JPH10102263A - 耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート処理鋼板 - Google Patents
耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート処理鋼板Info
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- JPH10102263A JPH10102263A JP25276396A JP25276396A JPH10102263A JP H10102263 A JPH10102263 A JP H10102263A JP 25276396 A JP25276396 A JP 25276396A JP 25276396 A JP25276396 A JP 25276396A JP H10102263 A JPH10102263 A JP H10102263A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた耐食性、耐指紋性を有するとともに、摺
動性に優れたクロメート処理鋼板の提供。 【解決手段】鋼板の表面にクロメート層を有するクロメ
ート処理めっき鋼板であって、少なくとも一方の表面の
クロメート層が鋼板側の第1クロメート層と表面側の第
2クロメート層との2層からなり、第1クロメート層と
第2クロメート層の合計のクロメート付着量が金属クロ
ム換算で10〜200mg/m2 であり、第1クロメー
ト層/第2クロメート層のクロム付着量比が50/50
〜90/10であり、かつ第1クロメート層は、湿式シ
リカをSiO2 /Crの重量比が1〜6の割合で含有
し、第2クロメート層はシリカを含有しない層である、
クロメート処理鋼板。
動性に優れたクロメート処理鋼板の提供。 【解決手段】鋼板の表面にクロメート層を有するクロメ
ート処理めっき鋼板であって、少なくとも一方の表面の
クロメート層が鋼板側の第1クロメート層と表面側の第
2クロメート層との2層からなり、第1クロメート層と
第2クロメート層の合計のクロメート付着量が金属クロ
ム換算で10〜200mg/m2 であり、第1クロメー
ト層/第2クロメート層のクロム付着量比が50/50
〜90/10であり、かつ第1クロメート層は、湿式シ
リカをSiO2 /Crの重量比が1〜6の割合で含有
し、第2クロメート層はシリカを含有しない層である、
クロメート処理鋼板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐食性、耐
指紋性を有するとともに、摺動性に優れたクロメート処
理鋼板に関するものである。
指紋性を有するとともに、摺動性に優れたクロメート処
理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電製品、事務用機器等には、無
塗装あるいは塗装された亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼
板が用いられている。そのため、これらの用途に用いら
れる鋼板は、無塗装での耐食性や色調、製品製作中およ
び使用中において指紋のつきにくいこと、傷のつきにく
いことが必要とされてきた。
塗装あるいは塗装された亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼
板が用いられている。そのため、これらの用途に用いら
れる鋼板は、無塗装での耐食性や色調、製品製作中およ
び使用中において指紋のつきにくいこと、傷のつきにく
いことが必要とされてきた。
【0003】従来、亜鉛めっき鋼板の耐食性を向上させ
るためには、めっき層の上にCr6+およびCr3+を主成
分としたクロメート皮膜を形成し、その被覆効果および
Cr 6+の自己補修作用により耐食性を付与する方法が一
般的に採用されている。
るためには、めっき層の上にCr6+およびCr3+を主成
分としたクロメート皮膜を形成し、その被覆効果および
