JPH09897A - フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール - Google Patents

フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール

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JPH09897A
JPH09897A JP14924295A JP14924295A JPH09897A JP H09897 A JPH09897 A JP H09897A JP 14924295 A JP14924295 A JP 14924295A JP 14924295 A JP14924295 A JP 14924295A JP H09897 A JPH09897 A JP H09897A
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fluorine
containing polyimide
gas separation
separation membrane
solvent
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JP14924295A
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English (en)
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Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
Masatoshi Maeda
正利 前田
Kenichi Ikeda
健一 池田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い膜面積において均質であり、ピンホール
等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有する含
フッ素ポリイミド系ガス分離膜を提供する。 【構成】 少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも2
個のエーテル結合部位を有するフッ素含有ポリイミド樹
脂を誘電率が30以下で双極子モーメントが3.0D以
下である例えばジエチレングリコールジメチルエーテル
等を含む有機溶媒に溶解し、次いで前記フッ素含有ポリ
イミド樹脂を溶解しないが、前記有機溶媒と相溶性を有
する例えば水等の溶剤中に浸漬して脱溶媒することによ
り、非対称気体分離膜を形成する。フッ素含有ポリイミ
ド樹脂層3はスキン層1(厚さL 1 :約40nm)とス
ポンジ層2(厚さL2 :約30μm)で形成されてい
る。平膜の場合、スポンジ層2の下には不織布等の気体
透過性支持体4が存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い面積にわたり均質
で、高い透過流束と分離係数αを有する含フッ素ポリイ
ミド系ガス分離膜及びその製造方法に関する。さらに詳
しくは、特定溶媒を用い、湿式の相転換法にて気体分離
用の含フッ素ポリイミド系ガス分離膜の製造に関するも
ので、詳しくは工業上の混合気体から特定の成分例えば
水素、メタン、炭酸ガス、酸素、窒素、水蒸気、有機蒸
気、イオン等を分離・濃縮するために用いられる非対称
膜または複合膜の形態で使用される非対称含フッ素ポリ
イミド系ガス分離膜の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、高いガラス転移温度と剛
直な分子鎖構造を有するため、耐熱性・耐化学薬品性等
に優れた膜分離材料として知られており、種々のポリイ
ミドを用いた分離膜が検討されている。例えば、米国特
許第4378400号公報や米国特許第4959151
号公報にはビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い
た芳香族ポリイミドが、特開平5−7749号公報、米
国特許第3822202号公報、米国特許第38993
09号公報、米国特許第4532041号公報、米国特
許第4645824号公報、米国特許第4705540
号公報、米国特許第4717393号公報、米国特許第
4717394号公報、米国特許第4838900号公
報、米国特許第4897092号公報、米国特許第49
32982号公報、米国特許第4929405号公報、
米国特許第4981497号公報、米国特許第5042
992号公報等には含フッ素系の芳香族ポリイミドが開
示されている。
【0003】また、脂肪族や脂環族のテトラカルボン酸
二無水物を用いたポリイミド系に関しても、米国特許第
4964887号公報や米国特許第4988371号公
報に開示されている。
【0004】実用的な機械的強度を分離膜に持たせるこ
とを考慮して、薄膜化や非対称膜化も検討されている。
高性能分離膜に持たせることを考慮して、薄膜化や非対
称膜化も検討されている。高性能分離係数を有する高分
子を適当な多孔質支持体膜上に薄膜として形成させる場
合、実用的な程度に気体の透過速度を大きくするために
は、薄膜の厚さを望ましくは0.1μm以下の膜厚にし
なければならない。このような極薄膜をコーティング形
成することは工業的実施に不向きであった。また、非対
称膜化も上記公報に記載されているが、必要とされる
0.1μm以下の膜厚を工業的にピンホールなしで製膜
することは困難である。米国特許第4929405号公
報には水面展開法によりフッ素含有芳香族ポリイミド系
均質膜の膜厚を必要とされる0.1μm以下の400オ
ングストローム以下の薄膜に制御することが開示されて
いるが、支持膜層がないため実用的な機械的強度を持た
ない。そのため工業規模での製膜は困難である。
【0005】ピンホールの無い非対称膜を形成させるた
めに、後処理(特開平5−049882号、特開平5−
146651号)や前処理(特開平5−184887
号)、製造工程の改良(米国特許第4902422号公
報、米国特許第5085676号公報、米国特許第51
65963号公報)といった方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法は作業工程の増加及び複雑化、コスト高、工業
レベルでの安定製膜が困難という問題点を有していた。
すなわち、ポリイミドの分離膜を実用的な工業レベルで
製造し、効率的な分離操作を行う場合、上記のような従
来技術では満足できるものはなかった。具体的には、第
1に製膜時にピンホールが形成し、そのピンホールのた
めに分離膜性能が低下し、ばらつき、不安定となり効率
的な分離操作が行えない。第2には第1の欠点を補うた
