JPH10138252A - 断熱層被覆金型及びその金型を用いた合成樹脂の成形法 - Google Patents

断熱層被覆金型及びその金型を用いた合成樹脂の成形法

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JPH10138252A
JPH10138252A JP29391796A JP29391796A JPH10138252A JP H10138252 A JPH10138252 A JP H10138252A JP 29391796 A JP29391796 A JP 29391796A JP 29391796 A JP29391796 A JP 29391796A JP H10138252 A JPH10138252 A JP H10138252A
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heat
mold
heat insulating
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JP29391796A
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Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型表面再現性を改良し、成形品の後加工を省
略することの可能な合成樹脂の成形用金型及びその成形
法を提供する。 【解決手段】 (1)金属からなる主金型の型壁面に、
該型壁面に密着した重合体からなる厚み0.1〜2mm
の断熱層があり、更に断熱層表面に該断熱層厚みの1/
3以下で0.001mm以上の金属層が存在する金型で
あり、(2)金属層と断熱層は微細凹凸界面で密着して
おり、(3)断熱層は全断熱層厚みの1/3以下、0.
01mm以上で且つ金属層と接する第一断熱層と、全断
熱層厚みの1/2以上を占める第二断熱層の少なくとも
2層の断熱層からなり、(4)第一断熱層は耐熱性と強
靭性に優れた直鎖型高分子量重合体からなり、第二断熱
層は第一断熱層と比較して軟化温度及び/又は破断伸度
が低い直鎖型重合体からなる、多層の断熱層で被覆され
た断熱層被覆金型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂成形用の金
型及び該金型を用いた成形法に関する。更に詳しくは、
合成樹脂の射出成形、ブロー成形等に適した金型及びそ
の成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂の射出成形品やブロー成
形品に塗装等の後加工を省略する要求が強くなってき
た。すなわち、製造コストの低下、成形品のリサイク
ル、塗装時の溶剤蒸発等による環境破壊の低減等のた
め、塗装を無くしたいという要望が極めて強い。特に電
気機器、電子機器、事務機器等の合成樹脂製ハウジング
等についてこの後加工省略の要望が極めて強い。
【0003】熱可塑性樹脂を金型キャビティへ射出して
成形し、成形品に型表面の形状状態の付与における再現
性を良くし、成形品の外観を良くするには、通常、樹脂
温度や金型温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の
成形条件を選ぶことによりある程度達成できる。ブロー
成形においても同様に、成形品外観を良くするには、通
常、樹脂温度や金型温度を高くしたり、ブローガス圧力
を高くする等の成形条件を選ぶことによりある程度達成
できる。
【0004】これらの要因の中で最も大きな影響がある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
金型温度を高くすることなく型表面の再現性を良くし、
また、金型温度を高くしても必要な冷却時間が長くなら
ない方法が要求されている。
【0005】型表面再現性を良くする成形法として、金
型の型壁面を熱伝導率の小さい物質、すなわち薄肉の断
熱層で被覆した金型を使用する方法についてはWO 9
3/06980等で開示されている。更に金型の型壁面
を薄肉の断熱層で被覆し、更にその表面を薄肉の金属層
で被覆した金型については、米国特許第3734449
号、米国特許第5302467号及び米国特許第538
8803号の各明細書に開示されている。型表面に断熱
層を被覆した金型、あるいは断熱層表面に金属層を被覆
した金型を使用する方法は、成形サイクルタイムを長く
することなく型表面再現性を良くできる優れた方法であ
る。
【0006】しかしながら、この断熱層被覆金型は、そ
の耐久性の点、及び断熱層の被覆性の点で問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形品に型
表面の形状状態の付与における再現性を良くし、合成樹
脂の射出成形品やブロー成形品に塗装等の後加工をする
ことの省略を可能にする金型と該金型を用いた成形法を
提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、断熱層で
被覆した金型について検討を行い、主金型表面を被覆す
る断熱物質及びその厚み、その被覆方法、最表面に被覆
する金属層の密着力及びその厚み、合成樹脂の成形条件
等との関係について検討を行った。断熱層を形成する断
