0028】本発明の熱硬化性樹脂成形材料には強化用
繊維が含まれていてもよい。使用できる強化用繊維とし
ては、安価なガラス繊維の他、炭素繊維、アラミド繊
維、金属繊維、セラミック繊維等の公知の強化用繊維を
用いることもできる。繊維形態としては、不織布状ある
いは織編物状の長繊維マットや長・短のチョップドスト
ランド、ロービング等、所望の成形品に応じた形態を選
択すれば良い。なお強化用繊維は、熱硬化性樹脂に対
し、5〜300重量%の範囲で使用することが推奨され
る。
【0029】本発明の成形材料には、離型剤や他の添加
物を加えてもよい。離型剤としては、ステアリン酸、イ
ソステアリン酸、オレイン酸等の公知の高級飽和または
不飽和脂肪酸、あるいはこれらのカルシウム塩、亜鉛塩
等が挙げられ、熱硬化性樹脂の0.1〜10重量%程度
使用される。また他の添加物の例としては、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム等の増粘剤や、酸化防止
剤、難燃剤、着色剤、顔料、滑剤、導電剤、消泡剤、濡
れ調整剤等が挙げられる。
【0030】成形材料の調製方法としては、熱可塑性樹
脂被覆無機充填材、熱硬化性樹脂、重合開始剤といった
必須成分と、上記付加成分を、ミキサー等の混合機、混
練機で撹拌混合すれば良い。その後、BMCでは、得ら
れた混練物を金型内に特定量仕込み、加熱加圧して硬化
させて成形すればよく、他の公知の成形方法を利用する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0032】実施例1および比較例1 イソフタル酸2モル、無水マレイン酸8モルからなる酸
成分と、ネオペンチルグリコール10モルからなる多価
アルコール成分を常法でエステル化して不飽和ポリエス
テルを得、スチレンが35重量%になるようにこの不飽
和ポリエステルと混合し、不飽和ポリエステル樹脂1を
得た。
【0033】ポリメタクリル酸メチルBR78(三菱レ
ーヨン社製)195gをアセトンに溶解させて1リット
ルの溶液を得た。シリカA−10(Ilinois MineralsIn
c.製)3600gをアセトン2リットルに分散させたス
ラリーを調製した。両者を混合し、室温で3時間撹拌を
続けた後、アセトンを減圧留去したところ、塊状物が得
られた。この塊状物をよく乾燥させた後、粉砕した。3
00μmの篩を用いて分級し、ポリメタクリル酸メチル
被覆無機充填材を得た。この充填材は、昇温速度20℃
/分における熱重量測定(TA社のTA951を使用)
結果から、5.0重量%の有機物(ポリメタクリル酸メ
チル)を有していることが確認された。
【0034】次に、表1に示した配合の熱硬化性樹脂成
形材料を、Littleford社製のミキサー(内壁
およびブレードはステンレス鋼製)で混練し、BMCを
製造した。得られたBMCを、金型温度150℃、成形
圧力70kg/cm2 、硬化時間1分で圧縮成形し、厚
み2mm、直径15cmのプレート状成形品を得た。こ
の成形品の評価結果を表2に示した。なお、成形品から
のスチレンモノマーの揮発量は、170℃で30分成形
品を加熱したときの揮発ガス(ヘッドスペースアナリシ
ス)をガスクロマトグラフィーで分析した結果である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかな様に、本発明の熱可塑性
樹脂被覆無機充填材を用いた実施例1では、ミキサーの
摩耗もなく、成形品からのスチレン揮発量も極めて低い
値であった。また低収縮化剤を使用していないにもかか
わらず、良好な表面外観と表面硬度を示していた。一方
比較例1では、シリカをそのまま用いているため、ミキ
サー内の損耗によって灰色の成形品しか得られなかっ
た。また低収縮化材をスチレン溶液で加えているため、
成形後に、多量のスチレンモノマーが残存していること
が確認された。
【0038】実施例2および比較例2 実施例1において、シリカA−10に代えて硫酸カルシ
ウムCA−5(UnitedStates Gypsumn Company 製)を
用いた以外は、同様にしてポリメタクリル酸メチル被覆
無機充填材を調製した。この充填材についても熱重量測
定を行い、ポリメタクリル酸メチルが5.0重量%であ
ることを確認した。あとは、実施例1と同様にして、表
3に示した配合の熱硬化性樹脂成形材料を調製し、成形
を行って、厚み2mm、直径15cmのプレート状成形
品を得た。成形品の評価を行った結果を表4に示した。
なお耐食品汚染性は、イエローマスタードを成形品の上
に置いたまま、50℃で3時間放置し、水洗した後の成
形品表面の汚染(着色)状態を目視で評価した。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかな様に、本発明の熱可塑性
樹脂被覆無機充填材を用いた実施例2では、耐食品汚染
