JPH10112331A - 鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents
鉛蓄電池およびその製造方法Info
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- JPH10112331A JPH10112331A JP9083053A JP8305397A JPH10112331A JP H10112331 A JPH10112331 A JP H10112331A JP 9083053 A JP9083053 A JP 9083053A JP 8305397 A JP8305397 A JP 8305397A JP H10112331 A JPH10112331 A JP H10112331A
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高放電率において利用率の向上した鉛蓄電池
を提供する。 【解決手段】 多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、
および硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少な
くとも1種の化合物を発電要素に添加した鉛蓄電池。
を提供する。 【解決手段】 多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、
および硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少な
くとも1種の化合物を発電要素に添加した鉛蓄電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池の改良に
関するものである。
関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池は、一般に正極に二酸化鉛、負
極に鉛を活物質として用い、希硫酸を電解液とする電池
である。そして、ポ−タブル機器用、自動車、産業用、
それに最近では電気自動車用として、もっとも広く採用
されている二次電池である。この鉛蓄電池の製造方法に
は、ペ−スト法、クラッド法、およびチュ−ドル法が歴
史的に知られている。最近では、特殊な樹脂と鉛粉を練
合して鉛または鉛合金の集電体に充填する方法が知られ
ている。また、電池形態も、豊富な電解液量を用いる旧
来の構成から、ガラスマットに電解液を吸収できる程度
に制限し、負極で酸素をイオン化する密閉式の電池まで
幅広く実用化されている。
極に鉛を活物質として用い、希硫酸を電解液とする電池
である。そして、ポ−タブル機器用、自動車、産業用、
それに最近では電気自動車用として、もっとも広く採用
されている二次電池である。この鉛蓄電池の製造方法に
は、ペ−スト法、クラッド法、およびチュ−ドル法が歴
史的に知られている。最近では、特殊な樹脂と鉛粉を練
合して鉛または鉛合金の集電体に充填する方法が知られ
ている。また、電池形態も、豊富な電解液量を用いる旧
来の構成から、ガラスマットに電解液を吸収できる程度
に制限し、負極で酸素をイオン化する密閉式の電池まで
幅広く実用化されている。
【0003】いずれの用途においても、小型軽量化は共
通の課題であって、活物質の利用率の向上は永遠の命題
である。ところが、鉛蓄電池の活物質の利用率は、他の
電池系に比べて低い値に制限されているのが現状であ
る。特に、最近では、高率放電において利用率が低いこ
とが一層の用途拡大の妨げになっている。一般に、利用
率は、理論充填容量基準で0.1C以下の低放電率でも
正極では高々理論充填容量の50〜55%、負極では6
0%前後であり、5Cを越える高放電率では20%を下
回るレベルに低下することが知られている。一般には、
負極の理論充填量は、正極に比較して多く、正極の利用
率により電池の容量が決定されている場合が多い。
通の課題であって、活物質の利用率の向上は永遠の命題
である。ところが、鉛蓄電池の活物質の利用率は、他の
電池系に比べて低い値に制限されているのが現状であ
る。特に、最近では、高率放電において利用率が低いこ
とが一層の用途拡大の妨げになっている。一般に、利用
率は、理論充填容量基準で0.1C以下の低放電率でも
正極では高々理論充填容量の50〜55%、負極では6
0%前後であり、5Cを越える高放電率では20%を下
回るレベルに低下することが知られている。一般には、
負極の理論充填量は、正極に比較して多く、正極の利用
率により電池の容量が決定されている場合が多い。
【0004】長い歴史のなかで、利用率が低いという課
題を打開するための多くの研究が行われてきた。しかし
ながら、本質的に利用率を向上する手段はいまだ生まれ
ていない。高い放電率における利用率を決定する要素
は、硫酸の拡散ないし供給であろうとされている。この
硫酸供給を助ける目的で、界面活性剤などを電解液に添
加する方法も試みられたが、実効はなく、結局利用率向
上は硫酸の拡散に適した構造を形成する以外によい手段
が見出されなかった。すなわち、構造が決定されれば、
活物質の利用率は増大する手段がないと考えられてき
た。
題を打開するための多くの研究が行われてきた。しかし
ながら、本質的に利用率を向上する手段はいまだ生まれ
ていない。高い放電率における利用率を決定する要素
は、硫酸の拡散ないし供給であろうとされている。この
硫酸供給を助ける目的で、界面活性剤などを電解液に添
加する方法も試みられたが、実効はなく、結局利用率向
上は硫酸の拡散に適した構造を形成する以外によい手段
が見出されなかった。すなわち、構造が決定されれば、
活物質の利用率は増大する手段がないと考えられてき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形成された
適正な構造のなかでさらに硫酸の拡散の制限の壁をやぶ
る新しい手段を見出し、高率放電において利用率の高い
鉛蓄電池を提供することを目的とする。
適正な構造のなかでさらに硫酸の拡散の制限の壁をやぶ
る新しい手段を見出し、高率放電において利用率の高い
鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ある特殊な化
合物を添加することによって、特に、高率放電における
利用率を著しく高める効果を示すという発見に基づくも
のである。すなわち、本発明の鉛蓄電池は、正極板、負
極板、セパレータ、および電解液からなる発電要素のい
ずれかに、多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、およ
び硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少なくと
も1種の化合物を鉛イオンの溶解度調整剤として発電要
素に添加したものである。
合物を添加することによって、特に、高率放電における
利用率を著しく高める効果を示すという発見に基づくも
のである。すなわち、本発明の鉛蓄電池は、正極板、負
極板、セパレータ、および電解液からなる発電要素のい
ずれかに、多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、およ
び硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少なくと
も1種の化合物を鉛イオンの溶解度調整剤として発電要
素に添加したものである。
【0007】この鉛イオンの溶解度調整剤の添加によ
り、利用率が向上する理由はまだ明確にはなっていな
い。しかし、多糖類、キレ−ト剤、またはそれらの誘導
体からなる鉛イオンの溶解度調整剤を微量添加すると、
強硫酸酸性水溶液中におけるPb2+の活量を大きく変化
させるという現象が生じる。一般に、鉛蓄電池の反応は
正極、負極ともに溶解析出反応といわれ、正極ではPb
O2 が、負極ではPbがそれぞれ電気化学的に一旦Pb
2+のイオンを生成し、このイオンがさらに化学的に硫酸
根と反応して硫酸鉛を生成する。したがって、両電極と
もに放電電位はPb2+のイオンに影響される。生成系に
Pb2+が多くなると、正極電位は低下し、負極電位は上
昇し、端子電圧は低下する。ただし、負極では硫酸根の
移動が起こりやすいので、硫酸鉛の生成によってPb2+
イオンの蓄積の影響は正極に比べて小さいと思われる。
り、利用率が向上する理由はまだ明確にはなっていな
