JPH10132124A - 電動弁 - Google Patents

電動弁

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JPH10132124A
JPH10132124A JP28539096A JP28539096A JPH10132124A JP H10132124 A JPH10132124 A JP H10132124A JP 28539096 A JP28539096 A JP 28539096A JP 28539096 A JP28539096 A JP 28539096A JP H10132124 A JPH10132124 A JP H10132124A
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Japan
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motor
lead wire
resin
adhesive
insertion hole
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JP28539096A
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English (en)
Inventor
Kazuo Shintani
一夫 新谷
Shiro Takatani
士郎 高谷
Tomohiko Kasai
智彦 河西
Kazuyoshi Teramoto
和良 寺本
Katsuhisa Sugano
勝久 菅野
Hitoshi Umezawa
仁志 梅澤
Norio Suzuki
教郎 鈴木
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Fujikoki Corp
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Fujikoki Corp
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空調機・冷凍機等の冷媒回路で使用する電動
弁のカバーケースとリード線の間の接触部のシール性を
向上させ、水分が電動弁の内部に侵入しない信頼性の高
い電動弁を提供する。 【解決手段】 ケース13内に収納されるモータ14、
該モータ14で駆動される弁体19、前記モータ14か
ら前記ケース13の挿通孔25を介して外部に延びる被
覆リード線15、及び、前記挿通孔25を充填シールす
る接着剤24とを備えた電動弁10において、前記被覆
リード線15の被覆材料がポリエステルもしくはナイロ
ンからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動弁、特に、フ
ロン等の冷媒を使用する空調機や冷凍機における冷媒の
流量を制御する電動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の冷媒の流量を制御する電動弁と
しては、例えば、実公平8−3789号公報に開示され
たような電動弁がある。前記電動弁30は、図6に示さ
れるように、弁体側部材32と該弁体側の弁体38を駆
動する駆動側部材31とから構成され、この両部材3
1,32は、ロックナット33により気密的に組み付け
固定されている。駆動側部材31は、ケース31a内に
設けられたステッピングモータ等の電気的駆動機構3
4、ギヤトレーン35、及び、出力シャフト36、及
び、出力シャフト36の回転により回動すると共に上下
動可能なねじドライバ37からなり、前記ドライバ37
の先端が弁体38の上端に対してピポット軸受状に接続
されている。また、前記駆動側部材31のケース31a
内に外部から塩化ビニル等で被覆されたリード線44が
導かれて、前記電気的駆動機構34に電気的に接続さ
れ、前記ケース31aと前記リード線44との隙間はエ
ポキシ接着剤45で密封シールされている。
【0003】前記弁体側部材32は、弁体38と弁本体
39とベローズ40とからなり、前記弁本体39の上端
部と前記弁体38の中間部分には、ベローズ40をハン
ダ付けし、該ベローズ40によって前記電気的駆動機構
34側へ冷媒が流出しないようになっている。
【0004】また、特公平3−28624号公報には、
他の従来の電動弁が開示されている。該電動弁50は、
図7に示されるように、モータ部52を内装したケース
51をゴム又は樹脂などの熱及び電気絶縁材からなる被
覆材53により被覆する際にモータ部52へのリード線
54も同時にケース51に沿って前記被覆材53内に成
形加工により被覆するのである。
【0005】更に、特開平3−89826号公報には、
従来の他の電動弁60が開示されている。図8に示され
るように、この電動弁60は、モータケース61内のパ
ルスモータ64の出力をギアケース62内の歯車機構6
3に伝達してニードル弁(図示省略)を駆動するもので
あり、前記パルスモータ64に給電するリード線65
は、ギアケース62の出口孔68より保護ブッシュ66
を介して引き出され、その出口孔68をシール剤67で
満たすことで、前記ケース62内の気密を確保してい
る。
【0006】そして、前記各電動弁30,50,60を
空調機もしくは冷凍機の冷媒回路に配置して使用する場
合、例えば、前記電動弁30を使用する場合には、前記
電気的駆動機構34の回転が、ギヤトレーン35により
減速された前記出力シャフト36に回転可能に嵌合接続
された前記ドライバ37に伝達され、該ドライバ37が
上下方向に移動する。前記ドライバ37の先端により押
し下げられた弁体38は、前記ベローズ30の弾性作用
により上下方向に移動し、弁体38と弁座41の間の間
隙を変化させ、入口パイプ42から出口パイプ43に向
かう冷媒の流量を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フロンを冷
媒に使用した空調機及び冷凍機の冷媒回路は、通常の運
転状態においては、冷媒の温度が略−20〜50℃の温
度範囲で、1時間に数回の頻度で急激に温度変化を行う
ものであり、前記冷媒の温度が電動弁に伝達されて、電
動弁は前記冷媒の温度変化に基づき急激な熱ストレスを
発生させる状態となっている。また、電動弁の温度が雰
