JPH10130206A - 炭酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造方法

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JPH10130206A
JPH10130206A JP8287996A JP28799696A JPH10130206A JP H10130206 A JPH10130206 A JP H10130206A JP 8287996 A JP8287996 A JP 8287996A JP 28799696 A JP28799696 A JP 28799696A JP H10130206 A JPH10130206 A JP H10130206A
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JP
Japan
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catalyst
carbon monoxide
copper
acid
reaction
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JP8287996A
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English (en)
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Misao Mori
三佐雄 森
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄成分を含む経済的に有利な一酸化炭素を
用いても、触媒活性の低下を抑制しつつ、炭酸ジエステ
ルを効率よく製造する。 【解決手段】 少くとも銅化合物で構成された触媒の存
在下、アルコールと一酸化炭素と酸素との反応により炭
酸ジエステルを製造する方法において、硫黄成分を含む
一酸化炭素を用いる。一酸化炭素中の硫黄成分の含有量
は0.01〜5000ppm(ppm:mg/Nm3
程度であり、硫黄成分には、H2S,COS,CS2,S
O,SO2が含まれる。触媒は、銅化合物、又は銅
化合物と他の金属又はその化合物で構成してもよく、担
体に触媒が担持された固体触媒であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコールの酸化
カルボニル化による炭酸ジエステルの製造方法および硫
黄成分による触媒活性の低下を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸エステルは、ガソリンの増量剤、オ
クタン価向上剤、有機溶剤、ホスゲンに代わる反応剤
(例えば、イソシアネート類,カーボネート類,カーバ
メート類、ウレタン類ならびに種々の農薬、医薬中間体
の製造における反応剤)として重要な化合物である。ア
ルコールと一酸化炭素及び酸素とを反応させる酸化カル
ボニル化において、金属銅のみを触媒として用い、炭酸
エステルを製造する方法が提案されている(特開平2−
256651号公報)。しかし、金属銅触媒を工業的な
製造方法に適用し、ナフサスチームリフォーミング、ア
スファルトの部分酸化などにより製造された工業用CO
ガスを使用すると、触媒活性の顕著な低下が認められ
る。
【0003】一方、Ru金属触媒を使用したCOガスの
メタン化反応及びナフサや天然ガスの水蒸気改質反応に
おいて、0.1ppm以下の極微量の硫黄分が触媒を被
毒することは知られている(触媒誌,35巻,No.4(199
3),p224〜p230)。また、一般に、貴金属,周期表VIII
族金属,Cu,Agなどを用いた触媒は硫黄分に被毒さ
れるといわれている。そこで、これらの金属で構成され
た触媒を用いるプロセスでは、原料の精製工程として脱
硫プロセスを組込むことにより、触媒の硫黄被毒を防い
でいる。しかし、既存の脱硫プロセスにおいて完全な脱
硫は不可能であり、0.05〜0.1ppm(ppm:
mg/Nm3 )レベルの硫黄分が後流にスリップする。
また、脱硫度合に応じて設備コスト、運転コストが大き
く増加する。近年、硫黄分をppbレベル以下までに低
減可能な高次脱硫技術が開発されている(特開昭60−
238389号公報)。しかし、この技術では、従来の
設備費の高い水素化脱硫装置に加えて、さらに亜鉛系脱
硫剤を含む吸着塔と銅系吸着剤を含む吸着塔とを設置す
る必要があり、設備費が極めて多額となる。
【0004】現在、一酸化炭素ガスは、減圧残査油の部
分酸化、ナフサスチームリフォーミング、天然ガススチ
ームリフォーミング、石炭部分酸化、メタノール分解な
どにより工業的に製造されている。これらの方法のう
ち、硫黄化合物を含まない一酸化炭素ガスは、高純度の
