JPH10106848A - 誘導電器巻線 - Google Patents

誘導電器巻線

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JPH10106848A
JPH10106848A JP26183996A JP26183996A JPH10106848A JP H10106848 A JPH10106848 A JP H10106848A JP 26183996 A JP26183996 A JP 26183996A JP 26183996 A JP26183996 A JP 26183996A JP H10106848 A JPH10106848 A JP H10106848A
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JP
Japan
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winding
cooling
disk
narrow path
vertical
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JP26183996A
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English (en)
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Masumi Nakatate
真澄 中楯
Takashi Iwabuchi
隆 岩渕
Hiroshi Muramatsu
浩史 村松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却媒体の流れの抵抗を小さくして巻線内を
流れる冷却媒体の流量を増大させると共に複数の水平冷
却路間における冷却媒体の流速分布の最適化を図る。 【解決手段】 内外の絶縁筒1,2の間には、円板巻線
3が絶縁筒1,2の軸方向に複数段積み重ねられる。各
隣接する2つの円板巻線3間には、複数の水平間隔片4
によって複数の扇状の水平冷却路5が放射状に形成され
る。内外の絶縁筒1,2と円板巻線3との間に複数の垂
直間隔片6,7が配置され、複数の円板巻線3にわたっ
て伸びる複数の内側垂直冷却路8と複数の外側垂直冷却
路9が形成される。円板巻線3の複数段毎に、内外の垂
直冷却路8,9の有効幅をそれぞれ狭める内側狭路部材
31と外側狭路部材32とが、交互に且つ円板巻線3の
全周にわたって設けられる。内外の狭路部材31,32
の幅寸法は、内外の垂直冷却路8,9の幅寸法よりもそ
れぞれ狭くされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SF6 ガスあるい
は変圧器油などの絶縁流体を冷却媒体として冷却を行う
誘導電器巻線に係わり、特にその冷却構造の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】変圧器やリアクトルなどの誘導電器に使
用される巻線は、運転時における発熱量が大きい。その
ため、一般的に、巻線周辺に冷却路を形成し、この冷却
路にSF6 ガス、絶縁油、パーフロロカーボンなどの絶
縁流体を冷却媒体として流し、巻線の冷却を行ってい
る。以下には、図13〜図15を参照してこのような冷
却構造を有する変圧器の巻線について説明する。ここ
で、図13は、変圧器の巻線の一例を示す平面図、図1
4と図15は、図13のY矢視断面における構成の2つ
の例をそれぞれ示す断面図である。
【0003】まず、図13に示すように、同軸状に配置
された内側絶縁筒1と外側絶縁筒2との間には、導体を
巻回してなる円板巻線3が同軸状に配置されている。こ
の円板巻線3は、図14あるいは図15に示すように、
絶縁筒1,2の軸方向に複数段積み重ねられている。
【0004】また、図13に示すように、各隣接する2
つの円板巻線3間には、複数の水平間隔片4が放射状に
等間隔で配置されており、これによって、円板巻線3の
半径方向に向かって複数の扇状の水平冷却路5が放射状
に形成されている。さらに、内側絶縁筒1と円板巻線3
との間、および外側絶縁筒2と円板巻線3との間には、
複数の内側垂直間隔片6および複数の外側垂直間隔片7
が、水平間隔片4に対応する円板巻線3の内外周上に配
置されている。これにより、円板巻線3の内側と外側に
は、円板巻線3の軸方向(上下方向)に沿って伸びる複
数の直線状の内側垂直冷却路8および複数の直線状の外
側垂直冷却路9がそれぞれ形成されている。すなわち、
この複数の内側垂直冷却路8と複数の外側垂直冷却路9
の各々は、複数の水平冷却路5の各々を個別に連通する
ように形成されている。
【0005】そして、図14に示す例においては、円板
巻線3の複数段毎に、内側垂直冷却路8を閉塞してこの
内側垂直冷却路8から水平冷却路5にわたって伸びる内
側閉塞板11と、外側垂直冷却路9を閉塞してこの外側
垂直冷却路9から水平冷却路5にわたって伸びる外側閉
塞板12とが、交互に、且つ円板巻線3の全周にわたっ
て設けられている。そしてこのように、円板巻線3の複
数段毎に内側閉塞板11と外側閉塞板12を交互に配置
したことにより、内側垂直冷却路8および外側垂直冷却
路9を交互に閉塞して、閉塞板11,12毎に水平冷却
路5における絶縁流体の流入口および流出口の位置を逆
転させ、水平冷却路5内における絶縁流体の流れ方向を
逆転させるように構成されている。すなわち、内側閉塞
板11と外側閉塞板12によって区分される冷却区域毎
に、絶縁流体の流れ方向が逆転することになる。
【0006】この場合、図14においては、下から上に
向かって、4つの冷却区域21〜24が示されている
が、絶縁流体は、第1の冷却区域21では内側から外側
に向かって流れ、内側閉塞板11によって逆転し、第2
の冷却区域22では外側から内側に向かって流れる。さ
らに、絶縁流体は、外側閉塞板12によって逆転し、第
3の冷却区域23では内側から外側に向かって流れ、続
いて、内側閉塞板11によって逆転し、第4の冷却区域
では外側から内側に向かって流れる。このように、絶縁
流体は、冷却区域21〜24毎に流れ方向を逆転し、内
側絶縁筒1と外側絶縁筒2の間をジグザグ状に流れる形
で各円板巻線3の間を流れ、巻線全体の冷却を行うこと
になる。
【0007】また、図15に示す例においては、円板巻
線3の複数段毎に、内側垂直冷却路8を閉塞する内側閉
塞栓13と、外側垂直冷却路9を閉塞する外側閉塞栓1
4とが、交互に、且つ円板巻線3の全周にわたって設け
られている。そしてこのように、図14の内側閉塞板1
1と外側閉塞板12の代わりに、内側閉塞栓13と外側
閉塞栓14を配置した場合においても、図14と同じよ
うな絶縁流体の流れが得られる。すなわち、絶縁流体