囲気空気の露点温度より低温に変化したときは、電動弁
の周囲の空気中に含まれる水分が電動弁の表面に結露す
る状態となっている。
【0008】そして、前記の状態で使用される前記従来
の電動弁、例えば、図6の電動弁30は、軟質塩化ビニ
ルで被覆されたリード線44とケース31aとの間の間
隙がエポキシ接着剤45でシールされているが、軟質塩
化ビニルと接着剤45とはその膨張率が異なるために、
電動弁30の温度変化が急激な状態に長く曝されている
と、リード電線44、接着剤45、及び、ケース31a
との間の熱膨張率の差により発生する前記熱ストレスに
よって、長期的にみると、前記接着部の接合面が剥離す
る場合があり、前記電動弁30の表面に生じた結露水が
前記剥離部から電動弁30の内部に侵入し、電動弁30
内部の機構を腐食する恐れがあると共に、電動弁30の
内部に侵入した水分が冷媒回路に入り、冷媒回路の冷凍
機油劣化、もしくは、該侵入水分の低温時における氷結
が冷媒回路に悪影響を及ぼす恐れがあった。
【0009】また、図7の電動弁50は、図6の電動弁
の前記不具合を解消するべく提案されたものであり、ケ
ース51をゴム又は樹脂などの熱及び電気絶縁材からな
る被覆材53により被覆する際にモータ部52へのリー
ド線54も同時にケース51に沿って前記被覆材53内
に成形加工により被覆したことで、該リード線54は被
覆材53と密着し、リード線54と被覆材53との間の
間隙から水分が侵入するのを防いでいるが、成形加工に
伴うコストが高くなり、また、通常のゴム又は樹脂は、
耐温水性が低く、加水分解し易いので、電動弁50の表
面に結露水がついた状態で長期間使用すると、前記被覆
材53が加水分解により劣化し、被覆材53にクラック
が発生し、被覆材53の表面に生じる結露水が前記クラ
ックから電動弁50の内部に侵入する場合があった。
【0010】更に、図8の電動弁60は、前記の図6の
電動弁30と同様に、リード線65の被覆材料として軟
質塩化ビニルを用い、シール剤67としてエポキシ接着
剤を用いたものであり、軟質塩化ビニルとエポキシ接着
剤の膨張率が異なるため、長期的にみた時、電動弁60
の温度の急激な変化によるリード線65、接着剤67、
及び、ギアケース62の各熱膨張率の差により発生する
熱ストレスによって、前記部材の接合面が剥離し、電動
弁60の表面に生じた結露水が電動弁60の内部に侵入
し、電動弁60内部の機構を腐食させる恐れがあった。
【0011】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、空調機・冷凍
機等の冷媒回路で使用する電動弁のカバーケースとリー
ド線の間の接触部のシール性をさらに向上させ、水分が
電動弁の内部に一層侵入しにくい電動弁を提供すること
である。
【0012】また、使用接着剤の硬化時に発生するガス
等により電動弁の金属部品の腐食が長期的にわたって、
発生しにくい電動弁を提供することである。
【0013】また、成形加工により成形体で被覆リード
線と電動弁の外側を覆った電動弁においては、長期的に
わたって、成形体のクラックの発生を防止し、クラック
を介して水分が電動弁内に侵入しにくい電動弁を提供す
る。
【0014】更に、前記の目的とも併せて、信頼性の高
い、部品寿命をより長くした電動弁を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る電動弁は、モータと、前記モータの被覆リード線
と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
る電動弁において、前記被覆リード線の被覆材料がポリ
エステル樹脂又はナイロン樹脂としたものである。
【0016】この発明の第2の発明に係る電動弁は、挿
通孔に通す被覆リード線の被覆材料がシリコンゴムであ
り、挿通孔を充填シールする接着剤をシリコンゴムとし
たものである。
【0017】この発明の第3の発明に係る電動弁は、被
覆リード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、接
着剤がエポキシ樹脂であり、前記被覆リード線の表面に
オルガノシランを含有したn−ヘプタン溶液を塗布し、
挿通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シ
ールしたものである。
【0018】この発明の第4の発明に係る電動弁は、第
3の発明に係る電動弁において、接着剤のエポキシ樹脂
の硬化剤を変性脂肪族アミン又は変性アミドアミンとし
たものである。
【0019】この発明の第5の発明に係る電動弁は、被
覆リード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、接
着剤がシリコン樹脂であり、前記被覆リード線の表面に
シリコン樹脂を含有した酢酸エチル溶液を塗布し、挿通
孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シール
したものである。
【0020】この発明の第6の発明に係る電動弁は、第
5の発明に係る電動弁において、接着剤のシリコン樹脂
が硬化時にアルコールを発生するもの又はアセトンを発
生するものとしたものである。
【0021】この発明の第7の発明に係る電動弁は、被
覆リード線に150〜300nm波長の紫外線を照射
し、挿通孔に挿通した状態で、接着剤で挿通孔を充填シ
ールしたものである。
【0022】この発明の第8の発明に係る電動弁は、被
覆リード線を表面粗さ3〜15μmRmaxに粗面化
し、挿通孔に挿通した状態で、接着剤で挿通孔を充填シ
ールしたものである。
【0023】この発明の第9の発明に係る電動弁は、モ
ータと、前記モータの被覆リード線と、前記モータの駆
動力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段によ
り動かされ、冷媒が流れる入口管と出口管の連通部の開
口を変化させる弁体とを備え、前記モータ、前記動力伝
達手段、前記弁体のそれぞれを含む部分のうち、少なく
とも前記モータを含む部分と前記モータの被覆リード線
とを成形加工で形成した樹脂成形体で覆い、前記被覆リ
ード線を外部に取り出した電動弁において、前記成形体
が液晶樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテル
スルフォン樹脂、ポリチオエーテルスルフォン樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂又はポリエー
テルニトリル樹脂としたものである。
【0024】また、この発明の第10の発明に係る電動
弁は、第9の発明に係る電動弁において、被覆リード線
の被覆材料がフッ素樹脂又はシリコンゴムであるように
したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、図面により本発明の一実施の形態
(第1の実施の形態)について説明する。 図1は、本
実施の形態の電動弁10の断面図である。また、図2
は、本実施の形態の電動弁10を使用する空調機、冷凍
機等の冷媒回路図である。図1、図2において、10は
電動弁であり、前記電動弁10は、図2に示す如く空調
機・冷凍機等において、圧縮機1、室内熱交換器2、電
動弁10(後述の電動弁20も同じ)、室外側熱交換器
3等を配管4で接続した冷凍回路中に配置されて使用さ
れるもので、駆動本体部11と弁本体部12とから構成
されている。前記駆動本体部11は、箱状のアルミニュ
ウム等の金属製のカバーケース13と、該ケース13内
に収納配置されるパルス信号によって駆動されるステッ
ピングモータ14とを備えると共に、前記ステッピング
モータ14に電気的に接続されて前記ケース13外に延
びる複数本の被覆リード線15を備えている。
【0026】一方、前記弁本体部12は、ギヤケース1
6aと一体の金属材料からなる弁本体ケース16を備
え、前記ギヤケース16a内には、順次噛み合い減速す
る歯車群17を配置すると共に、該ギヤケース16aの
上部には、前記ステッピングモータ14を載置する上面
板18を配置している。前記ステッピングモータ14か
ら前記ギヤケース16a内にシャフト14aが延び前記
歯車群17に連動連結されている。
【0027】前記弁本体ケース16の下部には、弁室2
1を設けると共に、弁体19と弁座27を配置してい
る。前記弁体19は、該弁体19の上部ステムに雄ネジ
19aが刻設され、前記弁本体ケース16に刻設した雌
ネジ16bと螺合していると共に上端が前記歯車群17
に連動連結されている。前記弁体19の下部には、ニー
ドル部19bが設けられ、前記弁本体ケース16の下部
に配置した前記弁座27に着座するように配置されてい
る。前記弁本体ケース16の下部には、前記弁室21と
連通するように冷媒の入口管22と出口管23が接続さ
れている。なお、前記入口管22と出口管23は、冷媒
回路で冷媒の流れが逆となる時には、それぞれ出口管2
2と入口管23となる。
【0028】前記ギヤケース16aの上部一側には、前
記リード線15の挿通孔25が穿設されており、前記リ
ード線15は該挿通孔25を介して外部に導かれると共
に、前記挿通孔25には接着剤24が充填され、該接着
剤24によって前記リード線15とギヤケース16aと
の間の隙間を塞ぐことによって前記カバーケース13内
と外部とを密閉シールしている。本実施の形態では、ケ
−ス部材であるカバ−ケ−ス13、弁本体ケ−ス16、
ギヤケ−ス16aのうち、ギヤケ−ス16aに挿通孔2
5を設けて被覆リ−ド線15を取り出しているが、カバ
−ケ−ス13に挿通孔25を設けるようにしてもよい
し、さらに、カバ−ケ−ス13とギヤケ−ス16aとで
挿通孔を形成してもよい。要するに、ケ−ス部材の形態
は、電動弁内部のモ−タ、動力伝達手段、弁体等を密閉
するものであれば任意であり、挿通孔25も、前記ケ−
ス部材に設けてシ−ル材である接着剤24を充填シ−ル
して被覆リ−ド線15を取り出すようにするものであれ
ばよい。
【0029】以上のように構成された本実施の形態の電
動弁10は、図示しない制御器から前記リード線15を
介して送信されるパルス信号数に応じて、前記ステッピ
ングモータ14が正回転もしくは逆回転し、該回転運動
によって動力伝達手段を構成する前記歯車群17を回転
させて減速すると共に、該歯車群17の回転によって前
記弁体19を回転させる。前記弁体19と前記弁本体ケ
ース16とは螺合しているので、前記弁体19の回転に
よって、該弁体19は上方向もしくは下方向に移動す
る。前記弁体19の上下方向の移動によって、前記ニー
ドル部19bが弁座27に接近もしくは離間して前記両
者の間隔位置を変更して、前記冷媒の入口管22から前
記出口管23に流れる冷媒の流量を調節する。
【0030】本実施の形態の電動弁10は、概略前記し
た構成と作動を行うものであるが、前記電動弁10を、
例えば、冷媒の温度が略−20〜50℃の温度範囲で変
化する空調機・冷凍機等の冷媒回路で使用しても、該電
動弁10のケース13,16の挿通孔25とリード線1
5との間の接触部(接着剤24介在部)のシール性を保
持して、水分が前記電動弁10のケース13,16の内
部に侵入しないようにするために、前記被覆リード線1
5の被覆材料と前記接着剤24との材料選択、及び、該
リード線15の被覆部の表面処理を行っている。
【0031】ここで、リード線の被覆材料の臨界表面張
力と接着剤との密着性の関係を説明する。一般的に、固
体を接着する場合、まず、液体である接着剤が固体表面
を濡らすことが必要であり、この濡れの程度は接触角θ
で表され、接触角θが小さい程濡れ性が良い。固体の表
面張力をγsv、液体の表面張力をγlv、液体と固体
の界面張力をγslとすると、固体の表面張力γsv=
γsl+γlv×cosθが成り立つ。接触角θ=0と
なるときの固体の表面張力γsvの値、即ち、臨界表面
張力γcは、固体により特有の値を持ち、臨界表面張力
γcの値が大きいほど濡れやすく、接着剤との密着性が
高いことが解った。そこで、被覆素材に使用される各素
材の臨界表面張力γcの値を算出したところ次の表1に
示すような値になった。
【0032】
【表1】
【0033】本実施の形態の電動弁10においては、前
記リード線の被覆材料の技術的特徴等に基づいて定め
た、前記電動弁10の前記被覆リード線15の被覆材料
と前記接着剤24との間のシール性に極めて好適な幾つ
かの具体的形態について、以下の各実施例1〜6におい
て説明する。
【0034】前記各実施例1〜6は、特定の被覆材料も
しくは特定の処理をした被覆リード線を特定の材料の接
着剤で充填シールした前記構成の電動弁10を試作し、
該電動弁10を−30℃及び70℃の液中に各5分づつ
