JPH1012217A - リチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極

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JPH1012217A
JPH1012217A JP8166198A JP16619896A JPH1012217A JP H1012217 A JPH1012217 A JP H1012217A JP 8166198 A JP8166198 A JP 8166198A JP 16619896 A JP16619896 A JP 16619896A JP H1012217 A JPH1012217 A JP H1012217A
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graphite
negative electrode
secondary battery
ion secondary
lithium ion
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Masashi Wakata
昌志 若田
Yoshihisa Suda
吉久 須田
Yasushi Yamamoto
泰 山本
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極板の製造が容易で、高充放電容量で、サイ
クル安定性の良いリチウムイオン二次電池用負極を提供
する。 【解決手段】 黒鉛結晶粉末と、有機物粘結材とを混合
し、高度な剪断力を作用させメカノケミカル反応を行わ
せて分散複合させ、黒鉛結晶が高度に配向するように押
出し成形し、不活性雰囲気又は非酸化性雰囲気中で焼成
することにより、含まれる有機物を不定形もしくは乱層
構造炭素の状態に炭素化して得られる「黒鉛、炭素」複
合炭素材料を粉砕したものを負極に用いるリチウムイオ
ン二次電池用負極において、黒鉛/炭素の重量比を81
/19以上95/5以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、黒鉛結晶粉末
を、結晶性の低い炭素材料となるバインダーにより配向
させてかためた黒鉛/炭素複合炭素材料を含むリチウム
イオン二次電池用負極に関する。
【0002】
【従来の技術】金属リチウムを負極活物質とする電池を
すべてリチウム電池とよぶ。正確には正極活物質と組合
わせて“二酸化マンガン・リチウム電池”のようによ
ぶ。リチウム電池は、近年実用化された電池であるが、
電圧が通常の乾電池の約2倍と高く、容量が大きくしか
も貯蔵寿命も5年以上あるため、高価ではあるが、よく
利用されるようになった。特に近年、急速にエレクトロ
ニックス機器における小型化技術が発展してきた結果、
その電源として用いられる電池にも小型化が要求され、
高エネルギー密度、大容量、高起電力性の向上が必須と
なり、新しいリチウムイオン二次電池の研究開発が活発
化している。
【0003】しかし、従来のリチウム二次電池では、負
極活物質として金属リチウム箔等を用いる場合が多いの
で、以下のような解決しなければならない課題を有して
いた。すなわち、金属リチウムは放電に伴って電解液中
に溶出するため、充電時にリチウムは再析出することに
なる。この時、リチウムがデンドライド(樹枝)状に析
出したり、微粒子化したりする。デンドライドはショー
トの原因となったり、脱落して容量低下をもたらすため
に、サイクル特性や安全性の低下につながる。デンドラ
イドは大電流時に生成し易いので、急速充電はサイクル
寿命を悪化させる。
【0004】そこで、リチウム/アルミ合金、ウッド合
金等のようなリチウムを吸蔵することができる物質を負
極に用いる方法が提案されているが、電極としての加工
性が低下するなど問題点の完全な解決にはいたっていな
い。リチウムを吸蔵できる物質の内、最も可能性が高い
負極材料は炭素で、近年、黒鉛を始めとする各種の炭素
材に担持させる研究が盛んに行われている。特開昭57
−208079号公報には、黒鉛を負極として充電を行
うと、正極中のリチウムは電気化学的に負極黒鉛の層間
にインターカレーション(挿入)され、放電にともなっ
てリチウムは黒鉛層間から電解液中にイオンとしてデイ
ンターカレーションされ正極中に戻ることができるの
で、黒鉛粉末を結着材とともにペースト状にし、これを
金属箔の集電材に塗着した負極が開示されている。
【0005】しかし、金属リチウムの放電能力の理論値
は、3860 mAh/gであるが、黒鉛では、C6 Li迄
吸蔵できたとして、黒鉛1g当たりの放電容量の理論値
は、372mAh で、金属リチウムの1/10以下であ
る。したがって、従来より提案されている黒鉛材料にリ
チウムを担持させた負極材を用いても必ずしも高容量が
