JPH1014264A - 振動型駆動装置およびこれを備えた装置 - Google Patents
振動型駆動装置およびこれを備えた装置Info
- Publication number
- JPH1014264A JPH1014264A JP8164880A JP16488096A JPH1014264A JP H1014264 A JPH1014264 A JP H1014264A JP 8164880 A JP8164880 A JP 8164880A JP 16488096 A JP16488096 A JP 16488096A JP H1014264 A JPH1014264 A JP H1014264A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- driving device
- type driving
- vibration
- fluororesin
- composite resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 振動型駆動装置の摺接面の材質により、連続
運転中のワウフラッタ値の変動幅が大きくなったり、摺
接面の合金膜に傷が付いたり、複合樹脂層から発生する
摩耗粉が多くなったりする。 【解決手段】 振動が励起される振動体2と、この振動
体に接触する接触体7とを相対的に摩擦駆動する振動型
駆動装置において、振動体および接触体のうち一方の摺
接面に、三元合金の無電解ニッケル膜を設け、他方の摺
接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材(さらには必要に
応じて潤滑剤)を含有させた複合樹脂層6を設ける。
運転中のワウフラッタ値の変動幅が大きくなったり、摺
接面の合金膜に傷が付いたり、複合樹脂層から発生する
摩耗粉が多くなったりする。 【解決手段】 振動が励起される振動体2と、この振動
体に接触する接触体7とを相対的に摩擦駆動する振動型
駆動装置において、振動体および接触体のうち一方の摺
接面に、三元合金の無電解ニッケル膜を設け、他方の摺
接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材(さらには必要に
応じて潤滑剤)を含有させた複合樹脂層6を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動型駆動装置に
関し、さらに詳しくは、振動型駆動装置の構成部材であ
る振動体と接触体の摺接面の材料に関するものである。
関し、さらに詳しくは、振動型駆動装置の構成部材であ
る振動体と接触体の摺接面の材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動波モータ等と称される振動型駆動装
置は、振動体とこれに加圧接触する接触体との間の摩擦
を利用して、振動体の高周波振動の振動エネルギーを接
触体(移動体)の連続的な機械運動エネルギーに変換さ
せる形式の動力発生源である。このため、両者の摺接面
は耐摩耗性の高い材質で構成されていることが必要であ
る。
置は、振動体とこれに加圧接触する接触体との間の摩擦
を利用して、振動体の高周波振動の振動エネルギーを接
触体(移動体)の連続的な機械運動エネルギーに変換さ
せる形式の動力発生源である。このため、両者の摺接面
は耐摩耗性の高い材質で構成されていることが必要であ
る。
【0003】従来の振動型駆動装置において、振動体の
摺接面には、平均粒径0.5〜3μmの炭化ケイ素(S
iC)を体積比で8〜20%均一に分散させた無電解ニ
ッケル合金膜(Ni−P)を20〜30μmの厚さで形
成し、これを100〜400℃で加熱硬化させて900
〜1400のビッカース硬さ(Hv)を得ていた。
摺接面には、平均粒径0.5〜3μmの炭化ケイ素(S
iC)を体積比で8〜20%均一に分散させた無電解ニ
ッケル合金膜(Ni−P)を20〜30μmの厚さで形
成し、これを100〜400℃で加熱硬化させて900
〜1400のビッカース硬さ(Hv)を得ていた。
【0004】また、移動体の摺接面には、耐熱性の熱可
塑性樹脂又は液晶性の全芳香族ポリエステル樹脂等のベ
ース樹脂に、強化材として炭素ビーズを重量比で10〜
40%充填し、さらに必要に応じて潤滑剤であるフッ素
樹脂(PTFE)を重量比で5%程度充填した複合樹脂
の層を設けていた。
塑性樹脂又は液晶性の全芳香族ポリエステル樹脂等のベ
ース樹脂に、強化材として炭素ビーズを重量比で10〜
40%充填し、さらに必要に応じて潤滑剤であるフッ素
樹脂(PTFE)を重量比で5%程度充填した複合樹脂
の層を設けていた。
【0005】このように振動体の摺接面に合金膜を形成
し、移動体の摺接面に複合樹脂層を形成したのは、両面
間の摩擦係数が比較的大きく、大きな駆動出力が期待で
き、且つ振動体の摺接面の摩耗がほとんどなく、移動体
の摺接面の複合樹脂層の摩耗も極力小さくすることが可
能とされたからである。
し、移動体の摺接面に複合樹脂層を形成したのは、両面
間の摩擦係数が比較的大きく、大きな駆動出力が期待で
き、且つ振動体の摺接面の摩耗がほとんどなく、移動体
の摺接面の複合樹脂層の摩耗も極力小さくすることが可
能とされたからである。
【0006】また、複合樹脂層のベース樹脂には耐熱性
の熱可塑性樹脂が使用されるが、これは材料物性の温度
依存性が比較的小さく、駆動時の温度上昇に対しても樹
脂材の軟化に起因するトルクダウンの現象が発生せず、
駆動性能および精度を安定させることができるからであ
る。
の熱可塑性樹脂が使用されるが、これは材料物性の温度
依存性が比較的小さく、駆動時の温度上昇に対しても樹
脂材の軟化に起因するトルクダウンの現象が発生せず、
駆動性能および精度を安定させることができるからであ
る。
【0007】さらに、複合樹脂層に潤滑剤であるフッ素
樹脂(PTFE)を充填するのは、フッ素樹脂が潤滑
性、非粘着性および撥水性等の特性を有しているので、
振動体の摺接面(合金膜上)にフッ素樹脂の移着膜を形
成させることにより、両摺接面間の潤滑性を向上させ、
摩擦係数の安定化や複合樹脂層の摩耗減少を図るためで
ある。
樹脂(PTFE)を充填するのは、フッ素樹脂が潤滑
性、非粘着性および撥水性等の特性を有しているので、
振動体の摺接面(合金膜上)にフッ素樹脂の移着膜を形
成させることにより、両摺接面間の潤滑性を向上させ、
摩擦係数の安定化や複合樹脂層の摩耗減少を図るためで
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の振動型駆動装置において、例えば、強化材
としてカーボンビーズを重量比で30%充填し、さらに
潤滑剤としてフッ素樹脂(PTFE)を5%充填したポ
リエーテルニトリル(PEN)を複合樹脂層に採用する
と、連続運転中のワウフラッタ値の変動幅がやや大きく
なる傾向があるだけでなく、合金膜に傷が付いたり複合
樹脂層から発生する摩耗粉が多かったりするという問題
が生じた。
ような従来の振動型駆動装置において、例えば、強化材
としてカーボンビーズを重量比で30%充填し、さらに
潤滑剤としてフッ素樹脂(PTFE)を5%充填したポ
リエーテルニトリル(PEN)を複合樹脂層に採用する
と、連続運転中のワウフラッタ値の変動幅がやや大きく
なる傾向があるだけでなく、合金膜に傷が付いたり複合
樹脂層から発生する摩耗粉が多かったりするという問題
が生じた。
【0009】また、フッ素樹脂を充填せず、カーボンビ
ーズのみを重量比で30%充填したポリエーテルニトリ
ルを複合樹脂層として採用すると、連続運転中のワウフ
ラッタ値が低下し、合金膜の一部に複合樹脂が付着する
という問題が生じた。
ーズのみを重量比で30%充填したポリエーテルニトリ
ルを複合樹脂層として採用すると、連続運転中のワウフ
ラッタ値が低下し、合金膜の一部に複合樹脂が付着する
という問題が生じた。
【0010】そこで、本願発明の第1の目的は、摺接面
の摩耗が少なく、高精度且つ高寿命の振動型駆動装置を
提供することである。
の摩耗が少なく、高精度且つ高寿命の振動型駆動装置を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本願第1の発明では、振動が励起される振動体と、
