JPH10104554A - 高含水ソフトコンタクトレンズおよびその製造方法 - Google Patents

高含水ソフトコンタクトレンズおよびその製造方法

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JPH10104554A
JPH10104554A JP20778397A JP20778397A JPH10104554A JP H10104554 A JPH10104554 A JP H10104554A JP 20778397 A JP20778397 A JP 20778397A JP 20778397 A JP20778397 A JP 20778397A JP H10104554 A JPH10104554 A JP H10104554A
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methacrylate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的に透明でかつ優れた機械的強度を有す
る高含水コンタクトレンズとその製造方法の提供 【解決手段】 モノマー用希釈剤の存在下、コンタクト
レンズ用モノマーを重合させ、得られた重合体中に含ま
れる上記希釈剤を水溶液と置換することにより含水ソフ
トコンタクトレンズを製造する方法であって、前記希釈
剤がトリエチレングリコール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノメ
チルエーテルからなる群から選ばれる1種または2種以
上の化合物である製造方法。(1)2-ヒドロキシエチル
メタクリレート、N-ビニル-2- ピロリドン及びN,N-ジメ
チルアクリルアミドからなる群から選ばれる2種以上の
親水性モノマー、(2)アルキルメタクリレート、及び
(3)架橋性モノマーを主成分として含有するコンタク
トレンズ用モノマーの共重合体と水溶液とからなる含水
コンタクトレンズであって、含水率が50〜70%であ
り、かつ突き抜き強度が1100gf/mm 以上である含水コン
タクトレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水率が50〜7
0%である高含水ソフトコンタクトレンズ及びその製造
方法に関する。さらに詳しくは、水または生理食塩水な
どで置換できる希釈剤の存在下、モノマー混合液を重合
し、得られる重合体中に含まれる希釈剤を水または生理
食塩水などで置換することにより、高含水コンタクトレ
ンズを得る方法であって、特に、優れた透明性と高い機
械的強度とを有する高含水コンタクトレンズを製造でき
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ソフ
トコンタクトレンズは、その材料のしなやかさに起因し
て装用感が良いことが知られている。特に、含水率が高
いソフトコンタクトレンズ程、装用感が良好であると言
われている。しかしながら、高含水ソフトコンタクトレ
ンズは、一般に強度が小さく、そのため取り扱いが困難
であるといった欠点を有している。通常、ソフトコンタ
クトレンズは共重合物を、切削、研磨し、これを水に膨
潤させることより得る、切削研磨法により製造されてい
る。この切削研磨法により高含水ソフトコンタクトレン
ズを製造した場合、加工中に共重合物が大気中の水分を
吸収するため、目的とするレンズの達成率を高めること
は容易ではない。また、切削研磨法は、これらの問題に
加え、ベースカーブ、フロントカーブ、およびエッジ部
分などを切削、研磨するという精密さを要する工程を数
多く含むため、コンタクトレンズを大量に製造するには
不向きである。
【0003】それに対して、切削研磨が不要で、大量生
産に適したコンタクトレンズの製造方法として、コンタ
クトレンズ製造用モールド型を用いてキャスト重合する
方法が知られている。しかしこの方法は、体積の小さな
型中の界面重合において、モールド型に吸着している酸
素分子の影響を受け、重合が阻害され、強度低下や透明
性の低下、特に白濁が起こる場合がある。また、この方
法で高含水ソフトコンタクトレンズを製造した場合、レ
ンズの膨潤過程における伸び率が高いため、レンズパラ
メータの精密な制御が難しいという問題もある。そこで
最近、このキャスト重合を用い、しかもパラメータの一
定した高含水ソフトコンタクトレンズを製造する方法が
用いられている。この方法は、レンズモノマーを、モノ
マーの重合を阻害しないモノマー用希釈剤の存在下、重
合し、得られた重合体を水や生理食塩水等と置換するこ
とによりコンタクトレンズを得るものである。この方法
では、レンズの膨潤率を抑えることができ、レンズパラ
メータの精密な制御が容易になる。
【0004】例えば、特開平6−289331号(以
下、先行技術1という)には、親水性モノマーを、純
水、ジオキサン、ジメチルスルフォキサイドから選ばれ
る水溶性溶液の存在下で重合することによりコンタクト