メタノールの分解による方法でのみ生成させることがで
き、他の方法では、原料中に少なからず含まれる硫黄化
合物により、生成した一酸化炭素ガス中にも硫黄成分が
含有されてしまう。しかし、非常に高純度の一酸化炭素
ガスをメタノール分解により生成させる方法では、メタ
ノール単価が減圧残査油、ナフサ、天然ガスなどに比べ
て高価であるため、製造された一酸化炭素ガスも必然的
に高価となる。そのため、経済的に有利に炭酸エステル
を製造することが困難である。
【0005】なお、特開平6−239795号公報,特
開平6−218284号公報,特開平6−192183
号公報などには、銅化合物を触媒として用い、アルコー
ル、一酸化炭素および酸素を反応させて炭酸ジエステル
を製造する方法が開示されている。しかし、これらの文
献には、一酸化炭素と関連付けて銅触媒の失活を抑制す
る方法については記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、硫黄成分を含む一酸化炭素を用いても、触媒活性を
低下させることなく、炭酸ジエステルを効率よく製造で
きる方法を提供することにある。本発明の他の目的は、
一酸化炭素ガスを高度に精製することなく経済的に安価
に炭酸ジエステルを製造できる方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、経済的に有利な一酸化
炭素を用い、高い転化率および選択率で炭酸ジエステル
を製造できる方法を提供することにある。本発明の別の
目的は、硫黄成分を含む一酸化炭素を用いても触媒活性
の低下を抑制できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、金属銅単独ではなく、
少なくとも銅化合物で構成された触媒を用いることによ
り、触媒の耐硫黄被毒性能が大きく向上し、工業的に炭
酸エステルを効率よく製造できることを見いだし、本発
明を完成した。すなわち、本発明の方法では、少なくと
も銅化合物で構成された触媒の存在下、アルコールと一
酸化炭素と酸素との反応により炭酸ジエステルを製造す
る方法であって、硫黄成分を含む一酸化炭素を用いる。
一酸化炭素中の硫黄成分の含有量は、0.01〜500
0ppm(ppm:mg/Nm3 )程度であってもよ
く、硫黄成分は、H2S,COS,CS2,SOおよびS
2などであってもよい。前記触媒は、銅化合物で構
成してもよく、銅化合物及び他の金属又はその化合物
で構成してもよく、担体に触媒が担持された固体触媒で
あってもよい。
【0008】さらに、本発明の方法には、触媒の存在
下、アルコールと、硫黄成分を含む一酸化炭素と、酸素
との反応により炭酸ジエステルを生成させる方法におい
て、前記触媒として少くとも銅化合物で構成された触媒
を用い、触媒活性の低下を抑制する方法も含まれる。な
お、本明細書において、銅化合物との組み合わせにより
触媒を構成する成分を「共触媒成分」と称し、「銅化合
物」と「共触媒成分」とを「触媒」と総称する場合があ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】
[触媒]触媒を構成する銅化合物としては、例えば、水
酸化銅(水酸化第一銅,水酸化第二銅),酸化銅(酸化
第一銅,酸化第二銅),ハロゲン化銅(フッ化第一銅、
塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅のハロゲン化第
一銅;フッ化第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化
第二銅のハロゲン化第二銅)、オキシハロゲン化銅(C
2OCl2,Cu43Cl2など),無機酸塩(硫酸、
硝酸、炭酸、ホウ酸、リン酸などの無機酸との塩),有
機酸塩(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、シュ
ウ酸、マロン酸などの脂肪族カルボン酸との塩、グリコ
ール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのオキ
シカルボン酸との塩、安息香酸、トルイル酸、サリチル
酸、フタル酸などの芳香族カルボン酸との塩、ニコチン
酸などの複素環式カルボン酸との塩),金属オキソ酸塩
(バナジン酸、スズ酸、アンチモン酸、ビスマス酸、モ
リブデン酸、タングステン酸などの金属オキソ酸との
塩)、配位性化合物(リン又は窒素原子を含む配位子、
例えば、エチレンジアミンなどのアミン類、イミダゾー
ルやピリジンなどの含窒素複素環化合物、トリフェニル
ホスフィンやトリメチルホスファイトなどの有機リン化
合物、ベンゾニトリルなどのニトリル類、イソニトリル
類、ヘキサメチルホスフォラストリアミドなどのホスフ
ォラスアミド類など)との錯体などが挙げられる。これ