い。しかし、多糖類、キレ−ト剤、またはそれらの誘導
体からなる鉛イオンの溶解度調整剤を微量添加すると、
強硫酸酸性水溶液中におけるPb2+の活量を大きく変化
させるという現象が生じる。一般に、鉛蓄電池の反応は
正極、負極ともに溶解析出反応といわれ、正極ではPb
O2 が、負極ではPbがそれぞれ電気化学的に一旦Pb
2+のイオンを生成し、このイオンがさらに化学的に硫酸
根と反応して硫酸鉛を生成する。したがって、両電極と
もに放電電位はPb2+のイオンに影響される。生成系に
Pb2+が多くなると、正極電位は低下し、負極電位は上
昇し、端子電圧は低下する。ただし、負極では硫酸根の
移動が起こりやすいので、硫酸鉛の生成によってPb2+
イオンの蓄積の影響は正極に比べて小さいと思われる。
【0008】本発明者らは、前記の多糖類、キレ−ト
剤、およびそれらの誘導体が、鉛蓄電池で用いる強酸の
希硫酸中において、Pb2+の活量を変動させる働きを有
することを見いだした。さらに、本発明者らは、硫酸ヒ
ドラジニウムが、前記の化合物と同様に鉛イオンの溶解
度調整剤として働き、特に前記の多糖類、キレ−ト剤、
またはそれらの誘導体と共存させることによって、利用
率増大の速度を早めるとともに多糖類やキレート剤等の
利用率向上の効果を一層高めるという相乗効果を有する
ことを見いだした。この硫酸ヒドラジニウムは、一般に
アルカリ性溶液中で酸化物の除去のための添加剤として
用いられている物質であるが、その性質についてはよく
知られていない。とくに希硫酸酸性系における情報はな
い。したがって、正極活物質の利用率が充放電サイクル
を繰り返すとともに増大するという硫酸ヒドラジニウム
添加効果のメカニズムは、まだ解明されてはいない。し
かし、何らかの鉛イオンの溶解状態に変化が起こり、そ
れが充放電の起こりやすい二酸化鉛あるいはそれによる
構造を充電時に形成する作用があると思われる。
剤、およびそれらの誘導体が、鉛蓄電池で用いる強酸の
希硫酸中において、Pb2+の活量を変動させる働きを有
することを見いだした。さらに、本発明者らは、硫酸ヒ
ドラジニウムが、前記の化合物と同様に鉛イオンの溶解
度調整剤として働き、特に前記の多糖類、キレ−ト剤、
またはそれらの誘導体と共存させることによって、利用
率増大の速度を早めるとともに多糖類やキレート剤等の
利用率向上の効果を一層高めるという相乗効果を有する
ことを見いだした。この硫酸ヒドラジニウムは、一般に
アルカリ性溶液中で酸化物の除去のための添加剤として
用いられている物質であるが、その性質についてはよく
知られていない。とくに希硫酸酸性系における情報はな
い。したがって、正極活物質の利用率が充放電サイクル
を繰り返すとともに増大するという硫酸ヒドラジニウム
添加効果のメカニズムは、まだ解明されてはいない。し
かし、何らかの鉛イオンの溶解状態に変化が起こり、そ
れが充放電の起こりやすい二酸化鉛あるいはそれによる
構造を充電時に形成する作用があると思われる。
【0009】硫酸ヒドラジニウムの鉛酸化物の溶解状態
に与える影響については、次の例からも明らかである。
例えば、通常の希硫酸の中に正極活物質の粉末を懸濁す
ると、濃い褐色の濁りが生じる。しかし、硫酸ヒドラジ
ニウムを添加した希硫酸中では、速やかに褐色の濁りが
減少し、微粒子の溶解性や分解性に変化が生じているの
が観察される。また、硫酸ヒドラジニウムを添加した希
硫酸中では、無添加の希硫酸中に比べて、酸素ガスの発
生が多く、分解によって二酸化鉛の一部が硫酸鉛あるい
は2価の鉛イオンへと変化している可能性がある。ただ
し、硫酸ヒドラジニウム単独の添加によっては、正極の
電位も基本的には変化が見られない。この点は多糖類や
キレート剤等の添加の場合と異なる。二酸化鉛の溶解性
については、希硫酸系では正極活物質はほとんどが固体
のままで残留しているので、この点では二酸化鉛も硫酸
鉛も完全に溶解するアルカリ性溶液中とは異なる作用と
思われる。何れにしてもこの硫酸ヒドラジニウムの添加
効果はやや遅効性であるが、放電と充電を繰り返すこと
によって得られるのが特徴である。ところが、この効果
は、多糖類やキレート剤と共存させると、活物質の利用
率の増加速度が加速されるだけでなく、多糖類やキレー
ト剤の添加によって最終的に得られる利用率のレベルが
さらに高まる。これは活性な二酸化鉛の構造が再生され
ることと、活量の調整効果が相乗されることによるもの
と思われる。
に与える影響については、次の例からも明らかである。
例えば、通常の希硫酸の中に正極活物質の粉末を懸濁す
ると、濃い褐色の濁りが生じる。しかし、硫酸ヒドラジ
ニウムを添加した希硫酸中では、速やかに褐色の濁りが
減少し、微粒子の溶解性や分解性に変化が生じているの
が観察される。また、硫酸ヒドラジニウムを添加した希
硫酸中では、無添加の希硫酸中に比べて、酸素ガスの発
生が多く、分解によって二酸化鉛の一部が硫酸鉛あるい
は2価の鉛イオンへと変化している可能性がある。ただ
し、硫酸ヒドラジニウム単独の添加によっては、正極の
電位も基本的には変化が見られない。この点は多糖類や
キレート剤等の添加の場合と異なる。二酸化鉛の溶解性
については、希硫酸系では正極活物質はほとんどが固体
のままで残留しているので、この点では二酸化鉛も硫酸
鉛も完全に溶解するアルカリ性溶液中とは異なる作用と
思われる。何れにしてもこの硫酸ヒドラジニウムの添加
効果はやや遅効性であるが、放電と充電を繰り返すこと
によって得られるのが特徴である。ところが、この効果
は、多糖類やキレート剤と共存させると、活物質の利用
率の増加速度が加速されるだけでなく、多糖類やキレー
ト剤の添加によって最終的に得られる利用率のレベルが
さらに高まる。これは活性な二酸化鉛の構造が再生され
ることと、活量の調整効果が相乗されることによるもの
と思われる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のように多糖類、
キレ−ト剤、それらの誘導体、または硫酸ヒドラジニウ
ムを発電要素に添加するものである。このうち、多糖
類、キレ−ト剤、およびそれらの誘導体については、電
解液に対する総添加量は、重量比で100ppm以下で
あることが好ましい。また、硫酸ヒドラジニウムの電解
液に対する添加量は、体積比で100mg/l以上であ
ることが好ましい。鉛イオンの溶解度調整剤としては、
上記の化合物の他、添加物濃度と充電後の正極の開路電
位の関係において、無添加の希硫酸中の開路電位よりも
高い開路電位を示す添加物濃度領域が存在する化合物を
用いることができる。また、添加濃度と鉛イオン溶解濃
度の関係において、無添加の希硫酸中よりも高い鉛イオ
ン溶解濃度を示す添加物濃度領域が存在し、かつその領
域で無添加の希硫酸中よりも高い正極の開路電位を示す
化合物を用いることができる。充電状態の正極板の開路
電位を無添加希硫酸中の電位と比較する方法、または鉛
もしくは鉛合金の電解酸化物の電位を無添加希硫酸中の
電位と比較する方法によって、鉛イオンの溶解度調整剤
の種類および添加量を決定することができる。
キレ−ト剤、それらの誘導体、または硫酸ヒドラジニウ
ムを発電要素に添加するものである。このうち、多糖
類、キレ−ト剤、およびそれらの誘導体については、電
解液に対する総添加量は、重量比で100ppm以下で
あることが好ましい。また、硫酸ヒドラジニウムの電解
液に対する添加量は、体積比で100mg/l以上であ
ることが好ましい。鉛イオンの溶解度調整剤としては、
上記の化合物の他、添加物濃度と充電後の正極の開路電
位の関係において、無添加の希硫酸中の開路電位よりも
高い開路電位を示す添加物濃度領域が存在する化合物を
用いることができる。また、添加濃度と鉛イオン溶解濃
度の関係において、無添加の希硫酸中よりも高い鉛イオ
ン溶解濃度を示す添加物濃度領域が存在し、かつその領
域で無添加の希硫酸中よりも高い正極の開路電位を示す
化合物を用いることができる。充電状態の正極板の開路
電位を無添加希硫酸中の電位と比較する方法、または鉛
もしくは鉛合金の電解酸化物の電位を無添加希硫酸中の
電位と比較する方法によって、鉛イオンの溶解度調整剤
の種類および添加量を決定することができる。
【0011】本発明による鉛蓄電池の好ましい製造方法
においては、多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、お
よび硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の鉛イオンの溶解度調整剤の添加量が高い希硫
