JPH10101746A - グラフト変性ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

グラフト変性ポリオレフィンの製造方法

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JPH10101746A
JPH10101746A JP25655896A JP25655896A JPH10101746A JP H10101746 A JPH10101746 A JP H10101746A JP 25655896 A JP25655896 A JP 25655896A JP 25655896 A JP25655896 A JP 25655896A JP H10101746 A JPH10101746 A JP H10101746A
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graft
acid amide
vinylcarboxylic acid
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polyolefin
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JP25655896A
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Takeshi Nagao
勇志 長尾
Takaya Tanaka
貴哉 田中
Hitoshi Funada
斉 船田
Sonoko Ishii
園子 石井
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン幹ポリマ−をN−ビニルカル
ボン酸アミドでグラフト共重合する新規な方法を提供
し、特に固相状態のフィルム、シートなど各種成形品の
所望の面をN−ビニルカルボン酸アミドでグラフト変性
したポリマーを製造する。 【解決手段】 ポリオレフィンのフィルムまたはシート
の片面がN−ビニルカルボン酸アミドの溶液に接触させ
た状態で、もう一方の面から該フィルムまたは該シート
を通して放射線を照射することにより、該溶液に接触し
ている面にN−ビニルカルボン酸アミドをグラフト共重
合するグラフト変性ポリオレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグラフト変性ポリオ
レフィンのの製造方法に関し、さらに詳しくは放射線の
照射でN−ビニルカルボン酸アミドをポリオレフィンに
グラフト共重合することにより親水性、吸水性が付与さ
れた優れた物性、特に二種類以上のポリマーとの相溶性
や接着性、ヒートシール性、染色性、塗装性、印刷性、
防曇性、血液和合性などの物性が優れたグラフト変性ポ
リオレフィンの製造方法に関する。さらに詳しくは、各
種ポリオレフィン成形品の所望の面にのみN−ビニルカ
ルボン酸アミドをグラフト共重合させることにより、表
面に親水性、吸水性が付与されたグラフト変性ポリオレ
フィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルカルボン酸アミドから誘導さ
れるポリマーは、例えばポリビニルアセトアミドは、親
水性を示すことが知られている。また、N−ビニルカル
ボン酸アミドでグラフト変性したポリマーは、幹ポリマ
ーに親水性が付与されることにより物性、特に二種類以
上のポリマーとの相溶性や接着性、ヒートシール性、染
色性が優れていることが知られている(特開昭54−7
2294号公報,特開昭61−78810号公報,特開
昭61−141720号公報,特公昭62−27087
号公報)。N−ビニルカルボン酸アミドでグラフト変性
したポリマーの製造方法として、工業的に最も一般的な
ものは熱分解型反応開始剤を用いる方法である。
【0003】しかし、この方法は、熱分解型反応開始剤
である過酸化物の取扱いが危険であり、グラフト共重合
する方法がバンバリーミキサーや押出機中での加熱混合
による場合には、特に、フィルム、シート等の成形品の
表面にのみグラフト共重合することは不可能である。ま
た、N−ビニルカルボン酸アミドのラジカル重合に際し
て、有機過酸化物を使用するとモノマ−であるN−ビニ
ルカルボン酸アミドに多様の副反応がおこるため、正味
のグラフト効率は低くなる。開始剤としてアゾ系のもの
を使用すれば、副反応は抑えられるものの、幹ポリマー
からの水素引き抜き能力が小さいので殆どグラフト重合
が起こらないという欠点がある。次に空気およびオゾン
酸化による方法は基材である幹ポリマーを酸化劣化させ
るために、機械的強度等の物性を低下させるという欠点
がある。
【0004】また光照射によってグラフト反応を行わせ
る方法については、特開平07ー159531号公報に
記載されているが、この場合、十分なグラフト量を得る
には数十分以上の時間を要するために効率的ではない。
このためポリオレフィンのような疎水性のポリマーのフ
ィルム、シート、ファイバーなどの成形品の表面のみを