は、冷却区域21〜24毎に流れ方向を逆転し、内側絶
縁筒1と外側絶縁筒2の間をジグザグ状に流れる形で各
円板巻線3の間を流れ、巻線全体の冷却を行うことにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような構成を有する従来の変圧器の巻線には、次のよう
な問題点がある。すなわち、図14の内側閉塞板11と
外側閉塞板12、あるいは図15の内側閉塞栓13と外
側閉塞栓14とによって形成された各冷却区域21〜2
4内において、各水平冷却路5に分流する絶縁流体の流
速は、流出口付近となる上部で大きく、流入口付近とな
る下部で小さくなる傾向がある。
【0009】そのため、図14あるいは図15に示す巻
線の各冷却区域21〜24内において、各水平冷却路5
の流速分布20は、図14中あるいは図15中に破線の
矢印で示されるような状態となる。この場合、破線の長
さの比は、流速の大きさを示している。
【0010】したがって、各冷却区域21〜24内にお
いて、絶縁流体の流出口付近となる上部に配置される円
板巻線3に比べて、絶縁流体の流入口付近となる下部に
配置される円板巻線3の冷却が十分に行われないという
問題がある。
【0011】その結果、内側閉塞板11と外側閉塞板1
2、あるいは、内側閉塞栓13と外側閉塞栓14を取り
付けて、巻線に絶縁流体をジグザグ状に流すように構成
したにもかかわらず、期待される各円板巻線3の一様な
冷却効果は得られず、巻線の温度上昇を均一化すること
ができず、冷却効率が低くなる。また、各冷却区域21
〜24内の流入口付近となる下部において局部的に過度
の温度上昇が発生し、巻線に使用されている絶縁物を劣
化させ、変圧器の寿命を短縮してしまうなどの問題が生
ずる。
【0012】また、複数の導体を巻回して構成された一
般的な円板巻線においては、最も下部の数セクションと
最も上部の数セクションの、且つ、最も内周側と最も外
周側の導体で発熱が大きい傾向を持つ。このため、巻線
上下部に位置する円板巻線の端部の導体においても、局
部的に過度の温度上昇が発生しやすくなり、絶縁物の劣
化などの問題が生ずることになる。
【0013】このような問題の対策として、円板巻線3
を形成している導体の断面積を大きくして電流密度を下
げることや、絶縁流体の水平冷却路5内の最低流速を基
準とした巻線冷却設計を行うことが考えられるが、いず
れの場合も変圧器を大型化させてしまう欠点がある。ま
た、内側閉塞板11の外側閉塞板12、あるいは内側閉
塞栓13と外側閉塞栓14の配置間隔を小さくして水平
冷却路5の流速を高くすることも考えられるが、この場
合は、流れの抵抗が増大するのに伴って流量が減少して
しまい、巻線上部の温度が結果的に高くなってしまう欠
点がある。さらに、この場合、前者の内側閉塞板11と
外側閉塞板12を用いた場合には、必要以上に巻線全体
の高さが高くなってしまう欠点があり、後者の内側閉塞
栓13と外側閉塞栓14を用いた場合には、これらの閉
塞栓の固定構造上の作業性や信頼性にも問題がある。な
お、以上のような問題点は、変圧器の巻線に限らず、同
様の構造を有するリアクトルなどの誘導電器の巻線一般
に存在している。
【0014】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
冷却媒体の流れの抵抗を小さくして巻線内を流れる冷却
媒体の流量を増大させると共に複数の水平冷却路間にお
ける冷却媒体の流速分布の最適化を図るか、あるいは、
過度の温度上昇が発生しやすい部分の冷却効率を局部的
に向上することにより、巻線全体を良好に冷却して巻線
全体の温度の均一化を図ることが可能な、冷却効率に優
れた小型の誘導電器巻線を提供することである。
【0015】より具体的に、請求項1記載の発明の目的
は、巻線全体の高さを高くすることなく冷却媒体をジグ
ザグ状に流し、さらに全体の流れの抵抗を増加させるこ
となくジグザグ状の冷却区域を細かく形成してその数を
増やすことにより、巻線内を流れる冷却媒体の流量を増
大させると共に、最も冷却媒体が流れにくい冷却区域下
部の水平冷却路の流速を上昇させて、複数の水平冷却路
間における冷却媒体の流速分布を均一化することであ
る。
【0016】請求項2記載の発明の目的は、請求項1記
載の発明の目的を達成するために用いる狭路部材の固定
構造を簡略化すると共に、垂直冷却路内に容易かつ確実
に固定可能とすることである。請求項3記載の発明の目
的は、狭路部材とこの狭路部材を取り付ける垂直間隔片
の形状を規格化し、製作および組立作業を容易にするこ
とである。
【0017】請求項4記載の発明の目的は、狭路部材の
断面積を適切に設定することにより、この狭路部材の機
能をより向上させることである。請求項5および6記載
の発明の目的は、狭路部材の配置間隔を適切に設定する
ことにより、この狭路部材の機能を有効に活用して水平
冷却路を流れる冷却媒体の流速分布を適切に調整するこ
とである。請求項7および8記載の発明の目的は、狭路
部材の配置部分に位置する円板巻線を調整することによ
り、冷却媒体の最高流速を低下させ、複数の水平冷却路
間における冷却媒体の流速分布を均一化すると共に、巻
線内を流れる冷却媒体の流量を増大させることである。
【0018】請求項9記載の発明の目的は、従来方式で
ある閉塞板を用いた巻線において、閉塞板とその上下に
位置する円板巻線を調整することにより、冷却媒体の最
高流速を低下させ、複数の水平冷却路間における冷却媒
体の流速分布を均一化すると共に、巻線内を流れる冷却
媒体の流量を増大させることである。請求項10記載の
発明の目的は、特に過度の温度上昇が発生しやすい部分
の円板巻線を調整してこの部分の冷却効率を局部的に向
上することにより、巻線の最高温度を低下させて巻線全
体の温度の均一化を図ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による誘導電器巻
線は、内側と外側の絶縁筒の間に、導体を巻回してなる
複数の円板巻線を積み重ねて配置し、各隣接する2つの
円板巻線間に複数の水平間隔片を介在させて複数の水平
冷却路を放射状に形成すると共に、内側の絶縁筒と円板
巻線との間および外側の絶縁筒と円板巻線との間に複数
の垂直間隔片をそれぞれ介在させて、複数の水平冷却路
を連通する内側と外側の複数の垂直冷却路をそれぞれ形
成した誘導電器巻線において、冷却路が次のように構成
されたことを特徴とするものである。
【0020】請求項1記載の発明は、円板巻線の複数段
毎に、内側の垂直冷却路の有効幅を狭める内側の狭路部
材と外側の垂直冷却路の有効幅を狭める外側の狭路部材
とが、交互に且つ円板巻線の全周にわたって配置され、
各狭路部材の幅寸法は、それが配置される垂直冷却路の
幅寸法よりも狭いことを特徴としている。