Cr 6+の自己補修作用により耐食性を付与する方法が一
般的に採用されている。
【0004】近年、更なる耐食性の向上を目的として、
Si、P、有機樹脂等を含むクロメート皮膜を形成させ
ることが提案されている。例えば、Siとしてシリカを
添加したものとして、特公昭61−58552号公報、
特公昭61−1508号公報等に記載のものがある。ま
た、Pとしてリン酸を添加したものとして、特公昭53
−41621号公報に記載のものがある。さらに、Si
とPの双方を添加したものとして、特公昭60−187
51号公報に記載のものがある。
Si、P、有機樹脂等を含むクロメート皮膜を形成させ
ることが提案されている。例えば、Siとしてシリカを
添加したものとして、特公昭61−58552号公報、
特公昭61−1508号公報等に記載のものがある。ま
た、Pとしてリン酸を添加したものとして、特公昭53
−41621号公報に記載のものがある。さらに、Si
とPの双方を添加したものとして、特公昭60−187
51号公報に記載のものがある。
【0005】しかし、これらの公報に記載の技術は、従
来のCrのみからなるクロメート皮膜の耐食性を更に向
上させることを目的としたものであり、添加物を含有し
ないクロメート皮膜に比べて耐食性の向上について著し
い効果を示している。しかし、これらの技術は、耐指紋
性の観点では一般のクロメート皮膜と同等レベルであっ
た。
来のCrのみからなるクロメート皮膜の耐食性を更に向
上させることを目的としたものであり、添加物を含有し
ないクロメート皮膜に比べて耐食性の向上について著し
い効果を示している。しかし、これらの技術は、耐指紋
性の観点では一般のクロメート皮膜と同等レベルであっ
た。
【0006】この鋼板における指紋付着現象は、亜鉛め
っき層表面の亜鉛結晶の微細な凹凸の凹部に皮膚分泌物
が埋め込まれる結果、その部分だけ拡散反射が起こらず
に光が吸収され、黒ずんで見えるために鮮明に目立つも
のである。この現象はクロメート処理の有無に関わらず
起こり、一旦表面に付着した指紋は有機溶剤等で容易に
除去されるものではなく、美観上、商品価値を著しく損
なうものである。
っき層表面の亜鉛結晶の微細な凹凸の凹部に皮膚分泌物
が埋め込まれる結果、その部分だけ拡散反射が起こらず
に光が吸収され、黒ずんで見えるために鮮明に目立つも
のである。この現象はクロメート処理の有無に関わらず
起こり、一旦表面に付着した指紋は有機溶剤等で容易に
除去されるものではなく、美観上、商品価値を著しく損
なうものである。
【0007】耐指紋性を向上させる方法として、無機酸
化物水溶液含有のクロム酸塩を表面に分散させる方法
(特開昭64−11981号公報)、有機樹脂をクロメ
ート皮膜中に添加する方法(特開昭61−207579
号、同59−140050号各公報等)、シリカゾル
(湿式シリカとも称する)を添加したクロメート液を塗
布して160〜250℃で乾燥する方法(特開平1−2
83382号公報)等が開示されている。
化物水溶液含有のクロム酸塩を表面に分散させる方法
(特開昭64−11981号公報)、有機樹脂をクロメ
ート皮膜中に添加する方法(特開昭61−207579
号、同59−140050号各公報等)、シリカゾル
(湿式シリカとも称する)を添加したクロメート液を塗
布して160〜250℃で乾燥する方法(特開平1−2
83382号公報)等が開示されている。
【0008】しかし、無機酸化物含有のクロム酸塩を表
面に分散させる方法は、スプレーガンあるいは静電霧化
装置を必要とするうえ、ムラになりやすく、耐指紋性向
上効果も小さい。また、有機樹脂をクロメート皮膜中に
添加する方法は、耐食性、耐指紋性向上効果は優れてお
り、摺動性改善にも効果は高いが、溶接性、アース性等
導電に関わる性能劣化が激しいうえ、クロメート液の安
定性が悪く、同一液の長時間使用は不可能、液経時変化
による性能への影響が無視できない、等の問題がある。
さらに、湿式シリカを添加したクロメート液を塗布して
乾燥させる方法では、耐食性、耐指紋性および導電性は
問題ないが、湿式シリカが硬質なため、慴動時に高抵抗
