JPH0994461A - アルデヒド又はアルコール合成用触媒、及びこれを用いたアルデヒド又はアルコールの製造法 - Google Patents

アルデヒド又はアルコール合成用触媒、及びこれを用いたアルデヒド又はアルコールの製造法

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JPH0994461A
JPH0994461A JP5232344A JP23234493A JPH0994461A JP H0994461 A JPH0994461 A JP H0994461A JP 5232344 A JP5232344 A JP 5232344A JP 23234493 A JP23234493 A JP 23234493A JP H0994461 A JPH0994461 A JP H0994461A
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alcohol
aldehyde
reaction
ligand
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JP5232344A
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Ritsuzui Han
立瑞 潘
Tomohide Ina
智秀 伊奈
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い触媒活性及び安定性を有し、分岐鎖状の
アルデヒド又はアルコールを選択性よく生成させるアル
デヒド又はアルコール合成用触媒を得る。 【構成】 オレフィンと一酸化炭素と水素によるオキソ
合成用触媒であって、少なくとも一つの窒素原子を持つ
多座配位子を有するロジウム錯体を含む触媒。多座配位
子としては、イミダゾール、ヘキサメチルホスホラスト
リアミドなどの、窒素原子と、窒素原子、リン原子及び
酸素原子から選ばれた少なくとも一つの原子とを有する
配位子等が挙げられる。前記触媒を用いることにより、
分岐鎖状のアルデヒド又はアルコールを高い選択率で得
ることができる。多座配位子として、トリエタノールア
ミンなどの水可溶性の配位子を有する水溶性ロジウム錯
体触媒では、触媒と反応生成物との分離が極めて容易で
あり、しかも、触媒活性を長期間維持しつつ、安定に目
的化合物を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルデヒド又はアルコ
ール合成用触媒、及びオレフィンと一酸化炭素と水素と
を液相で反応させてアルデヒド又はアルコールを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンと一酸化炭素と水素から、い
わゆるオキソ合成法によりアルデヒド又はアルコールを
製造する方法として、コバルト−カルボニル錯体系触
媒、コバルト−三級アルキルホスフィン錯体系触媒、ロ
ジウム−カルボニル錯体系触媒、及びロジウム−トリア
リールホスフィン錯体系触媒を用いる方法がそれぞれ知
られている。
【0003】このうち、ロジウム−トリアリールホスフ
ィン錯体系触媒を用いる方法は、触媒活性及び反応選択
性が極めて高く、他の触媒系と比較して低い圧力で反応
が実施でき、安価な設備費でアルデヒドを製造できると
いう利点を有する。この方法によれば、α−オレフィン
から直鎖状のアルデヒドが高い選択率で得られるため、
n−ブチルアルデヒド等の工業的製造に利用されてい
る。
【0004】しかし、前記のロジウム−トリアリールホ
スフィン錯体系触媒、又はコバルト−三級アルキルホス
フィン錯体系触媒を用いる方法では、触媒の失活を回避
するため大過剰のホスフィン配位子を系内に存在させる
必要がある。例えば、特公昭57−61336号公報及
び特公昭58−57413号公報では、ロジウム−トリ
アリールホスフィン錯体系触媒において、ホスフィン配
位子をロジウムに対して200モル倍以上用いている。
このように、反応液中のホスフィン濃度が高いと反応速
度が低下し易い。特に、炭素数6以上のオレフィンを原
料とするオキソ反応では、工業的に実施するのに十分な
反応速度が得られない。
【0005】さらに、前記ホスフィン配位子を有する錯
体触媒には、次のような問題点がある。すなわち、上記
錯体触媒は油溶性であって、有機溶媒や反応生成物に均
一に溶解するため、反応混合物から相分離や抽出などの
簡単な操作により触媒を回収することが困難である。反
応生成物と触媒とを蒸溜により分離することが広く行わ
れているが、蒸溜のための加熱により、錯体触媒が熱分
解し、損失し易い。また、特に連続式で反応を行う場合
には、反応で副生する高沸点化合物の蓄積を防ぐため、
反応混合物から目的化合物を分離した残渣の高沸点化合
物を含む混合液を抜き取る場合が多い。しかし、これに
よって、前記混合液に含まれる錯体触媒も反応系から除
去される。したがって、前記混合液から、触媒を単離、
再生するためには、多くの設備と繁雑な工程を要する。
【0006】このような前記ホスフィン配位子の問題点
を解決するため、水溶性の錯体触媒が提案されている。
例えば、西ドイツ国特許第2627354号明細書に
は、スルホン化又はカルボキシル化したトリアリールホ
スフィンを配位子とするロジウム錯体が開示されてい
る。この触媒によれば、反応生成物を含む有機層と、触