らの銅化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。好ましい銅化合物には、例えば、酸化銅,ハロゲ
ン化銅(例えば、塩化第一銅、塩化第二銅などの塩化銅
など),無機酸塩(例えば、硝酸銅などの無機強酸塩、
炭酸銅、ホウ酸銅などの無機弱酸塩など),有機酸塩
(例えば、酢酸銅、シュウ酸銅などのC1-6有機酸塩な
ど),錯体(例えば、アミン錯体、アミド錯体、含窒素
複素環化合物の錯体、ホスフィン錯体、ホスファイト錯
体、ニトリル錯体、イソニトリル錯体、ホスフォラスア
ミド錯体など)などが含まれる。
【0010】前記銅化合物は、単独で用いてもよく、他
の金属又はその化合物(共触媒成分)と組み合わせて使
用してもよい。銅化合物と組合わせ可能な共触媒成分と
しては、例えば、遷移金属(銅、鉄、ニッケル、コバル
ト、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニ
ウムなど)又は遷移金属化合物(前記例示の無機酸との
塩、前記例示の有機酸との塩、ハロゲン化物、酸化物、
水酸化物、錯体など)、アルカリ金属化合物(塩化リチ
ウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化カリウム
などのハロゲン化物,水酸化リチウム,水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウムなどの水酸化物,炭酸リチウム,炭
酸ナトリウム,炭酸カリウムなどの炭酸塩,炭酸水素リ
チウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウムなどの
炭酸水素塩,シュウ酸リチウム,シュウ酸ナトリウム,
シュウ酸カリウムなどのシュウ酸塩,酢酸リチウム,酢
酸ナトリウム,酢酸カリウムなどの酢酸塩など)、アル
カリ土類金属化合物(塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、臭化ストロンチウムなどのハロゲン化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化バリウムなどの水酸化物、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウ
ムなどの炭酸塩、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カル
シウム、炭酸水素ストロンチウムなどの炭酸水素塩、シ
ュウ酸マグネシウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸ス
トロンチウムなどのシュウ酸塩、酢酸マグネシウム、酢
酸カルシウム、酢酸ストロンチウムなどの酢酸塩な
ど)、ホウ酸又はホウ酸塩などが例示できる。遷移金属
又はその化合物としては、例えば、パラジウム、白金、
ロジウムなどの白金族金属又は白金族金属化合物が好ま
しい。前記共触媒成分の使用量は、触媒活性を向上でき
る範囲で選択でき、銅化合物1モルに対して、1モル以
下(0.0001〜0.5モル程度)、好ましくは0.
1モル以下(0.0001〜0.05モル程度)であ
る。
【0011】前記触媒は担体に担持した固体触媒として
使用することもできる。担体としては、例えば、活性
炭、シリカ−アルミナ、アルミナ、シリカ、ゼオライ
ト、粘土、マグネシア、チタニア、バナシア、ジルコニ
ア、イオン交換樹脂などが挙げられる。担体の形状は、
特に限定されず、例えば、粉末状、粒状、繊維状、ペレ
ット状、ハニカム状などのいずれであってもよい。前記
担体の比表面積は、特に制限されないが、通常、10m
2 /g以上、好ましくは100〜3000m2 /g程度
である。好ましい担体である活性炭の比表面積は、例え
ば、500m2 /g以上(好ましくは700〜3000
2 /g、さらに好ましくは900〜3000m2 /g
程度)である。活性炭の平均細孔径は、例えば、5〜1
00オングストローム、好ましくは10〜50オングス
トローム程度である。
【0012】触媒の担持量は、適当に選択でき、例え
ば、銅化合物の担持量は、Cu/担体として、通常0.
5〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、さらに好
ましくは担体の飽和吸着量程度(例えば、活性炭の場合
には2〜20重量%程度)であり、共触媒成分の担持量
は、前記のように銅化合物との割合の範囲から選択でき
る。担体への触媒の担持は、含浸法、混練法、コーティ
ング法、噴霧法、吸着法、沈澱法、共沈法などの方法で
行うことができる。例えば、ハロゲン化銅を含浸により
担持させる場合、担体にハロゲン化銅(ハロゲン化第二
銅など)の溶液を含浸させた後、空気雰囲気下、又は不
活性ガスの流通下、80〜400℃で熱処理すればよ
い。触媒は担体に高分散するのが好ましい。なお、触媒