となるばかりでなく、離脱シリカが表面を傷つけるとい
う問題があった。
面に分散させる方法は、スプレーガンあるいは静電霧化
装置を必要とするうえ、ムラになりやすく、耐指紋性向
上効果も小さい。また、有機樹脂をクロメート皮膜中に
添加する方法は、耐食性、耐指紋性向上効果は優れてお
り、摺動性改善にも効果は高いが、溶接性、アース性等
導電に関わる性能劣化が激しいうえ、クロメート液の安
定性が悪く、同一液の長時間使用は不可能、液経時変化
による性能への影響が無視できない、等の問題がある。
さらに、湿式シリカを添加したクロメート液を塗布して
乾燥させる方法では、耐食性、耐指紋性および導電性は
問題ないが、湿式シリカが硬質なため、慴動時に高抵抗
となるばかりでなく、離脱シリカが表面を傷つけるとい
う問題があった。
【0009】他方、摺動性向上を目的として、第一層に
クロメート層、第二層に固体潤滑剤を有するアクリル樹
脂層からなる表面処理鋼板(特開昭61−227178
号公報)、第一層に通常クロメート層、第二層に複合リ
ン酸Al、クロム酸、防錆顔料、ポリオレフィンワック
ス、MoS2 やシリコン樹脂等を含むウレタン変性エポ
キシ樹脂層からなる二層鋼板(特開昭60−10318
5号公報)等が開示されている。すなわち、いずれの従
来技術においても、潤滑性確保のために樹脂系第二層を
形成しているため、電気抵抗が高く、スポット溶接性、
アース性等導電性に関する性能の著しい低下を免れ得な
いという問題があった。
クロメート層、第二層に固体潤滑剤を有するアクリル樹
脂層からなる表面処理鋼板(特開昭61−227178
号公報)、第一層に通常クロメート層、第二層に複合リ
ン酸Al、クロム酸、防錆顔料、ポリオレフィンワック
ス、MoS2 やシリコン樹脂等を含むウレタン変性エポ
キシ樹脂層からなる二層鋼板(特開昭60−10318
5号公報)等が開示されている。すなわち、いずれの従
来技術においても、潤滑性確保のために樹脂系第二層を
形成しているため、電気抵抗が高く、スポット溶接性、
アース性等導電性に関する性能の著しい低下を免れ得な
いという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、湿式シ
リカの添加は、耐食性および耐指紋性には有効である
が、摺動性に悪影響を及ぼすため、3つの性能を同時に
向上させることはできない。また摺動性の向上に有効な
表面樹脂層は、導電性を劣化させるため、加工後一部品
として溶接による組立工程を経ることの多い分野では適
用できない上、有機樹脂をクロメート中に添加させる場
合は、さらに液の安定性を劣化させ、長時間の使用に耐
えられないという問題点を有する。
リカの添加は、耐食性および耐指紋性には有効である
が、摺動性に悪影響を及ぼすため、3つの性能を同時に
向上させることはできない。また摺動性の向上に有効な
表面樹脂層は、導電性を劣化させるため、加工後一部品
として溶接による組立工程を経ることの多い分野では適
用できない上、有機樹脂をクロメート中に添加させる場
合は、さらに液の安定性を劣化させ、長時間の使用に耐
えられないという問題点を有する。
【0011】そこで、本発明は、耐食性に優れ、かつ、
指紋が付着しにくく、摺動性に優れたクロメート処理鋼
板を提供することを目的とする。
指紋が付着しにくく、摺動性に優れたクロメート処理鋼
板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐食性、
耐指紋性、摺動性および導電性に優れたクロメート処理
鋼板を提供するため、クロメート皮膜について鋭意検討
した。
耐指紋性、摺動性および導電性に優れたクロメート処理
鋼板を提供するため、クロメート皮膜について鋭意検討
した。
【0013】ここで、クロメート皮膜の特性について考
えてみると、耐食性および導電性は、クロメート皮膜全
体の性質であるのに対して、耐指紋性および摺動性は、
皮膜の最表層部が示す性質であると考えられる。したが
って、最表層を耐指紋性と摺動性に有利な構造とし、内
