JPH09898A - フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール - Google Patents

フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール

Info

Publication number
JPH09898A
JPH09898A JP14924195A JP14924195A JPH09898A JP H09898 A JPH09898 A JP H09898A JP 14924195 A JP14924195 A JP 14924195A JP 14924195 A JP14924195 A JP 14924195A JP H09898 A JPH09898 A JP H09898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
separation membrane
gas separation
containing polyimide
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14924195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
Masatoshi Maeda
正利 前田
Kenichi Ikeda
健一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP14924195A priority Critical patent/JPH09898A/ja
Priority to US08/663,509 priority patent/US5817165A/en
Priority to EP96109588A priority patent/EP0748650A3/en
Publication of JPH09898A publication Critical patent/JPH09898A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い膜面積において均質であり、ピンホール
等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有する含
フッ素ポリイミド系ガス分離膜を提供する。 【構成】 少なくとも3個のフッ素原子有する4価の有
機基とオルト位またはメタ位に配置される2価の有機基
を有するポリイミド樹脂を誘電率が30以下で双極子モ
ーメントが3.0D以下である例えばジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等を含む有機溶媒に溶解し、次い
で前記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、前記
有機溶媒と相溶性を有する例えば水等の溶剤中に浸漬し
て脱溶媒することにより、非対称気体分離膜を形成す
る。フッ素含有ポリイミド樹脂層3はスキン層1(厚さ
1 :約40nm)とスポンジ層2(厚さL2 :約30
μm)で形成されている。平膜の場合、スポンジ層2の
下には不織布等の気体透過性支持体4が存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い面積にわたり均質
で、高い透過流束と分離係数αを有する含フッ素ポリイ
ミド系ガス分離膜及びその製造方法に関する。さらに詳
しくは、特定溶媒を用い、湿式の相転換法にて気体分離
用の特定構造を有する含フッ素ポリイミド系ガス分離膜
の製造に関するもので、詳しくは工業上の混合気体から
特定の成分例えば水素,メタン,炭酸ガス,酸素,窒
素,水蒸気,有機蒸気,イオン等を分離・濃縮するため
に用いられる非対称膜あるいは複合膜の形態で使用され
る非対称含有フッ素ポリイミド系ガス分離膜の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、高いガラス転移温度と剛
直な分子鎖構造を有するため、耐熱性・耐化学薬品性等
に優れた膜分離材料として知られており、種々のポリイ
ミドを用いた分離膜が検討されている。例えば、米国特
許第4378400号や米国特許第4959151号公
報にはビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた芳
香族ポリイミドが、特開平5−7749号公報,米国特
許第3822202号公報,米国特許第3899309
号,米国特許第4532041号公報,米国特許第46
45824号公報,米国特許第4705540号公報,
米国特許第4717393号公報,米国特許第4717
394号公報,米国特許第483900号公報,米国特
許第4897092号公報,米国特許第4932982
号公報,米国特許第4929405号公報,米国特許第
4981497号公報,米国特許第5042992号公
報等には含フッ素系の芳香族ポリイミドが開示されてい
る。
【0003】また、脂肪族や脂環族のテトラカルボン酸
二無水物を用いたポリイミド系に関しても、米国特許第
4964887号公報や米国特許第4988371号公
報に開示されている。
【0004】実用的な機械的強度を分離膜に持たせるこ
とを考慮して、薄膜化や非対称膜化も検討されている。
高性能分離係数を有する高分子を適当な多孔質支持体膜
上に薄膜として形成させる場合、実用的な程度に気体の
透過速度を大きくするためには、薄膜の厚さを望ましく
は0.1μm以下の膜厚にしなければならない。このよ
うな極薄膜をピンホールなく工業的に生産するためには
不向きである。また、非対称膜化も上記公報に記載され
ているが、必要とされる0.1μm以下の膜厚を工業的
にピンホールなしで製膜することは困難であった。米国
特許第4929405号公報には水面展開法によりフッ
素含有芳香族ポリイミド系均質膜の膜厚を必要とされる
0.1μm以下の40nm以下の薄膜に制御することが
開示されているが、支持膜層がないため実用的な機械的
強度を持たない。そのため工業規模での製膜は困難であ
る。
【0005】ピンホールの無い非対称膜を形成させるた
めに、後処理(特開平5−049882号、特開平5−
146651号)や前処理(特開平5−184887
号)、製造工程の改良(米国特許第4902422号公
報,米国特許第5085676号公報、米国特許第51
65963号公報)といった方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法は作業工程の増加及び複雑化、コスト高、工業
レベルでの安定製膜が困難という問題点を有していた。
すなわち、ポリイミドの分離膜を実用的な工業レベルで
製造し、効率的な分離操作を行う場合、上記のような従
来技術では満足できるものではなかった。具体的には、
第1に製膜時にピンホールが形成し、そのピンホールの
ために分離膜性能が低下し、ばらつき、不安定となり効
率的な分離操作が行えない。第2には第1の欠点を補う
ためには製膜工程を複雑化しコスト高となる。第3には
製膜条件を厳しくしてピンホールを出来るだけ少なくし
ようとするための製膜条件のコントロールは難しく、結
果として安定した分離性能を透過性とバランスを良く有
する膜は製造できない。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、広い膜面積において均質であり、ピンホール等の欠
陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有する含フッ素
ポリイミド系ガス分離膜、及び簡便な製膜方法で高い気
体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足できる気体
分離膜を得るための製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜は、少
なくとも3個のフッ素原子有する4価の有機基とオルト
位またはメタ位に配置される2価の有機基を有するポリ
イミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキン層と
を少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体分離膜
であって、前記スキン層の平均厚さは1〜100nmの
範囲にあり、CO2 ガスの透過速度が0.01〜50N
3 /m2 /h/atmの範囲、CO2 /メタンの分離
係数αが2〜60の範囲であることを特徴とする。
【0009】また前記構成においては、気体分離膜が、
チューブ状、中空糸状、及び気体透過性支持体の表面に
形成された少なくとも一つの分離膜であることが好まし
い。このような分離膜は、モジュールとして実用的に有
用だからである。
【0010】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜の第1番目の製造方法は、溶剤可溶型フッ素含有
ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた気体分離膜の製造方法であっ
て、少なくとも3個のフッ素原子有する4価の有機基と
オルト位またはメタ位に配置される2価の有機基からな
るフッ素含有ポリイミド樹脂と、誘電率が30以下で双
極子モーメントが3.0D以下である有機溶媒(A)か
らなる溶液を、チューブ状、または中空糸状に押し出す
か或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含
有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(A)
と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒するこ
とを特徴とする。
【0011】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜の第2番目の製造方法は、溶剤可溶型フッ素含有
ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた気体分離膜の製造方法であっ
て、少なくとも3個のフッ素原子を有する4価の有機基
とオルト位またはメタ位に配置される2価の有機基から
なるフッ素含有ポリイミド樹脂、分子構造単位中に少な
くとも1つのエーテル結合を有する有機溶媒を主成分と
する有機溶媒(C)からなる溶液を、チューブ状に押し
出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ
素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒
(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒
することを特徴とする。
【0012】次に本発明のフッ素含有ポリイミド系気体
分離膜モジュールは、少なくとも3個のフッ素原子有す
る4価の有機基とオルト位またはメタ位に配置される2
価の有機基を有するポリイミド樹脂からなるスポンジ層
とその表層のスキン層とを少なくとも備えた膜面積0.
5m2 以上の気体分離膜を用いたモジュールであって、
前記スキン層の平均厚さは1〜100nmの範囲にあ
り、CO2 ガスの透過速度が0.01〜50Nm3 /m
2 /h/atmの範囲、CO2 /メタンの分離係数αが
2〜60の範囲であることを特徴とする。
【0013】前記構成においては、モジュールが、チュ
ーブ状、中空糸状、及び気体透過性支持体の表面に形成
された少なくとも一つであることが好ましい。このよう
な分離膜モジュールは、実用的に有用だからである。
【0014】前記構成においては、フッ素含有ポリイミ
ド樹脂を構成する繰り返し分子構造中に少なくとも1つ
の−CF3 基を有することが好ましい。この様な樹脂は
同様に気体分離能が高いからである。
【0015】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が実質的に前記式(化1)で表される繰り返
し単位を主成分とすることが好ましい。この様な樹脂は
同様に気体分離能が高いからである。
【0016】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が実質的に前記式(化2)または前記式(化
3)で表される繰り返し単位を主成分とすることが好ま
しい。この様な樹脂は同様に気体分離能が高いからであ
る。
【0017】また前記構成においては、有機溶媒(A)
の誘電率が10以下で双極子モーメントが3.0D以下
であることが好ましい。このような溶媒は、たとえば水
に相溶化しにくいが時間をかければ相溶化するという性
質があり、前記ポリイミド樹脂を有機溶媒(A)に溶解
させて例えば膜状にキャスト成形し、水中で脱溶媒を行
う際、徐々に脱溶媒が行われるため、スキン層も内部の
スポンジ層も均質な状態のものが得られる。
【0018】また前記構成においては、有機溶媒(A)
または(C)の主成分がジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及び
これらの混合溶媒から選ばれる少なくとも一つの液体で
あることが好ましい。前記同様、水中で脱溶媒を行う
際、徐々に脱溶媒が行われるため、スキン層も内部のス
ポンジ層も均質な状態のものが得られる。
【0019】また前記構成においては、溶剤(B)が
水,アルコール類及びこれらの混合剤から選ばれる少な
くとも一つの液体であることが好ましい。前記同様、液
中で脱溶媒を行う際、徐々に脱溶媒が行われるため、ス
キン層も内部のスポンジ層も均質な状態のものが得られ
る。
【0020】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド系気体分離膜上に、さらにエラストマー重合体の
保護膜を形成することが好ましい。さらにピンホール欠
陥等を防げるからである。
【0021】また前記構成においては、エラストマー重
合体の薄膜が、架橋性シリコーン樹脂を架橋させてなる
膜であることが好ましい。同様にピンホール欠陥等を防
げるからである。
【0022】また前記本発明の気体分離膜においては、
スポンジ層には直径1μmを越えるボイド部が存在しな
いことが好ましい。スポンジ層も均質であると欠陥が少
なくなるからである。
【0023】
【作用】前記した本発明の構成によれば、少なくとも3
個のフッ素原子有する4価の有機基とオルト位またはメ
タ位に配置される2価の有機基を有するポリイミド樹脂
からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少なくと
も備えた気体分離膜であって、膜面積0.5m2 のいず