熱材に要求される性能には、形成された断熱層が優れた
性能を有することと、その断熱層が形成し易いことであ
る。断熱層として次の性能が要求される。
【0009】・熱伝導率が低い ・耐熱性に優れる ・強伸度に優れ、冷熱サイクルに強い ・表面硬度が大きい ・熱膨張係数が小さい ・主金型及び金属層との密着力が大きい ・合成樹脂成形途中での補修性 断熱層被覆金型の形成には次のことが要求される。
【0010】・断熱層を均一厚みに短期間に形成できる ・断熱層上への金属層の被覆性 発明者らは、これらの要件を一種の断熱材で満たすこと
よりも、二種以上の断熱材を用いることにより、より容
易に経済的に要求項目を満たすことができることを見出
し、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明は次の各項からなる。 1. 加熱された合成樹脂を冷却された金型壁面に接触
させて成形する金型において、(1) 金属からなる主
金型の型壁面に、該型壁面に密着した重合体からなる厚
み0.1〜2mmの断熱層があり、更に断熱層表面に該
断熱層厚みの1/3以下で0.001mm以上の金属層
が存在する金型であり、(2) 金属層と断熱層は微細
凹凸界面で密着しており、(3) 断熱層は、全断熱層
厚みの1/3以下、0.01mm以上で、且つ金属層と
接する第一断熱層と、全断熱層厚みの1/2以上を占め
る第二断熱層の少なくとも2層の断熱層からなり、
(4) 第一断熱層は耐熱性と強靭性に優れた直鎖型重
合体からなり、第二断熱層は第一断熱層に比較して軟化
温度及び/又は破断伸度が低い直鎖型重合体からなる、
多層の断熱層で被覆された断熱層被覆金型。 2. 第一断熱層は、軟化温度が合成樹脂の成形温度以
上、破断伸度が5%以上の2条件を満たす直鎖型重合体
からなり、第二断熱層は、少なくとも上記2条件の一方
を満たさない直鎖型重合体からなる上記1の断熱層被覆
金型。 3. 上記1又は2の断熱層被覆金型を用いた合成樹脂
の成形法。
【0012】本発明を更に詳しく説明する。本発明の金
型で成形される合成樹脂は、一般の射出成形やブロー成
形に使用できる熱可塑性樹脂であり、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチレ
ン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ABS
樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、
メチルメタクリレート−スチレン共重合体、ゴム強化ポ
リメチルメタクリレート等のメタクリル樹脂、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、塩化ビニール樹
脂等である。
【0013】本発明の成形法が良好に使用できるのは、
ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、ABS樹脂、スチレン−メチル
メタクリレート共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート、ゴム強化ポリメチルメタクリレート
等のメタクリル樹脂、ポリカーボネートから選択された
非結晶性樹脂であリ、更にこれらに各種充填材が配合さ
れた樹脂である。ゴムが1〜10重量%配合されたゴム
強化ポリスチレンは特に良好に使用できる。
【0014】ガラス繊維、カーボン繊維、ウイスカー等
の繊維、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等の粉末
等の無機充填材の含量が5〜65重量%配合された各種
合成樹脂も本発明に好ましく使用できる。ガラス繊維、
ウイスカー等の無機充填材が5〜65重量%含有される
合成樹脂を用いて、断熱層のみで被覆された金型で射出
成形すると、型表面は無機充填材で傷がつき易くなる。
特に無機充填材が20重量%を越えて配合されると断熱
層に傷が付き易く、充填材が30重量%以上の多量が配
合されると、型表面は著しく傷つきやすくなる。本発明
においては、型表面に無機充填材と同等程度、あるいは
それ以上の硬さで、且つ、適度な厚みの金属層を存在さ
せて傷の付くのを防止している。また、ポリアミド樹
脂、アクリロニトリル含有量の多い樹脂等は一般に極性
基を有する断熱層との離型性が悪いが、該断熱層表面に
金属層を存在させる本発明の金型では、離型性が改良さ
れている。
【0015】本発明で成形される良好な成形品は弱電機
器、電子機器、事務機器等のハウジング、各種自動車部
品、各種日用品、各種工業部品等の一般に使用される合
成樹脂射出成形品である。特に好ましくは、多点ゲート
で射出成形され、その結果ウエルドラインが多数発生す
る電子機器、電気機器、事務機器のハウジング等であ
る。また、良好な艶消し状成形品、良好なパターンしぼ
成形品も得られる。更に透明な合成樹脂を用いて成形し
た良好なレンチキュラーレンズ、フレネルレンズ等のレ
ンズ、良好な高透過、高拡散板等の光学部品の射出成形
品も得られる。
【0016】本発明法で成形されるこれらの成形品は型
表面の再現性が良く、ウエルドラインの目立ちが少なく
なり、型表面のシャープエッジの再現性や、微細な型表
面の凹凸の再現性も良くなり、上記の各種成形品が良好
に得られる。これらの射出成形品は一般の射出成形法で