層を耐食性に優れた構造とし、全層中に導電性を阻害す
る物質をできるだけ少なくすることによって、上記の要
求を同時に満足するクロメート皮膜を得ることができる
ことを知見した。
えてみると、耐食性および導電性は、クロメート皮膜全
体の性質であるのに対して、耐指紋性および摺動性は、
皮膜の最表層部が示す性質であると考えられる。したが
って、最表層を耐指紋性と摺動性に有利な構造とし、内
層を耐食性に優れた構造とし、全層中に導電性を阻害す
る物質をできるだけ少なくすることによって、上記の要
求を同時に満足するクロメート皮膜を得ることができる
ことを知見した。
【0014】まず、最表層の摺動性について考えてみる
と、シリカ含有クロメート皮膜は表面にシリカ粒子が露
出しているため、摺動時にシリカ粒子が脱落し、摺動抵
抗が増加する。したがって、シリカ粒子が表面に露出し
ないようにすれば、摺動性を向上させることができる。
そこで、湿式シリカ含有クロメート層を、シリカが含有
されないクロメート層で被覆することにより、前記問題
が解決できることを知見し、本発明に至った。すなわ
ち、シリカを含有する第1クロメート層に耐食性、第2
クロメート層に良摺動性、全クロメート層に耐指紋性、
良導電性の役割を持たせることによって、耐食性、耐指
紋性、摺動性、導電性を満足するクロメート処理鋼板を
得ることができる。
と、シリカ含有クロメート皮膜は表面にシリカ粒子が露
出しているため、摺動時にシリカ粒子が脱落し、摺動抵
抗が増加する。したがって、シリカ粒子が表面に露出し
ないようにすれば、摺動性を向上させることができる。
そこで、湿式シリカ含有クロメート層を、シリカが含有
されないクロメート層で被覆することにより、前記問題
が解決できることを知見し、本発明に至った。すなわ
ち、シリカを含有する第1クロメート層に耐食性、第2
クロメート層に良摺動性、全クロメート層に耐指紋性、
良導電性の役割を持たせることによって、耐食性、耐指
紋性、摺動性、導電性を満足するクロメート処理鋼板を
得ることができる。
【0015】したがって、本発明は、鋼板の表面にクロ
メート皮膜を有するクロメート処理めっき鋼板であっ
て、少なくとも一方の表面のクロメート皮膜が鋼板側の
第1クロメート層と表面側の第2クロメート層との2層
からなり、第1クロメート層と第2クロメート層の合計
のクロメート付着量が金属クロム換算で10〜200m
g/m2 であり、第1クロメート層/第2クロメート層
のクロム付着量比が50/50〜90/10であり、か
つ第1クロメート層は、湿式シリカをSiO2 /Crの
重量比が1〜6の割合で含有し、第2クロメート層はシ
リカを含有しない層である、耐指紋性、耐食性および摺
動性に優れたクロメート処理鋼板を提供するものであ
る。
メート皮膜を有するクロメート処理めっき鋼板であっ
て、少なくとも一方の表面のクロメート皮膜が鋼板側の
第1クロメート層と表面側の第2クロメート層との2層
からなり、第1クロメート層と第2クロメート層の合計
のクロメート付着量が金属クロム換算で10〜200m
g/m2 であり、第1クロメート層/第2クロメート層
のクロム付着量比が50/50〜90/10であり、か
つ第1クロメート層は、湿式シリカをSiO2 /Crの
重量比が1〜6の割合で含有し、第2クロメート層はシ
リカを含有しない層である、耐指紋性、耐食性および摺
動性に優れたクロメート処理鋼板を提供するものであ
る。
【0016】以下、本発明のクロメート処理鋼板(以
下、「本発明の処理鋼板」という)について、詳細に説
明する。
下、「本発明の処理鋼板」という)について、詳細に説
明する。
【0017】本発明の処理鋼板は、鋼板の表面にクロメ
ート皮膜を有し、少なくとも一方の表面のクロメート皮
膜が、鋼板側の第1クロメート層と表面側の第2クロメ
ート層との2層からなるものである。
ート皮膜を有し、少なくとも一方の表面のクロメート皮
膜が、鋼板側の第1クロメート層と表面側の第2クロメ
ート層との2層からなるものである。
【0018】本発明において、クロメート皮膜を有する
鋼板は、めっき層を有するものでもよいし、めっき層を