媒を含む水層とが二層に分離するため、反応終了後、反
応混合液を、蒸溜等の加熱を要する工程に供することな
く、水層と有機層とを単に分離するだけで、触媒と反応
生成物とを分離することができる。
【0007】しかし、この触媒を用いたオキソ反応で
は、目的化合物の生産性を向上させるため、触媒水溶液
中のロジウム濃度を増加させると、配位子の安定性が低
下する。すなわち、触媒水溶液中のロジウム濃度が増加
するにつれて、ホスフィン配位子のリン−炭素結合の開
裂に起因して、置換ホスフィン酸誘導体、アリールスル
ホネート、アリールカルボキシラートなどの生成が顕著
になる。このホスフィン配位子の開裂は、触媒活性の低
下をもたらす。また、前記触媒を用いた反応では、反応
中、加水分解や酸化などにより、ロジウムと錯結合でき
ない四価、五価のリン化合物が不可逆的に生成する。
【0008】特開昭62−153238号公報には、前
記スルホン化又はカルボキシル化したトリアリールホス
フィンを配位子とするロジウム錯体触媒を用いるオキソ
反応において、触媒水溶液中のロジウム濃度を450〜
800ppm、及び前記配位子濃度を25〜30重量%
に調整することにより、触媒寿命が改善されることが記
載されている。しかし、この方法によっても、大過剰に
使用されるホスフィン配位子の変質の問題が根本的に解
決されるものではなく、また、ホスフィン配位子の多量
の使用により、反応速度が低下することに変わりはな
い。
【0009】一方、近年になって、メタクリル酸メチル
の製法転換の要請から、メタクリル酸の合成中間体とし
てイソブチルアルデヒドの有用性が高まるなど、オキソ
合成法において、分岐鎖状のアルデヒド又はアルコール
を選択性よく製造する技術の開発が望まれるようになっ
た。
【0010】しかし、前記の各方法では、低圧力条件
下、触媒の安定性を保持しつつ、高い選択率で分岐鎖状
のアルデヒドを得ることができない。例えば、前記ロジ
ウム−トリアリールホスフィン系触媒を用いた1−オク
テンのヒドロホルミル化反応においては、反応圧力を低
くすると、分岐鎖状のアルデヒドの生成比率が低下する
ことが知られている[Catalysis Reviews, 6, 72 (197
2) ]。また、特開昭50−123611号公報には、
ロジウム−トリアリールホスフィン系触媒によるプロピ
レンのヒドロホルミル化反応において、反応液中のトリ
アリールホスフィン濃度が低いときは、特定圧力以下で
は、反応圧力が低下するほど分岐鎖状アルデヒドの選択
率が向上するものの、触媒の安定性に劣ること、また、
触媒の安定性を向上するために前記トリアリールホスフ
ィン濃度を高めると、分岐鎖状アルデヒドの選択率が低
下することが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、高い触媒活性及び安定性を有すると共に、分岐
鎖状のアルデヒド又はアルコールを選択性よく生成させ
るアルデヒド又はアルコール合成用触媒を提供すること
にある。
【0012】本発明の他の目的は、反応混合物から容易
に分離できると共に、配位子の変質や触媒の失活を抑制
できる、安定性の高いアルデヒド又はアルコール合成用
触媒を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、分岐鎖状アル
デヒド又はアルコールを高い選択率で効率よく、しかも
安定に製造できるアルデヒド又はアルコールの製造法を
提供することにある。
【0014】本発明のさらにまた他の目的は、アルデヒ
ド又はアルコールを、簡易な設備により、効率よく、し
かも長期間安定して製造できる方法を提供することにあ
る。
【0015】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、オレフィンと一酸化炭素と水素
とを、少なくとも一つの窒素原子を持つ多座配位子を有
するロジウム錯体を含む触媒の存在下で反応させると、
分岐鎖状のアルデヒド又はアルコールが、高い選択率で
収率よくしかも長期間安定に製造できることを見出だ
し、本発明を完成した。
【0016】すなわち、本発明は、オレフィンと一酸化
炭素と水素によるオキソ合成用触媒であって、少なくと
も一つの窒素原子を持つ多座配位子を有するロジウム錯
体を含むアルデヒド又はアルコール合成用触媒を提供す
る。
【0017】本発明は、また、分岐鎖状のアルデヒド又
はアルコール合成用触媒であって、少なくとも一つの窒
素原子を持つ多座配位子を有するロジウム錯体を含むア
ルデヒド又はアルコール合成用触媒を提供する。
【0018】本発明は、さらに、オレフィンと一酸化炭
素と水素とを前記触媒の存在下で反応させて、前記オレ
フィンより炭素数が一つ多いアルデヒド又はアルコール
を得るアルデヒド又はアルコールの製造法を提供する。
【0019】なお、本明細書において、多座配位子と
は、錯体の中心原子に配位可能な2以上の配位原子を含
む原子団をいう。前記原子団は中性分子及び陰イオンを
含むものとする。
【0020】本発明の触媒は、少なくとも一つの窒素原
子を持つ多座配位子を有するロジウム錯体を含んでいれ
ば特に限定されない。前記多座配位子は、二座配位子、
三座配位子、四座配位子、五座配位子、六座配位子等の
2以上の配位原子を有する配位子の何れであってもよ
い。これらの配位子のうち、配位原子数2〜12の多座
配位子、特に配位原子数2〜8の多座配位子が繁用され