酸溶液に少なくとも正極板を浸潤し、充放電を繰り返し
た後に、上記鉛イオンの溶解度調整剤の低い添加濃度の
希硫酸溶液を用いて電池を構成する。
においては、多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、お
よび硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少なく
とも1種の鉛イオンの溶解度調整剤の添加量が高い希硫
酸溶液に少なくとも正極板を浸潤し、充放電を繰り返し
た後に、上記鉛イオンの溶解度調整剤の低い添加濃度の
希硫酸溶液を用いて電池を構成する。
【0012】鉛イオンの溶解度調整剤として用いる多糖
類およびその誘導体の例を以下に挙げる。マンニット
(またはマニト−ルともいう。C6 H14O6 )は、ヘキ
シッドの一つであり、L−タイプとD−タイプがある。
マンノ−ス(C6 H12O6 )は、アルドヘキソ−スの一
種の多糖類であって、還元されてマンニットになる。マ
ンノン酸(C6 H12O7 )は、マンノ−スの酸化誘導体
である。マンノ−ル(C20H34O)やマンニノトリオ−
スは三糖類の一つである。マンデル酸は、α−ヒドロキ
シ酸の一つである。これらマンナン系に限らず二糖類の
マルト−スや三糖類のマルトトリオ−ス(C12H
22O11)も程度の差はあっても類似の挙動を示す。これ
らは巨大な分子構造を有し、かつ極性の強いCH2OH
基やCOOH基などの官能基を持っている。また、通
常、先端の水素がアルカリイオンで置換され、安定化さ
れている場合が多い。
類およびその誘導体の例を以下に挙げる。マンニット
(またはマニト−ルともいう。C6 H14O6 )は、ヘキ
シッドの一つであり、L−タイプとD−タイプがある。
マンノ−ス(C6 H12O6 )は、アルドヘキソ−スの一
種の多糖類であって、還元されてマンニットになる。マ
ンノン酸(C6 H12O7 )は、マンノ−スの酸化誘導体
である。マンノ−ル(C20H34O)やマンニノトリオ−
スは三糖類の一つである。マンデル酸は、α−ヒドロキ
シ酸の一つである。これらマンナン系に限らず二糖類の
マルト−スや三糖類のマルトトリオ−ス(C12H
22O11)も程度の差はあっても類似の挙動を示す。これ
らは巨大な分子構造を有し、かつ極性の強いCH2OH
基やCOOH基などの官能基を持っている。また、通
常、先端の水素がアルカリイオンで置換され、安定化さ
れている場合が多い。
【0013】これら多糖類やその誘導体は、一般にキレ
−ト剤とはいわれていないが、希硫酸のなかに適度な添
加量、たとえば1000ppm以下、が投入された場合
に、ICPで測定されるような鉛イオンの溶解度を大き
く変動させる。これは、溶解した多糖類やその誘導体の
分子がPb2+に配位して、無添加の希硫酸中に比べて希
硫酸中の見かけの鉛溶解度を高めることによるものであ
り、多糖類やその誘導体は希硫酸中で一種の鉛イオン溶
解度調整剤としての機能を示す。
−ト剤とはいわれていないが、希硫酸のなかに適度な添
加量、たとえば1000ppm以下、が投入された場合
に、ICPで測定されるような鉛イオンの溶解度を大き
く変動させる。これは、溶解した多糖類やその誘導体の
分子がPb2+に配位して、無添加の希硫酸中に比べて希
硫酸中の見かけの鉛溶解度を高めることによるものであ
り、多糖類やその誘導体は希硫酸中で一種の鉛イオン溶
解度調整剤としての機能を示す。
【0014】従来の理解では、正極活物質である二酸化
鉛の電位はPb2+溶解量が高いほど低下するとされてい
る。ところが、上記鉛イオンの溶解度調整剤を添加した
希硫酸中では、電位と溶解度の関係において前記現象と
は逆に正極電位が上昇するという現象を示した。このこ
とは、おそらく見かけの鉛イオン溶解度が高まる領域に
おいて添加物分子の配位によって、活物質多孔体の内部
では実質的な鉛イオンの活量が低下しているものと推測
される。硫酸の拡散が阻害された正極の細孔中で、本発
明の鉛イオンの溶解度調整機能を示す化合物を添加され
た電解液中での鉛イオンの活量は、無添加の場合に比べ
て実質的には小さくなり、そのために電位の上昇と利用
率の向上をもたらすものと思われる。
鉛の電位はPb2+溶解量が高いほど低下するとされてい
る。ところが、上記鉛イオンの溶解度調整剤を添加した
希硫酸中では、電位と溶解度の関係において前記現象と
は逆に正極電位が上昇するという現象を示した。このこ
とは、おそらく見かけの鉛イオン溶解度が高まる領域に
おいて添加物分子の配位によって、活物質多孔体の内部
では実質的な鉛イオンの活量が低下しているものと推測
される。硫酸の拡散が阻害された正極の細孔中で、本発
明の鉛イオンの溶解度調整機能を示す化合物を添加され
た電解液中での鉛イオンの活量は、無添加の場合に比べ
て実質的には小さくなり、そのために電位の上昇と利用
率の向上をもたらすものと思われる。
【0015】本発明者らは、これと類似した挙動がキレ
−ト剤として知られている化合物にも見られることを発
見した。なかでも鉛イオンに対して高いキレ−ト安定性
を示すエチレンジアミン四酢酸(以下EDTAで表す)
のアルカリ安定化化合物水和物;C10H13N2O8K3・
2H2O、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−
N,N,N’,N’四酢酸(以下GEDTAで表す);
[CH2OCH2CH2N(CH2COOH)2]2 、ジエ
チレントリアミン五酢酸(以下DTPAで表す);
[(HOOCCH2)2NCH2CH2]2NCH2COO
H、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン−N,
N,N’,N’四酢酸水和物(以下CyDTAで表
す);C6H10N2(CH2COOH)4・H2O、トリエ
チレンテトラミン−N,N,N’,N,N''',N'''六
酢酸(以下TTHAで表す);[CH2N(CH2COO
H)CH2CH2N(CH2COOH)2]2、ニトリロ三
酢酸(以下NTAで表す);(HOCOCH2)3Nは上
記多糖類と同様、極めて微量の添加で鉛イオンの溶解量
や二酸化鉛の電位挙動と利用率向上効果を示すことがわ
かった。
−ト剤として知られている化合物にも見られることを発
見した。なかでも鉛イオンに対して高いキレ−ト安定性
を示すエチレンジアミン四酢酸(以下EDTAで表す)
のアルカリ安定化化合物水和物;C10H13N2O8K3・
2H2O、エチレンジオキシビス(エチルアミン)−
N,N,N’,N’四酢酸(以下GEDTAで表す);
[CH2OCH2CH2N(CH2COOH)2]2 、ジエ
チレントリアミン五酢酸(以下DTPAで表す);
[(HOOCCH2)2NCH2CH2]2NCH2COO
H、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン−N,
N,N’,N’四酢酸水和物(以下CyDTAで表
す);C6H10N2(CH2COOH)4・H2O、トリエ
チレンテトラミン−N,N,N’,N,N''',N'''六
酢酸(以下TTHAで表す);[CH2N(CH2COO
H)CH2CH2N(CH2COOH)2]2、ニトリロ三
酢酸(以下NTAで表す);(HOCOCH2)3Nは上
記多糖類と同様、極めて微量の添加で鉛イオンの溶解量
や二酸化鉛の電位挙動と利用率向上効果を示すことがわ
かった。
【0016】一般には、酢酸は、鉛の腐食を増加するこ
とが知られている。もし酢酸により鉛の溶解度が増大す
るならば、酢酸の添加により正極電位は低下し、負極電
位は上昇するはずである。本発明のキレ−ト剤では、電
位の変化の方向が上記のように、酢酸とは反対の挙動を
示すことから、基本的に普通の酢酸とは作用が異なると
思われる。つまり、測定される鉛イオンには、実際の活
量として作用する鉛イオンと、化合物に配位された活量
として作用できない鉛イオンが存在し、ICPなどの一
般の溶解鉛の計測では、両者を合わせた見かけの溶解度
が測定されると推察される。これらの添加剤は、負極の
電位を若干貴にシフトするが大きな影響を示さないし、
特別悪い影響も示さない。
とが知られている。もし酢酸により鉛の溶解度が増大す
るならば、酢酸の添加により正極電位は低下し、負極電
位は上昇するはずである。本発明のキレ−ト剤では、電
位の変化の方向が上記のように、酢酸とは反対の挙動を
示すことから、基本的に普通の酢酸とは作用が異なると