比較的容易に常温で、効率よく短時間で行えるN−ビニ
ルカルボン酸アミドでグラフト変性したポリオレフィン
の製造方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン系の幹ポリマーをN−ビニルカルボン酸アミドでグ
ラフト共重合する新規な製造方法を提供することを課題
とする。特に、ポリオレフィンのフィルム、シート、フ
ァイバーその他の各種成形品の所望の表面を容易にN−
ビニルカルボン酸アミドでグラフト共重合する変性ポリ
オレフィンの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のグラフト
変性ポリオレフィンの製造方法に関する。 (1)ポリオレフィンに下記一般式で示されるN−ビニ
ルカルボン酸アミドを放射線照射によりグラフト共重合
することを特徴とするグラフト変性ポリオレフィンの製
造方法。
【0007】
【化2】 (但し、R1 、R2 は互いに独立して水素原子又はメチ
ル基を表す。)
【0008】(2)固相状態のポリオレフィンにN−ビ
ニルカルボン酸アミドをグラフト共重合することを特徴
とする前記1のグラフト変性ポリオレフィンの製造方
法。 (3)放射線が電子線および/またはγ線である前記1
または2のグラフト変性ポリオレフィンの製造方法。 (4)ポリオレフィンの成形品の片面がN−ビニルカル
ボン酸アミドの溶液に接触させた状態で、もう一方の面
から該成形品を通して放射線を照射することにより、該
溶液に接触している面にN−ビニルカルボン酸アミドを
グラフト共重合することを特徴とする前記1〜3のグラ
フト変性ポリオレフィンの製造方法。 (5)ポリオレフィンの成形品のグラフト変性しようと
している面に放射線を照射し、次いでN−ビニルカルボ
ン酸アミドの溶液に接触させることにより放射線の照射
された面にグラフト共重合をすることを特徴とする前記
1〜3のグラフト変性ポリオレフィンの製造方法。 (6)N−ビニルカルボン酸アミドの溶液が光重合開始
剤および架橋剤を含むN−ビニルカルボン酸アミド水溶
液である前記4または5のグラフト変性ポリオレフィン
の製造方法。 (7)成形品がフィルム、シートまたはファイバーであ
る前記4〜6のグラフト変性ポリオレフィンの製造方
法。 (8)N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニルアセト
アミドである前記1〜7のグラフト変性ポリオレフィン
の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明を説明
する。本発明で用いる幹ポリマーとしては、種々のポリ
オレフィン系ポリマーが使用できる.例えば、ポリオレ
フィンとしては、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ3−メ
チルブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、エチレ
ン−α一オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸工ステル共重合体
などが挙げられる。また、エラストマーとしては天然ゴ
ム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、共役ジエン類と
スチレン、アクリロニトリルなどとの共重合ゴムなどが
挙げられる。さらに、ポリスチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニルドなどが挙げられ
る。その中でも、ポリプロピレンやポリエチレンなど好
ましい。これらのポリマーはそれぞれ単独で、あるいは
二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明
の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば滑剤、帯
電防止剤、可塑剤、酸化防止剤等の各種添加剤などを含
んでもよい。
【0010】本発明で用いるN−ビニルカルボン酸アミ
ドは下記一般式で示される。
【化3】 (但し、R1 、R2 は互いに独立して水素原子又はメチ
ル基を表す。)
【0011】具体的には、N−ビニルアセトアミド、N
−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルム
アミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミドなどが挙
げられ、求められる吸水性、親水性、化学的安定性など
から、特にN−ビニルアセトアミドが好ましい。これら
のN−ビニルカルボン酸アミドはそれぞれ単独で、ある
いは二種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに本発
明の目的を損なわない範囲内において共重合可能な他の
モノマー、例えば、アクリル酸、アクリル酸塩、アクリ
ルアミド誘導体、アクリル酸エステル、酢酸ビニルなど