有せず、電解脱脂、酸洗等による前処理を施した鋼板で
もよい。鋼板の表面に形成するめっき層は、特に制限さ
れず、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等のいずれ
のめっき方法によって形成したものでもよい。例えば、
亜鉛または亜鉛−ニッケル、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニ
ウム、亜鉛−クロム等の2元合金、さらには亜鉛−ニッ
ケル−コバルト、亜鉛−アルミニウム−クロム等の多元
合金等を含む亜鉛系合金めっきを施した鋼板である。本
発明の処理鋼板がめっき層を有する場合、亜鉛めっきま
たは亜鉛系めっきの付着量は、特に限定されないが、ピ
ンホールが形成されない点で、10g/m2 以上が好ま
しい。
鋼板は、めっき層を有するものでもよいし、めっき層を
有せず、電解脱脂、酸洗等による前処理を施した鋼板で
もよい。鋼板の表面に形成するめっき層は、特に制限さ
れず、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき等のいずれ
のめっき方法によって形成したものでもよい。例えば、
亜鉛または亜鉛−ニッケル、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニ
ウム、亜鉛−クロム等の2元合金、さらには亜鉛−ニッ
ケル−コバルト、亜鉛−アルミニウム−クロム等の多元
合金等を含む亜鉛系合金めっきを施した鋼板である。本
発明の処理鋼板がめっき層を有する場合、亜鉛めっきま
たは亜鉛系めっきの付着量は、特に限定されないが、ピ
ンホールが形成されない点で、10g/m2 以上が好ま
しい。
【0019】本発明の処理鋼板において、少なくとも一
方の表面のクロメート皮膜は、鋼板側に湿式シリカを含
有する第1クロメート層、表面側にシリカを含有しない
第2クロメート層を有する2層構造を有するものであ
る。このように、鋼板側の第1クロメート層としてシリ
カを含有させることによって、鋼板またはめっき表面の
凹凸がシリカで埋められるため、第1クロメート層の表
面は平滑になる。そのため、第クロメート層の上にシリ
カを含有しない第2クロメート層を形成させると、表面
凹凸が少なく耐指紋性にも優れたものが得られる。第1
クロメート層にシリカが含有されているため、本発明の
クロメート処理鋼板は、クロメートの自己修復作用とシ
リカ表面のシラノール基が腐食時に溶出した亜鉛イオン
や鉄イオンをトラップすることにより高耐食性を得るこ
とができる。
方の表面のクロメート皮膜は、鋼板側に湿式シリカを含
有する第1クロメート層、表面側にシリカを含有しない
第2クロメート層を有する2層構造を有するものであ
る。このように、鋼板側の第1クロメート層としてシリ
カを含有させることによって、鋼板またはめっき表面の
凹凸がシリカで埋められるため、第1クロメート層の表
面は平滑になる。そのため、第クロメート層の上にシリ
カを含有しない第2クロメート層を形成させると、表面
凹凸が少なく耐指紋性にも優れたものが得られる。第1
クロメート層にシリカが含有されているため、本発明の
クロメート処理鋼板は、クロメートの自己修復作用とシ
リカ表面のシラノール基が腐食時に溶出した亜鉛イオン
や鉄イオンをトラップすることにより高耐食性を得るこ
とができる。
【0020】第1クロメート層に含有される湿式シリカ
(液相シリカ、シリカゾルとも称する)は、ケイ酸ナト
リウム水溶液をイオン交換樹脂に通した後、重合析出さ
せることにより製造され、安定した水性懸濁液の状態で
入手できる。この湿式シリカの具体例として、日産化学
(株)から商品名:スノーテックスで市販されているも
の等が挙げられる。
(液相シリカ、シリカゾルとも称する)は、ケイ酸ナト
リウム水溶液をイオン交換樹脂に通した後、重合析出さ
せることにより製造され、安定した水性懸濁液の状態で
入手できる。この湿式シリカの具体例として、日産化学
(株)から商品名:スノーテックスで市販されているも
