JPH10130005A - 硫化リチウムの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

硫化リチウムの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造方法

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JPH10130005A
JPH10130005A JP8284977A JP28497796A JPH10130005A JP H10130005 A JPH10130005 A JP H10130005A JP 8284977 A JP8284977 A JP 8284977A JP 28497796 A JP28497796 A JP 28497796A JP H10130005 A JPH10130005 A JP H10130005A
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実 千賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料に硫化水素を用いず、かつ温和な条件に
おいて高純度の硫化リチウムを得ることができる硫化リ
チウムの製造方法を提供する。また、副生する塩化リチ
ウムをそのまま回収し再利用でき、かつ分子量の高いポ
リアリーレンスルフィドを製造する方法を提供する 【構成】 非プロトン性有機溶媒中で水硫化ナトリウム
と塩化リチウムとを反応させて水硫化リチウム(LiS
H)と塩化ナトリウムを製造し、次いで析出した塩化ナ
トリウムを除去したのち、脱硫化水素することにより硫
化リチウム(Li 2S)を生成する。また、このように
して得られた硫化リチウムとポリハロゲン化芳香族化合
物を非プロトン性有機溶媒中で反応させてポリアリーレ
ンスルフィドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫化リチウムの製造
方法に関する。さらに詳しくは電気、電子分野、高剛性
材料分野で好適に用いられるポリアリーレンスルフィド
の合成原料として特に有用な硫化リチウムの製造方法に
関する。さらには、該製造方法によって得られた硫化リ
チウムを用いるポリアリーレンスルフィドの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硫化リチウムは、単体リチウムと
硫黄とを融点以上に加熱して反応させて形成する方法
(Troost L. Ann. Chim. Phys., 1875, v.51(3), p.103
)や、また、硫酸リチウムを加熱しながら炭素、水
素、またはアンモニアで還元して形成する方法(ケ・ヴ
ェ・サムソノフ,エス・ヴェ・ドロズドワ著 硫化物便
覧−物性と状態図−)により製造することが行われてい
た。
【0003】しかし、このような製造方法における条件
は非常に過酷なものであり、そのプロセスは複雑かつ過
酷な条件に耐えられるような強固なものでなければなら
なかった。これに対し、本発明者らは、特開平07−3
30312号において、硫化水素と水酸化リチウムを用
いて温和な条件で硫化リチウムを製造する方法を提案し
た。しかしながら、この方法では硫化水素を原料として
用いるのであるが、硫化水素が毒性を有する物質である
ため、その製造及び取り扱いにおいて特殊な設備を必要
としたり、製造プラントの立地条件に制約を受けるな
ど、種々の問題が指摘されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みなされたものであり、原料に硫化水素を用いず、か
つ温和な条件において高純度の硫化リチウムを得ること
ができる硫化リチウムの製造方法を提供することを目的
とする。また、前記方法によって得られた硫化リチウム
を用いることにより、副生する塩化リチウムをそのまま
回収し再利用でき、かつ分子量の高いポリアリーレンス
ルフィドを製造する方法をも提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の方法を用いることにより上記目的を達
成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づい
てなされたものである。すなわち、本発明は、非プロト
ン性有機溶媒中で、好ましくは反応温度が0℃以上にお
いて、水硫化ナトリウムと塩化リチウムとを反応させて
水硫化リチウムと塩化ナトリウムを製造し、次いで析出
した塩化ナトリウムを除去したのち、好ましくは反応温
度が130〜200℃において、脱硫化水素することを
特徴とする硫化リチウムの製造方法を提供するものであ
る。また、かかる製造方法で得られた硫化リチウム及び
ポリハロゲン芳香族化合物を非プロトン性有機溶媒中で
反応させることを特徴とするポリアリーレンスルフィド