る。
【0021】多座配位子の配位原子は、ロジウム原子に
配位可能な原子であればよく、窒素原子の外に、例え
ば、酸素、イオウ、セレン、テルル、リンなどの原子が
挙げられる。多座配位子の各配位原子は同一でもよく異
なっていてもよい。また、前記ロジウム錯体において、
前記多座配位子とロジウム原子がキレートを形成してい
てもよい。なお、多座配位子のすべての配位原子がロジ
ウム原子と結合している必要はない。
【0022】前記多座配位子として、窒素原子と、窒素
原子、リン原子及び酸素原子から選ばれた少なくとも一
つの原子とを有する多座配位子が特に好ましい。このよ
うな多座配位子には、(1)窒素原子を少なくとも2つ
含む多座配位子、(2)窒素原子及びリン原子をそれぞ
れ少なくとも1つ含む多座配位子、(3)窒素原子及び
酸素原子をそれぞれ少なくとも1つ含む多座配位子が含
まれる。
【0023】前記(1)窒素原子を少なくとも2つ含む
多座配位子として、例えば、イミダゾール、1−メチル
イミダゾール、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリ
ジン、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,
2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾー
ル、4H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾ
ール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3−ジメチ
ル−2−フェニル−1,3,2−ジアザホスフォリジン
(DMADPP)、1−ピロールプロピオニトリルなど
の含窒素5員複素環を有する化合物;ピリダジン、ピリ
ミジン、ピラジン、ピペラジン、1,3,5−トリアジ
ン、1,2,4,5−テトラジン、2−シアノピリジ
ン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジン、1−ピペリジンプロピオニトリル、2,
2′,2″−テルピリジルなどの含窒素6員複素環を有
する化合物;1H−インダゾール、2H−インダゾー
ル、ベンズイミダゾール、5,6−ジメチルベンズイミ
ダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、アデニン、キ
ナゾリン、1,8−ナフチリジン、1,10−フェナン
トロリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オク
タン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデセン−5(DBU)、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、ポルフィ
リン、5,10,15,20−テトラフェニル−21
H,23H−ポルフィリン(TPP)、フタロシアニ
ン、4,4′,4″,4′′′−テトラアザ−29H,
31H−フタロシアニン、3−シアノインドール、5−
シアノインドールなどの含窒素多環化合物;エチレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、エチレンジアミン四酢酸、プロピレンジアミ
ン、ジエチレントリアミンなどのジアミン及びポリアミ
ン類;ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、ヘキ
サメチルホスホラストリアミド(HMPT)などのアミ
ド類などが例示できる。
【0024】前記(2)窒素原子及びリン原子をそれぞ
れ少なくとも1つ含む多座配位子として、トリス(ジフ
ェニルホスフィノエチル)アミン、ビス(ジフェニルホ
スフィノエチル)アミンなどの含リンアミン類;前記
1,3−ジメチル−2−フェニル−1,3,2−ジアザ
ホスフォリジン(DMADPP)などの含窒素含リン複
素環化合物;前記ヘキサメチルホスホルアミド(HMP
A)、前記ヘキサメチルホスホラストリアミド(HMP
T)などの含リンアミド類等が例示できる。
【0025】前記(3)窒素原子及び酸素原子をそれぞ
れ少なくとも1つ含む多座配位子として、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、4H−1,4−オキサジン、モ
ルホリン、1−メチルモルホリン、ベンズオキサゾール
などの含酸素含窒素複素環化合物;およびアミノアルコ
ール等が挙げられる。
【0026】前記アミノアルコールには、例えば、下記
式(I)又は(II)で表されるアミノアルコール等が
含まれる。
【0027】 NR1 R2 R3 (I) R4 R5 N−A−NR6 R7 (II) なお、上記式(I)中、R1 、R2 、R3 は、同一又は
異なって、水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキ
ル基を示し、かつR1 〜R3 の少なくとも一つはヒドロ
キシアルキル基である。また、上記式(II)中、Aは
アルキレン基を示し、R4 、R5 、R6 、R7 は、同一
又は異なって、水素原子、アルキル基又はヒドロキシア
ルキル基を示す。
【0028】前記アルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基な