この振動体に接触する接触体とを相対的に摩擦駆動する
振動型駆動装置において、振動体および接触体のうち一
方の摺接面に、三元合金(例えば、ニッケル(Ni)−
リン(P)−ホウ素(B)合金)の無電解ニッケル膜を
設け、他方の摺接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材を
含有させた複合樹脂層を設けている。
め、本願第1の発明では、振動が励起される振動体と、
この振動体に接触する接触体とを相対的に摩擦駆動する
振動型駆動装置において、振動体および接触体のうち一
方の摺接面に、三元合金(例えば、ニッケル(Ni)−
リン(P)−ホウ素(B)合金)の無電解ニッケル膜を
設け、他方の摺接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材を
含有させた複合樹脂層を設けている。
【0012】すなわち、一方の摺接面に、より硬質な炭
化ケイ素の粒子を含有しない合金膜を形成することによ
り、他方の摺接面の複合樹脂層からの摩耗粉の発生を抑
えるようにしている。
化ケイ素の粒子を含有しない合金膜を形成することによ
り、他方の摺接面の複合樹脂層からの摩耗粉の発生を抑
えるようにしている。
【0013】なお、無電解ニッケル膜として、Ni−P
−B以外に、Ni−P−CoおよびNi−P−W等のN
i−P系合金膜や、Ni−B−CoおよびNi−B−W
等のNi−B系合金膜を用いても良く、これらの無電解
ニッケル膜を、100〜400℃で加熱硬化処理して、
硬質かつ安定した合金膜とするのが望ましい。
−B以外に、Ni−P−CoおよびNi−P−W等のN
i−P系合金膜や、Ni−B−CoおよびNi−B−W
等のNi−B系合金膜を用いても良く、これらの無電解
ニッケル膜を、100〜400℃で加熱硬化処理して、
硬質かつ安定した合金膜とするのが望ましい。
【0014】また、複合樹脂層としては、ポリエーテル
ニトリル(PEN)、ポーリエーテルエーテルケトン
(PEEK)もしくは液晶性の全芳香族ポリエステル
(LCP)等の熱可塑性樹脂、又は四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)等のフッ素樹脂をベース樹脂とし、これ
に炭素繊維、粒状若しくは球状の炭素ビーズ又は炭素繊
維と炭素ビーズの混合物等の強化剤を含有させたものを
用いたり、フッ素樹脂とポリオキシベンゾイル(PO
B)又はポリイミド(PI)とからなる樹脂組成物に上
記強化材を含有させたものを用いたりするのが望まし
い。
ニトリル(PEN)、ポーリエーテルエーテルケトン
(PEEK)もしくは液晶性の全芳香族ポリエステル
(LCP)等の熱可塑性樹脂、又は四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)等のフッ素樹脂をベース樹脂とし、これ
に炭素繊維、粒状若しくは球状の炭素ビーズ又は炭素繊
維と炭素ビーズの混合物等の強化剤を含有させたものを
用いたり、フッ素樹脂とポリオキシベンゾイル(PO
B)又はポリイミド(PI)とからなる樹脂組成物に上
記強化材を含有させたものを用いたりするのが望まし
い。
【0015】ここで、フッ素樹脂をベース樹脂として用
いれば、駆動装置の運転初期に、合金膜にフッ素樹脂の
均一なフィルム状の膜を形成させて潤滑性を向上させる
ことができ、複合樹脂層からの摩耗粉の発生および摩耗
粉の複合樹脂層への堆積を回避して、駆動装置の長寿命
化および回転精度の向上を図ることが可能となる。
いれば、駆動装置の運転初期に、合金膜にフッ素樹脂の
均一なフィルム状の膜を形成させて潤滑性を向上させる
ことができ、複合樹脂層からの摩耗粉の発生および摩耗
粉の複合樹脂層への堆積を回避して、駆動装置の長寿命
化および回転精度の向上を図ることが可能となる。
【0016】また、強化材として炭素繊維を用いれば、
耐熱性、潤滑性および耐摩耗性に優れた複合樹脂層を形
成することが可能となる。また、強化材として、炭素繊
維に比べて分散性、流動性に優れ、配向性の少ない炭素
ビーズ(例えば、平均粒径が10〜30μmのもの)を
用いれば、均質で強化材の含有量が多く、しかも成形加
工のし易い複合樹脂層の形成が可能であるだけでなく、
素材と焼成温度とにより、硬質の炭素化カーボンを含有
する複合樹脂装置から軟質の黒鉛化カーボンを含有する
複合樹脂層まで幅広い選択が可能となる。
耐熱性、潤滑性および耐摩耗性に優れた複合樹脂層を形
成することが可能となる。また、強化材として、炭素繊
維に比べて分散性、流動性に優れ、配向性の少ない炭素
ビーズ(例えば、平均粒径が10〜30μmのもの)を
用いれば、均質で強化材の含有量が多く、しかも成形加
工のし易い複合樹脂層の形成が可能であるだけでなく、
素材と焼成温度とにより、硬質の炭素化カーボンを含有
する複合樹脂装置から軟質の黒鉛化カーボンを含有する
複合樹脂層まで幅広い選択が可能となる。
【0017】さらに、これらの複合樹脂層に、フッ素樹
脂又はフッ素樹脂とグラファイト粉末の混合物等の潤滑
剤を含有させてもよい。なお、フッ素樹脂に比べて硬質
である熱可塑性樹脂を用いて複合樹脂層を形成する場合
に、グラファイト粉末を潤滑剤として含有させて硬さを
低減させるのが望ましい。
脂又はフッ素樹脂とグラファイト粉末の混合物等の潤滑
剤を含有させてもよい。なお、フッ素樹脂に比べて硬質
である熱可塑性樹脂を用いて複合樹脂層を形成する場合
に、グラファイト粉末を潤滑剤として含有させて硬さを
低減させるのが望ましい。
【0018】また、本願第2の発明では、振動が励起さ
れる振動体と、この振動体に接触する接触体とを相対的
に摩擦駆動する振動型駆動装置において、振動体および
接触体のうち一方の摺接面に、フッ素樹脂を重量比で
1.5〜8.5%共析したニッケル−リン合金又はニッ
ケル−ホウ素合金等の無電解ニッケル膜を設け、他方の
摺接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材を含有させた複
合樹脂層を設けている。すなわち、一方の摺接面に、硬
質な炭化ケイ素の粒子に代えて潤滑性に優れたフッ素樹
脂を共析させることにより、駆動装置の運転初期の段階
から摩擦係数を安定させ、また他方の摺接面の複合樹脂
層からの摩耗粉の発生を抑えるようにしている。しか
も、複合樹脂層にフッ素樹脂が含有されていなくても合
金膜にフッ素樹脂膜が形成されるようにして、駆動装置
の長寿命化および回転精度の向上を図っている。
れる振動体と、この振動体に接触する接触体とを相対的
に摩擦駆動する振動型駆動装置において、振動体および
接触体のうち一方の摺接面に、フッ素樹脂を重量比で
1.5〜8.5%共析したニッケル−リン合金又はニッ
ケル−ホウ素合金等の無電解ニッケル膜を設け、他方の
摺接面に、樹脂又は樹脂組成物に強化材を含有させた複
合樹脂層を設けている。すなわち、一方の摺接面に、硬
質な炭化ケイ素の粒子に代えて潤滑性に優れたフッ素樹
脂を共析させることにより、駆動装置の運転初期の段階
から摩擦係数を安定させ、また他方の摺接面の複合樹脂
層からの摩耗粉の発生を抑えるようにしている。しか
も、複合樹脂層にフッ素樹脂が含有されていなくても合
金膜にフッ素樹脂膜が形成されるようにして、駆動装置
の長寿命化および回転精度の向上を図っている。
【0019】なお、上記第1の発明と同様に、無電解ニ
ッケル膜を、100〜400℃で加熱硬化処理するのが
望ましい。
ッケル膜を、100〜400℃で加熱硬化処理するのが
望ましい。
【0020】また、複合樹脂層としても、第1の発明と
同様に、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポーリエー
テルエーテルケトン(PEEK)又は液晶性の芳香族ポ
リエステル(LCP)等の熱可塑性樹脂、又は四フッ化
エチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂をベース樹脂
とし、これに炭素繊維、粒状若しくは球状の炭素ビーズ
又は炭素繊維と炭素ビーズの混合物等の強化剤を含有さ
せたものを用いたり、フッ素樹脂とポリオキシベンゾイ
ル(POB)又はポリイミド(PI)とからなる樹脂組
成物に上記強化材を含有させたものを用いたりするのが
望ましい。