れの箇所においても、前記スキン層の平均厚さは1〜1
00nmの範囲にあり、CO2 ガスの透過速度が0.0
1〜50Nm3 /m2 /h/atmの範囲、CO2 /メ
タンの分離係数αが2〜60の範囲であることにより、
広い膜面積において均質であり、ピンホール等の欠陥も
なく、高い透過流束と分離係数αを有する含フッ素ポリ
イミド系ガス分離膜、及び簡便な製膜方法で高い気体透
過流束を有し、コスト面で実用的に満足できる気体分離
膜を実現できる。
【0024】次に本発明方法の第1番目の構成によれ
ば、溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるス
ポンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気
体分離膜の製造方法であって、少なくとも3個のフッ素
原子有する4価の有機基とオルト位またはメタ位に配置
される2価の有機基からなるフッ素含有ポリイミド樹脂
と、誘電率が30以下で双極子モーメントが3.0D以
下である有機溶媒(A)からなる溶液を、チューブ状、
または中空糸状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗
布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しな
いが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)
中に浸漬して脱溶媒することにより、簡便な製膜方法で
高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足でき
る気体分離膜を効率良く合理的に製造できる。
【0025】次に本発明方法の第2番目の構成によれ
ば、溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるス
ポンジ層とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気
体分離膜の製造方法であって、少なくとも3個のフッ素
原子を有する4価の有機基とオルト位またはメタ位に配
置される2価の有機基からなるフッ素含有ポリイミド樹
脂、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)からなる
溶液を、チューブ状に押し出すか或いは適宜の支持体上
に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解
しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤
(B)中に浸漬して脱溶媒することにより、簡便な製膜
方法で高い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に満
足できる気体分離膜を効率良く合理的に製造できる。
【0026】次に本発明の気体分離膜モジュールによれ
ば、少なくとも3個のフッ素原子有する4価の有機基と
オルト位またはメタ位に配置される2価の有機基を有す
るポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体
分離膜を用いたモジュールであって、前記スキン層の平
均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透
過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範
囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であ
ることにより、広い膜面積において均質であり、ピンホ
ール等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有す
るモジュールとすることができる。
【0027】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明は、ドープ作製のために特定の溶媒を
用いることにより、湿式相転換製膜方法にて均質スキン
層の厚みを一定値以下とし、且つ分離性能を大きく低下
させるピンホールを広範囲にわたり形成しない非対称膜
の製膜方法を見い出し本発明に至ったものである。なお
非対称膜とは、表面がスキン層で覆われ、内部がスポン
ジ層で形成されている膜をいう。
【0028】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂層は気体分離性能に寄与する層であり、ポリイミド
を構成する繰り返し分子構造単位がたとえば前記式(化
1)のポリイミド樹脂を用いる。より好ましくはA1
n のうち少なくとも一つのプロトンが一つの−CF3
基に置き変わったものが用いられる。例えば下記式(化
4)で表される4価の有機基などが好ましく用いられ
る。
【0029】
【化4】
【0030】パラ位以外、すなわちオルト位、メタ位の
位置関係にある2価の有機基、R1、あるいはR2 は特
に限定されないが、より好ましくは下記の(化5)(但
し、(化2)中のR3 〜R6 は、水素、炭素数Cが1〜
4の炭化水素基,ハロゲン,水酸基,カルボン酸基,カ
ルボン酸イオン基,スルホン酸イオン基,アミノ基,ニ
トリル基,ニトロ基,イソシアネート基、但し、2価の
位置はp−以外である。)で表される2価の有機基が好
ましく用いられる。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】さらに本発明に用いられるフッ素含有ポリ
イミド樹脂は実質的に、下記式(化7)(化8)で表さ
れる繰り返し単位を主成分とすることが好ましい。
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】また、(化7)(化8)中全てのイミド環
部位において、アミック酸の状態のままで部分的に残存
していたとしても、その存在比が30%以下、即ちイミ
ド化率70%以上であれば何ら問題はない。なお、該存
在比は全てのイミド環部位に対する残存−COOHの量
1H−NMRを用いて安量化し、算出することによっ
て求めた値である。該存在比が30%を越えると有機溶
媒(A)と溶剤(B)との親和性(−COOHの増加に
よる)が増すために、ピンホール形成の原因になり、本
来のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜を持つ分離性能
が低下する。
【0037】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は単独で用いられてもよいが、2種類以上の混合物
としても用いられる。更には、50モル%以下であれば
フッ素含有ポリイミド樹脂以外のポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホンなどのポリマーとの共重合体、もしくは
混合物であってもよい。
【0038】本発明で用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を用
いて、例えば、米国特許第3959350号公報に記載
されているような公知の重合方法で得られる。例えば、
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モ