どの炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。好ま
しいアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル基等の炭素数1〜5のアルキル基が含まれる。前記ヒ
ドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル、
3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4
−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒ
ドロキシヘキシル、10−ヒドロキシデシル基などの炭
素数2〜20のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
好ましいヒドロキシアルキル基には、2−ヒドロキシエ
チル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピ
ル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル基
等の炭素数2〜5のヒドロキシアルキル基等が含まれ
る。前記アルキレン基としては、エチレン、メチルエチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン基などの炭素数2
〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基等が挙げられ
る。
【0029】前記式(I)で表されるアミノアルコール
の具体例としては、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−
ヒドロキシエチルアミン、N−メチル−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)アミン、n−プロパノールアミン、ジn
−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、
イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、n−ブタノールアミン、ジn−ブタノールアミン、
トリn−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミ
ンなどが挙げられる。
【0030】前記式(II)で表されるアミノアルコー
ルの具体例としては、N,N,N′,N′−テトラキス
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラキス(3−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2
−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラキス(3−ヒドロキシプロピル)プ
ロピレンジアミンなどが挙げられる。
【0031】前記ロジウム錯体は、前記多座配位子を複
数個有していてもよい。
【0032】前記多座配位子は、例えばイミダゾール、
ヘキサメチルホスホラストリアミド、トリエタノールア
ミンなどのように、多くは水溶性である。本発明の触媒
における多座配位子として、このような水溶性の多座配
位子が好適に用いられる。
【0033】多座配位子として、前記水溶性の多座配位
子を用いると、以下のような利点が生じる。すなわち、
従来のロジウム−トリアリールホスフィン錯体系触媒を
用いる方法では、通常、触媒の安定化のために過剰量の
トリアリールホスフィン配位子を反応系内に存在させる
が、トリアリールホスフィン配位子と反応で副生する高
沸点化合物とは共に油溶性であるため、これらを簡易に
分離することができない。そのため、前記トリアリール
ホスフィン配位子を効率よく回収することが困難であ
る。これに対し、本発明の方法において、ロジウム錯体
の多座配位子として、前記水溶性の配位子を用いると、
例えば、反応系内に水を存在させて、二層系で反応させ
たり、反応終了後に水を添加することにより、過剰に用
いた配位子は水層に、副生する高沸点化合物は有機層に
分配されるため、前記配位子を水層から効率的に回収す
ることができると共に、高沸点化合物を容易に分離除去
できる。
【0034】また、多座配位子として、前記水溶性の多
座配位子を用いると、有機溶媒や反応生成物に溶解し難
く、水に均一に溶解する水溶性のロジウム錯体を得るこ
とができる。このような水溶性ロジウム錯体を得るため
には、水100gに対する溶解度が0.1g以上、特に
1g以上の多座配位子を用いるのが好ましい。
【0035】前記水溶性ロジウム錯体を生成させる多座
配位子のなかでも、好ましい多座配位子には、例えば、
前記式(I)又は(II)で表されるアミノアルコール
が含まれる。このうち、特に第3級のアミノアルコー
ル、とりわけ、トリエタノールアミン、トリn−プロパ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのトリ
アルカノールアミンが好適に用いられる。
【0036】このような水溶性ロジウム錯体を触媒とし
て使用すると、反応終了後、反応混合液は、必要に応じ