成形されるが、ガスアシスト射出成形、液体アシスト射
出成形、オリゴマーアシスト射出成形、射出圧縮成形等
の、成形時に合成樹脂が型壁面を押し付ける圧力が低
い、及び/又は合成樹脂の型内流動速度がおそい低圧射
出成形と組み合わせて使用した場合に効果は大きく、本
発明に良好に使用できる。
【0017】更に、本発明で成形される良好な成形品は
外観が要求される各種ブロー成形品である。本発明に述
べる金属からなる主金型とは、鉄又は鉄を主成分とする
鋼材、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合
金、ZAS等の亜鉛合金、ベリリウム−銅合金等の一般
に合成樹脂の成形に使用されている金属金型を包含す
る。特にS55C、S45C等の鋼材から成る金型が良
好に使用できる。これらの金属からなる主金型の断熱層
と接する型表面は硬質クロムやニッケル等でメッキされ
ていることが好ましい。
【0018】本発明は金属からなる主金型の型壁面に、
該型壁面に密着した重合体からなる厚み0.1〜2mm
の断熱層があり、更に断熱層表面に該断熱層厚みの1/
3以下で0.001mm以上の金属層が存在する金型で
ある。断熱層厚みは好ましくは0.15〜1mmであ
り、更に好ましくは射出成形用金型においては0.15
〜0.5mm、ブロー成形用金型においては0.3〜1
mmである。金属層厚みは好ましくは、断熱層厚みの1
/4以下で0.005mm以上である。
【0019】本発明では、断熱層は、全断熱層厚みの1
/3以下、0.01mm以上で、且つ金属層と接する第
一断熱層と、全断熱層厚みの1/2以上を占める第二断
熱層の少なくとも2層の断熱層からなり、第一断熱層は
耐熱性と強靭性に優れた直鎖型重合体からなり、第二断
熱層は第一断熱層に比較して軟化温度及び/又は破断伸
度が低い直鎖型重合体からなることが必要である。第一
断熱層は好ましくは全断熱層厚みの1/4以下、0.0
2mm以上である。ここに述べる耐熱性と強靭性にすぐ
れた重合体とは、一般にスーパーエンプラと呼ばれてい
る耐熱性と強靭性に優れた重合体である。好ましくは、
第一断熱層の軟化温度が、成形される合成樹脂の成形温
度以上、破断伸度が5%以上の2条件を満たす直鎖型重
合体からなり、第二断熱層は少なくともこの2条件の一
方を満たさない直鎖型重合体からなる。
【0020】本発明に述べる軟化温度は、非結晶性樹脂
ではビカット軟化温度(ASTMD1525)、硬質結
晶性樹脂では熱変形温度(ASTM D648 荷重1
8.6kg/cm2 )、軟質結晶性樹脂では熱変形温度
(ASTM D648 荷重4.6kg/cm2 )でそ
れぞれ示す温度とする。本発明に述べる破断伸度の測定
法はASTM D638に準じて行い、測定時の引っ張
り速度は5mm/分である。
【0021】本発明で第一断熱層として用いられる重合
体は、好ましくは成形される合成樹脂より高い軟化温度
を有する耐熱性重合体であり、更に好ましくは成形され
る合成樹脂より高い軟化温度を有し、且つ軟化温度が1
90℃以上であり、特に好ましくは220℃以上の耐熱
性重合体である。耐熱性重合体の熱伝導率は、一般に
0.0001〜0.003cal/cm・sec・℃で
あり、金属より大幅に小さい。更に第一断熱層に用いら
れる耐熱性重合体の破断伸度は好ましくは5%以上、更
に好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上の強
靭な重合体である。
【0022】第一断熱層として良好に使用できる耐熱性
重合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であり、
例えば、有機溶剤に溶解する各種非結晶性耐熱性重合体
や、各種ポリイミド等が良好に使用できる。非結晶性耐
熱性重合体としては、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン等である。ポリイミドは各種あるが、直鎖型高分子
量ポリイミドが良好に使用できる。直鎖型高分子量ポリ
イミドは破断伸度が大きく強靭であり、耐久性に優れて
おり特に良好に使用できる。この直鎖型高分子量ポリイ
ミドにはポリアミドイミド、ポリエーテルイミドも含ま
れる。破断伸度が大きく、架橋度が極めて低い重合体も
第一断熱層として良好に使用できる。この様な破断伸度
が大きく、架橋度が極めて小さい重合体は、本発明では
直鎖型重合体に含めることとする。
【0023】表1に本発明に良好に使用できる耐熱性重
合体の構造とガラス転移温度(Tg)を示す。
【0024】
【表1】
【0025】ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の
溶液を型壁面に塗布し、次いで加熱キュアを行い型壁面
上にポリイミドを形成する方法は良好に使用できる。下
記化1にポリアミド酸からポリイミドを形成する反応式
を示す。
【0026】
【化1】
【0027】ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液を
型壁面に塗布し、次いで加熱キュアを行いポリイミドを
形成した場合、加熱キュア温度、及び/又は加熱キュア
雰囲気によりポリイミドのガラス転移温度や熱膨張係数
が異なる。一般に加熱キュア温度が高い程ガラス転移温