の等が挙げられる。
【0021】この湿式シリカは、粒径が1〜50nm、
好ましくは5〜30nmであるものである。粒径が1n
m未満の湿式シリカでは比表面積が過大になり、凝集し
やすくなるためクロメート塗布液の安定性が低下する。
粒径が50nm超の湿式シリカでは、シリカ自身の凹凸
がクロメート皮膜の表面に現れて耐指紋性が悪化する原
因となり、かつクロメート皮膜自身の強度が低下し、加
工後耐食性が著しく悪くなる。
好ましくは5〜30nmであるものである。粒径が1n
m未満の湿式シリカでは比表面積が過大になり、凝集し
やすくなるためクロメート塗布液の安定性が低下する。
粒径が50nm超の湿式シリカでは、シリカ自身の凹凸
がクロメート皮膜の表面に現れて耐指紋性が悪化する原
因となり、かつクロメート皮膜自身の強度が低下し、加
工後耐食性が著しく悪くなる。
【0022】第1クロメート層における湿式シリカの含
有量は、湿式シリカ/第1クロメート層のクロムの重量
比が1〜6の割合となる量であり、好ましくは2〜4と
なる量である。湿式シリカ/クロムの重量比が1未満の
場合、十分な耐食性を得ることができない。さらに表面
の凹凸を埋める効果が不十分になるため耐指紋性が悪く
なる。湿式シリカ/クロムの重量比が6を超える場合、
クロメート皮膜自身の強度が低下し、加工後耐食性が著
しく悪くなる。さらに導電性が悪くなり、コストアップ
の原因にもなる。
有量は、湿式シリカ/第1クロメート層のクロムの重量
比が1〜6の割合となる量であり、好ましくは2〜4と
なる量である。湿式シリカ/クロムの重量比が1未満の
場合、十分な耐食性を得ることができない。さらに表面
の凹凸を埋める効果が不十分になるため耐指紋性が悪く
なる。湿式シリカ/クロムの重量比が6を超える場合、
クロメート皮膜自身の強度が低下し、加工後耐食性が著
しく悪くなる。さらに導電性が悪くなり、コストアップ
の原因にもなる。
【0023】また、本発明の処理鋼板において、第1ク
ロメート層と第2クロメート層の合計のクロメート付着
量は、片面当たり、金属クロム換算で10〜200mg
/m 2 であり、好ましくは30〜100mg/m2 であ
る。第1クロメート層と第2クロメート層の合計のクロ
メート付着量が、片面当たり、金属クロム換算で10m
g/m2 未満の場合、クロメート皮膜が鋼板素地または
めっき層の表面を十分に被覆できず、耐食性が著しく悪
くなり、耐指紋性も劣る。合計のクロメート付着量が2
00mg/m2 を超える場合、耐食性は十分であるが、
乾燥後のクロメート皮膜中にCr6+が多くなり、需要家
で脱脂、洗浄等をした際に有害なCr6+が溶出するおそ
れがある。また導電性不良やコストアップにもつなが
る。
ロメート層と第2クロメート層の合計のクロメート付着
量は、片面当たり、金属クロム換算で10〜200mg
/m 2 であり、好ましくは30〜100mg/m2 であ
る。第1クロメート層と第2クロメート層の合計のクロ
メート付着量が、片面当たり、金属クロム換算で10m
g/m2 未満の場合、クロメート皮膜が鋼板素地または
めっき層の表面を十分に被覆できず、耐食性が著しく悪
くなり、耐指紋性も劣る。合計のクロメート付着量が2
00mg/m2 を超える場合、耐食性は十分であるが、
乾燥後のクロメート皮膜中にCr6+が多くなり、需要家
で脱脂、洗浄等をした際に有害なCr6+が溶出するおそ
れがある。また導電性不良やコストアップにもつなが
る。
【0024】また、本発明の処理鋼板におけるクロメー
ト皮膜において、第1クロメート層/第2クロメート層
のクロメート付着量の比は、50/50〜90/10で
あり、好ましくは50/50〜70/30である。付着
量の比が50/50未満の場合、耐指紋性、耐食性の向
上効果が不充分であり、また、90/10を超える場
合、第2クロメート層が第1クロメート層を充分に被覆
できず、表面にシリカが露出し、摺動性が悪くなるおそ
れがある。
ト皮膜において、第1クロメート層/第2クロメート層
のクロメート付着量の比は、50/50〜90/10で