て水を添加することにより、触媒を含む層と反応生成物
を含む層との二層に分離する。そのため、反応混合液か
ら、触媒を容易に分離回収することができる。また、触
媒を含む溶液を蒸溜に供する必要がなく、熱負荷による
錯体触媒の分解を回避することができる。しかも、特に
連続式に反応を行う場合、反応で副生する高沸点化合物
は、反応生成物を含む層に移行し、触媒を含む層にはほ
とんど移行しないため、高沸点化合物の除去に伴う触媒
のロスは極めて少ない。さらに、前記水溶性の多座配位
子は、従来のスルホン化又はカルボキシル化したトリア
リールホスフィンとは異なり、反応中に分解や酸化など
が起こり難く、安定性が高い。そのため、触媒をリサイ
クル使用でき、目的化合物を長期間安定に且つ経済的に
効率よく製造することができる。
【0037】本発明の触媒は、慣用の方法によって調製
することができる。例えば、適当なロジウム化合物と前
記多座配位子とを反応させることにより容易に調製でき
る。前記ロジウム化合物としては、前記多座配位子が配
位し得るロジウム化合物であれば特に限定されず、例え
ば、ヒドロホルミル化反応に通常用いられるロジウム錯
体の何れも用いることができる。このようなロジウム錯
体として、例えば、下記式(III)〜(V)で表され
るロジウム錯体が挙げられる。
【0038】 [RhX(PPh3 )m (CO)n ] (III) [Rh2 X2 Y4 ] (IV) [Rh(acac)Y2 ] (V) なお、上記式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示
し、YはCO又はC2 H4 を示し、acacはアセチル
アセトナートイオンを示し、m及びnは、同一又は異な
って、0〜4の整数を示す。但し、m+n=3又は4で
ある。前記ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素およ
びヨウ素原子が含まれる。好ましいハロゲン原子とし
て、塩素および臭素原子、特に塩素原子が挙げられる。
【0039】前記式(III)で表されるロジウム錯体
としては、ヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホス
フィン)ロジウム([RhH(PPh3 )3 (C
O)])、ヒドロカルボニルビス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウム([RhH(PPh3 )2 (C
O)])、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウム([RhCl(PPh3 )2 (C
O)])、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロ
ジウム([RhCl(PPh3 )3 ])などが例示でき
る。
【0040】前記式(IV)で表されるロジウム錯体と
しては、テトラカルボニルジクロロ二ロジウム([Rh
2 Cl2 (CO)4 ])、ジクロロテトラエチレン二ロ
ジウム([Rh2 Cl2 (C2 H4 )4 ])などが例示
できる。
【0041】前記式(V)で表されるロジウム錯体とし
ては、アセチルアセトナートジカルボニルロジウム
([Rh(acac)(CO)2 ])、アセチルアセト
ナートジエチレンロジウム([Rh(acac)(C2
H4 )2 ])などが挙げられる。
【0042】これらのロジウム錯体のなかでも、ヒドロ
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム
([RhH(PPh3 )3 (CO)])等の式(II
I)で表されるロジウム錯体、およびテトラカルボニル
ジクロロ二ロジウム([Rh2Cl2 (CO)4 ])等
の式(IV)で表されるロジウム錯体などが好適に用い
られる。
【0043】本発明の触媒の調製は、より具体的には、
例えば、前記ロジウム化合物と前記多座配位子とを、必
要に応じ適当な溶媒、例えば、水、有機溶媒又はこれら
の混合溶媒中で、処理し、あるいは配位子交換等するこ
とにより所望の触媒を調製することができる。調製した
触媒は、未精製のまま用いてもよく、分離精製して用い
てもよい。また、反応系内で調製し、そのまま触媒とし
て用いることもできる。
【0044】こうして得られる本発明の触媒は、いわゆ
るオキソ反応によるアルデヒド又はアルコール合成用触
媒として、又、分岐鎖状のアルデヒド又はアルコール合
成用触媒として好適に用いられる。例えば、本発明の触
媒の存在下、オレフィンと一酸化炭素と水素とを反応さ
せると、ヒドロホルミル化反応、及び、さらに条件によ
り水素化反応が速やかに進行し、原料オレフィンより炭
素数が一つ多いアルデヒド及び/又はアルコールが高収
率で得られる。また、反応成分として炭素数3以上のα
−オレフィンを用いると、分岐鎖状のアルデヒド及び/
又はアルコールが高い選択率で生成する。
【0045】本発明の製造法における前記オレフィンと
しては、特に限定されず、分子内に炭素二重結合を有す
る広範囲の化合物が挙げられる。前記オレフィンは、反
応が阻害されない範囲で置換基を有していてもよい。前
記オレフィンとして、例えば、エチレン、プロペン、1
−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエン、2−メチ