度が高くなり、熱膨張係数が小さくなる。ポリアミド酸
は一般に250℃以上にすればイミド化がほとんど10
0%進行しポリイミドが形成されるが、ポリイミドにな
ってからの分子の動きが熱膨張係数に影響を与えると考
えられている。
【0028】本発明で第二断熱層として使用される重合
体は、第一断熱層に使用される重合体よりも、耐熱性及
び/又は破断伸度の点で劣る重合体が選択される。第二
断熱層は、第一断熱層に比較して軟化温度及び/又は破
断伸度が低い直鎖型重合体であり、好ましくは軟化温度
が120℃以上、更に好ましくは150℃以上の重合体
から選択される。同様に破断伸度も好ましくは2%以
上、更に好ましくは3%以上の重合体から選択される。
従って第二断熱層の重合体は第一断熱層の重合体よりも
選択できる重合体の種類は多くなり、断熱層被覆金型の
製作において、断熱層の被覆、金属層の被覆、合成樹脂
成形途中での補修等がより容易な重合体が選択できる。
【0029】断熱材を型表面に被覆する方法は種々ある
が、断熱材溶液や断熱材前駆体溶液を型表面に塗布して
加熱し、この塗布と加熱を繰り返して所定の厚みにする
ことが良好に使用できる。型表面に均一厚みの塗膜を形
成するには、薄肉塗膜を多数回形成して所定の厚みとす
ることが一般的である。すなわち、合成樹脂の射出成形
では複雑な形状の成形品が一回の成形で得られることに
長所があり、金型キャビティの形状は一般に複雑であ
る。この複雑な型表面に塗料を厚肉に塗布すると、塗料
の垂れが発生し、均一な塗膜は形成されない。更に塗布
後に行う加熱温度は塗料を構成する断熱材の種類や溶剤
の種類により異なる。極力厚塗りができて、塗布後の加
熱温度は低い条件が選択できる断熱材溶液及び/又は断
熱材前駆体溶液が好ましい。
【0030】第二断熱層は第一断熱層よりも要求性能を
低くし、その分だけ断熱材の選択範囲を広くして、この
厚塗り性や、塗布後に行う加熱温度を低くできること、
合成樹脂成形途中の補修等に適した重合体を選択でき
る。第二断熱層として良好に使用できる耐熱性重合体
は、第一断熱層に使用される耐熱性重合体と同様に主鎖
に芳香環を有する耐熱性重合体であり、例えば、有機溶
剤に溶解する各種非結晶性耐熱性重合体や、各種ポリイ
ミド等が良好に使用できる。非結晶性耐熱性重合体とし
ては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカー
ボネート等である。これらの耐熱性重合体の中の、第一
断熱層に使用する重合体よりも耐熱性及び/又は破断伸
度が劣る重合体を第二断熱層に使用する。第一断熱層と
同一重合体であっても、重合度が低く、破断伸度が低い
重合体が第二断熱層に使用できる。重合度が低い重合体
は溶液にした場合の溶液粘度が低くなり、塗布時の溶液
濃度をそれだけ高くでき、一回の塗布でより厚肉に塗布
できることになる。本発明にはこの様に重合度の異なる
同一組成の重合体を第一断熱層と第二断熱層とすること
も含まれる。
【0031】本発明では断熱層は少なくとも2層からな
り、必要に応じて3層以上でもよい。第一断熱層が2層
以上からなる場合、その2層以上の各断熱層の厚みの合
計が本発明に示す厚みの範囲にあれば本発明に含まれ
る。同様に第二断熱層が2層以上からなる場合、その2
層以上の各断熱層の厚みの合計が本発明に示す厚みの範
囲にあれば本発明に含まれる。
【0032】本発明で断熱層の表面に被覆される金属層
に用いられる好ましい金属は、一般にメッキに用いられ
る金属であり、クロム、ニッケル、銅等の1種又は2種
以上である。良好に使用できるのは化学ニッケルメッ
キ、電解ニッケルメッキ、化学銅メッキ、電解銅メッ
キ、電解クロムメッキ等である。断熱層に直接に接する
層は化学メッキ層にすることが特に好ましい。金属層は
断熱層の表面に被覆される。断熱層と金属層は密着して
いることが必要であり、その密着力は0.3kg/10
mm以上が好ましく、更に好ましくは0.5kg/10
mm以上であり、最も好ましくは0.7kg/10mm
以上である。これは密着した金属層、あるいは金属層と
断熱層を10mm巾に切り、接着面と直角方向に20m
m/分の速度で引張った時の剥離力である。この剥離力
は測定場所、測定回数によりかなりバラツキが見られる
が、最小値が大きいことが重要であり、安定して大きい
密着力であることが好ましい。ここに述べる密着力は金
型の主要部の密着力の最小値である。
【0033】本発明のこれらの金属層は断熱層と微細凹
凸界面で密着している。従って、金属層と断熱層の界面
は金属層と断熱層が相互に入り込んだ形状をしている。
この場合の本発明に述べる金属層の厚みは金属が50容
量%以上を占める部分の厚みを用い、断熱層厚みは断熱
材が50容量%を越える部分の厚みを用いる。本発明の
金属層は種々の方法で被覆できるが、メッキにより良好
に被覆される。ここに述べるメッキは化学メッキ(無電
解メッキ)と電解メッキである。本発明では次の工程の
いくつかを経てメッキされることが好ましい。すなわ
ち、まず断熱層表面の微細凹凸化、次いで化学メッキが
行われる。次の工程が良好に使用できる。
【0034】前処理→化学腐食(強酸化剤の強酸溶液等
による化学エッチング:表面を適度な微細凹凸状にす
る。)→中和→感受性化処理(断熱層表面に還元力のあ
る金属塩を吸着させて活性化を効果あらしめる。)→活
性化処理(触媒作用を有するパラジウム等の貴金属を断