あり、好ましくは50/50〜70/30である。付着
量の比が50/50未満の場合、耐指紋性、耐食性の向
上効果が不充分であり、また、90/10を超える場
合、第2クロメート層が第1クロメート層を充分に被覆
できず、表面にシリカが露出し、摺動性が悪くなるおそ
れがある。
【0025】本発明の処理鋼板の製造において、2層か
らなるクロメート皮膜の形成は、Cr3+とCr6+の混合
物からなるクロメートを塗布し、水洗せずに焼き付け、
クロメート皮膜を形成させる塗布型クロメート法、また
は、クロメート処理液中で鋼板を陰極処理し、クロメー
ト皮膜を形成させる電解型クロメート法によって行うこ
とができる。反応型クロメート法は、クロメート処理液
と鋼板の化学反応によるもので、付着量の制御は困難で
あり、しかも粒状のものを添加しても、処理時に付着し
ない問題があり、本発明におけるクロメート皮膜の形成
には適していない。これの塗布型および電解型の中で
も、電解型クロメート法は、クロメート皮膜の付着量の
制御が可能であるが、得られる皮膜の耐食性は一般にあ
まり良くない、一方、塗布型クロメート法は、Cr6+の
自己防食作用により高耐食性が得られるため、クロメー
ト皮膜の性能の点から塗布型が最も好ましい。
らなるクロメート皮膜の形成は、Cr3+とCr6+の混合
物からなるクロメートを塗布し、水洗せずに焼き付け、
クロメート皮膜を形成させる塗布型クロメート法、また
は、クロメート処理液中で鋼板を陰極処理し、クロメー
ト皮膜を形成させる電解型クロメート法によって行うこ
とができる。反応型クロメート法は、クロメート処理液
と鋼板の化学反応によるもので、付着量の制御は困難で
あり、しかも粒状のものを添加しても、処理時に付着し
ない問題があり、本発明におけるクロメート皮膜の形成
には適していない。これの塗布型および電解型の中で
も、電解型クロメート法は、クロメート皮膜の付着量の
制御が可能であるが、得られる皮膜の耐食性は一般にあ
まり良くない、一方、塗布型クロメート法は、Cr6+の
自己防食作用により高耐食性が得られるため、クロメー
ト皮膜の性能の点から塗布型が最も好ましい。
【0026】クロメート皮膜の形成方法について述べ
る。第1クロメート層は、シリカを含むクロメート液を
用い、塗布型クロメート法または電解型クロメート法で
素地鋼板を処理して形成される。次に、シリカを含まな
いクロメート液を用い、塗布型または電解型クロメート
法で、第1クロメート層上を処理することにより、2層
構造のクロメート皮膜が形成される。
る。第1クロメート層は、シリカを含むクロメート液を
用い、塗布型クロメート法または電解型クロメート法で
素地鋼板を処理して形成される。次に、シリカを含まな
いクロメート液を用い、塗布型または電解型クロメート
法で、第1クロメート層上を処理することにより、2層
構造のクロメート皮膜が形成される。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【0028】(実施例1〜9、比較例1〜6)各例にお
いて、表1に示す鋼板に、所定量のシリカを混合したク
ロメート処理液を塗布、乾燥してクロメート皮膜を形成
し、種々の処理鋼板を作製した。得られた処理鋼板につ
いて、下記の方法にしたがって、耐食性、耐指紋性、摺
動性および導電性の評価試験を行った。結果を表1に示
す。
いて、表1に示す鋼板に、所定量のシリカを混合したク
ロメート処理液を塗布、乾燥してクロメート皮膜を形成
し、種々の処理鋼板を作製した。得られた処理鋼板につ
いて、下記の方法にしたがって、耐食性、耐指紋性、摺
動性および導電性の評価試験を行った。結果を表1に示
す。
【0029】(1)耐食性試験方法 塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を行い、白錆発
生までに要する時間を耐食性の指標として測定した。
生までに要する時間を耐食性の指標として測定した。
【0030】(2)耐指紋性試験方法 カラーコンピューターを用いて、L、aおよびb値を測
定した後、白色ワセリン(キシダ化学(株)製)を表面