めには製膜工程を複雑化しコスト高となる。第3には製
膜条件を厳しくしてピンホールを出来るだけ少なくしよ
うとするための製膜条件のコントロールは難しく、結果
として安定した分離性能と透過製をバランス良く有する
膜は製造できない。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、広い膜面積において均質であり、ピンホール等の欠
陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有する含フッ素
ポリイミド系ガス分離膜、及び簡便な製膜方法で高い気
体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足できる気体
分離膜を得るための製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜は、少
なくとも3個のフッ素原子と少なくとも2個のエーテル
結合部位を有するフッ素含有ポリイミド樹脂からなるス
ポンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた膜
面積0.5m2 以上の気体分離膜であって、前記スキン
層の平均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2
スの透過速度が0.01〜50Nm3 /m 2 /h/at
mの範囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範
囲であることを特徴とする。
【0009】前記構成においては、気体分離膜が、チュ
ーブ状、中空糸状、及び気体透過性支持体の表面に形成
された少なくとも一つの分離膜であることが好ましい。
このような分離膜は、モジュールとして実用的に有用だ
からである。
【0010】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜の第1番目の製造方法は、溶剤可溶型フッ素含有
ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた気体分離膜の製造方法であっ
て、ポリイミド樹脂層を構成する繰り返し分子構造単位
中に、少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも2個の
エーテル結合部位を有するフッ素含有ポリイミド樹脂
と、誘電率が30以下で双極子モーメントが3.0D以
下である有機溶媒(A)からなる溶液を、チューブ状に
押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記
フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶
媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶
媒することを特徴とする。
【0011】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜の第2番目の製造方法は、溶剤可溶型フッ素含有
ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた気体分離膜の製造方法であっ
て、ポリイミド樹脂層を構成する繰り返し分子構造単位
中に、少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも2個の
エーテル結合部位を有するフッ素含有ポリイミド樹脂、
分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を有す
る有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)からなる溶液
を、チューブ状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗
布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しな
いが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)
中に浸漬して脱溶媒することを特徴とする。
【0012】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜モジュールは、少なくとも3個のフッ素原子と少
なくとも2個のエーテル結合部位を有するフッ素含有ポ
リイミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキン層
とを少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体分離
膜を用いたモジュールであって、前記スキン層の平均厚
さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透過速
度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範囲、
CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であるこ
とを特徴とする。
【0013】前記モジュールにおいては、チューブ状、
中空糸状、及び気体透過性支持体の表面に形成された少
なくとも一つであることが好ましい。これらのモジュー
ルは実用的に使用しやすいからである。
【0014】前記構成においては、フッ素含有ポリイミ
ド樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に少なくとも
1つの−CF3 基を有することが好ましい。この様な樹
脂は同様に気体分離能が高いからである。
【0015】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が実質的に前記式(化1)で表される繰り返
し単位を主成分とすることが好ましい。この様な樹脂は
同様に気体分離能が高いからである。
【0016】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が実質的に下記式(化2)または下記式(化
3)で表される繰り返し単位を主成分とすることが好ま
しい。この様な樹脂は同様に気体分離能が高いからであ
る。
【0017】また前記構成においては、有機溶媒(A)
の誘電率が10以下で双極子モーメントが3.0D以下
であることが好ましい。このような溶媒は、たとえば水
に相溶化しにくいが時間をかければ相溶化するという性
質があり、前記ポリイミド樹脂を有機溶媒(A)に溶解
させて例えば膜状にキャスト成形し、水中で脱溶媒を行
う際、徐々に脱溶媒が行われるため、スキン層も内部の