期待できず、黒鉛のみではリチウム吸蔵能力が乏しく、
リチウムイオン電池としての充放電容量が小さいという
問題がある。
【0006】黒鉛を負極として単独で使用すると、電解
液であるプロピレンカーボネート(PC)の分解反応が
クーロン効率ほぼ100%で進み、リチウムの吸蔵が困
難となることが明らかにされている。また、黒鉛を負極
として単独で使用すると、充放電により黒鉛層間にリチ
ウムをインターカレーション・デインターカレーション
させた場合に、黒鉛の結晶はC軸方向に膨張、収縮を繰
り返すが、充放電サイクルを繰り返していくと、その結
晶構造はインターカレーション前の状態にまでは回復せ
ず若干膨脹した状態になり、負極の集電材と黒鉛粉末の
密着性が低下したり、集電材からの脱落が起こって、負
極での集電効率が低下したり、電池の充放電特性が低下
してくるという現象が起っていた。さらに、黒鉛単独で
は放電末期に急激に電圧が変化するので電池残量のイン
ジケートが困難である。
【0007】黒鉛に代えて、有機材料を炭素化して得ら
れる低結晶性の炭素質材料を負極として用いることが、
例えば、特開昭62−122066号公報に記載されて
いる。しかし、低結晶性の炭素質材料単独では、リチウ
ムの吸蔵量が小さく理論値に満たない。特開平7−32
6343号公報には、リチウムイオン二次電池の負極材
料として高結晶性の黒鉛と低結晶性の炭素からなる炭素
材料を用いることが記載されている。しかしながら、黒
鉛と炭素化前の有機材料との混合が粉末どうしの単なる
混合であり不完全であるため、黒鉛が低結晶性炭素で充
分に覆われていないと推測され、黒鉛と低結晶性炭素と
を単に混ぜ合わせたときと同様に、両者の複合則に従っ
ているに過ぎない。すなわち、放電電圧が安定している
が放電末期に急激に変化するという黒鉛の特性と、放電
初期から末期にわたって電圧が徐々に変化する低結晶性
炭素の特性との中間的な特性を、両者の比率に応じて呈
している。
【0008】これに対し本願出願人は、特願平7−32
409号において、黒鉛結晶微粉末と有機物粘結材とを
混合し、高度な剪断力を作用させることによりメカノケ
ミカル反応を行なわせて分散複合させた組成物を、黒鉛
結晶が高度に配向するように押出成形した後、有機物粘
結材を炭素化して得られた黒鉛/炭素複合炭素材料を、
リチウムイオン二次電池の負極材料として用いることを
提案した。この特願平7−32409号には、黒鉛/炭
素複合炭素材料における低結晶性炭素に対する黒鉛の重
量比は20/80以上80/20以下であることが記載
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
重量比の範囲内の黒鉛/炭素複合炭素材料をリチウムイ
オン二次電池の負極材料として用いた場合、充放電容量
が安定化するまでに数サイクルの充放電操作を必要とす
るという問題があった。したがって本発明の目的は、リ
チウムイオン二次電池の負極材料として用いたときに、
該二次電池の充放電容量が早期に安定化する黒鉛/炭素
複合炭素材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、黒鉛よ
りも結晶性の低い低結晶性炭素によって結着された黒鉛
からなる黒鉛/炭素複合炭素材料であって、低結晶性炭
素に対する黒鉛の重量比が81/19以上95/5以下
であるものを含むリチウムイオン二次電池用負極が提供
される。
【0011】黒鉛/炭素複合炭素材料における低結晶性
炭素に対する黒鉛の重量比が81/19に満たないとき
に充放電容量が早期に安定化しないのは、黒鉛の結晶端
面の部分に形成された低結晶性炭素を黒鉛の膨張方向に
破壊するために数サイクル必要であるためである。した
がって、重量比を81/19以上と低結晶性炭素の割合
を少なくすることにより充放電容量の早期安定化が達成
される。この中でも、重量比が87/13以上の場合が
放電末期の電圧の上昇がゆるやかであり、なおかつ充放
電容量の早期安定化が達成されるので好ましい。また、
重量比が95/5以上であると黒鉛単独の場合の特性に
近くなり、前述したような黒鉛単独のときの問題を生じ
るようになる。
【0012】前記黒鉛結晶は、X線広角回析による平均
格子定数d=(002)が、0.338nm以下で、C軸
方向の結晶子の大きさLc=(002)が、40nm以上
の天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛、気相成長黒
鉛、人造黒鉛よりなる群より選ばれた少なくとも1種で
あることが好適である。低結晶性炭素は、X線広角回析
による平均格子定数d=(002)が、0.350nm以
上で、C軸方向の結晶子の大きさLc=(002)が2
5nm以下であることが好適である。
【0013】前記複合炭素材料は、結晶が高度に発達し
た黒鉛結晶微粉末と、有機物粘結材とを混合し、高度な