性に優れ、表面硬度、スチレン臭、揮発スチレン量、酢
酸蒸発残留物の評価結果も、食器具として実用可能なも
のであった。一方比較例2では、耐食品汚染性に劣って
おり、スチレン臭、揮発スチレン量、酢酸蒸発残留物の
結果も、食器具として実用に耐えないものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明では、熱可塑性樹脂を用いて粒状
の無機充填材を被覆しているので、硬度の大きい無機充
填材を使用しても、製造機器を損耗させたり、金属粉の
混入によって成形品の表面外観を損なうことがなくなっ
た。また、無機充填材を被覆している熱可塑性樹脂は、
熱硬化性樹脂含有成形材料が熱硬化する際に低収縮化剤
として作用するため、これらの熱可塑性樹脂をスチレン
モノマー溶液状態で成形材料に配合する必要がなく、結
果的に、成形品の性能を良好な状態で保持したままスチ
レンモノマーの量を低減することができた。さらに、本
発明の充填材の使用によって、成形品にケチャップやマ
スタード等の着色食品物が付着しても、しみが残らない
ため、成形品を食器具として利用することも可能であ
る。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂被覆無機充填材は、
熱硬化性樹脂成形材料に配合することにより、充填材と
しての作用と低収縮化材としての作用を同時に発現する
非常に有用な複合充填材である。この複合充填材が配合
された熱硬化性樹脂成形材料は、繊維強化型あるいは非
強化型プラスチック成形品を製造することができ、船
舶、自動車、車両、建築資材、住宅機材、工業機材、タ
ンク・容器、雑貨、食器具等幅広い分野に適用すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を主成分とする成形材料に
    配合される充填材であって、粒状無機充填材が熱可塑性
    樹脂によって被覆されていることを特徴とする熱可塑性
    樹脂被覆無機充填材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂被覆無機充填材に対する熱
    可塑性樹脂の割合が1〜20重量%である請求項1に記
    載の熱可塑性樹脂被覆無機充填材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂被覆無機充填材の粒径が5
    00μm以下である請求項1または2に記載の熱可塑性
    樹脂被覆無機充填材。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリル系樹
    脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系
    樹脂、飽和ポリエステル樹脂よりなる群から選択される
    1種以上の樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂被覆無機充填材。
  5. 【請求項5】 粒状無機充填材を熱可塑性樹脂溶液中へ
    分散させた後、溶媒を留去し、乾燥後、粉砕することに
    よって得られる請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂被覆無機充填材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂被覆無機充填材を含有することを特徴とする熱硬
    化性樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】 食器用成形品として使用されるものであ
    る請求項6に記載の熱硬化性樹脂成形材料。
JP24331195A 1995-09-21 1995-09-21 熱可塑性樹脂被覆無機充填材および該充填材を含む熱硬化性樹脂成形材料 Withdrawn JPH0987544A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004156038A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Merck Patent Gmbh レーザー標記性顔料
CN108084497A (zh) * 2017-12-28 2018-05-29 成都新柯力化工科技有限公司 一种用于塑料的热塑性无机填料及其制备方法

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JP2004156038A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Merck Patent Gmbh レーザー標記性顔料
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