熱層表面に付与する。)→化学メッキ(化学ニッケルメ
ッキ、化学銅メッキ等)→電解メッキ(電解ニッケルメ
ッキ、電解銅メッキ、電解クロムメッキ等)。
【0035】断熱層とメッキ層の密着力を増大させるた
め、断熱層の最表面を形成する第一断熱層に炭酸カルシ
ウム、酸化珪素、酸化チタン、炭酸バリウム、硫酸バリ
ウム、アルミナ等の無機物、各種重合体等の有機物の微
粉末等の微粉末状エッチング助剤を配合し、化学腐食で
該粉末を溶出して表面を適度な微細凹凸状にした後にメ
ッキを行うことは極めて良好に使用できる。
【0036】次に、本発明に良好に使用できる化学ニッ
ケルメッキについて詳しく述べる。化学メッキは、金属
イオンを還元剤により金属に還元析出させるものであ
る。一般的に化学メッキは次の条件を満たすことが必要
である。(1)メッキ液を調整したままの状態で還元剤
が自己分解をせずに安定であること。(2)還元反応後
の生成物が沈澱を生じないこと。(3)析出速度がp
H、液温度により制御できること等があげられる。化学
ニッケルメッキでは還元剤に次亜燐酸ソーダ、水素化ホ
ウ酸等が使用され、特に次亜燐酸ソーダが良好に使用さ
れる。上記の条件を満たすためには、化学メッキ液中に
主成分(金属塩、還元剤)以外に補助成分(pH調整
剤、緩衝剤、促進剤、安定剤等)が加えられる。還元剤
として次亜燐酸ソーダが各種補助成分と共に使用される
と、結果的に形成されるニッケルメッキには燐が含有さ
れる。
【0037】本発明において断熱層に密着する好ましい
化学ニッケルメッキ層は燐を1重量%以上、5重量%未
満含有し、更に好ましくは2重量%以上、5重量%未満
含有する。この化学ニッケルメッキ層の厚みは一般にプ
ライマーと称される程度の薄層で十分であり、好ましく
は0.1〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μm程度
である。本発明の断熱層被覆金型では、化学ニッケルメ
ッキ層を断熱層にしっかりと密着させることが必要であ
り、そのために化学ニッケルメッキの初期はメッキ液の
温度を下げ、PHを調節することによりメッキ速度を遅
くし、小粒径のメッキ粒子を生成させ、断熱層表面の微
細凹凸の内部にまでメッキが入り込ませることが極めて
好ましい。一定厚みのメッキ層が形成された後は、メッ
キ速度を上げて効率良くメッキを行う。この結果、断熱
層に接するニッケルメッキ層は燐を1重量%以上、5重
量%未満を含有する化学ニッケルメッキ層になり、その
上のメッキ層は電解ニッケルメッキ層、電解クロムメッ
キ層、燐を5〜14重量%含有する化学ニッケルメッキ
層、電解銅メッキ層等になる。断熱層表面に直接燐含量
が多い化学ニッケルメッキ、特に燐を8重量%以上含有
する化学ニッケルメッキを行うと、一般にニッケルの生
成粒子が大きくなり、メッキ層の密着力が低くなる。
【0038】断熱層に強固に密着する薄層化学ニッケル
メッキの上には各種のメッキ層をつけることができる。
該薄層化学ニッケルメッキの上に更につけるメッキの好
ましい具体例を次に示す。これらの一種又は二種以上を
つけることが好ましい。 (1)化学ニッケルメッキ(燐を5〜18重量%含有) (2)ニッケル−リン−ボロン系化学メッキ (3)電解クロムメッキ(硬質クロムメッキ等) (4)電解ニッケルメッキ(光沢ニッケルメッキ、半光
沢ニッケルメッキ、無光沢ニッケルメッキ等) (5)化学銅メッキ (6)電解銅メッキ これ等のメッキから選択された少なくとも1層あるいは
2層以上が被覆されることが好ましい。例えば薄層化学
ニッケルメッキの上に電解銅メッキ及び/又は化学銅メ
ッキを行い、更にその上にニッケルメッキを行うと、メ
ッキ密着力が向上し良好に使用できる。
【0039】メッキ層の最表面に硬く、傷つき難いニッ
ケル系のメッキ層や硬質クロムメッキ層等が0.5μm
以上あることが好ましく、より好ましくは1〜30μ
m、特に好ましくは2〜20μmあることが好ましい。
成形する合成樹脂にガラス繊維、ウイスカー、炭酸カル
シウム等の無機充填材が5〜65重量%配合されている
場合、特に20重量%を越え65重量%の多量が配合さ
れている場合には、型表面の最表面の金属層の硬さが、
合成樹脂中の無機充填材の硬さと同等程度、あるいはそ
れ以上であることが好ましい。
【0040】金属層の表面は鏡面状、微細な凹凸表面の
艶消し状、微細なレンズ状凹凸表面のレンズ状、皮しぼ
や木目しぼ等のしぼ状等のいずれでも良く、必要に応じ
て選択される。本発明に良好に使用できるしぼ形状は、
皮しぼ、木目しぼ、ヘアーラインしぼ等のパターンしぼ
である。しぼ状表面を浮き出させるために、しぼ状型表
面の凹凸の一方を鏡面に、他方を艶消し面にすることが
好ましい。また、しぼ状表面の凹凸を適度に細かくし、
凹凸の一方を鏡面に他方を艶消し状にすると、アルミニ
ウムフレーク等を配合した合成樹脂で成形した、いわゆ
るメタリック調外観が得られ、これも本発明に含まれ
る。
【0041】本発明は、本発明に述べる金型を使用する
合成樹脂の成形法である。本発明では、射出成形法ある
いはブロー成形法が良好に使用できる。射出成形では、
射出される合成樹脂温度、主金型温度、射出圧力、合成
樹脂の型内流動速度等により型表面再現性が異なる。本
発明法は、合成樹脂の型内平均流動速度が20〜300
mm/秒である場合に効果が大きくなり良好に使用でき