剪断力を作用させることによりメカノケミカル反応を行
わせて分散複合させた組成物を、黒鉛結晶が高度に配向
するように押出形成した後、不活性雰囲気中または非酸
化性雰囲気中で焼成することにより、含まれる有機物粘
結材を不定形もしくは乱層構造炭素の状態に炭素化して
得られる。
【0014】有機物粘結材は、不活性雰囲気中または非
酸化性雰囲気中で焼成した時不定形もしくは乱層構造の
炭化物を残す有機物であって、天然及び合成による有機
高分子物質、モノマー・オリゴマー類、タール・ピッチ
類、乾留ピッチ類、熱可塑性樹脂類、熱硬化性樹脂の初
期重合体類よりなる群より選んだ少なくとも1種である
ことが好適である。
【0015】ここで、バインダー炭素の出発材料につい
て説明を加える。天然及び合成有機高分子物質として
は、後記する熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂以外の物
質で、リグニン、セルロース、トラガントガム、アラビ
アガム、天然ガム及びその誘導体、糖類、キチン、キト
サン等のごとき縮合多環芳香族を分子の基本構造内に持
つ化合物及び、ナフタレンスルフォン酸のホルマリン縮
合物、ジニトロナフタレン、ピレン、ピラントロン、ビ
オラントロン、ベンゾアントロン等から誘導されるイン
ダンスレン系建染染料及びその中間体である。
【0016】熱可塑性樹脂類としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、後塩
素化ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、等の通常の熱可塑性樹脂及びポリフェニレ
ンオキサイド、ポリパラキシレン、ポリスルフォン、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾー
ル、ポリオキサジアゾール、等の耐熱性熱可塑性樹脂を
用い炭素前駆体化処理として、酸化架橋したものであ
る。
【0017】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、コプナ樹
脂、等が用いられ加熱により、流動すると共に、分子間
架橋を生じ三次元化して硬化し、特別の炭素前駆体化処
理を行うことなく高い炭素残査収率を示すものである。
ピッチ類としては、石油ピッチ、コールタールピッチ、
アスファルト、及び、これらのピッチ類や合成樹脂など
の炭化水素化合物の乾留ピッチ(400℃以下の処理物
で、炭素残査収率が75%〜95%)に酸化処理などの
難黒鉛化処理を施したものである。
【0018】次に、本発明において、バインダー炭素の
出発原料である有機物材料に複合して用いられる黒鉛微
粉末について説明を加える。電池反応を良好に行わせる
には、高度に発達した黒鉛の結晶端面(エッジ面)が電
極の反応面に垂直に整列するように組織配向した複合炭
素材料を作製することが重要である。それ故、黒鉛ウィ
スカ、高配向性気相熱分解黒鉛(HOPG)、気相成長
黒鉛(VGCF)、キッシュ黒鉛、結晶質天然黒鉛が好
ましく用いられる。黒鉛微粉末の粒度は、目的とする電
池の構成によっても異なるが、最大粒子径が10μm程
度であることが好ましい。
【0019】次に、本願発明の負極炭素材料の製造方法
について説明する。バインダー炭素材を構成する非晶質
炭素を残す有機物として、上記の天然高分子物質、合成
高分子物質、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ピッチ類等
のうち一種又は、二種以上を適宜選択して出発原料と
し、これに前記結晶性黒鉛微粉末を目的に応じて配合
し、ヘンシェルミキサー等で粉体分散を十分に行う。
【0020】高密度化や容量性の付与等の必要に応じて
は、上記組成に炭素残査収率の高い乾留ピッチを配合
し、これに可塑剤、溶剤等を添加し、加圧ニーダーまた
は二本ロール等の高度に剪断力が掛けられる混練機を用
いて、メカノケミカル反応を行わせて十分に混合分散を
施し、ペレタイザーにより顆粒化した後、スクリュー式
やプランジャー式等の押出機により所望の直径に高速に
押出成形して、押し出し方向に複合した黒鉛の結晶が良
く配列するように配向操作を加えることにより生成形体
が得られる。
【0021】次に、この生成形体に延伸操作を加えつつ
180℃に加熱されたエアー・オーブン中にて、10時
間処理してプリ・カーサー(炭素前駆体)材料とする。
更に、窒素ガス中で昇温速度を制御しつつ1,100℃
以下の所定の温度まで徐々に加熱して炭素化を終了させ
目的とする負極用炭素材料を得る。焼成最終温度として
は、通常500〜1,100℃であるが、700〜90
0℃の温度が好ましい。
【0022】負極電極の成形は、得られた負極用炭素材
料を衝撃粉砕し、平均粒径5〜50μm前後とする。こ
れを約5重量%のポリテトラフロロエチレン(PTF