の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。以下、本発明を具体的に説明する。 1.硫化リチウムの製造方法 (1) 水硫化リチウムと塩化ナトリウムの生成及び塩化ナ
トリウムの除去 本願にかかる硫化リチウムの製造方法においては、ま
ず、非プロトン性有機溶媒中で水硫化ナトリウムと塩化
リチウムとを反応させて水硫化リチウムと塩化ナトリウ
ムを生成する。
【0007】非プロトン性有機溶媒 本発明に用いられる非プロトン性有機溶媒としては、一
般に、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミ
ド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化
合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、ま
たは、混合溶媒として、好適に使用することができる。
【0008】これらの非プロトン性の極性有機化合物の
うち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−
ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミ
ド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチル
アセトアミド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,
N−ジメチル安息香酸アミド等を挙げることができる。
また、前記ラクタム化合物としては、たとえば、カプロ
ラクタム,N−メチルカプロラクタム,N−エチルカプ
ロラクタム,N−イソプロピルカプロラクタム,N−イ
ソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプロピルカプロ
ラクタム,N−ノルマルブチルカプロラクタム,N−シ
クロヘキシルカプロラクタム等のN−アルキルカプロラ
クタム類,N−メチル−2−ピロリドン(NMP),N
−エチル−2−ピロリドン,N−イソプロピル−2−ピ
ロリドン,N−イソブチル−2−ピロリドン,N−ノル
マルプロピル−2−ピロリドン,N−ノルマルブチル−
2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−2−ピロリド
ン,N−メチル−3−メチル2−ピロリドン,N−エチ
ル−3−メチル−2−ピロリドン,N−メチル−34,
5−トリメチル−2−ピロリドン,N−メチル−2−ピ
ペリドン,N−エチル−2−ピペリドン,N−イソプロ
ピル−2−ピペリドン,N−メチル−6−メチル−2−
ピペリドン,N−メチル−3−エチル−2−ピペリドン
などを挙げることができる。
【0009】また、前記尿素化合物としては、たとえ
ば、テトラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿
素,N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げるこ
とができる。さらに、前記有機イオウ化合物としては、
たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシ
ド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスル
ホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェ
ニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有
機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オ
キソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホ
スホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを
挙げることができる。
【0010】これら各種の非プロトン性極性有機化合物
は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用すること
ができる。前記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、
好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−アル
キルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチル−
2−ピロリドンである。
【0011】水硫化ナトリウム(NaHS) 本発明に用いられる水硫化ナトリウムとしては、特に制
限はなく、高純度である限り市販の製品を使用すること
ができる。また、水酸化ナトリウムと硫化水素との反応