思われる。つまり、測定される鉛イオンには、実際の活
量として作用する鉛イオンと、化合物に配位された活量
として作用できない鉛イオンが存在し、ICPなどの一
般の溶解鉛の計測では、両者を合わせた見かけの溶解度
が測定されると推察される。これらの添加剤は、負極の
電位を若干貴にシフトするが大きな影響を示さないし、
特別悪い影響も示さない。
【0017】以上のように多糖類、キレ−ト剤、および
それらの誘導体は、電解液に溶解して鉛イオンの溶解度
を変化させ、新しい効果を生み出すものである。したが
って、極板やセパレ−タにこれらの化合物を付与して
も、最終的には、電解液に溶解して類似の効果を示す。
ただし、多孔体の活物質の細孔内部に有効に作用させる
には、活物質の練合時点で粉末状態や水溶液の形で添加
するとか、未化成板や化成板をこれらの成分を含む電解
液や水溶液に浸潤する方法はとくに微量添加の場合に効
果的である。これらの化合物は、必要に応じて複数を任
意に組み合わせて適用することができる。また、従来他
の目的で極板や電解液に添加されている、たとえばリグ
ニン、リグニンスルホン酸、硫酸ソ−ダ、硫酸カリウ
ム、四硼酸のカリウム塩やナトリウム塩、各種界面活性
剤などは本発明のメカニズムには無関係であって、本発
明はこれらの従来の効果を妨げることもなくまた逆に妨
げられることもない。
それらの誘導体は、電解液に溶解して鉛イオンの溶解度
を変化させ、新しい効果を生み出すものである。したが
って、極板やセパレ−タにこれらの化合物を付与して
も、最終的には、電解液に溶解して類似の効果を示す。
ただし、多孔体の活物質の細孔内部に有効に作用させる
には、活物質の練合時点で粉末状態や水溶液の形で添加
するとか、未化成板や化成板をこれらの成分を含む電解
液や水溶液に浸潤する方法はとくに微量添加の場合に効
果的である。これらの化合物は、必要に応じて複数を任
意に組み合わせて適用することができる。また、従来他
の目的で極板や電解液に添加されている、たとえばリグ
ニン、リグニンスルホン酸、硫酸ソ−ダ、硫酸カリウ
ム、四硼酸のカリウム塩やナトリウム塩、各種界面活性
剤などは本発明のメカニズムには無関係であって、本発
明はこれらの従来の効果を妨げることもなくまた逆に妨
げられることもない。
【0018】次に、硫酸ヒドラジニウムには化学式(N
2H5)2 SO4 で表される硫酸ヒドラジニウム(1
+)、化学式N2H6SO4 で表される硫酸ヒドラジニウ
ム(2+)の2種類がある。硫酸ヒドラジニウム(1
+)は、(H2NーNH3)+ が SO4 2ー および他の N
2H5 + と水素結合で結ばれたものである。また、硫酸ヒ
ドラジニウム(2+)は、(H3NーNH3)2+とSO4
2ー とからなると言われている。硫酸ヒドラジニウム
(1+)は溶解度202g/100g、硫酸ヒドラジニ
ウム(2+)は溶解度3.4g/100gの可溶解性結
晶である。またN2H4・2H2SO4の形態をとることも
ある。これらはヒドラジンに硫酸を作用させて得られる
ので、ヒドラジンの形で希硫酸に添加する場合も結果的
には硫酸ヒドラジニウムを添加したのと類似の効果が得
られ、本発明の範囲に含まれる。ただし、硫酸ヒドラジ
ニウムの形態として扱う方が溶解しても安定であるので
調整には好ましい。何れにしても硫酸ヒドラジニウム
は、可溶性であるので、例えば活物質の練合、未化成板
や化成板への溶液状態での含浸、化成電解液への添加、
最終電解液への添加、セパレータへの溶液の含浸、乾燥
等、発電要素を作用させるまでの如何なる段階で如何な
る形態で添加しても、最終では電解液に溶解して利用率
向上の効果を示す。
2H5)2 SO4 で表される硫酸ヒドラジニウム(1
+)、化学式N2H6SO4 で表される硫酸ヒドラジニウ
ム(2+)の2種類がある。硫酸ヒドラジニウム(1
+)は、(H2NーNH3)+ が SO4 2ー および他の N
2H5 + と水素結合で結ばれたものである。また、硫酸ヒ
ドラジニウム(2+)は、(H3NーNH3)2+とSO4
2ー とからなると言われている。硫酸ヒドラジニウム
(1+)は溶解度202g/100g、硫酸ヒドラジニ
ウム(2+)は溶解度3.4g/100gの可溶解性結
晶である。またN2H4・2H2SO4の形態をとることも
ある。これらはヒドラジンに硫酸を作用させて得られる
ので、ヒドラジンの形で希硫酸に添加する場合も結果的
には硫酸ヒドラジニウムを添加したのと類似の効果が得
られ、本発明の範囲に含まれる。ただし、硫酸ヒドラジ
ニウムの形態として扱う方が溶解しても安定であるので
調整には好ましい。何れにしても硫酸ヒドラジニウム
は、可溶性であるので、例えば活物質の練合、未化成板
や化成板への溶液状態での含浸、化成電解液への添加、
最終電解液への添加、セパレータへの溶液の含浸、乾燥
等、発電要素を作用させるまでの如何なる段階で如何な
る形態で添加しても、最終では電解液に溶解して利用率
向上の効果を示す。
【0019】硫酸ヒドラジニウムを鉛蓄電池の発電要素
に添加する好ましい製造方法としては、電解液に用いる
希硫酸に硫酸ヒドラジニウムを添加して、化成用電解液
または最終の電解液を構成するのが最も簡単である。こ
れらの硫酸ヒドラジニウムを添加する形態は、結晶状態
あるいは溶液状態の何れでもよい。添加量については、
発電要素として用いる電解液の体積に対して数mg/l
のレベルでも効果が現れるが、100mg/l以上が顕
著な効果を得るには好ましい。硫酸ヒドラジニウム(1
+)、 硫酸ヒドラジニウム(2+)は何れであっても
類似の効果を示し、また混合して用いても良い。硫酸ヒ
ドラジニウム(2+)の場合は溶解度が3.4g/10
0gと低いので、過剰に投入して一定の濃度の飽和溶液
を作製することができる。
に添加する好ましい製造方法としては、電解液に用いる
希硫酸に硫酸ヒドラジニウムを添加して、化成用電解液
または最終の電解液を構成するのが最も簡単である。こ
れらの硫酸ヒドラジニウムを添加する形態は、結晶状態
あるいは溶液状態の何れでもよい。添加量については、
発電要素として用いる電解液の体積に対して数mg/l
のレベルでも効果が現れるが、100mg/l以上が顕
著な効果を得るには好ましい。硫酸ヒドラジニウム(1
+)、 硫酸ヒドラジニウム(2+)は何れであっても
類似の効果を示し、また混合して用いても良い。硫酸ヒ
ドラジニウム(2+)の場合は溶解度が3.4g/10
0gと低いので、過剰に投入して一定の濃度の飽和溶液
を作製することができる。
【0020】次に、硫酸ヒドラジニウムを多糖類、キレ
ート剤あるいはそれらの誘導体とともに用いる場合に
は、これら添加物を発電要素の作製の過程において添加
することができる。また、結晶や溶液の異なる形態にお
いて添加することも可能である。現実には、同時に添加
した希硫酸電解液を用いて化成するか、または同時に添
加した希硫酸電解液を最終溶液として用いて鉛蓄電池を
構成するのが最も簡単な方法である。
ート剤あるいはそれらの誘導体とともに用いる場合に
は、これら添加物を発電要素の作製の過程において添加
することができる。また、結晶や溶液の異なる形態にお
いて添加することも可能である。現実には、同時に添加
した希硫酸電解液を用いて化成するか、または同時に添
加した希硫酸電解液を最終溶液として用いて鉛蓄電池を
構成するのが最も簡単な方法である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明を適用した鉛蓄電池の構成を示す。1は電槽、2は
電槽蓋、3は安全弁または排気弁、4は正極板、5は負
極板、6は正極端子、7は負極端子、8はセパレ−タ、
9は電解液である。電解液はマット状のセパレ−タを用
いてこれに浸潤して用いても本発明の効果は同じであ
る。
発明を適用した鉛蓄電池の構成を示す。1は電槽、2は
電槽蓋、3は安全弁または排気弁、4は正極板、5は負
極板、6は正極端子、7は負極端子、8はセパレ−タ、
9は電解液である。電解液はマット状のセパレ−タを用
いてこれに浸潤して用いても本発明の効果は同じであ
る。
【0022】正極板および負極板は市販電池のペ−スト
極板を用いた。極板のサイズはおよそ46mm×55m
mである。二酸化鉛換算で理論充填容量がおよそ3.0
Ahの正極板2枚と理論充填容量が2.2Ahの負極板
3枚を用いて、5時間率容量が3.0Ahの電池を構成
した。電解液は、完全充電状態で36.5%の希硫酸を
基準溶液とし、これに、多糖類、キレ−ト剤およびこれ
