JPH0996368A - フォーセットバルブ - Google Patents

フォーセットバルブ

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JPH0996368A
JPH0996368A JP25404995A JP25404995A JPH0996368A JP H0996368 A JPH0996368 A JP H0996368A JP 25404995 A JP25404995 A JP 25404995A JP 25404995 A JP25404995 A JP 25404995A JP H0996368 A JPH0996368 A JP H0996368A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弁体をなす基体37とダイヤモンド状炭素膜3
5との密着力を高めて膜剥離を防止するとともに、安価
に製造でき、しかも両弁体を摩耗させることなく長期間
にわたって、良好な摺動特性が得られるフォーセットバ
ルブを提供する。 【解決手段】フォーセットバルブを構成する二つの弁体
をアルミナセラミックスで形成するとともに、少なくと
も一方の摺動面に炭化珪素膜34を介してダイヤモンド
状炭素膜35を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水栓、シングルレ
バー混合栓、サーモスタット混合栓を始めとする湯水混
合栓、医療用サンプリングバルブ、薬液用バルブ等の構
成に用いる可動弁体と固定弁体からなるフォーセットバ
ルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水栓や湯水混合栓あるいは医療用
サンプリングバルブや薬液用バルブを構成するフォーセ
ットバルブは、2枚の円盤状弁体を互いに摺接した状態
で相対摺動させることによって、各弁体に形成した流体
通路の開閉を行うようになっている。例えば、水栓や湯
水混合栓として使用されているフォーセットバルブは、
図4(A)に示されるように、固体弁体30と可動弁体
20を互いの摺接面21、31で接した状態としておい
て、図5(B)に示すようにレバー40の操作で可動弁
体20を動かすことによって、互いの弁体20、30に
形成した流体通路22、32の開閉を行い、供給流体の
流量調整をするようになっていた。
【0003】また、この種のバルブに対する要求特性と
しては、以下に示す通りであった。 (1)各弁体間のシール性が保持されていること。(日
本水道協会規格耐圧17.5kg/cm2 以下でも水漏
れがないこと) (2)レバー操作力が小さいこと (3)上記レバー操作力が長期使用においても変化し難
いこと これらの要求を満たすために、近年、様々なセラミック
製の摺動部材の表面にダイヤモンド膜やi−カーボン膜
を被覆したものが提案されている。
【0004】例えば、弁体をなすセラミックスディスク
基体の摺動表面に直接ダイヤモンド状炭素膜を被覆した
ものや、弁体の母材をSiCあるいはSi3 4 を主成
分とする非酸化物セラミックスに限定し、その上にダイ
ヤモンド状炭素膜を被覆したものがあった(特開平3−
172683号、実開平4−108654号、特開平3
−223190号、特開平4−165170号、特開平
5−263952号各公報参照)。
【0005】さらに、セラミックスディスク基体の表面
とダイヤモンド状炭素膜との密着強度を向上させるため
に、両者の間に介在層として金属またはその炭化物、窒
化物、炭窒化物から選ばれる少なくとも1種類以上の薄
膜を形成させるという方法も提案され、具体的にはAl
2 3 含有量92%程度のアルミナセラミックス製基体
の表面に金属チタン〜TiN〜TiCN〜TiCの傾斜
膜を介在層として形成することが示されている(特開平
5−79069号公報参照)。
【0006】このようにダイヤモンド状炭素の膜を被覆
した弁体は、ダイヤモンド状炭素膜を構成する炭素の自
己潤滑作用により優れた摺動特性を備えるとともに、化
学的に非常に安定した材質であるため、耐摩耗性、耐食
性、耐熱性に優れたものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ダイヤ
モンド状炭素の膜を被覆した弁体では次のような問題が
あった。
【0008】まず、セラミックスディスク基体の摺動表
面に直接ダイヤモンド状炭素膜を被覆したものでは、C
VD法あるいはイオンプレーティング等のPVD法によ