る。型内流動速度が小さい程、型表面再現性は一般に悪
くなり、本発明は型表面再現性が一般に悪い低速射出成
形時に効果が大きく、特に良好に使用できる。射出圧縮
成形やガスアシスト射出成形等は一般に低速射出成形で
ある。型内平均速度は一般に型キャビティのゲートから
流動端部までの樹脂流動距離を合成樹脂の型内流動時間
で割ることにより算出できる。本発明は低速射出の場合
に効果は大きいが、低速射出成形に限定するものではな
く、一般の高圧射出成形においても使用できる。
【0042】ブロー成形においても、ブローされる合成
樹脂温度、主金型温度、ブロー圧力、ブローされるパリ
ソンが型表面に接触してから、ブロー圧力が成形品内面
に十分にかかるまでの時間等により型表面再現性が異な
る。本発明では、ブローされるパリソンが型表面に接触
してから、ブロー圧力が成形品内面に十分にかかるまで
の時間が1〜10秒であることが好ましい。
【0043】本発明では成形時に型キャビティに各種ガ
ス体、例えば窒素、炭酸ガス、フレオン等を充填して成
形すること、各種ガス体を加圧状態に充填して成形する
こと、加熱された加熱ガス体を充填して成形すること等
も必要に応じてできる。本発明では断熱層は少なくとも
2層からなり、金属層と密着する第一断熱層は全断熱層
厚みの1/3以下、0.01mm以上であり、金属層と
直接接触しない第二断熱層は全断熱層厚みの1/2以上
を占める。金属層と接する第一断熱層は、合成樹脂の成
形時に厳しい冷熱サイクルにさらされ、従って耐熱性と
強靭性に優れた重合体が要求される。第一断熱層に特に
厳しい冷熱サイクルが負荷されること、及び本発明が必
要な理由を次に図面を用いて説明する。
【0044】本発明の効果発現理由等を図を用いて説明
する。図1、図2及び図3には、鋼鉄からなる主金型の
温度を50℃、ゴム強化ポリスチレン(図ではHIPS
で示す)の温度が240℃で射出成形したときの金型表
面付近の温度分布の変化の計算値を示している。図中の
各曲線の数値は加熱された合成樹脂が冷却された金型表
面に接触してからの時間(秒)を示している。加熱され
た合成樹脂は型表面に接触して、急速に冷却される(図
1)。主金型表面を断熱層で被覆すると、型表面は加熱
された合成樹脂から熱を受けて昇温する。図に示すよう
に、金型表面を0.1mm厚の断熱層(ポリイミド)で
被覆すると(図2)、加熱された合成樹脂と接触する断
熱層表面部の温度上昇は大きくなる。図3は断熱層(ポ
リイミド)の厚みを0.1〜1mmと変化させた場合の
型表面温度(ポリイミドと合成樹脂の界面温度)の経時
変化を示す。断熱層が厚くなる程、型表面温度の低下は
ゆっくりとなる。
【0045】図に示す射出成形時の型表面温度の変化
は、合成樹脂、主金型、断熱層の温度、比熱、熱伝導
率、密度等から計算できる。例えば、ABAQUS(米
国のHKS社のソフトウェア)や、ADINA及びAD
INAT(マサチューセッツ工科大学で開発されたソフ
トウェア)等を用い、非線形有限要素法による非定常熱
伝導解析により計算できる。この計算値は射出成形中の
合成樹脂の剪断発熱と各層間の境膜伝熱係数は無視して
いる。本発明の図等で示す型表面温度変化は上記の条件
でABAQUSを用い、図4に示す熱伝導率(λ)と比
熱(c)の値を用いてて計算した値である。
【0046】図5は図3と同様に型表面温度の経時変化
を金型温度と合成樹脂温度を変えて示したものである。
図2において、断熱層(ポリイミド)の温度変化を見る
と、型表面に近い部分の断熱層が激しく温度変化してい
ることがわかる。すなわち、断熱層の表面部は合成樹脂
温度の240℃から主金型温度の50℃まで変化してい
る。しかし、主金型に近い断熱層部分程温度変化は小さ
く、主金型と接する断熱層部分は終始主金型温度の50
℃付近である。このことから激しい冷熱サイクルにさら
されるのは型表面層部分であり、断熱層に要求される耐
熱性と強靭性は型表面に近い断熱層部分である。すなわ
ち、断熱層全厚みの1/3以下、0.01mm以上の型
表面の断熱層が耐熱性と強靭性に優れておれば断熱層の
耐久性は大きくなる。
【0047】図6は0.3mm厚の断熱層(ポリイミ
ド)表面に各種厚みの金属層(ニッケルメッキ)が存在
する本発明の金型に、同様に240℃のゴム強化ポリス
チレンを射出して成形した場合の型表面温度の経時変化
を示す。型表面温度(ニッケルメッキ層と合成樹脂の界
面温度)はニッケル層が存在すると一旦急速に低下する
が直ちに上昇し、その後再び低下してゆく。ニッケル層
が厚くなると上昇する温度は低くなる。金属層は断熱層
に比べ大幅に熱伝導率が大きく、従って金属層は全厚み
を通してほぼ均一な温度になっている。断熱層は熱伝導
率が小さく、従って断熱層には図2に示したと同様な温
度勾配が存在する。従って成形中に冷熱サイクルにさら
されるのは金属層に接する本発明に述べる第一断熱層の
部分である。すなわち、断熱層全厚みの1/3以下、
0.01mm以上の第一断熱層が耐熱性と強靭性に優れ
ておれば断熱層の耐久性は大きくなる。
【0048】図7は断熱層と金属層の密着界面の断面図
である。本発明では断熱層と金属層は微細凹凸界面で密
着しており、いわゆるアンカー効果により密着してい
る。断熱層と金属層の界面の微細凹凸の大きさは、交互
に入り合っている距離が0.5〜10μm程度の凹凸で
あり、該凹凸の一部が複雑に入り合ってアンカー効果が