【0021】以上のような構成を有する請求項1記載の
発明によれば、狭路部材を設置して垂直冷却路の断面積
を絞ることにより、一部の冷却媒体は水平冷却路に流
れ、残りの冷却媒体は垂直冷却路をそのまま上昇するこ
とになる。この場合、内外の垂直冷却路に交互に設置し
た狭路部材により巻線全体の高さを高くすることなしに
ジグザグ状に流れる複数の冷却区域が構成されるため、
巻線全体を大型化することなしに良好に冷却することが
できる。その一方で、垂直冷却路をそのまま上昇する流
量に応じて各冷却区域間における流れの抵抗を低減でき
るため、巻線内を流れる冷却媒体の全流量を増大させる
ことができる。したがって、巻線の高さを増大させるこ
となく、且つ、巻線全体の流れの抵抗を増大させること
なしに、狭路部材の配置間隔を小さくして水平冷却路の
最低流速を上昇させることができる。
【0022】請求項2および3記載の発明は、請求項1
記載の発明の構成において、垂直間隔片と狭路部材が次
のように構成されたことを特徴としている。まず、請求
項2記載の発明においては、複数の垂直間隔片にそれぞ
れ凹部が設けられ、この凹部内に狭路部材が取り付けら
れる。また、請求項3記載の発明において、垂直間隔片
に設けられた凹部の断面形状と狭路部材の断面形状は、
円形と角形の中から選択された形状とされる。
【0023】以上のような構成を有する請求項2および
3記載の発明によれば、垂直間隔片に設けた凹部内に狭
路部材を取り付けるという簡略な固定構造によって、狭
路部材を垂直冷却路内に容易かつ確実に固定できる。ま
た、請求項3記載の発明によれば、凹部の断面形状と狭
路部材の断面形状を円形または角形にそれぞれ規格化す
ることにより、これらの部材の製作および組立作業を容
易に行うことができる。なお、凹部は、具体的には、切
り込みや穴等として形成される。また、狭路部材は、単
一の部材で構成することも可能であるが、複数の部材を
繋ぎ合わせて構成することも可能である。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成において、狭路部材の断面積が、垂直冷却路の
断面積の50%〜90%であることを特徴としている。
以上のような構成を有する請求項4記載の発明によれ
ば、狭路部材の断面積を、垂直冷却路の断面積に対して
適切な範囲に限定することにより、狭路部材の配置部分
でそのまま垂直冷却路を上昇する流量と水平冷却路に流
れ込む流量とを適切に制御することができる。なお、狭
路部材の断面積は、狭路部材と垂直冷却路の幅寸法の比
を適宜設定することにより容易に調整可能である。
【0025】請求項5および6記載の発明は、請求項1
記載の発明の構成において、狭路部材の配置間隔が次の
ように設定されたことを特徴としている。まず、請求項
5記載の発明においては、内側と外側の狭路部材間に形
成される各冷却区域について、その冷却区域を構成する
水平冷却路の幅寸法の和をΣSh、垂直冷却路の幅寸法
をSvとした際に、冷却路を流れる冷却媒体が絶縁ガス
である場合には、ΣSh/Sv≦1、となり、冷却路を
流れる冷却媒体が絶縁油である場合には、ΣSh/Sv
≦3、となるように狭路部材が配置される。また、請求
項6記載の発明において、狭路部材は、内側と外側の狭
路部材間に形成される各冷却区域内の前記水平冷却路の
幅寸法の和が、巻線の下部から上部に向かって小さくな
るように配置される。
【0026】以上のような構成を有する請求項5および
6記載の発明によれば、狭路部材の配置間隔を適切に設
定することができるため、複数の水平冷却路間における
冷却媒体の流速分布を適切に調整することができる。ま
ず、請求項5記載の発明によれば、垂直冷却路の幅寸法
と各冷却区域を構成する水平冷却路の幅寸法の和との割
合(ΣSh/Sv)を、SF6 ガス等の絶縁ガスを冷却
媒体とするガス絶縁変圧器の場合には1以下に、絶縁油
を冷却媒体とする油入変圧器の場合には3以下に、それ
ぞれ限定することにより、冷却区域内の流入部付近の水
平冷却路を流れる冷却媒体の最低流速を効率よく上昇さ
せることができる。また、請求項6記載の発明によれ
ば、狭路部材の配置間隔を巻線の下部から上部に向かっ
て小さくすることにより、冷却媒体の温度が高くなる巻
線上部ほど冷却区域内の水平冷却路を流れる冷却媒体の
流速を上昇させることができ、巻線全体を効率良く冷却
できる。
【0027】請求項7および8記載の発明は、請求項1
記載の発明の構成において、狭路部材の配置部分に位置
する円板巻線が次のように調整されたことを特徴として
いる。まず、請求項7記載の発明において、狭路部材の
配置部分に位置する円板巻線の半径方向の長さは、他の
部分の円板巻線に比べて小さくされる。また、請求項8
記載の発明において、狭路部材の配置部分に位置する円
板巻線には、その導体間に隙間が設けられる。
【0028】以上のような構成を有する請求項7および
8記載の発明によれば、狭路部材の配置部分に位置する
円板巻線を調整することにより、垂直冷却路のこの部分
を流れる冷却媒体の最高流速を低下させることができ
る。まず、請求項7記載の発明によれば、狭路部材の配
置部分に位置する円板巻線の半径方向の長さを調整する
ことにより、この部分における内外の垂直冷却路の断面
積の和が大きくなり、この部分を通過する冷却媒体の流
速が低下することになる。また、請求項8記載の発明に
よれば、狭路部材の配置部分に位置する円板巻線の導体
間に隙間を設けたことにより、この部分における内外の
垂直冷却路と隙間の断面積の和が大きくなり、この部分
を通過する冷却媒体の流速が低下することになる。この
ように、請求項7および8記載の発明においては、いず
れも、冷却媒体の最高流速を低下させることができるた
め、巻線全体の流れの抵抗を低減することができ、巻線
内を流れる冷却媒体の流量を増大させることができる。
なお、この場合、円板巻線の導体間には、一箇所あるい
は複数箇所の隙間を選択的に設けることが可能である。
【0029】請求項9記載の発明は、特に、円板巻線の
複数段毎に、内側の垂直冷却路から水平冷却路にわたる
内側の閉塞板と、外側の垂直冷却路から水平冷却路にわ
たる外側の閉塞板とを、交互に且つ円板巻線の全周にわ
たって設け、これらの閉塞板によって複数の冷却区域を
形成した誘導電器巻線において、閉塞板とその上下に位
置する円板巻線が次のように調整されたことを特徴とし
ている。すなわち、請求項9記載の発明において、内側
の閉塞板とその上下に位置する各円板巻線の外径寸法
は、他の部分の円板巻線に比べて小さく、且つ、外側の
閉塞板とその上下に位置する各円板巻線の内径寸法は、
他の部分の円板巻線に比べて大きくされる。
【0030】以上のような構成を有する請求項9記載の
発明によれば、内側の閉塞板とその上下に位置する各円
板巻線の外径寸法と、外側の閉塞板とその上下に位置す