E)と混合し、粉末圧縮成形を施してシート状にし、こ
れを円形に打ち抜き、負極電極とした。作製した負極電
極は、真空状態で加温して絶乾状態とした。本願発明に
よれば、高性能の負極用炭素材料を極めて容易に製造す
ることができ、この負極材料を用いることにより、高充
放電容量で、サイクル安定性の良いリチウムイオン二次
電池が製造できる。
【0023】
【実施例】リチウムイオン電池用のテストセルの構成を
図1に示す。対極10には、過剰量の金属リチウムを使
い、セパレータ12には濾紙を3重にして用いた。対極
10及び作用極14は、スプリング15で付勢されたス
テンレス棒16によって押さえ合わせた。ステンレス棒
16はガラス管18に入れOリング20によってセルを
密閉状態とした。22はマルロインドフィルム、24は
導線である。電解液26として、重量比で1:1のエチ
レンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(D
EC)に過塩素酸リチウムを加えたものを用いた。 (実施例1)負極電極のバインダー炭素原料として、塩
素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社製 T−74
2)48重量部、これに天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製
CSSP−B 平均粒度1μm)52重量部を複合し
た組成物100重量部に対し、可塑剤としてジアリルフ
タレートモノマー20重量部を添加して、ヘンシェル・
ミキサーを用いて分散した後、表面温度を120℃に保
ったミキシング用二本ロールを用いて十分に混練を繰り
返してシート状組成物を得、ペレタイザーによってペレ
ット化し成形用組成物を得た。このペレットをスクリュ
ー型押出機で直径0.7mmのダイスを用い脱気を行いつ
つ130℃で3m/秒の速度で押し出し、180℃に加
熱したエアー・オーブン中で延伸操作を加えつつ10時
間処理してプリ・カーサー(炭素前駆体)線材とした。
次に、これを窒素ガス中で500℃までを10℃/時、
500℃から1000℃迄を50℃/時の昇温速度で昇
温し、1000℃で3時間保持した後、自然冷却して焼
成を完了した。
【0024】得られた負極用炭素材料の、「黒鉛/炭
素」の重量比は、「81/19」で、直径0.5mm、組
織の開気孔率は、20%であった。つぎに、この負極用
炭素材料を衝撃粉砕し平均粒径50μm前後とする。こ
れを約5重量%のPTFEと混合し、粉末圧縮成形を施
してシート状にし、これを直径5.3mmの円形に打ち抜
き、負極電極とした。作製した電極は、実重量が1〜2
mg前後であった。真空状態で110℃、1日、乾燥して
絶乾状態とした。作製した負極電極は、図1に示すテス
トセルを用いて、充放電試験を行った。対極には、過剰
量の金属リチウムを使い、セパレータには濾紙を3重に
して用いた。電極どうしは、直径8mmステンレス棒によ
って押さえ合わせた。ステンレス棒は、外径10mm、内
径8mmガラス管に入れ、Oリングによってセルを密閉状
態とした。電解液として、重量比で1:1のエチレンカ
ーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DE
C)に過塩素酸リチウム(LiClO4 )を加えたもの
を用いた。
【0025】テストセルは、次に示す方法で充放電試験
を行った。初回の充電(リチウムイオンが炭素極に入っ
ていく電流の方向を充電とする。)は、リチウムの持つ
電位差である3Vから、0Vに達するまで、電流密度
0.1mA/cm2 の定電流で行い、これに対し放電は同じ
電流密度で1.5V迄行った。2回目以降の充放電は0
Vから1.5Vの間でこれも電流密度を同じくして測定
した。この結果得られた充放電曲線を図2に示す。
【0026】図2及びそれ以降の図面において、全体と
して右下りの曲線が充電曲線、全体として右上りの曲線
が放電曲線である。放電時の電圧が安定で、かつ、放電
末期の電圧変化が急激でないという、二次電池として好
ましい特性が得られている。充電曲線と電位差0Vの線
との交点における横軸の値が充電容量〔 mAh/g〕、放
電曲線と電圧差1.5Vの線との交点における横軸の値
が放電容量〔 mAh/g〕を示す。各充放電サイクルにお
ける充放電容量の値を図の右上に示す。図2の低結晶性
炭素に対する黒鉛の重量比が81/19の場合、2回目
以降で充放電容量は共にほぼ安定している。 (実施例2)バインダー炭素原料と黒鉛粉末の重量比を
変えて実施例1と同様な工程により黒鉛/炭素の重量比
が90/10の負極用炭素材料を得た。充放電曲線を図
3に示す。結着材として5.7重量%のPTFEが使用
されている。黒鉛/炭素の重量比が90/10の場合、
充電容量は2回目から、放電容量は1回目からほぼ安定