ルプロペン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセ
ン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ペンタデセンなどの炭素数
2〜15の直鎖状又は分岐鎖状のオレフィンなどが例示
できる。なかでも、プロペン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−ペンタデセンな
どの炭素数3〜15のα−オレフィン、特に、炭素数3
〜7のα−オレフィン、とりわけ、プロペン、1−ブテ
ンなどの炭素数3〜4のα−オレフィンが好適に用いら
れる。
【0046】反応は、特に溶媒を用いることなく行って
もよいが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒の存在下で行
うこともできる。前記溶媒としては、例えば、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン
などの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、シメンなどの
芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭
化水素類;酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル
などのエステル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、アニソール、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンズ
アルデヒドなどのアルデヒド類;アセトニトリル、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
の非プロトン性極性溶媒などが含まれる。好ましい溶媒
には、デカンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの
芳香族炭化水素類、アニソールなどのエーテル類、酢酸
などのカルボン酸類等が含まれる。また、特に、触媒と
して前記水溶性のロジウム錯体触媒を用いる場合には、
溶媒として、前記脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素
類、芳香族炭化水素類、エーテル類等が好ましく、なか
でもヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの
芳香族炭化水素類などが好適である。
【0047】また、反応終了後反応生成物を蒸溜により
分離する際、溶媒を留出させることなくそのまま反応系
にリサイクルできるよう、溶媒の沸点は目的化合物であ
るアルデヒド又はアルコールより高いのが好ましい。
【0048】反応は、系内に水を存在させることにより
二層系で行うこともできる。なお、前記水溶性のロジウ
ム錯体触媒を用いる場合には、水を添加しなくても、反
応系は二層系を形成し得る。反応を二層系で行うと、前
記のように、配位子及び錯体触媒の回収並びに高沸点化
合物の分離除去が容易であるため、特に連続式で反応を
行う場合に有利である。
【0049】反応に用いる触媒としては、前記触媒の何
れであってもよいが、分岐鎖状のアルデヒド又はアルコ
ールを目的とする場合には、特に直鎖状アルデヒド1モ
ルに対して、分岐鎖状アルデヒドを0.3モル以上、と
りわけ1.3モル以上生成させる触媒を用いるのが好ま
しい。
【0050】触媒の濃度は、反応速度及び経済性等を考
慮して適宜選択できるが、通常、ロジウムとして、0.
01〜100ミリモル/L、好ましくは0.05〜50
ミリモル/L程度である。触媒濃度が低すぎると反応速
度が低下し易く、逆に高すぎると経済的に好ましくな
い。
【0051】本発明の触媒をオキソ反応に用いた場合の
活性種は、詳細は不明であるが、ロジウムに、前記多座
配位子、原料オレフィン、一酸化炭素及び水素などが配
位した錯体であると推測される。このような錯体は単一
錯体ではなく、前記各配位子間の競争的配位により生成
する配位子の異なる複数の錯体が平衡状態で存在してい
るものと考えられる。
【0052】本発明の製造法においては、反応系内に前
記多座配位子を過剰量存在させてもよい。前記多座配位
子の使用量は、ロジウム1モルに対して、例えば1〜5
000モル、好ましくは2〜2000モル、さらに好ま
しくは5〜500モル程度である。前記多座配位子が系
内に過剰量存在すると、触媒の安定性が向上するだけで
なく、分岐鎖状アルデヒド又はアルコールの選択率が向
上する場合がある。また、従来のトリアリールホスフィ
ン配位子の場合とは異なり、多座配位子が過剰量存在す
ることによる反応速度の低下は見られない。
【0053】反応温度は、例えば20〜200℃、好ま
しくは50〜160℃、さらに好ましくは80〜130
℃程度である。反応温度が20℃未満では、反応速度が
遅く、200℃を越えると、生成したアルデヒドが縮合
したり、触媒が熱によって失活し易くなる。
【0054】一酸化炭素及び水素の使用量は、それぞ
れ、原料オレフィン1モルに対して、通常1〜1000
モル、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは1