る各円板巻線の内径寸法を調整することにより、この閉
塞板配置部分における垂直冷却路の断面積が大きくな
り、この部分を通過する冷却媒体の流速が低下すること
になる。すなわち、垂直冷却路における冷却媒体の最高
流速が低下するため、巻線全体の流れの抵抗を低減する
ことができ、巻線内を流れる冷却媒体の流量を増大させ
ることができる。
【0031】請求項10記載の発明は、特に発熱量が大
きい部分の円板巻線が次のように調整されたことを特徴
としている。すなわち、請求項10記載の発明におい
て、円板巻線のうち、上下方向における最も端部に位置
する複数の円板巻線の半径方向の端部には、その導体間
に隙間が設けられる。
【0032】以上のような構成を有する請求項10記載
の発明によれば、過度の温度上昇が発生しやすい上下端
部の複数の円板巻線において、特に過度の温度上昇が発
生しやすい半径方向端部の導体間に隙間を設けたことに
より、この部分の冷却面の面積を局部的に増大して効率
良く冷却できるため、巻線の最高温度を効果的に低下さ
せることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下には、本発明による誘導電器
巻線の複数の実施の形態について、図1〜図12を参照
して具体的に説明する。なお、図13〜図15に示す従
来例と同一部分については、同一符号を付している。
【0034】[1.第1の実施の形態…図1〜図2] [1−1.構成]図1および図2は、請求項1記載の発
明を変圧器の巻線に適用した第1の実施の形態を示す図
であり、図1は図2のX矢視断面図、図2は平面図であ
る。まず、図2に示すように、同軸状に配置された内側
絶縁筒1と外側絶縁筒2との間には、導体を巻回してな
る円板巻線3が同軸状に配置されている。この円板巻線
3は、図1に示すように、絶縁筒1,2の軸方向に複数
段積み重ねられている。
【0035】また、図2に示すように、各隣接する2つ
の円板巻線3間には、複数の水平間隔片4が放射状に等
間隔で配置されており、これによって、円板巻線3の半
径方向に向かって複数の扇状の水平冷却路5が放射状に
形成されている。さらに、内側絶縁筒1と円板巻線3と
の間、および外側絶縁筒2と円板巻線3との間には、複
数の内側垂直間隔片6および複数の外側垂直間隔片7
が、円板巻線3の水平間隔片4の配置部分の内外周上に
それぞれ配置されている。これにより、円板巻線3の内
側と外側には、複数の円板巻線3にわたってその軸方向
(上下方向)に伸びる複数の直線状の内側垂直冷却路8
および複数の直線状の外側垂直冷却路9がそれぞれ形成
されている。すなわち、この複数の内側垂直冷却路8と
複数の外側垂直冷却路9の各々は、複数の水平冷却路5
の各々を個別に連通するように形成されている。
【0036】このような構成に加えて、本実施の形態に
おいては、図1に示すように、円板巻線3の複数段毎
に、内側垂直冷却路8の有効幅を狭める内側狭路部材3
1と、外側垂直冷却路9の有効幅を狭める外側狭路部材
32とが、交互に且つ円板巻線3の全周にわたって設け
られている。この場合、内側狭路部材31の幅寸法は、
内側垂直冷却路8の幅寸法よりも狭くされており、外側
狭路部材32の幅寸法は、外側垂直冷却路9の幅寸法よ
りも狭くされている。
【0037】[1−2.作用]以上のような構成を有す
る本実施の形態の作用は次の通りである。まず、本実施
の形態の巻線においては、内外の狭路部材31,32に
より内外の垂直冷却路8,9の断面積が絞られているた
めに、一部の絶縁流体は水平冷却路5に流れ、残りの絶
縁流体は内外の垂直冷却路8,9をそのまま上昇するこ
とになる。この場合、狭路部材31,32が内外の垂直
冷却路8,9に、交互に設けられていることにより、図
13および図14に示した従来例と同様に、ジグザグ状
に流れる複数の冷却区域21〜27(図1)が構成され
ている。
【0038】すなわち、図1において、絶縁流体は、第
1の冷却区域21では内側狭路部材31によって水平冷
却路5を内側から外側へ向かって流れ、第2の冷却区域
22では外側狭路部材32によって流れが逆転し、水平
冷却路5を外側から内側へ向かって流れる。さらに、第
3の冷却区域23および第5の冷却区域25では内側か
ら外側へ向かって流れ、第4の冷却区域24および第6
の冷却区域26では外側から内側へ向かって流れる。こ
のように、絶縁流体は、冷却区域21〜27毎に流れ方
向を逆転し、内側絶縁筒1と外側絶縁筒2の間をジグザ
グ状に流れる形で各円板巻線3の間を流れ、巻線全体の
冷却を行うことになる。
【0039】ここで、本実施の形態の各冷却区域21〜
27内において、各水平冷却路5に分流する絶縁流体の
流速は、流出口付近となる上部で大きく、流入口付近と
なる下部で小さい傾向があるが、本実施の形態では、内
外の狭路部材31,32の配置間隔を小さくしているた
め、水平冷却路5の流速を上昇させて水平冷却路5間に
おける絶縁流体の流速の差を小さくすることができる。
【0040】この場合、図14および図15に示したよ
うな垂直冷却路8,9を閉塞する部材(閉塞板11,1
2や閉塞栓13,14)を使用してその配置間隔を小さ
くした場合には、前述したように、流れの抵抗が増大す
るのに伴って巻線内を流れる全流量が減少してしまう。
これに対し、本実施の形態では、各狭路部材31,32
の幅を、それが配置される各垂直冷却路8,9の幅より
も狭くしているため、前述したように、この狭路部材3
1,32の配置部分において絶縁流体の一部は各狭路部
材31,32を越えて各垂直冷却路8,9内をそのまま
上昇することになる。そして、このように、水平冷却路
5に流入せずにそのまま垂直冷却路8,9を上昇する流
量の割合が大きいほど、流れの抵抗が小さくなり、その
結果、巻線内を流れる絶縁流体の全流量を増大させるこ
とができる。
【0041】したがって、本実施の形態によれば、巻線
全体の流れの抵抗を増大させることなしに、内側狭路部
材31と外側狭路部材32の配置間隔を小さくして、水
平冷却路5の最低流速を上昇させることができる。さら
に、図14に示したように、円板巻線3間に閉塞板1
1,12を配置した場合に比べて、狭路部材31,32
は円板巻線3の内外周の空きスペースを利用して配置さ
れ、各円板巻線3の間には水平間隔片4以外は何も配置
されないことになるため、巻線全体の高さが高くするこ
ともない。
【0042】[1−3.効果]以上のように、本実施の
形態によれば、内外の垂直冷却路8,9の幅寸法よりも
狭い狭路部材31,32を各垂直冷却路8,9に交互に
配置して、絶縁流体の一部を上昇させるようにしたこと
により、巻線全体の流れの抵抗を増大させることなく、
且つ、巻線全体の高さを高くすることなしに、内外の狭
路部材31,32の配置間隔を小さくして水平冷却路5
内の最低流速を上昇させることができる。その結果、各