によって得られたものでもよい。入手及び輸送の容易さ
の点から水溶液が用いられる。
【0012】塩化リチウム(LiCl) 本発明に用いられる塩化リチウムとしては特に制限はな
い。ポリアリーレンスルフィド製造における副生物とし
て得られる塩化リチウムを用いてもよい。この場合、副
生した塩化リチウムを晶析等の操作により精製したもの
でもよく、また、非プロトン性有機溶媒に溶けた溶液状
態であってもよい。
【0013】塩化ナトリウムの除去 水硫化リチウムと塩化ナトリウムが生成するが、ここで
固体として生成した塩化ナトリウムを除去する。除去方
法は特に問わない。濾過や遠心分離等、通常用いられる
方法により行えばよい。この場合、溶媒中に水硫化リチ
ウムは溶けているが、塩化ナトリウムは溶けていない状
態であることが、分離除去の点から望ましいが、この状
態にあるためには、溶媒中に存在する水の割合は少なく
とも50モル%未満であることが望ましい。
【0014】使用割合 水硫化ナトリウムと塩化リチウムの使用割合(モル比)
(水酸化ナトリウム/塩化リチウム)は、等量反応であ
ることから、通常 0.8〜1.2の範囲で選ばれ、特
に0.95〜1.05が好適である。 水硫化ナトリウムと塩化リチウムとの反応方法 該反応方法については特に制限はないが、反応容器中に
前記非プロトン性有機溶媒と塩化リチウムとを投入し、
塩化リチウムを非プロトン性有機溶媒に溶解させた後、
水硫化ナトリウムを加えるのが、反応を円滑に進行させ
る点から好ましい。水硫化ナトリウムは一度に加えても
よいが、適宜分割して徐々に加えてもよい。
【0015】この場合の反応温度は、0℃以上が好まし
く、0〜130℃がさらに好ましい。0℃未満であると
反応速度が著しく遅くなるため、合成にかかる時間が長
くなりプロセス上不経済となる。また、系に存在する水
分が凝固したり、生成した水硫化リチウムの非プロトン
性有機溶媒溶液の粘度が上昇し、塩化ナトリウムの分離
に支障をきたすことになる。また、130℃を超えると
反応溶媒中に存在する水の沸騰を引き起こす等の問題を
生じ、そのため加圧することが必要になるなど、プロセ
ス的に不利なものとなる。さらに、生成した水硫化リチ
ウムどうしが更に反応し、固体である硫化リチウムが生
成して、塩化ナトリウムとの分離が困難になるおそれも
ある。
【0016】水硫化ナトリウムと塩化リチウムとの反応
自体は瞬時に進行するが、反応を完結させるため、水硫
化ナトリウム投入後、1分程度保持するのが好ましい。 (2) 水硫化リチウムの脱硫化水素による硫化リチウムの
生成 本発明においては、前述のように水硫化リチウムを生成
したのち、その反応液中の水硫化リチウム(LiSH)
を脱硫化水素し、高純度の硫化リチウム(Li 2S)を
生成する。
【0017】この脱硫化水素を行う際の反応温度は、1
30〜200℃が好ましく、170〜190℃がさらに
好ましい。130℃未満であると反応速度が著しく遅
く、脱硫化水素時間が長くなりプロセス上不経済であ
り、200℃を超えると溶媒の沸点を超える場合があ
り、合成に圧力容器の使用が必要となり不経済である。
また、反応時間については、0.5〜5時間が好まし
く、0.5〜2時間がさらに好ましい。
【0018】0.5時間未満であると反応時間が不足
し、製品中に水硫化リチウムが混在し、硫化リチウムの
純度の低下をきたし、5時間を超えると反応時間が長く
なり、反応槽の大型化につながりプロセス上不経済であ
る。 2.ポリアリーレンスルフィドの製造方法 本発明においては、非プロトン性有機溶媒中で前述の製
造方法で得られた硫化リチウムとポリハロゲン化芳香族
化合物、好ましくはポリ塩化芳香族化合物とを重合する
ことを特徴とする。具体的に以下説明する。 (1)重合成分 非プロトン性有機溶媒 重合工程に用いられる非プロトン性有機溶媒としては、
先に硫化リチウムの製造方法において、水硫化リチウム
と塩化ナトリウムの生成において挙げた非プロトン性有
機溶媒を使用できる。
【0019】これら各種の非プロトン性有機化合物は、
それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、さら
には、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混合し
て、前記非プロトン性有機溶媒として使用することがで
きる。前記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、好ま
しいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−アルキル
ピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−
ピロリドンである。 硫化リチウム 本発明に用いられる硫化リチウムは、先に述べた方法に
より製造されたものである ポリハロゲン化芳香族化合物 本発明に用いられるポリハロゲン化芳香族化合物として
は、特に制限はないが、ポリアリーレンスルフィドの製