〜10モル程度である。一酸化炭素と水素の比率は、特
に限定されないが、通常、水素1モルに対して、一酸化
炭素を0.1〜10モル使用する。水素1モルに対し
て、一酸化炭素を1モル以上用いると、アルデヒドが高
い選択率で得られる。一方、水素1モルに対して、一酸
化炭素の使用量を1モル未満とすると、アルコールの選
択率が向上する。したがって、アルデヒドを目的とする
場合には、一酸化炭素と水素の供給モル比(CO/
H2 )を1〜10程度、アルコールを目的とする場合に
は、前記供給モル比(CO/H2 )を0.1〜0.5程
度とするのが好ましい。反応系に供給するガスは、必要
に応じて、反応に不活性なガス、例えば、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、二酸化炭素などにより希釈されていても
よい。
【0055】反応圧力は、通常、常圧〜200Kg/c
m2 、好ましくは20〜150Kg/cm2 程度であ
る。一酸化炭素と水素の分圧の和は、例えば1〜150
Kg/cm2 程度である。
【0056】反応は、回分式、半回分式、連続式の何れ
の方式で行うこともできる。.反応により生成したアル
デヒド及びアルコールは、慣用の分離精製手段、例え
ば、濃縮、蒸溜、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマト
グラフィー等、又はこれらを組合わせることによって、
容易に取得することができる。触媒として、前記水溶性
のロジウム錯体触媒を用いた場合には、反応混合液が二
層に分離するため、反応生成物を含む層から、蒸溜等に
より容易に目的化合物を得ることができ、また触媒を含
む層は、触媒液として繰り返し使用できる。
【0057】
【発明の効果】本発明の触媒は、少なくとも一つの窒素
原子を持つ多座配位子を有するロジウム錯体を含むた
め、高い触媒活性及び安定性を有すると共に、分岐鎖状
のアルデヒド又はアルコールを選択性よく生成させる。
【0058】また、水可溶性の配位子を有する水溶性ロ
ジウム錯体を含む触媒は、反応混合物から容易に分離回
収でき、しかも配位子の変質やそれに起因する触媒の失
活が起こり難く、安定性が高い。
【0059】本発明の製造法によれば、前記優れた特性
を有する触媒を用いるため、分岐鎖状のアルデヒド又は
アルコールを高い選択率で効率よく、しかも安定に製造
することができる。また、アルデヒド又はアルコール
を、簡易な設備により、効率よく、しかも長期間安定し
て製造できる
【0060】
【実施例】以下に、実施例に基いて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0061】実施例1〜16及び比較例1 内容積300mlの電磁攪拌式のオートクレーブに、5
50ppm(但し、実施例2では1650ppm)のヒ
ドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジ
ウム([RhH(PPh3 )3 (CO)])を含む溶媒
60mlと、所定の配位子(L)を所定量仕込み、気相
部を窒素ガスで置換した後、110℃で2時間攪拌し
た。なお、実施例10では、配位子を0.6mlの水に
溶解させて仕込んだ。
【0062】次いで、プロピレンガスを0.06モル仕
込み、所定割合の一酸化炭素と水素との混合ガスを40
Kg/cm2 の圧力まで圧入し、所定温度で2時間反応
させた。
【0063】反応終了後、ガスクロマトグラフィーによ
り、各成分の定性及び定量分析を行った。各実施例及び
比較例1の反応条件及び反応結果を表1に示す。
【0064】なお、表1において、「DMADPP」は
1,3−ジメチル−2−フェニル−1,3,2−ジアザ
ホスフォリジン、「TPP」は5,10,15,20−
テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン、「H
MPT」はヘキサメチルホスホラストリアミド、「HM
PA」はヘキサメチルホスホルアミド、「生成比(i/
n)」はイソブチルアルデヒドとn−ブチルアルデヒド
の生成モル比(イソブチルアルデヒド/n−ブチルアル
デヒド)、「反応選択性」は比較例1における前記「生
成比(i/n)」を1とした場合の各実施例の前記「生
成比(i/n)」の値を表す。
【0065】
【表1】 実施例17及び比較例2〜4 分液ロートに、溶媒(水、トルエン)及び配位子(トリ
エタノールアミン、トリフェニルホスフィン)を下記に
示す割合で採り、これに、テトラカルボニルジクロロ二
ロジウム([Rh2 Cl2 (CO)4 ])を、全量に対
し、ロジウムとして700ppmとなるように加え、激
しく振り混ぜた後、静置した。水層及び有機層中のロジ
ウム金属濃度を、原子吸光分析により測定した。
【0066】実施例17 水:トルエン:トリエタノールアミン=1:1:0.5
(モル比) 比較例2 水:トルエン:トリフェニルホスフィン=1:1:0.
1(モル比) 比較例3 水のみ 比較例4 トルエンのみ その結果を表2に示す。表中の数字は、用いたロジウム
錯体中のロジウム量に対する各層に移行したロジウム量
の割合(%)を示す。
【0067】
【表2】 表2から明らかなように、前記テトラカルボニルジクロ
ロ二ロジウム([Rh2 Cl2 (CO)4 ])、及びこ
のロジウム化合物とトリフェニルホスフィンから得られ
る錯体は、水層よりもトルエン層に多く移行したが、前