ル量を用い、極性溶媒中、約80℃以下の温度、好まし
くは、0〜60℃でポリアミック酸を重合する。ここで
用いられる極性溶媒は特に限定されないが、N−メチル
ピロリドン,ピリジン,ジメチルアセトアミド,ジメチ
ルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,テトラメチル
尿素,フェノール,クレゾールなどが好適に用いられ
る。
【0039】得られたポリアミック酸の極性溶媒溶液に
トリメチルアミン,トリエチルアミ,ピリジン等の第3
級アミン化合物,無水酢酸,塩化チオニル,カルボジイ
ミドなどのイミド化促進剤を添加し、5〜150℃の温
度で撹拌し、イミド化率70%以上となるようにイミド
化する。イミド化反応を行う際、イミド化促進剤を添加
することなく、上記ポリアミック酸溶液を100〜40
0℃、好ましくは、120〜300℃で加熱してイミド
化してもよい。
【0040】イミド化反応後、重合時の極性溶媒やイミ
ド促進剤を除去するために、多量のアセトン、アルコー
ルまたは水等の溶液に滴下し精製したポリイミドを乾燥
し、本発明で用いられる誘電率が30以下で、双極子モ
ーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)に再溶解して
製膜用のドープとして用いる。
【0041】また、イミド化促進剤を添加することな
く、イミド化反応を行う場合は、ポリアミック酸溶液を
多量のアセトン、またはアルコール等の溶液に滴下して
得られたポリアミック酸粉末やポリアミック酸溶液から
溶媒を蒸発させて得られたポリアミック酸の固体(蒸発
の際、沈殿剤等を加えてポリアミック酸粉末を形成さ
せ、ろ別してもよい)を100〜400℃に加熱してイ
ミド化し、本発明に用いられる誘電率が30以下で、双
極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或い
は、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)に再溶解
して製膜用ドープとして用いる。
【0042】本発明で用いられる誘電率が30以下で、
双極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或
は、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)を合成の
際の溶媒として用いることもできる。この際イミド化促
進剤の除去工程を行わなくても高性能膜が得られ、ドー
プ調整工程を削減する上で好適になる。
【0043】本発明で用いられる誘電率が30以下で、
双極子モーメントが3.0D以下の有機溶媒(A)或い
は、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を
有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)に再溶解
して製膜用ドープを調整する場合のポリイミド溶液濃度
は3〜40重量%、好ましくは10〜30重量%であ
る。また、製膜用ドープを調整する場合に、必要に応じ
て、膨潤剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。
【0044】本発明で用いられる有機溶媒(A)の誘電
率は30以下で、双極子モーメントは3.0D以下であ
るが、上記誘電率は10以下であることが好ましい。本
発明で用いられる有機溶媒(A)では、極性が小さいた
め、凝固液として用いる溶媒即ち溶剤(C)との親和性
が弱くなる。従って、湿式相転換製膜時のスキン層の形
成よりも、ドープ用溶媒が凝固液として用いる溶媒中へ
浸出する速度が十分小さいため、広範囲の均質スキン層
にはピンホールが形成されずに工業的規模で製膜するこ
とができる。
【0045】本発明で用いられる有機溶媒(A)として
は、上記条件を満足していれば特に限定されないが、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(誘電率は5.9
7、双極子モーメントは1.97D)が好ましく、その
他に1,2−ジメトキシエタン(誘電率は5.50、双
極子モーメントは1.79D)等が挙げられる。これら
は単独で用いられる以外に、2種類以上の混合溶媒とし
ても用いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミドの
溶解度やドープの粘度を調整するために30重量%を超
えない範囲で、誘電率が30を超え、及び/または、双
極子モーメントが3.0Dを超える非プロトン系溶媒を
加えてもよい。本発明において特に好ましく用いられる
混合有機溶媒(A)としては、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルを60重量%以上100重量%未満を含
む有機溶媒である。例えば、67重量%のジエチレング
リコールジメチルエーテルと33重量%N−メチルピロ
リドン(NMP)の混合溶液が例示される。
【0046】ドープ用溶媒として従来用いられているN
−メチル−2−ピロリドン(誘電率は320(25
℃))、双極子モーメントは4.00D(30℃)、
N,N−ジメチルアセトアミド(誘電率は37.8(2
5℃))、双極子モーメントは3.72D)、N,N−
ジメチルホルムアミド(誘電率は36.7(25
℃))、双極子モーメントは3.86D(25℃))、
ジメチルスルホキシド(誘電率は48.9(20
℃))、双極子モーメントは4.30D)等の非プロト
ン極性溶媒を用いれば、誘電率は32以上で、双極子モ
ーメントは3.7D以上であり、凝固液として用いる溶
媒、例えば水との親和性が強いと考えられる。この親和
性の強さに起因して、湿式相転換製膜時のスキン層の形
式よりも、ドープ用溶媒が凝固液として用いる溶媒中へ
浸出する速度の方が大きいため、広範囲の均質スキン層
にはピンホールが形成される。更に、従来用いられてい
る上記のような非プロトン極性溶媒であれば、湿式相転
換製膜時、製膜用ドープをガス透過性支持体にキャスト
または紡糸した後、所定の温度で所定時間放置し溶媒の
一部を蒸発させた場合、水との親和性が強すぎるために
空気中の水分を吸収し、表面が白濁してピンホール形成
を促進する。
【0047】また本発明で用いられる有機溶媒(C)と
しては、分子構造単位中に少なくとも1つのエーテル結
合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒であれば特
に限定されないが、ジエチレングリコールジメチルエー
テル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,ジエチ
レングリコールジブチルエーテル,トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル,1,2−ジメトキシエタン,
1,2−ジエトキシエタン,1,2−ジブトキシエタン
等が挙げられる。好ましくはジエチレングリコールジメ
チルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル,またはこれらの混合溶媒が用いられる。これらは単
独で用いられる以外に、2種類以上の混合溶媒としても
用いられる。また、用いるフッ素含有ポリイミドの溶解