造に用いられる公知の化合物を好適例として挙げること
ができる。好ましくはポリ塩化芳香族化合物 たとえば、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン等
のジハロベンゼン類;2,3−ジハロトルエン、2,5
−ジハロトルエン、2,6−ジハロトルエン、3,4−
ジハロトルエン、2,5−ジハロキシレン、1−エチル
−2,5−ジハロベンゼン、1,2,4,5−テトラメ
チル−3,6−ジハロベンゼン、1−ノルマルヘキシル
−2,5−ジハロベンゼン、1−シクロヘキシル−2,
5−ジハロベンゼンなどのアルキル置換ジハロベンゼン
類またはシクロアルキル置換ジハロベンゼン類;1−フ
ェニル−2,5−ジハロベンゼン、1−ベンジル−2,
5−ジハロベンゼン、1−p−トルイル−2,5−ジハ
ロベンゼン等のアリール置換ジハロベンゼン類;4,
4’−ジハロビフェニル等のジハロビフェニル類:1,
4−ジハロナフタレン、1,6−ジハロナフタレン、
2,6−ジハロナフタレン等のジハロナフタレン類など
を挙げることができる。
【0020】これらのポリハロゲン化芳香族化合物にお
ける複数個のハロゲン元素は、それぞれフッ素、塩素,
臭素またはヨウ素であり、それらは同一であってもよい
し、互いに異なっていてもよいが、特に塩素のものが好
ましく用いられる。これらの中でも、好ましいのはジハ
ロベンゼン類であり、特に好ましいのはp−ジクロロベ
ンゼンを50モル%以上含むものである。 (2)使用割合 前記硫化リチウムとポリハロゲン化芳香族化合物との重
合開始時の配合割合は、モル比で、ポリハロゲン化芳香
族化合物/硫化リチウム=0.90〜1.30とするこ
とが好ましく、0.95〜1.25がさらに好ましく、
中でも0.95〜1.20とすることが最も好ましい。
モル比を0.90〜1.30とすることにより重合反応
が円滑に進む。
【0021】前記硫化リチウムと非プロトン性有機溶媒
との配合割合は、モル比で、硫化リチウム/非プロトン
性有機溶媒=0.05〜0.50とすることが好まし
く、0.10〜0.30がさらに好ましく、中でも0.
10〜0.25とすることが最も好ましい。モル比を
0.05〜0.30とすることにより重合反応が円滑に
進む。
【0022】非プロトン性有機溶媒中に含まれる水分量
は、硫化リチウム1モル当り、2.5モル以下とするこ
とが好ましい。2.5モルを超えると、重合が進行せ
ず、高分子量のポリアリーレンスルフィドを得ることが
できない。本発明においては、必要に応じて、活性水素
含有ハロゲン化芳香族化合物、1分子中に3個以上のハ
ロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物、およびハ
ロゲン化芳香族ニトロ化合物などの分岐剤を適当に選択
して反応系に添加し、これを使用することもできる。
【0023】必要に応じて使用される前記分岐剤の使用
割合は、前記硫化リチウム1モルに対し、通常、0.0
005〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.0
2モルである。 (3)重合条件 非プロトン性有機溶媒における硫化リチウムとポリハロ
ゲン化芳香族化合物との重合反応としては、ポリアリー
レンスルフィドが生成する条件であれば特に制限はな
い。具体的には、予備重合後本重合することが、より高
分子量のポリアリーレンスルフィドを重合することがで
き、反応時間も短くすることができるため好ましい。ま
ず予備重合の条件としては、重合温度が、180〜24
5℃が好ましく、さらに好ましくは200〜245℃で
ある。また、このポリハロゲン化芳香族化合物の転化率
が好ましくは80%以上、さらに好ましくは80〜95
%となる条件で予備重合を行なうことが好ましい。重合
温度が180℃未満であると予備重合が不十分になり、
245℃を超えると重合系において、ポリマー相が攪拌
翼に凝集、付着するおそれがある。本重合としては、重
合温度が235〜280℃が好ましく、特に好ましくは
240〜280℃である。また、このポリハロゲン化芳
香族化合物の転化率が90〜99%となるまで重合させ
ることが好ましい。 (4)硫化リチウムとポリ塩化芳香族化合物とを反応さ
せると、非プロトン性有機溶媒中に、ポリアリーレンス
ルフィドと副生物としての塩化リチウムが生成するが、
本発明においては、ポリアリーレンスルフィドを分離し
た後に残る塩化リチウムの非プロトン性有機溶媒溶液を
そのまま出発物質として再利用できるという利点があ
る。即ち、ポリアリーレンスルフィドを分離した後に残
る塩化リチウムの非プロトン性有機溶媒溶液に水硫化ナ
トリウムを投入すれば、先に述べた本発明である硫化リ
チウムの製造方法そのものであり、プロセス上効率的に
連続的にポリアリーレンスルフィドの製造を行うことが
可能となる。
【0024】以下に、実施例によってさらに具体的に説