スポンジ層も均質な状態のものが得られる。
【0018】また前記構成においては、有機溶媒(A)
または(C)の主成分がジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及び
これらの混合溶媒から選ばれる少なくとも一つの液体で
あることが好ましい。前記同様、水中で脱溶媒を行う
際、徐々に脱溶媒が行われるため、スキン層も内部のス
ポンジ層も均質な状態のものが得られる。
【0019】また前記構成においては、溶剤(B)が
水,アルコール類及びこれらの混合剤から選ばれる少な
くとも一つの液体であることが好ましい。前記同様、液
中で脱溶媒を行う際、徐々に脱溶媒が行われるため、ス
キン層も内部のスポンジ層も均質な状態のものが得られ
る。
【0020】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド系気体分離膜上に、さらにエラストマー重合体の
保護膜を形成することが好ましい。さらにピンホール欠
陥等を防げるからである。
【0021】また前記構成においては、エラストマー重
合体の薄膜が、架橋性シリコーン樹脂を架橋させてなる
膜であることが好ましい。同様にピンホール欠陥等を防
げるからである。
【0022】また前記本発明の気体分離膜においては、
スポンジ層には直径1μmを越えるボイド部が存在しな
いことが好ましい。スポンジ層も均質であると欠陥が少
なくなるからである。
【0023】
【作用】前記した本発明の構成によれば、少なくとも3
個のフッ素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位を
有するフッ素含有ポリイミド樹脂からなるスポンジ層と
その表層のスキン層とを少なくとも備えた膜面積0.5
2 以上の気体分離膜であって、前記スキン層の平均厚
さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透過速
度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範囲、
CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であるこ
とにより、広い膜面積において均質であり、ピンホール
等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有する含
フッ素ポリイミド系ガス分離膜、及び簡便な製膜方法で
高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足でき
る気体分離膜を実現できる。
【0024】次に本発明方法の第1番目の構成によれ
ば、溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるス
ポンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気
体分離膜の製造方法であって、ポリイミド樹脂層を構成
する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも3個のフッ
素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフ
ッ素含有ポリイミド樹脂と、誘電率が30以下で双極子
モーメントが3.0D以下である有機溶媒(A)からな
る溶液を、チューブ状に押し出すか或いは適宜の支持体
上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶
解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤
(B)中に浸漬して脱溶媒することことにより、簡便な
製膜方法で高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的
に満足できる気体分離膜を効率良く合理的に製造でき
る。
【0025】次に本発明方法の第2番目の構成によれ
ば、溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるス
ポンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気
体分離膜の製造方法であって、ポリイミド樹脂層を構成
する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも3個のフッ
素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフ
ッ素含有ポリイミド樹脂、分子構造単位中に少なくとも
1つのエーテル結合を有する有機溶媒を主成分とする有
機溶媒(C)からなる溶液を、チューブ状に押し出すか
或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有
ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と
相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒すること
により、簡便な製膜方法で高い気体透過流束を有し、コ
スト面で実用的に満足できる気体分離膜を効率良く合理
的に製造できる。
【0026】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜モジュールによれば、少なくとも3個のフッ素原
子と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフッ素
含有ポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のス
キン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気
体分離膜を用いたモジュールであって、前記スキン層の
平均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの
透過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの
範囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲で
あることにより、広い膜面積において均質であり、ピン
ホール等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有
する含フッ素ポリイミド系ガス分離膜とすることがで
き、コスト面で実用的に満足できる気体分離膜モジュー
ルを実現できる。
【0027】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明は、特定構造を有するフッ素含有ポリ