らの誘導体から選ばれた少なくとも一種の化合物を添加
した。これらの電池について各種放電率で放電して利用
率を調べた。
極板を用いた。極板のサイズはおよそ46mm×55m
mである。二酸化鉛換算で理論充填容量がおよそ3.0
Ahの正極板2枚と理論充填容量が2.2Ahの負極板
3枚を用いて、5時間率容量が3.0Ahの電池を構成
した。電解液は、完全充電状態で36.5%の希硫酸を
基準溶液とし、これに、多糖類、キレ−ト剤およびこれ
らの誘導体から選ばれた少なくとも一種の化合物を添加
した。これらの電池について各種放電率で放電して利用
率を調べた。
【0023】《実施例1》上記基準希硫酸溶液に、多糖
類およびそれらの誘導体から選ばれた化合物としてマン
ニット[A1]、マンノ−ス[A2]、マンノン酸[A
3]、マンノ−ル[A4]、マンニノトリオ−ル[A
5]、マンデル酸[A6]、マントトリオ−ス[A
7]、キレ−ト剤およびその誘導体として、EDTA
[B1]、DTA[B2]、DTPA[B3]、CyD
TA[B4]、TTHA[B5]、NTA[B6]をそ
れぞれ用いた。これらの化合物を50ppm添加した電
解液を用いて電池を構成した。これらの電池について放
電率/利用率の関係を調べた。これらの電池を[Aシリ
ーズ]および[Bシリーズ]とする。資料の記号は前記
[]付きの記号で示し、無添加の場合を[R0]で示し
た。
類およびそれらの誘導体から選ばれた化合物としてマン
ニット[A1]、マンノ−ス[A2]、マンノン酸[A
3]、マンノ−ル[A4]、マンニノトリオ−ル[A
5]、マンデル酸[A6]、マントトリオ−ス[A
7]、キレ−ト剤およびその誘導体として、EDTA
[B1]、DTA[B2]、DTPA[B3]、CyD
TA[B4]、TTHA[B5]、NTA[B6]をそ
れぞれ用いた。これらの化合物を50ppm添加した電
解液を用いて電池を構成した。これらの電池について放
電率/利用率の関係を調べた。これらの電池を[Aシリ
ーズ]および[Bシリーズ]とする。資料の記号は前記
[]付きの記号で示し、無添加の場合を[R0]で示し
た。
【0024】《実施例2》上記基準希硫酸溶液にマンニ
ット25ppmおよびマンノ−ス25ppmを添加した
溶液[C1]、EDTA25ppmおよびNTA25p
pmを添加した溶液[C2]、並びにマンニット25p
pmおよびEDTA25ppmを添加した溶液[C3]
をそれぞれ電解液に用いて電池を構成した。これらの電
池について放電率/利用率の関係を調べた。これらの電
池を[Cシリーズ]とする。
ット25ppmおよびマンノ−ス25ppmを添加した
溶液[C1]、EDTA25ppmおよびNTA25p
pmを添加した溶液[C2]、並びにマンニット25p
pmおよびEDTA25ppmを添加した溶液[C3]
をそれぞれ電解液に用いて電池を構成した。これらの電
池について放電率/利用率の関係を調べた。これらの電
池を[Cシリーズ]とする。
【0025】《実施例3》上記基準希硫酸溶液にマンニ
ットを1〜1000ppmの範囲で種々の量添加した溶
液を電解液に用いて電池を構成した。これらの電池の放
電率1Cにおける利用率を求めた。これらの電池を[D
シリ−ズ]とする。
ットを1〜1000ppmの範囲で種々の量添加した溶
液を電解液に用いて電池を構成した。これらの電池の放
電率1Cにおける利用率を求めた。これらの電池を[D
シリ−ズ]とする。
【0026】《実施例4》上記基準希硫酸溶液にEDT
Aを1〜1000ppmの範囲で種々の量添加した溶液
を電解液に用いて電池を構成した。これらの電池の放電
率1Cにおける利用率を求めた。これらの電池シリ−ズ
を[Eシリ−ズ]とする。
Aを1〜1000ppmの範囲で種々の量添加した溶液
を電解液に用いて電池を構成した。これらの電池の放電
率1Cにおける利用率を求めた。これらの電池シリ−ズ
を[Eシリ−ズ]とする。
【0027】《実施例5》正極活物質の練合段階におい
て、練合物にマンニットを活物質重量に対して1000
ppm添加して得られた極板を用い、添加物を用いない
基準希硫酸溶液を電解液に用いて電池[F]を構成し
た。この電池について10サイクル充放電した後、放電
率/利用率の関係を求めた。
て、練合物にマンニットを活物質重量に対して1000
ppm添加して得られた極板を用い、添加物を用いない
基準希硫酸溶液を電解液に用いて電池[F]を構成し
た。この電池について10サイクル充放電した後、放電
率/利用率の関係を求めた。
【0028】《実施例6》従来の化成板を飽和状態のマ
ンニットを含む基準溶液中に浸漬した極板[G1]およ
び上記飽和溶液中で充電した極板[G2]を用い、電解
液に添加剤を含まない基準希硫酸溶液を用いて電池を構
成した。
ンニットを含む基準溶液中に浸漬した極板[G1]およ
び上記飽和溶液中で充電した極板[G2]を用い、電解
液に添加剤を含まない基準希硫酸溶液を用いて電池を構
成した。
【0029】以上の実施例の電池の特性について述べ
る。ここで、正極活物質の理論充填量をセルあたり6A
hとしたが、5時間率の放電容量が3Ahであるので、
3A放電を1C放電とした。また、利用率は、放電容量
6Ahのとき100%であると表現した。
る。ここで、正極活物質の理論充填量をセルあたり6A
hとしたが、5時間率の放電容量が3Ahであるので、
3A放電を1C放電とした。また、利用率は、放電容量
6Ahのとき100%であると表現した。
【0030】図2は実施例1の[Aシリ−ズ]、すなわ
ち多糖類およびその誘導体の添加効果を示す放電率/利
用率の関係図である。無添加の場合[R0]は、低放電
率の平坦部と高放電率の傾斜部からなる典型的な利用率
特性を示した。本発明の電池では、平坦部の利用率向上
はほとんど見られなかったが、高放電率の傾斜部で顕著
な効果を示した。添加する化合物によって多少特性を表
す曲線の形状が異なっている。図3は同様に実施例1の
[Bシリ−ズ]、すなわちキレ−ト剤およびその誘導体
の添加効果を示す放電率/利用率の関係図である。この
場合も[Aシリ−ズ]と同様に著しい利用率向上効果が
認められた。特に、傾斜部でも比較的低い放電率領域で
の利用率向上が顕著であった。これら効果の現れる形や
程度はおそらく個々の化合物の溶解度や配位化合物の安
定性などと関係すると思われる。
ち多糖類およびその誘導体の添加効果を示す放電率/利
用率の関係図である。無添加の場合[R0]は、低放電
率の平坦部と高放電率の傾斜部からなる典型的な利用率
特性を示した。本発明の電池では、平坦部の利用率向上
はほとんど見られなかったが、高放電率の傾斜部で顕著
な効果を示した。添加する化合物によって多少特性を表
す曲線の形状が異なっている。図3は同様に実施例1の
[Bシリ−ズ]、すなわちキレ−ト剤およびその誘導体
の添加効果を示す放電率/利用率の関係図である。この
場合も[Aシリ−ズ]と同様に著しい利用率向上効果が
認められた。特に、傾斜部でも比較的低い放電率領域で
の利用率向上が顕著であった。これら効果の現れる形や
程度はおそらく個々の化合物の溶解度や配位化合物の安
定性などと関係すると思われる。
【0031】図4は実施例2に基づく複数の添加剤を用
いた場合の放電率/利用率の関係図である。ここでは多
糖類およびその誘導体から2種を選んだ場合[C1]、
キレ−ト剤およびその誘導体から2種類を選んだ場合
[C2]、前者と後者から各1種を選んだ場合[C3]
について示されている。いずれも無添加の[R0]に比
べて傾斜部の利用率が改善されている。また、多糖類の
化合物とキレ−ト剤の化合物を混合することで、それぞ
れの特徴を総合的に発揮できることを示している。
いた場合の放電率/利用率の関係図である。ここでは多
糖類およびその誘導体から2種を選んだ場合[C1]、
キレ−ト剤およびその誘導体から2種類を選んだ場合
[C2]、前者と後者から各1種を選んだ場合[C3]
について示されている。いずれも無添加の[R0]に比
べて傾斜部の利用率が改善されている。また、多糖類の
化合物とキレ−ト剤の化合物を混合することで、それぞ
れの特徴を総合的に発揮できることを示している。
【0032】図5はこれら本発明の添加剤の量的な特徴
をマンニットの事例で示したものである。ここでは、1
C放電における利用率が添加濃度との関係において示さ
れている。図において[R0](無添加の場合)は添加
量に関係なくレベルとして示した。マンニットの場合
は、100ppmよりも少ない添加領域で顕著な効果が
見られた。添加濃度が100ppmを越えると、かえっ