りダイヤモンド状炭素膜を成膜する際に、セラミックス
ディスク基体の体積固有抵抗が大きい為、炭化水素系の
ガスよりイオン化された炭素イオンを十分引き寄せるこ
とができず、必要とされる密着力が得られなかった。
【0009】また、弁体の母材をSiCあるいはSi3
4 を主成分とする非酸化物セラミックとしたもので
は、上記と同様の問題があるだけでなく、製造コストが
高くなって実用性に乏しいものであった。
【0010】さらに、特開平5−079069号に示さ
れるように、基体とダイヤモンド状炭素膜の間の介在層
として、基体側より金属チタン〜TiN〜TiCN〜T
iCの傾斜膜を形成したものでは、次のような問題があ
った。
【0011】即ち、長期間弁体同士を摺動させるとダイ
ヤモンド状炭素膜が摩滅する。その結果、介在層である
Tiが露出することとなるが、Tiは熱伝導度が低いた
め、弁体同士の焼き付きが起こりやすく、長期信頼性に
欠けるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、弁体をなすディスク基体
とダイヤモンド状炭素膜との密着力を高めて膜剥離を防
止するとともに、安価に製造でき、しかも両弁体を摩耗
させることなく長期間に渡って、良好な摺動特性が得ら
れるフォーセットバルブを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、フォー
セットバルブを構成する二つの弁体をアルミナセラミッ
クスで形成するとともに、少なくとも一方の摺動面に炭
化珪素膜を介してダイヤモンド状炭素膜(別名:Dia
mond Like Carbon、DLC、アモルフ
ァスダイヤモンド、アモルファス水素化炭素(a−C:
H)、またはiカーボン、iーCarbon、i−C
等)を形成したことを特徴とするものである。
【0014】また本発明は、上記弁体を成すアルミナセ
ラミックスのAl2 3 含有量を94%以上とし、膜を
形成する前の表面におけるポア率が12.0%以下、平
均ポア径が8.0μm以下、ポア径の標準偏差が6.0
μm以下であることを特徴とするものである。
【0015】さらに本発明は、上記ダイヤモンド状炭素
膜表面の摺動面におけるポア率が12.0%以下、平均
ポア径が8.0μm以下、ポア径の標準偏差が6.0μ
m以下であることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、弁体をなすディスク状基体の
表面に介在層として炭化珪素膜を形成することにより、
弁体表面の体積固有抵抗を低下できる。そのため、ダイ
ヤモンド状炭素膜を成膜する際に、炭化水素系のガスを
イオン化した炭素イオンを弁体表面に十分に引き寄せる
ことが可能となり、必要とされる密着力を得ることがで
きる。
【0017】また、弁体をなすアルミナセラミックス中
には焼結助剤等としてSiO2 が含まれており、一方ダ
イヤモンド状炭素膜はCから成るものである。したがっ
て、炭化珪素(SiC)は、弁体側の成分であるSiと
ダイヤモンド状炭素膜の成分であるCを共に含んでいる
ことから、両者との密着性に優れている。なお、炭化珪
素の膜は、アモルファス状になっていても良い。
【0018】さらに、炭化珪素(SiC)膜は、亜金属
であるSiの炭化物であるから、上述した特開平5−0
79069号のような金属炭化物膜ではなく、しかも熱
伝導率が高いものである。そのため、仮にダイヤモンド
状炭素膜が剥がれて炭化珪素膜が露出しても焼き付きが
生じることはない。
【0019】また本発明によれば、弁体を成すアルミナ
セラミックス中のAl2 3 含有量を94%以上とする
ことにより、摺動回数を重ねても不純物の脱粒が少な
く、長期間に渡って良好な摺動特性が得られる。
【0020】さらに本発明によれば、ダイヤモンド状炭
素膜を形成する前のアルミナセラミックス製基体の表面
におけるポア率を12.0%以下、平均ポア径を8.0
μm以下、ポア径の標準偏差を6.0μm以下と制御す
ることにより、基体の表面とダイヤモンド状炭素膜の密
着する部分の面積を増やし、局部的な密着力の低下を防
止することができ、長期間に渡って、膜が剥離すること
がなく安定した摺動特性が得られる。なお、シール性の
観点から、上記基体の表面はラップ等の研摩を施して表
面粗さ(Ra)0.08μm以下とすることが好まし
い。
【0021】また本発明によれば、ダイヤモンド状炭素
膜表面の摺動面におけるポア率を12.0%以下、平均
ポア径を8.0μm以下、ポア径の標準偏差を6.0μ