イミドとドープ作製のために特定の溶媒を用いることに
より、湿式相転換製膜法にて均質スキン層の厚みを一定
値以下とし、且つ分離性能を大きく低下させるピンホー
ルを広範囲にわたり形成しない非対称膜を製造方法を見
い出し本発明に至ったものである。
【0028】即ち本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜の製造方法は、ポリイミド樹脂層を構成する繰り
返し分子構造単位中に少なくとも3個のフッ素原子と少
なくとも2個のエーテル結合部位を有するを有するフッ
素含有ポリイミド樹脂と、誘電率が30以下で双極子モ
ーメントが3.0D以下である有機溶媒(A)からなる
溶液を、または分子構造単位中に少なくとも1つのエー
テル結合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒
(C)からなる溶液をチューブ状に押し出すか或いは適
宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイミ
ド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性を
有する溶剤(B)中に浸漬するという構成である。
【0029】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂層は気体分離性能に寄与する層であり、ポリイミド
を構成する繰り返し分子構造単位中に少なくとも3個の
フッ素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位を有す
るフッ素含有ポリイミド樹脂からなるが、上記のポリイ
ミド樹脂層を構成する繰り返し分子構造中に少なくとも
1つの−CF3 基を有することが好ましい。更には、フ
ッ素含有ポリイミド薄膜中のフッ素含有量は6個〜12
個(繰り返し分子構造単位中のフッ素原子の個数)であ
ることが、実質的に安定した高品質を有する分離膜を得
るのに好ましい。また12個を越えると実用性が低下す
る。
【0030】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、前記式(化1)で表される繰り返し分子構造単
位を主成分とすることが好ましい。フッ素原子を少なく
とも3個以上有する4価の有機基としては、A1 〜An
の少なくとも一つの4価の有機基のプロトンがフッ素原
子またはフッ素原子を含む基に置き変わったものであれ
ば特に限定されないが、より好ましくは、A1 〜An
少なくとも一つの有機基の少なくとも1つのプロトンが
1つの−CF3 基に置き変わったものが用いられ、例え
ば下記式(化4)で表される4価の有機基などが好まし
く用いられる。
【0031】
【化4】
【0032】前記少なくとも1つの少なくとも2個のエ
ーテル結合部位を有する2価の有機基としては、R1
n の少なくとも一つの2価の有機基の一部に少なくと
も2個のエーテル結合部位を有するものであれば特に限
定されないが、より好ましくは、下記式(化5)または
(化6)で表される2価の有機基が好ましく用いられ
る。
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】さらに本発明に用いられるフッ素含有ポリ
イミド樹脂は、実質的に下記式(化7)または(化8)
で表される繰り返し単位を主成分とすることがより好ま
しい。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】また前記式(化7)または(化8)中の全
てのイミド環部位において、アミック酸の状態のままで
部分的に残存していたとしても、その存在比が30%以
下、即ちイミド化率70%以上であれば何ら問題はな
い。なお、該存在比は全てのイミド環部位に対する残存
−COOHの量を 1H−NMRを用いて定量化し、算出
することによって求めた値である。該存在比が30%を
越えると有機溶媒(A)と溶剤(B)との親和性(−C
OOHの増加による)が増すために、ピンホール形成の
原因になり、本来のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜
の持つ分離性能が低下する。
【0039】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は単独で用いられてもよいが、2種類以上の混合物
としても用いられる。更には、50モル%以下であれば
フッ素含有ポリイミド樹脂以外のポリスルホン、ポリエ
ーステルホンなどのポリマーとの共重合体、もしくは混
合物であってもよい。
【0040】本発明で用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を用
いて、例えば米国特許第3959350号公報に記載さ
れているような公知の重合方法で得られる。例えばテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モル量
を用い、極性溶媒中、約80℃以下の温度、好ましくは
0〜60℃でポリアミック酸を重合する。ここで用いら
れる極性溶媒は特に限定されないが、N−メチルピロリ
ドン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
フェノール、クレゾールなどが好適に用いられる。
【0041】得られたポリアミック酸の極性溶媒溶液に
トリメチルアミン、トリエチルアミ、ピリジン等の第3
級アミン化合物、無水酢酸、塩化チオニル、カルボジイ
ミドなどのイミド化促進剤を添加し、5〜150℃の温
度で攪拌し、イミド化率70%以上となるようにイミド
化する。イミド化反応を行う際、イミド化促進剤を添加
することなく、上記ポリアミック酸溶液を100〜40
0℃、好ましくは、120〜300℃で加熱してイミド
化してもよい。
【0042】イミド化反応後、重合時の極性溶媒やイミ
ド化促進剤を除去するために、多量のアセトン、アルコ
ールまたは水等の溶液に滴下し精製したポリイミドを乾
燥し、本発明で用いられる誘再率が30以下で、双極子
モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)に再溶解し
て製膜用のドープとして用いる。
【0043】また、イミド化促進剤を添加することな
く、イミド化反応を行う場合は、ポリアミック酸溶液を
多量のアセトン、またはアルコール等の溶液に滴下して
得られたポリアミック酸粉末やポリアミック酸溶液から
溶媒を蒸発させて得られたポリアミック酸の固体(蒸発
の際、沈殿剤等を加えてポリアミック酸粉末を形成さ
せ、ろ別してもよい)を100〜400℃に加熱してイ