て利用率が低下する傾向にあった。このような有効領域
と無効領域の境界濃度(有効境界領域)は若干異なる
が、この種の添加剤の場合は100ppm前後のものが
多い。同様に、図6はEDTAの添加量と1C放電にお
ける利用率の関係を示す。この場合は、有効境界領域は
マンニットと同様、やはり低濃度領域に有効性が見られ
た。
をマンニットの事例で示したものである。ここでは、1
C放電における利用率が添加濃度との関係において示さ
れている。図において[R0](無添加の場合)は添加
量に関係なくレベルとして示した。マンニットの場合
は、100ppmよりも少ない添加領域で顕著な効果が
見られた。添加濃度が100ppmを越えると、かえっ
て利用率が低下する傾向にあった。このような有効領域
と無効領域の境界濃度(有効境界領域)は若干異なる
が、この種の添加剤の場合は100ppm前後のものが
多い。同様に、図6はEDTAの添加量と1C放電にお
ける利用率の関係を示す。この場合は、有効境界領域は
マンニットと同様、やはり低濃度領域に有効性が見られ
た。
【0033】これらの現象が現れる原因については、図
7が重要な示唆を与える。この図はマンニットを添加し
た電解液中における正極の開路電位と各溶液中に硫酸鉛
を過剰に投入して求めたPb2+イオンの飽和濃度をマン
ニットの添加濃度との関係で示したものである。この図
から明らかなように、図5に示した利用率の変化と図7
の開路電位の変化および鉛イオン濃度の変化はよく対応
している。ただし、電位と鉛イオン濃度の一般に知られ
ている関係とは逆の挙動であることはすでに述べたとお
りである。つまり、ここで計測された鉛イオン濃度は見
かけの濃度であって、実際の活量は添加物の配位によっ
て大幅に低下していると推定される。また、これらの平
衡関係は添加量の多い領域では成立できないようであ
る。
7が重要な示唆を与える。この図はマンニットを添加し
た電解液中における正極の開路電位と各溶液中に硫酸鉛
を過剰に投入して求めたPb2+イオンの飽和濃度をマン
ニットの添加濃度との関係で示したものである。この図
から明らかなように、図5に示した利用率の変化と図7
の開路電位の変化および鉛イオン濃度の変化はよく対応
している。ただし、電位と鉛イオン濃度の一般に知られ
ている関係とは逆の挙動であることはすでに述べたとお
りである。つまり、ここで計測された鉛イオン濃度は見
かけの濃度であって、実際の活量は添加物の配位によっ
て大幅に低下していると推定される。また、これらの平
衡関係は添加量の多い領域では成立できないようであ
る。
【0034】いずれにしても上記のように有効な領域
は、比較的微量の添加領域に現れる。さらに重要なこと
は、このように開路電位の測定によって有効添加量領域
を予見できるということである。ここに例として表して
いない多くの化合物に対して探索が可能である。探索の
手段というよりも、この手段で正極電位が無添加の溶液
中に比べて高くなる化合物は同様に鉛イオンの活量を低
下させていることを意味する。図7の[D’]は、活物
質を使用しないで、鉛板を電解酸化して電位を測定した
場合の開路電位である。ここでは、[D]で表す二酸化
鉛の多孔体とは違って比較的薄い酸化物の層の電位であ
り、細孔を多く備える極板より低い電位を示す。それで
も極板の場合と類似して添加物の濃度に対応して電位が
変化し、有効濃度領域と無効領域を示した。また、無効
濃度領域では、表面酸化された鉛の電位は極度に低いか
急速に低下する現象を示した。これに対して、有効濃度
領域では比較的高く安定した酸化物電位を示した。つま
り、この現象は、極板でなくても鉛もしくは鉛合金板を
電解酸化してその安定性を調べることによって、有効性
のある添加物の材料や添加量を探索できることを示して
いる。なお、図7の[R’O]は、鉛イオンの溶解度調
整剤を添加しない場合において、活物質を使用せずに、
鉛板を電解酸化して電位を測定したときの開路電位であ
る。
は、比較的微量の添加領域に現れる。さらに重要なこと
は、このように開路電位の測定によって有効添加量領域
を予見できるということである。ここに例として表して
いない多くの化合物に対して探索が可能である。探索の
手段というよりも、この手段で正極電位が無添加の溶液
中に比べて高くなる化合物は同様に鉛イオンの活量を低
下させていることを意味する。図7の[D’]は、活物
質を使用しないで、鉛板を電解酸化して電位を測定した
場合の開路電位である。ここでは、[D]で表す二酸化
鉛の多孔体とは違って比較的薄い酸化物の層の電位であ
り、細孔を多く備える極板より低い電位を示す。それで
も極板の場合と類似して添加物の濃度に対応して電位が
変化し、有効濃度領域と無効領域を示した。また、無効
濃度領域では、表面酸化された鉛の電位は極度に低いか
急速に低下する現象を示した。これに対して、有効濃度
領域では比較的高く安定した酸化物電位を示した。つま
り、この現象は、極板でなくても鉛もしくは鉛合金板を
電解酸化してその安定性を調べることによって、有効性
のある添加物の材料や添加量を探索できることを示して
いる。なお、図7の[R’O]は、鉛イオンの溶解度調
整剤を添加しない場合において、活物質を使用せずに、
鉛板を電解酸化して電位を測定したときの開路電位であ
る。
【0035】一方、図8は実施例5のように活物質の練
合段階でマンニットを投入した場合に添加効果を得られ
る事例を示している。最終的に無添加の電解液を適用し
ても、添加剤が溶解することによって利用率の向上効果
が得られることを示している。図9の[G1]は、実施
例6の化成板の段階で極板が本発明の添加剤で浸潤され
ても効果をもたらすことを示している。さらに、[G
2]は、本来効果がないかかえって劣化を示すような添
加量の高い領域を経由しても、低添加濃度あるいは無添
加の領域の電解液を適用することによって、最終的には
有効領域に戻すことができるという極めて重要な情報を
与えている。
合段階でマンニットを投入した場合に添加効果を得られ
る事例を示している。最終的に無添加の電解液を適用し
ても、添加剤が溶解することによって利用率の向上効果
が得られることを示している。図9の[G1]は、実施
例6の化成板の段階で極板が本発明の添加剤で浸潤され
ても効果をもたらすことを示している。さらに、[G
2]は、本来効果がないかかえって劣化を示すような添
加量の高い領域を経由しても、低添加濃度あるいは無添
加の領域の電解液を適用することによって、最終的には
有効領域に戻すことができるという極めて重要な情報を
与えている。
【0036】次に、実施例7〜13で用いる鉛蓄電池を
説明する。正極板および負極板には、前記と同様に市販
電池のペースト極板を用いた。極板のサイズはおよそ4
6×55mmである。二酸化鉛換算で理論充填容量がお
よそ3.0Ahの正極板2枚と理論充填容量が2.2A
hの負極板3枚を用いて、1セルを構成し、これを6セ
ル直列に接続して、公称電圧12V、5時間率容量1.
3Ahの電池を構成した。電解液は、完全充電状態にお
いて、36.5wt%の希硫酸を基準の電解液として用
い、以下の組成で硫酸ヒドラジニウムおよび多糖類、キ
レート剤あるいはそれらの誘導体を以下に示す実施例に
基づいて所定量添加した。なお、この電池は正極容量制
限である。これらの電池については、正極の充填量容量
を1C(A)基準として、5C(A)相当の定電流(1
5A)の定電流放電と設定電流15A、設定電圧13.
5Vの定電圧・定電流充電を組み合わせて充放電を行
い、利用率の変化を調べた。なお、硫酸ヒドラジニウム
の効果は広い範囲において見られるが、特徴的に効果を
示した事例について以下に示す。
説明する。正極板および負極板には、前記と同様に市販
電池のペースト極板を用いた。極板のサイズはおよそ4
6×55mmである。二酸化鉛換算で理論充填容量がお
よそ3.0Ahの正極板2枚と理論充填容量が2.2A
hの負極板3枚を用いて、1セルを構成し、これを6セ
ル直列に接続して、公称電圧12V、5時間率容量1.
3Ahの電池を構成した。電解液は、完全充電状態にお
いて、36.5wt%の希硫酸を基準の電解液として用
い、以下の組成で硫酸ヒドラジニウムおよび多糖類、キ
レート剤あるいはそれらの誘導体を以下に示す実施例に
基づいて所定量添加した。なお、この電池は正極容量制
限である。これらの電池については、正極の充填量容量
を1C(A)基準として、5C(A)相当の定電流(1
5A)の定電流放電と設定電流15A、設定電圧13.