共重合モノマーと併せて用いてもよいが、一般的にはN
−ビニルカルボン酸アミドを主成分(50重量%以上)
として含むものが適当である。以下、本発明では特に断
らない限り、これを単にN−ビニルカルボン酸アミドと
いう。
【0012】本発明において、N−ビニルカルボン酸ア
ミドの使用割合は、変性ポリマーの種類、用途、目的に
応じて適宜定めることができるが、通常、グラフト共重
合すべきモノマーと幹ポリマーが共に溶液で均一系の場
合では、幹ポリマー100重量部当り、N−ビニルカル
ボン酸アミド10〜2000重量部、好ましくは30〜
500重量部である。また、幹ポリマーが固相の状態で
グラフト共重合される不均一系の場合では、表面に親水
性を付与したい場合には、幹ポリマーの重量に無関係に
N−ビニルカルボン酸アミドの濃度が0.2mol/l
以上の溶液が、好ましくは、1.0mol/l以上の溶
液が、グラフトさせるポリマーを浸漬させることができ
る量、あるいはポリマー表面と充分接触できる容量が必
要である。N−ビニルカルボン酸アミドの使用割合が幹
ポリマー表面1cm2 当たり5μg未満ではグラフト変
性による改質効果が見られず、逆に幹ポリマー表面1c
2 当たり5000μgを超えると未反応のN−ビニル
カルボン酸アミドの残存量が多く、N−ビニルカルボン
酸アミドの単独重合体が多く生成して好ましくない。
【0013】グラフト変性には架橋剤や光重合開始剤を
使用してもよいが、N−ビニルカルボン酸アミド溶液中
の濃度として、架橋剤0.001〜10重量%および光
重合開始剤0.001〜5重量%が望ましい。架橋剤お
よび光重合開始剤は市販品を使用することができる。
【0014】架橋剤としては、N,N−1,4−ブチレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−1,6−
ヘキシレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−
デシレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−3
−オキサ−1,5−ペンチレンビス(N−ビニルアセト
アミド)、N,N−3,6−ジオキサオクチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)、N,N−p−キシレンビ
ス(N−ビニルアセトアミド)、N,N’−ジアセチル
−N,N’−ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシク
ロヘキサン、テトラアリルオキシエタン、トリアリルフ
ォスフェート、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、蔗糖
アリルエーテル、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジ
ビニル、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル等の、1
分子中に不飽和基を2個以上有する化合物を挙げること
が出来る。また、単量体中や重合体中の官能基と反応す
る反応性架橋剤としては、ポリグリシジルエーテル、ポ
リイソシアネート、ポリアルコール、多価金属塩(例え
ばアルミ塩やカルシウム塩等)などが例示できる。
【0015】また光重合開始剤としては、アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−アミジノプ
ロパン塩酸塩等のアゾ系化合物、t−ブチルパーオキシ
ド、過酸化水素、t−アルミパーオキシド、クミルパー
オキシド、アセチルパーオキシド、プロピオニルパーオ
キシド、ベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルイソプロ
ピルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチ
ルヒドロパーオキシド、シクロヘキシルヒドロパーオキ
シド、テトラリンヒドロパーオキシド等の過酸化物や、
例えば過硫酸塩と有機アミンとを組み合わせたいわゆる
レドックス系開始剤等が挙げられる。
【0016】本発明で用いる放射線としては、電子線お
よびγ線が好ましく、これらの放射線を用いることによ
り、反応場を成形品の表面に限定することが可能にな
る。加速電圧は用いる幹ポリマーの種類などに応じて適
宜変えることができるが、通常150〜300kvの間
で照射するのが好ましい。また照射量は基材ポリマーの
種類やフィルム、シート、ファイバーさらには各種成形
品の場合にはその厚さ、形状に応じて適宜、調製する必
要があるが、通常5〜150Mradが好ましい。5M
rad未満では十分なグラフト量が得られない。また、
150Mradを越える場合には、基材ポリマーの架橋
反応や劣化反応が進行しすぎてしまう恐れがある。
【0017】本発明において放射線の照射を行う方法に
ついては、本発明の要旨を越えない限り、特に制限はな
い。例えば、幹ポリマー、N−ビニルカルボン酸アミ