同様に、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポーリエー
テルエーテルケトン(PEEK)又は液晶性の芳香族ポ
リエステル(LCP)等の熱可塑性樹脂、又は四フッ化
エチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂をベース樹脂
とし、これに炭素繊維、粒状若しくは球状の炭素ビーズ
又は炭素繊維と炭素ビーズの混合物等の強化剤を含有さ
せたものを用いたり、フッ素樹脂とポリオキシベンゾイ
ル(POB)又はポリイミド(PI)とからなる樹脂組
成物に上記強化材を含有させたものを用いたりするのが
望ましい。
【0021】さらに、これらの複合樹脂層に、フッ素樹
脂又はフッ素樹脂とグラファイト粉末の混合物等の潤滑
剤を含有させ、潤滑性を向上させるようにしてもよい。
脂又はフッ素樹脂とグラファイト粉末の混合物等の潤滑
剤を含有させ、潤滑性を向上させるようにしてもよい。
【0022】
(第1実施形態)図1には、本発明の第1実施形態であ
る振動波モータ(振動型駆動装置)の全体構成を示して
おり、図2には、この振動波モータを構成する振動体と
移動体(接触体)を拡大して示している。
る振動波モータ(振動型駆動装置)の全体構成を示して
おり、図2には、この振動波モータを構成する振動体と
移動体(接触体)を拡大して示している。
【0023】これらの図において、1は薄い円環形状の
圧電素子である。2は弾性材料により作られた振動体で
あり、この振動体2の摺接面側には、λ/2あたり4個
の突起(くし歯)が等間隔で全周にわたって形成されて
いる。そして、各くし歯の表面(摺接面)には、後述す
る合金膜が形成されている。また、振動体2の摺接面と
反対側の面には圧電素子1の電極面全面が固着されてお
り、両者でステータを構成している。
圧電素子である。2は弾性材料により作られた振動体で
あり、この振動体2の摺接面側には、λ/2あたり4個
の突起(くし歯)が等間隔で全周にわたって形成されて
いる。そして、各くし歯の表面(摺接面)には、後述す
る合金膜が形成されている。また、振動体2の摺接面と
反対側の面には圧電素子1の電極面全面が固着されてお
り、両者でステータを構成している。
【0024】3はこの振動波モータの筐体であり、この
筐体3には、振動体2がビス4によって同心的に固定さ
れている。また、筐体3の中心部には、第1ボール軸受
11の外輪が固着されている。10は回転軸であり、こ
の回転軸10の軸方向中間部には中間部材15が、例え
ば焼ばめ等の方法により固着されている。回転軸10の
一端は、第1ボール軸受11の内輪に軸方向に摺動可能
に支持され、他端は第2ボール軸受12の内輪に軸方向
に摺動可能に支持されている。なお、第2ボール軸受1
2の外輪は、筐体3にネジ9により固定された筐体カバ
ー8の中心軸に固着されている。
筐体3には、振動体2がビス4によって同心的に固定さ
れている。また、筐体3の中心部には、第1ボール軸受
11の外輪が固着されている。10は回転軸であり、こ
の回転軸10の軸方向中間部には中間部材15が、例え
ば焼ばめ等の方法により固着されている。回転軸10の
一端は、第1ボール軸受11の内輪に軸方向に摺動可能
に支持され、他端は第2ボール軸受12の内輪に軸方向
に摺動可能に支持されている。なお、第2ボール軸受1
2の外輪は、筐体3にネジ9により固定された筐体カバ
ー8の中心軸に固着されている。
【0025】中間部材15の外周部には、環状の移動体
7が同心的に嵌合して設けられている。この移動体7
は、アルミ合金等から環状に作られた支持体5と、この
支持体5の表面に接着剤により同心的に固着された複合
樹脂層6とから構成されている。支持体5の裏面と中間
部材15のフランジ部との間には、ゴム製の弾性シート
材17が介在しており、中間部材15と第2ボール軸受
12の内輪との間に設けられた圧縮ばね部材14が発生
する軸方向付勢力がこの弾性シート部材17を介して支
持体5に軸方向に作用する構成となっている。この軸方
向付勢力により、移動体7の摺接面(複合樹脂層6の表
面)は、振動体2の摺接面に圧接される。なお、圧縮ば
ね部材14が発生する軸方向付勢力(つまりは移動体7
と振動体2との圧接力)は、第2ボール軸受12の内輪
と圧縮ばね部材14との間に設けられた不図示のスペー
サ部材によって調整することができる。
7が同心的に嵌合して設けられている。この移動体7
は、アルミ合金等から環状に作られた支持体5と、この
支持体5の表面に接着剤により同心的に固着された複合
樹脂層6とから構成されている。支持体5の裏面と中間
部材15のフランジ部との間には、ゴム製の弾性シート
材17が介在しており、中間部材15と第2ボール軸受
12の内輪との間に設けられた圧縮ばね部材14が発生
する軸方向付勢力がこの弾性シート部材17を介して支
持体5に軸方向に作用する構成となっている。この軸方
向付勢力により、移動体7の摺接面(複合樹脂層6の表
面)は、振動体2の摺接面に圧接される。なお、圧縮ば
ね部材14が発生する軸方向付勢力(つまりは移動体7
と振動体2との圧接力)は、第2ボール軸受12の内輪
と圧縮ばね部材14との間に設けられた不図示のスペー
サ部材によって調整することができる。
【0026】このように構成された振動波モータに対す
る要求特性を表1に示す。
る要求特性を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】また、上記振動波モータの主設計仕様を表
2に示す。
2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】また、従来の振動波モータの振動体および
本実施形態の振動波モータの振動体2の合金膜の構成
と、300℃で加熱硬化処理したときのビッカース硬さ
(Hv)および摩擦係数とを表3に示す。
本実施形態の振動波モータの振動体2の合金膜の構成
と、300℃で加熱硬化処理したときのビッカース硬さ
(Hv)および摩擦係数とを表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】従来の振動波モータでは、表2および表3
に示すように、所定の寸法に加工したステンレス鋼の摺
接面に、平均粒径が1μm程度の炭化ケイ素(SiC)
を体積比で12%共折したNi−P−SiC合金膜を無
電解メッキ法で厚さ25μmに形成し、この合金膜を加
熱硬化してビッカース硬さを1,100程度にして振動
体を製作した。
に示すように、所定の寸法に加工したステンレス鋼の摺
接面に、平均粒径が1μm程度の炭化ケイ素(SiC)
を体積比で12%共折したNi−P−SiC合金膜を無
電解メッキ法で厚さ25μmに形成し、この合金膜を加
熱硬化してビッカース硬さを1,100程度にして振動
体を製作した。
【0033】これに対し、本実施形態の振動波モータの
振動体では、炭素ケイ素を共折しない無電解ニッケル膜
を形成している。例えば、表3中の実施例1に示すよう
に、三元合金の無電解ニッケル膜であるNi−P−B合
金膜を厚さ25μm程度に形成し、この合金膜を加熱硬
化してビッカース硬さを1,000程度にして振動体を
製作している。
振動体では、炭素ケイ素を共折しない無電解ニッケル膜
を形成している。例えば、表3中の実施例1に示すよう
に、三元合金の無電解ニッケル膜であるNi−P−B合
金膜を厚さ25μm程度に形成し、この合金膜を加熱硬
化してビッカース硬さを1,000程度にして振動体を
製作している。
【0034】ここで、Ni−P−B合金膜は、リン
(P)が1〜2wt%、ホウ素(B)が1wt%以下
と、組成的には純ニッケルに近く、一般の無電解ニッケ
ルに比べてリン(P)の含有量が少ないため、靱性およ
び皮膜強度の面で優れており、摩擦係数も無電解ニッケ
ル膜(Ni−P)より小さい0.17程度である。
(P)が1〜2wt%、ホウ素(B)が1wt%以下
と、組成的には純ニッケルに近く、一般の無電解ニッケ
ルに比べてリン(P)の含有量が少ないため、靱性およ
び皮膜強度の面で優れており、摩擦係数も無電解ニッケ
ル膜(Ni−P)より小さい0.17程度である。
【0035】また、本実施形態の振動波モータでは、実
施例2および実施例3に示すように、平均粒径が1μm
以下のフッ素樹脂(PTFE)をそれぞれ重量比で2.