m以下と制御することにより、摺接する相手の弁体の摩
耗や損傷も軽減することが可能となる。なお、上記平均
ポア径を5.0μm以下、ポア径の標準偏差を3.0μ
m以下とすることにより、一層信頼性の高いものとな
る。また、上記ダイヤモンド状炭素膜表面の摺動面の表
面粗さ(Ra)は0.08μm以下とすることが好まし
い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。なお、従来部分と同一部分については同一符号で示
す。
【0023】図1は、本発明に係るフォーセットバルブ
10を構成する可動弁体20、固定弁体30のみを示す
図であり、図2は固定弁体30のみを示す図で、(A)
はその斜視図であり、(B)はX−X断面図である。
【0024】図1に示すフォーセットバルブ10は、円
盤状をした固定弁体30と可動弁体20を互いの摺接面
21、31で接した状態としておいて、可動弁体20を
動かすことによって、互いの可動弁体20、固定弁体3
0に備えた流体通路22、32の開閉を行い、流体の流
量調整を行うようにしてある。
【0025】これらの可動弁体20、固定弁体30をな
すディスク状の基体27、37は、Al2 3 を94%
以上含有し焼結助剤としてSiO2 等を含有するアルミ
ナセラミックスから成っている。この基体27、37は
耐摩耗性に優れるとともに、変形し難い材質で形成する
必要があるが、上記アルミナセラミックスは、高硬度で
耐摩耗性に優れるだけでなく、耐食性にも優れ、製造コ
ストも安価であるため最適である。
【0026】また、図2に示すように、固定弁体30を
なす基体37の表面には炭化珪素膜34を形成し、その
上にダイヤモンド状炭素膜35を形成して、その表面を
摺動面31としてある。特に本発明においては、ディス
ク状の基体37の摺動面31側の表面に最初に形成する
介在層として炭化珪素膜34を備えることが重要であ
る。
【0027】即ち、この介在層を成す炭化珪素(Si
C)膜34は、基体37を成すアルミナセラミックスに
含まれるシリコン(Si)原子、及びダイヤモンド状炭
素膜35に含まれる炭素(C)原子を含むものであるか
ら、基体37とダイヤモンド状炭素膜35いずれとも密
着性が良好である。その為、長期摺動においても基体3
7に被覆したダイヤモンド状炭素膜膜35が剥離するこ
とがないため、優れた摺動特性を長期間にわたって維持
することができる。
【0028】また、基体37に対する炭化珪素膜34の
密着性を向上するために、基体37の摺動面31側の表
面のポア率を12.0%以下、平均ポア径を8.0μm
以下、ポア径の標準偏差を6.0μm以下に制御してあ
る。
【0029】ここで、基体37の表面のポア率を12.
0%以下、平均ポア径を8.0μm以下としたのは、ポ
ア率が12.0%を越えるか又は平均ポア径が8.0μ
mを越えると基体37の表面における炭化珪素膜34の
被覆面積が減少し、その結果炭化珪素膜34上のダイヤ
モンド状炭素膜35の被覆面積も減少するからである。
その結果、ダイヤモンド状炭素膜35にかかる圧力が高
くなる為、摩滅が促進され、摺動特性を長期間に渡って
維持することが困難となる。
【0030】また、上記平均ポア径の標準偏差を6.0
μm以下としたのは、標準偏差が6.0μmを越えると
局部的に大きなポアが存在することになり、その周辺で
の膜の摩滅が促進され、その結果、摺動特性の維持が困
難となるからである。
【0031】さらに、ダイヤモンド状炭素膜35の表
面、即ち摺動面31においても、ポア率を12.0%以
下、平均ポア径を8.0μm以下、ポア径の標準偏差を
6.0μm以下に制御してある。
【0032】これは、摺動面31におけるポア率が1
2.0%を越えるか又は平均ポア径が8.0μmを越え
ると摺動相手である可動弁体20を摩耗させやすくなる
ためであり、その標準偏差が6.0μmを越えると局部
的に大きなポアが存在することになり、その周辺で可動
弁体20を摩耗させやすくなるためである。
【0033】なお、ここで平均ポア径及びその標準偏差
については、光学顕微鏡を用いた画像解析装置(商品
名:LUZEX FS)を用いて、倍率100倍、コン
トラストTHR60〜90%の条件で、基体37の表面
あるいは摺動面31において測定面積0.36×0.3
6mmの範囲を任意の10カ所について測定した結果の
ことである。
【0034】また、上記基体37の表面に炭化珪素膜3
4及びダイヤモンド状炭素膜35を被覆する方法として
は、イオンプレーティングを始めとするPVD法、CV