レンズを注型重合する方法が開示されている。重合混合
物中の水溶性溶液の含量は、共重合可能な単量体100
重量部当たり30〜80重量部であることが推奨されて
いる。特公平4−49093号(以下、先行技術2とい
う)は、アクリル酸系またはメタクリル酸系単量体を、
水で置換し得るホウ酸エステルからなる混合物の存在下
で重合することによりコンタクトレンズを静止注型する
方法を開示する。ホウ酸エステルとしては、グリセロー
ル、ソルビトール、プロピレングリコールまたはそれら
の混合物のホウ酸エステルが例示されている。
【0005】特開平4−110311号(以下、先行技
術3という)は、主要な割合の親水性(メタ)アクリレ
ートエステルモノマー、そのアルキル基が少なくとも4
つの炭素原子を含むアルキルメタアクリレート、および
橋かけモノマーを水で置換できる希釈剤の存在下、注型
重合してコンタクトレンズを得ることを開示している。
ここで希釈剤は、ある種の2価アルコールのホウ酸エス
テルである。米国特許第3,699,089号(以下、
先行技術4という)は、親水性モノマーを水または水混
和性溶媒の存在下、重合することによってソフトコンタ
クトレンズを回転注型することを開示している。ここで
水混和性溶媒は、エチレングリコール、グリセロール、
ジオキサンなどである。上記先行技術の開示から明らか
なように、溶媒または希釈剤は、光学的に透明でかつ優
れた機械的強度を有するコンタクトレンズを得るため
に、モノマーの種類に応じて適宜選択されている。
【0006】本発明者らの検討によれば、上記先行技術
に開示された方法で用いられている希釈剤の存在下で、
親水性モノマーおよびアルキルメタクリレートからなる
モノマーを注型重合し、かつ希釈剤(または溶媒)の置
換を行うことでは、前述の光学的に透明でかつ優れた機
械的強度を有するコンタクトレンズを得ることは極めて
困難であった。上記先行技術の方法では、光学的に不透
明であるレンズや機械的強度の低いレンズしか得られな
かった。
【0007】そこで本発明の目的は、親水性モノマーお
よびアルキルメタクリレートからなるモノマーの重合体
からなる高含水ソフトコンタクトレンズであって、光学
的に透明でかつ優れた機械的強度を有する高含水コンタ
クトレンズとその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術に鑑みて高含水性であって優れた透明性と高い機械
的強度を有するソフトコンタクトレンズを、量産に適し
た注型重合で製造できないか鋭意研究を重ねた。その結
果、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノメ
チルエーテルを希釈剤として用いることで、上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、モノマー用希釈剤の
存在下、コンタクトレンズ用モノマーを重合させ、得ら
れた重合体中に含まれる上記希釈剤を水溶液と置換する
ことにより含水ソフトコンタクトレンズを製造する方法
であって、前記希釈剤がトリエチレングリコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレ
ングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれ
る1種または2種以上の化合物であることを特徴とする
製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明は、モノマー用希釈剤の存在下、コンタクト
レンズ用モノマーを重合させ、得られた重合体中に含ま
れる上記希釈剤を水溶液と置換することにより含水ソフ
トコンタクトレンズを製造する方法である。このような
希釈剤を用いる方法自体は公知であって、本発明の方法
においても、重合方法や条件、希釈剤と置換する水溶液
や置換方法等は、従来の方法をそのまま利用することが
できる。具体的な方法については後述する。
【0011】本発明の特徴は、前記希釈剤がトリエチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテルか
らなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物であ
ることである。これらの希釈剤を用いることで、重合後
にコンタクトレンズ中の希釈液を水や生理食塩水などの
水溶液で置換して含水コンタクトレンズとするときに、
レンズの膨潤率を低く抑え、レンズパラメータを均一に
精密に制御することができる。さらに、これらの希釈剤
は、モールド型中での重合時に発生する重合熱を効果的
に奪い、均一性に優れたコンタクトレンズを得ることに
も効果を発揮する。モノマー用希釈剤は、モノマー用希
釈剤とコンタクトレンズ用モノマーとの合計量に対して
20〜40重量%の範囲で存在させることが適当であ
る。モノマー用希釈剤の量が20重量%未満では、含水
コンタクトレンズとしたときの膨潤率を低く抑えること