度やドープの粘度を調整するために30重量%を超えな
い範囲で、分子構造単位中にエーテル結合を有しない非
プロトン系溶媒を加えてもよい。
【0048】上記ドープを用いた湿式相転換製膜法につ
いて以下に説明する。本発明における気体分離膜の製膜
法や膜形態は特に限定されないが、本発明で用いられる
有機溶媒(A)または(C)のドープを押し出し法、流
延法等で凝固液即ち溶剤(B)中に浸漬させることでチ
ューブ状(中空糸状を含む)、平膜状等の非対称膜が得
られる。
【0049】平膜状の場合はガス透過性支持体上に、ド
ープをキャスティングやディッピング等の方法で塗布
し、凝固液、即ち溶剤(B)中に浸漬し、非対称膜を複
合形態で得ることも機械的強度を高める点で好適であ
る。本発明に用いられる適宜の支持体としては平滑な表
面を有する硝子板や次に挙げるガス透過性支持体等が挙
げられる。上記ガス透過性支持体としては、平滑な表面
を有する有機、無機、金属の多孔体膜、織布、不織布等
を挙げることができる。これらのガス透過性支持体上の
ドープと塗布厚は25〜400μm好ましくは30〜2
00μmである。
【0050】本発明で用いられる有機溶媒(A)を用い
たドープは−80〜80℃好ましくは−20〜40℃の
温度範囲で製膜される。上記有機溶媒(A)を浸漬除去
する際に用いられる凝固液、即ち溶剤(B)としては用
いるフッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有
機溶媒(A)と相溶性を有するものであれば、限定され
ないが、水やメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類及びこれらの混合液が用いら
れ、特に水が好適に用いられる。上記有機溶媒(A)を
浸漬除去する時の凝固剤、即ち溶剤(B)の温度は特に
限定されないが、好ましくは0〜50℃の温度で行われ
る。
【0051】上記条件により非対称膜を製膜することに
より、膜面積0.5m2 以上において、前記スキン層の
平均厚さは1〜100nmの範囲にある分離膜を形成で
きる。スキン層の厚さはほぼ一定で、広範囲にわたり分
離性能を大きく低下させるピンホールが存在しない気体
分離膜を製造することができる。この結果、膜面積の大
きいモジュールを作成しても、たとえばCO2 ガスの透
過流束が0.1〜50Nm3 2 /hr./atmの範
囲、CO2 /メタノールの分離係数αが2〜60の範囲
のモジュールを作成できる。
【0052】本発明で得られる気体分離膜は、さらにそ
のフッ素含有ポリイミド薄膜の表面をエラストマー重合
体を用いて塗布することが好ましい。エラストマー重合
体の薄膜を形成させて積層することは、上記気体分離膜
表面の欠陥を塞ぐと同時に表面に傷が付くことで防ぐ上
で好適である。上記エラストマー重合体としては、柔軟
なフィルム形成能を有する重合体をいい、具体例として
は、ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,エチレン−プロ
ピレン共重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体,ポリブタジエン,ポリイソプレン,クロロプレンゴ
ム,ポリ(4−メチル−ペンテン−1),ブタジエン−
スチレン共重合体,イソプレン−イソブチレン共重合
体、またはポリイソブチレン等のようなエチレン性単量
体または共役ジエン系単量体の単独重合体や共重合体、
さらに上記単量体成分に加えて、アクリロニトリル,
(メタ)アクリル酸エステル,(メタ)アクリル酸等の
ような官能基を有する単量体成分を含有する共重合体、
あるいはポリエーテルポリオール,ポリウレタンポリエ
ーテル,ポリウレンポリエステル,またはポリアミドポ
リエーテル等のような所請ソフトセグメントとハードセ
グメントとを伴せ有する共重合体を挙げることができ
る。さらに、上記以外にも直鎖長鎖状の硬化剤によって
硬化されるエポキシ樹脂や、エチルセルロース、ブトキ
シ樹脂等も、本発明においては前記エラストマー重合体
として用いることができる。
【0053】本発明においてエラストマー重合体として
は、架橋性シリコーン樹脂が特に好ましく用いられる。
かかる架橋性シリコーン樹脂は、架橋前は有機溶剤に可
溶性であるが、架橋後には有機溶剤に不溶性の樹脂とな
るシリコーン樹脂であり、例えば、特開昭59−225
705号公報に記載されている方法にしたがって製膜す
ることができる。
【0054】上記の気体分離膜を用いてエレメント形態
は特に限定されず、チューブ状に押し出した場合は中空
糸型エレメントとして、適宜の支持体上に塗布した場合
は例えば、スパイラル型、平膜型、チューブラー型エレ
メント等としてモジュール化できる。
【0055】次に図面を用いて説明する。図1は本発明
の一実施例の支持体上に塗布した平膜型分離膜10の概
略断面図を示したものである。図1において、3はフッ
素含有ポリイミド樹脂層で、スキン層1とスポンジ層2
で形成されている。ポリイミド樹脂層3は気体透過性支
持体4である厚さ約100μmのポリエステル不織布の
表面に形成されている。図2は図1のスキン層1とスポ
ンジ層2の拡大断面SEM写真をトレースした図であ
る。スキン層1の厚さL1 は約40nmであり、図2に
は一部しか示していないがスポンジ層2の厚さL2 は約
30μmであった。図2において、白い部分はポリイミ
ド樹脂の部分を示し、黒い部分は空隙部による影を示し
ている。
【0056】次に図3(a)(b)は図2の縮小図を示
しており、スポンジ層2が厚さ方向にも面方向にも比較
的均一であることを示している。図4(a)は従来技術
のフッ素含有ポリイミド樹脂層からなる気体分離膜の断
面SEM写真をトレースした図、図4(b)は図4
(a)のA部の拡大図である。この非対称膜は溶媒とし
てN−メチルピロリドン(NMP)を用い、水中で脱溶
媒して形成したものである。図4(a)において、21
はスキン層、22はスポンジ層、23はスポンジ層に存
在する縦方向に形成されたフィンガーボイド部(円筒状
空隙部)、24は横方向(奥行き方向)に形成されたフ
ィンガーボイド部である。同一倍率の拡大図である本発
明の一実施例の図3(a)と比べると、従来技術の非対
称膜には直径が約10μm程度の大きなフィンガーボイ
ド部が存在しているのに対して、本発明品はこれがな
く、均一なスポンジ層になっていることである。
【0057】以下に実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではな
い。 (実施例1)前記式(化7)で表される繰り返し単位と
するフッ素含有ポリイミドをジエチレングリコールジメ
チルエーテル溶媒下で以下の方法で合成した。2,6−
ジアミノトルエン(2.6−DAT)0.75molを
有機溶媒(A)または(C)としてのジエチレングリコ
ールジメチルエーテル1842gに溶解した溶液中に、
窒素雰囲気下で5,5´−2,2,2−トリフルオロ−
1−(トリフルオロメチル)エチリデン−ビス−1,3
−イソベンフランジオン(6FDA)0.75molを
加え、室温にて8時間撹拌し、重合を行い、ポリアミッ
ク酸を得た。その後、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル406gを加え、溶液が均一になった後、イミド
化剤物質であるピリジン2.25molと無水酢酸2.