冷却区域21〜27内の複数の水平冷却路5の流速分布
20は、図中破線の矢印で示されるようにかなり均一化
され、巻線全体の冷却効率を向上させることができる。
したがって、各冷却区域21〜27内における下部の円
板巻線3の温度上昇を小さく抑えることが可能になり、
従来問題となっていた局部的な過度の温度上昇の発生を
防止することができ、巻線全体の温度を均一化できる。
さらに、巻線が大型化することもない。
【0043】[2.第2の実施の形態…図3]図3は、
請求項3記載の発明を変圧器の巻線に適用した第2の実
施の形態を示す断面斜視図である。本実施の形態は、前
記第1の実施の形態における狭路部材の固定構造を具体
化したものである。すなわち、図3に示すように、内側
垂直間隔片6における内側狭路部材31の固定位置、お
よび外側垂直間隔片7における外側狭路部材32の固定
位置にはそれぞれ断面形状が角形の切り込み(凹部)が
設けられ、この各切り込み内に断面形状が角形の内側狭
路部材31と外側狭路部材32が円板巻線3の全周にわ
たってそれぞれ取り付けられている。
【0044】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、前記第1の実施の形態と同様の作用・効果が得
られるが、特に、本実施の形態においては、内外の狭路
部材31,32を、内外の垂直間隔片6,7に設けた切
り込みに取り付けるという簡略な固定構造によって狭路
部材31,32を内外の垂直冷却路8,9内に容易に固
定できる。この場合、狭路部材31,32を確実に固定
できるため、狭路部材31,32が外れたり、ずれたり
する問題はなく、固定構造上の信頼性に優れている。
【0045】また、垂直間隔片6,7の切り込みの断面
形状と狭路部材31,32の断面形状とをそれぞれ角形
に規格化したことにより、これらの部材6,7,31,
32の製作および組立作業を容易に行うことができる。
【0046】[3.第3の実施の形態…図4]図4は、
請求項3記載の発明を変圧器の巻線に適用した第3の実
施の形態を示す断面斜視図である。本実施の形態は、前
記第2実施の形態における垂直間隔片の凹部の形状と狭
路部材との断面形状の別の組み合わせの一例である。す
なわち、図4に示すように、円板巻線3の内周側におい
ては、内側垂直間隔片6に断面形状が角形の切り込みが
設けられ、この切り込み内に断面形状が円形の内側狭路
部材31が取り付けられている。また、円板巻線3の外
周側においては、外側垂直間隔片7に断面形状が円形の
穴が設けられ、この穴内に断面形状が角形の外側狭路部
材32が取り付けられている。
【0047】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、前記第2の実施の形態と同様の作用・効果が得
られるが、特に、円形断面と角形断面とを組み合わせて
係合させているため、組立作業がより容易でありなが
ら、しかも、狭路部材31,32が外れたり、ずれたり
する問題がなく、固定構造上の信頼性に優れている。ま
た、垂直間隔片6,7の凹部形状と、狭路部材31,3
2の形状とが内外で異なるため、内外の部材を取り違え
る問題もなく、この点からも組立作業が容易になってい
る。
【0048】[4.第4の実施の形態…図5]以下に
は、請求項4記載の発明を変圧器の巻線に適用した第4
の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前記
第1の実施の形態における狭路部材の断面積の範囲を限
定したものである。すなわち、本実施の形態は、図1に
示す構成において、内外の狭路部材31,32の断面積
を、それが配置される内外の垂直冷却路8,9の断面積
の50%〜90%に限定するものである。このような断
面積の比の設定は、具体的には、狭路部材31,32と
垂直冷却路8,9の幅寸法の比を設定することにより調
整される。
【0049】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、狭路部材31,32の断面積を垂直冷却路8,
9の断面積に対して、一定の範囲に限定したことによ
り、狭路部材31,32の配置部分でそのまま垂直冷却
路8,9を上昇する流量と水平冷却路5に流れ込む流量
とを適切に制御することができる。ここで、図5は、こ
のような作用を説明するための、狭路部材の断面積と水
平冷却路に分流する絶縁流体の流量の関係を示すグラフ
である。
【0050】この図5に示すように、狭路部材31,3
2の断面積が垂直冷却路8,9の各断面積の50%に満
たない場合には、絶縁流体のほとんどが垂直冷却路8,
9の上部に流れ、水平冷却路5に流れなくなるため、円
板巻線3の冷却特性が悪くなる。逆に、狭路部材31,
32の断面積が垂直冷却路8,9の断面積の90%を越
えた場合には、絶縁流体のほとんどが水平冷却路5に流
れ、垂直冷却路8,9の上部に流れなくなるため、巻線
内の流れの抵抗が増大してしまう。すなわち、狭路部材
の断面積が垂直冷却路の断面積の50%に満たない場合
や、逆に90%を越えた場合には、内外の垂直冷却路
8、9の上部に流れる流量と水平冷却路5に流れる流量
を適切に制御することができなくなり、円板巻線3の冷
却に問題が生じることになる。
【0051】以上のことから、狭路部材31,32の断
面積を、垂直冷却路8,9の断面積の50%〜90%の
範囲に限定することにより、垂直冷却路8,9の上部に
流れる流量と水平冷却路5に流れる流量を適切に制御で
きることが分かる。したがって、本実施の形態によれ
ば、狭路部材31,32の有する流量調整機能を向上さ
せて、巻線全体の冷却効率をより向上させることができ
る。
【0052】[5.第5の実施の形態…図6〜図7]図
6は、請求項5記載の発明を変圧器の巻線に適用した第
5の実施の形態を示す断面図である。本実施の形態は、
前記第1の実施の形態における狭路部材の配置間隔を冷
却路の幅寸法に基づいて設定したものである。すなわ
ち、本実施の形態においては、図6に示すように、内外
の垂直冷却路8,9の幅寸法をSv1,Sv2とし、第1の
冷却区域21を構成する水平冷却路5の幅寸法を下から
S11,S12,S13,S14とし、それらの和をΣS1(=
S11+S12+S13+S14)とし、第2の冷却区域22を
構成する水平冷却路5の幅寸法を下からS21,S22,S
23,S24,S25とし、それらの和をΣS2(=S21+S
22+S23+S24+S25)としている。この場合、内外の
狭路部材31,32間の配置間隔は、SF6 ガスを絶縁
流体とするガス絶縁変圧器の場合には、ΣS1/Sv1≦
1,ΣS2/Sv2≦1、となり、変圧器油を絶縁流体と
する油入変圧器の場合には、ΣS1/Sv1≦3,ΣS2
/Sv2≦3、となるように設定されている。