が難しくなる傾向がある。また、40重量%を超える
と、得られたレンズの強度が低下する傾向がある。特
に、モノマー用希釈剤の量は25〜35重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0012】本発明の方法では、上記コンタクトレンズ
用モノマーは(1)2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、N-ビニル-2- ピロリドン及びN,N-ジメチルアクリル
アミドからなる群から選ばれる2種以上の親水性モノマ
ー、(2)アルキルメタクリレート、及び(3)架橋性
モノマーを主成分として含有することが適当である。上
記親水性モノマーは、コンタクトレンズの含水率を調節
するために用いられる。特に、2種以上の親水性モノマ
ーを用いることで、高い含水率のコンタクトレンズを得
ることができる。これら親水性モノマーは、モノマー用
希釈剤とコンタクトレンズ用モノマーとの合計量に対し
て50〜75重量%の範囲であることが適当である。親
水性モノマーの量が50重量%未満では、目的とする高
含水ソフトコンタクトレンズを得ることが困難になり、
一方、75重量%を超えると、得られたレンズの強度が
低下する傾向がある。特に、親水性モノマーの量は55
〜70重量%であることが好ましい。
【0013】アルキルメタクリレート(以下、RMAと
いう)は、レンズの機械的強度を向上させる目的で用い
られる。RMAとしては、例えば、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレートまたは両者を用いることがで
きる。RMAは、モノマー用希釈剤とコンタクトレンズ
用モノマーとの合計量に対して3〜20重量%の範囲で
あることが適当である。RMAの量が3重量%未満で
は、機械的強度を十分に向上させることができず、ま
た、20重量%を超えると、レンズの柔軟性が低下した
り、レンズの表面水漏れ性が低下する場合もある。特
に、RMAの量は5〜18重量%であることが好まし
い。
【0014】架橋性モノマーは、コンタクトレンズの変
形の防止および機械的強度の向上を目的として使用され
る。架橋性モノマーは、多価アルコールのジ(メタ)ア
クリレートまたは分子中に少なくとも一つはアリル基を
有するモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種
のモノマーである。多価アルコールのジ(メタ)アクリ
レートの例としては、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。また、分子中に少なくとも一
つはアリル基を有するモノマーとしては、例えば、アリ
ル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイ
ソシアヌレートなどを挙げることができる。尚、本明細
書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート
とメタクリレートの両方を意味する。これら架橋性モノ
マーの使用量は、前記親水性モノマーおよびアルキルメ
タアクリレートの合計量に対して0.1〜2重量%の範
囲であることが適当である。0.1重量%未満では、架
橋性モノマーを導入した効果が現れにくく、2重量%を
超えると、レンズがもろくなり、力学的物性が悪くなる
傾向がある。特に、架橋性モノマーの量は0.25〜1
重量%であることが好ましい。
【0015】さらに本発明においては、得られるコンタ
クトレンズに紫外線吸収能を付与したり、着色するため
に、共重合成分として、例えば重合性紫外線吸収剤、重
合性色素などを用いることができる。前記重合性紫外線
吸収剤の具体例としては、5-クロロ-2-[2-ヒドロキシ-5
-(β- メタクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシ
エチル)]フェニル-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2- ヒド
ロキシ-5-(β- メタクリロイルオキシエチルカルバモイ
ルオキシエチル)]フェニル-2H-ベンゾトリアゾール、5-
クロロ-2-[2-ヒドロキシ-4-(p-ビニルベンジルオキシ-2
- ヒドロキシプロピルオキシ)]フェニル-2H-ベンゾトリ
アゾールなどが挙げられる。
【0016】前記重合性色素の具体例としては、1,4-ビ
ス(4- ビニルベンジルアミノ) アントラキノン、1-p-ヒ
ドロキシベンジルアミノ-4-p- ビニルベンジルアミノア
ントラキノン、1-アニリノ-4- メタクリロイルアミノア
ントラキノンなどが挙げられる。本発明のコンタクトレ
ンズを着色する場合、これらの重合性色素を用いず、建
染め浴に漬け染料のロイコ体をレンズ全体に十分含浸さ
せた後、酸化浴に漬けてロイコ体を酸化体に変えて定着
させる建染め法を用いても差し支えない。その他に着色