25molを加え、室温にて12時間撹拌し、イミド化
反応を行った。反応後、得られた溶液は製膜溶液として
瀘過し、静置して十分に脱泡し、調整した。
【0058】上記製膜溶液を25℃としてアプリケータ
を用いて、幅1m、長さ15m、厚さ約200μm、目
付85g/m2 のポリエステル不織布上に、厚さ200
μmでキャストして、凝固液として20℃の水中に5分
間、20℃の水中に1時間浸漬した。この様にして図1
〜3に示すような非対称膜を形成した。この後、得られ
た気体分離表面にエラストマー重合体である架橋性シリ
コーン樹脂溶液(GESilicones のRTV615のヘキ
サン3wt%溶液)を塗布し、110℃で15分間熱処
理することにより、(厚さ約1〜3μmの)エラストマ
ー重合体の薄膜を形成させ、積層させた。得られた分離
膜を円筒状モジュールに組み立て(有効膜面積1.4m
2 )、透過速度と分離性能を測定した。測定は下記の純
ガス(CO2,CH4,N2 )を用い、透過側を1×10-2
torrの減圧にして行った。測定温度は25℃であ
る。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】(実施例2)ジアミン成分をm−フェニレ
ンジアミンに変更した以外は(実施例1)に従った。結
果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】(実施例3)(化8)で表される繰り返し
単位とするフッ素含有ポリイミドの2価(ジアミン)成
分を3,3´−オキシジアニリンに変更した以外は(実
施例1)に従った。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】(比較例1)ジアミン成分をp−フェニレ
ンジアミンに変更した以外は(実施例1)に従った。有
機溶媒(A)または(C)に該当する溶媒には不溶であ
った。
【0065】(比較例2)ジアミン成分を4,4´−オ
キシジアニリンに変更した以外は(実施例1)に従っ
た。有機溶媒(A)または(C)に該当する溶媒には不
溶であった。
【0066】以上の実施例で説明した通り、本発明の非
対称分離膜は、実用的なモジュールに必要な広い膜面積
において、スキン層の平均厚さは1〜100nmの範囲
にあって均一であり、透過速度と分離性能に優れている
ことが確認できた。また、広い膜面積において均質であ
り、ピンホール等の欠陥もなかった。
【0067】(実施例4)実施例1で得られた分離膜の
うち、幅0.33m、長さ2.0mを円筒状モジュール
に組み立て(有効面積0.54m2 )、透過速度と分離
性能を測定した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】表4から明らかな通り、有効面積0.54
2 のモジュールにおいても実用上十分な透過速度と分
離性能を持っていることが確認できた。
【0070】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、少な
くとも3個のフッ素原子有する4価の有機基とオルト位
またはメタ位に配置される2価の有機基を有するポリイ
ミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを
少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体分離膜で
あって、前記スキン層の平均厚さは1〜100nmの範
囲にあり、CO2 ガスの透過速度が0.01〜50Nm
3 /m2 /h/atmの範囲、CO2 /メタンの分離係
数αが2〜60の範囲であることにより、広い膜面積に
おいて均質であり、ピンホール等の欠陥もなく、高い透
過流束と分離係数αを有する含フッ素ポリイミド系ガス
分離膜、及び簡便な製膜方法で高い気体透過流束を有
し、コスト面で実用的に満足できる気体分離膜を実現で
きる。
【0071】次に本発明の1番目の方法によれば、溶剤
可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層
とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気体分離膜
の製造方法であって、少なくとも3個のフッ素原子有す
る4価の有機基とオルト位またはメタ位に配置される2
価の有機基からなるフッ素含有ポリイミド樹脂と、誘電
率が30以下で双極子モーメントが3.0D以下である
有機溶媒(A)からなる溶液を、チューブ状、または中
空糸状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布し、次
いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上
記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)中に浸漬
して脱溶媒することにより、簡便な製膜方法で高い気体
透過流束を有し、コスト面で実用的に満足できる気体分
離膜を効率良く合理的に製造できる。
【0072】次に本発明の2番目の方法によれば、溶剤
可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂からなるスポンジ層
とその表層のスキン層とを少なくとも備えた気体分離膜
の製造方法であって、少なくとも3個のフッ素原子を有
する4価の有機基とオルト位またはメタ位に配置される
2価の有機基からなるフッ素含有ポリイミド樹脂、分子
構造単位中に少なくとも1つのエーテル結合を有する有
機溶媒を主成分とする有機溶媒(C)からなる溶液を、
チューブ状に押し出すか或いは適宜の支持体上に塗布
し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しない
が、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する溶剤(B)中
に浸漬して脱溶媒することにより、簡便な製膜方法で高
い気体透過流束を有し、コスト面で実用的に満足できる
気体分離膜を効率良く合理的に製造できる。
【0073】次に本発明の気体分離膜モジュールによれ
ば、少なくとも3個のフッ素原子有する4価の有機基と
オルト位またはメタ位に配置される2価の有機基を有す
るポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその表層のスキ
ン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2 以上の気体
分離膜を用いたモジュールであって、前記スキン層の平
均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透
過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範
囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であ
ることにより、広い膜面積において均質であり、ピンホ
ール等の欠陥もなく、高い透過流束と分離係数αを有す
るモジュールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の支持体上に塗布した平膜型
の分離膜の概略断面図
【図2】図1の拡大断面SEM写真のトレース図
【図3】(a)(b)は図2の縮小図
【図4】(a)は従来技術のフッ素含有ポリイミド樹脂
層からなる気体分離膜の断面SEM写真をトレースした
図 (b)は図4(a)のA部の拡大図
【符号の説明】
1 スキン層 2 スポンジ層 3 フッ素含有ポリイミド樹脂層 4 気体透過性支持体 10 平膜型気体分離膜 21 スキン層 22 スポンジ層 23,24 フィンガーボイド部(円筒状空隙部)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3個のフッ素原子有する4価
    の有機基とオルト位またはメタ位に配置される2価の有
    機基を有するポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその
    表層のスキン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2
    以上の気体分離膜であって、前記スキン層の平均厚さは
    1〜100nmの範囲にあり、CO2 ガスの透過速度が
    0.01〜50Nm3 /m2 /h/atmの範囲、CO
    2 /メタンの分離係数αが2〜60の範囲であることを
    特徴とするフッ素含有ポリイミド系気体分離膜。
  2. 【請求項2】 気体分離膜が、チューブ状、中空糸状、
    及び気体透過性支持体の表面に形成された少なくとも一
    つの分離膜である請求項1に記載のフッ素含有ポリイミ
    ド系気体分離膜。