している。 (実施例3)バインダー炭素原料と黒鉛粉末の重量比を
変えて実施例1と同様な工程により黒鉛/炭素の重量比
が95/5の負極用炭素材料を得た。充放電曲線を図4
に示す。結着材として5.0重量%のPTFEが使用さ
れている。黒鉛/炭素の重量比が95/5の場合、充電
容量は2回目から、放電容量は1回目からほぼ安定して
いる。また、放電末期における放電曲線が垂直に近くな
っており、電池残量のインジケートがやや困難である。 (実施例4)バインダー炭素原料と黒鉛粉末の重量比を
変えて実施例1と同様な工程により黒鉛/炭素の重量比
が87/13の負極用炭素材料を得た。充放電曲線を図
5に示す。結着材として5.7重量%のPTFEが使用
されている。黒鉛/炭素の重量比が87/13の場合、
充電容量は2回目から、放電容量は1回目からほぼ安定
しており、なおかつ放電末期の電圧の上昇がゆるやかで
ある。 (比較例1)バインダー炭素原料と黒鉛粉末の重量比を
変えて実施例1と同様な工程により黒鉛/炭素の重量比
が75/25の負極用炭素材料を得た。充放電曲線を図
6に示す。結着材として4.9重量%のPTFEが使用
されている。黒鉛/炭素の重量比が75/25の場合、
3回目でも充放電容量が安定しない。
【0027】
【発明の効果】本願発明によれば、高性能の負極用炭素
材料を極めて容易に製造することができ、この負極材料
を用いることにより、高充放電容量で、サイクル安定性
の良いリチウムイオン二次電池が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充放電試験に用いたテストセルの構造説明図で
ある。
【図2】実施例1の充放電曲線図である。
【図3】実施例2の充放電曲線図である。
【図4】実施例3の充放電曲線図である。
【図5】実施例4の充放電曲線図である。
【図6】比較例1の充放電曲線図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛よりも結晶性の低い低結晶性炭素に
    よって結着された黒鉛からなる黒鉛/炭素複合炭素材料
    であって、低結晶性炭素に対する黒鉛の重量比が81/
    19以上95/5以下であるものを含むリチウムイオン
    二次電池用負極。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛は、X線広角回析による平均格
    子定数d=(002)が、0.338nm以下で、C軸方
    向の結晶子の大きさLc=(002)が、40nm以上の
    天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛、気相成長黒鉛、
    人造黒鉛よりなる群より選ばれた少なくとも1種である
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 【請求項3】 前記低結晶性炭素の、X線広角回析によ
    る平均格子定数d=(002)は、0.350nm以上
    で、C軸方向の結晶子の大きさLc=(002)は25
    nm以下である請求項1記載のリチウムイオン二次電池用
    負極。
  4. 【請求項4】 前記複合炭素材料は粉末状であり、粉末
    状の複合炭素材料を結着する結着材をさらに含む請求項
    1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 【請求項5】 前記複合炭素材料は、黒鉛結晶微粉末
    と、有機物粘結材とを混合し、剪断力を作用させること
    によりメカノケミカル反応を行わせて分散複合させた組
    成物を、黒鉛結晶が配向するように押出成形した後、不
    活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で焼成することに
    より、含まれる有機物粘結材を炭素化して得られたもの
    である請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 【請求項6】 前記有機物粘結材は、天然及び合成によ
    る有機高分子物質、モノマー・オリゴマー類、タール・
    ピッチ類、乾留ピッチ類、熱可塑性樹脂類、熱硬化性樹
    脂の初期重合体類よりなる群より選んだ少なくとも1種
    である請求項5記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  7. 【請求項7】 焼成、炭素化が、不活性雰囲気中または
    非酸化性雰囲気中で、500〜1,100℃の温度範囲
    で加熱処理を行うものである請求項5記載のリチウムイ
    オン二次電池用負極。
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