5%又は7.5%共折した二元合金の無電解ニッケル膜
(Ni−P)を厚さ25μm程度に形成し、この合金膜
を加熱硬化してビッカース硬さを800又は450程度
にして振動体を製作している。これらの実施例の振動体
では、摩擦係数はNi−P−B膜よりさらに小さく、実
施例2で0.11、実施例3で0.08程度である。
施例2および実施例3に示すように、平均粒径が1μm
以下のフッ素樹脂(PTFE)をそれぞれ重量比で2.
5%又は7.5%共折した二元合金の無電解ニッケル膜
(Ni−P)を厚さ25μm程度に形成し、この合金膜
を加熱硬化してビッカース硬さを800又は450程度
にして振動体を製作している。これらの実施例の振動体
では、摩擦係数はNi−P−B膜よりさらに小さく、実
施例2で0.11、実施例3で0.08程度である。
【0036】なお、従来例および実施例1〜3の各合金
膜は、平面度が2μm以下、面粗さが中心線平均粗さ
(Ra)で0.02μm以下になるようにラッピング加
工されている。
膜は、平面度が2μm以下、面粗さが中心線平均粗さ
(Ra)で0.02μm以下になるようにラッピング加
工されている。
【0037】次に、本実施形態の振動波モータの移動体
7に設けられる複合樹脂層の構成を表4に示す。
7に設けられる複合樹脂層の構成を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】本実施形態では、ベース樹脂としてPE
N、PEEK、LCP、LCP又はPTFEを用
い、これに強化材としての炭素繊維(CF)又は炭素ビ
ーズ(CB),や潤滑剤としてのフッ素樹脂又はグ
ラファイト粉末を充填して所定の寸法の複合樹脂を製作
し、これをエポキシ系の接着剤を用いて支持体5に固着
して合計13種(実施例1〜13)の複合樹脂層を製作
している。
N、PEEK、LCP、LCP又はPTFEを用
い、これに強化材としての炭素繊維(CF)又は炭素ビ
ーズ(CB),や潤滑剤としてのフッ素樹脂又はグ
ラファイト粉末を充填して所定の寸法の複合樹脂を製作
し、これをエポキシ系の接着剤を用いて支持体5に固着
して合計13種(実施例1〜13)の複合樹脂層を製作
している。
【0040】実施例1〜9の複合樹脂層は、ベース樹脂
である熱可塑性樹脂に強化材又は強化材と潤滑剤の混合
物を充填し、円環状に射出成形したあと削り出しにより
所定の寸法のスラストワッシャ形状としたものである。
また、実施例10および実施例11の複合樹脂層は、ベ
ース樹脂である液晶性の全芳香族ポリエステルに強化材
を充填して、押出成形でシート状としたあとプレスして
所定の寸法形状としたものである。また、実施例12お
よび実施例13の複合樹脂層は、フッ素樹脂に別の樹脂
を配合した樹脂組成物に強化材を充填し、圧縮成形した
複合樹脂の丸棒材をスクライビングシートとして削り出
したあとプレスして所定の寸法形状としたものである。
である熱可塑性樹脂に強化材又は強化材と潤滑剤の混合
物を充填し、円環状に射出成形したあと削り出しにより
所定の寸法のスラストワッシャ形状としたものである。
また、実施例10および実施例11の複合樹脂層は、ベ
ース樹脂である液晶性の全芳香族ポリエステルに強化材
を充填して、押出成形でシート状としたあとプレスして
所定の寸法形状としたものである。また、実施例12お
よび実施例13の複合樹脂層は、フッ素樹脂に別の樹脂
を配合した樹脂組成物に強化材を充填し、圧縮成形した
複合樹脂の丸棒材をスクライビングシートとして削り出
したあとプレスして所定の寸法形状としたものである。
【0041】なお、各実施例の複合樹脂層の摺接面は、
ラップ加工して平面度が3μm以下、面粗さが中心線平
均粗さ(Ra)で0.05μm以下に仕上げられてい
る。
ラップ加工して平面度が3μm以下、面粗さが中心線平
均粗さ(Ra)で0.05μm以下に仕上げられてい
る。
【0042】次に、これまで説明した振動体の各種合金
膜(従来の合金膜および実施例1〜3の合金膜)と移動
体の各種複合樹脂層(実施例1〜13の複合樹脂層)と
を組み合わせて用いた振動波モータの評価結果につい
て、表5を用いて説明する。なお、この評価結果は、回
転軸10の一端に8kg・cmの回転負荷を与え、回転
軸10の他端にレーザロータリエンコーダを取り付け
て、定格の回転数60rpm、トルク8kg・cmで連
続運転を行ったときの評価結果である。
膜(従来の合金膜および実施例1〜3の合金膜)と移動
体の各種複合樹脂層(実施例1〜13の複合樹脂層)と
を組み合わせて用いた振動波モータの評価結果につい
て、表5を用いて説明する。なお、この評価結果は、回
転軸10の一端に8kg・cmの回転負荷を与え、回転
軸10の他端にレーザロータリエンコーダを取り付け
て、定格の回転数60rpm、トルク8kg・cmで連
続運転を行ったときの評価結果である。
【0043】
【表5】
【0044】表中の評価項目の「モータ性能」は、定格
での500時間連続運転後の入力値を相対評価したもの
であり、入力値が小さい方から○,△および×で表して
いる。また、「回転精度」は、500時間の連続運転
後、回転数33.3rpm、負荷1kg・cmとしたと
きのフラッタ値を相対評価したものであり、フラッタ値
が小さい方から○,△および×で表している。また、
「相対摩耗量」は、定格で1,000時間連続運転した
後の複合樹脂層の摩耗量を相対評価したものであり、摩
耗量が小さい方から○,△および×で表している。
での500時間連続運転後の入力値を相対評価したもの
であり、入力値が小さい方から○,△および×で表して
いる。また、「回転精度」は、500時間の連続運転
後、回転数33.3rpm、負荷1kg・cmとしたと
きのフラッタ値を相対評価したものであり、フラッタ値
が小さい方から○,△および×で表している。また、
「相対摩耗量」は、定格で1,000時間連続運転した
後の複合樹脂層の摩耗量を相対評価したものであり、摩
耗量が小さい方から○,△および×で表している。
【0045】さらに、表5には、500時間の連続運転
後にモータを分解して、振動体2の摺接面と移動体7の
複合樹脂層6の摺接面とを光学顕微鏡で観察した結果を
示している。
後にモータを分解して、振動体2の摺接面と移動体7の
複合樹脂層6の摺接面とを光学顕微鏡で観察した結果を
示している。
【0046】従来例の振動体のNi−P−SiC合金膜
と、ポリエーテルニトリル(PEN)に強化材として平
均粒子径が10μmの球状の炭素化カーボン(CB)
を重量比で30%充填した実施例1の複合樹脂層とを組
み合わせた場合、およびNi−P−SiC合金膜と、実
施例1の複合樹脂層に潤滑剤としてフッ素樹脂(PTF
E)を重量比で5%付加して充填した実施例2の複合樹
脂層とを組み合わせた場合のモータの評価結果は、いず
れもモータ性能は特に良く「○」であったが、回転精度
と相対摩耗量は「△」であった。
と、ポリエーテルニトリル(PEN)に強化材として平
均粒子径が10μmの球状の炭素化カーボン(CB)
を重量比で30%充填した実施例1の複合樹脂層とを組
み合わせた場合、およびNi−P−SiC合金膜と、実
施例1の複合樹脂層に潤滑剤としてフッ素樹脂(PTF
E)を重量比で5%付加して充填した実施例2の複合樹
脂層とを組み合わせた場合のモータの評価結果は、いず
れもモータ性能は特に良く「○」であったが、回転精度
と相対摩耗量は「△」であった。
【0047】この要因は、合金膜の摩擦係数が相対的に
大きいためにモータ性能は良いが、合金膜から高硬度の
炭化ケイ素の粒子が脱落して研摩剤となり、相手の複合
樹脂層の摺接面の摩耗を促進するためと考えられる。
大きいためにモータ性能は良いが、合金膜から高硬度の
炭化ケイ素の粒子が脱落して研摩剤となり、相手の複合
樹脂層の摺接面の摩耗を促進するためと考えられる。
【0048】実施例1のNi−P−B合金膜と、PEN
に強化材又は強化材と潤滑剤の混合物を充填した実施例
1〜8の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、ほとんど
の組み合わせについておおむね良好な評価結果が得られ
た。
に強化材又は強化材と潤滑剤の混合物を充填した実施例
1〜8の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、ほとんど
の組み合わせについておおむね良好な評価結果が得られ
た。
【0049】ただし、平均粒子径が25μm程度でやや
硬度の低い黒鉛化カーボン(CB)を重量比で30%
充填した実施例4の複合樹脂層を用いた場合は、モータ
性能および回転精度が「△」で、相対摩耗量が多く
「×」であった。この場合のモータを分解してみると、
振動体2の摺接面の一部に複合樹脂の付着物が比較的多
