JPH0992045A - 自動車用電線及びその製造方法 - Google Patents

自動車用電線及びその製造方法

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JPH0992045A
JPH0992045A JP7249760A JP24976095A JPH0992045A JP H0992045 A JPH0992045 A JP H0992045A JP 7249760 A JP7249760 A JP 7249760A JP 24976095 A JP24976095 A JP 24976095A JP H0992045 A JPH0992045 A JP H0992045A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の侵入にともなう走水現象を有効に防止で
きると共に、端末処理が容易で適度な可撓性が得られる
自動車用電線及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 複数本の導体素線11を撚り合わせた撚
線導体10と、この撚線導体10の外側を被覆する絶縁
被覆層20とから構成されている。前記撚線導体10
は、その外部側において各導体素線11が相互に密着す
ると共にその内部側において各導体素線11間に空隙部
が形成されるように径方向に圧縮されており、その空隙
部には吸水性ポリマー粉体12が充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数本の導体素
線を撚り合わせた撚線導体によって形成される自動車用
電線、特に、水の侵入による種々の障害を有効に防止す
ることのできる自動車用電線及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車に使用されるワイヤーハーネス等
の自動車用電線は、その使用箇所によって水がかかる場
合があり、自動車用電線の外層被覆にき裂等の破損個所
があれば、その破損個所から芯線を構成する撚線導体に
水が侵入し、その侵入した水が各導体素線間を走水して
種々の障害を起こすことになる。
【0003】このため、芯線である撚線導体を構成する
各導体素線間にポリエチレン、エチレン・プロピレン共
重合体等の水密材を充填することにより、導体素線間へ
の水の侵入を阻止する自動車用電線が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な導体素線間に水密材を充填した自動車用電線では、水
密材の存在によって走水現象を防止することはできる
が、充填された水密材が導体素線に付着した状態で硬化
しているため、例えば、電線端末に圧着端子を接続する
等、電線の端末処理を行う場合、導体素線に付着した水
密材を除去しなければならず、端末処理に手間と時間が
かかると共に、導体素線間において硬化した水密材の存
在によって自動車電線自体の可撓性が失われることとな
り、配線しにくくなるといった問題点があった。
【0005】そこで、この発明の課題は、水の侵入にと
もなう走水現象を有効に防止できると共に、端末処理が
容易で適度な可撓性が得られる自動車用電線及びその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、複数本の導体素線を撚り合わせた撚線
導体を、その外部側において各導体素線が相互に密着す
ると共にその内部側において各導体素線間に空隙部が形
成されるように径方向に圧縮し、前記撚線導体の内部側
に形成された前記空隙部に吸水性ポリマーを充填し、前
記撚線導体の外側に絶縁被覆を施した自動車用電線を提
供するものである。
【0007】かかる自動車用電線は、撚線導体の中心と
なる導体素線又は全ての導体素線に吸水性ポリマーを塗
布しながら、複数本の導体素線を撚り合わせて撚線導体
を形成し、この撚線導体を、その外部側において各導体
素線が相互に密着すると共にその内部側において各導体
素線間に吸水性ポリマーが充填されたポリマー充填部が
形成されるように、径方向に圧縮し、このように圧縮さ
れた撚線導体に絶縁被覆を施すことによって製造するこ
とができる。また、前記撚線導体の圧縮の際に、圧縮ダ
イスの絞り込みによって前記撚線導体の外表面に付着し
た吸水性ポリマーを除去することが望ましい。
【0008】また、上記自動車用電線は、複数本の導体
素線を撚り合わせて撚線導体を形成した後、この撚線導
体を吸水性ポリマーの入った容器内を通すことで前記導
体素線間に吸水性ポリマーを充填し、この撚線導体に絶
縁被覆を施すことによっても製造することができ、前記
撚線導体を吸水性ポリマーの入った容器内を通す際に、
前記撚線導体を前記容器内において湾曲させることによ
って前記撚線導体の導体素線間に隙間を形成するように
すると、その隙間から吸水性ポリマーを前記撚線導体の
中心部まで充填するすることができる。
【0009】また、前記容器内に、小径部から大径部に
至る螺旋状の案内溝を有するガイド体を設け、前記撚線
導体を前記案内溝の小径部から沿わせはじめて、最終的
に案内溝の大径部から引出すことによって、前記撚線導
体を湾曲させるようにすると、前記ガイド体の案内溝の
小径部に沿わせることによって形成された素線導体間の
大きな隙間から吸水性ポリマーが撚線導体の中心部まで
充填され、撚線導体が案内溝の大径部に移動するに従っ
て、その隙間が徐々に小さくなっていくので、一旦素線
導体間に充填された吸水性ポリマーが排出されにくく、
最終的に十分な吸水性ポリマーが導体素線間に保持され
ることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図面を