明する。 [実施例1]硫化リチウム(Li2S)の製造方法 水硫化リチウム(LiSH)の生成 攪拌翼のついた500ミリリットルフラスコに、塩化リ
チウム12.72g(0.3モル)及びN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)300ミリリットルを加え、攪拌し
ながら塩化リチウムを溶解させた。溶解した後に、濃度
49重量%の水硫化ナトリウム(三協化成製)34.32
g(0.3モル)を加え、約10分間反応させた。生成し
た沈殿物を濾過により分離し、これをアセトンにて繰り
返し洗浄し、24時間減圧乾燥した。その結果、16.0
7gの白色粉末が得られた。得られた白色粉末を元素分
析したところ、Na/Cl=1/1(モル比)であり、
かつX線回折結果もNaClのものと一致した。
【0025】一方、濾過により得られた溶液部分につい
て、その一部をサンプリングして、LiとSについて定
量分析したところ、Li/S=1/1(モル比)となっ
ていて、LiSHであることが確認された。 硫化リチウム(Li2S)の生成 上記で得られたLiSH溶液300gを攪拌翼のついた
500ミリリットルフラスコに入れ、窒素気流下昇温度
した。昇温に伴い、硫化水素と思われるガスが発生し、
また副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサ
により凝縮し系外に抜き出した。180℃に達した時点
で昇温を停止し、3時間反応させた。
【0026】反応終了後、固形物が溶媒中に析出してい
た。冷却後ガラスフィルターに内容物をあけ減圧濾過し
た。固形物をNMPにて3回洗浄し、さらにアセトンで
2回洗浄した。乾燥後収量を測定したところ、当初のL
iSHのLiがすべてLi2Sに変換されたと仮定した
場合の92%の収率であった。また、得られた白色粉末
のX線回折を測定したところ、試薬のLi2Sのものと
その回折ピークが一致した。 [実施例2]ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 攪拌翼のついた1リットルステンレス製オートクレーブ
に、実施例1で得られた硫化リチウム(Li2S)0.7
モル(32.16g),パラジクロロベンゼン0.7モル
(102.91g),水0.35モル(6.3g)及びN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)303ミリリットルを
仕込み、220℃まで昇温し2時間予備重合を行った。
予備重合終了後更に、温度を260℃まで昇温し、3時
間重合した。この間の攪拌回転数は300rpmであっ
た。
【0027】重合終了後、反応液を冷却し、得られたポ
リマーを水及びアセトンで順次洗浄し、乾燥を行うこと
によりポリアリーレンスルフィドを得た。このポリアリ
ーレンスルフィドをα−クロロナフタレンに0.4g/d
lの濃度になるように溶解し、206℃の温度でウベロ
ーデ粘度計を用いて粘度を測定した。その結果、このポ
リアリーレンスルフィドの固有粘度は、ηinh =0.24
dl/gであった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によって、簡
易な手段によって原料に硫化水素を用いず、かつ温和な
条件において高純度の硫化リチウムを得ることができ
る。また該方法によって得られた硫化リチウムを用いる
ことにより、副生する塩化リチウムをそのまま回収し再
利用でき、かつ分子量の高いポリアリーレンスルフィド
を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非プロトン性有機溶媒中で水硫化ナトリ
    ウムと塩化リチウムとを反応させて水硫化リチウムと塩
    化ナトリウムを製造し、次いで析出した塩化ナトリウム
    を除去したのち、脱硫化水素することを特徴とする硫化
    リチウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水硫化リチウムの生成時の反応温度
    が、0℃以上であり、かつ前記脱硫化水素化時の反応温
    度が、130〜200℃であることを特徴とする請求項
    1記載の硫化リチウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法で得られ
    た硫化リチウム,及びポリハロゲン化芳香族化合物を非
    プロトン性有機溶媒中で反応させることを特徴とするポ
    リアリーレンスルフィドの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリハロゲン化芳香族化合物がポリ塩化
    芳香族化合物であることを特徴とする請求項3に記載の
    ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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