く見られた。
硬度の低い黒鉛化カーボン(CB)を重量比で30%
充填した実施例4の複合樹脂層を用いた場合は、モータ
性能および回転精度が「△」で、相対摩耗量が多く
「×」であった。この場合のモータを分解してみると、
振動体2の摺接面の一部に複合樹脂の付着物が比較的多
く見られた。
【0050】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材のみを充填した実施例1の複合樹脂層と
を組み合わせた場合、および同合金膜と、PENに平均
粒子径が12μmの粒子状の炭素化カーボン(CB)
を重量比で30%充填した実施例5の複合樹脂層とを組
み合わせた場合は、いずれもモータ性能、相対摩耗量は
「○」であったが、回転精度はフラッター値の変動が目
立ち「△」であった。この要因は、潤滑剤のPTFEが
充填されていないため、定常的に安定した摩擦面が得ら
れていないためと考えられる。
PENに強化材のみを充填した実施例1の複合樹脂層と
を組み合わせた場合、および同合金膜と、PENに平均
粒子径が12μmの粒子状の炭素化カーボン(CB)
を重量比で30%充填した実施例5の複合樹脂層とを組
み合わせた場合は、いずれもモータ性能、相対摩耗量は
「○」であったが、回転精度はフラッター値の変動が目
立ち「△」であった。この要因は、潤滑剤のPTFEが
充填されていないため、定常的に安定した摩擦面が得ら
れていないためと考えられる。
【0051】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに炭素化カーボン(CB,)を重量比で30
%充填し、さらに潤滑剤としてフッ素樹脂だけを充填し
た実施例2,3,6の複合樹脂層とを組み合わせた場合
は、モータ性能、回転精度とも「○」であった。但し、
フッ素樹脂を重量比で5%充填した実施例2の複合樹脂
層を用いた場合は相対摩耗量が「○」であったが、10
%充填した実施例3,6の複合樹脂層を用いた場合は相
対摩耗量が「△」であった。これにより、フッ素樹脂が
多いと複合樹脂層の摩耗が多くなることがわかった。
PENに炭素化カーボン(CB,)を重量比で30
%充填し、さらに潤滑剤としてフッ素樹脂だけを充填し
た実施例2,3,6の複合樹脂層とを組み合わせた場合
は、モータ性能、回転精度とも「○」であった。但し、
フッ素樹脂を重量比で5%充填した実施例2の複合樹脂
層を用いた場合は相対摩耗量が「○」であったが、10
%充填した実施例3,6の複合樹脂層を用いた場合は相
対摩耗量が「△」であった。これにより、フッ素樹脂が
多いと複合樹脂層の摩耗が多くなることがわかった。
【0052】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材として粒子状の炭素化カーボン(CB
)を重量比で35%、フッ素樹脂を5%、さらに複合
樹脂の硬さを低くするため潤滑剤でもあるグラファイト
粉末を5%充填した実施例7の複合樹脂層とを組み合わ
せた場合、および同合金膜と、PENに強化材としてP
AN系の炭素繊維(CF)を重量比で20%、潤滑剤と
してフッ素樹脂5%とグラファイト粉末5%との混合物
を充填した実施例8の複合樹脂層とを組み合わせた場合
は、いずれも全ての評価項目が「○」で良い結果が得ら
れた。
PENに強化材として粒子状の炭素化カーボン(CB
)を重量比で35%、フッ素樹脂を5%、さらに複合
樹脂の硬さを低くするため潤滑剤でもあるグラファイト
粉末を5%充填した実施例7の複合樹脂層とを組み合わ
せた場合、および同合金膜と、PENに強化材としてP
AN系の炭素繊維(CF)を重量比で20%、潤滑剤と
してフッ素樹脂5%とグラファイト粉末5%との混合物
を充填した実施例8の複合樹脂層とを組み合わせた場合
は、いずれも全ての評価項目が「○」で良い結果が得ら
れた。
【0053】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に球状の炭素
化カーボン(CB)を30%充填した実施例9の複合
樹脂層とを組み合わせた場合は、PENに同じ強化材を
同量充填した実施例1の複合樹脂層と組み合わせた場合
と同じ評価結果が得られた。これにより、ベース樹脂と
してPEEKはPENと同じ性能を有することがわかっ
た。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に球状の炭素
化カーボン(CB)を30%充填した実施例9の複合
樹脂層とを組み合わせた場合は、PENに同じ強化材を
同量充填した実施例1の複合樹脂層と組み合わせた場合
と同じ評価結果が得られた。これにより、ベース樹脂と
してPEEKはPENと同じ性能を有することがわかっ
た。
【0054】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)に球状の炭
素化カーボン(CB)を重量比で30%充填した実施
例10の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能および相対摩耗量は「○」であったが、回転精度は
「△」となった。回転精度が悪化したのは、複合樹脂層
の厚みがやや大きかったためと考えられる。
液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)に球状の炭
素化カーボン(CB)を重量比で30%充填した実施
例10の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能および相対摩耗量は「○」であったが、回転精度は
「△」となった。回転精度が悪化したのは、複合樹脂層
の厚みがやや大きかったためと考えられる。
【0055】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
別の液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)にPA
N系の炭素繊維(CF)を重量比で30%充填した実施
例11の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能は特に良く「○」で、回転精度および相対摩耗量も
「○」で良い結果が得られた。
別の液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)にPA
N系の炭素繊維(CF)を重量比で30%充填した実施
例11の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能は特に良く「○」で、回転精度および相対摩耗量も
「○」で良い結果が得られた。
【0056】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
ベース樹脂であるフッ素樹脂にポリオキシベンゾイル
(POB)又は非熱可塑性のポリイミド(PI)を重量
比で15%配合してフッ素樹脂の強度を改善した樹脂組
成物に、強化剤として球状の炭素化カーボン(CB1)
を15%充填した実施例12および実施例13の複合樹
脂層とを組み合わせた場合は、ともにモータ性能がやや
劣り「△」であったが、回転精度は特に良く「○」で、
相対摩耗量も「○」であった。
ベース樹脂であるフッ素樹脂にポリオキシベンゾイル
(POB)又は非熱可塑性のポリイミド(PI)を重量
比で15%配合してフッ素樹脂の強度を改善した樹脂組
成物に、強化剤として球状の炭素化カーボン(CB1)
を15%充填した実施例12および実施例13の複合樹
脂層とを組み合わせた場合は、ともにモータ性能がやや
劣り「△」であったが、回転精度は特に良く「○」で、
相対摩耗量も「○」であった。
【0057】フッ素樹脂をベース樹脂とする複合樹脂は
特に硬度が低く、硬度が高い熱可塑性樹脂に比べて振動
のダンピング特性が大きいので、この複合樹脂を振動波
モータの摺動体として用いると、出力が小さくなるが、
特性の変動幅は特に小さく安定したモータ特性が得られ
る。
特に硬度が低く、硬度が高い熱可塑性樹脂に比べて振動
のダンピング特性が大きいので、この複合樹脂を振動波
モータの摺動体として用いると、出力が小さくなるが、
特性の変動幅は特に小さく安定したモータ特性が得られ
る。
【0058】実施例2のNi−P系合金膜と、実施例5
〜8,10〜13の8種類の複合樹脂層とを組み合わせ
た場合は、モータ性能は実施例の合金膜を用いた場合
と全く同じ評価結果が得られたが、相対的にはややモー
タ性能が劣っていた。これは摩擦係数が実施例1のNi
−P−B合金膜が0.17であるのに対し、フッ素樹脂
を2.5%共折した実施例2のNi−P系合金膜が0.