浸漬するヒートショック試験を実施し、被覆リード線と
接着剤との密着性を実験したものであり、密着性の評価
は、ヒートショックを50サイクル実施する毎に、電動
弁を水中に浸漬し、電動弁10の内部に0.5kg/c
2 の窒素ガスを注入し、リード線周辺からのガス漏れ
の有無を目視で確認することにより判定したものであ
る。
【0035】また、比較例としては、従来の電動弁に採
用されている材料、即ち、軟質塩化ミニルで被覆された
リード線及びエポキシ接着剤を使用し、前記各実施例と
同じ実験と密着性の評価を行った。前記各実施例1〜6
と比較例1のリード線の被覆材料と接着剤、及び、実験
の密着性の評価の結果は、図4に示した。なお、本電動
弁は、空調機や冷凍機における冷媒流量制御のための電
動弁として使われる以外に、一般の産業分野において比
例制御弁等としても利用される。
【0036】実施の形態2.次に、本発明の電動弁の他
の実施の形態(第2の実施の形態)について説明する。
図3は、本実施の形態(第2の実施の形態)の電動弁
20の断面図であり、第1の実施の形態の電動弁10と
同じ部分または相当部分は同じ符号を付し、その説明を
省略する。
【0037】本実施の形態の電動弁20が前記第1の実
施の形態の電動弁10と相違する点は、前記第1の実施
の形態の電動弁10がステッピングモータ14を金属製
のカバーケース13で覆ったのに対して、本実施の形態
の電動弁20はギヤケース16aとステッピングモータ
14とを合成樹脂材料の成形体26で一体成形で覆った
ことであり、被覆リード線15の前記ステッピングモー
タ14からの取出部15aも前記一体成形時に、前記合
成樹脂材料の成形体26内に一体に埋設したものであ
る。本実施の形態では、ギヤケ−ス16aとステッピン
グモ−タ14を成形体26で覆っているが、成形体26
でステッピングモ−タ14のみを覆ってもいいし、ステ
ッピングモ−タ14とギヤケ−ス16aの一部を覆って
もよく、さらに、弁体まで一体成形体26で覆うように
してもよい。
【0038】そして、本実施の形態の電動弁20は、前
記第1の実施の形態の電動弁10と同様に作動し、ステ
ッピングモータ14が回転して、歯車群17が回転する
ことで、弁体19が上下方向に移動し、該移動によっ
て、前記ニードル部19bが弁座27に接近もしくは離
間して前記両者の間隔位置を変更して、前記入口管22
から前記出口管23に流れる冷媒の流量を調節する。な
お、前記入口管22と出口管23は、冷媒回路で冷媒の
流れが逆となる時には、それぞれ出口管22と入口管2
3となる。
【0039】本実施の形態の電動弁20は、前記第1の
実施の形態の前記電動弁10と同様に、例えば、冷媒の
温度が略−20〜50℃の温度範囲で変化する空調機・
冷凍機等の冷媒回路で使用するものであるので、前記合
成樹脂材料の成形体26の表面に結露水等が付いて劣化
し、クラックが発生し、このクラックより水分が電動弁
10の内部に侵入しないようにするために、前記成形体
26の前記合成樹脂材料とリード線15の被覆材料とを
特定しており、該成形体26の合成樹脂材料とリード線
15の被覆材料との具体的形態を以下の実施例7,8で
説明する。なお、本電動弁は、空調機や冷凍機における
冷媒流量制御のための電動弁として使われる以外に、一
般の産業分野において比例制御弁等としても利用され
る。
【0040】
【実施例】
実施例1.本実施例1は、リード線15の被覆材料がナ
イロンもしくはポリエステルの樹脂を使用するものであ
る。前記表1に示すように、軟質塩化ビニルに比べてナ
イロン及びポリエステルの樹脂は、臨界表面張力γcの
値が大きく、接着剤と密着性が良い。したがって、前記
ナイロンもしくはポリエステルの樹脂をリード線の被覆
材料として用いれば、臨界表面張力が従来の電動弁に使
用されている軟質塩化ビニルに比べて大きいので、接着
剤24との密着性が良く、シール性が向上する。
【0041】本実施例1は、リード線15の被覆材料と
接着剤24との具体的な実験として、ナイロン樹脂で被
覆したリード線及びエポキシ接着剤を使用し、前記電動
弁10に装着して、前記実験をして評価した。該実施例
1では、ヒートショック試験300サイクル後も、被覆
リード線15と接着剤24の界面が密着しており、シー
ル性が保持されている。また、ヒートショック試験30
0サイクル後の電動弁にDC500Vを印加して絶縁抵
抗を測定する絶縁抵抗試験を実施したところ、ヒートシ
ョック試験前の絶縁抵抗100MΩ以上を維持し、絶縁
抵抗の劣化も認められなかった。従って、本実施例の電
動弁は、実使用において、水分が侵入し、絶縁抵抗が低
下し、過電流が流れ、電動弁が破損することが防止でき
る。
【0042】これに対して、図4に比較例1として示し
た従来の電動弁、即ち、軟質塩化ビニル樹脂で被覆され
たリード線及びエポキシ樹脂接着剤を使用した電動弁で
は、ヒートショック試験で100サイクルでガス漏れの
発生が認められた。また、100サイクル後の電動弁に
ついて絶縁抵抗試験を行ったところ、絶縁抵抗値が試験
前の100MΩから10MΩと低下が著しかった。
【0043】従って、比較例1の従来の電動弁の試験結
果と比較して、本実施例の電動弁は、電動弁のシール性
が向上し、水分の侵入が防止される信頼性の高い電動弁
が得られた。
【0044】被覆材料をナイロン樹脂にかえて、ポリエ
ステル樹脂を用いた場合も、前記ナイロン樹脂の場合と
同様の結果が得られた。
【0045】実施例2.本実施例2は、リード線15の
被覆材料がシリコンゴムであり、シリコンゴムの接着剤
24を使用するものである。シリコンゴムは、表1に示
したように、臨界表面張力が低く、一般的に接着剤との
ぬれ性が悪いが、同種材料であるシリコン接着剤とは、
相溶性の尺度となる溶解度パラメーターの値が近く、接
着時における素材間の相互侵入が容易であり、密着性が
良く、リード線の周囲のシール性が向上する。
【0046】本実施例2は、リード線15の被覆材料と
接着剤24との具体的な実験として、シリコンゴムで被
覆したリード線及びシリコンゴム接着剤を使用し、前記
電動弁10に装着し、前記実験をして評価した。該実施
例2では、ヒートショック試験300サイクル後も、被
覆リード線と接着剤の界面が密着しており、シール性が
保持されている。また、前記ヒートショック試験300
サイクル後の電動弁にDC500Vの電圧を印加する絶