ミド化し、本発明で用いられる誘再率が30以下で、双
極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或は、
分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を有す
る有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)に再溶解して
製膜用のドープとして用いる。
【0044】本発明で用いられる誘電率が30以下で、
双極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或
は、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)を合成の
際の溶媒として用いることもできる。この際イミド化促
進剤の除去工程を行わなくても高い分離膜性能が得ら
れ、ドープ調製工程を削減する上で好適になる。
【0045】本発明で用いられる誘電率が30以下で、
双極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或
は、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)に再溶解
して製膜用ドープを調製する場合のポリイミド溶液濃度
は3〜40重量%、好ましくは、10〜30重量%であ
る。また、製膜用ドープを調整する場合に、必要に応じ
て、膨脹剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。
【0046】本発明で用いられる有機溶媒(A)の誘電
率は30以下で、双極子モーメントは3.0D以下であ
るが、上記誘電率は10以下であることがより好まし
い。本発明で用いられる有機溶媒(A)では、極性が小
さいため、凝固液として用いる溶媒即ち溶剤(C)との
親和性が弱くなる。従って、湿式相転換製膜時のスキン
層の形成よりも、ドープ用溶媒が凝固液として用いる溶
媒中へ浸出ずる速度が十分小さいため、広範囲の均質ス
キン層にはピンホールが形成されずに工業的規模で製膜
することができる。
【0047】本発明で用いられる有機溶媒(A)として
は、上記条件を満足していれば特に限定されないが、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(誘電率は5.9
7、双極子モーメントは1.97D)が好ましく、その
他に1,2−ジメトキシエタン(誘電率は5.50、双
極子モーメントは1.79D)等が挙げられる。これら
は単独で用いられる以外に、2種以上の混合溶媒として
も用いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミドの溶
解度やドープの粘度を調整するために30重量%を越え
ない範囲で、誘竃率が30を越え、及び/または、双極
子モーメントが3.0Dを越える非プロトン系溶媒を加
えてもよい。上記非プロトン系溶媒を加えても場合は、
使用する溶媒によって適宜選定されるが、本発明におい
て特に好ましく用いられる有機溶媒(A)としては、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルを60重量%以上
100重量%以下含む有機溶媒である。例えば、67重
量%のジエチルグリコールジメチルエーテルと33重量
%N−メチルピロリドン(NMP)の混合溶液が例示さ
れる。
【0048】ドープ用溶媒として従来用いられているN
−メチル−2−ピロリドン(誘電率は32.0(25
℃)、双極子モーメントは4.00D(30℃))、
N,N−ジメチルアセトアミド(誘電率は、37.8
(25℃)、双極子モーメントは3.72D)、N,N
−ジメチルホルムアド(誘電率は、36.7(25
℃)、双極子モーメントは3.86D(25℃))、ジ
メチルスルホキシド(誘電率は、48.9(20℃)、
双極子モーメントは4.30D)等の非プロトン極性溶
媒を用いれば、誘電率は32以上で、双極子モーメント
は3.7D以上であり、凝固液として用いる溶媒、例え
ば水との親和性が強いと考えられる。この親和性の強さ
に起因して、湿式相転換製膜時のスキン層の形成より
も、ドープ用溶媒が凝固液として用いる溶媒中へ浸出す
る速度の方が大きいため、広範囲の均質スキン層にはピ
ンホールが形成される。更に、従来用いられている上記
のような非プロトン極性溶媒であれば、湿式相転換製膜
時、製膜用ドープをガス透過性支持体にキャストまたは
紡糸した後、所定の温度で所定時間放置し溶媒の一部を
蒸発させるが、水との親和性が強すぎるために空気中の
水分を吸収し、表面が白濁してピンホール形成を促進す
る。
【0049】また本発明で用いられている有機溶媒
(C)としては、分子構造単位中に少なくとも1つのエ
ーテル結合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒で
あれば特に限定されないが、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールシブチルエーテル、トリエチ
レングリコールジエチルエーテル、1,2−ジメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−シブトキ
シエタン等が挙げられる。好ましくはジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、または、これらの混合溶媒が用いられる。こ
れらは単独で用いられる以外に、2種以上の混合溶媒と
しても用いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミド
の溶解度やドープの粘度を調整するために30重量%を
越えない範囲で、分子構造単位中にエーテル結合を有し
ない非プロトン系溶媒を加えてもよい。
【0050】上記ドープを用いた湿式相転換製膜法につ
いて以下に説明する。本発明における気体分離膜の製膜
法や膜形態は特に限定されないが、本発明で用いられる
有機溶媒(A)または(C)のドープを押し出し法、流
延法等で凝固液即ち溶剤(B)中に浸漬させることでチ
ューブ状(中空糸状を含む)、平膜状の非対称膜が得ら
れる。
【0051】平膜状の場合はガス透過性支持体上に、ド
ープをキャスティングやディッピング等の方法で塗布
し、凝固液、即ち溶剤(B)中に浸漬し、非対称膜を複
合形態で得ることも機械的強度を高める点で好適であ
る。本発明に用いられる適宜の支持体としては平滑な表
面を有する硝子板や次に挙げるガス透過性支持体等が挙
げられる。上記ガス透過性支持体としては、平滑な表面
を有する有機、無機、金属の多孔体費、織布、不織布等
を挙げることができる。これらのガス透過性支持体上へ