11と小さいためと考えられる。
〜8,10〜13の8種類の複合樹脂層とを組み合わせ
た場合は、モータ性能は実施例の合金膜を用いた場合
と全く同じ評価結果が得られたが、相対的にはややモー
タ性能が劣っていた。これは摩擦係数が実施例1のNi
−P−B合金膜が0.17であるのに対し、フッ素樹脂
を2.5%共折した実施例2のNi−P系合金膜が0.
11と小さいためと考えられる。
【0059】また、炭素化カーボンのみを充填した実施
例5の複合樹脂層を用いた場合は、振動体の摺接面にフ
ッ素樹脂が共折しているためか、回転精度は「○」であ
ったが、この摺接面の合金膜の硬度がやや低いためか、
相対摩耗量は「△」となった。
例5の複合樹脂層を用いた場合は、振動体の摺接面にフ
ッ素樹脂が共折しているためか、回転精度は「○」であ
ったが、この摺接面の合金膜の硬度がやや低いためか、
相対摩耗量は「△」となった。
【0060】実施例のNi−P系合金膜と、実施例5
〜7,11,12の5種類の複合樹脂層とを組み合わせ
た場合は、フッ素樹脂を重量比で7.5%共折した実施
例3のNi−P系合金膜は摩擦係数が0.08とさらに
小さく、ビッカース硬度(450)もかなり低いため
か、モータ性能は全て「△」であり、実施例11の複合
樹脂層を用いた場合は、実施例2のNi−P系合金膜と
の組合せに比べて回転精度、相対摩耗量とも低下して
「△」となった。
〜7,11,12の5種類の複合樹脂層とを組み合わせ
た場合は、フッ素樹脂を重量比で7.5%共折した実施
例3のNi−P系合金膜は摩擦係数が0.08とさらに
小さく、ビッカース硬度(450)もかなり低いため
か、モータ性能は全て「△」であり、実施例11の複合
樹脂層を用いた場合は、実施例2のNi−P系合金膜と
の組合せに比べて回転精度、相対摩耗量とも低下して
「△」となった。
【0061】また、実施例3のNi−P系合金膜と上記
5種類の複合樹脂層とを組合せて使用したモータを連続
運転後分解してみると、いずれの振動体の摺接面の合金
膜にも摺動方向の傷があり、この合金膜の硬さが不足し
ていることがわかった。
5種類の複合樹脂層とを組合せて使用したモータを連続
運転後分解してみると、いずれの振動体の摺接面の合金
膜にも摺動方向の傷があり、この合金膜の硬さが不足し
ていることがわかった。
【0062】なお、本実施形態では、振動体2の摺接面
に合金膜を形成し、移動体7の摺接面に複合樹脂層を設
けた場合について説明したが、本発明では、振動体の摺
接面に複合樹脂層を設け、移動体の摺接面に合金膜を設
けてもよい。
に合金膜を形成し、移動体7の摺接面に複合樹脂層を設
けた場合について説明したが、本発明では、振動体の摺
接面に複合樹脂層を設け、移動体の摺接面に合金膜を設
けてもよい。
【0063】(第2実施形態)図3には、本発明の第2
実施形態である振動波モータの振動体と移動体の部分を
拡大して示している。本実施形態の振動体と移動体との
組み合わせは、図2に示した振動波モータの振動体と移
動体の組合せと互換性があり、これらを図1に示した第
1実施形態の振動波モータに組み込むことで、第2実施
形態の振動波モータを構成することができる。
実施形態である振動波モータの振動体と移動体の部分を
拡大して示している。本実施形態の振動体と移動体との
組み合わせは、図2に示した振動波モータの振動体と移
動体の組合せと互換性があり、これらを図1に示した第
1実施形態の振動波モータに組み込むことで、第2実施
形態の振動波モータを構成することができる。
【0064】図3において、51は圧電素子、52はこ
の圧電素子51が固着された振動体である。振動体52
は、第1実施形態の振動波モータの振動体と同じ材料
(表2参照)で同じ形状に作られている。
の圧電素子51が固着された振動体である。振動体52
は、第1実施形態の振動波モータの振動体と同じ材料
(表2参照)で同じ形状に作られている。
【0065】56は複合樹脂層であり、本実施形態では
振動体52のくし歯の表面(摺接面)にエポキシ系の接
着剤で固着されている。この複合樹脂層56は、ベース
樹脂又は樹脂組成物に、強化材又は強化材と潤滑剤との
混合物を充填した複合樹脂により形成される。
振動体52のくし歯の表面(摺接面)にエポキシ系の接
着剤で固着されている。この複合樹脂層56は、ベース
樹脂又は樹脂組成物に、強化材又は強化材と潤滑剤との
混合物を充填した複合樹脂により形成される。
【0066】57は移動体であり、第1実施形態の振動
波モータの支持体5と同様にアルミ合金製で、形状寸法
も同じに作られている。この移動体57の表面(複合樹
脂層56との摺接面)には、三元合金の無電解ニッケル
膜を形成したり、フッ素樹脂を重量比で1.5〜8.5
%共折した無電解ニッケル膜(Ni−P)を形成したり
する。
波モータの支持体5と同様にアルミ合金製で、形状寸法
も同じに作られている。この移動体57の表面(複合樹
脂層56との摺接面)には、三元合金の無電解ニッケル
膜を形成したり、フッ素樹脂を重量比で1.5〜8.5
%共折した無電解ニッケル膜(Ni−P)を形成したり
する。
【0067】ここで、表6に本実施形態において移動体
57の摺接面に形成される合金膜を示し、表7に本実施
形態において振動体52の摺接面に設けられるの複合樹
脂層を示す。
57の摺接面に形成される合金膜を示し、表7に本実施
形態において振動体52の摺接面に設けられるの複合樹
脂層を示す。
【0068】
【表6】
【0069】表6に示す合金膜の実施例1および実施例
2は、第1実施形態の振動波モータの合金膜(表3参
照)の実施例1および実施例2に対応するものである
が、本実施形態では、アルミ合金の移動体57に無電解
ニッケル膜を構成するため、熱変形を考慮して200℃
で加熱硬化して、表6のビッカース硬さを得ている。
2は、第1実施形態の振動波モータの合金膜(表3参
照)の実施例1および実施例2に対応するものである
が、本実施形態では、アルミ合金の移動体57に無電解
ニッケル膜を構成するため、熱変形を考慮して200℃
で加熱硬化して、表6のビッカース硬さを得ている。
【0070】
【表7】
【0071】表7に示す複合樹脂層の6種の実施例は、
第1実施形態の振動波モータの複合樹脂層(表4参照)
の実施例に対応しているものであるので、ここでは詳細
な説明は省略する。
第1実施形態の振動波モータの複合樹脂層(表4参照)
の実施例に対応しているものであるので、ここでは詳細
な説明は省略する。
【0072】次に、これまで説明した移動体57の合金
膜(実施例1,2の合金膜)と振動体52の各種複合樹
脂層(実施例5〜13の複合樹脂層)とを組み合わせて
用いた振動波モータの評価結果について、表8を用いて
説明する。なお、この評価結果は、第1実施形態のモー
タと同様に、定格の回転数60rpm、トルク8kg・
cmで連続運転を行ったときの評価結果である。
膜(実施例1,2の合金膜)と振動体52の各種複合樹
脂層(実施例5〜13の複合樹脂層)とを組み合わせて
用いた振動波モータの評価結果について、表8を用いて
説明する。なお、この評価結果は、第1実施形態のモー
タと同様に、定格の回転数60rpm、トルク8kg・
cmで連続運転を行ったときの評価結果である。
【0073】
【表8】
【0074】まず、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材のみを充填した実施例5の複合樹脂層と
を組み合せた場合は、モータ性能は「○」であったが、
回転精度と相対摩耗量は△でやや悪い結果であった。
PENに強化材のみを充填した実施例5の複合樹脂層と
を組み合せた場合は、モータ性能は「○」であったが、
回転精度と相対摩耗量は△でやや悪い結果であった。
【0075】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材と潤滑剤であるフッ素樹脂を充填した実
施例6の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能と回転精度が「○」で相対摩耗量は「△」であった。
PENに強化材と潤滑剤であるフッ素樹脂を充填した実
施例6の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、モータ性
能と回転精度が「○」で相対摩耗量は「△」であった。
【0076】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材である炭素化カーボン(CB)を重量
比で35%充填し、潤滑剤であるフッ素樹脂およびグラ
ファイト粉末を充填した実施例7の複合樹脂層を組み合
わせた場合は、モータ性能および回転精度が「○」で、
相対摩耗量が「△」であった。そして、モータを分解し
てみると、合金膜の一部に非常にわずかであるが付着物
が見られた。
PENに強化材である炭素化カーボン(CB)を重量
比で35%充填し、潤滑剤であるフッ素樹脂およびグラ
ファイト粉末を充填した実施例7の複合樹脂層を組み合
わせた場合は、モータ性能および回転精度が「○」で、
相対摩耗量が「△」であった。そして、モータを分解し
てみると、合金膜の一部に非常にわずかであるが付着物