縁抵抗試験を行った結果、絶縁抵抗100MΩ以上を維
持し、絶縁抵抗の劣化は認められなかった。
【0047】実施例3.実施例3は、リード線15の被
覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、被覆材料表面にオ
ルガノシランを含有したn−ヘプタン溶液を塗布し、挿
通孔25に挿通し、エポキシ樹脂接着剤でシールしたも
のである。本実施例では、n−ヘプタンを80〜90重
量%、オルガノシラン等を10〜20重量%含有するプ
ライマーを軟質塩化ビニルからなる被覆電線にはけで塗
布した。ここでは溶剤をはけで塗布したがスプレーで塗
布しても良く、また、被覆電線を溶剤中に浸せきしても
よい。その後、エポキシ樹脂接着剤を使用し、挿通孔2
5に通した前記被覆電線を接着シールした。図4に示す
如く、ヒートショック試験300サイクル後も被覆リー
ド線15と接着剤24の界面が密着しており、シール性
が保持されている。また、ヒートショック試験300サ
イクル後の電動弁を前記同様の絶縁抵抗試験を行った結
果、絶縁抵抗100MΩ以上を維持し、絶縁抵抗の劣化
は認められなかった。本実施例のように、軟質塩化ビニ
ルからなる被覆電線の周囲をエポキシ接着剤でシールす
る場合に、接着前に被覆電線にオルガノシランを含有し
たn−ヘプタン溶液を塗布することにより、溶剤が揮発
するに従って、オルガノシランが空気中の水分と反応し
活性化し、表面が溶けて適度に粗面化された軟質塩化ビ
ニルと結合し、被覆電線の表面に皮膜を形成する。形成
された皮膜はエポキシ接着剤との密着性が良い。また、
n−ヘプタンは軟質塩化ビニルの表面を溶かし適度に粗
面化するとともに、オルガノシランを溶媒中で安定化し
ている。
【0048】また、接着剤にエポキシ樹脂を使用する場
合、硬化剤に脂肪族アミンを使用すると硬化時にアミン
が発生し、電動弁の金属部品を腐食することがわかっ
た。本実施例に使用したエポキシ接着剤は硬化剤が変性
アミドアミンであり硬化時にアミンの発生がなく金属部
品腐食を生じず、電動弁の信頼性が増す。また、硬化時
にアミンを発生しない硬化剤としては、変性脂肪族アミ
ンでもよい。
【0049】実施例4.実施例4は、リード線15の被
覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、被覆材料表面にシ
リコン樹脂含有した酢酸エチル溶液を塗布し、挿通孔2
5に挿通し、エポキシ接着剤で接着シールしたものであ
る。本実施例は、軟質塩化ビニル樹脂で被覆したリード
線の表面に、シリコン樹脂等を5〜15重量%含有し、
酢酸エチルを主成分とするプライマーを軟質塩化ビニル
樹脂からなる被覆電線に塗布し、シリコン接着剤で接着
シールした。図4に示す如く、ヒートショック試験30
0サイクル後もシール性が保持されている。また、ヒー
トショック試験300サイクル後の電動弁を前記同様の
絶縁抵抗試験を行った結果、絶縁抵抗100MΩ以上を
維持し、絶縁抵抗の劣化はなかった。本実施例のよう
に、軟質塩化ビニルからなる被覆電線の周囲をシリコン
接着剤でシールする場合は、シリコン樹脂を含有した酢
酸エチル溶液を塗布することにより、溶剤が揮発するに
従って、表面が溶けて適度に粗面化された軟質塩化ビニ
ルの表面にシリコン樹脂の皮膜が形成される。形成され
た皮膜はシリコン接着剤との密着性が良い。酢酸エチル
は軟質塩化ビニルを溶解し、被覆電線の表面を適度に粗
面化するとともに、シリコン樹脂を溶解し得る。
【0050】また、接着剤にシリコン接着剤を使用する
場合、硬化時にオキシムや酢酸が発生するタイプのもの
を使用すると、電動弁の金属部に腐食を生じることがわ
かった。本実施例に使用したアルコール発生タイプまた
はアセトン発生タイプであれば金属腐食の発生がなく、
信頼性が向上する。
【0051】実施例5.本実施例5は、リード線15の
被覆材料が軟質塩化ビニル等で被覆されたものであり、
被覆リード線の表面に波長が150〜300nmの紫外
線(図4の実施例5ではUVで示す)を照射したもので
ある。一般的に、プラスチック材料は、その表面に波長
が150〜300nmの紫外線を照射すると、プラスチ
ック材料の分子結合が切断され、水素原子が引き抜か
れ、そこに空気中の酸素が結合して極性の高い水酸基や
カルボニル基等のラジカルが形成され、表面のぬれ性が
向上し、接着性が向上する。本実施例5は、ぬれ性の低
い被覆リード線の被覆素材に波長が150〜300nm
の紫外線を照射することにより、被覆リード線と接着剤
との密着性が向上し、被覆リード線の周囲のシール性を
向上させたものである。波長150〜300nmの紫外
線が効果がある根拠は次のとおりと考えられる。樹脂材
料の表面を活性化するには表面の分子結合を切断する必
要があり、表面分子の結合エネルギーより大きいエネル
ギーを与えることが必要である。樹脂材料を構成する主
たる分子結合及びその結合エネルギーは C−C:347.7kJ/mol C−O:351.5kJ/mol C−H:413.4kJ/mol C−N:291.6kJ/mol C=C:607 kJ/mol C=O:724 kJ/mol C≡N:791 kJ/mol C≡C:828 kJ/mol である。表面活性化に効果が高いH原子の引き抜きには
C−H結合を切断することが必要であり、413.4k
J/mol以上のエネルギーが必要である。413.4
kJ/molは波長290nmの光エネルギーに相当
し、H原子の引き抜きには波長が290nm以下である
ことが必要である。これらの中で最も結合エネルギーが
高いC≡C結合:828kJ/molは波長145nm
の光エネルギーに相当する。よって、波長範囲145〜
290nmの紫外線が効果がある。これらの結合エネル
ギーは文献値であり、ある程度誤差を含むので、波長範
囲はおよそ150〜300nmと表し得る。
【0052】本実施例5は、リード線15の被覆材料と
接着剤24との具体的な実験として、軟質塩化ビニルで
被覆したリード線15の表面に、低圧水銀ランプを使用
し、波長が150〜300nmの紫外線をランプ照度強
度10mW/cm2 の強さで120sec照射した。ま
た、リードセンと低圧水銀ランプ距離を20mmに設定
し、リード線の周囲に紫外線が均一に照射されるよう
に、リード線を20秒で1回転する速さで芯線を軸とし
て回転し、紫外線を照射した。その後、エポキシ接着剤