D法、スパッタリング法等の薄膜形成手段を用いて被
覆、積層すれば良い。特にイオンプレーティング法を用
いれば、低温での成膜が可能であるために均質でかつ均
一な膜を形成することができるとともに、炭化珪素膜3
4とダイヤモンド状炭素膜35とを連続して成膜できる
ため、効率よく成膜することができる。
【0035】このとき、炭化珪素膜34の膜厚t1
0.4〜1.0μmの範囲内とし、ダイヤモンド状炭素
膜35の膜厚t2 は0.6〜1.6μmの範囲内とする
ことが好ましい。
【0036】また、図1に示すフォーセットバルブ10
では、固定弁体30のみに炭化珪素膜34及びダイヤモ
ンド状炭素膜35を被覆したが、逆に可動弁体20のみ
に炭化膜34及びダイヤモンド状炭素膜35を被覆して
もよく、さらには両方の弁体20、30に炭化珪素膜3
4及びダイヤモンド状炭素膜35を被覆したものであっ
ても良い。
【0037】なお、本発明は医療用サンプリングバルブ
や薬液用バルブ等の各種ディスクバルブに用いることも
できる。
【0038】
【実施例】実験例1 ここで、ダイヤモンド状炭素膜の剥離試験を行った。
【0039】図3に示すように、アルミナセラミックス
製の基板41の表面に炭化珪素膜42を形成し、この上
にダイヤモンド状炭素膜43を積層し、スクラッチ試験
機を用いてダイヤモンド状炭素膜43の剥離荷重を測定
した。スクラッチ試験機はカートリッジ本体51とその
先端から伸びるレバー52に設けられた圧子53とから
なり、図中のZ方向に5゜傾けた基板41上のダイヤモ
ンド状炭素膜43に上記圧子43を押圧し、カートリッ
ジ本体51をX方向に励振振幅させながらY方向に移動
させてダイヤモンド状炭素膜43に荷重を加えていった
時にダイヤモンド状炭素膜43が剥離する荷重を測定し
た。
【0040】ただし、圧子53の先端部の曲率半径は2
5μmで、基板41のY方向への送り速度を10μm/
s、X方向への励振振幅を80μmとした。
【0041】また、表1に示すように、基板41の表面
のポア径、膜厚等の異なるものを用意し、これらについ
て、上記の実験を行った。なお、ダイヤモンド状炭素膜
43上の表面粗さ(Ra)は0.01〜0.08μm、
ポア率は12.0%とした。結果は表2に示す通りであ
る。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2より判るように、比較例1では、基板
41の平均ポア径が大き過ぎる為、均質な膜が得られ
ず、平均104.8mNの荷重でダイヤモンド状炭素膜
43の剥離が発生した。また比較例2では、基板41の
ポア径の標準偏差が大きい為、局部的に密着力の低下が
著しく、ダイヤモンド状炭素膜43の剥離荷重のばらつ
きが大きかった。さらに、比較例3では、ダイヤモンド
状炭素膜43を直接基板41に形成している為、ダイヤ
モンド状炭素膜43内の残留応力が大きく、平均85.
9mNの荷重で剥離が発生した。
【0045】これらに対し、基板41のポア平均径を
8.0μm以下とし、その標準偏差を6.0μm以下と
した本発明実施例では、平均185.5mNの荷重まで
膜剥離を生じることがなく、比較例1、3に比べて約2
倍もの密着力が得られ、比較例2に対しても著しくばら
つきの小さな密着力が得られた。
【0046】実験例2 次に、図1に示すようなフォーセットバルブ10を試作
し、表3に示すように固定弁体30の摺動面31の平均
ポア径、その標準偏差をそれぞれ変化させて摺動実験を
行った。
【0047】この実験に使用したフォーセットバルブ1
0は、可動弁体20、固定弁体30ともアルミナセラミ
ックスにより形成しており、外径30mm、肉厚10m
mの円盤状体に直径5mmの流体通路22を穿設した可
動弁体20と、外径20mm、膜厚8mmの円盤状体に
直径5mmの流体通路32を穿設した固定弁体30とを
組み合わせて構成した。また、可動弁体20にはアルミ
ナ含有量を94%、その摺動面21には膜を形成せず、
任意部分10カ所の平均ポア径は6.0μm、その標準
偏差は4.0μmとした。なお、可動弁体20、固定弁
体30ともに摺動面21、31の表面粗さ(Ra)は
0.01〜0.08μm、ポア率は12.0%とした。
【0048】そして、上記固定弁体20をケーシングに
よって30kgfの軸力で押さえつけながら、流体通路
22、32に80℃の温水を1kg/cm2 の圧力で注
入し、可動弁体20を操作レバー40により摺動させる
のに必要な操作力を測定した。なお、操作レバー40の
測定位置は、操作レバーの支点より直線距離で83mm