を担持した担体は、反応器の種類や反応形式などに応じ
て、適当な形状、例えば、球状、円柱状、多角柱状、中
空状、ハニカム状などに成形してもよい。
【0013】[反応成分]本発明の方法では、上記触媒
の存在下、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応さ
せ、炭酸ジエステルを生成させる。前記アルコールとし
ては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノールなどの飽和脂
肪族アルコール類、アリルアルコールなどの不飽和脂肪
族アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環族アル
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール
などの多価アルコール、フェノール類、ベンジルアルコ
ールなどの芳香族アルコール類が含まれる。これらのア
ルコールは単独で又は組み合わせて用いてもよい。好ま
しいアルコールには、一価の飽和又は不飽和アルコール
(例えば、C1-6アルコール、特にC1-4アルコール)、
特にメタノール、エタノール、なかでもメタノールが含
まれる。
【0014】酸素は純粋な分子状酸素であってもよく、
不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素な
ど)で希釈してもよい。また、酸素源として空気を使用
してもよい。
【0015】本発明では、前記触媒を用いるため、工業
的に安価に入手でき、容易な硫黄成分を含む一酸化炭素
を反応成分として用いても、触媒活性の低下を抑制で
き、高い触媒活性を維持しつつ、高い転化率および選択
率で炭酸ジエステルを生成させることができる。特に、
硫黄成分を含む一酸化炭素を用いても、高度に精製した
一酸化炭素を用いたときとほぼ同じ高い触媒活性を維持
できる。そのため、高度に精製した高価な一酸化炭素を
用いる必要がなく、工業的に極めて有利であり、炭酸エ
ステルの工業的製造方法としての価値が高い。一酸化炭
素ガスに含まれる硫黄成分には、例えば、硫化水素及び
その誘導体(H2S,メルカプタン類、チオエーテル類
など),硫化炭素及びその誘導体(COS,CS,CS
2,H2CS 3など),酸化硫黄及びその誘導体(SO,
SO2,S23,SO3など)、ハロゲン化硫黄(S2
2,SCl2,SCl4など)、オキシハロゲン化硫黄
(SOCl2,SO2Cl2など)などが含まれ、一酸化
炭素は、これらの硫黄成分を単独又は二種以上含んでい
てもよい。硫黄成分は、H2S,COS,CS2,SO,
SO2などである場合が多い。一酸化炭素中の硫黄成分
の濃度は、例えば、0.01〜5000ppm(pp
m:mg/Nm3 ),好ましくは1〜5000ppm
(例えば、5〜4000ppm),さらに好ましくは1
0〜5000ppm(例えば、50〜4000ppm)
程度である。本発明において耐硫黄被毒性能が向上した
理由は明確ではないが、1)触媒を金属銅ではなく銅化
合物で構成することにより、銅に対する硫黄成分の親和
力が弱くなったことが考えられ、2)担体上に触媒を高
分散させる場合には、硫黄成分に対する飽和吸着量が増
加することなどに起因するものと思われる。
【0016】本発明の方法は、液相反応,気相反応のい
ずれにも適用できるが、反応器からの反応熱を効率よく
取り除くためには気相反応が好ましい。液相反応は、溶
媒の非存在下又は反応に不活性な溶媒の存在下で行って
もよい。触媒の使用量は、例えば、反応液中、銅原子換
算で、0.001〜5グラム原子/L、好ましくは0.
01〜3グラム原子/L、さらに好ましくは0.1〜
2.5グラム原子/L程度である。反応温度は、通常、
30〜200℃、好ましくは50〜150℃程度であ
り、反応圧力は、通常、常圧〜200気圧、好ましくは
常圧〜60気圧程度である。また、一酸化炭素分圧は、
例えば、0.1〜200気圧、好ましくは1〜60気圧
程度であり、酸素分圧は、通常、爆発混合気を形成しな
い範囲で選択され、例えば0.1〜20気圧、好ましく
は0.5〜10気圧程度である。
【0017】気相反応において、反応温度は、通常、7
0〜350℃、好ましくは80〜250℃、さらに好ま
しくは100〜200℃程度であり、反応圧力は、通
常、常圧〜35kg/cm2 G、好ましくは2〜20k
g/cm2 G、さらに好ましくは5〜15kg/cm2
Gである。アルコールに対する一酸化炭素のモル比(C
O/アルコール)は、通常、0.01〜100、好まし
くは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10程度であ
り、アルコールに対する酸素のモル比(O2/アルコー
ル)は、通常、0.01〜2.0、好ましくは0.05