が見られた。
【0077】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
PENに強化材である炭素繊維(CF)を重量比で20
%充填し、潤滑剤であるフッ素樹脂およびグラファイト
粉末を充填した実施例8の複合樹脂層を組み合わせた場
合は、全ての評価項目が「○」であった。
PENに強化材である炭素繊維(CF)を重量比で20
%充填し、潤滑剤であるフッ素樹脂およびグラファイト
粉末を充填した実施例8の複合樹脂層を組み合わせた場
合は、全ての評価項目が「○」であった。
【0078】また、実施例1のNi−P−B合金膜と、
液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP2)に炭素繊維
(CF)を30%充填した実施例11の複合樹脂層とを
組み合せた場合は、モータ性能と相対摩耗量が「○」
で、回転精度は「△」であった。なお、この場合は、複
合樹脂層に潤滑剤としてフッ素樹脂を充填し、安定した
摺接面を得る必要がある。
液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP2)に炭素繊維
(CF)を30%充填した実施例11の複合樹脂層とを
組み合せた場合は、モータ性能と相対摩耗量が「○」
で、回転精度は「△」であった。なお、この場合は、複
合樹脂層に潤滑剤としてフッ素樹脂を充填し、安定した
摺接面を得る必要がある。
【0079】また、実施例のNi−P−B合金膜と、
PTFEとPOBの樹脂組成物に炭素化カーボンビーズ
(CB)を重量比で15%充填した実施例12の複合
樹脂層はモータ性能が「△」であったが、回転精度と相
対摩耗は良く「○」であった。
PTFEとPOBの樹脂組成物に炭素化カーボンビーズ
(CB)を重量比で15%充填した実施例12の複合
樹脂層はモータ性能が「△」であったが、回転精度と相
対摩耗は良く「○」であった。
【0080】実施例2のフッ素樹脂を2.5%共折した
Ni−P合金膜と、PENに強化剤と潤滑剤のフッ素樹
脂およびグラファイト粉末とを充填した実施例7および
実施例8の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、実施例
のNi−P−B合金膜と組み合せたときと全く同じ評
価結果が得られた。但し、実施例8の複合樹脂層を用い
た場合は、相手の合金膜に摺動方向の傷がわずかに見ら
れた。
Ni−P合金膜と、PENに強化剤と潤滑剤のフッ素樹
脂およびグラファイト粉末とを充填した実施例7および
実施例8の複合樹脂層とを組み合わせた場合は、実施例
のNi−P−B合金膜と組み合せたときと全く同じ評
価結果が得られた。但し、実施例8の複合樹脂層を用い
た場合は、相手の合金膜に摺動方向の傷がわずかに見ら
れた。
【0081】実施例2のNi−P合金膜と実施例11お
よび実施例12の複合樹脂層とを組み合わせた場合も、
実施例1のNi−P−B合金膜と組み合わせたときと同
じ結果が得られ、実施例11の複合樹脂層を用いた場合
は合金膜に摺動方向の傷が見られた。
よび実施例12の複合樹脂層とを組み合わせた場合も、
実施例1のNi−P−B合金膜と組み合わせたときと同
じ結果が得られ、実施例11の複合樹脂層を用いた場合
は合金膜に摺動方向の傷が見られた。
【0082】なお、本実施形態では、振動体52の摺接
面に複合樹脂層を設け、移動体57の摺接面に合金膜を
設けた場合について説明したが、本発明では、振動体の
摺接面に合金膜を形成し、移動体の摺接面に複合樹脂層
を設けてもよい。
面に複合樹脂層を設け、移動体57の摺接面に合金膜を
設けた場合について説明したが、本発明では、振動体の
摺接面に合金膜を形成し、移動体の摺接面に複合樹脂層
を設けてもよい。
【0083】また、以上の各実施形態で説明した振動波
モータの回転軸10は、例えば図1に示すように複写機
の転写ドラム駆動機構に連結され、転写ドラムを安定的
に駆動する等、種々の装置の駆動源として用いられる。
モータの回転軸10は、例えば図1に示すように複写機
の転写ドラム駆動機構に連結され、転写ドラムを安定的
に駆動する等、種々の装置の駆動源として用いられる。
【0084】なお、本発明は、以上の実施形態および変
形例、またはそれら技術要素を必要に応じて組み合わせ
て用いてもよい。
形例、またはそれら技術要素を必要に応じて組み合わせ
て用いてもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1の発明で
は、振動体および接触体のうち一方の摺接面に三元合金
の無電解ニッケル膜を形成し、他方の摺接面にフッ素樹
脂等の強化材を含有した複合樹脂層を形成している。ま
た、本願第2の発明では、一方の摺接面にフッ素樹脂を
共析した無電解ニッケル膜を形成し、他方の摺接面に炭
素繊維等の強化材を含有した複合樹脂層を形成してい
る。
は、振動体および接触体のうち一方の摺接面に三元合金
の無電解ニッケル膜を形成し、他方の摺接面にフッ素樹
脂等の強化材を含有した複合樹脂層を形成している。ま
た、本願第2の発明では、一方の摺接面にフッ素樹脂を
共析した無電解ニッケル膜を形成し、他方の摺接面に炭
素繊維等の強化材を含有した複合樹脂層を形成してい
る。
【0086】このため、上記第1の発明を用いれば、一
方の摺接面側に硬質な炭化ケイ素の粒子を含有していな
いので、他方の摺接面側の複合樹脂層の摩耗を抑えるこ
とができる。
方の摺接面側に硬質な炭化ケイ素の粒子を含有していな
いので、他方の摺接面側の複合樹脂層の摩耗を抑えるこ
とができる。
【0087】しかも、これら第1および第2の発明を用
いれば、駆動装置の運転初期において、上記一方の摺接
面にフッ素樹脂膜を均一に形成させて潤滑性を向上させ
ることができるとともに、複合樹脂層からの摩耗粉の発
生を抑え、その摩耗粉の無電解ニッケル膜への付着や複
合樹脂層への堆積を防止することができる。したがっ
て、振動体と接触体との間の摩擦係数を安定させ、駆動
性能や回転精度が優れ、寿命が長い振動型駆動装置を実
現することができる。
いれば、駆動装置の運転初期において、上記一方の摺接
面にフッ素樹脂膜を均一に形成させて潤滑性を向上させ
ることができるとともに、複合樹脂層からの摩耗粉の発
生を抑え、その摩耗粉の無電解ニッケル膜への付着や複
合樹脂層への堆積を防止することができる。したがっ
て、振動体と接触体との間の摩擦係数を安定させ、駆動
性能や回転精度が優れ、寿命が長い振動型駆動装置を実
現することができる。
【0088】なお、無電解ニッケル膜を100〜400
℃で加熱硬化処理すれば、より硬質かつ安定した合金膜
を形成することができる。
℃で加熱硬化処理すれば、より硬質かつ安定した合金膜
を形成することができる。
【0089】また、複合樹脂層に潤滑剤を含有させれ
ば、より優れた駆動性能等を得ることができる。
ば、より優れた駆動性能等を得ることができる。
【図1】本発明の第1実施形態である振動波モータの断
面図である。
面図である。
【図2】上記振動波モータを構成する振動体と移動体の
部分拡大断面図である。
部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態である振動波モータの断
面図である。
面図である。
1,51 圧電素子 2,52 振動体 5 支持体 6,56 複合樹脂層 7,57 移動体
Claims (21)
- 【請求項1】 振動が励起される振動体と、この振動体
に接触する接触体とを相対的に摩擦駆動する振動型駆動
装置において、 前記振動体および前記接触体のうち一方の摺接面に、三
元合金の無電解ニッケル膜を設け、他方の摺接面に、樹
脂又は樹脂組成物に強化材を含有させた複合樹脂層を設
けたことを特徴とする振動型駆動装置。 - 【請求項2】 前記無電解ニッケル膜が、100〜40
0℃で加熱硬化処理されていることを特徴とする請求項
1に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項3】 前記無電解ニッケル膜が、ニッケル−リ
ン−ホウ素合金からなることを特徴とする請求項1又は
2に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項4】 前記樹脂が、熱可塑性樹脂又はフッ素樹
脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
記載の振動型駆動装置。 - 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルニト
リル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)又は液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)であ
ることを特徴とする請求項4に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項6】 前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)であることを特徴とする請求項4に記載