に塗布し、拭き取った後、再度、L、aおよびb値を測
定し、次式で示されるΔEを求めて評価した。
定した後、白色ワセリン(キシダ化学(株)製)を表面
に塗布し、拭き取った後、再度、L、aおよびb値を測
定し、次式で示されるΔEを求めて評価した。
【数1】 (式中のΔa、ΔbおよびΔLは、それぞれ白色ワセリ
ン塗布前後のa、bおよびL値の差を示す)
ン塗布前後のa、bおよびL値の差を示す)
【0031】(3)摺動性 多機能慴動試験機を用いて、加圧力:1kgf/m
m2 、摺動速度:20mm/sで平面慴動試験を行い、
動摩擦係数μを指標として測定した。
m2 、摺動速度:20mm/sで平面慴動試験を行い、
動摩擦係数μを指標として測定した。
【0032】(4)導電性 表面抵抗計を用い、1mAの電流を流したときの抵抗値
(Ω)を測定した。
(Ω)を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のクロメート処理鋼板は、耐食
性、耐指紋性および摺動性に優れたものである。また、
本発明の処理鋼板において、クロメート皮膜は、有機樹
脂を含有しておらず、かつ全クロメート層の付着量も1
0〜200mg/m2 と非常に薄いため、電気抵抗が低
く、スポット溶接、アース性等の導電性に関する問題が
ない利点がある。
性、耐指紋性および摺動性に優れたものである。また、
本発明の処理鋼板において、クロメート皮膜は、有機樹
脂を含有しておらず、かつ全クロメート層の付着量も1
0〜200mg/m2 と非常に薄いため、電気抵抗が低
く、スポット溶接、アース性等の導電性に関する問題が
ない利点がある。
Claims (1)
- 【請求項1】鋼板の表面にクロメート皮膜を有するクロ
メート処理めっき鋼板であって、少なくとも一方の表面
のクロメート皮膜が鋼板側の第1クロメート層と表面側
の第2クロメート層との2層からなり、第1クロメート
層と第2クロメート層の合計のクロメート付着量が金属
クロム換算で10〜200mg/m2 であり、第1クロ
メート層/第2クロメート層のクロム付着量比が50/
50〜90/10であり、かつ第1クロメート層は、湿
式シリカをSiO2 /Crの重量比が1〜6の割合で含
有し、第2クロメート層はシリカを含有しない層であ
る、耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート
処理鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25276396A JPH10102263A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25276396A JPH10102263A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート処理鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10102263A true JPH10102263A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17241962
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25276396A Withdrawn JPH10102263A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 耐指紋性、耐食性および摺動性に優れたクロメート処理鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10102263A (ja) |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25276396A patent/JPH10102263A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |