JPH10139996A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH10139996A
JPH10139996A JP29297896A JP29297896A JPH10139996A JP H10139996 A JPH10139996 A JP H10139996A JP 29297896 A JP29297896 A JP 29297896A JP 29297896 A JP29297896 A JP 29297896A JP H10139996 A JPH10139996 A JP H10139996A
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flame
resin composition
group
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carbon atoms
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JP29297896A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Koyama
央 小山
Yoshitaka Oono
良貴 大野
Kazuaki Matsumoto
一昭 松本
Katsutoyo Fujita
克豊 藤田
Yoichi Ohara
洋一 大原
Kazufumi Hirobe
和史 広部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、耐薬品性にすぐれるとともに臭気が
低減された、塩素含有化合物および臭素含有化合物をい
ずれも含有しない難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A)ポリカーボネート樹脂および
(B)触媒にゲルマニウム系化合物を用いて重合した熱
可塑性ポリエステル樹脂を99/1〜20/80の重量
比で含有する樹脂組成物100部(重量部、以下同様)
に対して(C)特定の有機リン系難燃剤1〜30部およ
び(D)少なくとも1種のオレフィン単位および炭素数
1〜10のアルキル基を有する少なくとも1種の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単位を含有する共重合
体0.5〜15部を含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物
を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、耐薬品性
などにすぐれるとともに臭気が低減された、塩素含有化
合物および臭素含有化合物のいずれをも含有しない難燃
性熱可塑性樹脂組成物を製造し、使用する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐
熱性などにすぐれた熱可塑性樹脂として、機械、自動
車、電気・電子機器などの部品などの製造に広く用いら
れている。
【0003】このようなポリカーボネート樹脂の中で
も、芳香族ポリカーボネート樹脂はガラス転移温度が高
く、高い耐熱性が期待される反面、その加工時に充分な
流動性をうるためには、300℃付近の比較的高い加工
温度を必要とする。また、ポリカーボネート樹脂は各種
の有機溶剤、ガソリン、油などに接触したばあい、成形
体表面に亀裂が発生したり溶解するなど、耐溶剤性、耐
ガソリン性、耐油性などに問題がある。
【0004】一方、熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械
的特性、電気的特性、さらには耐溶剤性、耐ガソリン
性、耐油性などにもすぐれ、それ自身の結晶融点以上に
加熱すれば、良好な成形流動性を示し、従来から繊維、
フィルム、成形材料などとして広く用いられている。
【0005】そこで、ポリカーボネート樹脂における前
記のごとき問題を改善するため、たとえば特公昭36−
14035号公報、特公昭39−20434号公報、特
開昭59−176345号公報などでは、熱可塑性ポリ
エステル樹脂を添加する方法が提案されている。
【0006】他方、近年、とくに電気・電子部品の用途
においては、火災に対する安全性を確保するため、使用
する樹脂に対して、UL−94(米国アンダーライター
ズラボラトリー規格)V−0に適合するような高度な難
燃性が要求される例が多く、このため種々の難燃剤が検
討開発されている。
【0007】このような高度な難燃性を樹脂組成物に付
与するばあい、一般的に、難燃剤として塩素含有難燃剤
や臭素含有難燃剤が、必要に応じて三酸化アンチモンな
どの難燃助剤と併用して用いられている。しかしなが
ら、これらの難燃剤の難燃化効果は大きいが、樹脂加工
時に難燃剤の分解によって生成した塩素化合物や臭素化
合物がコンパウンド用押出機のシリンダーや成形用金型
の表面などを腐食させたりする問題がある。このため、
塩素含有難燃剤や臭素含有難燃剤を全く使用しないで難
燃化する方法が検討されている。
【0008】塩素や臭素を含まない難燃剤の1つとして
有機リン系難燃剤があり、その使用が種々検討されてい
る。たとえば、特開平5−179123号公報には、ポ
リカーボネート樹脂とポリカーボネート樹脂以外の樹脂
とからなる樹脂組成物に、有機リン系難燃剤、ホウ素化
合物、ポリオルガノシロキサンおよびフッ素系樹脂を配
合した難燃性樹脂組成物が、また、特開平6−1925
53号公報には、ポリカーボネート樹脂とポリアルキレ
ンテレフタレート樹脂とからなる樹脂組成物に、グラフ
ト共重合体、有機リン系化合物のオリゴマーである有機
リン系難燃剤およびフッ素化ポリオレフィンを添加した
難燃性樹脂組成物がそれぞれ開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようなポリカーボ
ネート樹脂に熱可塑性ポリエステル樹脂などおよび有機
リン系難燃剤を配合した樹脂組成物は、押出成形や射出
成形などの樹脂加工時に有機リン系難燃剤が分解し、そ
の結果生成したフェノール、クレゾール、キシレノール
などの芳香族ヒドロキシ化合物などによって不快な臭気
が発生してしまうという問題がある。臭気は、樹脂加工
時の作業性を低下させるだけでなく、成形品としたのち
も残存するばあいがあるため、すぐれた諸特性を兼ね備
えた成形品がえられるにもかかわらず、商品価値が著し
く低下してしまうという問題がある。
【0010】また、前記の樹脂組成物からの成形品を耐
溶剤性や耐油性などの要求される部品に利用したばあ
い、ある程度の強度は保持するものの、長時間にわたっ
て有機溶剤や油と接触するばあいや熱がかかるばあい、
成形時に歪みが残留したばあいなどには、耐溶剤性や耐
油性などが充分でなく、強度が低下したり、クラックが
発生したりするなどの問題がある。
【0011】前記耐溶剤性や耐油性などを改善する方法
として、特開平3−140359号公報では、ポリカー
ボネート樹脂と熱可塑性ポリエステル樹脂にさらにポリ
オレフィンを添加する方法が提案されている。しかしな
がら、この方法においても、長時間接触したり、加熱さ
れたりしたばあいの耐溶剤性、耐油性は充分ではない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリカー
ボネート樹脂に熱可塑性ポリエステル樹脂および有機リ
ン系難燃剤を添加した難燃性熱可塑性樹脂組成物の臭気
を低減するとともに、耐溶剤性や耐油性を改善するため
に鋭意検討を重ねた結果、前記熱可塑性ポリエステル樹
脂として特定の触媒を用いて重合させた熱可塑性ポリエ
ステル樹脂を使用するとともに、特定のオレフィン単位
と特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位とを
含有する共重合体を特定量添加することにより、臭気が
低減され、耐薬品性(たとえば耐ガソリン性、耐油性、
耐可塑剤性など)などが改善された、塩素含有化合物お
よび臭素含有化合物のいずれも含有しない難燃性熱可塑
性樹脂組成物がえられることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネ
ート樹脂および(B)触媒にゲルマニウム系化合物を用
いて重合させた熱可塑性ポリエステル樹脂からなり、
(A)成分/(B)成分が重量比で99/1〜20/8
0である樹脂組成物(I)100部(重量部、以下同
様)に対して、(C)一般式(I):
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1〜R3はいずれも1価の基であ
り、それぞれ独立して炭素数1〜12の脂肪族基、炭素
数6〜12の芳香族基、炭素数3〜12の脂環式基、R
4は炭素数6〜20の1価の芳香族基、Xは2価の基で
あり、炭素数2〜30の脂肪族基、炭素数6〜30の芳
香族基もしくは炭素数3〜30の脂環式基またはこれら
を組み合わせた基からなる結合基、mはそれぞれ独立し
て0または1、r個のnはそれぞれ独立して0〜5、p
およびqはそれぞれ0〜2で、かつrは1〜3であっ
て、p+q+r=3を満足する)で表わされる有機リン
系難燃剤1〜30部、および(D)少なくとも1種のオ
レフィン単位および炭素数1〜10のアルキル基を有す
る少なくとも1種の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル単位を含有する共重合体0.5〜15部を含有する難
燃性熱可塑性樹脂組成物(請求項1)、請求項1記載の
難燃性熱可塑性樹脂組成物に、さらに、(E)ケイ酸塩
化合物0.1〜100部を添加してなる難燃性熱可塑性
樹脂組成物(請求項2)、請求項1または2記載の難燃
性熱可塑性樹脂組成物に、さらに、(F)フッ素系樹脂
0.01〜5部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組成
物(請求項3)、請求項1、2または3記載の難燃性熱
可塑性樹脂組成物に、さらに、(G)強化充填剤0.5
〜100部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物
(請求項4)、請求項1、2、3または4記載の難燃性
熱可塑性樹脂組成物に、さらに、(H)エポキシ化合物
0.01〜15部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組
成物(請求項5)、前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポ
リアルキレンテレフタレート樹脂である請求項1、2、
3、4または5記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物(請求
項6)、前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレン
テレフタレート樹脂である請求項1、2、3、4または
5記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物(請求項7)、有機
リン系難燃剤(C)が、一般式(II):
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R5〜R16はそれぞれ独立して水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基、4個のR15、
R16は異なっていてもよい、Yは直接結合、炭素数1〜
3のアルキレン基、−S−、−SO2−、−O−、−C
O−または−N=N−である2価の結合基、tは0また
は1を示す)で表わされる縮合リン酸エステル系難燃剤
である請求項1、2、3、4、5、6または7記載の難
燃性熱可塑性樹脂組成物(請求項8)、および前記共重
合体(D)が、少なくとも1種のオレフィン単位および
炭素数1〜10のアルキル基を有する少なくとも1種の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を40/60
〜95/5の重量比で含有し、共重合体のメルトインデ
ックス(MI)が2〜500g/10分(190℃、2
kg荷重、JIS K6730に準拠)である請求項
1、2、3、4、5、6、7または8記載の難燃性熱可
塑性樹脂組成物(請求項9)に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(A)成分で
あるポリカーボネート樹脂(A)は、2価以上の多価フ
ェノール化合物の1種以上と、ホスゲンまたはジフェニ
ルカーボネートのような2価の炭酸エステルの1種以上
とを反応させてえられる熱可塑性ポリカーボネート樹脂
であり、熱可塑性ポリエステル樹脂の耐熱性、耐衝撃性
を改善するために使用される成分である。
【0019】前記2価以上の多価フェノール化合物のう
ちの2価フェノール化合物の具体例としては、ハイドロ
キノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆるビスフ
ェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、4,4′−ジヒドロキシフェニルエーテルなどがあ
げられる。これらのうちでは、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンが耐熱性、機械的性質の点か
ら好ましい。
【0020】前記2価以上の多価フェノール化合物のう
ちの3価以上の多価フェノール化合物の具体例として
は、たとえば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタンなどがあげられる。
【0021】前記多価フェノール化合物は単独で用いて
もよく2種以上を併用してもよい。
【0022】前記2価以上の多価フェノール化合物とし
て2価フェノール化合物とともに3価以上の多価フェノ
ール化合物を使用するばあいには、2価フェノール化合
物/3価以上の多価フェノール化合物の使用割合として
は、モル比で100/1〜4/1であるのが流動性の点
から好ましい。
【0023】また、難燃性を高めるために、リン化合物
を共重合させたまたはリン化合物で末端封止したポリマ
ーを使用してもよく、また、耐候性を高めるために、ベ
ンゾトリアゾール基を有する2価フェノール化合物を共
重合させたポリマーを使用してもよい。
【0024】前記のごときポリカーボネート樹脂(A)
の粘度平均分子量は10000〜50000が好まし
く、さらには15000〜45000、とくには180
00〜35000である。粘度平均分子量が10000
未満のばあい、えられる樹脂組成物の強度や耐熱性など
が低下する傾向にあり、50000をこえると、成形性
が低下する傾向にある。
【0025】前記のごときポリカーボネート樹脂(A)
の具体例としては、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンとホスゲンまたはジフェニルカ
ーボネートとからえられるポリカーボネートなどがあげ
られる。
【0026】本発明では、触媒にゲルマニウム系化合物
を用いて重合させた熱可塑性ポリエステル樹脂(B)
(以下、熱可塑性ポリエステル樹脂(B)と記載するば
あい、触媒にゲルマニウム系化合物を用いて重合させた
ものである)が使用される。熱可塑性ポリエステル樹脂
として、ゲルマニウム系触媒を用いて重合させたものを
用いるため、後述する一般式(I)で表わされる有機リ
ン系難燃剤を用いたばあいにも芳香族ヒドロキシ化合物
による臭気を低減させることができる。
【0027】前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、芳香族
ジカルボン酸またはエステル形成能を有するそれらの誘
導体と2価アルコールまたはエステル形成能を有するそ
れらの誘導体とを重縮合することによりえられる飽和ポ
リエステル樹脂であり、ポリカーボネート樹脂(A)の
流動性、耐薬品性などを改善するために使用される成分
である。
【0028】前記芳香族ジカルボン酸の具体例として
は、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタ
ン、アントラセンジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸などの炭素数8〜22の芳香族ジカルボン酸があ
げられる。これらのうちではテレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸が耐熱性、耐薬品性、耐湿性にすぐれる点
から好ましい。
【0029】前記2価アルコールの具体例としては、た
とえばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタン
ジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペ
ンチルグリコールなどの炭素数2〜15の2価の脂肪族
アルコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘ
キシル)プロパンなどの炭素数6〜20の2価脂環式ア
ルコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ハイドロキノンなどの炭素数6〜40の2価芳
香族アルコールまたは2価フェノール系化合物があげら
れる。これらのうちではエチレングリコール、ブタンジ
オールが耐熱性、耐湿性にすぐれる点から好ましい。
【0030】前記芳香族ジカルボン酸および2価アルコ
ールから製造した熱可塑性ポリエステル樹脂の例として
は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアルキレ
ンナフタレート樹脂、ポリアルキレンイソフタレート樹
脂、ポリアリレート樹脂などがあげられる。これらのう
ちでは、ポリアルキレンテレフタレート樹脂やポリアル
キレンナフタレート樹脂が、加工性、機械的性質、電気
的性質、耐熱性などのバランスにすぐれ、高性能である
という点から好ましい。
【0031】前記ポリアルキレンテレフタレート樹脂の
具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテ
レフタレート樹脂などが、また、ポリアルキレンナフタ
レート樹脂の具体例としては、ポリエチレンナフタレー
ト樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘ
キサンジメチレンナフタレート樹脂などがあげらえる。
これら具体例のなかでもとくに好ましいものとしては、
加工性、耐熱性、耐薬品性のバランスがよりすぐれ、高
性能であるという点から、ポリエチレンテレフタレート
樹脂があげられる。
【0032】前記熱可塑性ポリエステル樹脂には、必要
に応じて好ましくは20%(重量%、以下同様)以下、
さらに好ましくは15%以下、とくに好ましくは10%
以下の割合で、芳香族ジカルボン酸以外の他のカルボン
酸成分、2価アルコール以外の他のアルコール成分、オ
キシ酸成分、さらにはエステル形成能を有するこれらの
誘導体や環状エステルなどの共重合成分を共重合させて
もよい。
【0033】前記共重合成分の例としては、前記他のカ
ルボン酸成分である、炭素数4〜12の脂肪族カルボン
酸、炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、トリ以上の芳
香族ポリカルボン酸、エステル形成能をもつこれらの誘
導体などがあげられる。その具体例としては、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マ
レイン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂環式ジカルボン酸、トリメシン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸などの芳香族トリまたはテト
ラカルボン酸、エステル形成能を有する前記カルボン酸
誘導体などがあげられる。また、前記他のアルコール成
分の例としては、炭素数3〜15のトリ以上の脂肪族ポ
リアルコール、炭素数6〜20のトリ以上の脂環式ポリ
アルコール、炭素数6〜40のトリ以上の芳香族ポリア
ルコールまたはポリフェノール系化合物、エステル形成
能をもつこれらの誘導体などがあげられる。その具体例
としては、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの脂
肪族トリまたはテトラアルコール、エステル形成能をも
つこれらの誘導体などがあげられる。また、前記オキシ
酸成分の具体例としては、p−オキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシエトキシ安息香酸などのオキシ酸、エステル形
成能をもつこれらの誘導体があげられ、前記環状エステ
ルの具体例としては、ε−カプロラクトンなどがあげら
れる。
【0034】前記熱可塑性ポリエステル樹脂には、成形
性、耐衝撃性、えられる成形品の表面性などを改良する
目的で、数平均分子量100〜10000、さらには5
00〜5000のポリオキシアルキレングリコールを一
部共重合させてもよい。前記ポリオキシアルキレングリ
コールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、およびこれらのランダムまたはブロック共重合体お
よび一般式(III):
【0035】
【化5】
【0036】(式中、R17は炭素数2〜5のアルキレン
基、Zは直接結合または炭素数1〜3のアルキレン基、
−S−、−SO2−、−O−、−CO−もしくは−N=
N−である2価の結合基、aおよびbはそれぞれ1以上
の整数で、かつa+bは3以上、好ましくは4〜20の
整数、(a+b)個のR17はそれぞれ異なっていてもよ
い)で示されるビスフェノール化合物のアルキレングリ
コール付加物などの変性ポリオキシアルキレングリコー
ルなどがあげられる。これらの中では、共重合時の熱安
定性が良好で、本発明の樹脂組成物からえられる成形品
の耐熱性が低下しにくいなどの理由から、ビスフェノー
ルAのポリエチレングリコール付加物が好ましい。
【0037】前記ポリアルキレングリコールを共重合さ
せる割合としては、熱可塑性ポリエステル樹脂中に0.
1〜20%、さらには0.1〜10%になるようにする
のが耐熱性、耐薬品性、機械的強度、難燃性の点から好
ましい。
【0038】前記重合反応触媒として用いられるゲルマ
ニウム系化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどのゲ
ルマニウム酸化物、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲ
ルマニウムテトライソプロポキシドなどのゲルマニウム
アルコキシド、水酸化ゲルマニウムおよびそのアルカリ
金属塩、ゲルマニウムグリコラート、塩化ゲルマニウ
ム、酢酸ゲルマニウムなどがあげられる。これらは単独
で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中
では二酸化ゲルマニウムが重合における反応性にすぐ
れ、かつ副生成物が少ない点から好ましい。
【0039】重合触媒として用いられるゲルマニウム系
化合物の添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂に対して
0.005〜0.1%が好ましく、0.01〜0.05
%がさらに好ましい。0.005%未満では重合反応の
進行が遅く、0.1%をこえると反応後に樹脂中に残存
するゲルマニウム系化合物によって副反応が生じやすく
なる傾向がある。また、添加時期は重合反応開始前の任
意の時点でよい。
【0040】熱可塑性ポリエステル樹脂(B)の製造方
法は、公知の重合方法、たとえば溶融重縮合法、固相重
縮合法、溶液重合法などによってうることができる。
【0041】重合時に樹脂の色調を改良するため、リン
酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸モノメチル、リン酸
ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸メチルジエチル、
リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸ト
リブチル、リン酸トリフェニルなどの化合物を添加して
もよい。さらに、えられた熱可塑性ポリエステル樹脂
(B)の結晶化度を高めるために、重合時に一般に知ら
れている有機または無機の各種結晶核剤(たとえばタル
クなど)の1種以上を加えてもよい。
【0042】熱可塑性ポリエステル樹脂(B)の固有粘
度(フェノール/テトラクロロエタンが重量比で1/1
の混合溶媒中、25℃で測定)は0.4〜1.2dl/
gであるのが好ましく、とくに0.5〜1.0dl/g
であるのが好ましい。前記固有粘度が0.4dl/g未
満では機械的強度や耐衝撃性が低下する傾向があり、
1.2dl/gをこえると流動性が低下する傾向があ
る。
【0043】前記のごときゲルマニウム系化合物を用い
て重合させた熱可塑性ポリエステル樹脂(B)は単独で
用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0044】ポリカーボネート樹脂(A)と熱可塑性ポ
リエステル樹脂(B)との混合比は、重量比で99/1
〜20/80、好ましくは97/3〜25/75、さら
に好ましくは95/5〜30/70である。(A)成分
/(B)成分の重量比が、20/80未満のばあい、え
られる成形品の難燃性が低下するとともにバリが多く発
生する。一方、99/1をこえると、耐薬品性(たとえ
ば耐ガソリン性、耐油性、耐可塑剤性)や成形性が低下
する。
【0045】本発明で用いられる有機リン系難燃剤
(C)は、一般式(I):
【0046】
【化6】
【0047】(式中、R1〜R3はいずれも1個の基であ
り、それぞれ独立に炭素数1〜12の脂肪族基、炭素数
6〜12の芳香族基、炭素数3〜12の脂環式基、R4
は炭素数6〜20の1価の芳香族基、Xは2価の基であ
り、炭素数2〜30の脂肪族基、炭素数6〜30の芳香
族基もしくは炭素数3〜30の脂環式基またはこれらを
組み合わせた基(たとえば脂肪族基で置換された芳香族
基など)からなる結合基、mはそれぞれ独立して0また
は1、r個のnはそれぞれ独立して0〜5、pおよびq
はそれぞれ0〜2で、かつrは1〜3であって、p+q
+r=3を満足する)で表わされる、1分子中における
少なくとも1つのリン原子上の置換基のうち少なくとも
1つが芳香族アルコキシ基で置換された化合物であり、
塩素原子、臭素原子を含まない熱安定性、耐湿性が良好
な難燃剤として使用される成分である。
【0048】一般式(I)中のR1〜R3は、それぞれ独
立に炭素数1〜12の1価の脂肪族基(たとえばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシ
ル基など)、炭素数6〜12の1価の芳香族基(たとえ
ばフェニル基、クレジル基、ジメチルフェニル基、ナフ
チル基など)、炭素数3〜12の1価の脂環式基(たと
えばシクロヘキシル基、シクロペンテル基、シクロドデ
カン基など)であり、R1〜R3がこれらのばあい、樹脂
中での分散性がよい点から好ましい。これらのうちでは
R1、R2、R3がともに炭素数6〜12の1価の芳香族
基、具体的にはフェニル基、クレジル基、ジメチルフェ
ニル基、ナフチル基であるのが、より一層熱安定性にす
ぐれる点から好ましい。
【0049】また、一般式(I)中のR4は、フェニル
基、クレジル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、エ
チルフェニル基、プロピルフェニル基などの炭素数6〜
20の1価の芳香族基であるが、このばあい、熱安定性
の点から好ましい。これらの中でもクレジル基、ジメチ
ルフェニル基、ナフチル基であるのが、より一層熱安定
性、耐湿性にすぐれる点から好ましい。
【0050】さらに、一般式(I)中のXは、炭素数2
〜30の2価の脂肪族基(たとえばエチレン基、プロピ
レン基、i−プロピレン基、ブチレン基、1,1−ジメ
チルメチレン基など)、炭素数6〜30の2価の芳香族
基(たとえばフェニレン基、メチルフェニレン基、ビフ
ェニレン基など)、炭素数3〜30の2価の脂環式基
(たとえばシクロヘキシレン基、シクロドデシレン基、
シクロペンチレン基など)、前記2価の脂肪族基、芳香
族基、脂環式基が組み合わさった2価の基(たとえば2
価のビスフェノールA基)であるが、これらのばあい、
耐熱性が向上する。これらの中でもフェニレン基、2価
のビスフェノールA基であるのが、合成が、容易であ
り、熱安定性、耐湿性が良好である点から好ましい。
【0051】一般式(I)中の(p+q+n×r)個の
mはそれぞれ独立しており、0または1であるが、とく
に1のばあい、樹脂中での分散性がよりよくなる。
【0052】また、一般式(I)中のnは、0〜5であ
るが、このばあい、樹脂中での分散性がよくなり、とく
にnが1〜3のばあいが好ましい。
【0053】さらに、一般式(I)中のpおよびqはそ
れぞれ0〜2で、かつrは1〜3であって、p+q+r
=3を満足する値であるが、このため、一般式:
【0054】
【化7】
【0055】で表わされる基が少なくとも1つは存在
し、樹脂中での分散性がよくなる。
【0056】前記のごとき一般式(I)で表わされる有
機リン系難燃剤(C)のうち好ましいものとしては、た
とえば一般式:
【0057】
【化8】
【0058】で表わされるものがあげられる。
【0059】前記有機リン系難燃剤(C)の具体例とし
ては、芳香族アルコキシ基を有するホスフェート、ホス
ホネート、ホスフィネートおよびこれらの縮合物があげ
られる。これらの化合物の中でも、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(B)に対する相溶性がよく、かつ難燃性にすぐ
れる点から、芳香族アルコキシ基を有するホスフェート
およびそれらの縮合物が好ましく、さらにホスフェート
自体の熱安定性が良好である点から、リン原子上の全て
の置換基が芳香族アルコキシ基で置換されたホスフェー
トおよびその縮合物が好ましい。
【0060】前記リン原子上の全ての置換基が芳香族ア
ルコキシ基で置換されたホスフェートの具体例としては
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、ジクレジルフェニルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、ジキシ
リルフェニルホスフェート、キシリルジフェニルホスフ
ェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、
トリビフェニルホスフェート、トリナフチルホスフェー
トおよびこれらの縮合物、さらには一般式(II):
【0061】
【化9】
【0062】(式中、R5〜R16はそれぞれ独立して水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基など)、4個のR15、R
16はそれぞれ異なっていてもよい、Yは直接結合、炭素
数1〜3のアルキレン基(メチレン基、エチレン基、
1,1−ジメチルメチレン基、プロピレン基など)、−
S−、−SO2−、−O−、−CO−または−N=N−
である2価の結合基、tは0または1を示す)で表わさ
れる縮合リン酸エステルなどがあげられる。
【0063】前記有機リン系難燃剤(C)の中でも、成
形加工時にそれ自体が低揮発性で、かつ熱安定性が良好
で、しかも樹脂組成物(I)の熱安定性、物性を損いに
くい点から、一般式(II)で表わされる縮合リン酸エス
テルが好ましい。
【0064】一般式(II)中、R5〜R9のうち少なくと
も1つが炭素数1〜4のアルキル基および(または)R
10〜R14のうち少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキ
ル基であるばあいには、より一層熱安定性がすぐれる点
から好ましい。また、このばあい、分子量が大きくなる
ため、より一層揮発性が低くなるという点からも好まし
い。
【0065】前記縮合リン酸エステルの具体例として
は、たとえばレゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフ
ェート、メチルレゾルシノールビス(ジフェニル)ホス
フェート、ハイドロキノンビス(ジフェニル)ホスフェ
ート、ビフェノールビス(ジフェニル)ホスフェート、
ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビ
スフェノールSビス(ジフェニル)ホスフェート、式
(IV):
【0066】
【化10】
【0067】で表わされるレゾルシノールビス(ジ−
2,6−キシリル)ホスフェート、メチルレゾルシノー
ルビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、式
(V):
【0068】
【化11】
【0069】で表わされるハイドロキノンビス(ジ−
2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールビス
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノー
ルAビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビス
フェノールSビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェー
ト、レゾルシノールビス(ジクレジル)ホスフェート、
メチルレゾルシノールビス(ジクレジル)ホスフェー
ト、ハイドロキノンビス(ジクレジル)ホスフェート、
ビスフェノールビス(ジクレジル)ホスフェート、式
(VI):
【0070】
【化12】
【0071】で表わされるビスフェノールAビス(ジク
レジル)ホスフェート、ビスフェノールSビス(ジクレ
ジル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジ−2,
4,6−トリメチルフェニル)ホスフェート、メチルレ
ゾルシノールビス(ジ−2,4,6−トリメチルフェニ
ル)ホスフェート、ハイドロキノンビス(ジ−2,4,
6−トリメチルフェニル)ホスフェート、ビスフェノー
ルビス(ジ−2,4,6−フェニル)ホスフェート、ビ
スフェノールAビス(ジ−2,4,6−トリメチルフェ
ニル)ホスフェート、ビスフェノールSビス(ジ−2,
4,6−トリメチルフェニル)ホスフェート、およびこ
れらの縮合物があげられる。これらの中でも、レゾルシ
ノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ハ
イドロキノンビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェー
トおよびビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェ
ートが、熱安定性にすぐれ、かつ揮発性が低い点から好
ましい。
【0072】これら有機リン系難燃剤(C)は単独で用
いてもよく2種以上併用してもよい。
【0073】有機リン系難燃剤(C)の添加量は樹脂組
成物(I)100部に対して1〜30部であり、好まし
くは1.5〜27部であり、さらに好ましくは2〜25
部である。添加量が1部未満であると、難燃性が低下
し、30部をこえると、耐薬品性が低下したり、成形品
のバリが発生しやすくなったり、臭気が著しくなったり
する。
【0074】本発明で用いられる共重合体(D)は、少
なくとも1種のオレフィン単位および炭素数1〜10の
アルキル基を有する少なくとも1種の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル単位を含有する共重合体であり、主
として耐薬品性を改良する目的で用いられ、さらに、リ
ブ強度を向上させる目的でケイ酸塩化合物を配合した樹
脂組成物において、より一層大きなリブ強度向上効果を
うるために使用される成分である。
【0075】共重合体(D)を構成するオレフィン単位
は、共重合体(D)に耐薬品性改良効果を付与するため
のものであり、その具体例としては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテンをラジカル重合させた
ときに生成する単位などがあげられる。これらのオレフ
ィン基は1種で共重合体(D)に含まれていてもよく2
種以上含まれていてもよい。前記オレフィン基のうちで
はエチレン基が耐薬品性の改良の点から好ましい。
【0076】また、共重合体(D)を構成する炭素数1
〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル単位は、共重合体(D)を樹脂中に良分散さ
せるためのものであり、そのアルキル基は、炭素数1〜
10であり、炭素数1〜8、さらには炭素数1〜6であ
るのが好ましい。アルキル基の炭素数が10をこえる
と、他の成分との相溶性が低下し、樹脂組成物中で分散
不良となり、耐薬品性改善の効果が小さくなるため好ま
しくない。
【0077】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
単位の具体例としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメ
タクリレートなどからの単位があげられる。これらは単
独で共重合体(D)に含まれていてもよく2種以上含ま
れていてもよい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル単位のうちでは、メチルアクリレート単位、エチル
アクリレート単位が樹脂中での分散性をよくする点から
好ましい。
【0078】共重合体(D)中における、少なくとも1
種のオレフィン単位および炭素数1〜10のアルキル基
を有する少なくとも1種の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル単位の比率は、重量比で好ましくは40/60
〜95/5、さらに好ましくは45/55〜90/1
0、とくに好ましくは50/50〜85/15である。
オレフィン単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル
単位の比率が95/5より大きいと耐薬品性の改良効果
が小さくなり、40/60より小さいと溶融時(たとえ
ば成形加工時)の熱安定性が低下する傾向にある。
【0079】共重合体(D)のメルトインデックス(M
I)値は、190℃、2kg荷重条件(JIS K 6
730に準拠)において、2〜500g/10分が好ま
しく、さらには4〜400g/10分、とくには5〜3
00g/10分である。MI値が2g/10分未満で
は、樹脂組成物中で分散不良がおこりやすく、耐薬品性
改善の効果が小さくなる傾向にある。また、500g/
10分をこえると溶融時(成形加工時)の熱安定性が低
下する傾向にある。
【0080】共重合体(D)は、単独で用いてもよく、
共重合成分、MI値の異なるものを2種以上組み合わせ
て用いてもよい。
【0081】共重合体(D)は、1種以上のオレフィン
と1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
を、ラジカル重合開始剤の存在下にラジカル重合するこ
とによりえられるが、重合方法はこの方法に限られるも
のではなく、一般的に知られている公知の種々の重合方
法を用いて重合させることができる。共重合体(D)
は、ランダム共重合法、ブロック共重合法、グラフト共
重合法などの任意の共重合法で製造すればよい。
【0082】前記のごとき共重合体(D)の具体例とし
ては、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合
体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体な
どがあげられる。
【0083】共重合体(D)の添加量は、ポリカーボネ
ート樹脂(A)および熱可塑性ポリエステル樹脂(好ま
しくはポリエチレンテレフタレート樹脂)(B)からな
る樹脂組成物(I)100部に対して0.5〜15部、
好ましくは0.7〜12部、さらに好ましくは1.05
〜10部である。添加量が0.5部未満のばあい、耐薬
品性の改良の効果が小さく、また、15部をこえると、
難燃性の低下が見られるため好ましくない。
【0084】前記のごとき(A)〜(D)成分からなる
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物(II)には、ケイ酸
塩化合物(E)をさらに含有させることにより、リブ強
度を向上させた難燃性熱可塑性樹脂組成物(III)をう
ることができる。このとき、共重合体(D)と併用する
ことになるため、併用しないばあいよりもリブ強度が一
層向上し、成形加工性の向上をもはかることができる。
【0085】前記ケイ酸塩化合物(E)は、化学組成に
してSiO2単位を含む粉体状、粒状、針状、板状など
の形状を有する化合物であって、たとえば、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、タ
ルク、マイカ、ワラストナイト、カオリン、ケイ藻土、
スメクタイトなどがあげられる。天然であっても合成さ
れたものであってもよく、また、焼成物であっても未焼
成物であってもよく、さらに、水和物であっても無水和
物であってもよい。これらのケイ酸塩化合物(E)のな
かでもタルク、マイカ、カオリン、スメクタイトが樹脂
組成物の熱安定性をよくする点から好ましく、マイカが
とくに好ましい。
【0086】前記ケイ酸塩化合物(E)の好ましい平均
径(顕微鏡写真を画像処理することにより求められる円
に換算したばあいの粒径)としては、0.05〜40μ
m、さらには0.1〜35μm、とくには0.3〜30
μmである。平均径が0.05μm未満ではリブ強度向
上効果が充分でなく、40μmをこえると、リブ強度、
とくに靭性が低下する傾向がある。
【0087】さらにケイ酸塩化合物(E)はシラン系カ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤などの表面
処理剤で処理されていてもよい。前記シラン系カップリ
ング剤としては、たとえばエポキシ系シランカップリン
グ剤、アミノ系シランカップリング剤、ビニル系シラン
カップリング剤などがあげられ、チタネート系カップリ
ング剤としては、たとえばモノアルコキシ型、キレート
型、コーディネート型などのものがあげられる。
【0088】ケイ酸塩化合物を表面処理剤で処理する方
法にはとくに限定はなく、通常の方法で実施しうる。た
とえば、層状ケイ酸塩化合物に前記表面処理剤を添加
し、溶液中であるいは加熱しながら撹拌あるいは混合す
ることで行なうことができる。
【0089】ケイ酸塩化合物(E)の添加量は、樹脂組
成物(I)100部に対して、100部以下であり、好
ましくは60部以下であり、さらに好ましくは40部以
下である。下限は添加の効果がえられる0.1部、さら
には0.5部である。添加量が100部をこえると、押
出加工性や成形加工性やリブ強度、とくに靭性が低下す
るために好ましくない。
【0090】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物(I
I)、(III)に、さらに難燃性を向上させるためにフッ
素系樹脂(F)を添加しうる。難燃性熱可塑性樹脂組成
物(II)、(III)にフッ素系樹脂(F)を添加したも
のを難燃性熱可塑性樹脂組成物(IIF)、(IIIF)と
いう。
【0091】フッ素系樹脂(F)とは、フッ素系樹脂
(F)を構成する単量体単位中にフッ素原子を30%以
上、さらには40%以上含有する樹脂であり、具体例と
しては、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオロエ
チレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体などがあげられる。また、えられる
成形品の難燃性などの物性を損わない範囲で、必要に応
じて該フッ素系樹脂の製造に用いる単量体と共重合可能
な単量体とを共重合させてえられる重合体であってもよ
い。前記共重合体の製造に使用するフッ素原子を含有す
る単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合割合と
しては、通常、重量比で50/50〜95/5である。
これらのフッ素系樹脂は1種で用いてもよく2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0092】フッ素系樹脂(F)の分子量は、100万
〜2000万が好ましく、さらに好ましくは200万〜
1000万である。
【0093】フッ素系樹脂(F)は、乳化重合法、懸濁
重合法、塊状重合法、溶液重合法などの通常公知の方法
により製造することができる。
【0094】フッ素系樹脂(F)の添加量は、樹脂組成
物(I)100部に対して、0.01〜5部、好ましく
は0.05〜4部、さらに好ましくは0.1〜3.5部
である。添加量が0.01部未満のばあい、難燃性を向
上させる効果が小さく、一方、5部をこえると成形性な
どが低下する。
【0095】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物(I
I)、(III)、(IIF)、(IIIF)には、機械的性
質、耐熱性などを向上させるために強化充填剤(G)を
さらに添加しうる。
【0096】強化充填剤(G)の具体例としては、たと
えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガ
ラスビーズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウムなどがあげられる。これらのな
かでも、ガラス繊維、カーボン繊維などの繊維状強化剤
が補強効果の点から好ましく、作業性の面から、集束剤
で処理したチョップドストランドガラス繊維を用いるの
が好ましい。また、樹脂と繊維状強化剤との密着性を高
めるため、繊維状強化剤の表面をカップリング剤で処理
したものが好ましく、バインダーを用いたものであって
もよい。
【0097】前記カップリング剤としては、たとえばγ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン
化合物が、またバインダーとしては、たとえばエポキシ
樹脂、ウレタン樹脂などが好ましく用いられるが、これ
らに限定されるものではない。これらは1種で用いても
よく2種以上併用してもよい。
【0098】強化充填剤(G)の使用量は樹脂組成物
(I)100部に対して、0.5〜100部であり、好
ましくは1〜70部、さらに好ましくは2〜50部であ
る。強化充填剤の添加量が0.5部未満では、機械的性
質や耐熱性向上効果が小さく、100部をこえると押出
加工性、成形加工性が低下する。
【0099】前記強化充填剤にガラス繊維を用いるばあ
い、直径1〜20μm、長さ0.01〜50mm程度が
好ましい。繊維長が短すぎると強化の効果が充分でな
く、逆に、長すぎると、成形品の表面性や押出加工性、
成形加工性がわるくなる傾向にある。
【0100】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物(I
I)、(III)、(IIF)、(IIIF)、さらに前記4種
の組成物にそれぞれ強化充填剤を加えた組成物には、耐
薬品性および溶融時(たとえば、成形加工時)の熱安定
性をさらに向上させ、かつ着色を防止されるために、エ
ポキシ化合物(H)を添加してもよい。
【0101】エポキシ化合物(H)は、分子内に少なく
とも1つのエポキシ基を有する、分子内にハロゲン原子
を含有しない化合物であり、具体例としては、N−グリ
シジルフタルイミド、N−グリシジルテトラヒドロフタ
ルイミド、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフ
ェニルグリシジルエーテル、ネオヘキセンオキシド、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ化合物、
ビスフェノールS型エポキシ化合物、レゾルシノール型
エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合
物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ア
ジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジ
ルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルアクリレート、エチレン
−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリ
シジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体などがあげ
られる。これらエポキシ化合物は1種で用いてもよく2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは
ビスフェノールA型エポキシ化合物が、より着色性改善
効果にすぐれる点から好ましい。
【0102】エポキシ化合物(H)の添加量は、樹脂組
成物(I)100部に対し、0.01〜15部が好まし
く、0.05〜10部がさらに好ましく、0.1〜5部
がとくに好ましい。添加量が0.01部未満のばあいに
は、熱安定性の改善効果が小さく、15部をこえると、
難燃性、耐薬品性が低下する。
【0103】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物には、
本発明の目的を損わない範囲でさらに他の任意の熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂、たとえばポリオレフィン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフ
ェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系
樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポ
リアリレート系樹脂、ゴム状弾性体などを単独あるいは
2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0104】また、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
をより高性能にするため、フェノール系酸化防止剤、チ
オエーテル系酸化防止剤などの酸化防止剤、リン系安定
剤などの熱安定剤などを単独または2種以上組み合わせ
て使用してもよい。さらに必要に応じて、通常よく知ら
れている他の安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、リン系以
外の難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔
料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化
剤、抗菌剤などの添加剤を加えてもよい。
【0105】本発明の組成物の製造方法にはとくに限定
はない。たとえば前記成分および他の添加剤、樹脂など
を乾燥後、単軸、2軸などの押出機のような溶融混練機
で溶融混練する方法などにより製造することができる。
また、配合剤が液体であるばあいには、液体供給ポンプ
などを用いて2軸押出機に途中添加して製造することも
できる。
【0106】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の成形
加工法にはとくに限定はなく、熱可塑性樹脂組成物の一
般的な成形法、たとえば射出成形法、ブロー成形法、押
出成形法、真空成形法、プレス成形法、カレンダー成形
法などの方法で成形することができる。
【0107】本発明の組成物として、(A)成分〜
(D)成分からなる請求項1記載の組成物を使用するば
あいには、臭気が低減されるとともに、えられる成形品
の難燃性、耐薬品性にすぐれる。
【0108】請求項1記載の組成物に、(E)成分を加
えた請求項2記載の組成物を使用するばあいには、臭気
が低減されるとともに、えられる成形品の難燃性、耐薬
品性、リブ強度にすぐれる。
【0109】請求項1記載の組成物に、(F)成分を加
えた請求項3記載の組成物を使用するばあいには、臭気
が低減されるとともに、えられる成形品が高度な難燃性
を有し、かつ耐薬品性にすぐれる。
【0110】請求項1記載の組成物に、(G)成分を加
えた請求項4記載の組成物を使用するばあいには、臭気
が低減されるとともに、えられる成形品が難燃性、耐薬
品性、機械的性質、耐熱性にすぐれる。
【0111】請求項1記載の組成物に、(H)成分を加
えた請求項5記載の組成物を使用するばあいには、臭気
が低減されるとともに、えられる成形品が難燃性、耐薬
品性、熱安定性にすぐれる。
【0112】請求項1記載の組成物に、(E)成分およ
び(F)成分を加えた請求項3記載の組成物を使用する
ばあいには、臭気が低減されるとともに、えられる成形
品が高度な難燃性を有するとともに、耐薬品性、リブ強
度にすぐれる。
【0113】請求項1記載の組成物に、(E)成分、
(F)成分および(G)成分を加えた請求項4記載の組
成物を使用するばあいには、臭気が低減されるととも
に、えられる成形品が高度な難燃性を有し、かつ耐薬品
性、機械的性質、耐熱性、リブ強度にすぐれる。
【0114】請求項1記載の組成物に、(E)成分、
(F)成分および(H)成分を加えた請求項5記載の組
成物を使用するばあいには、臭気が低減されるととも
に、えられる成形品が高度な難燃性を有し、かつ耐薬品
性、熱安定性、リブ強度にすぐれる。
【0115】請求項1記載の組成物に、(F)成分、
(G)成分および(H)成分を加えた請求項5記載の組
成物を使用するばあいには、臭気が低減されるととも
に、えられる成形品が高度な難燃性を有し、耐薬品性、
熱安定性、機械的性質、耐熱性にすぐれる。
【0116】請求項1記載の組成物に、(E)成分、
(F)成分、(G)成分および(H)成分を加えた請求
項5記載の組成物に対するばあいには、臭気が低減され
るとともに、成形品が高度な難燃性を有し、かつ耐薬品
性、熱安定性、機械的性質、耐熱性、リブ強度にすぐれ
る。
【0117】
【実施例】つぎに本発明の組成物を実施例をあげて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0118】なお、実施例および比較例で使用した主な
原材料を以下にまとめて示す。
【0119】ポリカーボネート樹脂(A) PC(A−1):粘度平均分子量約22000のビス
フェノールA型ポリカーボネート樹脂 PC(A−2):粘度平均分子量約28800のビス
フェノールA型ポリカーボネート樹脂 熱可塑性ポリエステル樹脂 PET(B−1):二酸化ゲルマニウムを触媒(樹脂
に対して0.03%使用)として重合させた固有粘度
0.75dl/gのポリエチレンテレフタレート PET(B−2):二酸化ゲルマニウムを触媒(樹脂
に対して0.03%使用)として重合させた固有粘度が
0.61dl/gのポリエチレンテレフタレート PTE(b−3):三酸化アンチモンを触媒(樹脂に
対して0.03%使用)として重合させた固有粘度0.
75dl/gのポリエチレンテレフタレート 有機リン系難燃剤(C) 有機リン系難燃剤(C−1):ビスフェノールAビス
(ジクレジル)ホスフェート 有機リン系難燃剤(C−2):レゾルシノールビス
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート 有機リン系難燃剤(C−3):ハイドロキノンビス
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート 有機リン系難燃剤(C−4):レゾルシノールビス
(ジフェニル)ホスフェート 有機リン系難燃剤(C−5):トリ−2,6−キシリ
ルホスフェート 共重合体(D) 共重合体(D−1):EVAFLEX−EEA A7
09(三井デュポンポリケミカル(株)製、エチルアク
リレート含有量35%、MI値25g/10分のエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体) 共重合体(D−2):EVAFLEX−EEA A7
13(三井デュポンポリケミカル(株)製、エチルアク
リレート含有量25%、MI値20g/10分のエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体) 共重合体(D−3):EVAFLEX−EEA A7
04(三井デュポンポリケミカル(株)製、エチルアク
リレート含有量25%、MI値275g/10分のエチ
レン−エチルアクリレート共重合体) 共重合体(D−4):EVAFLEX−EEA A7
07(三井デュポンポリケミカル(株)製、エチルアク
リレート含有量17%、MI値25g/10分のエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体) ケイ酸塩化合物(E) マイカ(E−1):A−21S(山口雲母(株)製、
平均径8μm) マイカ(E−2):A−41S(山口雲母(株)製、
平均径30μm) タルク(E−3):ミクロエースK−1(日本タルク
(株)製、平均径3.2μm) カオリン(E−4):SATINTON No.5
(エンゲルハード(ENGELHARD)社製、平均径
0.8μm) フッ素系樹脂(F) PTFE(F−1):分子量約500万のポリテトラ
フルオロエチレン強化充填剤(G) GF(G−1):T−195H/PS(日本電気硝子
(株)製のガラス繊維、繊維径11μm、繊維長3m
m) エポキシ化合物(H) エポキシ化合物(H−1):p−t−ブチルフェニル
グリシジルエーテル エポキシ化合物(H−2):エピコート828(油化
シェルエポキシ(株)製、エポキシ当量約200) エポキシ化合物(H−3):アデカスタブEP−22
(旭電化工業(株)製、エポキシ当量約200) エポキシ化合物(H−4):YDCN−704P(東
部化成(株)製、エポキシ当量約210)。
【0120】また、実施例および比較例における樹脂組
成物の評価は下記の方法で行なった。
【0121】(試料の作製)ペレットを110℃で7時
間乾燥後、75t射出成形機を用い、シリンダー温度2
70℃、金型温度70℃で厚さ1/32インチ、1/1
6インチ、1/8インチ、1/4インチのバー(幅12
mm、長さ127mm)を作製した。
【0122】(難燃性)UL−94 V規格にしたがっ
て1/16インチバーの難燃性を評価した。
【0123】(ドリッピング性)UL−94 V規格に
したがい、1/32インチバーの燃焼試験を行ない、ド
リッピングの有無を評価した。
【0124】(耐ガソリン性)1/8インチバーに1.
2%曲げ歪みを与え、ガソリン(日本石油(株)製のレ
ギュラーガソリン)をバーの中心部分に塗布したのち、
23℃で36時間放置し、表面外観変化を目視観察し、
下記基準で評価した。
【0125】 ○:外観変化無し △:3.5mm未満のクラック発生有り ×:3.5mm以上のクラック発生有り
【0126】(耐油性(サラダ油))1/8インチバー
に1.2%曲げ歪みを与え、サラダ油をバーの中心部分
に塗布したのち、85℃に保たれたオーブン中で60時
間処理し、表面外観変化を目視観察し、下記基準で評価
した。
【0127】 ○:外観変化無し △:3.5mm未満のクラック発生有り ×:3.5mm以上のクラック発生有り
【0128】(耐可塑剤性(ジオクチルフタレート))
1/8インチバーに1%曲げ歪みを与え、ジオクチルフ
タレート(試薬)をバーの中心部分に塗布したのち、8
5℃に保たれたオーブン中で20時間処理し、表面外観
変化を目視観察し、下記基準で評価した。
【0129】 ○:外観変化無し △:3.5mm未満のクラック発生有り ×:3.5mm以上のクラック発生有り
【0130】(バリ)1/8インチバーのバリ長の最大
値を工場顕微鏡を用いて測定し、下記基準にしたがって
評価した。
【0131】 ○:バリ長が0.2mm未満 ×:バリ長が0.2mm以上
【0132】(耐熱性)1/4インチバーを用い、AS
TM D−648にしたがって荷重1.82MPaで荷
重たわみ温度の測定を行ない、耐熱性を評価した。
【0133】(機械的性質)1/8インチバーを用い、
ASTM D−638にしたがて、引張強度を測定し
た。
【0134】(臭気)えられたペレットを110℃で7
時間乾燥後、75t射出成形機を用い、シリンダー温度
280℃、金型温度70℃で120mm×120mm×
2mmの板状の成形体を成形し、えられた成形品の臭気
を調べ、下記基準にしたがって評価した。
【0135】 ◎:全く臭気がない ○:ほとんど臭気がない ×:若干臭気がある ××:臭気がある
【0136】(加熱滞留時臭気)えられたペレットを1
10℃で7時間乾燥後、75t射出成形機を用い、シリ
ンダー温度280℃で10分間滞留させたのち、金型温
度70℃で120mm×120mm×2mmの板状の成
形体を成形し、成形品の臭気を調べ、下記基準にしたが
って評価した。
【0137】 ◎:全く臭気がない ○:ほとんど臭気がない ×:若干臭気がある ××:臭気がある
【0138】(熱安定性)えられたペレットを110℃
で7時間乾燥後、75t射出成形機を用い、シリンダー
温度280℃で10分間滞留させたのち、金型温度70
℃で120mm×120mm×2mmの板状の成形体を
成形し、成形品の表面外観を目視観察し、下記基準にし
たがって評価した。
【0139】 ◎:外観良好 ○:若干黄色に変色 △:黄色に変色有り、フラッシュ、シルバー、ガスによ
る表面性不良などの外観不良有り ×:黄色に変色大、フラッシュ、シルバー、ガスによる
表面性不良などの外観不良大
【0140】(リブ強度およびリブ破壊部評価)えられ
たペレットを110℃で7時間乾燥後、75t射出成形
機を用い、シリンダー温度285℃、金型温度75℃で
図1記載の成形体1をえて以下の評価を行なった。
【0141】図1記載の矢印の方向からプッシュプルゲ
ージを50mm/分の速度でリブ部分を押し続け、破断
するまでの最大ゲージ値(応力値)を測定することによ
り、リブ強度を評価した。
【0142】リブ強度測定後の破壊部を目視観察し、以
下の基準でリブ破壊部の評価を行った。
【0143】 ○:延性破壊している △:一部分延性破壊している ×:脆性破壊している リブ強度は応力値が高く、リブ破壊部評価では延性破壊
(評価:○)となるほど好ましい。
【0144】実施例1 充分乾燥させたPC(A−1)90部、充分乾燥させた
PET(B−1)10部、共重合体(D−1)6部、ア
デカスタブAO−60(旭電化工業(株)製、酸化防止
剤)1部を予めドライブレンドしたのち、シリンダー温
度を250〜270℃に設定したベント付2軸押出機
(日本製鋼所(株)製のTEX44、以下同様)のホッ
パーに提供するとともに、有機リン系難燃剤(C−1)
7部を同押出機の液体添加ポンプより途中添加して溶融
押出し、ペレット化した。
【0145】えられたペレットを用いて評価した。結果
を表1に示す。
【0146】実施例2〜6 表1に記載の成分を表1に記載の量使用した以外は実施
例1と同様にして樹脂組成物をえ、評価した。結果を表
1に示す。
【0147】比較例1〜8 表2に記載の成分を表2に記載の量使用した以外は実施
例1と同様にして樹脂組成物をえ、評価した。結果を表
2に示す。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】実施例に関する表1と比較例に関する表2
との比較から、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は難
燃性、耐薬品性などにすぐれているとともに、臭気が低
減されていることがわかる。
【0151】実施例7 PC(A−1)90部、PET(B−1)10部、共重
合体(D−1)5部、アデカスタブAO−60 1部を
予めドライブレンドしたのち、シリンダー温度を250
〜270℃に設定したベント付2軸押出機のホッパーに
供給するとともに、有機リン系難燃剤(C−1)6部を
同押出機の液体添加ポンプより、さらにマイカ(E−
1)16部を同押出機のサイドフィーダーより、それぞ
れ途中添加して溶融押出し、ペレット化した。えられた
ペレットを用いて評価した結果を表3に示す。
【0152】実施例8〜10 表3に記載の成分を表3に記載の量使用した以外は実施
例7と同様にして樹脂組成物をえ、評価した。結果を表
3に示す。
【0153】比較例9〜10 表3に記載の成分を表3に記載の量使用した以外は実施
例7と同様にして樹脂組成物をえ、評価した。結果を表
3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】実施例7〜10と実施例2、比較例9〜1
0との比較から、共重合体(D)とともにケイ酸塩化合
物(E)を併用することにより、リブ強度およびリブ破
壊部評価が向上することがわかる。
【0156】実施例11 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、PTFE(F−1)1部、アデカ
スタブAO−60 1部を予めドライブレンドしたの
ち、シリンダー温度を250〜270℃に設定したベン
ト付2軸押出機のホッパーに供給するとともに、有機リ
ン系難燃剤(C−1)9部を同押出機の液体添加ポンプ
より途中添加して溶融押出し、ペレット化した。えられ
たペレットを用いて評価した結果を表4に示す。
【0157】比較例11 PTFE(F−1)の使用量を表4に記載の量に変更し
た以外は、実施例11と同様にして樹脂組成物をえ、評
価した。結果を表4に示す。
【0158】
【表4】
【0159】実施例11と実施例2との比較から、フッ
素系樹脂(F)を添加することにより、さらに耐ドリッ
ピング性が向上することがわかる。
【0160】実施例12 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、PTFE(F−1)1部、アデカ
スタブAO−60 1部を予めドライブレンドしたの
ち、シリンダー温度を250〜270℃に設定したベン
ト付2軸押出機のホッパーに供給するとともに、有機リ
ン系難燃剤(C−2)9部を同押出機の液体添加ポンプ
より、さらにマイカ(E−2)16部を同押出機のサイ
ドーフィーダーより、それぞれ途中添加して溶融押出
し、ペレット化した。えられたペレットを用いて評価し
た結果を表5に示す。
【0161】
【表5】
【0162】実施例12と実施例8との比較から、リブ
強度を向上させる目的で共重合体(D)とともにケイ酸
塩化合物(E)を併用した樹脂組成物においても、フッ
素系樹脂(F)を添加することにより、さらに耐ドリッ
ピング性が向上することがわかる。
【0163】実施例13〜14 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、アデカスタブAO−60 1部を
予めドライブレンドしたのち、シリンダー温度を250
〜270℃に設定したベント付2軸押出機のホッパーに
供給するとともに、有機リン系難燃剤(C−1)9部を
同押出機の液体添加ポンプより、さらに表6に記載の量
のGF(G−1)を同押出機のサイドフィーダーより、
それぞれ途中添加して溶融押出し、ペレット化した。え
られたペレットを用いて評価した結果を表6に示す。
【0164】比較例12 GF(G−1)の使用量を表6に記載の量にした以外
は、実施例13と同様にして樹脂組成物をえ、評価し
た。結果を表6に示す。
【0165】
【表6】