  3. 【請求項3】 溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂
    からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少なくと
    も備えた気体分離膜の製造方法であって、少なくとも3
    個のフッ素原子有する4価の有機基とオルト位またはメ
    タ位に配置される2価の有機基からなるフッ素含有ポリ
    イミド樹脂と、誘電率が30以下で双極子モーメントが
    3.0D以下である有機溶媒(A)からなる溶液を、チ
    ューブ状、または中空糸状に押し出すか或いは適宜の支
    持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイミド樹脂
    を溶解しないが、上記有機溶媒(A)と相溶性を有する
    溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒することを特徴とするフ
    ッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶剤可溶型フッ素含有ポリイミド系樹脂
    からなるスポンジ層とその表層のスキン層とを少なくと
    も備えた気体分離膜の製造方法であって、少なくとも3
    個のフッ素原子を有する4価の有機基とオルト位または
    メタ位に配置される2価の有機基からなるフッ素含有ポ
    リイミド樹脂、分子構造単位中に少なくとも1つのエー
    テル結合を有する有機溶媒を主成分とする有機溶媒
    (C)からなる溶液を、チューブ状に押し出すか或いは
    適宜の支持体上に塗布し、次いで上記フッ素含有ポリイ
    ミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒(C)と相溶性
    を有する溶剤(B)中に浸漬して脱溶媒することを特徴
    とするフッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも3個のフッ素原子有する4価
    の有機基とオルト位またはメタ位に配置される2価の有
    機基を有するポリイミド樹脂からなるスポンジ層とその
    表層のスキン層とを少なくとも備えた膜面積0.5m2
    以上の気体分離膜を用いたモジュールであって、前記ス
    キン層の平均厚さは1〜100nmの範囲にあり、CO
    2 ガスの透過速度が0.01〜50Nm3 /m2 /h/
    atmの範囲、CO2 /メタンの分離係数αが2〜60
    の範囲であることを特徴とするフッ素含有ポリイミド系
    気体分離膜モジュール。
  6. 【請求項6】 モジュールが、チューブ状、中空糸状、
    及び気体透過性支持体の表面に形成された少なくとも一
    つである請求項5に記載の気体分離膜モジュール。
  7. 【請求項7】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造中に少なくとも1つの−CF3 基を有す
    る請求項1,3,4または5に記載のフッ素含有ポリイ
    ミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール。
  8. 【請求項8】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化1)で表される繰り返し単位を主成分とする請
    求項1,3,4または5に記載のフッ素含有ポリイミド
    系気体分離膜とその製造方法及びモジュール。 【化1】 (但しA1 〜An は芳香族、脂環族もしくは脂肪族炭化
    水素基からなる4価の有機基を示し、R1 〜Rn は2価
    の芳香族、脂環族もしくは脂肪族炭化水素基、またはこ
    れら炭化水素基が2価の有機結合基で結合された2価の
    有機基を示し、A 1 〜An 及びR1 〜Rn のうち少なく
    とも1つの有機基はフッ素原子を3個以上有する有機基
    であり、R1 〜Rn のうち少なくとも1つはオルト位ま
    たはメタ位の位置関係にある2価の有機基)
  9. 【請求項9】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化2)または下記式(化3)で表される繰り返し
    単位を主成分とする請求項1,3,4または5に記載の
    フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及び
    モジュール。 【化2】 (但し、R3 〜R6 は、水素,炭素数1から4の炭化水
    素基、ハロゲン、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸イ
    オン基、スルホン酸基、スルホン酸イオン基、アミノ
    基、ニトリル基、ニトロ基またはイソシアネート基を表
    す。) 【化3】 (但し、ベンゼン環の結合位置はオルト位またはメタ
    位)
  10. 【請求項10】 有機溶媒(A)の誘電率が10以下で
    双極子モーメントが3.0D以下である請求項3に記載
    のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶媒(A)または(C)の主成分
    がジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
    グリコールジエチルエーテル及びこれらの混合溶媒から
    選ばれる少なくとも一つの液体を主成分として含む請求
    項3または4に記載のフッ素含有ポリイミド系気体分離
    膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 溶剤(B)が水,アルコール類及びこ
    れらの混合剤から選ばれる少なくとも一つの液体である
    請求項3または4に記載のフッ素含有ポリイミド系気体
    分離膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜上
    に、さらにエラストマー重合体の保護膜を形成する請求
    項1,3,4または5に記載のフッ素含有ポリイミド系
    気体分離膜とその製造方法及びモジュール。
  14. 【請求項14】 エラストマー重合体の薄膜が、架橋性
    シリコーン樹脂を架橋させてなる膜である請求項13に
    記載のフッ素含有ポリイミド系気体分離膜及びその製造
    方法。
  15. 【請求項15】 スポンジ層には直径1μmを越えるボ
    イド部が存在しない請求項1に記載のフッ素含有ポリイ
    ミド系気体分離膜。
JP14924195A 1995-06-15 1995-06-15 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール Pending JPH09898A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14924195A JPH09898A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール
US08/663,509 US5817165A (en) 1995-06-15 1996-06-13 Fluorine-containing polyimide gas separation membrane and method of manufacturing the same
EP96109588A EP0748650A3 (en) 1995-06-15 1996-06-14 Membrane for gas separation from fluorine-containing polyimides and process for their production

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14924195A JPH09898A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09898A true JPH09898A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15470971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14924195A Pending JPH09898A (ja) 1995-06-15 1995-06-15 フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09898A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103894080A (zh) * 2014-03-21 2014-07-02 天津大学 填充水凝胶微球调节膜中水含量的杂化膜及制备和应用