ド、を適当な溶媒に溶かして均一溶液として、これに放
射線を照射してN−ビニルカルボン酸アミドグラフト変
性ポリマーを得ることもできる。また、フィルム、シー
ト、ファイバーその他各種成形品などのように固相状態
の幹ポリマーに、N−ビニルカルボン酸アミドの溶液中
で放射線を照射してもよいし、これらの成形品に放射線
を照射した後にN−ビニルカルボン酸アミドの溶液と接
触させてもよい。この時、N−ビニルカルボン酸アミド
を溶かす溶媒としては、N−ビニルカルボン酸アミドの
重合を阻害しないものが望ましい。具体的には、水、酢
酸エチル、シクロヘキサン等である。但し、N−ビニル
カルボン酸アミドの単独重合体は酢酸エチル等の有機溶
媒には溶けない場合があるためなどにより、溶媒として
は水が最も好ましい。さらに重合時にはN−ビニルカル
ボン酸アミドの溶液中の溶存酸素を除去しておく必要が
ある。具体的には窒素等の不活性気体でN−ビニルカル
ボン酸アミド溶液を十分バブリングする。
【0018】本発明は幹ポリマーがフィルム、シート、
ファイバーその他各種成形品などの固相状態の場合も所
望の表面をグラフト変性することができ、特に好ましい
グラフト変性としては、幹ポリマーのフィルムまたはシ
ートの片面をN−ビニルカルボン酸アミド溶液と接触し
ている状態を保ち反対側から該フィルムまたは該シート
を通して常温で放射線を照射することにより、該溶液と
接触している側の片面にN−ビニルカルボン酸アミドを
グラフト共重合させる。また、幹ポリマーの固相状態の
フィルム、シート、その他各種成形品のグラフト変性し
ようとしている表面に放射線を照射し、その後、N−ビ
ニルカルボン酸アミド水溶液に接触させることにより所
望の面にグラフト共重合させることができる。なお、表
面とは約3μmの深さまでの範囲とする。
【0019】さらに、各種成形品のグラフしようとして
いる面に放射線を照射し、その後、その照射面上で光重
合開始剤および架橋剤を含むN−ビニルカルボン酸アミ
ド水溶液を光重合することにより所望の面にグラフト共
重合させることもできる。また、幹ポリマーのフィルム
またはシートなどの両面ともN−ビニルカルボン酸アミ
ド溶液に接触させ、両面に放射線を照射することによ
り、両面ともグラフト変性させることができる。
【0020】本発明において、放射線照射の際の反応系
の温度および照射時間については特に制限はないが、常
温からN−ビニルカルボン酸アミドが熱分解や熱により
単独重合しない温度で行えばよい。照射時間は加速電
圧、線源からの距離等により数秒から数分で所望とする
グラフト変性となるように設定することができる。この
ように高い反応温度を要せずにしかも短時間でグラフト
変性できることは工業上有意義である。
【0021】本発明におけるグラフト量はフィルム、シ
ート、ファイバーその他各種成形品などのように固相状
態の幹ポリマーに親水性を付与する場合には、1cm2
当り5〜5000μgの範囲であることが好ましい。1
cm2 当り5μg未満では充分な改質効果は見られず、
5000μgを越えると幹ポリマーが成形品の場合は変
形する可能性があるが、厚物の成形品の場合はグラフト
量の上限はこの限りではない。また各種成形品に吸水性
を付与する場合には、グラフト量の上限は特に制限され
るものではない。このようにして得られたグラフト変性
ポリオレフィンは、親水性、吸水性が付与され、その結
果として塗装性が極めて改善される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するために実
施例、比較例を示すが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。測定方法、評価方法、放射線照射装
置などは次の通りである。
【0023】(1)赤外吸収スペクトル 日本分光(株)製赤外分光光度計FT/IR−8000
型によりN−ビニルカルボン酸アミドのカルボニル基の
吸収(1650cm-1付近)に基づくピークの吸光度を
指標とした。表面のみグラフトしたポリマーフィルム
は、表面をイオン交換水で十分に洗浄し乾燥した後、透
過法にて赤外吸収スペクトルを測定した。 (2)接触角 協和界面科学(株)製自動接触角計CA‐Z型により室
温(25℃)で蒸留水との接触角を求めた。 (3)塗装密着強度 フィルムをイソプロピルアルコールで拭った後、日本ビ
ーケミカル製2液ウレタン塗料(主剤(R−271)/
硬化剤(R−271)/シンナー(T−701)=4/
1/2.5)によリ塗装し、風乾15分、90℃で30
分焼付して、放冷した。これを80mm×10mmに切
断し、剥離速度(クロスヘッドスピード)50mm/分
で180°剥離強度を測定し、これを塗装密着強度とし
た。
【0024】(4)吸水倍率 ゲル付着量のわかった、平板にゲルの付いたサンプルを
蒸留水に浸せきし、飽和吸水重量を求め、それより吸水
倍率を求めた。 (5)電子線照射装置 本発明における電子線照射装置としては日新ハイボルテ
ージ(株)製キュアトロンEBC−200−20−15
型を使用し、窒素雰囲気下で電子線を照射した。また、