参照して説明する。図1に示すように、この自動車用電
線1は、複数本の導体素線11を撚り合わせた撚線導体
10と、この撚線導体10の外側を被覆する絶縁被覆層
20とから構成されている。
【0011】前記撚線導体10は、その外部側において
各導体素線11が相互に密着すると共にその内部側にお
いて各導体素線11間に空隙部が形成されるように径方
向に圧縮されており、その空隙部には吸水性ポリマー粉
体12が充填されている。なお、前記吸水性ポリマー粉
体12としては、カルボキシルメチルセルローズ又はこ
れらの金属塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、
マレイン酸の共重合体等が挙げられる。
【0012】また、前記絶縁被覆層20は、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル等の絶縁性の合成樹脂を前記撚線導
体10上に押出被覆することによって形成される。
【0013】このように構成された自動車用電線1は、
圧縮された撚線導体10の内部に吸水性ポリマー粉体1
2が充填されているので、前記絶縁被覆層20に亀裂が
入る等の損傷があり、その損傷部分から撚線導体10に
水が侵入した場合でも、侵入した水を導体素線11間に
充填された吸水性ポリマー粉体12が吸収して、膨潤す
るため、侵入した水を撚線導体10の局所部分に止めて
他の部分への走水現象を有効に防止することができる。
【0014】また、導体素線11間には吸水性ポリマー
粉体12が充填されているだけなので、例えば、電線の
端末部の絶縁被覆層20を剥ぎ取って撚線導体10に圧
着端子を接続するような端末処理を行う場合には、充填
された吸水性ポリマー粉体12が容易に除去でき、端末
処理に必要以上の手間と時間がかかることもない。
【0015】さらに、水密材となる樹脂を導体素線間に
充填して硬化させた従来の自動車用電線のように、電線
自体の可撓性が失われることがないので、自動車内での
配線も容易に行えるといった利点がある。
【0016】以上のように構成された自動車用電線1の
製造方法について、図2及び図3を参照して説明する。
図2に示すように、まず、吸水性ポリマー塗布装置31
によって、連続的に供給される複数本の導体素線11
に、上述したような吸水性ポリマー粉体12を溶媒に溶
かしたものを吹き付けて塗布した後、これを撚線機の集
合ダイス32によって撚り合わせると、図3(a)に示
すように、各導体素線11に吸水性ポリマー12が付着
した撚線導体10が形成される。
【0017】次に、図2に示すように、この撚線導体1
0を圧縮ダイス33によって径方向に圧縮すると同時
に、その圧縮ダイス33に通すことによって、撚線導体
10の外表面に付着した吸水性ポリマー12を除去する
と、図3(b)に示すように、内部に吸水性ポリマー1
2が充填された撚線導体10となる。従って、前記圧縮
ダイス33による圧縮は、撚線導体10の外部側におい
て各導体素線11が相互に密着すると共にその内部側に
おいて各導体素線11間に吸水性ポリマー粉体12が充
填されたポリマー充填部が形成される程度に行う。
【0018】そして、このように、圧縮されて内部に吸
水性ポリマー粉体12が充填された撚線導体10を、乾
燥装置34を通すことによって前記溶媒を除去した後、
押出装置35によって、上述したような絶縁性の合成樹
脂を押出被覆して絶縁被覆層20を形成すると、図1に
示すような自動車用電線が出来上がる。
【0019】図4ないし図7は、自動車用電線1の他の
製造方法を示している。この製造方法においては、ま
ず、図4(a)に示すように、連続供給される複数本の
導体素線11を撚線機の集合ダイス41によって撚り合
わせて、図5(a)に示すような撚線導体10を形成
し、これをリール42に一旦巻き取る。
【0020】次に、図4(b)に示すように、前記リー
ル42に巻き取られた撚線導体10を他のリール47に
巻き替えるのであるが、その巻き替えの際に、撚線導体
10を吸水性ポリマー粉体充填装置43を通すことによ
って、撚線導体10の外表面に吸水性ポリマー12を付
着させると共に導体素線11間に吸水性ポリマー12を
充填する。
【0021】前記吸水性ポリマー粉体充填装置43は、
図6に示すように、溶媒に溶かした吸水性ポリマー粉体
12が入った容器44と、溶媒に溶かした吸水性ポリマ
ー粉体12に浸漬された状態で前記容器44内に設置さ
れるガイド体45とによって構成されている。前記ガイ
ド体45は、図7に示すように円錐形のガイド体本体4
5aの外表面に、前記撚線導体10を沿わせる案内溝4
5bを形成したものであり、この案内溝45bは、前記
ガイド体本体45bの頂部から底部に向かって、その径
が徐々に大きくなるように螺旋状に形成されている。
【0022】従って、撚線導体10を前記案内溝45b
の小径側から沿わせて大径側から引出すことによって、
湾曲させるようにすると、その小径側において撚線導体
10の導体素線11間の間隔が開いて撚線導体10の中
心部まで吸水性ポリマー粉体12が充填され、その後、
案内溝45bの大径側に移動するにつれて開かれた導体
素線11間の間隔が徐々に小さくなっていき、この吸水
性ポリマー粉体充填装置43から引出されたときには、
図5(b)に示すように、吸水性ポリマー粉体12が外
表面に付着すると共に内部に充填された状態になってい
る。なお、開かれた導体素線11間の間隔が徐々に小さ
くなっていくため、一旦撚線導体10の中心部に充填さ
れた吸水性ポリマー粉体12が外部に押出されにくく、
最終的に十分な吸水性ポリマ12ーが導体素線11間に