の振動型駆動装置。 - 【請求項7】 前記樹脂組成物が、フッ素樹脂とポリオ
キシベンゾイル(POB)又はポリイミド(PI)とか
らなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
載の振動型駆動装置。 - 【請求項8】 前記強化材が、炭素繊維、粒状若しくは
球状の炭素ビーズ又は炭素繊維と炭素ビーズの混合物で
あることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載
の振動型駆動装置。 - 【請求項9】 前記複合樹脂層に、潤滑剤を含有させた
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の振
動型駆動装置。 - 【請求項10】 前記潤滑剤が、フッ素樹脂又はフッ素
樹脂とグラファイト粉末の混合物であることを特徴とす
る請求項9に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項11】 振動が励起される振動体と、この振動
体に接触する接触体とを相対的に摩擦駆動する振動型駆
動装置において、 前記振動体および前記接触体のうち一方の摺接面に、フ
ッ素樹脂を重量比で1.5〜8.5%共析した無電解ニ
ッケル膜を設け、他方の摺接面に、樹脂又は樹脂組成物
に強化材を含有させた複合樹脂層を設けたことを特徴と
する振動型駆動装置。 - 【請求項12】 前記無電解ニッケル膜が、100〜4
00℃で加熱硬化処理されていることを特徴とする請求
項11に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項13】 前記無電解ニッケル膜が、ニッケル−
リン合金又はニッケル−ホウ素合金からなることを特徴
とする請求項11又は12に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項14】 前記樹脂が、熱可塑性樹脂又はフッ素
樹脂であることを特徴とする請求項11から13のいず
れかに記載の振動型駆動装置。 - 【請求項15】 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルニ
トリル(PEN)、ポーリエーテルエーテルケトン(P
EEK)又は液晶性の全芳香族ポリエステル(LCP)
であることを特徴とする請求項14に記載の振動型駆動
装置。 - 【請求項16】 前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン
樹脂(PTFE)であることを特徴とする請求項14に
記載の振動型駆動装置。 - 【請求項17】 前記樹脂組成物が、フッ素樹脂とポリ
オキシベンゾイル(POB)又はポリイミド(PI)と
からなることを特徴とする請求項11から13のいずれ
かに記載の振動型駆動装置。 - 【請求項18】 前記強化材が、炭素繊維、粒状若しく
は球状の炭素ビーズ又は炭素繊維と炭素ビーズの混合物
であることを特徴とする請求項11から17のいずれか
に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項19】 前記複合樹脂層に、潤滑剤を含有させ
たことを特徴とする請求項11から18のいずれかに記
載の振動型駆動装置。 - 【請求項20】 前記潤滑剤が、フッ素樹脂又はフッ素
樹脂とグラファイト粉末の混合物であることを特徴とす
る請求項19に記載の振動型駆動装置。 - 【請求項21】 請求項1から20のいずれかに記載の
振動型駆動装置を備えたことを特徴とする装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8164880A JPH1014264A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 振動型駆動装置およびこれを備えた装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8164880A JPH1014264A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 振動型駆動装置およびこれを備えた装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1014264A true JPH1014264A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15801668
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8164880A Pending JPH1014264A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 振動型駆動装置およびこれを備えた装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1014264A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8615147B2 (en) | 2010-07-21 | 2013-12-24 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Optical switch device and method of manufacturing the same |
-
1996
- 1996-06-25 JP JP8164880A patent/JPH1014264A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8615147B2 (en) | 2010-07-21 | 2013-12-24 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Optical switch device and method of manufacturing the same |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5034646A (en) | Vibration motor | |
| EP1818993B1 (en) | Motor, lens barrel, camera system, and method for producing motor | |
| US5329201A (en) | Vibration driven motor | |
| JP2898053B2 (ja) | 振動波装置 | |
| US6463642B1 (en) | Method of manufacturing a vibration type driving apparatus | |
| JPH02285974A (ja) | 振動波モータ | |
| US5352950A (en) | Vibration wave driven motor | |
| JP3450733B2 (ja) | 摺動部材、それを用いた振動波駆動装置及び機器 | |
| CN102754328A (zh) | 振动促动器、具有该振动促动器的透镜镜筒及照相机 | |
| JPH1014264A (ja) | 振動型駆動装置およびこれを備えた装置 | |
| US6643906B2 (en) | Friction member, and vibration wave device and apparatus using friction member | |
| JP2925192B2 (ja) | 振動波駆動装置 | |
| JPH05219762A (ja) | 振動波モータ | |
| JP3160139B2 (ja) | 振動波モータ | |
| JPH11318090A (ja) | 振動型駆動装置、その製造方法およびそれを備えた機器 | |
| JPH0442787A (ja) | 振動波モータ | |
| JP2965734B2 (ja) | 振動波モータ | |
| JP2012203085A (ja) | 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器 | |
| JPS63136986A (ja) | 超音波モ−タ | |
| JP2874773B2 (ja) | 振動波駆動装置 | |
| JP7669646B2 (ja) | 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒および電子機器 | |
| JPH07177768A (ja) | 振動波モータ | |
| JPH07194152A (ja) | 振動波モータの摩擦部材の形成方法 | |
| JPH11172123A (ja) | 振動波モータ用摩擦材、それを用いた振動波モータおよび機器 | |
| JPS63265574A (ja) | 超音波モ−タ |