のドープと塗布厚は25〜400μm好ましくは30〜
200μmである。
【0052】本発明で用いられる有機溶媒(A)を用い
たドープは−80〜80℃好ましくは−20〜40℃の
温度範囲で製膜される。上記有機溶媒(A)を浸漬除去
する際に用いられる凝固剤、即ち溶剤(B)としては用
いるフッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有
機溶媒(A)と相溶性を有するものであれば、限定され
ないが、水やメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類及びこれらの混合液が用いら
れ、特に水が好適に用いられる。上記有機溶媒(A)を
浸漬除去ずる時の凝固液、即ち溶剤(B)の温度は特に
限定されないが、好ましくは0〜50℃の温度で行われ
る。
【0053】上記条件により非対称膜を製膜することに
より、膜面積0.5m2 以上で前記スキン層の平均厚さ
は1〜100nmの範囲にある分離膜を形成できる。ス
キン層の厚さはほぼ一定で、広範囲にわたり分離性能を
大きく低下させるピンホールが存在しない気体分離膜を
製造することができる。この結果、膜面積の大きいモジ
ュールを作成しても、たとえばCO2 ガスの透過流束が
0.1〜50Nm3 2 /hr./atmの範囲、CO
2 /メタノールの分離係数αが2〜60の範囲のモジュ
ールを作成できる。
【0054】本発明で得られる気体分離膜は、さらにそ
のフッ素含有ポリイミド薄膜の表面をエラストマー重合
体を用いて塗布することが好ましい。エラストマー重合
体の薄膜を形成させて積層することは、上記気体分離膜
表面の欠陥を塞ぐと同時に表面の傷が付くことを防ぐ上
で好適である。上記エラストマー重合体としては、柔軟
なフィルム形成能を有する重合体をいい、具体例として
は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、ポリプタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴ
ム、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、プタジエン−
スチレン共重合体、イソプレン−イソプチレン共重合
体、またはポリイソプチレン等のようなエチレン性単量
体又は共役ジエン系単量体の単独重合体や共重合体、さ
らに上記単量体成分に加えて、アクリルロニトリル、
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等の
ような官能基を有する単量体成分を含有する共重合体、
あるいはポリエーテルポルオール、ポリウレタンポリエ
ーテル、ポリウレタンポリエステル又はポリアミドポリ
エーテル等のような所請ソフトセグメントとハードセグ
メントを併せ有する共重合体を挙げることができる。さ
らに、上記以外にも直鎖長鎖状の硬化剤によって硬化さ
れるエポキシ樹脂や、エチルセルロース、ブトキシ樹脂
等も、本発明においては前記エラストマー重合体として
用いることができる。
【0055】本発明においてエラストマー重合体として
は、架橋性シリコーン樹脂が特に好ましく用いられる。
かかる架橋性シリコーン樹脂は、架橋前は有機溶剤に可
溶性であるが、架橋後には有機溶剤に不溶性の樹脂とな
るシリコーン樹脂であり、例えば、特開昭59−225
705号公報に記載されている方法にしてがって製膜す
ることができる。
【0056】上記の気体分離膜を用いたエレメント形態
は特に限定されず、チューブ状に押し出した場合は中空
糸型エレメントとして、適宜の支持体上に塗布した場合
は例えば、スパイラル型、平膜型、チューブラー型エレ
メントとしてモジュール化できる。
【0057】次に図面を用いて説明する。図1は本発明
の一実施例の支持体上に塗布した平膜型分離膜10の概
略断面図を示したものである。図1において、3はフッ
素含有ポリイミド樹脂層で、スキン層1とスポンジ層2
で形成されている。ポリイミド樹脂層3は気体透過性支
持体4である厚さ約100μmのポリエステル不織布の
表面に形成されている。図2は図1のスキン層1とスポ
ンジ層2の拡大断面SEM写真をトレースした図であ
る。スキン層1の厚さL1 は約40nmであり、図2に
は一部しか示していないがスポンジ層2の厚さL2 は約
30μmであった。図2において、白い部分はポリイミ
ド樹脂の部分を示し、黒い部分は空隙部による影を示し
ている。
【0058】次に図3(a)(b)は図2の縮小図を示
しており、スポンジ層2が厚さ方向にも面方向にも比較
的均一であることを示している。図4(a)は従来技術
のフッ素含有ポリイミド樹脂層からなる気体分離膜の断
面SEM写真をトレースした図、図4(b)は図4
(a)のA部の拡大図である。この非対称膜は溶媒とし
てN−メチルピロリドン(NMP)を用い、水中で脱溶
媒して形成したものである。図4(a)において、21
はスキン層、22はスポンジ層、23はスポンジ層に存
在する縦方向に形成されたフィンガーボイド部(円筒状
空隙部)、24は横方向(奥行き方向)に形成されたフ
ィンガーボイド部である。同一倍率の拡大図である本発
明の一実施例の図3(a)と比べると、従来技術の非対
称膜には直径が約10μm程度の大きなフィンガーボイ
ド部が存在しているのに対して、本発明品はこれがな
く、均一なスポンジ層になっていることである。
【0059】本発明においては、得られたエレメントを
装着したモジュールに、例えば天然ガスにような二酸化
炭素とメタンを主として含む混合ガスを接触させること
により、二酸化炭素選択的に透過させ、メタンを濃縮す
るのに好適に用いられる。
【0060】以下に実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではな
い。 (実施例1)前記式(化7)で表される繰り返し単位と
するフッ素含有ポリイミドをジエチレングルコールジメ
チルエーテル溶媒下で以下の方法で合成した。ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロバン0.7
5molを有機溶媒(A)又は(C)としてのジエチレ
ングリコールジメチルエーテル1842gに溶解した溶
液中に、窒素雰囲気下で5,5´−2,2,2−トリフ
ルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン−ビス
−1,3−イソベンゾフランジオン(6FDA)0.7
5molを加え、室温にして8時間攪拌し、重合を行
い、ポリアミック酸を得た。
【0061】その後、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル406gを加え、溶液が均一になった後、イミド
化剤物質であるビリジン2.25molと無水酢酸2.