5Vの定電圧・定電流充電を組み合わせて充放電を行
い、利用率の変化を調べた。なお、硫酸ヒドラジニウム
の効果は広い範囲において見られるが、特徴的に効果を
示した事例について以下に示す。
【0037】《実施例7》硫酸ヒドラジニウム(+1)
を1g/l希硫酸に添加し、電解液として用いた。この
電池を[H1]とする。
を1g/l希硫酸に添加し、電解液として用いた。この
電池を[H1]とする。
【0038】《実施例8》硫酸ヒドラジニウム(+2)
を1g/l希硫酸に添加し、電解液として用いた。この
電池を[H2]とする。
を1g/l希硫酸に添加し、電解液として用いた。この
電池を[H2]とする。
【0039】《実施例9》硫酸ヒドラジニウム(+1)
0.5g/lと硫酸ヒドラジニウム(+2)0.5g/
lを希硫酸に添加し、電解液とした。この電池を[H
3]とする。
0.5g/lと硫酸ヒドラジニウム(+2)0.5g/
lを希硫酸に添加し、電解液とした。この電池を[H
3]とする。
【0040】《実施例10》硫酸ヒドラジニウム(+
1)1g/lとマンニット20mg/lを希硫酸に添加
し,電解液とした。この電池を[I1]とする。
1)1g/lとマンニット20mg/lを希硫酸に添加
し,電解液とした。この電池を[I1]とする。
【0041】《実施例11》硫酸ヒドラジニウム(+
2)1g/lとマンニット20mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[I2]とする。
2)1g/lとマンニット20mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[I2]とする。
【0042】《実施例12》硫酸ヒドラジニウム(+
1)1g/lとEDTA50mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[J1]とする。
1)1g/lとEDTA50mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[J1]とする。
【0043】《実施例13》硫酸ヒドラジニウム(+
2)1g/lとEDTA50mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[J2]とする。
2)1g/lとEDTA50mg/lを希硫酸に添加
し、電解液とした。この電池を[J2]とする。
【0044】《比較例》添加物を含まない 36.5w
t%の希硫酸を電解液に用いた電池[R0]、硫酸ヒド
ラジニウムを含まずマンニットを20mg/l含む3
6.5wt%の希硫酸を電解液に用いた電池[D1]、
硫酸ヒドラジニウムを含まずEDTAを20mg/l含
む36.5wt%の希硫酸を電解液に用いた電池[E
1]を比較例として作製した。
t%の希硫酸を電解液に用いた電池[R0]、硫酸ヒド
ラジニウムを含まずマンニットを20mg/l含む3
6.5wt%の希硫酸を電解液に用いた電池[D1]、
硫酸ヒドラジニウムを含まずEDTAを20mg/l含
む36.5wt%の希硫酸を電解液に用いた電池[E
1]を比較例として作製した。
【0045】これらの電池について、正極の5時間率容
量の5Cに相当する15Aで放電した。図10、図1
1、および図12はこのときのサイクルと活物質利用率
の関係を示す図であり、本発明の効果を説明するための
図である。まず、図10においては、硫酸ヒドラジニウ
ムを含まない電池[R0]に比べて、硫酸ヒドラジニウ
ム(+1)を添加した電池[H1]、硫酸ヒドラジニウ
ム(+2)を添加した電池[H2]、硫酸ヒドラジニウ
ム(+1)と硫酸ヒドラジニウム(+2)を同時に添加
した電池[H3]何れにおいてもサイクルの進行に伴っ
て利用率が増加し、その後一定になることを示した。こ
の様に放電と充電を繰り返すことによって利用率が増大
するということは、硫酸ヒドラジニウムが、放電された
後に次の充電の過程で、放電のしやすい活物質の状態を
形成するのに作用していることを示している。また、硫
酸ヒドラジニウム(+1)と硫酸ヒドラジニウム(+
2)何れの形態でも最終に得られる利用率の最大レベル
は大きな差はないが、効果の現れる速度は、還元性のや
や強い硫酸ヒドラジニウム(+2)の添加された[H
2]および[H3]の方が早く、即効性があると思われ
る。
量の5Cに相当する15Aで放電した。図10、図1
1、および図12はこのときのサイクルと活物質利用率
の関係を示す図であり、本発明の効果を説明するための
図である。まず、図10においては、硫酸ヒドラジニウ
ムを含まない電池[R0]に比べて、硫酸ヒドラジニウ
ム(+1)を添加した電池[H1]、硫酸ヒドラジニウ
ム(+2)を添加した電池[H2]、硫酸ヒドラジニウ
ム(+1)と硫酸ヒドラジニウム(+2)を同時に添加
した電池[H3]何れにおいてもサイクルの進行に伴っ
て利用率が増加し、その後一定になることを示した。こ
の様に放電と充電を繰り返すことによって利用率が増大
するということは、硫酸ヒドラジニウムが、放電された
後に次の充電の過程で、放電のしやすい活物質の状態を
形成するのに作用していることを示している。また、硫
酸ヒドラジニウム(+1)と硫酸ヒドラジニウム(+
2)何れの形態でも最終に得られる利用率の最大レベル
は大きな差はないが、効果の現れる速度は、還元性のや
や強い硫酸ヒドラジニウム(+2)の添加された[H
2]および[H3]の方が早く、即効性があると思われ
る。
【0046】図11は硫酸ヒドラジニウムを多糖類とと
もに発電要素に添加する効果を示したものである。多糖
類の代表としてマンニットを用い、これに硫酸ヒドラジ
ニウム(+1)を添加した[I1]及び硫酸ヒドラジニ
ウム(+2)を添加した[I2]は、いずれもマンニット
だけ添加した比較例[D1]に比べて最終的に得られる
利用率が高く、また利用率の最大レベルへの到達速度も
速くなった。また、これらの利用率及び利用率増加速度
は、若干硫酸ヒドラジニウム(+2)の方が優れてい
た。図12は硫酸ヒドラジニウムをキレート剤とともに
発電要素に添加する効果を示したものである。キレート
剤の代表としてEDTAを用い、これに硫酸ヒドラジニ
ウム(+1)を添加した[J1]及び硫酸ヒドラジニウ
ム(+2)を添加した[J2]はいずれもEDTAだけ
添加した比較例[E1]に比べて最終的に得られる利用
率が高く、またマンニットの場合と同様に利用率の最大
レベルへの到達速度も速くなった。また、これらの利用
率及び利用率増加の度合いは若干硫酸ヒドラジニウム
(+2)の方が優れていた。
もに発電要素に添加する効果を示したものである。多糖
類の代表としてマンニットを用い、これに硫酸ヒドラジ
ニウム(+1)を添加した[I1]及び硫酸ヒドラジニ
ウム(+2)を添加した[I2]は、いずれもマンニット
だけ添加した比較例[D1]に比べて最終的に得られる
利用率が高く、また利用率の最大レベルへの到達速度も
速くなった。また、これらの利用率及び利用率増加速度
は、若干硫酸ヒドラジニウム(+2)の方が優れてい
た。図12は硫酸ヒドラジニウムをキレート剤とともに
発電要素に添加する効果を示したものである。キレート
剤の代表としてEDTAを用い、これに硫酸ヒドラジニ
ウム(+1)を添加した[J1]及び硫酸ヒドラジニウ
ム(+2)を添加した[J2]はいずれもEDTAだけ
添加した比較例[E1]に比べて最終的に得られる利用
率が高く、またマンニットの場合と同様に利用率の最大
レベルへの到達速度も速くなった。また、これらの利用
率及び利用率増加の度合いは若干硫酸ヒドラジニウム
(+2)の方が優れていた。
【0047】以上の様に硫酸ヒドラジニウムは、鉛イオ
ンに配位して鉛イオンの溶解度や活量を調整する機能を
備える多糖類やキレート剤とともに希硫酸溶液中に共存
することによって、放電後の充電で生成される二酸化鉛
の形態に好ましい影響を与えるものと思われる。このメ
カニズムはまだ明確ではない。とくに硫酸ヒドラジニウ
ムの添加によって一部で二酸化鉛の分解が起こることが
利用率の高い活物質の形態を構築することと一見矛盾す
る様に考えられるが、結果としてこれらの点が微細な孔
径分布の多い多孔体を形成する傾向があることと深い関
係があるものと思われる。そして、充電の過程で、分解
と溶解と析出を微妙に繰り返して、従来形成されなかっ
た新しい活物質の形態を再構築していくものと考えられ
る。とくに、多糖類やキレート剤と共存する場合の方が
この傾向が大きい。ここに述べたマンニットやEDTA
は、一部の実施例であって、これらの効果は鉛イオンに
配位し、イオンの活量や溶解濃度を調整し、硫酸ヒドラ
ジニウムとともに溶解性や二酸化鉛の分解性を増大させ
る傾向を示す多糖類やキレート剤が類似の効果を示す。
なお、電池中の硫酸ヒドラジニウムの窒素の存在は、I
CP分光分析あるいはマススペクトルを複合させること
で知ることが可能である。
ンに配位して鉛イオンの溶解度や活量を調整する機能を
備える多糖類やキレート剤とともに希硫酸溶液中に共存
することによって、放電後の充電で生成される二酸化鉛
の形態に好ましい影響を与えるものと思われる。このメ
カニズムはまだ明確ではない。とくに硫酸ヒドラジニウ
ムの添加によって一部で二酸化鉛の分解が起こることが
利用率の高い活物質の形態を構築することと一見矛盾す
る様に考えられるが、結果としてこれらの点が微細な孔
径分布の多い多孔体を形成する傾向があることと深い関
係があるものと思われる。そして、充電の過程で、分解
と溶解と析出を微妙に繰り返して、従来形成されなかっ
た新しい活物質の形態を再構築していくものと考えられ
る。とくに、多糖類やキレート剤と共存する場合の方が
この傾向が大きい。ここに述べたマンニットやEDTA
は、一部の実施例であって、これらの効果は鉛イオンに
配位し、イオンの活量や溶解濃度を調整し、硫酸ヒドラ
ジニウムとともに溶解性や二酸化鉛の分解性を増大させ
る傾向を示す多糖類やキレート剤が類似の効果を示す。
なお、電池中の硫酸ヒドラジニウムの窒素の存在は、I
CP分光分析あるいはマススペクトルを複合させること
で知ることが可能である。
【0048】以上のように本発明は希硫酸濃度と活物質
構造によって電位が固定されると考えられてきた鉛蓄電
池の電位と利用率を、希硫酸中に鉛イオンの溶解度を調
整できる化合物を添加することによって、改善するもの
である。
構造によって電位が固定されると考えられてきた鉛蓄電
池の電位と利用率を、希硫酸中に鉛イオンの溶解度を調
整できる化合物を添加することによって、改善するもの
である。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明は、鉛蓄電池の反応