WO2015033772A1 (ja) * 2013-09-09 2015-03-12 富士フイルム株式会社 ガス分離複合膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
WO2015041250A1 (ja) * 2013-09-20 2015-03-26 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
DE112016003689T5 (de) 2015-08-13 2018-04-26 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Gastrennmembran
DE112017001147T5 (de) 2016-03-04 2018-11-29 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Modul für Gastrennung und Gastrennungsverfahren
KR20190012757A (ko) * 2017-07-28 2019-02-11 한국과학기술연구원 폴리이미드계 고분자 화합물 및 폴리설폰계 고분자 화합물에 기반한 다중층 중공사막 및 그의 제조방법
US10618014B2 (en) 2015-05-29 2020-04-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Gas separation memebrane

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015033772A1 (ja) * 2013-09-09 2015-03-12 富士フイルム株式会社 ガス分離複合膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
US9889412B2 (en) 2013-09-09 2018-02-13 Fujifilm Corporation Composite gas separation membrane, gas separation module, gas separation apparatus and gas separation method
WO2015041250A1 (ja) * 2013-09-20 2015-03-26 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
US10040035B2 (en) 2013-09-20 2018-08-07 Fujifilm Corporation Gas separation membrane, gas separation module, gas separation device, and gas separation method
CN103894080A (zh) * 2014-03-21 2014-07-02 天津大学 填充水凝胶微球调节膜中水含量的杂化膜及制备和应用
US10618014B2 (en) 2015-05-29 2020-04-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Gas separation memebrane
DE112016003689T5 (de) 2015-08-13 2018-04-26 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Gastrennmembran
US10786785B2 (en) 2015-08-13 2020-09-29 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Gas separation membrane
DE112017001147T5 (de) 2016-03-04 2018-11-29 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Modul für Gastrennung und Gastrennungsverfahren
US11077405B2 (en) 2016-03-04 2021-08-03 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Module for gas separation, and gas separation method
KR20190012757A (ko) * 2017-07-28 2019-02-11 한국과학기술연구원 폴리이미드계 고분자 화합물 및 폴리설폰계 고분자 화합물에 기반한 다중층 중공사막 및 그의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5882382A (en) Polyimide semipermeable membrane
US5817165A (en) Fluorine-containing polyimide gas separation membrane and method of manufacturing the same
EP0509260B1 (en) Composite or asymmetric fluorine-containing polyimide membrane, a process for manufacturing the same and a method for the separation and concentration of gas using the same
CA1169193A (en) Gas separating material
US4528004A (en) Aromatic polyimide composite separating membrane
US5178940A (en) Composite or asymmetric fluorine-containing polyimide membrane, a process for manufacturing the same and a method for the separation and concentration of gas using the same
US5725769A (en) Solvent-resistant microporous polymide membranes
EP0407172A1 (en) Aromatic polyimide separation membrane
JPH07121343B2 (ja) ガス分離中空糸膜及びその製法
US5811196A (en) Laminated asymmetric membrane and method for manufacturing the same
US5391219A (en) Method for the separation and concentration of gas using a composite or asymmetric fluorine-containing polyimide membrane
JPH09898A (ja) フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール
JPH11310658A (ja) ポリイミド多孔膜及び製造方法
JPH0852332A (ja) 気体用複合分離膜及びその製造方法
JP3992345B2 (ja) 分離膜およびこれを用いたオレフィンの分離方法
JPH08173778A (ja) フッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造方法
US5690870A (en) Method of manufacturing a polyimide-type gas permeation membrane including fluorine
JPH09896A (ja) フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール
JPH09897A (ja) フッ素含有ポリイミド系気体分離膜とその製造方法及びモジュール
EP0753336A2 (en) Solvent resistant microporous polyimide membranes
JPS6311045B2 (ja)
JPS6261228B2 (ja)
JP2003038942A (ja) 分離膜
JPH0685860B2 (ja) 分離膜の製法
JP4070292B2 (ja) フッ素含有ポリイミド樹脂による気体分離膜