25molを加え、室温にて12時間精拌し、イミド化
反応を行った。反応後、得られた溶液は製膜溶液とした
濾過し、静置して十分に脱泡し、調製した。
【0062】上記製膜溶液を25℃としてアプリケータ
を用いて、幅1m、長さ15m、厚さ約200μm、目
付85g/m2 のポリエステル不織布上に、厚さ200
μmでキャストして、凝固液として25℃の水中に5分
間、20℃の水中に1時間浸漬した。得られた膜は60
℃で乾燥した。この様にして図1〜3に示すような非対
称膜を形成した。得られた分離膜を円筒状モジュールに
組み立て(有効膜面積1.4m2 )、透過速度と分離性
能を測定した。測定は下記の純ガス(CO2,CH4,
2 )を用い、透過側を1×10-2torrの減圧にし
て行った。測定温度は25℃である。結果を表1に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】(実施例2)実施例1で得られた気体分離
膜表面にエラストマー重合体である架橋性シリコーン樹
脂溶液(GE SiliconesのRTV615のヘキサン3
wt%溶液)を塗布し、110℃で15分熱処理するこ
とにより、エラストマー重合体の薄膜を形成させ、積層
させた。その後実施例1と同様な条件で測定した。結果
を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】(比較例1)ジアミン成分をエーテル結合
を一つだけ有する4,4´−オキシジアニリンに変更し
た以外は(実施例1)に従う。有機溶媒(A)又は
(C)に該当する溶媒には不溶であり製膜することがで
きなかった。
【0067】(実施例3)実施例1で得られた分離膜の
うち、幅0.33m、長さ2.0mを円筒状モジュール
に組み立て(有効面積0.54m2 )、透過速度と分離
性能を測定した。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3から明らかな通り、有効面積0.54
2 のモジュールにおいても実用上十分な透過速度と分
離性能を持っていることが確認できた。
【0070】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、少な
くとも3個のフッ素原子と少なくとも2個のエーテル結
合部位を有するフッ素含有ポリイミド樹脂からなるスポ
ンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた膜面
積0.5m2 以上の気体分離膜であって、前記スキン層
の平均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガス
の透過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atm
の範囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲
であることにより、広い膜面積において均質であり、ピ
ンホール等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを
有する含フッ素ポリイミド系ガス分離膜、及び簡便な製
膜方法で高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に
満足できる気体分離膜を実現できる。
【0071】次に本発明の第1番目の方法によれば、溶
剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるスポンジ
層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気体分離
膜の製造方法であって、ポリイミド樹脂層を構成する繰
り返し分子構造単位中に、少なくとも3個のフッ素原子
と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフッ素含
有ポリイミド樹脂と、誘電率が30以下で双極子モーメ
ントが3.0D以下である有機溶媒(A)からなる溶液
を、チューブ状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗
布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しな
いが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)
中に浸漬して脱溶媒することことにより、簡便な製膜方
法で高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足
できる気体分離膜を効率良く合理的に製造できる。
【0072】次に本発明の第2番目の方法によれば、溶
剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるスポンジ
層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気体分離
膜の製造方法であって、ポリイミド樹脂層を構成する繰
り返し分子構造単位中に、少なくとも3個のフッ素原子
と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフッ素含
有ポリイミド樹脂、分子構造単位中に少なくとも1つの
エーテル結合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒
(C)からなる溶液を、チューブ状に押し出すか或いは
適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイ
ミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性
を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒することによ
り、簡便な製膜方法で高い気体透過流束を有し、コスト
面で実用的に満足できる気体分離膜を効率良く合理的に
製造できる。
【0073】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜モジュールによれば、少なくとも3個のフッ素原
子と少なくとも2個のエーテル結合部位を有するフッ素
含有ポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のス
キン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気
体分離膜を用いたモジュールであって、前記スキン層の
平均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの
透過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの
範囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲で
あることにより、広い膜面積において均質であり、ピン
ホール等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有
する含フッ素ポリイミド系ガス分離膜とすることがで
き、コスト面で実用的に満足できる気体分離膜モジュー
ルを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の支持体上に塗布した平膜型
の分離膜の概略断面図
【図2】図1の拡大断面SEM写真のトレース図
【図3】(a)(b)は図2の縮小図
【図4】(a)は従来技術のフッ素含有ポリイミド樹脂
層からなる気体分離膜の断面SEM写真をトレースした
図 (b)は図4(a)のA部の拡大図
【符号の説明】
1 スキン層 2 スポンジ層 3 フッ素含有ポリイミド樹脂層 4 気体透過性支持体 10 平膜型気体分離膜 21 スキン層 22 スポンジ層 23,24 フィンガーボイド部(円筒状空隙部)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3個のフッ素原子と少なくと
    も2個のエーテル結合部位を有するフッ素含有ポリイミ