を使用し、前記電動弁10に装着し前記実験をし、評価
したものである。本実施例5では、ヒートショック試験
300サイクル後も被覆リード線15と接着剤24の界
面が密着しており、シール性を保持している。また、前
記同様の絶縁抵抗試験の結果、絶縁抵抗100MΩ以上
を維持し、絶縁抵抗の劣化は認められなかった。
【0053】実施例6.本実施例6は、リード線15の
被覆材料が軟質塩化ビニル等であり、該被覆リード線1
5の表面粗さが3〜15μmRmaxになるように粗面
化した被覆リード線としたものである。被覆リード線の
表面を粗面化することにより、被覆リード線の表面と接
着剤との接触面積が増加し、かつ、被覆リード線の表面
粗さが3〜15μmRmaxの範囲のとき、被覆リード
線の表面の凹部分に接着剤が十分入り込み、被覆リード
線と接着剤との密着性が向上し、被覆リード線の周囲の
シール性が向上する。表面粗さが3μmRmax以下で
は、接着面積が不十分であり、アンカー効果が小さく、
シール性が高まらない。又15μmRmax以上では、
凹部に接着剤が十分流れ込まず、シール性が高まらない
と考えられる。
【0054】該実施例6は、リード線15の被覆材料と
接着剤24との具体的な実験として軟質塩化ビニルで被
覆した電線の表面を240番手のサンドペーパーでこす
り粗面化し、被覆したリード線とハウジングの間隙をエ
ポキシ接着剤を使用し、前記電動弁10に装着し、前記
実験をして評価した。この実施例ではサンドペーパーで
表面を粗らしたが、サンドブラスト、液体ホーニング等
で粗しても良い。
【0055】本実施例の電動弁をヒートショック試験を
行ったところ、200サイクル後においてガス漏れが発
生した。また、200サイクル後の電動弁の絶縁抵抗値
は10M以下と絶縁抵抗も劣化していた。しかしなが
ら、比較例1の従来の電動弁と比較するシール性の改良
がみられるのは明らかである。なお、比較例1の従来の
電動弁に対してシール性の改良が認められた被覆リード
線の表面粗さは測定の結果、3〜15μmRmaxであ
った。
【0056】実施例7.合成樹脂のポリフェニレンサル
ファイド、液晶性樹脂、ポリエーテルイミド、ポリサル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリチオエーテルス
ルホン、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリケトン及びポリエーテルニ
トリルは、耐熱性、強度、耐薬品性が金属材料並に優れ
ており、温水中における長期使用に十分耐え得るもので
ある。前記合成樹脂の材料を使用して一体成形すること
によって、電動弁20の周囲を成形体26で覆うことに
より、電動弁20の成形体26とリード線15aとの間
の接触部のシール性が保持されるとともに、電動弁に結
露水が付着等しても成形体にクラックの発生がなくなる
ことで、耐温水性と長期使用の信頼性が向上する。これ
らの材料の中で特に、ポリフェニレンサルファイド、液
晶性樹脂、ポリケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンは吸水率が
低く、室温で水中に24時間浸せきした時の吸水率は
0.1重量%以下であり、吸水による体積膨張が小さ
く、温水中においても成形体と金属部品の間に生じる歪
みが小さく、金属部品と成形体の剥離や成形体のクラッ
クが発生し難く、優れている。
【0057】本実施例7は、リード線15の被覆材料と
成形体26の合成樹脂との具体的な実験として、架橋ポ
リエチレンで被覆したリード線15及びポリフェニレン
サルファイドで成形体26を形成し、電動弁20を試作
し、温度が80℃、湿度が95%RHの恒温恒湿槽に5
00Hr保管し、保管後の外観変化を目視で観察するこ
とによって、耐温水性の加速評価を行った。また、本実
施例と比較するための比較例2として従来から使用され
ている軟質塩化ビニルで被覆したリード線とナイロンの
成形体とを使用した電動弁を用いた。図5に示されるよ
うに、比較例2の従来の電動弁では試験500Hr後に
ナイロン成形体の表面にクラックが発生したが、本実施
例7の電動弁20には外観上の変化はなく、耐温水性が
向上している。
【0058】実施例8.本実施例8は、被覆したリード
線の被覆材料としてフッ素系樹脂またはシリコンゴムを
使用するものである。前記実施例7で示した成形体26
の合成樹脂材料は、耐熱性に優れる反面、溶融温度が高
く、成形加工時に300℃以上の高温で溶融し、型内に
注入することが必要であるが、電動弁20の一体成形時
において、それらの溶融樹脂と接する被覆したリード線
15の表面が瞬間的に300℃近くに昇温し、耐熱性が
100℃以下である塩化ビニルや架橋ポリエチレン等を
使用した被覆したリード線15では被覆材が溶融変形
し、絶縁特性が低下する。テフロン(デュポン社、商
標)に代表されるフッ素樹脂やシリコンゴムは、耐熱性
が200℃以上であり、一体成形時の熱劣化が小さい。
このために、テフロンに代表されるフッ素樹脂やシリコ
ンゴムをリード線15の被覆材料として使用することに
より、電動弁20の絶縁特性が向上した。
【0059】
【発明の効果】以上説明したとおり、第1の発明に係る
電動弁は、モータと、前記モータの被覆リード線と、前
記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前記動力
伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と出口管
の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モータ、前記
動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材と、前記ケ
ース部材に設けられ、前記被覆リード線を外部に取り出
す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールすることにより
前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してなる電動弁に
おいて、前記被覆リード線の被覆材料がポリエステル樹
脂又はナイロン樹脂である構成としているので、臨界表
面張力が従来の電動弁に使用されている軟質塩化ビニル