〜1.0、さらに好ましくは0.05〜0.5程度であ
る。原料ガスの空間速度は、例えば、10〜10000
0h-1、好ましくは50〜10000h-1、さらに好ま
しくは100〜5000h-1程度である。気相反応は、
固定床、流動床又は移動床のいずれの型式でも実施可能
である。
【0018】本発明の方法は、回分式、半回分式、連続
式のいずれの方式でも行うことができ、反応生成物を、
蒸留などの常法に従って処理することにより、原料アル
コールに対応する炭酸ジエステルを得ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明では、硫黄成分を含む一酸化炭素
を反応成分として用いても、触媒活性の低下を抑制しつ
つ、炭酸ジエステルを効率よく製造できる。そのため、
一酸化炭素ガスを高度に精製することなく経済的に安価
に炭酸ジエステルを製造できる。また、硫黄成分を含む
一酸化炭素を用いても、高度に精製した一酸化炭素を用
いたときと同様に、高い転化率および選択率で炭酸ジエ
ステルを製造できる。従って、一酸化炭素ガスからの脱
硫のための多大な設備費、脱硫のための多大な運転コス
トが不要となり、安価な原料から得られ、かつ安価で経
済的に有利な一酸化炭素を炭酸ジエステルの製造に利用
できる。また、本発明の方法では少なくとも銅化合物で
構成された触媒を用いるので、硫黄含有成分を含む一酸
化炭素を反応成分として用いても、触媒活性の低下を抑
制でき、高い触媒活性を長期に亘り維持できる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 実施例1 塩化第二銅無水物2.5gと硝酸銅3水和物10.6g
をメタノール100mlに溶解させた溶液を、予め15
0℃、10Torrで1時間脱気処理した活性炭[武田薬品
工業(株)製、白鷺C2X(平均細孔径17オングスト
ローム)]40gに加え、30℃で2時間撹拌して含浸
担持した。含浸担持後の活性炭から液相部を濾別した
後、窒素雰囲気下、130℃で18時間乾燥し、さらに
240℃で6時間焼成処理を行ない触媒を得た。銅の含
有率は4.3重量%[Cu含有率(wt%)=(Cu重
量/担体重量)×100]であった。内径27mm、長
さ450mmのステンレス製の反応管に層長35mmと
なるように前記触媒を充填し、反応温度140℃に設定
した後、一酸化炭素(CO)/O2/メタノール=82
/2/16(体積比)の混合ガスを空間速度(SV)5
00/hで4時間流通した。この反応において、COガ
ス中の硫黄成分の濃度は2000ppmであり、反応管
内のゲージ圧は7kg/cm2 に保持した。反応管出口
から流通した反応生成ガスを−70℃に冷却して凝縮さ
せ、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ジ
メチルカーボネート(DMC)が触媒1L当たり2.0
モル/hの生成速度で生成し、メタノールの転化率17
%、メタノール基準のジメチルカーボネートの選択率9
8%であった。
【0021】実施例2 硫黄成分の濃度が100ppmであるCOガスを用いる
以外、実施例1と同様にして反応させたところ、ジメチ
ルカーボネート(DMC)が触媒1L当たり2.0モル
/hの生成速度で生成し、メタノールの転化率17%、
メタノール基準のジメチルカーボネートの選択率99%
であった。
【0022】実施例3 塩化第二銅無水物2.5gと硝酸銅3水和物10.6g
と炭酸ナトリウム2.5gをメタノール100mlに溶
解させた溶液を、予め150℃、10Torrで1時間脱気
処理した活性炭[武田薬品工業(株)製、白鷺C2X
(平均細孔径17オングストローム)]40gに加え、
30℃で2時間撹拌して含浸担持した。含浸担持後の活
性炭から液相部を濾別した後、窒素雰囲気下130℃で
18時間乾燥した。さらに、240℃で6時間焼成処理
し、触媒を調整した。そして、硫黄成分濃度が100p
pmのCOガスを用い、実施例1と同様にして反応させ
たところ、ジメチルカーボネート(DMC)が触媒1L
当たり2.05モル/hの生成速度で生成し、メタノー
ル転化率17%、メタノール基準のジメチルカーボネー
トの選択率98.5%であった。
【0023】実施例4 エタノール100mlに塩化第二銅12.9gを溶解し
た塩化第二銅溶液8mlを活性炭15gに含浸させた
後、窒素ガスを流通させながら100℃で3時間乾燥し
た。冷却後、塩化第二銅を担持した活性炭に対して、蒸
留水100mlに水酸化ナトリウム3.8gを溶解した
水酸化ナトリウム水溶液8mlを含浸させた後、窒素ガ
スを流通させながら100℃で3時間乾燥させることに
より、触媒を調製した。高圧固定床反応装置(内径12
mm)に、調製した触媒7mlを充填し、反応圧力6k
g/cm2 G,反応温度150℃の条件下で、メタノー
ル5g/hr、一酸化炭素57.8ml/分、酸素3.