γ線については、東京都立アイソトープ総合研究所でコ
バルト 60γ線照射を実施した。略語は次の意味を表
す。 PP;ポリプロピレン HDPE;高密度ポリエチレン LDPE;低密度ポリエチレン NVA;N−ビニルアセトアミド NVF;N−ビニルホルムアミド
【0025】(実施例1〜3)表1に示す条件のモノマ
ー水溶液を調製し、この溶液を十分に窒素でバブリング
した後、約10gを厚さ30μmの低密度ポリエチレン
製の袋にいれた。次に気泡が残らないようにして開口端
をヒートシールし、大きさ約10cm四方のサンプル袋
を得た。このサンプル袋の上面(照射面)から電子線を
表1の条件で照射した。加速電圧は200kvに固定し
た。照射に要した時間は100Mradの場合で約1分
であった。次にこの袋を開口し内容液を取り出した後、
上面の内側面(内容液と接していた面)をイオン交換水
で十分に洗浄し、常温で乾燥して表面がグラフト変性さ
れたN−ビニルカルボン酸アミド変性低密度ポリエチレ
ンフィルムを得た。これらのグラフト変性ポリマーのグ
ラフト量、水との接触角、塗装密着強度を表1に示し
た。全てのフィルムでN−ビニルカルボン酸アミドのグ
ラフトが確認され、表面性質が大きく改質された。
【0026】(実施例4)厚さ20μmのポリプロピレ
ンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
結果は表1に示した。
【0027】(比較例1)実施例1〜2でと同様の手順
で作製した低密度ポリエチレンのサンプルで電子線を照
射しなかったものを実施例1〜3と同じ後処理を行い、
赤外吸収スペクトル、フィルムの接触角、塗装密着強度
を測定した。結果は表1に示した。N−ビニルアセトア
ミドポリマーのグラフトは認められなかった。
【0028】(比較例2)比較例1において実施例4の
ポリプロピレン用いた以外は同じである。結果は表1に
示した。N−ビニルアセトアミドポリマーのグラフトは
認められなかった。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例5〜16)表2に示す条件のモノ
マー水溶液を調整し、ガラスシャーレにその溶液を入
れ、フィルムを浮かせ、電子線は水溶液に接触していな
い面より照射した。加速電圧は、200kVに固定し
た。照射に要した時間は、120Mradの場合で約1
分であった。このフィルムの溶液に接触している面をイ
オン交換水で充分に洗浄し、常温で乾燥して表面がグラ
フト変性されたN−ビニルカルボン酸アミド変性PP、
およびHDPEフィルムを得た。これらのグラフト変性
ポリマーのグラフト量、水との接触角、塗装密着強度を
表2に示した。全てのフィルムでN−ビニルカルボン酸
アミドのグラフトが確認され、表面性質が大きく改質さ
れた。フィルム厚、PP;20μm、HDPE;20μ
【0031】(比較例3)実施例5〜10で使用したP
Pフィルムを用い、電子線を照射しなかったものを実施
例5〜10と同じ後処理を行い、赤外吸収スペクトル、
フィルムの接触角、塗装密着強度を測定した。結果は表
2に示した。N−ビニルアセトアミドポリマーのグラフ
トは認められなかった。
【0032】(比較例4)実施例11〜16で使用した
HDPEフィルムを用い、電子線を照射しなかったもの
を実施例11〜16と同じ後処理を行い、赤外吸収スペ
クトル、フィルムの接触角、塗装密着強度を測定した。
結果は表2に示した。N−ビニルアセトアミドポリマー
のグラフトは認められなかった。
【0033】
【表2】
【0034】
【表2】
【0035】(実施例17〜40)表3に示した条件の
モノマー水溶液を調整し、その水溶液をガラスシャーレ
に入れた。フィルム、平板(30x30x3)に電子線
を照射した後、照射面をNVA調整水溶液に接触させ、
その面をイオン交換水で充分に洗浄し、常温で乾燥して
表面がグラフト変性されたN−ビニルアセトアミド変性
サンプルを得た。これらのグラフト変性ポリマーの水と
の接触角、塗装密着強度を表3に示した。フィルム厚、
PP;20μm、HDPE;20μm
【0036】(比較例5、6)実施例17〜40で使用
したHDPE、PPの平板で電子線を照射しなかったも
のを実施例17〜40と同じ後処理を行い、水との接触
角、塗装密着強度を測定した。結果は表3に示した。N
−ビニルアセトアミドのグラフトは認められなかった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表3】
【0039】
【表3】
【0040】
【表3】
【0041】(実施例41〜52)表4に示した条件の
モノマー水溶液を調整し、ガラスシャーレに入れた。平
板(30x30x3)に電子線を照射した後、照射面を
NVA調整水溶液3に浸せきし、その後紫外線により水
溶液を硬化させた。平板に厚く付いたゲルを取り出し、
イオン交換水で充分洗浄し、60℃の空気中で乾燥させ
た。このサンプルについて、ゲル付着量、吸水倍率、接
着強度を求めた。UV開始剤(例ダロキュア117
3)、UVランプ(UVP社製UVGL−58型)、架