【0053】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、内外の狭路部材31,32間の配置間隔を、内
外の垂直冷却路8,9の幅寸法に対する水平冷却路5の
幅寸法の和の割合が一定の範囲となるように限定したこ
とにより、水平冷却路5を流れる絶縁流体の最低流速を
上昇させることができる。ここで、図7は、このような
作用を説明するための、垂直冷却路の幅寸法に対する水
平冷却路の幅寸法の和の割合と、巻線最高温度との関係
を示すグラフである。
【0054】この図7に示すように、ガス絶縁変圧器の
場合には、垂直冷却路の幅寸法に対する水平冷却路の幅
寸法の和の割合が3以下になると、急激に巻線最高温度
が下がり始め、この割合が1以下になると巻線最高温度
が最も下がり、最適な巻線冷却効率が得られることが分
かる。これは、割合が小さくなるにつれて、各冷却区域
内の流入口付近の水平冷却路内における絶縁媒体の流速
が上昇し、複数の水平冷却路間における絶縁流体の流速
分布が均一化されるためである。
【0055】また、図7に示すように、油入変圧器の場
合には、垂直冷却路の幅寸法に対する水平冷却路の幅寸
法の和の割合が6以下になると、巻線最高温度が下がり
始め、この割合が3以下になると巻線最高温度が最も下
がり、最適な巻線冷却効率が得られることが分かる。
【0056】ここで、SF6 ガスの場合と変圧器油の場
合の差であるが、両者では粘性が大きく異なっており、
SF6 ガスは粘性をほとんど考慮する必要のない流体で
あるのに対し、変圧器油は大きな粘性を有する流体であ
る。このため、SF6 ガスの場合には各冷却区域内にお
ける上部と下部の水平冷却路の流速差が大きくなる傾向
があるのに対し、変圧器油の場合には比較的均一になり
やすい。したがって、最適な巻線冷却効率を得るために
は、SF6 ガスの場合には、垂直冷却路の幅寸法に対す
る水平冷却路の幅寸法の和の割合を、変圧器油の場合よ
りも小さくする必要が生ずるのである。
【0057】以上のことから、ガス絶縁変圧器の場合に
は、垂直冷却路の幅寸法に対する各冷却区域内の水平冷
却路の幅寸法の和の割合が1以下となり、油入変圧器の
場合には、この割合が3以下になるように狭路部材を配
置することにより、最適な巻線冷却効率が得られること
が分かる。したがって、本実施の形態によれば、狭路部
材31,32の有する流量調整機能を有効に活用して、
複数の水平冷却路間における絶縁流体の流速分布を均一
化し、巻線全体の冷却効率を向上することができる。
【0058】[6.第6の実施の形態…図8]図8は、
請求項6記載の発明を変圧器の巻線に適用した第6の実
施の形態を示す断面図である。本実施の形態は、前記第
1の実施の形態における狭路部材の配置間隔を上下方向
において変化させたものである。本実施の形態において
は、図8に示すように、内側狭路部材31と外側狭路部
材32は、この内外の狭路部材31,32間の配置間隔
が巻線の下部から上部に向かって徐々に小さくなるよう
に配置されており、内外の狭路部材31,32によって
形成される各冷却区域内の水平冷却路の幅寸法の和は、
巻線の下部から上部に向かって徐々に小さくなってい
る。
【0059】すなわち、狭路部材31,32が円板巻線
3の内外に交互に配置されて形成された複数の冷却区域
21〜26のうち、中央の冷却区域23,24において
は、下方の冷却区域21,22に比べて、区域内に含ま
れる水平冷却路の数が少なくなっており、水平冷却路の
幅寸法の和が少なくなっている。同様に、上方の冷却区
域25,26においては、中央の冷却区域23,24に
比べて、区域内に含まれる水平冷却路の数が少なくなっ
ており、水平冷却路の幅寸法の和が少なくなっている。
【0060】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、中央の冷却区域23,24内の水平冷却路の流
速は、下方の冷却区域21,22内の水平冷却路の流速
に比べて高くなり、さらに、上方の冷却区域25,26
内の水平冷却路の流速は、冷却区域23,24内の水平
冷却路の流速に比べて高くなる。すなわち、中央の冷却
区域23,24における巻線冷却能力は、下方の冷却区
域21,22よりも高くなり、さらに、上方の冷却区域
25,26における巻線冷却能力は、中央の冷却区域2
3,24よりも高くなる。したがって、本実施の形態に
よれば、温度が上昇しやすい上部の冷却能力を向上する
ことができる。
【0061】すなわち、絶縁流体は、巻線の下部から上
部に向かって流れて巻線からの発熱を吸収するのに伴
い、その温度が徐々に上昇していくため、巻線の上部ほ
ど温度が上昇しやすくなる。これに対して、本実施の形
態では、上部ほど水平冷却路の流速を大きくして冷却能
力を向上しており、巻線全体における絶縁流体の流速分
布を最適化できるため、巻線全体の冷却効率を向上する
ことができる。
【0062】[7.第7の実施の形態…図9]図9は、
請求項7記載の発明を変圧器の巻線に適用した第7の実
施の形態を示す断面図である。本実施の形態は、前記第
1の実施の形態において、内外の狭路部材31,32の
配置部分に位置する円板巻線3aの半径方向の長さを、
狭路部材が配置されていない他の一般部分の円板巻線3
の半径方向の長さよりも短くしたものである。
【0063】以上のような構成を有する本実施の形態に
おいては、内外の狭路部材31,32の配置部分におけ
る内外の垂直冷却路8,9の断面積の和が大きくなり、
この部分を通過する絶縁流体の流速が低下することにな
る。すなわち、垂直冷却路における最高流速が低下する
ことになるため、複数の水平冷却路5間における絶縁流
体の流速分布を均一化すると共に、巻線全体の流れの抵
抗を低減させることができ、巻線内を流れる絶縁流体の
流量が増大することになる。言い換えれば、最高流速は
そのままで絶縁流体の流量を増大させることが可能にな
る。ここで、絶縁流体の流速が高いほど、流体に接触す
る絶縁物が電荷を持つことが分かっており、絶縁性能
上、最高流速を抑えることは重要なことである。したが
って、本実施の形態によれば、複数の水平冷却路5間に
おける絶縁流体の流速分布を均一化すると共に、絶縁性
能を変えずに巻線内を流れる絶縁流体の流量を増大さ
せ、巻線全体の冷却能力を向上させることができる。
【0064】[8.第8の実施の形態…図10]図10
は、請求項8記載の発明を変圧器の巻線に適用した第8
の実施の形態を示す断面図である。本実施の形態は、前
記第1の実施の形態において、内外の狭路部材31,3
2の配置部分に位置する円板巻線3bの導体間の1箇所
に隙間を設けたものである。この場合の「導体」は、単
なる素線導体に限定されるものではなく、素線導体の回
りに絶縁紙などを巻いたMTケーブル等の、各種の導体
を含む。