働く凹凸が好ましい。微細凹凸の測定は、断熱層と金属
層の界面部の断面を顕微鏡で観察して測定する。断熱層
上に金属層が存在する本発明の金型では、断熱層の微細
凹凸界面が合成樹脂成形中の冷熱サイクルで変形して金
属層の剥離が発生するのを防ぐことが大きな課題であ
る。アンカー効果をつくっている微細凹凸が合成樹脂成
形時の熱による変形、冷熱サイクルによるクラック発生
等により断熱層と金属層の剥離が発生することがこれま
で問題であった。本発明ではこの微細凹凸界面を形成す
る部分の断熱層を耐熱性と強靭性に優れた直鎖型高分子
量重合体で形成することにより、微細凹凸界面の変形と
劣化を防止し、剥離を低減し、金型耐久性を増大させる
ことができた。特にこの界面部分の断熱層が合成樹脂の
成形温度以上で、破断伸度が5%以上の耐熱性と強靭性
に優れた重合体で形成することが本発明では好ましい。
【0049】本発明は断熱層被覆金型の補修に適した金
型を提供できる。すなわち、金型使用中に型表面の一部
に傷がつき、その傷痕を補修する必要が生じた場合、そ
の傷痕部分に断熱材溶液あるいは断熱材前駆体溶液を塗
布し、加熱して断熱層を形成し、表面研磨して仕上げる
方法がとられる。この場合、新たに塗布する断熱層がす
でに存在する断熱層とよく密着することが必要である
が、断熱層の種類によってはよく密着しないことがあ
る。本発明は第二断熱層の選択範囲を広くして、この補
修にも良好に対応できる断熱材を選択することができ
る。
【0050】
【発明の実施の形態】次の主金型、断熱層、金属層及び
合成樹脂を使用する。 主金型1 : 鋼鉄(S55C)製の射出成形用の金型
である。図8に示す成形品1の型キャビティを有する。
成形品サイズは100mm×100mmで厚みは2mm
であり、中央に30mm×30mmの穴2が空いてい
る。ゲート3は図に示す様にサイドゲートであり、成形
品1にはウエルドライン4が発生する。型表面は鏡面状
である。この主金型の型キャビティを形成する入れ子を
複数枚用意し、各入れ子の型キャビティを形成する表面
には硬質クロムメッキを行う。 主金型2 : 鋼鉄製(S55C)のブロー成形用金型
であり、300mm×95mm×20mm(パリソン押
出方向が300mm)の直方体形の型キャビティを有す
る。この主金型の型キャビティを形成する入れ子を用意
する。 断熱層1 : 主化学構造が前記の化1に示すポリイミ
ドワニス(トレニース#3000 東レ(株)製 商品
名)を塗布し、160℃で加熱し、次いでこの塗布、加
熱を繰り返して所定の厚みにし、次いで290℃に加熱
して100%イミド化し、所定厚みのポリイミド層を形
成する。ポリイミド層のガラス転移温度は300℃であ
り、破断伸度は35%である。 断熱層2 : 主化学構造が前記の化1に示すポリイミ
ドワニス(トレニース#3000、東レ(株)製 商品
名)に平均粒径が0.1μmの炭酸カルシウム微粉末を
固形分比で11重量%配合して十分に混練したポリイミ
ドワニスを塗布し、160℃に加熱し、この塗布、加熱
を繰り返して所定の厚みとし、次いで290℃に加熱し
て100%イミド化し、所定のポリイミド層を形成す
る。このポリイミド層のガラス転移温度は300℃、破
断伸度は15%である。 断熱層3 : ポリエーテルスルホン(PES E20
20P、三井東圧(株)製 商品名)のジメチルアセト
アミド溶液を塗布し、加熱して溶剤を蒸発させ、この塗
布と加熱を繰り返して所定の厚みの断熱層を形成する。
この断熱層のガラス転移温度は220℃、破断伸度は3
0%である。 断熱層4 : 平均粒径が0.1μmの炭酸カルシウム
微粉末を固形分比で11重量%配合したポリエーテルス
ルホン(PES E2020P、三井東圧(株)製 商
品名)のジメチルアセトアミド溶液を塗布し、加熱して
溶剤を蒸発させ、この塗布と加熱を繰り返して所定の厚
みの断熱層を形成する。この断熱層のガラス転移温度は
220℃、破断伸度は20%である。 断熱層5 : ポリスルホン(UDEL、UCC社製
商品名)のジメチルアセトアミド溶液を塗布し、加熱し
て溶剤を蒸発させ、この塗布と加熱を繰り返して所定の
厚みの断熱層を形成する。この断熱層のガラス転移温度
は190℃、破断伸度は50%である。 金属層A : 断熱層表面をクロム酸を含む強酸溶液で
エッチング処理を行い、次いで、中和→感受性化処理→
活性化処理の順に処理し、次いで次亜燐酸ソーダを還元
剤とし、35℃の低温、弱アルカリ状態、低速度で化学
ニッケルメッキを行い形成した、燐含量が3〜4重量%
の化学ニッケルメッキ。 金属層B : 次亜燐酸ソーダを還元剤とし、60℃、
酸性状態で化学ニッケルメッキを行い形成した燐含量が
6〜7重量%の化学ニッケルメッキ。 ゴム強化ポリスチレン:(旭化成ポリスチレン495
旭化成工業( 株) 製、商品名)、ガラス転移温度は10
5℃。 ABS樹脂 : スタイラックABS A4593(旭
化成工業(株)製、商品名)。 光沢度の測定法 : JIS K7105、反射角度
60°。
【0051】
【実施例1】主金型1の型キャビティを形成する入れ子
に断熱層3を最も薄肉部で200μmの厚みに被覆し、
表面をフライス盤で200μmの均一厚みに切削して第
二断熱層とする。この第二断熱層の表面に断熱層1を2
0μm、更にその表面に断熱層2を20μmの均一厚み
に被覆して合計40μmの第一断熱層とする。更に第一