橋剤(例ペンタエリスリトールアリルエーテル)を使用
した。
【0042】(比較例7、8)実施例41〜52で使用
したHDPE、PPの平板で電子線を照射しなかったも
のを実施例41〜52と同じ後処理を行い、ゲル付着
量、吸水倍率、接着強度を求めた。
【0043】
【表4】
【0044】
【表4】
【0045】(実施例53〜64)表5に示した条件の
モノマー水溶液を調整し、ガラスシャーレに入れた。フ
ィルム(厚PP;20μm、HDPE;20μm)に必
要量のγ線を照射した後、照射面をNVA調整水溶液に
接触させた。その接触面をイオン交換水で充分洗浄し、
常温で乾燥して表面がグラフト変性されたN−ビニルア
セトアミド変性サンプルを得た。これらのグラフト変性
ポリマーの水との接触角、塗装密着強度を表5に示し
た。
【0046】
【表5】
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、比較的容易に、効率良
く短時間、かつ穏和な条件で、ポリオレフィンをN−ビ
ニルカルボン酸アミドでグラフト変性することができ
る。特に、フィルム、シート等の固相状態のポリオレフ
ィンの所望の片側表面にN−ビニルカルボン酸アミドを
常温でしかもホモポリマーの生成が少ない状態でグラフ
ト共重合することができる。このようにして得られたグ
ラフト変性ポリオレフィンは、親水性、吸水性が付与さ
れ、その結果として塗装性などが改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 園子 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 山口 哲彦 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社化学品研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンに下記一般式で示される
    N−ビニルカルボン酸アミドを放射線照射によりグラフ
    ト共重合することを特徴とするグラフト変性ポリオレフ
    ィンの製造方法。 【化1】 (但し、R1 、R2 は互いに独立して水素原子又はメチ
    ル基を表す。)
  2. 【請求項2】 固相状態のポリオレフィンにN−ビニル
    カルボン酸アミドをグラフト共重合することを特徴とす
    る請求項1記載のグラフト変性ポリオレフィンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 放射線が電子線および/またはγ線であ
    る請求項1または2記載のグラフト変性ポリオレフィン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンの成形品の片面がN−ビ
    ニルカルボン酸アミドの溶液に接触させた状態で、もう
    一方の面から該成形品を通して放射線を照射することに
    より、該溶液に接触している面にN−ビニルカルボン酸
    アミドをグラフト共重合することを特徴とする請求項1
    〜3記載のグラフト変性ポリオレフィンの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィンの成形品のグラフト変性
    しようとしている面に放射線を照射し、次いでN−ビニ
    ルカルボン酸アミドの溶液に接触させることにより放射
    線の照射された面にグラフト共重合をすることを特徴と
    する請求項1〜3記載のグラフト変性ポリオレフィンの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 N−ビニルカルボン酸アミドの溶液が光
    重合開始剤および架橋剤を含むN−ビニルカルボン酸ア
    ミド水溶液である請求項4または5記載のグラフト変性
    ポリオレフィンの製造方法。
  7. 【請求項7】 成形品がフィルム、シートまたはファイ
    バーである請求項4〜6記載のグラフト変性ポリオレフ
    ィンの製造方法。
  8. 【請求項8】 N−ビニルカルボン酸アミドがN−ビニ
    ルアセトアミドである請求項1〜7記載のグラフト変性
    ポリオレフィンの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348449A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Mitsubishi Chemicals Corp N−ビニルホルムアミドのグラフト共重合体の製造方法
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JP2022541719A (ja) * 2020-06-15 2022-09-27 杭州福斯特応用材料股▲分▼有限公司 接着フィルム及びこれを備えた電子デバイス

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