    ド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少
    なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体分離膜であ
    って、前記スキン層の平均厚さは1〜100nmの範囲
    にあり、CO2 ガスの透過速度が0.01〜50Nm3
    /m2 /h/atmの範囲、CO2 /メタンの分離係数
    αが2〜60の範囲であることを特徴とするフッ素含有
    ポリイミド系気体分離膜。
  2. 【請求項2】 気体分離膜が、チューブ状、中空糸状、
    及び気体透過性支持体の表面に形成された少なくとも一
    つの分離膜である請求項1に記載のフッ素含有ポリイミ
    ド系気体分離膜。
  3. 【請求項3】 溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂
    からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少なくと
    も備えた気体分離膜の製造方法であって、ポリイミド樹
    脂層を構成する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも
    3個のフッ素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位
    を有するフッ素含有ポリイミド樹脂と、誘電率が30以
    下で双極子モーメントが3.0D以下である有機溶媒
    (A)からなる溶液を、チューブ状に押し出すか或いは
    適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイ
    ミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性
    を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒することを特徴
    とするフッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂
    からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少なくと
    も備えた気体分離膜の製造方法であって、ポリイミド樹
    脂層を構成する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも
    3個のフッ素原子と少なくとも2個のエーテル結合部位
    を有するフッ素含有ポリイミド樹脂、分子構造単位中に
    少なくとも1つのエーテル結合を有する有機溶媒を主成
    分とする有機溶媒(C)からなる溶液を、チューブ状に
    押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記
    フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶
    媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶
    媒することを特徴とするフッ素含有ポリイミド系気体分
    離膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも3個のフッ素原子と少なくと
    も2個のエーテル結合部位を有するフッ素含有ポリイミ
    ド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少
    なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体分離膜を用
    いたモジュールであって、前記スキン層の平均厚さは1
    〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透過速度が
    0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範囲、CO
    2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であることを
    特徴とするフッ素含有ポリイミド系気体分離膜モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 モジュールが、チューブ状、中空糸状、
    及び気体透過性支持体の表面に形成された少なくとも一
    つである請求項5に記載のフッ素含有ポリイミド系気体
    分離膜モジュール。
  7. 【請求項7】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造単位中に少なくとも1つの−CF3 基を
    有する請求請3または4に記載のフッ素含有ポリイミド
    系気体分離膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化1)で表される繰り返し単位を主成分とする請
    求項1,3,4または5に記載のフッ素含有ポリイミド
    系気体分離膜とその製造方法及びモジュール。(但し、
    1 〜An は芳香族、脂環族もしくは脂肪族炭化水素基
    からなる4価の有機基を示し、R1 〜Rn は2価の芳香
    族、脂環族もしくは脂肪族炭化水素基、またはこれらの
    炭化水素基が2価の有機結合基で結合された2価の有機
    基を示し、A1 〜An のうち少なくとも1つの有機基は
    フッ素原子を3個以上有ずる有機基であり、R1 〜Rn
    のうち少なくとも1つの有機基は少なくとも2個のエー
    テル結合部位を有する。) 【化1】
  9. 【請求項9】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化2)または下記式(化3)で表される繰り返し
    単位を主成分とする請求項1,3,4または5に記載の
    フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及び
    モジュール。 【化2】 【化3】
  10. 【請求項10】 有機溶媒(A)の誘電率が10以下で
    双極子モーメントが3.0D以下である請求項3に記載
    のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶媒(A)または(C)がジエチ
    レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
    ルジエチルエーテル、及びこれらの混合溶媒から選ばれ
    る少なくとも一つの液体を主成分として含む請求項3ま
    たは4に記載のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 溶剤(B)が水,アルコール類及びこ
    れらの混合剤から選ばれる少なくとも一つの液体である
    請求項3または4に記載のフッ素含有ポリイミド系気体
    分離膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜上
    に、さらにエラストマー重合体の保護膜を形成する請求
    項1,3,4または5に記載のフッ素含有ポリイミド系
    気体分離膜とその製造方法及びモジュール。
  14. 【請求項14】 エラストマー重合体の薄膜が、架橋性
    シリコーン樹脂を架橋させてなる膜である請求項13に
    記載のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜及びその製造
    方法。
  15. 【請求項15】 スポンジ層には直径1μmを越えるボ
    イド部が存在しない請求項1に記載のフッ素含有ポリイ
    ミド系気体分離膜。
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