記ロジウム化合物とトリエタノールアミンから得られる
錯体は、トルエン層には移行せず、水層に100%移行
した。
【0068】実施例18〜23 内容積300mlの電磁攪拌式のオートクレーブに、7
00ppmのテトラカルボニルジクロロ二ロジウム
([Rh2 Cl2 (CO)4 ])を含むトルエン60m
lと、トリエタノールアミン(L1 )を所定量仕込み、
気相部を窒素ガスで置換した後、90℃に昇温した。所
定のオレフィン、ガスを8Kg/cm2 の圧力まで圧入
し、次いで、所定割合の一酸化炭素と水素との混合ガス
を50Kg/cm2 の圧力まで圧入し、所定温度で2時
間反応させた。
【0069】反応終了後、ガスクロマトグラフィーによ
り、反応生成物の各成分の定性及び定量分析を行った。
各実施例の反応条件及び反応結果を表3に示す。なお、
表中の「転化率」はオレフィンの転化率を表す(以下、
同じ)。また、「アルデヒド」はn−ブチルアルデヒド
及びイソブチルアルデヒド(但し、実施例23のみプロ
ピオンアルデヒド)を、また「アルコール」はn−ブチ
ルアルコール及びイソブチルアルコール(但し、実施例
23のみn−プロピルアルコール)を示す。また、「生
成比(i/n)」は、イソブチルアルデヒドとn−ブチ
ルアルデヒドの生成モル比(イソブチルアルデヒド/n
−ブチルアルデヒド)、又はイソブチルアルコールとn
−ブチルアルコールの生成モル比(イソブチルアルコー
ル/n−ブチルアルコール)を表す。
【0070】
【表3】 実施例24 実施例19と同様の条件で反応を行った。反応終了後、
オートクレーブを冷却し、放圧した後、反応混合液のう
ち上層を分離し、定性及び定量分析を行った。反応混合
液のうちの下層と、トルエン60mlをオートクレーブ
に仕込み、気相部を窒素置換し、以降、実施例19と同
様の操作により反応を行った。そして、得られた反応混
合液を上記と同様に処理した。このようにして、反応混
合液の下層を、触媒溶液として繰り返し反応に使用し
た。反応を6回行った。その結果を表4に示す。なお、
表中の「生成比(i/n)」は、イソブチルアルデヒド
とn−ブチルアルデヒドの生成モル比(イソブチルアル
デヒド/n−ブチルアルデヒド)を表す。
【0071】
【表4】 表4に示されるように、トリエタノールアミンを配位子
とするロジウム錯体触媒を用いた場合には、触媒を6回
繰り返し使用しても、プロピレンの転化率及び生成比
(i/n)は、ほとんど変化しなかった。
【0072】比較例5 トリエタノールアミンを用いなかった点以外は、実施例
19と同様にして反応を行った。反応終了後、オートク
レーブを冷却し、放圧した後、反応混合液を取り出し、
定性及び定量分析を行った。反応混合液を窒素雰囲気下
で蒸溜し、生成したアルデヒド及び低沸点化合物を留去
させ、残渣の触媒を含むトルエン溶液をオートクレーブ
に仕込み、気相部を窒素置換し、以降、実施例19と同
様の操作により反応を行った。そして、得られた反応混
合液を上記と同様に処理した。このようにして、反応混
合液のうち、低沸点化合物を留去した残りの触媒を含む
トルエン溶液を、触媒溶液として繰り返し反応に使用し
た。反応を5回行った。なお、反応終了後の反応混合液
は、どの回数の場合も均一であった。
【0073】その結果、第1〜第5回目の反応のプロピ
レン転化率は、それぞれ、93、87、63、33およ
び13%であった。
【0074】この結果から明らかなように、トリエタノ
ールアミンを配位子として有しないロジウム触媒を用い
た場合には、触媒を繰り返し使用すると、使用回数が増
えるごとに、プロピレンの転化率が大幅に減少した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンと一酸化炭素と水素とを反応
    成分とするオキソ合成用触媒であって、少なくとも一つ
    の窒素原子を持つ多座配位子を有するロジウム錯体を含
    むアルデヒド又はアルコール合成用触媒。
  2. 【請求項2】 分岐鎖状のアルデヒド又はアルコール合
    成用触媒であって、少なくとも一つの窒素原子を持つ多
    座配位子を有するロジウム錯体を含むアルデヒド又はア
    ルコール合成用触媒。
  3. 【請求項3】 多座配位子が、窒素原子と、窒素原子、
    リン原子及び酸素原子から選ばれた少なくとも一つの原
    子とを有する請求項1又は2に記載のアルデヒド又はア
    ルコール合成用触媒。
  4. 【請求項4】 水溶性の多座配位子を有する水溶性ロジ
    ウム錯体を含む請求項1又は2に記載のアルデヒド又は
    アルコール合成用触媒。
  5. 【請求項5】 水溶性の多座配位子がアミノアルコール
    である請求項4記載のアルデヒド又はアルコール合成用
    触媒。
  6. 【請求項6】 オレフィンと一酸化炭素と水素とを請求
    項1〜5の何れかの項に記載の触媒の存在下で反応させ
    て、前記オレフィンより炭素数が一つ多いアルデヒド又
    はアルコールを得るアルデヒド又はアルコールの製造
    法。
  7. 【請求項7】 直鎖状アルデヒド1モルに対して、分岐
    鎖状アルデヒドを0.3モル以上生成させる触媒の存在
    下で反応させる請求項6記載のアルデヒド又はアルコー
    ルの製造法。
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