剤として、Alcian Blue 8GX やAlcian Green 2GX等のフ
タロシアニン系色素も使用することができる。前記重合
性紫外線吸収剤および重合性色素の配合量は、レンズの
厚さに影響されるため、共重合成分の5重量%以下、特
に好ましくは0.02〜3重量%であることが適当であ
る。配合量が5重量%を超えると、得られるコンタクト
レンズの機械的強度が低下する場合があり、また、紫外
線吸収剤および色素の毒性を考慮すれば、生体に直接接
触するソフトコンタクトレンズとしては適さなくなる傾
向がある。
【0017】本発明においてソフトコンタクトレンズを
製造するに際しては、先ず、上記希釈剤とモノマーを含
む混合液に重合開始剤を添加して十分に攪拌し、均質な
モノマー混合液とする。ここで用いられるラジカル開始
剤としては、一般的なラジカル開始剤として知られてい
る、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物や、
アゾビスバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル
などが挙げられる。これら開始剤の使用量としては、親
水性モノマーおよびアルキルメタアクリレートの合計量
に対し、0.1〜1重量%の範囲であることが適当であ
る。
【0018】上記モノマー混合液は、コンタクトレンズ
製造用モールド型に注入した後重合される。このモール
ド型は、凸面と凹面の曲率をもつ合わせ型であり、金
属、ガラス、樹脂などの材質からなることができる。但
し、重合物の剥離性がよく、耐溶剤性、耐熱性に優れた
材質のものであることが好ましい。また、樹脂製のモー
ルド型は、所望のレンズデザインに必要な形状を有する
モールド型を容易に製造できるため好ましい。これらの
樹脂材料は、成形収縮が低く、金型からの面転写性が良
く、寸法精度及び耐溶剤性に優れるものの中から選択す
ることが好ましく、そのような樹脂材料としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン(TPX)、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、環状オレフィン系共重合体(例えば、「アペル
(APL) 」三井石油化学(株)、「ゼオネックス」日本ゼ
オン(株))、オレフィン・マレイミド共重合体等を挙
げることができる。モールド型を十分に減圧して型表面
の水分や酸素等の反応に影響を及ぼす物質を除去し、窒
素またはアルゴンなどの不活性ガスでパージした後に、
モノマー混合液をモールド型へ注入する。また、モノマ
ー混合液を注入する際には、窒素またはアルゴンなどの
不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
【0019】重合の方法としては、例えば、段階的ある
いは連続的に25〜120℃の温度範囲で昇温し、5〜
24時間で重合を完結させる方法を挙げることができ
る。このとき重合炉内を窒素またはアルゴンなどの不活
性ガスの雰囲気とし、かつ大気圧または加圧状態で重合
することが望ましい。また、重合に際しては、光重合開
始剤を配合した後、紫外線や可視光線などによる光重合
法を適用することも可能である。重合終了後、型から共
重合体を取り出し、共重合体中に含まれる希釈剤を水溶
液と置換することで含水コンタクトレンズを得る。希釈
剤と置換する水溶液は、含水コンタクトレンズに通常含
まれる水溶液であれば良く、例えば、水、生理食塩水ま
たはソフトコンタクトレンズ用保存液等を挙げることが
できる。また、共重合体中の未重合モノマーおよび希釈
剤を効率良く除去するために、まず、レンズに対して膨
潤度の高いアルコールまたはアルコール/水混合液で置
換し、次いで上記水溶液と置換することもできる。
【0020】本発明は、新規の含水コンタクトレンズも
包含する。本発明の含水コンタクトレンズは、前記親水
性モノマー、アルキルメタクリレート、及び架橋性モノ
マーを主成分として含有するコンタクトレンズ用モノマ
ーの共重合体と水溶液とからなる含水コンタクトレンズ
である。親水性モノマー、アルキルメタクリレート及び
架橋性モノマー並びにそれらの使用量(共重合体量)は
前記製造方法で説明したものと同様のものである。さら
に、水溶液の種類も前記製造方法で説明したものと同様
のものである。また、本発明の含水コンタクトレンズ
は、含水率が50〜70%と高いにも係わらず、突き抜
き強度が1100gf/mm 以上と機械的強度も優れている。本
発明の含水コンタクトレンズの含水率は、装着感が優れ
るという観点から、好ましくは55〜70%である。
【0021】以下、実施例により本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 容量100mlのガラス製サンプル瓶に、2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート(以下、HEMAという)18.