メカニズムの変化を誘導すると思われる従来にない新し
い添加剤の効果によって、鉛蓄電池のとくに高率放電時
の利用率を向上するものであって、その適用範囲はすべ
ての形態の鉛蓄電池に及ぶものである。
メカニズムの変化を誘導すると思われる従来にない新し
い添加剤の効果によって、鉛蓄電池のとくに高率放電時
の利用率を向上するものであって、その適用範囲はすべ
ての形態の鉛蓄電池に及ぶものである。
【図1】本発明の一実施例における鉛蓄電池の縦断面図
である。
である。
【図2】実施例における鉛蓄電池の放電率/利用率特性
を示す図である。
を示す図である。
【図3】他の実施例における鉛蓄電池の放電率/利用率
特性を示す図である。
特性を示す図である。
【図4】さらに他の実施例における鉛蓄電池の放電率/
利用率特性を示す図である。
利用率特性を示す図である。
【図5】鉛イオンの溶解度調整剤の添加量と利用率の関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図6】他の鉛イオンの溶解度調整剤の添加量と利用率
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図7】鉛イオンの溶解度調整剤の添加量と正極の開路
電位および鉛イオンの溶解濃度の関係を示す図である。
電位および鉛イオンの溶解濃度の関係を示す図である。
【図8】本発明の他の実施例における鉛蓄電池の放電率
/利用率特性を示す図である。
/利用率特性を示す図である。
【図9】さらに他の実施例における鉛蓄電池の放電率/
利用率特性を示す図である。
利用率特性を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例における鉛蓄電池のサイ
クル/利用率特性を示す図である。
クル/利用率特性を示す図である。
【図11】他の実施例における鉛蓄電池のサイクル/利
用率特性を示す図である。
用率特性を示す図である。
【図12】他の実施例における鉛蓄電池のサイクル/利
用率特性を示す図である。
用率特性を示す図である。
1 電槽 2 電槽蓋 3 安全弁(排気弁) 4 正極 5 負極 6 正極端子 7 負極端子 8 セパレ−タ 9 電解液
Claims (11)
- 【請求項1】 多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導体、
および硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた少な
くとも1種の化合物を鉛イオンの溶解度調整剤として発
電要素に添加した鉛蓄電池。 - 【請求項2】 多糖類またはその誘導体が、マンニッ
ト、マンノ−ス、マンノン酸、マンノ−ル、マンニノト
リオ−ス、およびマントトリオ−スからなる群より選ば
れる請求項1に記載の鉛蓄電池。 - 【請求項3】 キレ−ト剤またはその誘導体が、エチレ
ンジアミン四酢酸、エチレンジオキシビス(エチルアミ
ン)−N,N,N’,N’四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン
−N,N,N’−四酢酸水和物、トリエチレンテトラミ
ン−N,N,N’,N’,N''',N''' 六酢酸、および
ニトリロ三酢酸からなる群より選ばれる請求項1に記載
の鉛蓄電池。 - 【請求項4】 硫酸ヒドラジニウムが、(N2H5)2 S
O4 で表される硫酸ヒドラジニウム(1+)およびN2
H6SO4 で表される硫酸ヒドラジニウム(2+)から
なる群より選ばれるものの結晶またはその溶解物である
請求項1に記載の鉛蓄電池。 - 【請求項5】 多糖類、キレ−ト剤、およびそれらの誘
導体からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物、
ならびに硫酸ヒドラジニウムを発電要素に添加した鉛蓄
電池。 - 【請求項6】 多糖類、キレ−ト剤、およびそれらの誘
導体からなる群より選ばれた化合物の電解液に対する総
添加量が、重量比で100ppm以下である請求項1ま
たは5に記載の鉛蓄電池。 - 【請求項7】 硫酸ヒドラジニウムの電解液に対する添
加量が、体積比で100mg/l以上である請求項1ま
たは5に記載の鉛蓄電池。 - 【請求項8】 添加物濃度と充電後の正極の開路電位の
関係において、無添加の希硫酸中の開路電位よりも高い
開路電位を示す添加物濃度領域が存在する化合物を鉛イ
オンの溶解度調整剤として発電要素に含む鉛蓄電池。 - 【請求項9】 添加濃度と鉛イオン溶解濃度の関係にお
いて、無添加の希硫酸中よりも高い鉛イオン溶解濃度を
示す添加物濃度領域が存在し、かつその領域で無添加の
希硫酸中よりも高い正極の開路電位を示す化合物を鉛イ
オンの溶解度調整剤として発電要素に含む鉛蓄電池。 - 【請求項10】 充電状態の正極板の開路電位を無添加
希硫酸中の電位と比較する方法、または鉛もしくは鉛合
金の電解酸化物の電位を無添加希硫酸中の電位と比較す
る方法によって鉛イオンの溶解度調整剤の種類および添
加量を決定する鉛蓄電池の製造方法。 - 【請求項11】 多糖類、キレ−ト剤、それらの誘導
体、および硫酸ヒドラジニウムからなる群より選ばれた
少なくとも1種の鉛イオンの溶解度調整剤の添加量が高
い希硫酸溶液に少なくとも正極板を浸潤し、充放電を繰
り返した後に、上記鉛イオンの溶解度調整剤の低い添加
濃度の希硫酸溶液を用いて電池を構成する鉛蓄電池の製
造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08305397A JP3487574B2 (ja) | 1996-08-13 | 1997-04-01 | 鉛蓄電池およびその製造方法 |
| US08/906,681 US6027832A (en) | 1996-08-13 | 1997-08-05 | Lead acid storage battery and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21378796 | 1996-08-13 | ||
| JP8-213787 | 1996-08-13 | ||
| JP08305397A JP3487574B2 (ja) | 1996-08-13 | 1997-04-01 | 鉛蓄電池およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10112331A true JPH10112331A (ja) | 1998-04-28 |
| JP3487574B2 JP3487574B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=26424123
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08305397A Expired - Fee Related JP3487574B2 (ja) | 1996-08-13 | 1997-04-01 | 鉛蓄電池およびその製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6027832A (ja) |
| JP (1) | JP3487574B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100615155B1 (ko) * | 1999-09-09 | 2006-08-25 | 삼성에스디아이 주식회사 | 각형 이차전지와 그 제조 방법 |
| JP4923574B2 (ja) * | 2003-10-28 | 2012-04-25 | 株式会社Gsユアサ | 鉛蓄電池 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100384007C (zh) * | 2006-02-21 | 2008-04-23 | 张西琮 | 无酸离子态钠盐蓄电池用电解液 |
| WO2012053972A1 (en) | 2010-10-20 | 2012-04-26 | Empire Technology Development Llc | Calcium hexaboride anodes for electrochemical cells |
| CN114006054A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-02-01 | 湖北信通通信有限公司 | 一种铅酸蓄电池修复液及其制备和应用 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US2345035A (en) * | 1943-07-21 | 1944-03-28 | Gen Motors Corp | Manufacture of storage batteries |
| US4617244A (en) * | 1985-06-24 | 1986-10-14 | Greene Roland M | Additive for electrolyte of lead-acid batteries |
| US5252105A (en) * | 1992-10-06 | 1993-10-12 | General Motors Corporation | Method of forming lead-acid battery electrode |
-
1997
- 1997-04-01 JP JP08305397A patent/JP3487574B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1997-08-05 US US08/906,681 patent/US6027832A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100615155B1 (ko) * | 1999-09-09 | 2006-08-25 | 삼성에스디아이 주식회사 | 각형 이차전지와 그 제조 방법 |
| JP4923574B2 (ja) * | 2003-10-28 | 2012-04-25 | 株式会社Gsユアサ | 鉛蓄電池 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US6027832A (en) | 2000-02-22 |
| JP3487574B2 (ja) | 2004-01-19 |
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