離れた位置とした。
【0049】但し、この試験による評価基準は、可動弁
体20を10万回摺動させた時の操作レバ−40の操作
力を測定し、これが0.8kg以下のものを摺動性が良
好であると判断した。
【0050】それぞれの結果は、表3に示す通りであ
る。
【0051】
【表3】
【0052】表3より判るように、試料No.4、5で
は10万回摺動後の操作力が1.3kg、試料No2、
3でも操作力が1.0kgと評価基準を満足することが
できなかった。
【0053】しかも、上記試料No.2、3では摺動後
に局部的な膜の剥離が生じ、No.4ではダイヤモンド
状炭素膜35内に残留する圧縮応力が大きく摺動面31
にクラックが観察された。また、No.5では、不純物
の脱粒が大きく、可動弁体20の摺動面21の損傷が本
発明に比較し、著しく大きかった。
【0054】これらに対し、No.1の本発明実施例で
は10万回摺動後の操作力が0.8kgと小さく、長期
間低い操作トルクを維持できることがわかる。なお、本
発明実施例と比較例との0.2kgの操作力の違いは手
でも明らかに実感できる程度の大きなものであった。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フォーセ
ットバルブを構成する二つの弁体をアルミナセラミック
スで形成するとともに、少なくとも一方の摺動面に炭化
珪素膜を介してダイヤモンド状炭素膜を形成したことに
よって、ダイヤモンド状炭素膜の剥離等が生じにくく、
長期間良好な摺動特性を維持することができる。
【0056】また本発明によれば、上記弁体を成すアル
ミナセラミックスのAl2 3 含有量を94%以上とし
て、膜を形成する前の表面におけるポア率を12.0%
以下、平均ポア径を8.0μm以下、ポア径の標準偏差
を6.0μm以下としたことによって、さらに、ダイヤ
モンド状炭素膜の密着性を高め、剥離を防止できる。
【0057】さらに本発明によれば、上記ダイヤモンド
状炭素膜表面の摺動面におけるポア率を12.0%以
下、平均ポア径を8.0μm以下、ポア径の標準偏差を
6.0μm以下としたことによって、摺動相手の摩耗を
減少することができる。
【0058】その結果、本発明によれば、ダイヤモンン
ド状炭素膜の剥離を防止し、長期間良好な摺動特性を維
持できるフォーセットバルブを安価に提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォーセットバルブの弁体のみを示す
斜視図である。
【図2】図1のフォーセットバルブを構成する固定弁体
のみを示す図であり、(A)は斜視図、(B)はそのX
ーX断面図である。
【図3】スクラッチ試験機を用いてダイヤモンド状炭素
膜の剥離荷重を測定する状態を示す図である。
【図4】一般的なフォーセットバルブの作動状態を示す
斜視図であり、(A)は流体通路を開通させた図、
(B)は流体通路を遮断した図である。
【符号の説明】
10 :フォーセットバルブ 20 :可動弁体 21 :摺動面 22 :流体通路 27 :基体 30 :固定弁体 31 :摺動面 32 :流体通路 34 :炭化珪素膜 35 :ダイヤモンド状炭素膜 37 :基体 40 :操作レバー 41 :基板 42 :炭化珪素膜 43 :ダイヤモンド状炭素膜 51 :カートリッジ本体 52 :レバー 53 :圧子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに摺動する二つの弁体をアルミナセラ
    ミックスで形成するとともに、少なくとも一方の弁体の
    摺動面に炭化珪素膜を介してダイヤモンド状炭素膜を形
    成したことを特徴とするフォーセットバルブ。
  2. 【請求項2】上記弁体を成すアルミナセラミックスはA
    2 3 含有量が94%以上であり、膜を形成する前の
    表面におけるポア率が12.0%以下、平均ポア径が
    8.0μm以下、ポア径の標準偏差が6.0μm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のフォーセットバル
    ブ。
  3. 【請求項3】上記ダイヤモンド状炭素膜表面の摺動面に
    おけるポア率が12.0%以下、平均ポア径が8.0μ
    m以下、ポア径の標準偏差が6.0μm以下であること
    を特徴とする請求項1記載のフォーセットバルブ。
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