75g(37.5重量%)、N-ビニル-2- ピロリドン
(以下、NVPという)13.5g(27重量%)、エ
チルメタクリレート(以下、EMAという)5.25g
(10.5重量%)、トリエチレングリコール(以下、
TEGという)12.5g(25重量%)、ジアリルマ
レエート(以下、DAMという)0.1875g(HE
MA、NVP、EMAの合量に対して0.5重量%)お
よび2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、AI
BNという)0.15g(HEMA、NVP、EMAの
合量に対して0.4重量%)を入れ、十分に攪拌しモノ
マー混合液を調製した。このモノマー混合液を、ポリプ
ロピレン製のコンタクトレンズ形状したモールド型中に
入れ、圧力2(kgf/cm2) の窒素雰囲気中で、25〜11
0℃で15時間重合を行った。重合終了後、モールド型
より重合物を取り出し、多量の蒸留水中に浸漬すること
により希釈剤を除去した。その後、生理食塩水中に浸漬
することにより目的とするコンタクトレンズを得た。得
られたコンタクトレンズは、含水時に透明であり、機械
的強度が良好なものであった。
【0023】このコンタクトレンズを用いて各物性を以
下の方法に従って調べた。その結果を表1に示す。 透明性 25℃の生理食塩水中でのコンタクトレンズを肉眼観察
し、以下の評価に基づき評価した。 〔評価基準〕 ○:透明 △:薄く白濁する ×:強く白濁する
【0024】含水率 水和膨潤後、25℃の生理食塩水中で平衡膨潤に達した
コンタクトレンズの重量をWw、再乾燥(80℃、4時
間)後の重量をDwとしたとき、次式により含水率を算
出した。 含水率(%)={(Ww−Dw)/Ww}×100 膨潤率 重合後、希釈剤を置換する前のレンズの直径をDd、水
和膨潤後、25℃の生理食塩水中で平衡膨潤に達したコ
ンタクトレンズの直径をWdとしたとき、次式により膨
潤率を算出した。 膨潤率(%)={(Wd−Dd)/Dd}×100
【0025】突き抜き強度 ステンレス棒の先端に直径1/16インチのスチールボ
ールを取り付けた突き抜き棒を、インストロン万能材料
試験機4310型に取り付け、25℃の生理食塩水中で
固定されたレンズの中心部分の破断時における突き抜き
荷重(g)を測定した。ただし、表1中の値は、破断時
の突き抜き荷重をレンズの中心厚(mm)で除した値で
ある。なお、測定に用いたレンズの中心厚は、0.10
〜0.12(mm)の範囲にあった。
【0026】実施例2〜10 組成を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様
にしてコンタクトレンズを得た。得られたコンタクトレ
ンズは、含水時に透明であり、機械的強度が良好なもの
であった。
【0027】比較例1(特開平6−289331号(先
行技術1)) 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをジメチ
ルスルホキシド(以下、DMSOという)に変更したほ
かは実施例1と同様にしてコンタクトレンズを得た。得
られたコンタクトレンズは、実施例1で得られたコンタ
クトレンズに比べ、機械的強度の弱いものであった。
【0028】比較例2(特開平4−110311号(先
行技術3)) 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをジエチ
レングリコールホウ酸エステル(1) (以下、DEGホウ
酸という)に変更したほかは実施例1と同様にしてコン
タクトレンズを得た。得られたコンタクトレンズは強く
白濁し、コンタクトレンズとして使用できるものではな
かった。 (1)82.2重量%のジエチレングリコールを17.
8重量%のホウ酸と10mmHgの真空下で80℃の温
度で4時間反応させることによって製造された(特開平
4−110311号、表2中のエステル番21)。
【0029】比較例3(特公平4−49093号(先行
技術2)) 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをグリセ
ロールホウ酸エステル(2) (以下、Glyホウ酸とい
う)に変更した他は実施例1と同様にしてコンタクトレ
ンズを得た。得られたコンタクトレンズは強く白濁し、
コンタクトレンズとして使用できるものではなかった。 (2)73.5重量%のグリセロールを26.5重量%
のホウ酸と10mmHgの真空下で80℃の温度で4時
間反応させることによって製造された(特公平4−49
093号、実施例2の希釈剤)。
【0030】比較例4 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをジエチ
レングリコール(以下、DEGという)に変更したほか
は実施例1と同様にしてコンタクトレンズを得た。得ら
れたコンタクトレンズは、実施例1で得られたコンタク
トレンズに比べ、機械的強度の弱いものであった。
【0031】比較例5(米国特許第3,699,089
号(先行技術4)) 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをエチレ
ングリコール(以下、EGという)に変更したほかは実
施例1と同様にしてコンタクトレンズを得た。得られた
コンタクトレンズは、実施例1で得られたコンタクトレ
ンズに比べ、機械的強度の弱いものであった。
【0032】比較例6(米国特許第3,699,089
号(先行技術4)) 実施例1において、希釈剤として用いたTEGをグリセ
ロール(以下、Glyという)に変更し、実施例1と同
様にモノマー混合液を調製したが、EMAとGlyが分
離し、均一なモノマー混合液を得ることができなかっ
た。
【0033】比較例7(希釈剤を用いない系) 容量100mlのガラス製サンプル瓶にHEMA17.