断熱層上に金属層Aを約0.5μmの厚みに被覆し、そ
の表面に金属層Bを20μm被覆し、その表面を研磨し
て鏡面状とし、本発明の断熱層被覆金型とする。この断
熱層被覆金型の断熱層と金属層の接着界面の断面を図7
に示す。この断熱層被覆金型を用いて、ゴム強化ポリス
チレン樹脂を、樹脂温度を240℃、金型温度を30℃
で射出成形する。射出成形品の光沢度は96%で、ウエ
ルドラインの目立ちはなく、良好な成形品を得る。射出
成形を一万回行っても金属層及び/又は断熱層の剥離は
発生はなく、十分な耐久性を有する。
【0052】断熱層と金属層を被覆しない主金型1を同
一条件で射出成形した成形品の光沢度は20%で光沢度
は低く、ウエルドラインの目立ちも大きい成形品にな
る。
【0053】
【実施例2】主金型2の型キャビティを形成する入れ子
に断熱層5を最も薄肉部で400μmの厚みに被覆し、
表面をフライス盤で400μmの均一厚みに切削して第
二断熱層とする。この第二断熱層の表面に断熱層3を2
0μm、更にその表面に断熱層4を20μmの均一厚み
に被覆して合計40μmの第一断熱層とする。更に第一
断熱層上に金属層Aを約0.5μmの厚みに被覆し、そ
の表面に金属層Bを20μm被覆し、その表面を研磨し
て鏡面状とし、本発明の断熱層被覆金型とする。この断
熱層被覆金型を用いて、ABS樹脂を、樹脂温度を22
0℃、金型温度を80℃でブロー成形する。ブロー成形
品の光沢度は80%で良好な成形品を得る。ブロー成形
を一万回行っても金属層及び/又は断熱層の剥離はな
く、十分な耐久性を有する。
【0054】断熱層と金属層を被覆しない主金型2を同
一条件で射出成形した成形品の光沢度は10%で光沢度
は低い成形品になる。
【0055】
【発明の効果】本発明の金型及びその成形法により、耐
久性に優れた金型が得られ、更に型表面再現性に優れた
成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼鉄製の主金型に、加熱された合成樹脂が接触
した時の型表面付近の合成樹脂の温度分布変化(計算
値)を示すグラフ図である。
【図2】鋼鉄製の主金型の型表面に0.1mmのポリイ
ミドを被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した
時の型表面付近の合成樹脂及び耐熱性樹脂の温度分布変
化(計算値)を示すグラフ図である。
【図3】鋼鉄製の主金型の型表面に各種厚みのポリイミ
ドを被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した時
の型表面温度の経時変化(計算値)を示すグラフ図であ
る。
【図4】図1、2、3、5及び6に示す型表面温度変化
に使用した断熱材(PI)及びゴム強化ポリスチレン
(PS)の熱伝導率(λ)と比熱(Cp)値を示すグラ
フ図である。
【図5】鋼鉄製の主金型の型表面に0.2mm厚のポリ
イミドを被覆した金型に、各種の樹脂温度と金型温度で
合成樹脂が接触した時の型表面温度の経時変化(計算
値)を示すグラフ図である。
【図6】鋼鉄製の主金型の型表面に0.3mmのポリイ
ミドを被覆し、更にその表面に厚みを種々変化させたニ
ッケル層を被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触
した時の型表面(樹脂表面と金型表面の界面)温度の経
時変化(計算値)を示すグラフ図である。
【図7】本発明金型の断熱層と金属層の密着界面の断面
を示す模式図である。
【図8】実施例に使用した射出成形品を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 成形品 2 穴 3 ゲート 4 ウエルドライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱された合成樹脂を冷却された金型壁
    面に接触させて成形する金型において、(1) 金属か
    らなる主金型の型壁面に、該型壁面に密着した重合体か
    らなる厚み0.1〜2mmの断熱層があり、更に断熱層
    表面に該断熱層厚みの1/3以下で0.001mm以上
    の金属層が存在する金型であり、(2) 金属層と断熱
    層は微細凹凸界面で密着しており、(3) 断熱層は、
    全断熱層厚みの1/3以下、0.01mm以上で、且つ
    金属層と接する第一断熱層と、全断熱層厚みの1/2以
    上を占める第二断熱層の少なくとも2層の断熱層からな
    り、(4) 第一断熱層は耐熱性と強靭性に優れた直鎖
    型重合体からなり、第二断熱層は第一断熱層に比較して
    軟化温度及び/又は破断伸度が低い直鎖型重合体からな
    る、多層の断熱層で被覆された断熱層被覆金型。
  2. 【請求項2】 第一断熱層は、軟化温度が合成樹脂の成
    形温度以上、破断伸度が5%以上の2条件を満たす直鎖
    型重合体からなり、第二断熱層は、少なくとも上記2条
    件の一方を満たさない直鎖型重合体からなる請求項1記
    載の断熱層被覆金型。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の断熱層被覆金型を
    用いた合成樹脂の成形法。
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