【0166】実施例13〜14と実施例2との比較か
ら、強化充填剤(G)を添加することにより、耐熱性お
よび機械的性質がさらに向上することがわかる。
【0167】実施例15 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、アデカスタブAO−60 1部を
予めドライブレンドしたのち、シリンダー温度を250
〜270℃に設定したベント付2軸押出機のホッパーに
供給するとともに、有機リン系難燃剤(C−2)9部を
同押出機の液体添加ポンプより、さらにマイカ(E−
2)16部およびGF(G−1)10部を同押出機のサ
イドフィーダーより、それぞれ途中添加して溶融押出
し、ペレット化した。えられたペレットを用いて評価し
た結果を表7に示す。
【0168】
【表7】
【0169】実施例15と実施例8との比較から、リブ
強度を向上させる目的で共重合体(D)とともにケイ酸
塩化合物(E)を併用した樹脂組成物においても、強化
充填剤(G)を添加することにより、耐熱性および機械
的性質がさらに向上することがわかる。
【0170】実施例16 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、エポキシ化合物(H−1)0.4
部、アデカスタブAO−60 1部を予めドライブレン
ドしたのち、シリンダー温度を250〜270℃に設定
したベント付2軸押出機のホッパーに供給するととも
に、有機リン系難燃剤(C−1)9部を同押出機の液体
添加ポンプより途中添加してペレット化した。えられた
ペレットを用いて評価した結果を表8に示す。
【0171】実施例17〜20 表8に記載の成分を表8に記載の量使用した以外は実施
例16と同様にして樹脂組成物をえ、評価した。結果を
表8に示す。
【0172】
【表8】
【0173】実施例16〜20と実施例2との比較か
ら、エポキシ化合物(H)を添加することにより、さら
に熱安定性が向上することがわかる。
【0174】実施例21 PC(A−1)85部、PET(B−1)15部、共重
合体(D−1)6部、エポキシ化合物(H−1)0.4
部、アデカスタブAO−60 1部を予めドライブレン
ドしたのち、シリンダー温度を250〜270℃に設定
したベント付2軸押出機のホッパーに供給するととも
に、有機リン系難燃剤(C−2)9部を同押出機の液体
添加ポンプより、さらにマイカ(E−2)16部を同押
出機のサイドフィーダーより、それぞれ途中添加して溶
融押出し、ペレット化した。えられたペレットを用いて
評価した。結果を表9に示す。
【0175】実施例22〜24 表9に記載の成分を表9に記載の量用いた他は、実施例
21と同様にしてペレット化し、評価した。結果を表9
に示す。
【0176】
【表9】
【0177】実施例21〜24と実施例8との比較か
ら、リブ強度を向上させる目的で共重合体(D)ととも
にケイ酸塩化合物(E)を併用した樹脂組成物において
も、エポキシ化合物(H)を添加することにより熱安定
性が向上することがわかる。
【0178】
【発明の効果】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、
難燃性、耐薬品性にすぐれるとともに臭気が低減されて
おり、かつ塩素含有化合物および臭素含有化合物のいず
れも含有してない。したがって、本発明の難燃性熱可塑
性樹脂組成物は、電気、電子部品などの成形材料として
好適に使用することができるため、工業的にきわめて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リブ強度測定用成形体の説明図である。
【符号の説明】
1 成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27:12) (C08L 67/02 33:08 27:12) (72)発明者 大原 洋一 大阪府摂津市鳥飼和道2−6−8−103 (72)発明者 広部 和史 大阪市北区本庄西3丁目2−25−307

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂および
    (B)触媒にゲルマニウム系化合物を用いて重合させた
    熱可塑性ポリエステル樹脂からなり、(A)成分/
    (B)成分が重量比で99/1〜20/80である樹脂
    組成物(I)100重量部に対して、(C)一般式
    (I): 【化1】 (式中、R1〜R3はいずれも1価の基であり、それぞれ
    独立して炭素数1〜12の脂肪族基、炭素数6〜12の
    芳香族基、炭素数3〜12の脂環式基、R4は炭素数6
    〜20の1価の芳香族基、Xは2価の基であり、炭素数
    2〜30の脂肪族基、炭素数6〜30の芳香族基もしく
    は炭素数3〜30の脂環式基またはこれらを組み合わせ
    た基からなる結合基、mはそれぞれ独立して0または
    1、r個のnはそれぞれ独立して0〜5、pおよびqは
    それぞれ0〜2で、かつrは1〜3であって、p+q+
    r=3を満足する)で表わされる有機リン系難燃剤1〜
    30重量部、および(D)少なくとも1種のオレフィン
    単位および炭素数1〜10のアルキル基を有する少なく
    とも1種の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を
    含有する共重合体0.5〜15重量部を含有する難燃性
    熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物に、さらに、(E)ケイ酸塩化合物0.1〜100重
    量部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の難燃性熱可塑性
    樹脂組成物に、さらに、(F)フッ素系樹脂0.01〜
    5重量部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の難燃性熱可
    塑性樹脂組成物に、さらに、(G)強化充填剤0.5〜
    100重量部を添加してなる難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の難燃性
    熱可塑性樹脂組成物に、さらに、(H)エポキシ化合物
    0.01〜15重量部を添加してなる難燃性熱可塑性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリア
    ルキレンテレフタレート樹脂である請求項1、2、3、
    4または5記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエ
    チレンテレフタレート樹脂である請求項1、2、3、4
    または5記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 有機リン系難燃剤(C)が、一般式(I
    I): 【化2】 (式中、R5〜R16はそれぞれ独立して水素原子または
    炭素数1〜4のアルキル基、4個のR15、R16は異なっ
    ていてもよい、Yは直接結合、炭素数1〜3のアルキレ
    ン基、−S−、−SO2−、−O−、−CO−または−
    N=N−である2価の結合基、tは0または1を示す)
    で表わされる縮合リン酸エステル系難燃剤である請求項
    1、2、3、4、5、6または7記載の難燃性熱可塑性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記共重合体(D)が、少なくとも1種
    のオレフィン単位および炭素数1〜10のアルキル基を
    有する少なくとも1種の(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル単位を40/60〜95/5の重量比で含有し、
    共重合体のメルトインデックス(MI)が2〜500g
    /10分(190℃、2kg荷重、JIS K6730
    に準拠)である請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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JP2021532222A (ja) * 2018-08-09 2021-11-25 コベストロ・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・アンド・コー・カーゲー ミネラル充填ポリカーボネート−ポリアルキレンテレフタレート組成物、成形コンパウンド及び良好な衝撃靭性をもつ成形体

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