5g(35重量%)、NVP25g(50重量%)、メ
チルメタクリレート(以下、MMAという)7.5g
(15重量%)、DAM0.25g(HEMA、NV
P、MMAの合量に対して0.5重量%)およびAIB
N0.2g(HEMA、NVP、MMAの合量に対して
0.4重量%)を入れ、十分に攪拌しモノマー混合液を
調製した。その後、実施例1と同様にしてコンタクトレ
ンズを得た。得られたコンタクトレンズは薄く白濁し、
実施例1で得られたコンタクトレンズに比べ膨潤率も大
きく、さらに機械的強度の弱いものであった。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示すように、比較例1、4および5
のコンタクトレンズは希釈剤を用いたことにより膨潤率
は抑えられているものの、機械的強度の弱いものであっ
た。比較例2および3のコンタクトレンズは白濁し、コ
ンタクトレンズとして使用できるものではなかった。比
較例6ではモノマーと希釈剤が分離したため、均一なモ
ノマー混合液を調製することができなかった。比較例7
のコンタクトレンズは薄く白濁し、また希釈剤を用いず
にコンタクトレンズを作製したために膨潤率は大きく、
さらに機械的強度の弱いものであった。
【0036】これに対し、実施例1〜10のコンタクト
レンズは、いずれも透明であり、希釈剤を用いない系
(比較例7)に比べて膨潤率を抑えることができ、さら
に突き抜き強度が1100gf/mm 以上であり、高い機械的強
度を有するものであった。これは、特にトリエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノメチルエーテルらの溶媒を
希釈剤として用いたことによる効果である。
【0037】
【発明の効果】本発明のコンタクトレンズは、高含水性
であって優れた透明性と高い機械的強度を有し、かつ本
発明の製造方法により量産に適した注型重合で製造でき
るという利点がある。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー用希釈剤の存在下、コンタクト
    レンズ用モノマーを重合させ、得られた重合体中に含ま
    れる上記希釈剤を水溶液と置換することにより含水ソフ
    トコンタクトレンズを製造する方法であって、 前記希釈剤がトリエチレングリコール、ジエチレングリ
    コールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコー
    ルモノメチルエーテルからなる群から選ばれる1種また
    は2種以上の化合物であることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 モノマー用希釈剤とコンタクトレンズ用
    モノマーとの合計量に対して20〜40重量%のモノマ
    ー用希釈剤を存在させる請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 コンタクトレンズ用モノマーが(1)2-
    ヒドロキシエチルメタクリレート、N-ビニル-2- ピロリ
    ドン及びN,N-ジメチルアクリルアミドからなる群から選
    ばれる2種以上の親水性モノマー、(2)アルキルメタ
    クリレート、及び(3)架橋性モノマーを主成分として
    含有する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 コンタクトレンズ用モノマーが、モノマ
    ー用希釈剤とコンタクトレンズ用モノマーとの合計量に
    対して50〜75重量%の親水性モノマーと3〜20重
    量%のアルキルメタクリレートを含有する請求項3に記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルキルメタクリレートが、メチルメタ
    クリレートおよび/またはエチルメタクリレートである
    請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 架橋性モノマーが、多価アルコールのジ
    (メタ)アクリレートまたは分子中に少なくとも一つは
    アリル基を有するモノマーからなる群から選ばれる少な
    くとも1種のモノマーである請求項3〜5のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 コンタクトレンズ用モノマーが、親水性
    モノマーおよびアルキルメタクレレートの合計量に対し
    て、0.1〜2重量%の架橋性モノマーを含有する請求
    項3〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 モノマー用希釈剤とコンタクトレンズ用
    モノマーとの混合液をモールド型中に注入し、共重合さ
    せてコンタクトレンズ形状の重合体を得る請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 (1)2-ヒドロキシエチルメタクリレー
    ト、N-ビニル-2- ピロリドン及びN,N-ジメチルアクリル
    アミドからなる群から選ばれる2種以上の親水性モノマ
    ー、(2)アルキルメタクリレート、及び(3)架橋性
    モノマーを主成分として含有するコンタクトレンズ用モ
    ノマーの共重合体と水溶液とからなる含水コンタクトレ
    ンズであって、含水率が50〜70%であり、かつ突き
    抜き強度が1100gf/mm 以上であることを特徴とする含水
    コンタクトレンズ。
  10. 【請求項10】 請求項3〜8のいずれか1項に記載の
    製造方法により製造された含水コンタクトレンズであっ
    て、含水率が50〜70%であることを特徴とする含水
    コンタクトレンズ。
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