保持されることになる。
【0023】このように、吸水性ポリマー粉体充填装置
43を通すことによって吸水性ポリマー粉体12が外表
面に付着すると共に内部に充填された撚線導体10は、
前記製造方法の場合と同様に圧縮ダイス46を通すこと
によって、図5(c)に示すように、径方向に圧縮する
と共に外表面に付着した吸水性ポリマー12を除去した
状態でリール47に巻き取られる。
【0024】こうしてリール47に巻き取られた撚線導
体10は、図4(c)に示すように、前記製造方法の場
合と同様に乾燥装置48を通すことによって、前記溶媒
を除去した後、押出装置49によって絶縁性の合成樹脂
を押出被覆して絶縁被覆層20を形成すると、図1に示
すような自動車用電線1が出来上がる。
【0025】なお、この実施形態においては、ガイド体
45の案内溝45bに撚線導体10を沿わせることによ
って、撚線導体10を湾曲させて導体素線11間に隙間
を形成するようにしているが、これに限定されるもので
はなく、例えば、小径のガイドローラ等の湾曲したガイ
ド面に沿わせることによって湾曲させることもできる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明の自動車用電線
によれば、圧縮された撚線導体の中心部分に吸水性ポリ
マー粉体が充填されているので、この撚線導体に水が侵
入した場合は、充填された吸水性ポリマー粉体の吸水作
用によって膨潤し、水の侵入を電線の局所部分に止めて
他の部分への走水現象を有効に防止することができる。
また、導体素線間には吸水性ポリマー粉体が充填されて
いるだけなので、電線の端末処理に際して、吸水性ポリ
マー粉体の除去が容易に行え、しかも硬化することもな
いので、適度な可撓性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる一実施形態を示す断面図であ
る。
【図2】同上の製造方法を示す概略図である。
【図3】同上の製造途中の状態を示す断面図である。
【図4】他の製造方法を示す工程図である。
【図5】同上の製造途中の状態を示す断面図である。
【図6】同上の吸水性ポリマー粉体充填装置を示す概略
図である。
【図7】同上の吸水性ポリマー粉体充填装置のガイド体
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 自動車用電線 10 撚線導体 11 導体素線 12 吸水性ポリマー粉体 20 絶縁被覆層 31 吸水性ポリマー塗布装置 32、41 集合ダイス 33、46 圧縮ダイス 34、48 乾燥装置 35、49 押出装置 42、47 リール 43 吸水性ポリマー粉体充填装置 44 容器 45 ガイド体 45a ガイド体本体 45b 案内溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の導体素線を撚り合わせた撚線導
    体を、その外部側において各導体素線が相互に密着する
    と共にその内部側において各導体素線間に空隙部が形成
    されるように径方向に圧縮し、前記撚線導体の内部側に
    形成された前記空隙部に吸水性ポリマー粉体を充填し、
    前記撚線導体の外側に絶縁被覆を施した自動車用電線。
  2. 【請求項2】 撚線導体の中心となる導体素線又は全て
    の導体素線に吸水性ポリマー粉体を塗布しながら、複数
    本の導体素線を撚り合わせて撚線導体を形成し、 この撚線導体を、その外部側において各導体素線が相互
    に密着すると共にその内部側において各導体素線間に吸
    水性ポリマー粉体が充填されたポリマー充填部が形成さ
    れるように、径方向に圧縮し、 このように圧縮された撚線導体に絶縁被覆を施すように
    した自動車用電線の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記撚線導体の圧縮の際に、圧縮ダイス
    の絞り込みによって前記撚線導体の外表面に付着した吸
    水性ポリマー粉体を除去するようにした請求項2に記載
    の自動車用電線の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数本の導体素線を撚り合わせて撚線導
    体を形成した後、この撚線導体を吸水性ポリマー粉体の
    入った容器内を通すことによって前記導体素線間に吸水
    性ポリマー粉体を充填し、この撚線導体に絶縁被覆を施
    すようにした自動車用電線の製造方法であって、 前記撚線導体を吸水性ポリマー粉体の入った容器内を通
    す際に、前記撚線導体を前記容器内において湾曲させる
    ことによって前記撚線導体の導体素線間に隙間を形成
    し、この隙間から吸水性ポリマー粉体を前記撚線導体の
    中心部まで充填し、 この撚線導体を、その外部側において各導体素線が相互
    に密着すると共にその内部側において各導体素線間に吸
    水性ポリマー粉体が充填されたポリマー充填部が形成さ
    れるように、径方向に圧縮する自動車用電線の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記容器内に、小径部から大径部に至る
    螺旋状の案内溝を有するガイド体を設け、前記撚線導体
    を前記案内溝の小径部から沿わせはじめて、最終的に案
    内溝の大径部から引出すことによって、前記撚線導体を
    湾曲させるようにした請求項4に記載の自動車用電線の
    製造方法。
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