【0065】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、内外の狭路部材31,32の配置部分における
内外の垂直冷却路8,9と円板巻線3bに設けた隙間の
断面積の和が大きくなり、この部分を通過する絶縁流体
の流速が低下することになる。したがって、前記第7の
実施の形態と同様の作用・効果が得られる。
【0066】[9.第9の実施の形態…図11]図11
は、請求項9記載の発明を変圧器の巻線に適用した第9
の実施の形態を示す断面図である。本実施の形態は、図
14に示した従来例と同様な構成において、内側閉塞板
11とその上下に位置する円板巻線3cの外径寸法を、
一般部の円板巻線3の外径寸法よりも小さくし、外側閉
塞板12とその上下に位置する円板巻線3dの内径寸法
を、他の一般部分の円板巻線3の内径寸法よりも大きく
したものである。
【0067】以上のような構成を有する本実施の形態に
よれば、内外の閉塞板11a,12aおよびその上下の
円板巻線3c,3dの配置部分における内外の垂直冷却
路8,9の断面積が大きくなり、この部分を通過する絶
縁流体の流速が低下することになる。したがって、前記
第7の実施の形態と同様の作用・効果が得られる。
【0068】[10.第10の実施の形態…図12]図
12は、請求項10記載の発明を変圧器の巻線に適用し
た第10の実施の形態を示す断面図である。本実施の形
態は、前記第1の実施の形態において、最も上部に位置
する5セクションと最も下部に位置する5セクションの
円板巻線3eについて、外周側端部の導体間の1箇所に
隙間を設けている。この場合の「導体」は、第8の実施
の形態について前述したように、単なる素線導体に限定
されるものではなく、素線導体の回りに絶縁紙などを巻
いたMTケーブル等の、各種の導体を含む。
【0069】以上のような構成を有する本実施の形態に
おいては、過度の温度上昇を発生しやすい巻線上下部に
位置する円板巻線3eの外周側端部の導体について、そ
の冷却面の面積を局部的に増大してこの部分の冷却効率
を局部的に向上させることができる。したがって、巻線
の最高温度を効率良く低下させることが可能となる。ま
た、一般的に、このような巻線上下部の外周側端部は、
絶縁的にも非常に厳しい部分であり、この部分の導体の
被覆を局部的に厚くした場合には、さらに温度上昇が発
生しやすい。これに対して、本実施の形態においては、
このような巻線上下部の外周側端部の冷却能力が高いた
め、この部分の導体の被覆を局部的に厚くした場合に
は、過度の温度上昇を発生することなしに絶縁能力を向
上させることができるという利点もある。
【0070】[11.他の実施の形態]なお、本発明
は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、他に
も多種多様な変形例を実施可能である。例えば、前記第
1〜第10の実施の形態における狭路部材31,32や
閉塞板11,12の具体的な配置間隔等は適宜選択可能
である。また、狭路部材31,32については、必ずし
も円板巻線の位置に合わせる必要はなく、例えば、水平
冷却路5の位置に合わせて配置した場合にも同様な効果
が期待できる。さらに、本発明は、必ずしも巻線全体に
適用する必要はなく、部分的に適用することも可能であ
る。
【0071】また、前記第3の実施の形態の変形例とし
ては、例えば、内外の断面形状を逆にして、内側垂直間
隔片6に断面形状が円形の穴を設けてこの穴内に断面形
状が円状の内側狭路部材31を取り付け、外側垂直間隔
片7に断面形状が角形の穴あるいは切り込みを設けてこ
の穴あるいは切り込み内に断面形状が円形の外側狭路部
材32を取り付ける構成が考えられる。さらに、円形断
面と円形断面を組み合わせる等、垂直間隔片と狭路部材
の断面形状の組み合わせは自由に選択可能であり、同様
に優れた作用・効果が得られるものである。この場合、
狭路部材31,32は、単一の部材で構成することも可
能であるが、複数の部材を繋ぎ合わせて構成することも
可能であり、また、狭路部材31の配置形状は、円形に
限定されるものではなく、各垂直間隔片の位置毎に折り
曲げて多角形状に加工してもよい。
【0072】一方、前記第6の実施の形態においては、
2つの冷却区域毎に狭路部材31,32の配置間隔を変
えているが、例えば、絶縁流体の温度が高い巻線上部の
み狭路部材を密に配置して、他は等間隔に配置すること
なども考えられる。また、各冷却区域毎に配置間隔を変
えることも可能である。
【0073】そしてまた、前記第8、第10の実施の形
態においては、各円板巻線の位置箇所のみに隙間を設け
ているが、円板巻線の複数箇所に隙間を設ける構成も可
能である。例えば、第10の実施の形態において、円板
巻線3eの外周側端部だけでなく、内周側端部にも隙間
を設ける構成等が考えられる。さらに、前記第10の実
施の形態においては、狭路部材31,32を使用した構
成に請求項10記載の発明を適用しているが、閉塞板1
1,12や閉塞栓13,14を使用した従来例に適用す
ることも可能であり、同様に優れた効果を得ることがで
きる。
【0074】ところで、前記各実施の形態においては、
いずれも変圧器の巻線に適用しているが、本発明は、変
圧器の巻線に限定されるものではなく、リアクトルの巻
線など、円板巻線を積み重ねてなる誘導電器巻線一般に
同様に適用可能であり、同様に優れた効果を得ることが
できる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
円板巻線の複数段毎に円板巻線の内外の垂直冷却路に狭
路部材を交互に配置するか、あるいは、内外の閉塞板と
その上下に位置する各円板巻線の外径・内径寸法を調整
することにより、冷却媒体の流れの抵抗を小さくして巻
線内を流れる冷却媒体の流量を増大させると共に複数の
水平冷却路間における冷却媒体の流速分布の最適化を図
ることができる。また、上下端部の複数の円板巻線にお
いてその導体間に隙間を設けることにより、過度の温度
上昇が発生しやすい部分の冷却効率を局部的に向上する
ことができる。したがって、巻線全体を良好に冷却して
巻線全体の温度の均一化を図ることが可能な、冷却効率
に優れた小型の誘導電器巻線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面図であり、図2のX矢視断面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】本発明による第2の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面斜視図。
【図4】本発明による第3の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面斜視図。
【図5】本発明による第4の実施の形態に係る狭路部材