樹脂に比べて大きくなり、接着剤との密着性が良く、シ
ール性がさらに向上する。
【0060】また、第2の発明に係る電動弁は、ケース
部材の挿通孔に挿通され、前記挿通孔を接着剤により充
填シールすることにより固定されたモータの被覆リード
線の被覆材料がシリコンゴムであり、接着剤がシリコン
ゴムである構成としているので、シリコンゴムは、臨界
表面張力が低く、一般的に接着剤とのぬれ性が悪いが、
同種材料であるシリコンゴム接着剤とは相溶性の尺度と
なる溶解度パラメーターの値が近く、接着剤における素
材間の相互侵入が容易であり、密着性が良く、リード線
の周囲のシール性がさらに向上する。
【0061】また、第3の発明に係る電動弁は、被覆リ
ード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、接着剤
がエポキシ樹脂であり、前記被覆リード線の表面にオル
ガノシランを含有したn−ヘプタン溶液を塗布し、挿通
孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シール
した構成としているので、被覆電線の素材である軟質塩
化ビニルは、一般に接着剤との密着性が低いが、オルガ
ノシランを含有したn−ヘプタンを塗布することによ
り、軟質塩化ビニル被覆リード線の表面に付着した接着
剤との密着性を阻害している油分が脱脂され、表面が溶
解することにより適度に粗面化され、接着剤との表面積
が増え、オルガノシランが軟質塩化ビニルと結合した、
エポキシ接着剤との密着性が良い皮膜が表面に形成さ
れ、エポキシ接着剤との密着性が向上し、被覆リード線
の周囲のシール性がさらに向上し、部品寿命のより長い
電動弁が得られる。
【0062】また、第4の発明に係る電動弁は、第3の
発明において、接着剤のエポキシ樹脂の硬化剤が変性樹
脂族アミン又は変性アミドアミンであるので、エポキシ
樹脂の硬化時にアミンの発生がなく、電動弁の金属部品
の腐食性を一層防止でき、部品寿命のより長い電動弁が
得られる。
【0063】また、第5の発明に係る電動弁は、被覆リ
ード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であり、接着剤
がシリコン樹脂であり、前記被覆リード線の表面にシリ
コン樹脂を含有した酢酸エチル溶液を塗布し、挿通孔に
挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シールした
ので、シリコン樹脂を含有した酢酸エチルを塗布するこ
とにより、軟質塩化ビニル被覆リード線の表面に付着し
接着剤との密着性を阻害している油分が脱脂され、表面
が溶解することにより適度に粗面化され、接着剤との表
面積が増え、軟質塩化ビニルと密着し、シリコン接着剤
との密着性が良いシリコン樹脂皮膜が表面に形成され、
シリコン接着剤との密着性が向上し、被覆リード線の周
囲のシール性がさらに向上する。
【0064】また、第6の発明に係る電動弁は、第5の
発明において、接着剤のシリコン樹脂が硬化時にアルコ
ールを発生するもの又はアセトンを発生するものとして
いるので、シリコン接着剤の硬化時にオキシムや酢酸を
発生することなく、電動弁の金属部品の腐食を一層防止
できる。
【0065】また、第7の発明に係る電動弁は、被覆リ
ード線に150〜300nm波長の紫外線を照射し、挿
通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シー
ルしたので、リード線の被覆材であるプラスチック材料
は、その表面に波長が150〜300nmの紫外線を照
射すると、プラスチック材料の分子結合が切断され、水
素原子が引き抜かれ、そこに空気中の酸素が結合して極
性の高い水酸基やカルボニル基等のラジカルが形成さ
れ、表面のぬれ性が向上し、接着性が向上する。ぬれ性
の低い被覆リード線の被覆素材に波長が150〜300
nmの紫外線を照射することにより、被覆リード線と接
着剤との密着性が向上し、被覆したリード線の周囲のシ
ール性がさらに向上する。
【0066】また、第8の発明に係る電動弁は、被覆リ
ード線を表面粗さ3〜15μmRmaxに粗面化し、挿
通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充填シー
ルしたので、被覆リード線の表面を粗面化することによ
り、被覆リード線の表面と接着剤との接触面積が増加
し、かつ、被覆リード線の表面粗さが3〜15μmRm
axの範囲のとき、被覆リード線が表面の凹部分に接着
剤が十分入り込み、被覆リード線と接着剤との密着性が
向上し、被覆リード線の周囲のシール性がさらに向上す
る。
【0067】また、第9の発明に係る電動弁は、モータ
と、前記モータの被覆リード線と、前記モータの駆動力
を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段により動
かされ、冷媒が流れる入口管と出口管の連通部の開口を
変化させる弁体とを備え、前記モータ、前記動力伝達手
段、前記弁体のそれぞれを含む部分のうち、少なくとも
前記モータを含む部分と前記モータの被覆リード線とを
成形加工で形成した樹脂成形体で覆い、前記被覆リード
線を外部に取り出した電動弁において、前記成形体が液
晶樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルスル
フォン樹脂、ポリチオエーテルスルフォン樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテル
エーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂又はポリエーテル
ニトリル樹脂であるようにしたので、前記の成形体に用
いた合成樹脂は、いずれも耐熱性、強度、耐薬品性が優
れており、また、温水中における長期使用に十分耐え得
るものであるので、前記合成樹脂の材料を使用して成形
体で電動弁の周囲を一体成形することによって、電動弁
の成形体とリード線との間の接触部のシール性が保持さ
れることで、耐温水性と長期使用の信頼性がさらに向上
する。
【0068】また、第10の発明に係る電動弁は、第9
の発明において、被覆リード線の被覆材料がフッ素樹脂
又はシリコンゴムとしたので、耐熱性が高く、成形加工
時の熱劣化が小さく、電動弁の絶縁性の劣化を一層防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す電動弁の断面図
である。
【図2】 本発明の実施の形態1の電動弁を使用する冷
凍回路図である。
【図3】 本発明の実施の形態2を示す電動弁の断面図
である。
【図4】 本発明の実施の形態1を示す電動弁の実施例
1〜6と比較例1との実験結果を示す表である。
【図5】 本発明の実施の形態2を示す電動弁の実施例
7と比較例2との実験結果を示す表である。
【図6】 従来の電動弁を示す断面図である。
【図7】 他の従来の電動弁を示す断面図である。
【図8】 更に他の従来の電動弁を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20 電動弁、13,16,16a ケース部
材、14 モータ、15被覆リード線、17 動力伝達
手段、19 弁体、22 入口管(出口管)、23 出
口管(入口管)、24 接着剤、25 挿通孔、26
樹脂成形体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 智彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 寺本 和良 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 菅野 勝久 東京都世田谷区等々力7丁目17番24号 株 式会社不二工機内 (72)発明者 梅澤 仁志 東京都世田谷区等々力7丁目17番24号 株 式会社不二工機内 (72)発明者 鈴木 教郎 東京都世田谷区等々力7丁目17番24号 株 式会社不二工機内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 前記被覆リード線の被覆材料がポリエステル樹脂又はナ
    イロン樹脂であることを特徴とする電動弁。
  2. 【請求項2】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 前記被覆リード線の被覆材料がシリコンゴムであり、接
    着剤がシリコンゴムであることを特徴とする電動弁。
  3. 【請求項3】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 前記被覆リード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であ
    り、接着剤がエポキシ樹脂であり、前記被覆リード線の
    表面にオルガノシランを含有したn−ヘプタン溶液を塗
    布し、挿通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を
    充填シールしたことを特徴とする電動弁。
  4. 【請求項4】 接着剤のエポキシ樹脂の硬化剤が変性樹
    脂族アミン又は変性アミドアミンであることを特徴とす
    る請求項3記載の電動弁。
  5. 【請求項5】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 前記被覆リード線の被覆材料が軟質塩化ビニル樹脂であ
    り、接着剤がシリコン樹脂であり、前記被覆リード線の
    表面にシリコン樹脂を含有した酢酸エチル溶液を塗布
    し、挿通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充
    填シールしたことを特徴とする電動弁。
  6. 【請求項6】 接着剤のシリコン樹脂が硬化時にアルコ
    ールを発生するもの又はアセトンを発生するものである
    ことを特徴とする電動弁。
  7. 【請求項7】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 被覆リード線に150〜300nm波長の紫外線を照射
    し、挿通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充
    填シールしたことを特徴とする電動弁。
  8. 【請求項8】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体と、前記モー
    タ、前記動力伝達手段、前記弁体等を覆うケース部材
    と、前記ケース部材に設けられ、前記被覆リード線を外
    部に取り出す挿通孔とを備え、接着剤を充填シールする
    ことにより前記被覆リード線を前記挿通孔に固定してな
    る電動弁において、 被覆リード線に表面粗さ3〜15μmRmaxに粗面化
    し、挿通孔に挿通した状態で、前記接着剤で挿通孔を充
    填シールしたことを特徴とする電動弁。
  9. 【請求項9】 モータと、前記モータの被覆リード線
    と、前記モータの駆動力を伝達する動力伝達手段と、前
    記動力伝達手段により動かされ、冷媒が流れる入口管と
    出口管の連通部の開口を変化させる弁体とを備え、前記
    モータ、前記動力伝達手段、前記弁体のそれぞれを含む
    部分のうち、少なくとも前記モータを含む部分と前記モ
    ータの被覆リード線とを成形加工で形成した樹脂成形体
    で覆い、前記被覆リード線を外部に取り出した電動弁に
    おいて、 前記成形体が液晶樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
    脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポ
    リエーテルスルフォン樹脂、ポリチオエーテルスルフォ
    ン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹
    脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂
    又はポリエーテルニトリル樹脂であることを特徴とする
    電動弁。
  10. 【請求項10】 被覆リード線の被覆材料がフッ素樹脂
    又はシリコンゴムであることを特徴とする請求項9記載
    の電動弁。
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