6ml/分の割合で導入し、炭酸ジメチル(DMC)を
合成した。一酸化炭素中の硫黄成分濃度は100ppm
であった。反応開始後、3時間経過時点で、メタノール
転化率16.7%、DMC選択率93%という反応成績
が得られた。
【0024】実施例5 エタノール100mlに塩化第二銅12.9gを溶解し
た塩化第二銅溶液8mlを活性炭15gに含浸させた
後、窒素ガスを流通させながら100℃で3時間乾燥し
た。冷却後、塩化第二銅を担持した活性炭に対して、蒸
留水100mlに水酸化カリウム5.3gを溶解した水
酸化カリウム水溶液8mlを含浸させた後、窒素ガスを
流通させながら100℃で3時間乾燥させ、触媒を調製
した。高圧固定床反応装置(内径12mm)に、調製し
た触媒7mlを充填し、反応圧力6kg/cm2 G、反
応温度150℃の条件下で、メタノール5g/hr、一
酸化炭素57.8ml/分、酸素3.6ml/分の割合
で導入して炭酸ジメチル(DMC)を合成した。一酸化
炭素中の硫黄成分濃度は100ppmであった。反応開
始後、3時間経過時点で、メタノール転化率18.5
%、DMC選択率93%という反応成績が得られた。
【0025】比較例1 硫黄成分濃度が0ppm(ガスクロマトグラフィーによ
る分析では、検出下限界以下の濃度)であるCOガスを
用いる以外、実施例1と同様にして反応させたところ、
ジメチルカーボネート(DMC)が触媒1L当たり2.
1モル/hの生成速度で生成し、メタノール転化率18
%、メタノール基準のジメチルカーボネートの選択率9
8%であった。実施例1との対比から明らかなように、
硫黄成分を含有しない一酸化炭素を用いた比較例1と同
様に、硫黄成分を含む一酸化炭素を用いた実施例1でも
高い転化率及び選択率でジメチルカーボネートを生成さ
せることができ、経済的及び工業的に極めて有利であ
る。
【0026】比較例2[金属銅担持活性炭触媒の調製及
び反応例] 塩化第二銅二水和物2.5gを純水22mlに溶解し、
この溶液に実施例1で用いた活性炭20gを加え、16
時間浸漬し、次いで80℃の熱風乾燥機で16時間、時
々撹拌しながら水分を蒸発させた。その後、水素雰囲気
下、400℃で2時間で加熱処理し触媒を調製した。調
製した触媒15ml(6.5g,4.8(Cu)ミリモ
ル)を、高圧気相用U字型反応管に充填し、150℃、
20.4気圧、10700/hの空間速度で、CO/O
2 /N2 /メタノール=37/3/57/3(体積比)
の混合ガスを2時間反応させた。COガス中の硫黄成分
濃度はガスクロマトグラフィーによる分析では検出下限
界以下であった。その結果、触媒1L当たり0.29モ
ル/hのジメチルカーボネートを得た。
【0027】比較例3 硫黄成分濃度が100ppmであるCOガスを用いる以
外、比較例2と同様にして反応させたところ、触媒1L
当たり0.09モル/hのジメチルカーボネートが生成
した。この結果よりCOガス中の微量の硫黄成分により
触媒が著しく失活していることが分かる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも銅化合物で構成された触媒の存
    在下、アルコールと一酸化炭素と酸素との反応により炭
    酸ジエステルを製造する方法であって、硫黄成分を含む
    一酸化炭素を用いる炭酸ジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 一酸化炭素中の硫黄成分の含有量が0.
    01〜5000ppm(ppm:mg/Nm3 )である
    請求項1記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 一酸化炭素の硫黄成分が、H2 S,CO
    S,CS2 ,SOおよびSO2 から選択された少なくと
    も一種である請求項1記載の炭酸ジエステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 触媒が、銅化合物、又は銅化合物及
    び他の金属又はその化合物で構成されている請求項1記
    載の炭酸ジエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 担体に触媒が担持された固体触媒を用い
    る請求項1記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 触媒の存在下、アルコールと、硫黄成分
    を含む一酸化炭素と、酸素との反応により炭酸ジエステ
    ルを生成させる方法において、前記触媒として少くとも
    銅化合物で構成された触媒を用い、触媒活性の低下を抑
    制する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114939413A (zh) * 2022-06-20 2022-08-26 陕西延长石油(集团)有限责任公司 一种用于催化甲醇直接合成碳酸二甲酯的催化剂及其制备方法与应用

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CN114939413A (zh) * 2022-06-20 2022-08-26 陕西延长石油(集团)有限责任公司 一种用于催化甲醇直接合成碳酸二甲酯的催化剂及其制备方法与应用

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