の断面積と水平冷却路に分流する流量の関係を示すグラ
フ。
【図6】本発明による第5の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面図。
【図7】図6の巻線における冷却区域内の水平冷却路の
幅寸法の和と巻線最高温度の関係を示すグラフ。
【図8】本発明による第6の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面図。
【図9】本発明による第7の実施の形態に係る変圧器の
巻線を示す断面図。
【図10】本発明による第8の実施の形態に係る変圧器
の巻線を示す断面図。
【図11】本発明による第9の実施の形態に係る変圧器
の巻線を示す断面図。
【図12】本発明による第10の実施の形態に係る変圧
器の巻線を示す断面図。
【図13】従来の変圧器の巻線の一例を示す平面図。
【図14】図13のY矢視断面における構成の一例を示
す断面図。
【図15】図13のY矢視断面における構成の別の一例
を示す断面図。
【符号の説明】
1…内側絶縁筒 2…外側絶縁筒 3,3a〜3e…円板巻線 4…水平間隔片 5…水平冷却路 6…内側垂直間隔片 7…外側垂直間隔片 8…内側垂直冷却路 9…外側垂直冷却路 11…内側閉塞板 12…外側閉塞板 13…内側閉塞栓 14…外側閉塞栓 20…流速分布 21〜27…冷却区域 31…内側狭路部材 32…外側狭路部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側と外側の絶縁筒の間に、導体を巻回
    してなる複数の円板巻線を積み重ねて配置し、各隣接す
    る2つの円板巻線間に複数の水平間隔片を介在させて複
    数の水平冷却路を放射状に形成すると共に、前記内側の
    絶縁筒と前記円板巻線との間および前記外側の絶縁筒と
    前記円板巻線との間に複数の垂直間隔片をそれぞれ介在
    させて、前記複数の水平冷却路を連通する内側と外側の
    複数の垂直冷却路をそれぞれ形成した誘導電器巻線にお
    いて、 前記円板巻線の複数段毎に、前記内側の垂直冷却路の有
    効幅を狭める内側の狭路部材と前記外側の垂直冷却路の
    有効幅を狭める外側の狭路部材とが、交互に且つ円板巻
    線の全周にわたって配置され、各狭路部材の幅寸法は、
    それが配置される垂直冷却路の幅寸法よりも狭いことを
    特徴とする誘導電器巻線。
  2. 【請求項2】 前記複数の垂直間隔片にそれぞれ凹部が
    設けられ、この凹部内に前記狭路部材が取り付けられた
    ことを特徴とする請求項1記載の誘導電器巻線。
  3. 【請求項3】 前記垂直間隔片に設けられた前記凹部の
    断面形状と前記狭路部材の断面形状は、円形と角形の中
    から選択された形状であることを特徴とする請求項2記
    載の誘導電器巻線。
  4. 【請求項4】 前記狭路部材の断面積は、それが配置さ
    れる前記垂直冷却路の断面積の50%〜90%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導電器巻線。
  5. 【請求項5】 前記内側と外側の狭路部材間に形成され
    る各冷却区域について、その冷却区域を構成する前記水
    平冷却路の幅寸法の和をΣSh、前記垂直冷却路の幅寸
    法をSvとした際に、冷却路を流れる冷却媒体が絶縁ガ
    スである場合には、 ΣSh/Sv≦1 となり、冷却路を流れる冷却媒体が絶縁油である場合に
    は、 ΣSh/Sv≦3 となるように前記狭路部材が配置されたことを特徴とす
    る請求項1記載の誘導電器巻線。
  6. 【請求項6】 前記狭路部材は、内側と外側の狭路部材
    間に形成される各冷却区域内の前記水平冷却路の幅寸法
    の和が、巻線の下部から上部に向かって小さくなるよう
    に配置されたことを特徴とする請求項1記載の誘導電器
    巻線。
  7. 【請求項7】 前記狭路部材の配置部分に位置する前記
    円板巻線の半径方向の長さは、他の部分の円板巻線に比
    べて小さいことを特徴とする請求項1記載の誘導電器巻
    線。
  8. 【請求項8】 前記狭路部材の配置部分に位置する前記
    円板巻線には、その導体間に隙間が設けられたことを特
    徴とする請求項1記載の誘導電器巻線。
  9. 【請求項9】 内側と外側の絶縁筒の間に、導体を巻回
    してなる複数の円板巻線を積み重ねて配置し、各隣接す
    る2つの円板巻線間に複数の水平間隔片を介在させて複
    数の水平冷却路を放射状に形成すると共に、前記内側の
    絶縁筒と前記円板巻線との間および前記外側の絶縁筒と
    前記円板巻線との間に複数の垂直間隔片をそれぞれ介在
    させて、前記複数の水平冷却路を連通する内側と外側の
    複数の垂直冷却路をそれぞれ形成し、さらに、前記円板
    巻線の複数段毎に、前記内側の垂直冷却路から前記水平
    冷却路にわたる内側の閉塞板と、前記外側の垂直冷却路
    から前記水平冷却路にわたる外側の閉塞板とを、交互に
    且つ円板巻線の全周にわたって設け、これらの閉塞板に
    よって複数の冷却区域を形成した誘導電器巻線におい
    て、 前記内側の閉塞板とその上下に位置する各円板巻線の外
    径寸法は、他の部分の円板巻線に比べて小さく、且つ、
    前記外側の閉塞板とその上下に位置する各円板巻線の内
    径寸法は、他の部分の円板巻線に比べて大きいことを特
    徴とする誘導電器巻線。
  10. 【請求項10】 内側と外側の絶縁筒の間に、導体を巻
    回してなる複数の円板巻線を積み重ねて配置し、各隣接
    する2つの円板巻線間に複数の水平間隔片を介在させて
    複数の水平冷却路を放射状に形成すると共に、前記内側
    の絶縁筒と前記円板巻線との間および前記外側の絶縁筒
    と前記円板巻線との間に複数の垂直間隔片をそれぞれ介
    在させて、前記複数の水平冷却路を連通する内側と外側
    の複数の垂直冷却路をそれぞれ形成した誘導電器巻線に
    おいて、 前記円板巻線のうち、上下方向における最も端部に位置
    する複数の円板巻線の半径方向の端部には、その導体間
    に隙間が設けられたことを特徴とする誘導電器巻線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015050451A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 台達電子企業管理(上海)有限公司 変圧器

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